JP2007119767A - 重質炭酸カルシウムからなる合成樹脂添加剤及びこれを含有してなる合成樹脂組成物 - Google Patents

重質炭酸カルシウムからなる合成樹脂添加剤及びこれを含有してなる合成樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で、分散性に優れ、特にアンチブロッキング剤や光拡散剤として有用で、アンチブロッキング性や光拡散性に優れた合成樹脂組成物を与える合成樹脂添加剤を提供する。
【解決手段】重質炭酸カルシウムからなる不活性微粒子で、下記式(a)、(b)、(c)を満足することを特徴とする合成樹脂添加剤である。
(a)1≦d50≦20 (d50:Microtrac-FRA による合成樹脂添加剤粒子の累積50Vol パーセント径 (μm))、
(b)0≦α≦2.5(α=(d90−d10)/d50、d90:Microtrac-FRA による合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径(μm)、d10:同10Vol パーセント径(μm))、
(c)V05≦10(V05:Microtrac-FRA による合成樹脂添加剤に含まれる0.5μm以下の超微粒子の体積割合(Vol %))。
【選択図】図1

Description

本発明は、重質炭酸カルシウムからなる不活性微粒子で、特定の粒度分布から構成されることを特徴とする合成樹脂添加剤、並びにそれを含有してなる合成樹脂組成物に関するものである。詳しくは、特に単体フィルム包装材料、多層フィルム包装材料のヒートシール層(シーラント)に使用されるアンチブロッキング剤、および照明器具、電飾看板用シート( フィルム) 、LCDの拡散板等に使用される光拡散剤として有用な合成樹脂添加剤、並びにそれらを含有してなる合成樹脂組成物に関するものである。
従来から合成樹脂添加剤として無機粒子が幅広く使用されており、中でも重質炭酸カルシウムは最も安価な無機粒子の一つとして大量に使用されている。その使用範囲の大部分は増量剤、寸法安定化剤、燃焼時のエネルギー低減等である。合成樹脂フィルムの分野では、フィルムを延伸して樹脂と無機粒子との界面に空隙を形成させる手法で製造された多孔質フィルムに粗大粒子の少ない微粉重質炭酸カルシウムが合成紙、衛生材料、建築用材料、農業用通気性フィルム等の用途で使用されている。
これらの用途で使用されるフィルムは比較的膜厚が厚く無機粒子の配合部数も多いので、耐ブロッキング性や滑り性で問題になることは少ない。また、光学的特性も要求されないので、粒子の粒度分布が特にシャープである必要は無い。
一般的な重質炭酸カルシウムは、粒子径が小さいグレードが高級とされ、従来技術では、如何に粒径を小さくするか、または粗粉カット(トップカット)するかに重きを置いていた。しかし、高度な微粉カット品は無く、体質顔料としての域から脱却できず機能性材料としての使用が限られている。
合成炭酸カルシウムについては、粒度調整された合成炭酸カルシウムを使用することで適切な凹凸をフィルム表面に付与し、親和性を高める表面処理を施してボイドの生成や、ドロップアウトを抑制する方法が提案されている。その中で、重質炭酸カルシウムの微・粗粉の存在がドロップアウトや分散性に悪影響を及ぼすことが記載されている(例えば、特許文献1、2参照)。
包装材料用フィルムは、食品、たばこ、カセットテープ等のオーバーラップ包装用途等に使用されている。包装材料用フィルムは、単体フィルムとして使用される量が多く、生鮮食品、加工食品、菓子類などの分野にポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが特に多く使われている。また、種々の包装技法で適応されるフィルム包装では、特性が要求されるため、多層フィルムが使用される場合が多い。多層フィルム包装としては、袋(パウチ)の形態がとられるため、ヒートシール層(シーラント)が必須となる。パウチの基本構成としては、印刷基材/シーラント、印刷基材兼ガスバリヤー材/シーラント、印刷基材/ガスバリヤー材/シーラント、印刷基材/補強剤/ガスバリヤー材/シーラントなどがある。シーラントとしては、ヒートシール性が良好な低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン系樹脂が使用されている。無延伸のキャステッドポリプロピレン(CPP)は、耐熱性やヒートシール強度が要求される分野に使用されている。
シーラントフィルムでは、耐衝撃強さ、耐ストレスクラッキング性(ESCR:耐環境応力破壊)、透明性(ヘイズ)、耐スクラッチ性、ヒートシール強度、低温ヒートシール性、耐ブロッキング性、成形性、低臭性、低溶剤抽出性などの物性が要求される。
中でも、耐ブロッキング性については、無機・有機粒子に依存するところが多い。粒子を配合して、表面に適度な凹凸を付けて、フィルム同士の固着を防ぎ、耐ブロッキング性、滑り性を持たせている。そのアンチブロッキング剤としては、シリカ、ゼオライト、タルク、カオリン、マイカ、ポリマービーズ、合成炭酸カルシウム等が単体または併用して配合されている。その際、ヘイズ(透明性)、耐スクラッチ性が良好で、フィッシュアイが発生しないことが必須である。
他方、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、あるいはABS樹脂に、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ポリマービーズ、シリカ、ガラスビーズ等を配合して不透明性、白色度、光反射率、光透過率のバランスを保ち、飲食店等のメニュー、価格等を記載した電飾看板、商店の屋号、商品、広告等のための電飾看板、照明器具カバー等に使用されている。これらの看板は乳白色半透明であり、板の背面から、電球や蛍光灯の光を照射して描かれた文字や図柄に注意を引かせたり、照明器具カバーは室内・社内の照明効率や防眩性効果を目的として使用されている。その際、意匠性の観点からランプイメージを判らなくする必要がある。
また、パソコンやテレビ等の液晶ディスプレイには透明光拡散性フィルムが使用され、液晶パネル裏側からバックライトを使用して液晶表示している。このフィルムでは光拡散剤を配合することで、光透過率、高輝度を維持しながら光拡散性を向上させている。
特開昭64−4240号公報 特開平5−117442号公報 特開平10−130020号公報
従来の天然炭酸カルシウム粉砕品である重質炭酸カルシウムは国内資源も豊富で、特に乾式法であれば、粉砕、分級、表面処理、篩通しの4つの単位操作で製造でき、最も簡易で安価な無機添加剤の一つである。この無機粒子を高度な物性を要求される分野に利用できない理由は、粉砕品故に幅広い粒度分布を有するために弊害が起こるためである。
例えば、ポリオレフィン等の合成樹脂フィルムに配合した際に、粗粒子の存在により引っ張り強度が低下したり、製膜時にフィルム切れが発生し作業性を悪化させたり、また超微粒子の存在によりフィルム表面に分散不良による凝集物が発生し商品価値を失う。更には、包装材料用フィルムの場合、アンチブロッキング性、ヘイズや透明性が悪化する。
上記特許文献2で提案されている合成炭酸カルシウムは、優れた耐ブロッキング性をポリオレフィンフィルムに付与することができるが、単結晶ではないため粒子表面の平滑性が劣り、樹脂・粒子界面の摩擦係数が大きくなり、耐スクラッチ性に関しては満足できるフィルムを得ることができない。
他方、炭酸カルシウム以外で従来から使用されているゼオライトは、モース硬度が高いためスクラッチ性が悪く、フィルムからの脱落(ドロップアウト)が発生しやすい。更に、結晶水を有するため、加工時の加熱により結晶水の離脱に伴う発泡現象がしばしば生じて欠陥商品になる場合がある。
また、タルク、カオリン、マイカ等は粒子形状が板状構造を有しているため、フィルム表面に充分な凹凸を形成することができないため、多量に添加しないと良好な耐ブロッキング性を得ることができず、その結果ヘイズや透明性において不充分なフィルムしか得ることができない。
また、ゲルシリカは優れた耐ブロッキング性を付与することができるが、分散性に難があり、また粉体の飛散等ハンドリングも問題があり、更には工業的に大量に扱う場合、珪肺等の労働安全衛生的な考慮も必要である。
また例えば、従来の重質炭酸カルシウムを光拡散剤としてアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に使用した際には、シートまたはフィルムの強度低下、分散不良が発生し商品価値を失う。更には、超微粉による光透過率、光拡散性の低下をもたらす。他の材料では球状のポリマービーズ、沈降性硫酸バリウムが使用されているが、前者は価格が非常に高く、熱安定性、耐薬品性当に欠けるので形状安定性の面等で混練機を用いて樹脂中に練り込む方法は難しく、樹脂フィルムに後工程でコーティングする(ビーズコーティング)方式を取らざるを得ない。また、後者は比重が炭酸カルシウムより遥かに大きく、同配合量であると粒子の個数が少ない。また、吸油量が高くマスターバッチの高濃度化ができないため、コストは不利である。更には、炭酸カルシウムに比べて屈折率が高く、光透過性が劣る。このため、照明カバー、看板用途で拡散透過率、全光線透過率を設計してもしばしば「透け」の現象が発生する。また、優れた光学特性を有する合成炭酸カルシウムが提案されているが、製造方法が煩雑であり、アンモニア等の排水処理に難があり、そのためコストが高くなる(例えば、特許文献4参照)。
上記の合成樹脂添加剤はいずれも高コスト、作業性の悪さ、物性未達の何れかの問題を抱えており、包装材料用フィルム、光拡散シートも近年の価格破壊等の社会現象によって大幅なコストダウンを要求されている分野であり、製造時間短縮等の製造工程での改良・改善が検討されており、それに伴い添加される粒子にも、低コストであり、且つ新たな製造工程に適した改良・改善が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、合成樹脂添加剤として幅広く使用でき、且つ特殊な装置を使用することなく、低コストで製造できる無機粒子を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、特定の粒度をもつ天然炭酸カルシウムを用いることにより、前記した課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は重質炭酸カルシウムからなる不活性微粒子で、下記(a)、(b)、(c)、式を満足することを特徴とする合成樹脂添加剤を内容とする。
(a)1≦d50≦20 (μm)
(b)0≦α≦2.5
(c)V05≦10 (Vol %)
ただし、
d50:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積50Vol パーセント径(Median径)(μm)
d90:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径(μm)
d10:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積10Vol パーセント径(μm)
α:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径と累積10Vol パーセント径の差を累積50Vol パーセント径d50で割った値で、合成樹脂添加剤の粒子径の均一性を意味し、下記式で表される。
α=(d90−d10)/d50
V05:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤に含まれる0.5μm以下の超微粒子の体積割合。(vol %)
好ましい態様として、本発明の請求項2は、重質炭酸カルシウムが目開き38μmのJIS標準篩の篩残分βが5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂添加剤である。
好ましい態様として、本発明の請求項3は、合成樹脂添加剤が、脂肪族、脂環族、芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、エステル、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィン、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、リン酸エステル類、および工業用石鹸より選ばれる少なくとも1種類で少なくとも粒子の一部が表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂添加剤である。
更に好ましい態様として、本発明の請求項4は、重質炭酸カルシウムの表面処理量が下記(d)式を満足することを特徴とする請求項3記載の合成樹脂添加剤である。
(d)0.05<T/Sw<2
T:合成樹脂添加剤の表面処理量(重量%)
Sw:恒圧通気式粉体比表面積(m2/g)
本発明の請求項5は、請求項1〜4の何れか1項に記載の合成樹脂添加剤を合成樹脂に配合してなることを特徴とする合成樹脂組成物である。
好ましい態様として、請求項6は合成樹脂がフィルム用合成樹脂であることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂組成物である。
好ましい態様として、請求項7は合成樹脂添加剤が光拡散剤として配合されることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂組成物である。
好ましい態様として、請求項8は合成樹脂添加剤がアンチブロッキング剤として配合されることを特徴とする請求項5又は6記載の合成樹脂組成物である。
本発明の合成樹脂添加剤は特にアンチブロッキング剤や光拡散剤として有用で、該添加剤を含有した合成樹脂組成物は、照明器具、電飾看板用シート(フィルム)、包装材料用フィルム等に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の合成樹脂添加剤の組成は、重質炭酸カルシウムを粉砕してなる無機粒子であり、本発明で言う重質炭酸カルシウムとは、方解石(石灰石、チョーク、大理石等)、貝殻、サンゴ等の天然炭酸カルシウムを粉砕、分級したものを示す。重質炭酸カルシウムの原料である石灰石は、日本国内に高純度なものが豊富に産出し、非常に安価に入手できる。重質炭酸カルシウムの粉砕方法は定法により、湿式、乾式どちらを選択しても良いが、脱水、乾燥工程等のコストを押し上げる工程の無い乾式粉砕が有利である。
また、分級も空気分級、湿式サイクロン、デカンターなどを利用した分級で良く、表面処理は粉砕前、粉砕中、分級前、分級後の何れの工程でおこなっても良いが、好ましくは、分級前に表面処理した方が効率良く粒度分布のシャープな目的物が得られる。また、表面処理剤の一部を粉砕前や粉砕中に粉砕助剤として添加し、残りを後の工程で添加して表面処理をおこなっても良い。
一般的に、乾式流体分級操作においては、ローター回転数が高くなるほど遠心力が大きくなるのでカットポイントは小さくなり、風量が多くなるほど微粉側に多く引っ張られるのでカットポイントは大きくなる。また、フィード量は、極端に少ない場合を除き、少ないほど分級精度は良くなる。また、分級原料に対してカットポイントが小さいほど、粗粉側の粒度分布はブロードになるが歩留まりは多くなる。逆に、微粉側の粒度分布はシャープになるが歩留まりは少なくなる。
製造工程はきわめて簡単で、粉砕、表面処理、分級、篩通しの単位操作で作製できるので通常の製造方法が使用できる。微粉砕機に関しても特に限定されるものではなく、衝撃式粉砕機、ボールミル等の粉砕メディアを用いた粉砕機、ローラーミル等が使用できる。更には、コストが有利ならば市販の重質炭酸カルシウムを表面処理して分級を施しても良い。ここで重要なのは、特定の粒度特性を満足するように粒度を調節することである。このためには必要に応じて粉砕と分級を繰り返すことも有り得る。
重質炭酸カルシウムの優れた点は特に低コストであり、且つ労働衛生上安全であることである。更にはモース硬度が3と柔らかく、単結晶粒子なので表面がフラットであり、樹脂との摩擦係数が小さい。このため、フィルムなど樹脂組成物同士が擦れ会ってもスクラッチが生じにくい。
本発明は、重質炭酸カルシウムの粒度分布を制御し、適切な粒度幅にすることにより従来使用できなかった分野に安価な合成樹脂添加剤として提供するものであり、特に、合成樹脂フィルムの添加剤として優れたアンチブロッキング性、及び光拡散性を付与することを目的としている。
本発明の合成樹脂添加剤の累積50Vol パーセント径d50は1≦d50≦20(μm)で、好ましくは1≦d50≦15(μm)である。合成樹脂添加剤を光拡散剤として使用する場合、更に好ましくは1≦d50≦9(μm)、最も好ましくは1≦d50≦5(μm)の範囲が好ましい。
合成樹脂添加剤のd50が1μm未満の場合、フィルムの膜厚設定にもよるが、ヘイズや透明性が低下し、また分散性も悪くなる。特に目的であるフィルムの表面に適切な凹凸を形成して耐ブロッキング性や滑り性を付与することができない。d50が20μmを超えると、フィルムの膜厚設定にもよるが、その美観を損ね、ガイドとの接触による粒子の脱落( ドロップアウト) や機械的強度の低下を招く。
同様に、合成樹脂添加剤のd50が1μm未満の場合、光拡散剤として使用した場合も、光透過性を低下させ、分散性が低下するため安定した光拡散性を得ることができない。d50が20μmを超えると、所望の光学特性を得るには添加量を増やす必要があり、添加量を増やすと樹脂フィルムまたはシートの表面の凹凸が目立ち光散乱のムラが生じる。更には、d50が20μmを超えると、光沢度が著しく低下する傾向にあるので好ましくなく、屋外で使用される看板等では、商品価値が低下する。一方、室内の照明カバー等は、比較的艶消しグレード(低光沢)が好まれるが、高光沢グレードでも成形方法で刷りガラス状にすることで解決できる。
本発明の合成樹脂添加剤の特徴は粒度分布がシャープなことであり、粒子の均一性を表すシャープネス指数αとして、下記に示すレーザー回析式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径d90と累積10Vol パーセント径d10の差を累積50Vol パーセント径d50で割った値が挙げられる。
α=(d90−d10)/d50
本発明の合成樹脂添加剤のシャープネス指数αは、0≦α≦2.5であり、好ましくは0≦α≦2であり、更に好ましくは0≦α≦1.5である。αが2.5を超えると、不要な粒度域の粒子を多く含むため、適宜設定した膜厚のフィルムに適切な凹凸をフィルム表面に作成することができず、耐ブロッキング性を発揮することができない。また、安定した光学物性を得ることができない。αが0未満になることは有り得ない。
本発明の合成樹脂添加剤は、0.5μm以下の超微粒子の体積割合V05が10Vol %以下、好ましくは5Vol %以下である。0.5μm以下の超微粒子の体積割合V05が10Vol %を超えると、ヘイズや透明性を低下するだけでなく、合成樹脂中での分散が極端に悪くなりフィルム上に凝集物が残り著しく外観を損ねる。更に、吸着水分が多くなり、発泡等のトラブルの原因となる。同様に、0.5μm以下の超微粒子は光拡散性に寄与せず光透過性を阻害し、更には後工程の印刷工程で、凝集物によるインキ飛び、ひげ、色違い等の印刷不良がしばしば発生する。また、0.5μm以下の超微粒子は、粉砕時に脆性破壊して生じた粒子は少なく、磨砕による表面破砕で生じた粒子が大部分であり、非常に表面活性が大きい。このため凝集性が強く、分散が極端に悪くなるためと考えられる。このため、本発明の合成樹脂添加剤は、少なくとも1回は分級により、微粒子カットの工程が必要である。微粒子は少なければ少ない程良く、従って、下限は特に制限されないが、現在の技術では例えばd50=1μmであれば0Vol %は不可能で、概ね2Vol %程度までである。
好ましい態様としては、重質炭酸カルシウムが目開き38μmのJIS標準篩の篩残分βが5ppm以下、より好ましくは、篩残分3ppm以下、更に好ましくは1ppm以下である。本発明の合成樹脂添加剤は超微粒子が少ないという特徴を有しているので、従来極めて困難であったd50≦5μmの重質炭酸カルシウムの目開き38μm乾式篩通しが可能となり、前述の条件を満たすことができる。目開き38μm乾式篩をパスさせることにより粗大粒子が極めて少なくなり、マスターバッチの濃度を上げても混練時のフィルターライフが長くなり、また、薄膜のフィルムでも製膜時にフィルム切れを起こしにくくなり作業性を大幅に改善できる。
本発明の合成樹脂添加剤は、粒度分布のシャープネス、分級効率、分散性付与の目的から、表面処理剤で表面処理することが好ましい。
本発明に使用する脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ソルビン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;シクロペンタン環やシクロヘキサン環を持つナフテン酸等の脂環族カルボン酸;酢酸;酪酸;安息香酸、フタル酸等に代表されるベンゼンカルボン酸類;ナフトエ酸やナフタル酸等のナフタレンのカルボン酸等の芳香族カルボン酸;アビエチン酸、ピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸等の樹脂酸が挙げられ、中でも合成樹脂添加剤との反応性や、分散性付与、コストの点でステアリン酸の使用が特に好ましい。
脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸のアルカリ金属を含む金属塩・アンモニウム塩、アミン塩としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸コバルト(II)、ステアリン酸錫(IV)、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸鉛(II)等の飽和脂肪酸塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸コバルト(II)、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムジエタノールアミン塩等の不飽和脂肪酸塩;ナフテン酸鉛、シクロヘキシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩;安息香酸ナトリウムやサリチル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸塩が挙げられる。
また、本発明の合成樹脂添加剤の表面処理時またはそれ以前に、既述の脂肪酸・脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸の各酸に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、鉛、コバルト、錫、アシル基等を持つ化合物を混合・反応させて脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸のアルカリ金属を含む金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を適宜作成しても良い。
脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸のエステルとしては、例えば、カプロン酸エチル、カプロン酸ビニル、アジピン酸ジイソプロピル、カプリル酸エチル、カプリン酸アリル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ラウリル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、ベヘニン酸メチル、ベヘニン酸ベヘニル等の飽和脂肪酸エステル;オレイン酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オリーブオレイン酸エチル、エルカ酸メチル等の不飽和脂肪酸エステル;その他、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル;ネオペンチルポリオール(長鎖・中鎖を含む)脂肪酸系エステルおよび部分エステル化合物;ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル、12- ステアロイルステアリン酸イソセチル、12- ステアロイルステアリン酸イソステアリル、12- ステアロイルステアリン酸ステアリル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、多価アルコール脂肪酸エステル/アルキルグリセリルエーテルの脂肪酸エステル等の耐熱性特殊脂肪酸エステル;安息香酸エステル系に代表される芳香族エステルが挙げられる。
脂肪族、脂環族、芳香族のスルホン酸としては、例えば、スルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸、ラウリルスルホ酢酸、テトラデセンスルホン酸等のスルホン酸;ラウリル、ミリスチル、パルミチン、ステアリン、オレイン、セチル等のアルキル基からなるアルキル硫酸;ポリオキシエチレン(2) ラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(3) ラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(4) ラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(3) アルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(4) ノニルフェニルエーテル硫酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸;直鎖(C10,C12,C14) アルキルベンゼンスルホン酸、分岐アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸等が挙げられる。
脂肪族、脂環族、芳香族のスルホン酸の金属塩としては、例えば、上記の脂肪族、脂環族、芳香族のスルホン酸のナトリウム塩が一般的であるが、本発明の炭酸カルシウムの表面処理時または以前に、既述の脂肪族、脂環族、芳香族スルホン酸の各酸に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、鉛、コバルト、錫、各種アミン等を持つ化合物を混合・反応させて脂肪族、脂環族、芳香族のスルホン酸の金属塩を適宜作成しても良い。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリテトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルポリシロキサン、及び、アルキル、ポリエーテル、アルコール、フッ素、アミノ、メルカプト、エポキシ、高級脂肪酸等で変成したシリコーンオイルが挙げられる。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、該α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、ならびにそれらのアルカリ金属を含む金属塩、アンモニウム塩、アミン塩としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸とそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン、および該α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物とそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミンが挙げられる。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体としては、例えば、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル、アルコキシ基を有するアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキシル基を有するアクリレートおよびメタクリレート、α,β−モノエチレン性不飽和ヒドロキシエステル、ポリアルキレングリコールモノアクリレートおよびモノメタクリレート、ビニルエステル、ビニル系芳香族、不飽和ニトリル、不飽和ジカルボン酸エステル、ビニルエーテル、共役ジエン、鎖状オレフィン、環状オレフィンが挙げられる。
燐酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールジフェノールホスフェート、各種芳香族縮合燐酸エステル、2−クロロエチル、クロロプロピルホスフェート、ジクロロプロピルホスフェート、トリブロモネオペンチルホスフェート、含ハロゲン縮合燐酸、ビス−2−エチルヘキシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、2−メタクリロイルオキシルエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、2−ブチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルホスホロクロリデート、フェニルホスホロジクリデート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、アルキル基が12〜15のポリオキシアルキルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル燐酸が挙げられる。
また、工業石鹸は多種類の脂肪酸のアルカリ金属を含む金属塩が混在したものであり、市販の工業石鹸としては、例えば、マルセル石鹸(商品名:日本油脂(株)製、混合脂肪酸ナトリウム)やパーム油石鹸、やし油石鹸等が挙げられ、湿式表面処理を施す場合は、コスト面で有効であり、中でもマルセル石鹸が好ましい。
上記の処理剤の中で、シャープな粒度分布を構成するには大粒子の表面に粒子間引力により付着している超微粒子を分離する効力を有するものが望ましい。且つ、合成樹脂添加剤との反応性や、樹脂中での分散性を考慮すれば、マルセル石鹸を湿式処理するのが好ましい。コスト面で有利である乾式処理であれば、メチルハイドロジェンポリシロキサンがより好ましい。コスト面ではステアリン酸が更に好ましい。
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の加水分解しやすい樹脂に関しては、相溶性を上げるため、シランカップリング剤、シリコーンオイル、リン酸エステル、ヒンダードエステル等で処理して加水分解を抑制するのが好ましい。
上記した表面処理剤は、単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。表面処理剤の処理量は、本発明で得られる合成樹脂添加剤が使用される樹脂の種類や用途によって適宜選択されるが、BET比表面積に対する表面処理剤の量T/Swが0.05<T/Sw<2の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1<T/Sw<1である。
T:合成樹脂添加剤の表面処理量(重量%)
Sw:恒圧通気式粉体比表面積(m2 /g)
T/Swが0.05未満の場合、表面処理剤の効能が認められず、製造時のハンドリングの悪化と分散不良を招くだけで好ましくない。T/Swが2を超えると、例えば樹脂フィルムに添加した場合に、粒子表面から遊離した表面処理剤がブリードして印刷特性を悪化させ、生成するフィルムの透明性を損なう等の問題が生じるため好ましくない。
本発明の合成樹脂添加剤の特徴は微粗粉が少ないことであり、表面処理の有無は光拡散剤、アンチブロッキング剤としての性能に直接的には関与しない。しかし、表面処理した方が、分級後にシャープな粒度分布にするのが容易であり、また、篩いの透過性も良好になるので好ましい。更に平均粒子径が小さい領域では特に分散性において優位である。
本発明に使用できる合成樹脂添加剤の好ましい製造方法としては、例えば結晶質石灰石を定法により、ジョークラッシャー、ハンマーミル等で粗・中粉砕し、竪型ローラーミル、振動ボールミル等で微粉砕し、ターボクラシファイア、ターボプレックス等で空気分級操作をおこない、従来の微粉重質炭酸カルシウムを作成する。
比較的平均粒子径の大きい5μm以上の合成樹脂添加剤を作成するには、先に再分級して粒度調整をおこなっても良いが、好ましくは、前述の表面処理剤から選ばれたものを使用して表面処理を施した後に再分級することで分級精度、分級効率、シャープネスを上げることができる。更には、表面処理時に処理剤と共に凝集した粒子を削除することができる。表面処理された粉体を再分級し、粗粉、サイクロンで回収した微粉、バグフィルターで捕集した超微粉に分ける。本発明で使用するのは、粗粉または微粉であり、超微粉は該合成樹脂添加剤としては適さない。粒度のシャープネスが足らない場合は、分級を繰り返す場合もある。
最後に、好ましくは、目開き38μmのメッシュを用いた振動篩、ミクロシフター等でスクリーニング仕上げをする。
ただし、本発明の重質炭酸カルシウムは、前述の製造方法に限定されるわけではなく、上記した粒度特性等の要件を満足する重質炭酸カルシウムであれば差し支えないことは言うまでもない。また、平均粒子径の違う重質炭酸カルシウムを併用したバイモーダル系、又はシリカ、合成炭酸カルシウム等他の無機粒子と併用して特性を出しても良い。
本発明の合成樹脂添加剤の耐ブロッキング性に関しては合成樹脂の種類、フィルムの膜圧等により有効な粒子径が変わってくるが、その適切な粒度に制御することは分級条件を変えることで可能である。
本発明の合成樹脂添加剤に適応する合成樹脂の種類は特に限定されず、例えばアンチブロッキング用途では、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、ポリアクリロニトリル等が例示され、また光拡散剤用途では、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル及びこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂のポリマーアロイ物等が挙げられる。これらは単独で、又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
本発明の合成樹脂添加剤の合成樹脂への配合量は、用途に応じて適宜決定されるが、例えば、アンチブロッキング剤の用途では、0.1〜0.5重量%が好ましい。下限未満では、良好な耐ブロッキング性が発現せず、一方、上限を超えるとヘイズが悪くなる。また、光拡散剤の用途では、1〜10重量%が好ましい。下限未満では、光拡散性が乏しく、一方、上限を超えると光透過性が悪くなり、シート(フィルム)を通過したバックライトが暗くなる。
本発明の合成樹脂添加剤を樹脂に含有させる方法は、例えば、混練機を用いて樹脂中に練り込みマスターバッチとする。これを、適宜バージンペレットと希釈またはそのまま押し出し機を用いて、Tダイ法またはインフレーション法でフィルム、シート、またはチューブ状に押し出して成形する。他に、ポリエステル系樹脂は、本発明の合成樹脂添加剤をポリエステルの原料となるエチレングリコール中に懸濁させ、重縮合反応時に添加する場合がある。
また、上記合成樹脂添加剤を含有してなる合成樹脂組成物には、必要に応じて、結晶核剤、帯電防止剤、塩素補足剤、安定剤、酸化防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、分散剤、加工助剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤等の公知の各種添加剤が、本発明の効果を阻害しない範囲内で配合されても良い。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されないことは云うまでもない。
尚、各特性値の測定方法を以下に示す。
<粒度分布>
無機粒子5gをメタノール50mlに懸濁させ、スパチュラでよくかき混ぜた後、超音波分散機(日本精機製作所製:US−300T)で下記の条件にて分散させた。
TIP SERECT :26(Φ)
超音波分散時間:1分
該メタノール懸濁液をSVR(液循環容器)に添加してローディングインデックス値がコンピュータの指定する中心値になるよう濃度を調整した。これをレーザー式粒度分布測定機(日機装製:マイクロトラックFRA)で測定した。
尚、以下の条件で測定した。
Particle Transparency :No
Spherrical Particles :n/ a
Particle Refractive Index :n/ a
Fluid Refractive Index :n/ a
<粉体の比表面積>
恒圧通気式粉体比表面積測定装置SS−100型(島津製作所製)を使用して測定した。
<全光線透過率>
ASTMD−1003−61Tに準じ、積分球式HTRメーターで測定した。
<光拡散率>
ゴニオホトメーター(村上色彩技術研究所製HR−100型)で測定した角度20°及び角度70°で透過した光強度の平均を、角度5°で透過した光強度で除した値を百分率として求めた。
<平滑性(表面の凹凸性)>
光拡散板を目視で観察し、下記の評価基準に従って5段階評価をおこなった。
5点:表面の凹凸が見えず平滑である。
4点:表面の一部に微少な凹凸が僅かに認められるが、実用上全く問題が無い。
3点:表面全体に微少な凹凸が認められるが、実用上問題無い。
2点:表面全体に微少な凹凸が認められ、且つ粗大凹凸が一部認められ、実用上問題がある。
1点:表面全体に粗大凹凸が認められ、実用上非常に問題がある。
<表面光沢度>
村上色彩研究所製光沢度計GM−26Dを用いて60°鏡面を測定した。
<Izod衝撃強度>
ASTM D256に準じて測定した。
<透け>
試験片越しにランプを見て、下記の評価基準に従って4段階評価をおこなった。
◎:ランプイメージは確認できず全く透けない。
○:おぼろげながらランプイメージが確認できるが、実用上問題無い。
△:ランプイメージの輪郭が確認できる。
×:ランプイメージがはっきり確認できる。
<コスト>
下記の評価基準に従って4段階評価をおこなった。
◎:コストが非常に有利であり、比重も重くなく配合部数を制限されることはない。
○:コストが有利であり、比重も重くなく配合部数を制限されることはない。
△:コストが不利であるか、比重が重く高部配合する必要がある。
×:コストが非常に不利である。
<総合評価>
表4における総合評価は、下記の評価基準により5段階評価した。
A:光拡散性・光沢度・全光線透過率・樹脂強度・樹脂板の表面平滑性が非常に良好で、光拡散コントロール板として最適である。
B:光拡散性・光沢度・全光線透過率・樹脂強度・樹脂板の表面平滑性が良好で、光拡散コントロール板に適している。
C:光拡散性・光沢度・全光線透過率・樹脂強度・樹脂板の表面平滑性が比較的良好で、光拡散コントロール板として使用可能である。
D:光拡散性・光沢度・全光線透過率・樹脂強度・樹脂板の表面平滑性の何れかが不良で、光拡散コントロール板として使用に実用上支障がある。
E:光拡散性・光沢度・全光線透過率・樹脂強度・樹脂板の表面平滑性の何れかが不良で、光拡散コントロール板として使用に実用性が無い。
<粒子の分散性>
◎:フィルム1m3 中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるブツが2個未満である。
○:フィルム1m3 中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるブツが2個以上5個未満である。
△:フィルム1m3 中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるブツが5個以上10個未満である。
×:フィルム1m3 中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるブツが10個以上である。
<耐ブロッキング性>
2枚のフィルムを接触面積が10cm2 で重ねて2枚のガラス板間に挟み、50g/cm2 の加重をかけて40℃の温度条件下で72時間放置し、ショッパー型試験機で引き剥がすときの最大荷重を測定した。
<ヘイズ>
ASTM- D-1003-61Tに準拠し、ポイック積分球式ヘイズメーター(日本精密光学製SEP-HS-30D) で測定した。
<スクラッチ性(傷つき性) >
一辺63cmの正方形のスリップテスター用そりにサンプルフィルムを巻き付け、加重3kgの条件で別のサンプルフィルム上を30回滑らせた後のヘイズの変化量を測定した。
<総合評価>
表5、表6における総合評価は、下記の評価基準により4段階評価した。
A:極めて良好であり、アンチブロッキング剤として最適である。
B:良好であり、アンチブロッキング剤として適している。
C:やや不良であり、アンチブロッキング剤としての使用に実用上支障がある。
D:不良であり、アンチブロッキング剤として実用性が無い。
実施例1
白色結晶質石灰石を定法により、粗・中粉砕し10mmアンダーの微粉砕原料を作成し、スーパーハイブリッドミル(石川島播磨重工業(株)製)でフィード量250kg/ h、セパレータ1250rpm、風量95m3 /min、圧下圧力80kgf/ cm2 の条件で微粉砕し、レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac-FRA で測定した累積50Vol パーセント径d50が1.3μmの微粉砕物を得た。この微粉砕物を流体分級機ターボクラシファイアTC−15(日清エンジニアリング社製)を用い、表1に示す分級条件で、微粉側(サイクロン、バグフィルター)と粗粉側に分級し、サイクロンで回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収して、レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA で求められる累積50Vol パーセント径d50(μm)、累積90Vol パーセント径d90(μm)、累積10Vol パーセント径d10(μm)、d90とd10の差を平均粒子径d50で割った値α、Microtrac-FRA で求められる0.5μm以下の超微粒子の体積割合V05(体積%)である重質炭酸カルシウム粉体を調整し、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例2
実施例1の微粉砕物を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、粗粉側を回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、サイクロンで回収して、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例3
実施例1の1回目の分級で得られた粗粉側を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、サイクロンで回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収して、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例4
市販の重質炭酸カルシウムであるスーパー#2000(丸尾カルシウム(株)製)を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、サイクロンで回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収して、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例5
実施例1の微粉砕物を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、粗粉側を回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収して、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
尚、実施例1〜5で1回目に使用した被分級物は、d50が小さいが故に経時による凝集が起こりやすい。そのため、分級精度を上げる目的で粉砕直後の粉体を使用した。これを、振動篩を用いて目開き45μmのメッシュを通過させて、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例6
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:スーパー3S(丸尾カルシウム(株)製)を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、サイクロンで回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例7
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:スーパーSSS(丸尾カルシウム(株)製)を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、粗粉側を回収した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例8
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:スーパーSS(丸尾カルシウム(株)製)を、ターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、粗粉側を回収した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例9
実施例8で得られた合成樹脂添加剤を、更にターボクラシファイアTC−15を用い、表1に示す分級条件で分級し、粗粉側を回収した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例10〜12
実施例1で使用したd50=1.3μmの微粉砕品に表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理した。その表面処理粉体を、実施例3と同様の分級条件で分級した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表2に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例13
実施例1で使用したd50=1.3μmの微粉砕品を、50℃の温水で固形分30wt%のスラリーとし、表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ディスパーで湿式攪拌処理した。そのスラリーをヌッチェ、プレスで脱水した後、オーブンで110℃、6時間乾燥し、アトマイザー(富士パウダル(株)製)で解砕した。その表面処理粉体を、実施例3と同様の分級条件で分級した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表2に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例14〜16
実施例4で使用したスーパー#2000に表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理した。その表面処理粉体を、実施例4と同様の分級条件で分級した。実施例14、15については、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表2に示す合成樹脂添加剤を得た。実施例16については未篩いで表2に示す合成樹脂添加剤とした。
尚、実施例14の合成樹脂添加剤の電子顕微鏡写真(1000倍)を図1に、また、Microtrac-FRA レーザー式粒度分布計で測定した粒度分布を図3に示す。
後記する比較例3の合成樹脂添加剤の電子顕微鏡写真を図2に、粒度分布を図4に示したが、実施例14の粉体と比較例3の粉体は、粒度分布の累積50%Volパーセント径d50に関しては、近似した値であるが、電子顕微鏡視野では明らかに実施例14の粉体の方が2〜5μmの粒子個数が多く、超微微粉も少ない。これら均一な粒子がフィルム上に均一な表面突起を形成し安定したアンチブロッキング性が得られる。また、全光線透過率、光拡散率のバランスが取れた光拡散板が得られる。
実施例17
実施例6で使用したスーパーSSSに表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理した。その表面処理粉体を、実施例6と同様の分級条件で分級した。これを、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表2に示す合成樹脂添加剤を得た。
実施例18
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製)に表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理した。それを分級して粒度調整をおこなった。更に、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表2に示す合成樹脂添加剤を得た。
比較例1
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:カルテックス5(丸尾カルシウム(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例2
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:スーパー#1700(丸尾カルシウム(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例3
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:スーパーSSS(丸尾カルシウム(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
尚、得られた合成樹脂添加剤の電子顕微鏡写真(1000倍)を図2に、また、Microtrac-FRA レーザー式粒度分布計で測定した粒度分布を図4に示す。
比較例4
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例5
市販の重質炭酸カルシウムである商品名:R重炭(丸尾カルシウム(株)製)を振動篩で目開き38μmのメッシュを通過させて、表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例6
比較例2の合成樹脂添加剤に表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理し、表3に示す合成樹脂添加剤を得た。
比較例7
比較例3の合成樹脂添加剤に表面処理剤Xを、重質炭酸カルシウム粉体100重量部に対してT重量部添加し、ヘンシェルミキサーで加熱攪拌処理した。更に、振動篩を用いて目開き38μmのメッシュを通過させて、表3に示す合成樹脂添加剤を得た。
比較例8
市販の合成炭酸カルシウムである商品名:軽質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例9
市販の硫酸バリウムである商品名:AD硫酸バリウム(日本化学工業(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例10
市販のタルクである商品名:LMS−400(富士タルク工業(株)製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
比較例11
市販のシリカ粉砕品である商品名:T−200S((株)山森土本鉱業所製)を表3に示す合成樹脂添加剤とした。
実施例19〜27、比較例12〜16
メチルメタクリレートの部分共重合体(スチレンの共重合率18%、住友化学工業(株)製:スミペックEXA)100重量部に合成樹脂添加剤Mを2重量部配合し、ヘンシェルミキサーで混合攪拌して充分に分散せしめた後に、タンデム型押出し機(神戸製鋼所製NEXT−90)を用いて270℃で造粒しペレットにした。そのペレットを射出成形機で樹脂温度270℃でシート状に成形し、幅50mm、縦90mm、板厚2mmのサンプル板を得た。得られたサンプル板の光学特性に関わる特性値及び総合評価を表4に示す。
実施例28〜36、比較例17〜21
直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産(株)製ユメリット4040FC)を100重量部、合成樹脂添加剤Mをアンチブロッキング剤として0.15重量部、スリップ剤としてエルカ酸アミドを0.05重量部配合して、ヘンシェルミキサーで混合攪拌して充分に分散せしめた後に、スクリュー径40mmφの押し出し機を兼ね備えたTダイキャスト成形機にて、厚さ40μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性値及び総合評価を表5に示す。
実施例37〜43、比較例22〜26
粘度0.64dl/ gのPET粉体を、170℃で十分に真空乾燥した後に100重量部、合成樹脂添加剤Mをアンチブロッキング剤として0.2重量部配合して、プラネタリーミキサーを用いて1分間混合した後に、混練押出し機(東洋精機製ラボプラストミル4C−150、2D25W型)を用いて280℃で造粒しペレットにした。そのペレットをT型ダイ(T−150C型)より溶融押出して、金属ドラムに巻き付け冷却固化せしめ、厚さ100μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性値及び総合評価を表6に示す
表4に示した結果から明らかなように、本発明の合成樹脂添加剤は、優れた光透過率、光拡散性を有し、分散性も極めて良好である。また、表5、表6に示した結果から明らかなように、該合成樹脂添加剤をアンチブロッキング剤として使用した場合、ヘイズを損ねることなく良好な耐ブロッキング性を有し、スクラッチ性も良好である。
本発明の合成樹脂添加剤は特にアンチブロッキング剤や光拡散剤として有用で、該添加剤を含有した合成樹脂組成物は、照明器具、電飾看板用シート(フィルム)、包装材料用フィルム等に好適である。
本発明の実施例14で作成した平均粒子径d50=3.1μmの合成樹脂添加剤である重質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真(1000倍)である。 比較例3のd50=3.2μmのスーパーSSS(丸尾カルシウム(株)製)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。 本発明の実施例14で作成した平均粒子径d50=3.1μmの合成樹脂添加剤である重質炭酸カルシウムをMicrotrac-FRA レーザー式粒度分布計で測定した粒度分布である。 比較例3のd50=3.2μmのスーパーSSS(丸尾カルシウム(株)製)をMicrotrac-FRA レーザー式粒度分布計で測定した粒度分布である。

Claims (8)

  1. 重質炭酸カルシウムからなる不活性微粒子で、下記(a)、(b)、(c)、式を満足することを特徴とする合成樹脂添加剤。
    (a)1≦d50≦20 (μm)
    (b)0≦α≦2.5
    (c)V05≦10 (Vol %)
    ただし、
    d50:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積50Vol パーセント径(Median径)(μm)
    d90:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径(μm)
    d10:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積10Vol パーセント径(μm)
    α:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径と累積10Vol パーセント径の差を累積50Vol パーセント径d50で割った値で、合成樹脂添加剤の粒子径の均一性を意味し、下記式で表される。
    α=(d90−d10)/d50
    05:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤に含まれる0.5μm以下の超微粒子の体積割合。(Vol %)
  2. 目開き38μmのJIS標準篩の篩残分βが5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂添加剤。
  3. 合成樹脂添加剤が脂肪族、脂環族、芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、エステル、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィン、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、各種リン酸エステル類、および市販の工業用石鹸より選ばれる少なくとも1種類で少なくとも粒子の一部が表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂添加剤。
  4. 表面処理量が下記式(d)を満足することを特徴とする請求項3記載の合成樹脂添加剤。
    (d)0.05<T/Sw<2
    T:合成樹脂添加剤の表面処理量(重量%)
    Sw:恒圧通気式粉体比表面積(m2/g)
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の合成樹脂添加剤を合成樹脂に配合してなることを特徴とする合成樹脂組成物。
  6. 合成樹脂がフィルム用合成樹脂であることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂組成物。
  7. 合成樹脂添加剤が光拡散剤として配合されることを特徴とする請求項5又は6記載の合成樹脂組成物。
  8. 合成樹脂添加剤がアンチブロッキング剤として配合されることを特徴とする請求項5又は6記載の合成樹脂組成物。
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