JP2023146694A - 化粧材用水性インキ組成物及びこれを用いた化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インキの経時安定性、レベリング性、基材密着性及び耐ブロッキング性に優れ、熱ラミネート加工適性が良好な、化粧材用水性インキを提供することを目的とする。【解決手段】バインダー樹脂として水性ポリウレタン樹脂(A)を含有する化粧材用水性インキであって、水性ポリウレタン樹脂(A)が、重量平均分子量50000~2000000のポリエステル系ウレタン樹脂(a)を含有する、化粧材用水性インキ。ポリエステル系ウレタン樹脂(a)の含有量が、バインダー樹脂の総量に対して、15~100質量%である、前記化粧材用水性インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧材用水性インキ組成物及びこれを用いた化粧材に関する。
近年、一戸建て、マンション、アパート等一般住宅、モール、駅ビル等商業施設、病院、学校等の公共施設の天井、家具、壁、床、キッチンキャビネット、建具や、外壁、ルーバー等の装飾品の建装材において、集積材や無垢材等を使用することは稀になっており、それらを化粧材に代替することが多い。化粧材は、プラスチック基材に木目柄、石目柄、抽象柄等を印刷し、更にプラスチック基材と熱ラミネートして、当該熱ラミネートされた積層体を木質基材、鋼鈑基材等に貼り付けることで得られる。なお、上記プラスチック基材としては、従来塩化ビニルを使用することが多い。これは、可塑剤の添加量により基材の柔軟性や加工性を広く調整出来ること、優れた印刷適性を持つこと、塩化ビニル基材と熱ラミネートするだけで化粧材ができ、生産性が良いこと等のメリットがあるためである。
上記柄を通常のプラスチック基材等に印刷する場合には、グラビア印刷又はフレキソ印刷が用いられるのが一般的である。印刷インキとしては有機溶剤系インキのみでなく水性インキが使用されてきており、近年では、印刷時の有機溶剤排出量削減による環境負荷低減、溶剤火災予防その他の安全性、及び印刷物の残留溶剤低減といった要求の高まりから、水性グラビアインキや水性フレキソインキが特に注目を集めている。
一方で、塩化ビニル基材向けの印刷インキには、印刷適性や塗工膜の物性を保持するため、メインバインダーとして一般に、アクリル樹脂や塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂等が用いられており、これらは主に有機溶剤が必須となる印刷インキである(特許文献1、2)。そこで、上記のように環境面の観点から水性アクリル樹脂をバインダー樹脂とした塩化ビニル基材向けの水性印刷インキが検討されているが、有機溶剤系印刷インキと同等の印刷適性や塗工膜の物性を得るためには、まだ課題が多い(特許文献3)。
これまでに、化粧材用途において、水性印刷インキにウレタン樹脂を用いることで、塩化ビニル基材で熱ラミネートを行っても充分な基材密着性を得られる印刷インキが開発されている(特許文献4)。しかし、耐ブロッキング性や熱ラミネート後の色相変化等、課題も残っている。
特開平06-286097号公報 特開平07-024976号公報 特開平08-113750号公報 特開2021-147428号公報
本発明は、インキの経時安定性、レベリング性、基材密着性及び耐ブロッキング性に優れ、熱ラミネート加工適性が良好な、化粧材用水性インキを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を鑑みて、鋭意検討を行った結果、以下に記載の印刷インキを用いることで当該課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、バインダー樹脂として水性ポリウレタン樹脂(A)を含有する化粧材用水性インキであって、水性ポリウレタン樹脂(A)が、重量平均分子量50000~2000000のポリエステル系ウレタン樹脂(a)を含有する、化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、ポリエステル系ウレタン樹脂(a)の含有量が、バインダー樹脂の総量に対して、15~100質量%である、上記の化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、更に、沸点が110~260℃であるグリコール系溶剤を含有する、上記の化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、更に、ノニオン系界面活性剤を含有する、上記の化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、更に、酸性基及び/ 又は水酸基と反応する官能基を有する架橋剤を含有し、かつ、水性ポリウレタン樹脂(A)が、酸性基及び/ 又は水酸基を有する、上記の化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、前記架橋剤が、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びアジリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、上記の化粧材用水性インキに関する。
また、本発明は、塩化ビニル基材1上に、上記の化粧材用水性インキを印刷してなる印刷層を有する、化粧材用印刷物に関する。
また、本発明は、塩化ビニル基材1、上記の化粧材用水性インキを印刷してなる印刷層、及び塩化ビニル基材2を順次有する、化粧材用積層体に関する。
また、本発明は、塩化ビニル基材1上に、上記の化粧材用水性インキを、グラビア又はフレキソ印刷により印刷して印刷層を得る工程、及び、前記印刷層上に、更に塩化ビニル基材2を80~200℃の条件下で熱ラミネートにより貼り合わせる工程を含む、化粧材用積層体の製造方法に関する。
本発明により、インキの経時安定性、レベリング性、基材密着性及び耐ブロッキング性に優れ、熱ラミネート加工適性が良好な、化粧材用水性インキを提供することが可能となった。
以下に例を挙げて本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する事項は本発明の実施形態の一例ないし代表例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
以下の説明において、バインダー樹脂とは、本発明の化粧材用水性インキに使用される結着樹脂を表す。また、水性樹脂は水溶性樹脂であってもよいし、水性エマルジョン樹脂であってもよい。
化粧材用水性インキは、水性グラビア又はフレキソインキとしての使用が好ましい。以下の説明において、化粧材用水性インキを、単に「インキ」「水性インキ」と略記する場合があるが同義である。また、化粧材用水性インキにより形成された印刷層を「インキ被膜」又は「インキ層」と表記する場合があるがいずれも同義である。
(水性ポリウレタン樹脂)
本発明は、水性ポリウレタン樹脂を含有する、化粧材用水性インキである。水性ポリウレタン樹脂を使用することで基材密着性、熱ラミネート性、耐光性、及び耐湿熱性が良化する効果を奏する。ポリウレタン樹脂としては中和される酸価を有することが好ましく、酸価は15~60mgKOH/gであることが好ましい。また、ポリオールとイソシアネート化合物を構成単位とすることが好ましく、ポリオールとしてポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールのうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。
すなわち水性ポリウレタン樹脂の形態としは、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂及びポリカーボネート系ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
(水性ポリウレタン樹脂(A))
本発明において、水性ポリウレタン樹脂(A)は化粧材用水性インキ用の水性バインダー樹脂として機能するものであり、重量平均分子量が50000~2000000のポリエステル系ウレタン樹脂(a)を含有する。これにより、基材密着性、熱ラミネート加工適性、耐光性、耐ブロッキング性が良化し、各性能を両立させることができる。
更に、水性ポリウレタン樹脂(A)は、中和剤を用いて水中に溶解又は分散された態様が好ましい。すなわち、水性ポリウレタン樹脂(A)は、水性ポリウレタン樹脂(A)分散体として後述のインキ原料に使用されることが好ましい。ただし、水性ポリウレタン樹脂(A)の態様は上記に限定されるものではない。
上記水性ポリウレタン樹脂(A)分散体は、固形分が15~40質量%であることが好ましく、粘度が10~5000mPa・sであることが好ましい。
ここで「固形分」とは組成物における不揮発成分の総質量%をいい、粘度はJISZ8803:2011に記載の方法により得られた値を表し、B型粘度計での25℃における測定値である。
[中和剤]
上記中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、2-(ジエチルアミノ)エタノール、2―アミノ-2-メチル-1-プロパノール、等が挙げられる。印刷物に残存しにくいという観点から、中和剤としてアンモニアを含むことが好ましい。
水性ポリウレタン樹脂(A)の酸価は特に限定されるものではないが、5~100mgKOH/gの範囲であることが好ましく、15~60mgKOH/gであることがより好ましく、20~55mgKOH/gであることが更に好ましく、24~45mgKOH/gであることが特に好ましい。水性ポリウレタン樹脂の水への分散性を維持するためである。
一方、水性ポリウレタン樹脂(A)の水酸基価は、0.1~30mgKOH/gであることが好ましい。水性ポリウレタン樹脂の水への溶解性、印刷層の耐水性、更には基材密着性が良好となるためである。なお、1~15mgKOH/gであることがより好ましい。水性ポリウレタン樹脂に水酸基を導入するには、末端基が水酸基であってもよいし、側鎖に水酸基を有していてもよい。
水性ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、50000~2000000であることが好ましく、100000~1800000であることがより好ましい。水性ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量が当該範囲であることによって、印刷適性、耐ブロッキング性、熱ラミネート強度、熱ラミネート時の色相変化等の特性を良好とするためである。
(ポリエステル系ウレタン樹脂(a))
水性ポリウレタン樹脂(A)が、ポリエステル系ウレタン樹脂(a)を含有することにより、基材密着性、熱ラミネート加工適性、耐光性、耐ブロッキング性が良化し、各性能を両立させることができる。
ポリエステル系ウレタン樹脂(a)の含有量は、熱ラミネート加工適性、及び耐ブロッキング性向上の観点から、バインダー樹脂の総量に対して15~100質量%であることが好ましく、25~100質量%であることがより好ましく、35~100質量%であることが更に好ましく、45~100質量%であることが特に好ましい。
ポリエステル系ウレタン樹脂(a)は、製造方法により限定されるものではないが、ポリエステルポリオールを含むポリオール、酸性基含有ポリオール、及び必要に応じてその他のポリオールと、イソシアネート化合物との反応物であるポリエステル系ポリウレタン樹脂、又は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、更にアミン化合物で鎖延長されたポリエステル系ポリウレタン樹脂であることが好ましい。かかる反応物の生成は、無溶媒又はイソシアネート化合物に対して不活性である溶媒中で好適に行われる。
[ポリオール]
ポリオールとは、水酸基を複数有する化合物をいう。ポリオールは、構造中に繰り返し単位を有することが好ましい。上記ポリオールがポリエステルポリオールを含有することで、ポリエステル系水性ポリウレタン樹脂を合成することができる。
ポリエステルポリオールは製造方法により限定されるものではないが、構造中に繰り返し単位を有しない多価アルコールと多価カルボン酸との重縮合反応や、構造中に繰り返し単位を有しない多価アルコールと環状ラクトンとの開環重合等で得ることができる。
多価アルコールとしては、ジオール、トリオール等が好適に挙げられ、例えば、
エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の直鎖ジオール、
プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール[別名:ネオペンチルグリコール]、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2、2、4-トリメチル-1、3-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐ジオール、
シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、1-フェニル-1,2-エタンジオール、[別名:スチレングリコール]、2,2-イソプロピリデン-4,4’-ジシクロヘキサノール[別名:水素化ビスフェノールA]、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、等の環構造含有ジオール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のトリオール、が好適に挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。これらの酸無水物を使用することもできる。
環状ラクトンとしてはε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン、ラクチド等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、数平均分子量が500~5000であることが好ましく、800~4000であることがなお好ましい。1000~3000であることが更に好ましい。
上記多価アルコールとしては、直鎖状ジオールと分岐状ジオールとを併用することができる。直鎖状ジオールは結晶性を付与し、分岐状ジオールは柔軟性を付与するので、そのバランスを調整することにより、強靭なインキ皮膜を得ることができる。これにより良好な基材密着性、耐ブロッキング性、熱ラミネート加工適性等が得られる。
ポリオールとして、更にポリエーテルポリオールを併用することが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。水分散性等の観点からポリエチレングリコールが好ましい。
上記ポリエチレングリコールは数平均分子量が200~5000のものが好ましく、1000~3000のものがより好ましい。また、水性ポリウレタン樹脂(A)の総質量中、ポリエチレングリコールの質量比率が0.1~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましく、2~10質量%であることが更に好ましい。なお、樹脂中のポリオール由来の比率は、原料仕込み比率で代用できる。
ポリオールとして、ポリカーボネートポリオールを併用することができる。ポリカーボネートポリオールは製造方法により限定されるものではないが、例えば、多価アルコールとカーボネート化合物との重縮合反応により得ることができる。
上記カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
(酸性基含有ポリオール)
酸性基含有ポリオールは、同一分子内に酸性基と複数の水酸基を有する化合物をいい、酸性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。酸性基含有ポリオールの具体的な例としては、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸、酒石酸が挙げられる。反応性等の観点から、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸が好ましい。酸性基含有ポリオールの酸性基は、ポリウレタン樹脂に酸価を与える。当該酸性基は上記中和剤にて中和されて、水性ポリウレタン樹脂(A)に水への溶解性・分散性を与えると考えられる。
なお上記のポリオール以外に、その他のポリオールとしてジオール、トリオール等を使用することができる。ジオール及びトリオールはポリエステルポリオールの記載で列挙したものと同様のものを好適に挙げられる。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族又は脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートが代表例として挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。樹脂皮膜の強靭性等の面から、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネートが好ましい。
(顔料)
本発明の化粧材用水性インキは、顔料を含有することが好ましい。本発明の化粧材用水性インキに使用される顔料としては、一般のインキ、塗料、及び記録材等に使用されている有機、無機顔料を好適に挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系等の顔料が挙げられる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ(弁柄)、アルミニウム、マイカ(雲母)等が挙げられる。なお、カラーインデックスに収載のC.I.ピグメントとして記載されている顔料を適宜使用することができる。
これらの顔料は1種類、又は2種類以上併用して用いることができる。上記顔料はインキ総質量中に0.05~60質量%含有することが好ましく、有機顔料又はカーボンブラックの場合はインキ総質量中0.05~35質量%、酸化チタンや硫酸バリウム等の無機顔料の場合はインキ総質量中5~60質量%で含有することが好ましい。酸化チタンは、少なくともシリカ又はアルミナで表面被覆された酸化チタンが好ましい。
(液状媒体)
本発明の化粧材用水性インキは、液状媒体として水を含むことが好ましい。また、その効果に支障のない範囲で有機溶剤を使用してもよく、使用する場合はアルコール系有機溶剤、グリコール溶剤又はグリコールモノアルキルエーテル溶剤であることが好ましい。
かかるアルコール系有機溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、t-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール等;
グリコール溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールその他のアルキレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールその他のジアルキレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコールその他のトリアルキレングリコール等;
グリコールモノアルキルエーテル溶剤としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルその他のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルその他のジプロピレンモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルその他のトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルその他のジエチレングリコールモノアルキルエーテル等が好適に挙げられる。
本発明の化粧材用水性インキには、有機溶剤として、上記グリコール溶剤及び/又はグリコールモノアルキルエーテル溶剤(以下、「グリコール系溶剤」と略記する場合がある)から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。本発明の化粧材用水性インキが含有するグリコール系溶剤は、沸点が110~260℃であることが好ましい。沸点が当該範囲であるグリコール溶剤を含有することによって、インキの経時安定性、レベリング性等が良化し、各性能を両立させることができる。
本発明の化粧材用水性インキが上記グリコール系溶剤を含む場合、その含有量は、インキの経時安定性及びレベリング性の観点から、インキ総質量中に0.1%~20%であることが好ましく、0.5%~15%であることがより好ましく、2%~10%であることが更に好ましく、5%~9%であることが特に好ましい。
(添加剤)
本発明の化粧材用水性インキには、添加剤として、分散剤、ブロッキング防止剤、増粘剤、レオロジー調整剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、表面張力調整剤、pH調整剤、ワックス等を含有させることができる。
(分散剤)
本発明の化粧材用水性インキは、分散剤を含有することが好ましく、インキ経時安定性の観点から、ノニオン系界面活性剤を含有することが特に好ましい。
ノニオン系界面活性剤としてはアセチレン系、シロキサン系、アクリル系、フッ素系、エーテル系等、様々な種類のものが知られているが、インキ経時安定性、レベリング性等を良化、両立させるため、アセチレン系及び/又はエーテル系界面活性剤を含むことが好ましい。
(pH)
本発明の化粧材用水性インキはpHが6.5~10.0であることが好ましい。pHの調整には、上記の中和剤についての説明で挙げた無機水酸化物又はアミン化合物を使用することが好ましい。
(架橋剤)
本発明の化粧材用水性インキは、酸性基及び/ 又は水酸基を有する水性ポリウレタン樹脂(A)を含有することが好ましく、その場合には、酸性基及び/ 又は水酸基と反応する官能基を有する架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤を用いることで、水性ポリウレタン樹脂(A)を架橋させ、これにより水性インキの基材密着性、熱ラミネート強度、熱ラミネート時の色相変化、耐光性、耐湿熱性を向上させることができる。
上記、酸性基及び/ 又は水酸基と反応する官能基としては、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基、アジリジン基、カルボジイミド基、アミノ樹脂、アルコキシシラン等が挙げられる。
上記架橋剤としては、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を好適に選択できる。
ヒドラジド系化合物としてはアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、その他のジヒドラジド化合物が好ましい。
カルボジイミド化合物とは、カルボジイミド基を有する化合物であり、例えば日清紡ケミカル株式会社製カルボジライトE-02、E-03A、SV-02、V-02、V02-L2、V-04が挙げられる。
オキサゾリン化合物とはオキサゾリン基を含有する化合物であり、例えば株式会社日本触媒製エポクロスK-2010E、WS-700が挙げられる。
エポキシ化合物とはエポキシ基を有する化合物をいい、例えばナガセケムテックス株式会社製デナコールEX614B、三菱ケミカル株式会社製テドラッドX、株式会社ADEKA社製アデカレジンEP-4000、EP-4005、7001が挙げられる。
イソシアネート化合物とは、イソシアネート基を含有する化合物であり、例えば旭化成株式会社製デュラネートWB40-100、東ソー株式会社製アクアネート105が挙げられる。
アジリジン化合物とは、アジリジン基を含有する化合物であり、例えば株式会社日本触媒PZ-33、DZ-22Eが挙げられる。
当該架橋剤は、1種類又は複数種類を同時に使用する事ができ、インキ固形分の総質量に対して1~30質量%含有させることが好ましく、2~20質量%含有させることがより好ましい。また、水性ポリウレタン樹脂(A)100質量%に対する架橋剤の質量比率(水性ポリウレタン樹脂(A):架橋剤)は、100:1~100:50であることが好ましく、100:2.5~100:30であることがなお好ましい。水性インキを使用した積層体の熱ラミネート強度が良好となるためである。
<化粧材用水性インキの製造方法>
本発明の化粧材用水性インキの製造は、水性ポリウレタン樹脂、並びに、必要に応じて顔料、水、有機溶剤、及び分散剤を所定量混合したのち、更にビーズミル等で分散(顔料分散)をする工程を経ることが好ましい。得られた分散体に、必要に応じて消泡剤、水等を更に配合することにより、化粧材用水性インキを製造することもできる。上記顔料分散に使用する分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルを用いることができる。中でも、サンドミル、ガンマミル、その他のビーズミルで分散することが好ましい。
本発明の化粧材用水性インキの粘度は、本発明の効果を奏する観点から、10~1000mPa・sであることが好ましい。当該粘度は、JISZ8803:2011に記載の方法により得られた値を表し、B型粘度計での25℃における測定値である。
<印刷>
本発明の化粧材用水性インキは任意の印刷方式で印刷を行うことができ、特段の制限はない。中でもグラビア印刷又はフレキソ印刷における印刷方法が好適に使用可能である。
<フレキソ印刷>
(アニロックスロール)
フレキソ印刷に使用されるアニロックスとしては、セル彫刻が施されたセラミックアニロックスロール、クロムメッキアニロックスロール等を使用することができる。優れたドット再現性を有する印刷物を得るために印刷する際に使用する版線数の5倍以上好ましくは6倍以上の線数を有するアニロックスロールが使用されることが好ましい。例えば、使用する版線数が75lpiの場合は375lpi以上のアニロックスロールが好ましく、版線数が150lpiの場合は750lpi以上のアニロックスロールが好ましい。アニロックス容量については本発明の水性フレキソインキの乾燥性とブロッキング性の観点から1~8cc/mの容量、好ましくは2~6cc/mのアニロックスロールである。
(フレキソ版)
本発明のフレキソ印刷物の製造方法に使用されるフレキソ印刷に使用される版としては、UV光源による紫外線硬化を利用する感光性樹脂版又はダイレクトレーザー彫刻方式を使用するエラストマー素材版が挙げられる。フレキソ版の画像部の形成方法に関わらず、版のスクリーニング線数において75lpi以上のものが使用されることが好ましい。版を貼るスリーブやクッションテープについては任意のものを使用することができる。
(印刷機)
フレキソ印刷機としてはCI型多色フレキソ印刷機、ユニット型多色フレキソ印刷機等があり、インキ供給方式についてはチャンバー方式、2ロール方式が挙げることが出来、適宜の印刷機を使用することができる。
<グラビア印刷>
(グラビア版)
上記グラビア印刷においては、グラビア版は金属製の円筒状のものであり、彫刻又は腐蝕・レーザーにて凹部を各色で作成される。彫刻とレーザーは使用に制限は無く、柄に合わせて任意に設定が可能である。線数としては75線~250線のものが適宜使用され、線数の大きいものほど目の細かい印刷が可能である。印刷層の厚みとしては、0.1μm~100μmが好ましい。
(印刷機)
グラビア印刷機において、一つの印刷ユニットには上記グラビア版及びドクターブレードを備えている。印刷ユニットは多数あり、有機溶剤系印刷インキ及び絵柄インキに対応する印刷ユニットを設定でき、各ユニットはオーブン乾燥ユニットを有する。印刷は輪転により行われ、巻取印刷方式である。版の種類やドクターブレードの種類は適宜選択され、仕様に応じたものが選定できる。
<化粧材用印刷物>
本発明の実施形態の一つとして、塩化ビニル基材1上に、本発明の化粧材用水性インキを印刷してなる印刷層を有する、化粧材用印刷物が挙げられる。
上記塩化ビニル基材1上に、化粧材用水性インキを印刷し転移させた後、充分に乾燥させ、水及び有機溶剤等の揮発成分を乾燥させることで、化粧材用印刷物を得ることができる。上記塩化ビニル基材1への印刷の方法は、上記グラビア印刷又はフレキソ印刷が好適である。
<塩化ビニル基材1>
上記塩化ビニル基材1としては、必要に応じて可塑剤、安定剤、滑剤、充填剤、顔料、染料等の着色剤等を混合してフィルム化した無色透明又は着色した塩化ビニル基材が好ましい。基材の厚みとしては20~1000μmであることが好ましい。なお、軟化温度が60~90℃の硬質塩化ビニル基材、軟化温度が15~50℃の半硬質塩化ビニル基材、軟化温度が-20~0℃の軟質塩化ビニル基材等を用途により好適に選択することができるが、特に限定されるものではない。
<化粧材用積層体>
上記化粧材用印刷物において、塩化ビニル基材1の印刷層上に、塩化ビニル基材2を重ね合わせ、熱と圧力を与え貼り合わせる(熱ラミネートする)ことで、化粧材用積層体を得ることができる。上記化粧材用積層体を得るための方法として、印刷物の巻物を利用し連続して塩化ビニル基材2をラミネートし、後に必要な大きさに裁断する方法や、印刷物を必要な大きさに裁断した後に、その大きさに合わせた塩化ビニル基材2を合わせ、熱と圧力を加えてラミネートする方法等がある。上記熱ラミネートにおいて、温度は、80~200℃、圧力は0.1~100kg/cm、時間は1~3600秒の条件で行われることが好ましい。
<塩化ビニル基材2>
上記塩化ビニル基材2としては、上記で説明した塩化ビニル基材1と同様のものを用いることができるが、印刷層が塩化ビニル基材を通して確認できるように、塩化ビニル基材1及び/又は塩化ビニル基材2は透明であることが好ましい。
透明である塩化ビニル基材1又は塩化ビニル基材2を使用し、他方を着色した不透明である塩化ビニル基材にすることで、化粧材用積層体にした後に貼合せる木質又は金属基材等の色ムラ等の影響を受けにくくなる為、より好ましい。
上記の方法により得られた化粧材用積層体は、接着剤等を介して用途に応じてパーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質基材、アルミニウム鈑、鋼鈑等の金属基材等に貼合わされ、化粧材とすることができる。
以下に本発明のより具体的な実施形態を実施例及び比較例にて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特段の断りの無い限り実施例及び比較例中、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。乾燥させた樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、0.5%の溶液を調製し、Shodex製GPC-104(カラム番号LF-404、分子量測定範囲約300~約200万)により重量平均分子量を測定した。
(水酸基価及び酸価)
JISK0070に記載の方法に従って求めた。
本発明における水性ポリウレタン樹脂(A)の合成原料となるポリオールの一覧を表1に示す。なお比率が記載されているものはすべて対応する化合物のモル比を表す。PES1~3は、表1に記載したアルキレングリコールとジカルボン酸との脱水縮合物であるポリエステルポリオールの意である。例えば、PES1は、1,6-ヘキサンジオールとアジピン酸との脱水縮合物であるポリエステルポリオールである。
[合成例1](水性ポリウレタン樹脂PU1の合成)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PES1を56.5部、PE1を2.6部、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(DMPA)を8.4部、及びメチルエチルケトンを61.6部仕込み、撹拌しながら1時間かけてジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素添加MDI)を30.1部滴下し、85℃で4時間反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、その後30℃まで冷却してからメチルエチルケトンを20.5部加えて、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。得られた末端イソシアネートプレポリマーに対し、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(AEA)を1.9部、イソホロンジアミン(IPDA)を0.5部、2-プロパノールを12.3部、水を239.0部、及びトリエチルアミンを5.2部混合したものを室温で徐々に添加し、40℃で6時間反応させ、ポリウレタン樹脂溶液を得た。次に、メチルエチルケトン及びイソプロピルアルコールを減圧溜去した後、水を加えて固形分調整を行い、酸価35mgKOH/g、水酸基価10mgKOH/g、重量平均分子量1000000である、固形分28%の水性ポリウレタン樹脂PU1を得た。
[合成例2~6](水性ポリウレタン樹脂PU2~6の合成)
表2に示す原料化合物を用いた以外は合成例1と同様にして水性ポリウレタン樹脂PU2~PU6を得た。
[合成例7~8](水性ポリウレタン樹脂PU7~8の合成)
表2に示す原料化合物を用いて、特開2021-147428号公報の実施例に記載の方法に従い合成を行い、水性ポリウレタン樹脂PU7~8を得た。
[実施例1](インキS1の製造)
水性ポリウレタン樹脂(A)としてPU1を66部、有機顔料としてフタロシアニン顔料(トーヨーカラー株式会社製 リオノールブルーFG7358G)10部、分散剤としてサーフィノールGA(日信化学工業株式会社製、固形分78%)1部、及びニューコール780-60(日本乳化剤社製、固形分60%)1部、消泡剤としてDOWSIL FS ANTIFOAM1277(ダウ・ケミカル日本株式会社製、固形分23%)0.1部、グリコール系溶剤としてプロピレングリコール6部、及びトリプロピレングリコールメチルエーテル2部、並びにイオン交換水5.9部を撹拌混合後、サンドミルで30分間分散し、更に架橋剤CL1(日清紡ケミカル株式会社製 カルボジライトE-02 カルボジイミド系架橋剤、固形分40%)を8部撹拌混合し、水性インキS1を得た。
[実施例2~24、比較例1~5](インキS2~S24及びインキR1~R5の製造)
表3に記載した原料及び配合比率を使用した以外はインキS1の製造と同様の方法にてインキS2~S24及びインキR1~R5を得た。表中の略称は以下を示す。
弁柄顔料:戸田工業株式会社製 トダカラーKNO
ネオクリルA-1127:DSM社製、水性アクリル樹脂、固形分44%
ビニブラン900GT:日信化学工業株式会社製 塩化ビニル系エマルジョン樹脂 固形分40%
アクリル樹脂1水溶液:特開平08-113750号公報の製造例1に記載の方法に従って製造したアクリル樹脂の水溶液、固形分25%
架橋剤CL2:東京化成工業株式会社製 アジピン酸ジヒドラジド ヒドラジド系架橋剤、固形分100%
架橋剤CL3:株式会社日本触媒社製 エポクロスWS-700 オキサゾリン系架橋剤、 固形分25%
架橋剤CL4:ナガセケムテックス株式会社製 デナコールEX614B エポキシ系架橋剤、固形分100%
架橋剤CL5:旭化成株式会社製 デュラネートWB40-100 イソシアネート系架橋剤、固形分100%
架橋剤CL6:株式会社日本触媒社製 ケミタイトPZ-33 アジリジン系架橋剤、固形分100%
[実施例1](インキS1の塩化ビニル基材へのグラビア印刷)
上記水性インキS1を、電子彫刻グラビア版(版線数250LPI)を具備したグラビア印刷機にて、半硬質塩化ビニル基材(厚さ80μm、塩化ビニル樹脂100部に対して可塑剤12部を含有する基材)を用いて速度40m/分、乾燥温度60℃の条件で印刷を行い、印刷物を得た。
[実施例2~24、比較例1~5](インキS2~S24及びR1~R5の塩化ビニル基材へのグラビア印刷)
インキS1の代わりにインキS2~S21、インキR1~R5を用いた以外はインキS1の印刷と同様の方法でグラビア印刷を行い、印刷物をそれぞれ得た。
<性能評価>
上記実施例及び比較例で得られたインキ及び印刷物を用いて以下の評価を行った。結果を表4に示す。
[インキ経時安定性]
インキS1~S24、及びR1~R5をガラス瓶に入れ密栓し、40℃の環境下に7日間保存した後、インキの状態(粘度、分離、沈殿)変化を評価した。粘度変化の評価は保存前後においての25℃におけるザーンカップ(離合社製)の流出秒数の変化率とした。分離及び沈殿の評価は目視による判定とした。
(評価基準)
A:粘度変化率が10%未満であり、分離、沈殿がない
B:粘度変化率が10%以上30%未満であり、分離、沈殿がない
C:粘度変化率が30%以上50%未満であり、僅かに分離、沈殿がある
D:粘度変化率が50%以上であり(ただし流動性はある)、著しい分離、沈殿がある
E:流動性の消失、ゲル化がある
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[レベリング性]
実施例1~21及び比較例1~5で得られた印刷物について、印刷面の濃度の均一性(印刷ムラ及び/又はピンホールの有無)を目視にて評価した。
「印刷ムラ」とは、インキ印刷後に乾燥過程でインキ乾燥皮膜が平滑に形成されず、印刷面に微小な色の濃淡が表れている状態をいう。「ピンホール」とは、インキ印刷後に乾燥過程でインキ乾燥皮膜が平滑に形成されず、印刷面に微小な点状の欠けが生じている状態をいう。
(評価基準)
A:印刷ムラ及びピンホールがない
B:わずかに印刷ムラがあり、ピンホールがない
C:わずかに印刷ムラ及びピンホールがある
D:明らかな印刷ムラ及びピンホールがある
E:著しい印刷ムラ及びピンホールがある
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[基材密着性]
実施例1~21及び比較例1~5で得られた印刷物について、JISK5600-5-6を用いて基材密着性を評価した。
(評価基準)
A:基材からのインキの剥離が無い
B:基材からのインキの剥離面積が5%未満
C:基材からのインキの剥離面積が5%以上、15%未満
D:基材からのインキの剥離面積が15%以上、50%未満
E:基材からのインキの剥離面積が50%以上
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[耐ブロッキング性]
実施例1~21及び比較例1~5で得られた印刷物について、印刷面と、非印刷面とを重ね合わせ、10kg/cmの加圧をし、40℃-80%RHの環境下に24時間置いた後、加圧を解除し、重ね合わせた面を剥離した際の、非印刷面へのインキ転移及び剥離抵抗を評価した。
(評価基準)
A:インキ転移はなく、剥離抵抗も感じられない
B:インキ転移はないが、剥離抵抗が感じられる
C:5%未満の面積でインキ転移があり、剥離抵抗が感じられる
D:5%以上50%未満の面積でインキ転移があり、剥離抵抗が感じられる
E:50%以上の面積でインキ転移があり、著しい剥離抵抗が感じられる
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
(積層体)
実施例1~24及び比較例1~5で得られた印刷物について、2つの条件で熱ラミネートを行い、積層体を得た。
(化粧材用積層体の作製(条件1))
上記実施例及び比較例で得られた印刷物の印刷層側に、印刷基材と異なる半硬質塩化ビニル基材(厚さ150μm、塩化ビニル樹脂100部に対して可塑剤を12部含有)を合わせ、145℃、2kg/cm、30秒の条件で熱ラミネートを行い、積層体1を得た。
(化粧材用積層体の作製(条件2))
上記実施例及び比較例で得られた印刷物の印刷層側に、印刷基材と異なる半硬質塩化ビニル基材(厚さ300μm、塩化ビニル樹脂100部に対して可塑剤を12部含有)を合わせ、150℃、24kg/cm、30分の条件で熱ラミネートを行い、積層体2を得た。
[熱ラミネート強度]
上記化粧材用積層体の作成において(条件1)及び(条件2)で得られた積層体1及び2に関して、引張試験機でラミネート強度を測定した。
(評価基準)
A:基材破断する、又は剥離強度が15N/15mm以上
B:剥離強度が10N/15mm以上15N/15mm未満
C:剥離強度が5N/15mm以上10N/15mm未満
D:剥離強度が0N/15mmより大きく、5N/15mm未満
E:剥離強度が0N/15mm
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[熱ラミネート時の色相変化]
上記化粧材用積層体(条件2)の作製で得られた化粧材用積層体に関して、それぞれ、熱ラミネート前の印刷物の状態との色相の差(色差ΔE)を評価した。色差ΔEは分光濃度計X-Riteイグザクトにより測定した。
(評価基準)
A:色差ΔEが2未満
B:色差ΔEが2以上4未満
C:色差ΔEが4以上6未満
D:色差ΔEが6以上10未満
E:色差ΔEが10以上
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[耐光性]
上記化粧材用積層体(条件2)の作製で得られた化粧材用積層体に関して、早坂理工株式会社製オートフェードメータを用いブラックパネル温度63℃、槽内湿度35%RH、試料面放射照度500W/mの条件で100時間耐光試験を行った後、引張試験機でラミネート強度を測定した。
(評価基準)
A:基材破断する、又は剥離強度が15N/15mm以上
B:剥離強度が10N/15mm以上15N/15mm未満
C:剥離強度が5N/15mm以上10N/15mm未満
D:剥離強度が0N/15mmより大きく、5N/15mm未満
E:剥離強度が0N/15mm
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。
[耐湿熱性]
上記化粧材用積層体(条件2)の作製で得られた化粧材用積層体に関して、60℃90%RHの環境下で7日間保管後、引張試験機でラミネート強度を測定した。
(評価基準)
A:基材破断する、又は剥離強度が15N/15mm以上
B:剥離強度が10N/15mm以上15N/15mm未満
C:剥離強度が5N/15mm以上10N/15mm未満
D:剥離強度が0N/15mmより大きく、5N/15mm未満
E:剥離強度が0N/15mm
産業上利用可能な評価はA、B又はCである。

Claims (9)

  1. バインダー樹脂として水性ポリウレタン樹脂(A)を含有する化粧材用水性インキであって、水性ポリウレタン樹脂(A)が、重量平均分子量50000~2000000のポリエステル系ウレタン樹脂(a)を含有する、化粧材用水性インキ。
  2. ポリエステル系ウレタン樹脂(a)の含有量が、バインダー樹脂の総量に対して、15~100質量%である、請求項1に記載の化粧材用水性インキ。
  3. 更に、沸点が110~260℃であるグリコール系溶剤を含有する、請求項1又は2に記載の化粧材用水性インキ。
  4. 更に、ノニオン系界面活性剤を含有する、請求項1~3いずれか1項に記載の化粧材用水性インキ。
  5. 更に、酸性基及び/ 又は水酸基と反応する官能基を有する架橋剤を含有し、かつ、水性ポリウレタン樹脂(A)が、酸性基及び/ 又は水酸基を有する、請求項1~4いずれか1項に記載の化粧材用水性インキ。
  6. 前記架橋剤が、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びアジリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項5記載の化粧材用水性インキ。
  7. 塩化ビニル基材1上に、請求項1~6いずれか1項に記載の化粧材用水性インキを印刷してなる印刷層を有する、化粧材用印刷物。
  8. 塩化ビニル基材1、請求項1~6いずれかに記載の化粧材用水性インキを印刷してなる印刷層、及び塩化ビニル基材2を順次有する、化粧材用積層体。
  9. 塩化ビニル基材1上に、請求項1~6いずれかに記載の化粧材用水性インキを、グラビア又はフレキソ印刷により印刷して印刷層を得る工程、及び、前記印刷層上に、更に塩化ビニル基材2を80~200℃の条件下で熱ラミネートにより貼り合わせる工程を含む、化粧材用積層体の製造方法。


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