JP2007119335A - ガラス塊の製造方法、その製造装置および光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス塊の製造方法、その製造装置および光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 精密プレス成形用プリフォームなどとして用いられるガラス塊を寸法精度よく、高い生産性のもとで製造する方法を提供する。
【解決手段】 流出パイプから流出する溶融ガラス流を下型で受け、ガラス流を切断して下型上に溶融ガラス塊を得、下型上で略浮上させながら冷却してガラス塊を成形する工程において、下型上の溶融ガラス塊を上型に直接接触させた状態でプレスし、溶融ガラス塊の形状を固定後、プレス面に生じた表面のうねりを回復させ、自由表面化するガラス塊の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス塊の製造方法、その製造装置および光学素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、精密プレス成形用プリフォームなどとして用いられるガラス塊を寸法精度よく、高い生産性のもとで製造する方法、この方法に用いられるガラス塊の製造装置、および該ガラス塊を精密プレス成形して光学素子を製造する方法に関するものである。
デジタルカメラ等の光学機器では、機器のコンパクト化のために高屈折率レンズを採用することが多い。特に高屈折率な非球面化レンズは、光学系のコンパクト化や高性能化への寄与が大きく待望されている。しかしながら、高屈折率な光学ガラスは一般に軟化点が高いため、プレス温度が高くなり、プレス装置の耐久性やレンズの成形精度等で問題が発生しやすい。また精密プレスレンズとしては、成形が容易で精度を得やすい凸レンズが多く製造されてきたが、最近では凹メニスレンズや両凹レンズといった、成形が難しく成形精度が得られにくい精密プレスレンズが増えてきた。
具体的には、高屈折率(高軟化点)光学ガラスは、プレス温度が高いため、プレス型や離型膜の耐久性に問題が発生し、プレスできなくなったり、離型膜劣化により、連続成形可能数が減少したり、プレス機構の熱膨張の影響で成形精度(偏芯など)が悪化するなど、好ましくない事態を招来する。対策としてはプリフォーム形状をレンズ形状に近づけてプレス時の変形量を減らし、プレス温度を低くする方法が有効である。
一方、難形状レンズにおいては、凹メニスレンズの場合、上型が凸状でアールが小さいため、プリフォーム上面のアールが小さいとプレス時に上型とプリフォームの中心がずれやすく、成形レンズが偏肉し成形精度が悪化する。対策としては、プリフォーム上面中央のアールを大きくするか又は平面化する方法が有効である。また、両凹レンズの場合、上下型とも凸状でアールが小さいので、プリフォーム下面のアールが小さいと下型の上に安定してプリフォームを固定すること自体が難しい。加えて、凹メニスレンズと同様に、プリフォーム上面のアールが小さいと上型とプリフォームの中心がずれやすい。対策としては、下型上で安定して保持しかつプレス時の偏芯を抑制するため、プリフォーム上下面のアールを大きくする(又は平面化する)。
以上のように、精密プレスレンズの高屈折率化や難形状化により、装置の耐久性や成形精度に問題が発生しやすくなり、その対策としてプリフォームの薄肉化や平板化、そして近似形状化が求められるようになった。
これらの要求に対しては、ガラスブロックを円板状に加工し両面研磨したプリフォームや、球面レンズの加工法により作製した近似形状化プリフォームが使われている。しかしながら、これらの場合、熱間成形によるプリフォームと較べて著しくコスト高になるのを免れない。
以下に、プリフォームの熱間成形法にプレス成形技術を加え、プリフォーム形状を制御する従来例とその問題点について説明する。
(1)上下型:多孔質(非接触状態でプレスし冷却)
多孔質部材からなる凹部成形面を有する下型を用い、成形面から高圧ガスを噴き出した状態で溶融ガラス塊を浮上保持し、冷却過程で同様な構造の上型で溶融ガラスをプレスして溶融ガラスを成形型の形状に変形させ、溶融ガラスと型の界面にガスクッションを形成
しながら非接触状態で冷却し、薄肉、又は近似形状の光学ガラス素子を成形する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法においては、以下に示すような問題がある。
多孔質型のガスクッションで包まれた溶融ガラス塊は非接触状態となるため、溶融ガラス塊の内部と表面部(特に外周部)で大きな温度分布ができる傾向がある。そのために、溶融ガラス中央部の硬化が遅れヒケが発生しやすい。上記発明では、多孔質型から高温に加熱したガスを噴出させ溶融ガラス内の温度分布を縮小している。しかし、この方法では、溶融ガラスの冷却速度が著しく低下するので、成形時間が長くなり、成形能率が悪くなるという問題がある。また多孔質型から噴き出すガス温度を高めるには、多孔質型自体の温度も同程度まで加熱する必要があり、溶融ガラスのキャスト時などに溶融ガラスが型に融着する危険性が高まる。その他、成形工程において、成形型や噴出ガスの温度を連続的に変化させながら制御する必要があり、かつプレス速度やプレス量(厚み)を連続的に変化させながら長時間連続的にプレスする必要がある。その結果として製造装置が複雑化し、成形装置のコストが高くなるという問題がある。
(2)下型:マルチ穴、上型:緻密型
凹部成形面に衛星状に形成した細孔からガスを噴出させながら成形面にガラスを受け、溶融ガラスを浮上させながら冷却する過程で、緻密質上型でプレスしてプリフォーム上面を成形する方法が知られている。しかしながら、この方法では、ゴブの内部と外周部の温度差が大きくなるため、扁平に近いゴブの成形では、ゴブ下面中央にヒケが発生しやすい。また溶融ガラス塊の温度が急激に低下する過程でプレス成形するため、プレスの条件出しが難しい。その他、複数の成形型を循環使用してプレス成形する場合には、型毎に形状がばらつく問題がある。また下型上で浮上し揺動している溶融ガラスをプレスするため、偏肉したプレス品が得られやすい。
(3)下型:マルチ穴、上型:多孔質型
上記(2)と同様な下型で溶融ガラス塊を浮上させ、冷却過程で多孔質材料からなる上型からガスを噴き出させた状態で溶融ガラス塊の上面をプレス成形する方法が知られている。この方法は、上型構造を除き上記(2)と同一である。したがって上記(2)と同様の問題が起こる。その他、上型によるプレスが非接触で行われるため、プレス型との熱交換により溶融ガラスを冷却することができない。したがって、間欠的なプレス法では、停留時間内でプレス面形状を固定することが難しく、プレス型形状に近いプリフォームを得にくいという問題がある。
特許第3618937号公報
本発明は、このような事情のもとで、精密プレス成形用プリフォーム、例えば中心肉厚が薄く、直径/中心肉厚比が大きい薄肉のプリフォーム、片面のアールが大きいかまたはほぼ平面である薄肉のプリフォーム、両面アールが大きいかほぼ平面である薄肉のプリフォーム、片面が凹面である近似形状のプリフォームなどとして用いられるガラス塊を寸法精度よく、高い生産性のもとで製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、溶融ガラス塊を下型上で浮上させながら冷却してガラス塊を成形する工程において、特定の操作を施すことにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 流出パイプから流出する溶融ガラス流を下型で受け、ガラス流を切断して下型上に溶融ガラス塊を得、下型上で略浮上させながら冷却してガラス塊を成形する工程において、
下型上の溶融ガラス塊を上型に直接接触させた状態でプレスし、溶融ガラス塊の形状を固定後、プレス面に生じた表面のうねりを回復させ、自由表面化することを特徴とするガラス塊の製造方法、
(2) 初回のプレスを、溶融ガラス流を受け、キャスト直後から下型上で溶融ガラス塊の連続的な揺動が開始されるまでに行う上記(1)項に記載のガラス塊の製造方法、
(3) 溶融ガラス流を受け、キャスト直後から下型上で溶融ガラス塊の連続的な揺動が開始されるまでに、上型と下型を接近させ、上型により溶融ガラス塊の揺動を規制し、上下型と溶融ガラス塊の中心出しを行った後でプレスを開始する上記(1)項に記載のガラス塊の製造方法、
(4) プレス表面の自由表面化を、溶融ガラス塊内部からの熱伝導により行う上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法、
(5) 溶融ガラス塊の熱量の放射を抑制する保温手段を用い、溶融ガラス内部からの熱伝導によるプレス面の自由表面化を補助する上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法、
(6) プレス表面の自由表面化を、溶融ガラス塊内部からの熱伝導と外部からの加熱を組み合わせて行う上記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法、
(7) ガラス塊が精密プレス成形用プリフォームである上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法、
(8) 複数の下型を流出ノズルに順番に供給し、連続的にキャスト、上型によるプレス成形、下型上での成形品の冷却、下型からの取り出しを繰り返すガラス塊の製造装置において、
上下型の内、少なくともどちらか一方を相対的に移動させ、上下型間の間隔を接近、離間させる駆動方式にNC制御方式を用い、かつ下型毎にプレス成形時のプレス厚みが補正可能であることを特徴とするガラス塊の製造装置、
(9) ガラス塊が精密プレス成形用プリフォームである上記(8)項に記載のガラス塊の製造装置、
(10) 上記(7)項に記載の方法により製造したガラス塊を精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、精密プレス成形用プリフォームなどとして用いられるガラス塊を寸法精度よく、高い生産性のもとで製造する方法、この方法に用いられるガラス塊の製造装置、および該ガラス塊を精密プレス成形して光学素子を製造する方法を提供することができる。
まず、本発明のガラス塊の製造方法について説明する。
本発明のガラス塊の製造方法は、流出パイプから流出する溶融ガラス流を下型で受け、ガラス流を切断して下型上に溶融ガラス塊を得、下型上で略浮上させながら冷却してガラス塊を成形する工程において、下型上の溶融ガラス塊を上型に直接接触させた状態でプレスし、溶融ガラス塊の形状を固定後、プレス面に生じた表面のうねりを
回復させ、自由表面化することを特徴とする。
本発明は前記プレスを複数回行う態様(第1の態様という)と、前記プレスを1回のみ行う態様(第2の態様という)がある。なお、本願明細書では曲率半径のことをアールということがある。
第1の態様においては、以下に示す工程、すなわち任意工程であるプレス前工程、必須工程である予備プレス工程、本プレス工程、表面回復工程および任意工程である追加プレス工程を施すことにより、所望のガラス塊を得ることができる。
[プレス前工程]
この工程は、溶融ガラスと上型の位置合わせ、揺動の規制工程である。本工程は、任意工程であり、下型上で溶融ガラス塊の揺動が開始するまでに初回のプレスを行う場合は必要なく、初回のプレス開始を遅らせて溶融ガラス塊の揺動が開始した後にプレスを行う場合に有効な工程である。
当該プレス前工程においては、キャスト位置から退避直後の第2停留位置において(後述の図1、図2参照)、下型成形部で溶融ガラス塊の揺動が開始する以前に上型と下型を接近させて停止し、上型で溶融ガラス塊と上型の中心を合わせると共に溶融ガラスの揺動を規制する。
具体的に説明すると、流出パイプから流出する溶融ガラス流を浮上成形が可能な下型に受けてキャストし、流出パイプ直下から退避した段階では、溶融ガラスの粘性が非常に低く、理想的な薄いガスクッションが溶融ガラスの下面に形成されている。そのためキャスト直後の段階では、下型内で溶融ガラス塊が揺動しない時間帯が存在する。もちろん流出パイプ直下から退避した直後は、慣性力で溶融ガラス塊が揺動するが、慣性による揺動は短時間で収まる。溶融ガラス塊下面の粘性が増大するに従い型とガラスの形状に差が生じ、溶融ガラス塊の揺動が始まる。本発明ではこのような現象に着目し、溶融ガラス塊の揺動開始前に溶融ガラス塊上に上型を接近させ、溶融ガラス塊の揺動を規制し上型と溶融ガラス塊の中心を合わせる。例えば上型が僅かでも凹面になっている場合は、容易に上型の中心に溶融ガラス塊を安定させることができる。但し、多孔質材料からなりガスを噴出している上型では、噴出ガスのため溶融ガラス塊の位置が不安定化しやすい。つまり溶融ガラス塊の位置を安定させるには、緻密質の上型が望ましい。上型の接近停止の際、上型と溶融ガラス塊は、僅かに接触させるか又はぎりぎり接触しない状態とする。なお上型が平面の場合は、僅かに接触させることで揺動を規制することができる。
上記溶融ガラス塊の揺動を規制することにより、得られるガラス塊の偏肉を防止することができる。
[予備プレス工程]
この工程は、溶融ガラス塊中の温度分布の均一化工程である。
当該予備プレス工程においては、前記のプレス前工程後、タイミングを計り更に上下型を接近させ、溶融ガラス塊を所定時間プレスする。なお上型は溶融ガラスとの融着を防ぐため、風冷又は水冷等の手段で強制的に冷却しておく。所定時間プレス後は上下型を離間させ、溶融ガラス塊の形状を自然回復させる。なお上型の位置は、形状が自然回復した後の溶融ガラス塊の揺動を規制できる位置で保持することが望ましい。すなわち、形状が自然回復した後の溶融ガラス塊の上面が僅かに触れるか触れないかの位置に保持することが望ましい。
具体的に説明すると、キャスト直後から、下型内の溶融ガラス塊内部には大きな温度分布が存在する。キャスト時に溶融ガラスが流下していた溶融ガラスの中央部は、外周部より格段に高温であるが、浮上冷却過程では更に温度分布が拡大する。これは溶融ガラス塊中央より外周の厚みが薄く冷えやすい上、揺動による下型との接触頻度が多いためと思われる。大きな温度分布が存在するままプレス成形すると、プレス品中央にヒケによる局部的な凹みができてしまう。
そこで第1の態様では、溶融ガラス塊内の温度分布を均一化する目的で予備プレスを行
う。低温の上型で短時間予備プレスすると、溶融ガラス上面側が冷却されるとともに、溶融ガラス中央側のガラスが外周側に移動する。この移動によりガラス塊の中央と外周で熱交換が起こる。また溶融ガラス下面側も、プレスにより下型と瞬間的に接触し冷却される。
なお予備プレスは短時間なので溶融ガラス塊の形状を固定するには至らず、プレス後は表面張力でプレス前の形状に戻ろうとする。この形状復帰の際、外側に移動したガラスが中央側に戻り、溶融ガラス塊の中央と外周の温度差が縮小する。またプレス面は最も温度低下が激しいが、形状回復時に溶融ガラス塊内部から熱をもらって加熱され、プレス面と内部の温度差が縮小する。一方、下型側の面も一時的に下型に触れて冷却されるが、予備プレス終了後は再び非接触状態となり、溶融ガラス塊内部の熱で加熱される。
以上のように、キャストから間もない溶融ガラス塊を低温の型で短時間予備プレスすることで、溶融ガラス上下面の冷却や、中央から外周への溶融ガラスの移動が起こる。予備プレス後は浮上状態となるため、形状回復とともに溶融ガラス内でのガラスの再移動や、冷却された上下表面と内部の熱交換が起こり、結果として溶融ガラス塊内部の温度分布が縮小する。
予備プレス後の上型は、形状が自然回復した後の溶融ガラス塊の揺動を規制できる位置で保持することが望ましい。すなわち、溶融ガラス塊の上面が僅かに触れるか触れないかの位置に保持することが望ましい。この位置での保持により、予備プレス後の溶融ガラスと上型の中心が合った状態に保つことができ、同じ型で行う本プレスでの芯ずれを効果的に抑制することができる。またこの位置での保持により、上型が溶融ガラスで加熱されるため、本プレスでの冷却皺の発生を抑制することも可能になる。
[本プレス工程]
この工程は、溶融ガラスの全体形状の固定工程である。
当該本プレス工程においては、溶融ガラスを予備プレスと同じ上型で所定時間プレスする。本プレスでは、溶融ガラス塊の形状を変形させ固定することを目的とする。
具体的に説明すると、前記の予備プレスにより温度分布が均一化された溶融ガラス塊を、溶融ガラス塊上で保持した上型で再度プレスする。本プレスでのプレス時間は、プレス面の回復が生じる時間に調節する(長すぎると面回復が生じない)。本プレス直後のプレス面には軽微な冷却皺が生じるが、この表面の皺を次工程の表面回復工程で回復させる。
[表面回復工程]
この工程はガラス塊表面の回復工程である。
強制冷却されている低温の上型でプレスしたプレス面には、プレス表面の急冷収縮による皺状の凸凹が発生する。但しこの皺状の凸凹は、プレス時間を加減することにより自然に自由表面に回復させることができる。つまり、プレスでの急激な温度低下が表面近傍に偏るため、プレス終了後は溶融ガラス内部の熱でプレス表面層が再加熱され自由表面化する。ガラス内部の熱量だけで自由表面化が困難な場合は、プレス面を外部から加熱することにより自由表面化することも可能である。
具体的に説明すると、本プレス工程で生じた冷却皺(表面のうねり)は、溶融ガラスの表面層付近が急冷されることで生じる。したがって過度にプレス時間を長くしなければ、溶融ガラス内部の熱で表面層が加熱され自由表面化することができる。但し自由表面化といっても、自由表面と同等の表面品質である必要はなく、精密プレス成形に影響しない程度の凸凹やうねりが残っても問題はない。この表面回復の過程では、プレス面の成形精度、例えば中心厚み、プレス面のアール等も若干変化する。したがって、プレス後の若干の寸法変化を考慮して本プレス時のプレス厚みや上型のアールを決定することが望ましい。
一方、表面回復工程で生じる形状変化は、成形品の形状精度を悪化させる原因となることから、形状変化を最小限に抑制することが望ましい。そのため表面回復工程では、プレス面を上部から加熱し自由表面化を促進する方法や、保温により溶融ガラス塊の熱量損失を抑制し自由表面化を補助する方法を用いることもできる。本プレス工程後の溶融ガラス塊からの放熱を抑制し保温することにより、プレス表面の凸凹の自由表面化を促進することができる。具体的には、表面の放射率が低く厚み方向に断熱性を持たせたカップ状部材を下型上部にかぶせることにより、溶融ガラス塊からの放熱を抑制する。例えば表面研磨した0.3mm厚の白金やニッケル板を大小2種類のカップ状に加工し、小さいカップの外側を断熱材で覆い、その上に大きいカップを被せることにより、表面の放射率が小さく断熱性が良い保温用カップが得られる。なお断熱材を挿入するかわりに、カップ同士を溶接して二重容器とし、内部を真空にする方法でもよい。
また、プレス面を上部から加熱する方法では、溶融ガラス内部の熱量で表面の自己回復が望めないほど硬化が進んだ場合でも、自由表面化が可能となる。そのため、自由表面化による寸法変化を最小限度に抑制することができる。またガラス表面側を輻射熱や高温ガスの吹き付け等により加熱すれば、表面回復時の形状変化を最小限度に抑えることができる。
[追加プレス工程]
この工程は、ガラス塊形状の再固定工程である。
当該追加プレス工程においては、本プレス工程で形状を固定しきれない場合(形状の戻りが大きい場合)に必要に応じ行うプレスである。このプレスでは予備プレスや本プレス工程で使用する低温の型ではなく、プレスしても冷却皺が発生しない温度まで加熱した上型を用いる。
具体的に説明すると、成形品が大きい場合など、表面回復工程での形状変化が大きく、プレス面の形状精度が得られない場合に追加プレスを行う。追加プレス工程では、プレスで冷却皺が生じない程度に加熱した上型を使用し冷却皺を抑制する。なお前工程である本プレス工程で冷却皺が生じた場合は、この冷却皺の回復を待ってから追加プレスを行う。
第2の態様は、予備プレス工程および追加プレス工程を経ずにガラス塊を製造する方法であり、任意工程であるプレス前工程、必須工程である本プレス工程、表面回復工程を有する。
第2の態様におけるプレス前工程の内容は上述した第1の態様におけるものと同様である。また、プレス前工程が任意工程である点も第1の態様と同様であり、下型上で溶融ガラス塊の揺動が開始するまでにプレスを行う場合は必要のない工程である。
本プレス工程、表面回復工程の内容も、上述した第1の態様におけるものと同様である。
上記第1の態様は、ガラス塊の下型に面する面(下面という)の中央にヒケによる窪みが生じる場合に採用することができるのに対して、第2の態様は、1回のプレスでもガラス塊の下面中央にヒケによる窪みが生じない場合に採用することができる。
上記第1の態様における予備プレス工程は、溶融ガラス中の温度分布を均一化する効果を有するため、ヒケの防止には極めて有効であるが、下面中央部のヒケが問題になるかどうかは、下型凹部の底面の曲率半径、下型温度、ガラスの流出速度、下型が同じであれば成形容積などの影響を大きく受け、具体的には、下型凹部の底面の曲率半径が大きいほど、下型温度が低いほど、成形容積が小さいほど、ガラスの流出速度が大きいほど、ガラス塊の下面中央部のヒケは大きくなる。従って、ガラス塊の下面中央部にヒケが生じないような場合には、第2の態様におけるように、必ずしも予備プレス成形を行う必要はない。
第2の態様はプレス回数が1回であるため、複数回プレスよりも条件パラメータが減り
、条件出しの時間を短縮化できる。また、第1の態様に比べ、下型(または上型)の上昇下降が1回で済み、上昇下降時間を含むプレス時間を実質的に短くすることができる。そのため、プレス位置での停留時間を短縮でき、ガラスの流出速度の増加に対応することもできる。
以上のように、得られるガラス塊において、ヒケが問題にならない場合は第2の態様が望ましく、ヒケが問題になる場合には、第1の態様を採用すればよい。
このような本発明のガラス塊の製造方法は、特に精密プレス成形用プリフォームの製造に適用することができ、具体的には、中心肉厚が薄く、直径/中心肉厚比が大きい薄肉のプリフォーム、片面のアールが大きいかまたはほぼ平面である薄肉のプリフォーム、両面アールが大きいかほぼ平面である薄肉のプリフォーム、片面が凹面である近似形状のプリフォームなどの製造に適用することができる。
次に、本発明のガラス塊の製造装置について説明する。
本発明のガラス塊の製造装置は、複数の下型を流出ノズルに順番に供給し、連続的にキャスト、上型によるプレス成形、下型上での成形品の冷却、下型からの取り出しを繰り返すガラス塊の製造装置において、上下型の内、少なくともどちらか一方を相対的に移動させ、上下型間の間隔を接近、離間させる駆動方式にNC制御方式を用い、かつ下型毎にプレス成形時のプレス厚みが補正可能であることを特徴とする。
本発明の製造装置においては、上下型の内、少なくとも一方の上下駆動はNC制御とし、各工程で行うプレス時やプレス後の離間時の型位置を個々に設定可能とする。また複数個の型を循環使用し連続的に成形する場合は、個々の型でプレス厚みを微調整可能とする。
NC制御方式による駆動方式としては、ボールネジとサーボモータを組合せ、これを駆動させるものを挙げることができる。
本発明のガラス塊の製造装置は、本発明のガラス塊の製造方法に好適に用いることができる。本発明のガラス塊の製造方法におけるプレス前工程から追加プレス工程までのプレス工程では、上下型の間隔を間欠的に変化させる。例えばプレス前工程では、下型内の溶融ガラス塊の揺動を抑制するため、溶融ガラス上面の高さに合わせて間隔を最適化する。また予備プレス工程では、溶融ガラス内の温度分布を均一化するために、どの程度溶融ガラスを扁平化するかが非常に重要なポイントとなる。また本プレス工程でも、プレス後の表面回復や表面回復後の厚みを考慮し、プレス厚みを最適化する必要がある。更に追加プレス工程でも、プレス厚みを最適化する必要がある。また予備プレス工程では、溶融ガラスの粘性が非常に低いため、プレス速度が早すぎると、溶融ガラスが型に融着したり、下型の浮上ガスがガラス内に侵入しガラスが発泡したりする。したがって、各プレス工程に応じてプレス速度や型の離間速度を調整することが望ましい。
また、複数の下型を循環使用し、次々にキャスト、プレス成形、成形品の取り出しを行う成形法においては、下型毎に成形品の厚みやプレス面精度等に大きなバラツキが生じやすい。本発明者らが調査検討した結果、各プレス工程でのプレス厚みの小さなバラツキが、成形品寸法の大きなバラツキの原因になることが分かった。
型によるプレス厚みのバラツキは、下型個々の成形面の深さ精度や成形テーブル等へ下型の装着精度(着脱するため)、成型テーブルの水平度、プレス軸自体の寸法精度等によって総合的にバラツキが生じ、プレス厚みで100μm以上の誤差が生じる可能性がある。
例えば予備プレスでは、溶融ガラスをプレスし溶融ガラスの中央と外周、上下面と内部で熱交換させ温度分布を均一化する。したがってプレス厚みの差が100μm程度であっ
ても、溶融ガラスと上下型の熱交換、そして外周と内部での熱交換に大きな差が生じ、面回復工程を経た成形品の寸法バラツキは2〜5倍にも拡大する。つまりプレス厚みによって、面回復工程での寸法変化量が大きく変わるからである。同様に、溶融ガラス内の温度分布の均一化の程度もプレス厚みによって大きく影響を受ける。そのため、冷却中にヒケないものと、ヒケ気味なものが混在してしまうことになる。そこで本発明では、上下型の少なくとも一方の駆動にNC制御方式を採用し、下型毎にプレス厚みを補正する方法を用いる。この方法により、成形装置や下型や上型といった成形型の寸法誤差の影響をキャンセルすることが可能となる。一方、下型温度や下型からの噴出ガス量などのバラツキも、成形品の寸法バラツキ原因となる。しかし、プレス厚みの個別調整を行うことで、これらのバラツキ要因は充分に補正可能となる。このような場合、下型温度や噴出ガス量などのバラツキの影響を補正するため、各型でのプレス厚みは全く同じに揃える必要はない。つまり、成形品の寸法が揃うようにプレス厚みを個別に微調整すれば良い。
前記補正は例えば以下のように行う。
前記したプレス法により各下型で3回ずつ成形したプリフォームの中心厚みを測定する。次に全プリフォームの中心厚みの平均値を求め、各下型で成形したプリフォームの厚みの平均値との差を求める。この寸法差と同じ分だけ下型毎にプレス厚みを補正する。例えば中心厚みの平均より200μmだけ厚い場合は、プレス厚みを200μm薄くする。この補正操作を全ての下型で行い、再び中心厚みを測定する。測定の結果に応じて補正値を再設定し、最終的に各下型で成形したプリフォームの厚みバラツキが所望の精度に入るまで調整する。このようにして、下型毎の寸法バラツキを均一化した後、中心厚みの絶対値が規格内に入るようにプレス厚みを一括調整する。このように、プレス厚みは全下型で一括調整する方法と個別に微調整する方法を備えることが望ましい。
このような本発明のガラス塊の製造装置は、特に精密プレス成形用プリフォームの製造に好適に用いられる。
次に、本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、前述の本発明のガラス塊の製造方法で作製された精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形することを特徴とする。
精密プレス成形とは、プリフォームを加熱、軟化した状態で所定形状のキャビティを有する成形型によって加圧成形し、最終製品の形状と同じまたは極めて近似した形状の成形品を作製する方法である。精密プレス成形法によれば、成形品に研削や研磨を施さずに、あるいは研磨による除去量が極めて少ない研磨のみを施すことによって、最終製品、特に光学部品のような極めて高い形状精度や面精度を要求される最終製品を作製することが可能である。そのため、本発明の光学素子の製造方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学部品の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に最適である。
精密プレス成形方法としては、表面が清浄状態のプリフォームを、プリフォームを構成するガラスの粘度が10〜1011Pa・sの範囲を示すように再加熱し、再加熱されたプリフォームを上型、下型を備えた成形型によってプレス成形する。成形型の成形面には必要に応じて離型膜を設けてもよい。なお、プレス成形は、成形型の成形面の酸化を防止する上から、窒素ガスや不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。プレス成形品は成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
ってなんら限定されるものではない。
なお、図1は、実施例および比較例で用いた円形の成形テーブルにおける下型の配置図である。 図2は、実施例におけるキャスト後のプレス工程の説明図である。
また、以下の実施例においては、上型または下型を相対的に移動させることにより上下型間の間隔を接近させまたは離間させる駆動方式として、いずれもNC制御方式を用い、ボールネジとサーボモータを組合せ、これを駆動させることにより行った。
実施例1(第1の態様によるプリフォームの製造例(基本的な方法))
溶融・冷却・固化後に屈折率[nd]:1.806、アッベ数[νd]:40.7のホウ酸ランタン系の光学ガラスとなるガラス塊を1000℃に加熱した白金ルツボに投入してルツボ内で溶解後、1300℃で清澄、撹拌し均一なガラス融液を得た。次に、ルツボ底部に連結し温度制御した流出パイプから0.79kg/hrの流出速度でガラス融液を流出させた。一方、図1のように、円形の成形テーブルの外周上に12個の下型を均等に配置した。下型の上部には、溶融ガラスをキャストする凹部(直径:φ17mm、底面アール:30mm)が加工されている。凹部は平均穴径が20μmの多孔質材料からなり、多孔質材料表面からは0.2L/分の窒素が均一に噴き出している。なお型本体部はヒーターで加熱し、凹部の表面温度を320℃とした。
次に、流出口の直下に下型を供給し、以下のように溶融ガラスを下型にキャストした。まず下型を上昇させ流出口に接近させた状態とし、溶融ガラス流の先端を下型の凹部で受ける。下型の凹部に所望重量の溶融ガラスが溜まった時に下型を急降下し、溶融ガラス流から下型上に溶融ガラス塊を切断分離した。
次に、成形テーブルをインデックス回転させ、流出口の直下から成形型を退避させると同時に、別の下型をノズル直下に供給した。順次同様な操作を7.17秒間隔で繰り返し、次々に溶融ガラス流を分離・切断し下型上に469mmの溶融ガラス塊を得た。次に、キャスト後のプレス工程について図2を用いて説明する。
キャストし流出口から退避した直後の溶融ガラス塊は、移動による慣性力で揺れている。この揺れが停止するタイミング(下型の停止から0.5秒後)をはかり、以下のような上型を溶融ガラス塊上に降下させ保持した。上型は直径がφ15mmの耐熱ステンレスからなり、下面にはアール30mmの凹状の球面研磨加工が施されている。また上型内部には空洞を形成してあり、空洞内に20L/分の窒素ガスを流して上型を冷却した。上型の保持位置は、溶融ガラス塊と上型が触れるか触れないかぎりぎりの位置とし、ガスクッションによる溶融ガラス塊の揺動を規制した。次に下型の停止から0.8秒後に、上下型中心部の距離(プレス厚み)が3.9mmになるまで下型を上昇させ1.7秒間保持後に下型を降下させプレス状態を解除した。プレスの解除後の溶融ガラス塊は、表面張力で厚みがプレス前の8割程度まで回復した。なお下型の保持位置は、厚みが回復後の溶融ガラスの揺動を上型で規制できる位置に保持することが望ましい。
プレス解除から0.5秒経過後に下型を再上昇させ、プレス厚みが4.1mmとなるよう溶融ガラスを1.5秒間プレス成形した後で下型を下限位置まで急降下させた。この2回の間欠プレスから2.67秒後に成形テーブルをインデックス回転させ、下型を第3停留位置に移動させた。
2回目のプレス成形直後は、プレス面に冷却収縮による軽微な凸凹が生じた。この表面の凸凹は、下型が第3停留位置に停止してから1.4秒後にほぼ自然消失し、プレス面は自由表面と遜色がない滑らかな面に回復した。上記のプレス工程により得られたプリフォームは、平均直径がφ14.3mmで中心厚みが4.2mmの扁平な碁石に似た形状となり上下面とも精密プレス用プリフォームとして全く問題ない品質の面であった。表1は、
各プリフォームの中心厚みの測定結果である。但し、12個の下型で連続的にプレス成形しているため、表1のように下型毎に中心厚みが200〜280μmばらついていた。その一方で、同じ下型で成形したプリフォーム間のバラツキは、10〜110μmと小さかった。
Figure 2007119335
一方、プレス面を平面に鏡面研磨した上型と、凸状の50mmアールに鏡面研磨した上型を用意し、全く同条件でプリフォームを成形した。その結果、プレス面がほぼ平面なプリフォームや、プレス面全体が凹状にへこんだプリフォームが得られた。
実施例2(第1の態様によるプリフォームの製造例(中心厚みの均一化例))
2回目のプレス時間を1.5秒から1.3秒に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法と条件でプリフォームを成形した。表2は本条件で成形した各プリフォームの中心厚みの測定結果である。表2のように、2回目のプレス時間短縮によりプレス後の厚みの変化が増大し、実施例1(表1)より平均厚みが133μm厚くなった。また下型毎のバラツキも320〜410μmに増大している。一方で、同じ下型で成形したプリフォーム間のバラツキは、10〜90μmと小さかった。
Figure 2007119335
上記の中心厚みのバラツキを縮小するため、前記した方法により下型ごとにプレス時の型上昇位置に補正値を設定しプレス厚みを補正した。補正後のプリフォーム中心肉厚の測定値は表3のとおりである。表3のように、320〜410μmあった下型毎のバラツキは50〜60μm程度まで縮小した。
Figure 2007119335
実施例3(第1の態様によるプリフォームの製造例(追加プレス例))
実施例2では2回目のプレス時間が短いため、プレス後の形状変化が大きめとなる。そのためプレス型(上型)よりプリフォームプレス面のアールがやや小さくなる。特に外周部のアール形状は非球面となり、アールが小さくなる傾向が強い。そこでこの形状差を小さくするため、第3停留位置で追加プレスを行った。なお追加プレスを行う以外は実施例2と同条件とした。なお追加プレス用の上型は、2回目のプレスまで使用した上型と同規格であるが、プレス面に硬質クロムメッキが施されている。このメッキは型を加熱するため、酸化防止やガラスの融着防止のために行う。同じ効果を得る膜としては、ニッケルメッキや、CrN、TiN、TiAlN等の窒化物単層膜又は、2種類以上の窒化物を組み合わせた複層膜、そして高温耐性が強いDLC膜等が使用できる。追加プレス用のプレス型はヒーターで250℃以上に加熱し、前記した収縮による凸凹が生じないようにする。なお本実施例では、追加プレスの上型を320℃に加熱した。追加プレスのタイミングは、2回目のプレスで生じたプレス面の凸凹が自然回復後に行う。
本実施例では、下型が第3の停留位置に停止してから0.8秒後に上型を溶融ガラス塊の真上に停止させ、まず上型と溶融ガラス塊の中心位置を合わせた。その0.9秒後に下型を上昇させ、上下型の中心間距離が4.0mmとなるよう0.9秒間プレス成形した。プレス成形後は下型を下限位置に、上型を退避位置にそれぞれ戻した。追加プレスは加熱した型でプレスするため、プレス直後もプレス面に凸凹が生じない。本方法で連続的にプリフォームを成形し得られたプリフォームの形状を測定した。プレス面のアールは、型のアール(30mm)と同じであり、下面のアールもほぼ30mmアールとなっていた。以上のように追加プレスを行うことで、プレス面のアールを型のアールに近づけることができた。
実施例4(第1の態様によるプリフォームの製造例(加熱による表面回復例))
実施例1で説明した2回目のプレス時間を2.8秒間とした以外は実施例1と全く同一条件で成形した。その結果、プレス面にはプレスによる冷却により凸凹が生じ、プレス面の自然回復は起こらなかった。そこで本実施例では、第3の停留位置でプレス面を外部から加熱した。なお加熱は、750℃に加熱した窒素ガスを5秒間(10L/分)吹き付けることで行った。 ガスヒーターとしては、コイル状に巻き断熱材で保温した白金管を通電加熱し、その中に窒素ガスを通すことで行った。他の方法としては、通電加熱のかわりに白金管を高周波加熱する方法も使用できる。一方、輻射熱でプレス面を加熱する場合は、加熱物をプレス面の上部に保持する方法が使用できる。加熱物としては、白金板自身を通電や高周波により加熱する方法や、カンタル線などの一般的なヒーターで加熱した板を使用しても良い。その他、赤外線ヒーター等もプレス面の加熱に使用できる。
上記加熱によりプレス面の凸凹は自由表面に回復した。自由表面化は外部から熱で行うため、与える熱を最小化することで寸法変化を最小限に小さくすることが可能となる。よ
って、実施例1の方法で得られるプリフォームよりも、プレス面の形状精度が得られやすい。
実施例5(第2の態様によるプリフォームの製造例)
成形型(上下型)とプレス成形条件を変更した以外は実施例1と全く同じ装置とガラスを用い、以下のようにプリフォームを成形した。
まず下型の凹部寸法は開口部直径がφ17mmで底面曲率半径が20mmのものに変更した。但し、凹部は実施例1と同じ多孔質材料からなり、凹部表面から0.25L/分の窒素ガスを噴きださせ、型本体部はヒーターで370℃に加熱した。一方、上型は直径φ13mmの耐熱ステンレスからなり、下面に凹状でアール60mmの球面研磨加工を施した。また上型の内部は中空構造とし、空洞内に15L/分の窒素ガスを流し空冷した。なおガラス溶液の流出速度やガラス流の切断・分離方法は実施例1と同じである。
下型の凹部に469mm3の溶融ガラスをキャスト後、下型を第2の停留位置に停止させた直後に上型を高速で降下させ、溶融ガラス塊の上端から0.2mm上方に上型の下面を停止させた。次に下型内での溶融ガラスの揺動が停止するタイミング(下型停止から0.8秒)で上下型の中心部の距離(プレス厚み)が3.90mmになるまで下型を低速で上昇させ、溶融ガラス塊を3.6秒間プレス成形した。プレス後は上下型をプレス前の位置に戻し、プレス解除から2.77秒後に成形テーブルをインデックス回転させ、下型を第3の停留位置に移動させた。このプレス操作により溶融ガラス塊は扁平化し、プレス直後のプレス面には冷却収縮による軽微な凸凹が生じた。しかし表面の凸凹は、下型が第3停留位置に停止してから1.6秒後にほぼ自然消失し、プレス面は自由表面と遜色が無い滑らかな面に回復した。その後の第4〜第9停留位置ではプリフォーム上面に7〜10L/分の窒素ガスを吹きかけて風冷し、第10停留位置で成形品を取り出した。
上記のプレス工程により得られたプリフォームは、平均直径がφ13.9mmで中心厚みが4.12mmの扁平な碁石に似た形状となった。またプレス面の平均曲率半径は40mmと平面に近く、下型に面していた面の平均曲率半径は27mmであり、ヒケによる窪みは見られなかった。
1回のプレスでも得られたプリフォームにヒケが生じなかった主な理由は、下型の底面曲率半径であると考えられることから、開口部直径がφ17mmで、底面アールが17mm、23mm、27mmと3種類の下型を用意し、それぞれ3.6秒間の1回プレスでプリフォームを成形した。その結果、底面曲率半径が17mmと23mmの下型で成形したプリフォームは、それぞれ下面曲率半径が22mmと30mmとなり、ヒケによる窪みは見られなかった。しかしながら、底面曲率半径が27mmの下型で成形したプリフォームは下面がヒケ気味となり平面状となった。
実施例6(第2の態様によるプリフォームの製造例)
溶融ガラス塊の成形容量とプレス成形条件のみを変更した以外は実施例1と全く同じ成形型(上下型)と成形装置、そしてガラスを用い、同じ流出速度(0.79kg/hr)で以下のようにプリフォームを成形した。
まず、実施例1よりプリフォーム容量を大きくするため、キャストの開始から下型急降下によるガラス流切断までの時間を9.63秒(実施例1は7.17秒)に延長し、下型上に630mm3の溶融ガラス塊を得た。次に下型を第2の停留位置に移動させ停止させた直後に上型を高速で降下させ、溶融ガラス塊上端から0.1mm上方に上型の下面を停止させた。次に下型内での溶融ガラスの揺動が停止するタイミング(下型停止から0.8秒)で上下型の中心部の距離(プレス厚み)が4.3mmなるまで下型を低速で上昇させ、溶融ガラス塊を4.90秒間プレス成形した。プレス後は上下型をプレス前の位置に戻し、プレス解除から3.93秒後に成形テーブルをインデックス回転させ、下型を第3の停留位置に移動させた。このプレス操作により溶融ガラス塊は扁平化し、プレス直後のプレス面には冷却収縮による軽微な凸凹が生じた。しかし表面の凸凹は、下型が第3停留位置に停止してから2.8秒後にほぼ自然に消失し、プレス面は自由表面と遜色が無い滑らか
な面に回復した。その後の第4〜第9停留位置ではプリフォーム上面に7〜10L/分の窒素ガスを吹きかけて風冷し、第10停留位置で成形品を取り出した。
上記のプレス工程により得られたプリフォームは、平均直径がφ16.2mmで中心厚みが4.47mmの扁平な碁石に似た形状となった。またプレス面の平均アールは28mmと上型のアールに近く、下型に面していた面の平均アールは27mmとなりヒケによる窪みは見られなかった。
1回のプレスでも得られたプリフォームにヒケが生じなかった主な理由は、成形容量であると考えられることから、成形容量を520mm、570mmと変更し、それぞれ3.5秒間、3.9秒間の1回プレスによりプリフォームを成形した。その結果、両プリフォームとも碁石状となり、下面側にヒケによる窪みは見られなかった。但し、成形容量が570mmでは下面側アールが31mm、成形容量が520mm3では下面側アールが48mmと、成形容量が小さくなるに従って下面側のアールが大きくなる傾向が見られた。この下面側アールの変化は、下面側のヒケ傾向によるものと思われる。
なお、実施例1〜6においては、図1において第4〜9停留位置で冷却工程が行われ、それぞれ第10停留位置で成形品の取り出しが行われる。
実施例7
実施例1〜6で成形されたプリフォームを再加熱、軟化して窒素雰囲気中において成形型により精密プレス成形して、非球面レンズなどの光学素子を作製した。得られた光学素子はいずれも要求される性能を満たすものであった。
各光学素子の光学機能面には、必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を形成した。
本発明のガラス塊の製造方法は、精密プレス成形用プリフォーム、例えば中心肉厚が薄く、直径/中心肉厚比が大きい薄肉のプリフォーム、片面のアールが大きいかまたはほぼ平面である薄肉のプリフォーム、両面アールが大きいかほぼ平面である薄肉のプリフォーム、片面が凹面である近似形状のプリフォームなどを、寸法精度よく、高い生産性のもとで製造することができる。
実施例および比較例で用いた円形の成形テーブルにおける下型の配置図である。 実施例におけるキャスト後のプレス工程の説明図である。

Claims (10)

  1. 流出パイプから流出する溶融ガラス流を下型で受け、ガラス流を切断して下型上に溶融ガラス塊を得、下型上で略浮上させながら冷却してガラス塊を成形する工程において、
    下型上の溶融ガラス塊を上型に直接接触させた状態でプレスし、溶融ガラス塊の形状を固定後、プレス面に生じた表面のうねりを回復させ、自由表面化することを特徴とするガラス塊の製造方法。
  2. 初回のプレスを、溶融ガラス流を受け、キャスト直後から下型上で溶融ガラス塊の連続的な揺動が開始されるまでに行う請求項1に記載のガラス塊の製造方法。
  3. 溶融ガラス流を受け、キャスト直後から下型上で溶融ガラス塊の連続的な揺動が開始されるまでに、上型と下型を接近させ、上型により溶融ガラス塊の揺動を規制し、上下型と溶融ガラス塊の中心出しを行った後でプレスを開始する請求項1に記載のガラス塊の製造方法。
  4. プレス表面の自由表面化を、溶融ガラス塊内部からの熱伝導により行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。
  5. 溶融ガラス塊の熱量の放射を抑制する保温手段を用い、溶融ガラス内部からの熱伝導によるプレス面の自由表面化を補助する請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。
  6. プレス表面の自由表面化を、溶融ガラス塊内部からの熱伝導と外部からの加熱を組み合わせて行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。
  7. ガラス塊が精密プレス成形用プリフォームである請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。
  8. 複数の下型を流出ノズルに順番に供給し、連続的にキャスト、上型によるプレス成形、下型上での成形品の冷却、下型からの取り出しを繰り返すガラス塊の製造装置において、
    上下型の内、少なくともどちらか一方を相対的に移動させ、上下型間の間隔を接近、離間させる駆動方式にNC制御方式を用い、かつ下型毎にプレス成形時のプレス厚みが補正可能であることを特徴とするガラス塊の製造装置。
  9. ガラス塊が精密プレス成形用プリフォームである請求項8に記載のガラス塊の製造装置。
  10. 請求項7に記載の方法により製造したガラス塊を精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
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