JP2007118967A - 金属板製のピルファープルーフキャップ - Google Patents

金属板製のピルファープルーフキャップ Download PDF

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Abstract

【課題】金属板製のピルファープルーフキャップにおいて、女性や老人、子供等の非力な人にとっても開封し易くする。
【解決手段】ピルファープルーフキャップは、筒部3と天板2とを有する下向き開口状の蓋本体1と、蓋本体1の下端にブリッジ4を介して一体に連接されたPPバンド5とを備える。筒部3にはローリング加工にて内向きねじ山14が形成される。PPバンド5は瓶口Aのフランジにかしめ付けられる。筒部3の下部とPPバンド5との両方に、突条19,29の群を円周方向に並べてなるローレット部17,27を形成する。ローレット部17,27の存在により、開封に際してブリッジ4に縦方向の引張り力が集中すると解され、非力な人でも軽い力で開封できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属板製のピルファープルーフキャップ(バージンキャップ)の改良に関するものである。
一般に、ピルファープルーフキャップ(以下、PPキャップという)は、合成樹脂製のものと、ブリキ板やアルミ板のような金属薄板を素材としたものとに大別される。
特許文献1には、後者(金属板製)のPPキャップの一例が開示されている。特許文献1のPPキャップは、瓶口のねじ部に被さるように筒部と天板とを有する下向き開口状の蓋本体と、該蓋本体の下端部に配置されたPPバンド(ピルファープルーフバンド)とを備えている。蓋本体とPPバンドとは、破断可能なブリッジ及び広巾接続部を介して一体に連接されている。蓋本体の筒部には、瓶口のねじ部に螺合する内向きねじ山がローリング加工にて形成される。PPバンドは瓶口に形成されたフランジの下面にかしめ付けられる。PPバンドのうち広巾接続部との近傍箇所には、開蓋後にPPバンドを非ループ状に分断するための薄肉状の縦長スコアが形成されている。
瓶を密封したPPキャップをねじ戻すと、PPバンドが瓶口のフランジに引っ掛かった状態で蓋本体が上昇するため、ブリッジが千切れてからPPバンドの縦長スコアが破断して開封される。開封後においても、PPバンドは広巾接続部の箇所で蓋本体に繋がったままであるが、PPバンドを指で摘んで1〜2回ねじれば、広巾接続部は簡単に引き千切られる。
かかるPPキャップの構造に関して本願出願人は、特許文献2において、「蓋本体における筒部の上部に上ローレット部を形成する一方、筒部の下部に補強手段としての下ローレット部を形成し、該下ローレット部の各突条を筒部の軸線に対して傾斜させる」ことを提案した。
この構成によると、補強手段としての下ローレット部の存在により、蓋本体の筒部に形成された内向きねじ山が変形し難くなるため、瓶口を密封しているPPキャップをねじ込み方向に強く回転させようとしても、一般の人の力程度ではPPキャップを回転させることができない。このため、PPキャップが空回りして内向きねじ山がバカになるという現象の発生を防止又は著しく抑制でき、その結果、消費者が誤ってPPキャップをねじ込み方向に回転させて開封不能になるという不具合や、商品の流通段階で商品を開封不能な状態にされるという不正行為を著しく抑制できるという効果が得られる。かかる効果により、上記構成を採用したPPキャップは現在、顧客に好評を博している。
実公昭57−43798号公報 特許第3654589号公報
ところで、アルコール飲料や清涼飲料等の商品を製造するにおいては、瓶に飲料を充填してから、当該瓶を搬送ラインに沿ってキャッピング工程(瓶口にPPキャップを取り付ける工程)に搬送する。
かかる飲料の充填時に、誤って飲料の液滴が瓶口のねじ部に付着することがある。このままの状態で瓶口にPPキャップを取り付けると、液滴が紹興酒やワイン、薬味酒等のように粘度の高い飲料である場合は、該液滴が瓶口のねじ部とPPキャップとの間で乾いて固まって接着剤になり、瓶口とPPキャップとがくっついてしまう。
そうすると、瓶口とPPキャップとの接着力は開封に際しての蓋本体の回転阻止抵抗になるから、この回転阻止抵抗とブリッジ群の破断抵抗とが相俟って、PPキャップが開封に多大な力を要する「硬い」ものになり、特に、女性や老人、子供等の非力な人にとって開封し難くなるという問題があった。
本願発明は、このような現状に鑑みなされたものであり、開封容易性が改善された金属板製のピルファープルーフキャップを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明は、瓶口のねじ部に被さるように筒部と天板とを有する下向き開口状の蓋本体と、前記筒部の下端に破断可能なブリッジを介して一体に連接されたPPバンドとを備えており、前記蓋本体の筒部には、前記瓶口のねじ部に螺合する内向きねじ山が形成されるようになっている一方、前記PPバンドは、前記瓶口に形成されたフランジの下面にかしめ付けられるようになっており、前記蓋本体を前記瓶口からねじ戻すと前記ブリッジが千切れるようになっている金属板製のピルファープルーフキャップであって、前記蓋本体における前記筒部の下部と前記PPバンドとのうち少なくとも前記PPバンドに、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部がローレット加工により形成されているというものである。
請求項2の発明は、瓶口のねじ部に被さるように筒部と天板とを有する下向き開口状の蓋本体と、前記筒部の下端に破断可能なブリッジを介して一体に連接されたPPバンドとを備えており、前記瓶口のねじ部に螺合する内向きねじ山が形成されるようになっている一方、前記PPバンドは、前記瓶口に形成されたフランジの下面にかしめ付けられるようになっており、前記蓋本体を前記瓶口からねじ戻すと前記ブリッジが千切れるようになっている金属板製のピルファープルーフキャップであって、前記瓶口のねじ部に形成されたねじ山は右ねじになっており、前記蓋本体の筒部と前記PPバンドとは、ねじ戻し後も前記PPバンドを前記筒部に接続させておくために前記ブリッジより広巾にした広巾接続部によっても繋がっており、前記PPバンドには、開蓋後に前記PPバンドを非ループ状と成す分断許容部が設けられている一方、前記蓋本体における前記筒部の下部には、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部がローレット加工により形成されており、該凹凸部の突条又は溝条は、前記筒部の軸線と交差する方向から見た正面視において右斜め下向きに傾斜しているというものである。
請求項1の発明によると、蓋本体における筒部の下部とPPバンドとのうち少なくともPPバンドに、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部をローレット加工により形成しているので、このPPバンドは断面係数が大きくなって変形し難い。このため、開封に際して縦方向の引張り力がブリッジに集中的に作用し、該ブリッジはその破断抵抗が相対的に小さくなって千切れ易くなっていると推測される。その結果、瓶口のねじ部に付着した液滴のせいで瓶口とピルファープルーフキャップとがくっついている場合であっても、非力な人でも軽い力で簡単に開封できるものと解される。
請求項1において軽い力で開封できる理由の1つとして、ローレット加工による凹凸部が前記PPバンドに存在することにより、開封に際して指の引っ掛かりがよくなって、前記ピルファープルーフキャップに強い回転力を掛けることができるとも推測される。
つまり、ピルファープルーフキャップを開封する場合、ブリッジが千切れるまでPPバンドも回転するのであるが、指で最もしっかりと掴まれるPPバンドに凹凸部があることにより、PPバンドを初期回転させるに際して、PPバンドと指との摩擦抵抗を従来に比べて格段に増大でき、その結果、ピルファープルーフキャップに大きな初期回転トルクを付与できて、軽い力で開封できることに寄与しているとも推測される。
請求項1において軽い力で開封できる理由は厳密には解明していないが、或いは他の理由(例えばローレット加工によりブリッジの強度が低下する等)があるかもしれない。
蓋本体における筒部の下部に、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部をローレット加工により形成した場合も、この筒部の下部は断面係数が大きくなって変形し難いことにより、開封に際して縦方向の引張り力がブリッジに集中的に作用するためと推測されるが、請求項1の場合と同様に、軽い力で簡単に開封できる。
ところで、金属板製のピルファープルーフキャップにおいては、蓋本体の筒部とPPバンドとが広巾接続部によっても繋がっており、前記PPバンドには、開蓋後に前記PPバンドを非ループ状と成す分断許容部を設けることによって、開蓋後もPPバンドが広巾接続部の箇所で蓋本体に繋がったままになる。従って、開蓋にてPPバンドは瓶口から自動的に離脱することになり、その結果、瓶と前記PPバンドとの分別を簡単に行え、リサイクルに際して手間を軽減することができる。
ところが、筒部の下部に形成された凹凸部の突条又は溝条を、筒部の軸線と交差する方向から見た正面視において左斜め下向きに傾斜させたり、前記軸線に対して平行に延出させたりした場合は、ブリッジと同様にして広巾接続部が千切れることがあった。
これに対して請求項2のように、前記凹凸部の突条又は溝条を、前記筒部の軸線と交差する方向から見た正面視において右斜め下向きに傾斜させると、広巾接続部が千切れることはない。その理由は必ずしも明らかではないが、おおよそ、次のように推測される。すなわち、ねじ戻しに際して、凹凸部において右斜め下向きに傾斜した突条又は溝条の群を縦に起こすように筒部が弾性変形することにより、筒部の下部と広巾接続部との破断起点になり得る箇所には、当該箇所を圧縮するような右回り方向のモーメントが掛かり、その結果、破断起点になり得る箇所において、縦方向の引張り力と右回り方向のモーメントとが互いの力を打ち消し合うためと解される。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図7)に基づいて説明する。図1は第1実施形態のPPキャップを示す説明図、図2はキャッピング工程を示す説明図、図3はキャッピングされた後のPPキャップの正面図、図4は上下両ローレット部の各突条を正面視で左斜め下向きに傾斜させた参考例の正面図、図5は上下両ローレット部の各突条を筒部の軸線に対して平行に延出させた参考例の正面図、図6は第2実施形態におけるPPキャップの正面図、図7は第3実施形態におけるPPキャップの正面図である。
(1).第1実施形態(図1〜図3)
図1〜図3は本発明の第1実施形態である。これらのうち図1は瓶口に装着する前の状態を図示している。まず、図1を参照しながら、瓶口及びピルファープルーフキャップ(以下、PPキャップという)の構造について説明する。
(1−1).瓶口及びPPキャップの構造
図1(a)に示すように、金属板製のPPキャップが取り付けられる瓶口Aは、外周面にねじ山Bが形成された雄ねじ部Cを有している。雄ねじ部Cのねじ山Bは通常通り右ねじになっている。雄ねじ部Cの下方には、半径方向外向きに突出するフランジDが形成されている。
金属板製のPPキャップは、従来と同様に、平面視円形の天板2及び円筒状の筒部3からなる下向き開口状の蓋本体1と、該蓋本体1の下端部に配置される平面視リング状のPPバンド(ピルファープルーフバンド)5とを備えている。
蓋本体1における筒部3の下端部とPPバンド5の上端部とはやや大径の形状で一体に形成されている。この大径部分10には、水平状切り線11を円周方向に沿って断続的に形成することにより、ねじ戻しにて引き千切られるブリッジ4が飛び飛びに形成されている。また、大径部分10のうち水平状切り線11及びブリッジ4の群を除く箇所は、各ブリッジ4より巾の広い広巾接続部13になっている。なお、広巾接続部13の円周方向の巾寸法は、その機能を損なわない範囲(ねじ戻しでは千切れない程度)で任意の値に設定することができる。
PPバンド5のうち広巾接続部13との近傍箇所には、開蓋後にPPバンド5を非ループ状に分断する分断許容部としての薄肉状の縦長スコア12が形成されている。なお、かかる分断許容部としては、縦長スコア12に限らず、内外に貫通する縦長切り線やミシン線を採用してもよい。
蓋本体1における筒部3の上部(天板2のやや下方)には、内向き環状突起6が全周にわたって形成されている。これにより、蓋本体1の内部頂面には、パッキン7が落下不能に嵌るパッキン装着部8を形成している。
また、筒部3のうちパッキン装着部8の箇所には、開封に際しての指の引っ掛かりを向上させるための滑り止め部9が形成されている。滑り止め部9は、筒部3の軸線L(図3参照)に対して傾斜した細長い突条18の群からなるものである。第1実施形態の各突条18は、正面視で(図1(a)において)右斜め下向きに傾斜している。図1(b)に示すように、滑り止め部9の各突条18は、パッキン装着部8を加工前の状態から半径方向外向きに膨出させて形成されている。
筒部3の下部とPPバンド5とには、突条19,29(溝条といってもよい)の群を円周方向に並べてなる凹凸部としてのローレット部17,27が形成されている。換言すると、大径部分10のうち水平状切り線11を挟んだ両側に、ローレット部17,27が形成されている。下ローレット部27は、PPバンド5のうち水平状切り線11寄りの上方箇所に形成される。下ローレット部27より下方の箇所が、かしめ付けの際にかしめ具23(詳細は後述する)にて折り曲げられる折り曲げ部5aになっている。
上下両ローレット部17,27の各突条19,29は、いずれも筒部3の軸線Lに対して傾斜した細長い形態になっている。第1実施形態における上下両ローレット部17,27の突条19,29は、筒部3の軸線と交差する方向から見た正面視で右斜め下向き(滑り止め部9の突条18と同じ向き)に傾斜している。上下両ローレット部17,27における突条19,29の傾斜角度はほぼ同じに設定されている(滑り止め部9の突条18も同様)。
また、図1(c)(d)に示すように、上下両ローレット部17,27の突条19,29は、PPバンド5を加工前の状態から半径方向内向きに膨出させて形成されている。なお、各突条19,29の膨出(突出)方向は半径方向内向きに限らず、半径方向外向きでも差し支えない。
上下両ローレット部17,27の突条19,29群は、円周方向に沿って微小ピッチPの間隔で並んでいる。第1実施形態では、上下両ローレット部17,27における突条19,29群の並びピッチP間隔が滑り止め部9における突条18群の並びピッチ間隔より小さく設定されている。
(1−2).加工工程及びキャッピング工程(図2)
上述のPPキャップを製造するに際しては、まず、アルミニウム等の金属薄板を円形に打ち抜いたのち、絞り加工等にて下向き開口状の蓋本体1に形成する。次いで、筒部3の上部に、外ローラ(図示せず)を半径方向外側から押し当てて旋回させて、内向き環状突起6を形成する一方、筒部3の下部には、内ローラ(図示せず)を半径方向内側から押し当てながら旋回させて、大径部分10を膨出形成する。次いで、パンチツール(図示せず)にて、大径部分10に水平状切り線11を円周方向に沿って断続的に形成する。
次いで、筒部3の内部に嵌る内ギア(図示せず)と筒部3の外側に位置する外ギア(図示せず)とで筒部3を挟み付けつつ回転させることにより、筒部3の上部に滑り止め部9を、筒部3の下部及びPPバンド5には上下両ローレット部17,27を形成する。そして、筒部3の外側に位置する縦パンチ(図示せず)にてPPバンド5に縦長スコア12を形成する。以上により、キャッピング前のPPキャップが作製される。
上述の加工工程を経たPPキャップは、従来と同様の工程で瓶口Aに装着(キャッピング)される。すなわち、図2に示すように、飲料が充填された瓶の瓶口AにPPキャップを上方から嵌め込んだのち、ヘッダー21で蓋本体1の天板2を押さえてパッキン7を圧縮させる。次いで、この圧縮状態を維持しつつ、ローラ22を蓋本体1の筒部3に半径方向外側から押し当てながら旋回させるローリング加工により、瓶口Aの雄ねじ部Cに螺合する内向きねじ山14を筒部3に形成する。内向きねじ山14の形成と相前後して、かしめ具23にてPPバンド5のうち下ローレット部27より下方の折り曲げ部5aを瓶口AにおけるフランジDの下面に折り曲げてかしめ付ける。以上により、飲料が充填された瓶は、PPキャップにて密封される。
(1−3).作用及び利点
以上の構成において、PPキャップを左回り(図3の矢印SR方向)に回転させてねじ戻すと、PPバンド5を瓶口AのフランジDに引っ掛けた状態で蓋本体1が上昇して、蓋本体1の筒部3とPPバンド5とを繋ぐ各ブリッジ4に縦方向の引張り力が掛かる。
第1実施形態の場合は、細かい凹凸の断面形状を有するローレット部17,27を筒部3の下部とPPバンド5との両方に形成しているので、筒部3の下部とPPバンド5とは両方とも断面係数が大きくなって変形し難い。このため、筒部3の下部とPPバンド5との間に挟まれた各ブリッジ4に対して縦方向の引張り力が集中的に作用し、各ブリッジ4はその破断抵抗が相対的に小さくなって軽い力で千切れ易くなっていると解される。その結果、瓶口Aの雄ねじ部Cに付着した液滴のせいで瓶口AとPPキャップとがくっついている場合であっても、女性や老人等の非力な人でもPPキャップを軽い力で簡単且つスムーズに開封できる。
開封に際して各ブリッジ4は一般に、図3で広巾接続部13の右隣にあるものからねじ戻し方向(矢印SR方向)の並び順に破断していき、PPバンド5の縦長スコア12が破断して開封される。広巾接続部13はねじ戻しでは千切れず、開封後もPPバンド5が広巾接続部13の箇所で蓋本体1に繋がったままになる。PPバンド5を指で摘んで1〜2回ねじれば、広巾接続部13は簡単に千切れる。
また、PPバンド5の上下両ローレット部17,27は開封に際して指の引っ掛かりをよくする機能も有している。PPキャップを開封する場合は、ブリッジ4が千切れるまでPPバンド5も回転するのであるが、指で最もしっかりと掴まれるPPバンド5及び筒部3の下部に上下両ローレット部17,27があることにより、PPバンド5を初期回転させるに際して、PPバンド5と指との摩擦抵抗を従来に比べて格段に増大できる。しかも、蓋本体1における筒部3の上部に形成された滑り止め部9と合わせて、滑り止め機能を発揮する部分の面積が従来より格段に広くなる。これらのことから、PPキャップをしっかりと掴んで、該PPキャップに強い回転力(大きな初期回転トルク)を付与できる。これらの点も、PPキャップの開封容易性の向上に寄与しているとも推測される。
さらに、前述したように、第1実施形態の広巾接続部13はねじ戻しでは千切れず、開封後もPPバンド5が広巾接続部13の箇所で蓋本体1に繋がったままになる。従って、開蓋にてPPバンド全体5は瓶口Aから自動的に離脱することになり、その結果、瓶とPPバンド5との分別を簡単に行え、リサイクルに際して手間を軽減することができる。
なお、第1実施形態の構成において軽い力で開封できる理由は厳密には解明していないが、或いは他の理由(例えばローレット加工によりブリッジ4の強度が低下する等)があるかもしれない。
(1−4).開封実験及び考察
第1実施形態では、蓋本体1の筒部3とPPバンド5とは広巾接続部13によっても繋がっている。広巾接続部13の断面積は各ブリッジ4と比べて格段に大きいので、当該広巾接続部13の剛性は各ブリッジ4より極めて大きいが、前述の引張り力は開封時に広巾接続部13にも作用するので、開封に際して広巾接続部13自体も破断するおそれがある。この広巾接続部13がPPバンド5の縦長スコア12よりも先に破断してしまうと、PPバンド5が瓶口Aに残ることになる。
そこで、本願出願人は図4及び図5の比較例に示すPPキャップを作製し、第2実施形態のPPキャップと合わせて開封実験を行った。図4の比較例に示すPPキャップは、上下両ローレット部17′,27′の各突条19′,29′を正面視で左斜め下向きに傾斜させたものである。図5の比較例に示すPPキャップは、上下両ローレット部17″,27″の各突条19″,29″を筒部3の軸線Lに対して平行に延出させたものである。
本願出願人の開封実験によると、第1実施形態におけるPPキャップの広巾接続部13のみがねじ戻しで千切れず、開封後もPPバンド5が蓋本体1に繋がったままになり、図4及び図5の比較例に示すPPキャップは、いずれも広巾接続部13がPPバンド5の縦長スコア12より先に破断して、PPバンド5が瓶口Aに残ってしまうことがあった。
このように第1実施形態の場合のみ、すなわち上ローレット部17の各突条19を正面視で右斜め下向きに傾斜させた場合のみ、広巾接続部13がねじ戻しで千切れない理由は必ずしも明らかではないが、おおよそ、次のように推測される。
すなわち、PPキャップをねじ戻して蓋本体1を上昇させると、まず、筒部3、PPバンド5及び広巾接続部13(ブリッジ4も)は縦方向の引張り力にて弾性変形する。第1実施形態の場合は、上ローレット部17自身は変形し難くその突条19が正面視で右斜め下向きに傾斜しているので、筒部3は各突条19を縦に起こす(軸線Lに対して平行にする)ように弾性変形すると考えられる。
他方、開封に際して広巾接続部13の破断起点となり得る箇所は、ブリッジ4の破断順序から推察して、筒部3と広巾接続部13との連接部分のうち右側部MK(図3の黒丸参照)付近と解されるが、上ローレット部17の各突条19を縦に起こす方向への弾性変形により、破断起点となり得る右側部MKには、これを圧縮するような右回り方向のモーメントMが掛かると考えられる。
そうすると、破断起点となり得る右側部MKの箇所においては、縦方向の引張り力と右回り方向のモーメントMとが互いの力を打ち消し合うことになるから、広巾接続部13がねじ戻しで千切れず、開封後もPPバンド5が蓋本体1に繋がったままになるものと推測される。
これに対して、図4の比較例に示すPPキャップでは、上ローレット部17′の各突条19′を正面視で左斜め下向きに傾斜させているから、破断起点となり得る右側部MKには、上ローレット部17′の各突条19′を縦に起こす方向への弾性変形により、右側部MKを引張るような左回り方向のモーメントM′が掛かると考えられる。このため、破断起点となり得る右側部MKの箇所では、縦方向の引張り力に左回り方向のモーメントM′が加算されることになり、広巾接続部13がねじ戻しで千切れるものと推測される。
また、図5の比較例に示すPPキャップでは、上ローレット部17″の各突条19″が縦方向の引張り力に沿って延びているから、開封に際して上ローレット部17″付近の弾性変形の許容量が少ないと考えられる。このため、破断起点となり得る右側部MKの箇所でも、縦方向の引張り力が集中的に作用し、広巾接続部13がねじ戻しで千切れるものと推測される。
以上の推測を敷衍すると、ねじ戻し後もPPバンドを筒部に接続させておくために広巾接続部13を備えたPPキャップにおいて、筒部3の下部のみに若しくは筒部3の下部とPPバンド5との両方に、凹凸部を形成した場合は、筒部3側に位置した上ローレット部17の各突条19を正面視で右斜め下向きに傾斜させるのが好適であると推測される。下ローレット部27の各突条29は、正面視で左斜め下向きに傾斜していてもよいし、筒部3の軸線Lに対して平行に延びていてもよいと解される。
さて、従来品のPPキャップにおいては、これを密封状態でねじ込み方向(右回り方向)に強引に回転させると、内向きねじ山が変形して瓶口のねじ山を乗り越えてしまい、PPキャップが空回りして開封できない状態、すなわち「ねじがバカになる」という状態になる。かかる現象は、PPキャップの内向きねじ山が半径方向外向きに広がり変形してしまって、ねじ山と噛み合わなくなることに他ならない。
この点、上述の特許文献2に記載のように、「蓋本体における筒部の上部に上ローレット部(本願の滑り止め部9に相当)を形成する一方、筒部の下部に補強手段としての下ローレット部(本願の上ローレット部17に相当)を形成し、該下ローレット部の各突条を筒部の軸線に対して傾斜させる」と、筒部の下部がリブ効果で補強され、内向きねじ山の広がり変形を抑制するのに多大な効果を発揮した。
更に、第1実施形態のように上ローレット部17の各突条19を正面視で右斜め下向きに傾斜させると、PPキャップがねじ込み方向に回転することはなく、内向きねじ山14をねじ山Bに螺合させた状態を確実に維持でき、ねじがバカになって開封不能になるのを防止する機能が向上できた。
ねじがバカになるのを防止する機能が向上した理由は必ずしも明らかではないが、上ローレット部17における突条19群の並びピッチP間隔を滑り止め部9における各突条18のそれより小さく設定したことにより、当該並びピッチP間隔の細かさが上ローレット部17の断面係数の増大に寄与し、その結果、内向きねじ山14の広がり変形をより効果的に抑制しているものと推察される。
ところで、蓋本体内にパッキン用樹脂を流し込んで蓋本体とパッキン層とを一体成形するタイプがあるが、このタイプのものは、第1実施形態のような蓋本体内にパッキンを嵌め込むタイプよりもねじがバカになりやすい傾向にある。この点、筒部の下部に上ローレット部を設けるという構成を前者の一体成形タイプに適用すると、内向きねじ山の広がり変形防止に大きな効果があった。
なお、第1実施形態の構成においてねじがバカにならない理由の1つとして、PPバンド5にも下ローレット部27を形成したことが寄与している可能性もある。すなわち、筒部3(内向きねじ山14)の下方にある下ローレット部27は、半径内向きに膨出する突条29を有しており、断面係数が大きくなって変形し難くなっている。この点が内向きねじ山14の広がり変形の抑制に寄与しているかもしれない。また、折り曲げ部5aのかしめ付けの影響で、筒部3の下部が折り曲げ方向とは逆向きである半径外向きに広がろうとするのを、変形し難い下ローレット部27の存在により抑えているのかもしれない。
(2).他の実施形態(図6及び図7)
図6に示す第2実施形態では、蓋本体1における筒部3の下部のみに、筒部3の軸線Lに対して傾斜した細長い突条18の群を円周方向に並べてなる凹凸部としてのローレット部17を形成した点において、第1実施形態のものと相違している。その他の構成は第1実施形態と同様である。ローレット部17の各突条19は、筒部3の軸線と交差する方向から見た正面視で(図6において)右斜め下向きに傾斜している。
このように構成した場合も、PPキャップを左回り(図6の矢印SR方向)に回転させてねじ戻せば、筒部3の下部に形成されたローレット部17が変形し難いために、第1実施形態の場合ほどではないが縦方向の引張り力が各ブリッジ4に集中すると解され、該各ブリッジ4は軽い力で千切れる。次いで、PPバンド5の縦長スコア12が破断して開封される。従って、PPキャップを軽い力で開封できるのである。
開封に際して縦方向の引張り力は広巾接続部13にも作用するが、広巾接続部13はねじ戻しでは千切れず、開封後もPPバンド5が広巾接続部13の箇所で蓋本体1に繋がったままになる。第2実施形態において広巾接続部13がねじ戻しで千切れない理由としては、第1実施形態と同様に、破断起点となり得る右側部MKの箇所で、縦方向の引張り力と右回り方向のモーメントMとが互いの力を打ち消し合うためと解される。また、ローレット部のないPPバンド5は筒部3の下部に比べて弾性変形の許容量が大きいので、縦方向の引張り力がPPバンド5の弾性変形に利用されて分散することも挙げられる。
図7に示す第3実施形態では、PPバンド5のみに凹凸部としてのローレット部27を形成した点において、第1実施形態のものと相違している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
第3実施形態のローレット部27も、筒部3の軸線Lに対して傾斜した細長い突条29の群からなるものである。該ローレット部27の各突条29は、筒部3の軸線と交差する方向から見た正面視で(図7において)右斜め下向きに傾斜している。なお、第3実施形態におけるローレット部27の各突条29は、正面視で左斜め下向きに傾斜していてもよいし、筒部3の軸線Lに対して平行に延びていてもよい。また、各突条29の膨出(突出)方向は半径方向内向きでもよいし、半径方向外向きでも構わない。
このように構成した場合も、PPキャップを左回り(図7の矢印SR方向)に回転させてねじ戻せば、PPバンド5に形成されたローレット部27が変形し難いために、第1実施形態の場合ほどではないが縦方向の引張り力が各ブリッジ4に集中すると解され、該各ブリッジ4は軽い力で千切れる。次いで、PPバンド5の縦長スコア12が破断して開封される。従って、PPキャップを軽い力で開封できるのである。
第3実施形態の場合も広巾接続部13はねじ戻しでは千切れず、開封後もPPバンド5が広巾接続部13の箇所で蓋本体1に繋がったままになる。第3実施形態において広巾接続部13がねじ戻しで千切れない理由としては、ローレット部のない筒部3はPPバンド5に比べて弾性変形の許容量が大きいので、縦方向の引張り力が筒部の弾性変形に利用されて分散することが考えられる。
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化することができる。例えば請求項1における凹凸部の形態は上述のものに限らず、例えば網目状のものやジグザグ状のもの、円弧状のパターン等、様々なものを採用できる。また、PPバンドが瓶口に残っても構わないのであれば、図4及び図5の比較例に示したPPキャップも請求項1に係る発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
第1実施形態のPPキャップを示す説明図であり、(a)はPPキャップを瓶口から離した状態の正面図、(b)は(a)のb−b視断面図、(c)は(a)のc−c視断面図である。 キャッピング工程を示す図である。 キャッピングされた後のPPキャップの正面図である。 上下両ローレット部の各突条を正面視で左斜め下向きに傾斜させた比較例の正面図である。 上下両ローレット部の各突条を筒部の軸線に対して平行に延出させた比較例の正面図である。 第2実施形態におけるPPキャップの正面図である。 第3実施形態におけるPPキャップの正面図である。
符号の説明
A 瓶口
B ねじ山
C 雄ねじ部
D フランジ
1 蓋本体
3 筒部
4 ブリッジ
5 PPバンド
10 大径部分
11 水平状切り線
12 縦長スコア
13 広巾接続部
17,27 ローレット部
19,29 突条

Claims (2)

  1. 瓶口のねじ部に被さるように筒部と天板とを有する下向き開口状の蓋本体と、前記筒部の下端に破断可能なブリッジを介して一体に連接されたPPバンドとを備えており、前記蓋本体の筒部には、前記瓶口のねじ部に螺合する内向きねじ山が形成されるようになっている一方、前記PPバンドは、前記瓶口に形成されたフランジの下面にかしめ付けられるようになっており、前記蓋本体を前記瓶口からねじ戻すと前記ブリッジが千切れるようになっている金属板製のピルファープルーフキャップであって、
    前記蓋本体における前記筒部の下部と前記PPバンドとのうち少なくとも前記PPバンドに、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部がローレット加工により形成されている、
    金属板製のピルファープルーフキャップ。
  2. 瓶口のねじ部に被さるように筒部と天板とを有する下向き開口状の蓋本体と、前記筒部の下端に破断可能なブリッジを介して一体に連接されたPPバンドとを備えており、前記瓶口のねじ部に螺合する内向きねじ山が形成されるようになっている一方、前記PPバンドは、前記瓶口に形成されたフランジの下面にかしめ付けられるようになっており、前記蓋本体を前記瓶口からねじ戻すと前記ブリッジが千切れるようになっている金属板製のピルファープルーフキャップであって、
    前記瓶口のねじ部に形成されたねじ山は右ねじになっており、
    前記蓋本体の筒部と前記PPバンドとは、ねじ戻し後も前記PPバンドを前記筒部に接続させておくために前記ブリッジより広巾にした広巾接続部によっても繋がっており、前記PPバンドには、開蓋後に前記PPバンドを非ループ状と成す分断許容部が設けられている一方、
    前記蓋本体における前記筒部の下部には、突条又は溝条の群を円周方向に並べてなる凹凸部がローレット加工により形成されており、該凹凸部の突条又は溝条は、前記筒部の軸線と交差する方向から見た正面視において右斜め下向きに傾斜している、
    請求項1に記載した金属板製のピルファープルーフキャップ。
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