JP5177469B2 - ジェットプリンター用インキ組成物 - Google Patents
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Description
さらにインキジェット方式を用いて絵柄を形成する外壁用サイディングの製造方法、及び該製造方法によって製造された外壁用サイディングに関する。
このためインキジェット方式を用いて印刷することが提案された(特許文献3参照)。インキジェット方式を用い印刷した場合、図柄の変更はオンデマンドで容易にしかも自在に出来、さらに印刷面に凹凸が有っても印刷出来るため立体感の有る図柄を提供する事が出来る。
しかしながら外壁用サイディングに使用されるジェットインキに要求される特性としては、通常のジェットインクで要求される特性に加えて、さらに太陽光に晒されても退色しない高耐候性と、下地の基板や下地塗装層、印刷部保護のため上塗りされるクリヤー層との密着性等の物理的強度とが要求される。
着色剤としては、染料系と顔料系の着色剤があり、一般的に染料系着色剤は分散性、発色性は優れているが退色しやすく、よって退色性、耐候性に於いては顔料系着色剤が有利とされている。このため、外装サイディング用としては、安定性良く、分散させることには困難が伴うが、耐光性の良好な、顔料系着色剤(顔料)が一般に使用される。
また、一般的にジェットプリンター用インキ組成物の皮膜形成樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、フェノール樹脂等種々の樹脂が、単独または混合して用いられている。
しかしながらこれら顔料や樹脂を用いた従来のジェットプリンター用インキ組成物では、これによって図柄を形成された壁材が外壁材として使用された場合に、描かれた図柄の耐候性・耐久性が劣っていた。このため、従来のインキ組成物を外壁への用途として用いるには不十分であった。
このようにインキジェット記録が可能な程度にまでインキ内の顔料が十分に微粒子化されかつ安定に分散されており、さらに外壁用の絵柄をこのインキで形成したときに、該絵柄が優れた耐候性、耐久性を有するような、ジェットプリンター用インキ組成物は未だ実用化されていない。
さらに本発明の解決しようとする課題は、凹凸の形成されたサイディング表面であっても装飾絵柄を容易に形成でき、優れた耐光性と耐久性を有した外壁用サイディングを製造することができる製造方法を提供することである。
さらにまた本発明の解決しようとする課題は、上記の製造方法によって製造された、表面に装飾絵柄が形成され、優れた耐光性と耐久性を有する外壁用サイディングを提供することである。
(式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐していても良いアルキレン基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基若しくはアリール基を表しかつR3とR4の炭素数の和が4〜12であるか、またはR3及びR4は1つとなって5員環を形成する飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)
{式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐していても良いアルキレン基を表し、Xは下記一般式(3)から一般式(9)で表される基からなる群より選ばれる基を表す。}
さらに本発明は、サイディング用基材に下地塗装層を形成し、該下地塗装層上の任意の箇所にインキジェット方式によりジェットインキ塗装層を形成し、次いでその上に表面保護層を形成する外壁用サイディングの製造方法であって、前記ジェットインキ塗装層は上記のジェットプリンター用インキ組成物を用いて形成されることを特徴とする外壁用サイディングの製造方法を提供する。
本発明の外壁用サイディングの製造方法によれば、サイディング用基材の好ましくは全面に下地塗装層を形成し、該下地塗装層上の任意の箇所に上記組成のジェットプリンター用インキ組成物を用いてジェットインキ塗装層を形成し、次いで好ましくは全面に表面保護層を形成する。従って、耐久性、耐光性に優れ、精細な絵柄が形成された高意匠な外壁用サイディングを製造することができる。
本発明で用いる皮膜形成樹脂は、特定の環状イミド基を有するイミド(メタ)アクリレートと必要に応じてその他の単量体を共重合して得られるアクリル共重合体である。
前記したアクリル共重合体に含有されるモノマー単位としての、環状イミド基を有するイミド(メタ)アクリレートとしては、一般式(1)及び一般式(2)であらわされる化合物が挙げられる。
(式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐していても良いアルキレン基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基若しくはアリール基を表しかつR3とR4の炭素の和が4〜12であるか、またはR3及びR4は1つとなって5員環を形成する飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)
{式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐していても良いアルキレン基を表し、Xは一般式(3)から一般式(9)で表される基からなる群より選ばれる基を表す。}
一般式(1)と一般式(2)とでは一般式(2)で表される化合物の方が好ましい。R2の炭素原子は2〜4が好ましい。R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を表し、R3とR4の炭素数の和は6〜10であることが好ましい。またXとしては式(3)で表される基が良好な耐光性を有し好ましい。さらにR5、R6、R7、およびR8は水素原子及びメチル基が好ましい。
なお本発明の一般式(1)または一般式(2)であらわされる化合物は、単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10)、897,(1972)、
Javier de Abajoら、Polymer,vol33(5)、(1992)あるいは、特開昭56−53119号公報、特開平1−242569号公報、特開2001−172336号公報
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキルエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、該アルキル基は分岐または直鎖であって良い。
イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の置換アリール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、α―メチルスチレン等も挙げることが出来る。 これららモノマーは単独で用いてもよく又は2種類以上を組み合わせて用いても良い。
環状イミド基を有するイミド(メタ)アクリレートモノマー単位を質量含有率10%〜50%の範囲で含有するアクリル共重合体のガラス転移点(Tg)は任意であるが、基板との密着性、耐沸騰水性の点からはTgは低い方が好ましく、40℃〜―10℃であることが好ましい。
本発明のインキ組成物中のアクリル共重合体の含有量は必要に応じて選択可能である。例えば、好ましくはインキ組成物全量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%が更に好ましい。アクリル共重合体の分子量も好ましく選択可能である。例えば、好ましくは重量平均分子量5000〜300000であり、より好ましくは重量平均分子量10000〜60000である。また本願のインキ組成物の物性も必要に応じて選択できる。例えば前記インキ組成物の粘度は2〜20mPa・sが好ましく、6〜14mPa・sがより好ましい。前記インキ組成物の表面張力は20〜40dyn/cmが好ましく、25〜35dyn/cmがより好ましい。
具体例としては、ファーネストブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺、酸化チタン(ルチル型及びアナターゼ型)等があげられる。また有機系顔料でも耐光性の強いフタロシアニンブルー等の顔料を用いる事も可能である。
本発明で使用される顔料は単独で用いられても2種類以上を組み合わせて用いても良い。また本発明に用いられる顔料の量は必要に応じて選択可能である。好ましくはインキ組成物固形分に対して、無機顔料では10〜90%が好ましく、15〜80%がさらに好ましい。また有機顔料では5〜80%が好ましく、10〜60%がさらに好ましい。
これらの溶剤単独もしくは2種以上の組み合わせにより、ジェットインキの粘度、表面張力、乾燥速度を調整し、印刷する基材及び使用するジェットインキプリンターに適したジェットインキの溶剤組成を設計することができる。
顔料、有機溶剤、必要に応じて分散剤を、分散攪拌機、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等の分散機を使用して分散混合する。ついでナノミル等の装置を用い顔料をさらに微細分散し、インキベースを作成する。作成したインキベースに、環状イミド基を有するフタルイミド(メタ)アクリレートを共重合したアクリル共重合体、有機溶剤を加え、分散攪拌機にて混合する。その後、有機溶剤にて粘度調整を行い、1ミクロンフィルターにて濾過し、外壁サイディング材用のジェットプリンター用インキ組成物を得ることができる。
金属サイディング用基材として、PCM塗装板のように基材上に予め下地塗装層として各種樹脂コートを施したものを用いることができる。この場合、下地塗装層は既に存在するので下地塗装層を設ける工程を省略してもよい。
またPCM塗装板の裏面側は、防音性、断熱性を付与するためフェノール系樹脂や、ポリウレタン系樹脂等の樹脂発泡体、あるいは石膏ボード等の無機素材を芯材としたアルミラミネートクラフト紙等の裏面材で構成されていてもよい。
ジェットインキ塗装層の上にオーバーコートされ得る表面保護層用のクリヤーコーティング剤は任意で選択可能であり、例えば水系ではシリコンアクリルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系、溶剤系としてはアクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等のクリヤーコーティング剤などが挙げられる。これらをスプレーや、各種コーター等を使用してジェットインキ塗装層の上にコーティングする事ができる。
実施例
<フタルイミドアクリレートの合成例>
攪拌機、冷却管、水分分離器、窒素吹き込み管を備えた反応容器にメチルテトラヒドロ無水フタル酸化合物(3又は4−メチルー1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸:新日本理化(株)製リカシッドMT−500TZ)166.2部(1モル)及びトルエン310部を仕込み、n−プロパノールアミン75部(1モル)を30分間にわたり滴下した。その後、90℃まで昇温し、更に115〜125℃迄徐々に昇温し、還流温度を3〜4時間保った。酸価が1以下になったら冷却し、アクリル酸72部(1モル)、ハイドロキノン0.16部、濃硫酸8.5部を加え、再び昇温し、4時間115〜125℃(還流温度)に保ち、脱水反応を行った。反応液を冷却後、分液漏斗に移し水60gで一回、20%NaOH水溶液200gで1回抽出した。得られた有機層を減圧下で溶剤留去して淡黄色液体を282部得た。1H−NMR,GPCにより下記化合物<MTIA>(メチルテトラヒドロフタルイミドエチルアクリレート)が得られていることが確認できた。
アクリル共重合体Aの合成
攪拌機、コンデンサー、モノマー槽、開始剤槽、窒素吹き込み管、モノマーポンプ、開始剤ポンプを備えた反応容器に、表1に従い、予め、反応容器に溶媒(メトアセテート)を仕込んだ。表1のAの構成モノマーを各々の重量部で1つのモノマー槽に仕込み、また開始剤を開始剤槽に仕込んだ。反応容器内温度を95℃に保ち3時間にわたりモノマー及び開始剤を滴下した。滴下終了後2時間で105℃に昇温し、105℃で2時間維持し、その後更に115℃まで昇温した。115℃で1.5時間反応後、これを冷却し、NV(不揮発分)、及び粘度を測定した。以下同様に、表1の配合に従いアクリル共重合体を合成し、表1の反応物性状に記載されている性状の共重合アクリル樹脂A〜Eが得られた。
AronixM140:2−(1,2−シクロヘキサンジカルボキシイミド)エチルアクリレート (東亜合成(株)製)
MTIA:メチルテトラヒドロフタルイミドエチルアクリレート
nBA:アクリル酸ブチル
2EHA:2エチルヘキシルアクリレート
カヤマーPM21:日本化薬(株)製 ε−カプロラクトン変性燐酸アクリレート
ノフマーMSD:α−メチルスチレンダイマー
パーブチルI:日本油脂(株)製 熱重合開始剤
パーブチルO:日本油脂(株)製 熱重合開始剤
粘度(ガードナー粘度):25℃ ガードナー気泡粘度計による測定値
外観:室内光下における目視による
NV:不揮発分 150℃30分 送風オーブンにて乾燥前後の重量を測定し計算した。
100ED 34.0部
(戸田ピグメント社製マゼンタ顔料)
アジスパーPB−821 10.0部
(味の素ファインテクノ社製分散剤)
PMA 56.0部
(協和発酵ケミカル社製溶剤、プロピレンブリコールモノ
メチルエーテルアセテート)
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 13.0部
アクリル樹脂A(溶剤分を含む) 35.0部
PMA 14.5部
MBA 37.5部
(ダイセル化学工業社製溶剤、メトキシブチルアセテート)
上記のように、顔料ベースにアクリル樹脂Aと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Aを得た。
得られたジェットインキAの粘度、表面張力、分散顔料の平均粒子径等のインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 27mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 220nm
FASTOGEN BLUE 5430SD 25.8部
(大日本インキ化学工業社製ブルー顔料)
アジスパーPB−821 7.7部
PMA 66.5部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 17.0部
アクリル樹脂B(溶剤分を含む) 26.6部
PMA 6.1部
MBA 50.3部
上記のように、顔料ベースにアクリル樹脂Bと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Bを得た。
得られたジェットプリンター用インキ組成物Bのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 9.7mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 27mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 134nm
三菱カーボンブラック#960 16.7部
(三菱化学社製カーボンブラック)
アジスパーPB−821 10.0部
PMA 73.3部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 26.3部
アクリル樹脂C(溶剤分を含む) 22.6部
PMA 5.0部
MBA 46.1部
上記のように、顔料ベースにアクリル樹脂Cと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Cを得た。
得られたジェットプリンター用インキ組成物Cのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 28mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 100nm
TSY−1 37.0部
(戸田ピグメント社製イエロー顔料)
ソルスパース37500 10.9部
(ルーブリゾール社製分散剤)
PMA 52.1部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 11.9部
アクリル樹脂D(溶剤分を含む) 34.7部
PMA 12.9部
MBA 40.5部
上記のように顔料ベースにアクリル樹脂Dと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Dを得た。
得られたインキ組成物Dのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 27mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計);270nm
FASTOGEN BLUE 5430SD 25.8部
アジスパーPB−821 7.7部
PMA 66.5部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 17.0部
アクリル樹脂E(溶剤分を含む) 26.1部
PMA 6.1部
MBA 50.8部
顔料ベースにアクリル樹脂Aと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Eを得た。
得られたジェットプリンター用インキ組成物Eのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 27mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 135nm
100ED 34.0部
アジスパーPB−821 10.0部
PMA 56.0部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 13.0部
アクリル樹脂F(溶剤分を含む) 36.0部
PMA 14.5部
MBA 36.5部
顔料ベースにアクリル樹脂Fと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Fを得た。
得られたジェットプリンター用インキ組成物Fのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 27mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 230nm
FASTOGEN BLUE 5430SD 25.8部
アジスパーPB−821 7.7部
PMA 66.5部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 17.0部
アクリル樹脂G(溶剤分を含む) 27.0部
PMA 6.1部
MBA 49.9部
(ダイセル化学工業社製溶剤、メトキシブチルアセテート)
顔料ベースにアクリル樹脂Gと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Gを得た。
得られたインキ組成物Gのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 10mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 28mN/m
体積平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計); 140nm
三菱カーボンブラック#960 16.7部
アジスパーPB−821 10.0部
PMA 73.3部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い
微細分散させ顔料ベースを作成した。
上記顔料ベース 26.3部
アクリル樹脂H(溶剤分を含む) 23.0部
PMA 5.0部
MBA 45.7部
顔料ベースにアクリル樹脂Hと溶剤PMA・MBAを加え、分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Hを得た。
得られたインキ組成物Hのインキ特性は次の通りである。
粘度(E型粘度計); 9.8mPa・s
表面張力(ウィルヘルミー式表面張力計); 28mN/m
平均粒子径(レーザー回折散乱式粒度分布計);105nm
以上実施例1〜4、比較例1〜4において作製したインキの組成と特性を一覧表に纏める。
環状イミド基を有するイミド(メタ)アクリレート(アロニックスM140)を含有したアクリル樹脂を用い作製した実施例1〜4に対応させて製造したジェットプリンター用インキ組成物A、B、C、D(実施例1〜4)と、環状イミド基を有するイミド(メタ)アクリレートを用いずに作製したジェットプリンター用インキ組成物E(比較例1)、市販のアクリル樹脂を用いて作成したジェットプリンター用インキ組成物F、G(比較例2、3)及び塩酢ビ樹脂を用いて作成したジェットプリンター用インキ組成物H(比較例4)の8点を用いて、以下のような耐候・耐久性評価を行った。
上記各組成物のPCM鋼板(日本ファインコーティング社製)上への印刷を行い、さらにクリヤー塗料(「ジオテックES−T艶消しクリヤー」大日本インキ化学工業社製シリコンアクリルエマルジョン塗料)による表面保護層を作製した。その後、外壁用途で使用可能かどうかを評価するため、塗装鋼板上での碁盤目密着テスト、コインスクラッチテスト、鉛筆強度、耐沸騰水テスト(80℃1時間、5時間)を実施した。
;JIS K5600−5−6に準ずる方法で碁盤目密度テストを行った。
評価 碁盤目付着 80/100以上は合格で問題なし。
<コインスクラッチテスト>
;旧500円硬貨玉(ギザなし)にてスクラッチ。手前から押し、向こうから引く感じで荷重約1kgにおいて1往復ほど塗膜をひっかく。
評価 5. ・・・塗膜表面の変化なし
4. ・・・塗膜表面にわずかな変化有り
3. ・・・塗膜に傷は付くが、剥離はなし
2. ・・・塗膜に傷が付き、わずかに剥離が発生する
1. ・・・不良塗膜剥離し下地が見える
以上の評価基準をもとに傷付き方を5〜1の5段階をつけて評価した。
3以上は実用上問題ないと考えられ合格とした。
<鉛筆硬度>
;JIS K5600−5−4に準ずる方法で鉛筆硬度試験を行った。
評価 H以上は実用上充分な硬度と考えられるため合格とした。
サンプル鋼板として日本ファインコーティング社製ガルファン鋼板を用いた。この鋼板上に実施例1〜4、比較例1〜4に対応したジェットプリンター用インキ組成物A〜Hを各塗布し、更にその上に大日本インキ化学工業社製ジオテックES−TC(水性シリコンアクリルエマルジョン)クリヤーを上塗りし、試験用サンプル鋼板を作成した。
これら試験用サンプル鋼板を基本的にJIS K5400−8−20に準じ、80度の熱水中に放置し、1時間経過後、5時間経過後において以下の特性を測定した。
評価 1.外観 ;5良(試験前後を比較し変化なし)→
1不良;ブリイスター(塗膜表面のブツブツ)等
外観異常の発生状況をJISK5600−8−2の評価見本に準じ5〜1の5段階をつけ評価した。
表面の外観異常が発生するため、5以外は不合格である。
2.GR% ;光沢変化率、試験前の光沢値を100とし試験後の光沢低下率を評価する。80%以上は合格で問題なし。
3.碁盤目付着 ;80/100以上は合格で問題なし。
評価結果を以下の表3、表4、表5に示した。
装置;岩崎電気社製 アイスーパーUVテスター
評価;外観: ブリスターの無いこと合格(異常が無いこと)
GR%: 80%以上合格。
Claims (8)
- 顔料、皮膜形成性樹脂、および有機溶剤を含有するジェットプリンター用インキ組成物において、前記皮膜形成性樹脂は一般式(1)及び一般式(2)であらわされる化合物の少なくともひとつをモノマー単位として含有するアクリル系共重合体であり、外壁用サイディングの絵柄印刷に用いられることを特徴とするジェットプリンター用インキ組成物。
(1)
(式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐していても良いアルキレン基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基若しくはアリール基を表し、R3+R4の和が炭素数4〜12であるか、またはR3及びR4は1つとなって5員環を形成する飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)
(式中R5、R6、R7、およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。) - 前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物の総量が、前記アクリル系共重合体の全モノマー単位の10〜50質量%である請求項1に記載のジェットプリンター用インキ組成物。
- サイディング用基材に、下地塗装層とジェットインキ塗装層と表面保護層とを順次積層した外壁用サイディングであって、前記ジェットインキ塗装層は請求項1に記載のジェットプリンター用インキ組成物を用いて形成されたものである外壁用サイディング。
- サイディング用基材の全面に下地塗装層を形成し、該下地塗装層上の任意の箇所にインキジェット方式によりジェットインキ塗装層を形成し、次いで全面に表面保護層を形成する外壁用サイディングの製造方法であって、前記ジェットインキ塗装層は請求項1に記載のジェットプリンター用インキ組成物を用いて形成されることを特徴とする外壁用サイディングの製造方法。
- アクリル系共重合体が、一般式(1)と一般式(2)で表される2つの化合物のうち一般式(2)で表される化合物のみを含む、請求項1に記載のジェットプリンター用インキ組成物。
- 一般式(2)の化合物のXが式(3)で表される基である、請求項5に記載のジェットプリンター用インキ組成物。
- R5、R6、R7、およびR8は水素原子又はメチル基である、請求項6に記載のジェットプリンター用インキ組成物。
- サイディング用基材に、下地塗装層とジェットインキ塗装層と表面保護層とを順次積層した外壁用サイディングにおける、前記ジェットインキ塗装層を形成するための、請求項1に記載のジェットプリンター用インキ組成物の用途。
Priority Applications (1)
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