JP2007118811A - 車両用ドア構造 - Google Patents

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一樹 竹岡
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浩司 槇野
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Yoshihide Endo
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Abstract

【課題】ドアインナパネルとリインホースメントとの接合部での錆の発生を抑制する。
【解決手段】ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bとのシール部の上方の部位に、ドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60が車室内側から車室外側に向って突出している。このため、この曲げ部60によって、ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66との間を上方へ流れ、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへ達する水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は自動車等の車両用ドア構造に係り、特に、サイドドアのベルトラインに補強部材を取付けた車両用ドア構造に関する。
従来から、サイドドアのベルトライン(ドアパネルの上端部)に補強部材を取付けた車両用ドア構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、ドアインナパネルのベルトライン(ドアウエスト部ともいう)に、ベルトラインを補強するためのリインホースメント(インナレインフォースともいう)を車室内側から接合している。
実開昭64−44821号公報
しかしながら、特許文献1の車両用ドア構造では、ドアインナパネルとリインホースメントとが異種金属で構成されている場合に、ドアインナパネルとリインホースメントとの接合部において、所謂、異種金属接触腐食によって発生する錆を防止するための塗装等の錆防止対応が必要になる。
本発明は上記事実を考慮し、ドアインナパネルと補強部材との接合部での錆の発生を抑制できる車両用ドア構造を提供することが目的である。
請求項1記載の本発明は、ドアの車室内側を構成するドアインナパネルと、上端縁部が前記ドアインナパネルの上端縁部に接合された補強部材と、前記ドアインナパネルと前記補強部材とのうちの車室外側となる何れか一方の上端に形成され車室外側方向に突出し、前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部の上部への水の侵入経路を塞ぐ閉止部と、を有することを特徴とする。
ドア内のドアインナパネルの車室外側部に水が侵入した場合には、ドアの車室内側を構成するドアインナパネルと、上端縁部がドアインナパネルの上端縁部に接合された補強部材とのうちの車室外側となる何れか一方の上端に形成された車室外側方向に突出する閉止部によって、ドアインナパネルと補強部材との接合部の上部への水の侵入経路を塞ぎ、水がドアインナパネルと補強部材との接合部に達するのを防止する。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の車両用ドア構造において、前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部に当たり、前記水の侵入経路を塞ぐシール部が形成されたドアトリムを有することを特徴とする。
ドアトリムに形成されたシール部が、ドアインナパネルと補強部材との接合部に当たり、ドアインナパネルと補強部材との接合部の上部への水の侵入経路を塞ぎ、水がドアインナパネルと補強部材との接合部に達するのを防止する。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車両用ドア構造において、前記ドアトリムのシール部は前記閉止部の下側に配置され、前記閉止部の下側に当接することで前記ドアトリムの上方への移動を阻止することを特徴とする。
ドアトリムのシール部が閉止部の下側に配置されており、ドアトリムが上方へ移動すると、ドアトリムのシール部が閉止部の下側に当接することでドアトリムの上方への移動を阻止する。
請求項4記載の本発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ドア構造において、前記閉止部の上部は前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部の上端を覆うことを特徴とする。
ドアインナパネルと補強部材とのうちの車室外側となる何れか一方の上端に形成された閉止部の上部が、ドアインナパネルと補強部材との接合部の上端を覆うため、閉止部の上部によっても、ドアインナパネルと補強部材との接合部の上部への水の侵入経路を塞ぎ、水がドアインナパネルと補強部材との接合部に達するのを防止できる。
請求項1記載の本発明は、ドアインナパネルと補強部材との接合部での錆の発生を抑制できる。
請求項2記載の本発明は、ドアインナパネルと補強部材との接合部での錆の発生を更に抑制できる。
請求項3記載の本発明は、ドアトリムの支持剛性を向上できる。
請求項4記載の本発明は、ドアインナパネルと補強部材との接合部での錆の発生を更に抑制できる。
本発明における車両用ドア構造の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示し、図中矢印FRは車両前方方向を示し、図中矢印INは車幅内側方向を示している。
図3に示される如く、本実施形態における車両用ドアは、乗用車の車両右側前部のフロントサイドドア10である。フロントサイドドア10のドア本体12の上部にはドアフレーム14が一体的に結合されており、ドアフレーム14はドアガラス16を支持する窓枠を構成している。
図1に示される如く、ドア本体12は、ドア本体12の車室外側部(フロントサイドドア10を閉じた状態で車幅方向外側部)を構成する金属の板材で構成されたドアアウタパネル20と、ドア本体12の車室内側部(フロントサイドドア10を閉じた状態で車幅方向内側部)を構成するアルミの板材で構成されたドアインナパネル24とを備えている。
なお、ドアアウタパネル20とドアインナパネル24とは上端外周部を除く周縁部が互いにフェミング加工により結合されており、ドアアウタパネル20とドアインナパネル24との間に形成された断面内部空間26には、ドアガラス16や図示を省略したドアガラス昇降装置等が配置されている。
ドアアウタパネル20の上部(ベルトライン)のドア内側には、ドア前後方向(フロントサイドドア10を閉じた状態で車両前後方向)を長尺状とするドアアウタリインフォース30が配置されている。このドアアウタリインフォース30は、ドアアウタパネル20と同金属の板材で構成されており、上端縁部30Aが、ドアアウタパネル20の上端縁部20Aにフェミング加工により固定されている。また、ドアアウタリインフォース30の下端縁部30Bはドアアウタパネル20のドア内側面20Bに結合されており、ドアアウタリインフォース30はドアアウタパネル20とでドア前後方向に沿った閉断面構造32を形成している。
また、ドアアウタパネル20の上端縁部20Aには、アウタウエザストリップ36が固定されており、アウタウエザストリップ36に形成された上下のシールリップ部36A、36Bが、ドアガラス16の車室外側面に摺接している。
一方、ドアインナパネル24の上部(ベルトライン)の車室外側には、ドア前後方向を長尺状とする補強部材としてのドアインナリインフォース40が配置されている。このドアインナリインフォース40は鉄の板材で構成されており、上端縁部に形成された接合部40Aがドアインナパネル24の上端縁部に形成された接合部24Aにリベット44によって接合されている。また、ドアインナパネル24の接合部24Aとドアインナリインフォース40の接合部40Aとの上側接合部46においては、互いに対向する片面(密着面)の間に、シール材としての接着剤48が充填されている。
一方、ドアインナリインフォース40の下端縁部に形成された接合部40Bはドアインナパネル24の上下方向中間部24Bにリベット51によって接合されている。また、ドアインナパネル24の上下方向中間部24Bとドアインナリインフォース40の接合部40Bとの下側接合部50においても、互いに対向する片面(密着面)の間に、シール材としての接着剤52が充填されている。
なお、ドアインナリインフォース40の上下方向中間部40Cは、ドアインナパネル24と離間しており、ドアインナリインフォース40はドアインナパネル24とで、長手方向がドア前後方向に沿った閉断面構造56を形成している。
ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部には、閉止部としての曲げ部60がドア前後方向に沿って形成されている。この曲げ部60は接合部40Aの上端部を車室外側へ向って略直角に屈曲することで構成されている。
ドアインナパネル24にはドアトリム64が取付けられている。なお、図1に示されない部位においてドアトリム64はドアインナパネル24にクリップや締結部材によって固定されている。
ドアトリム64における上部64Aの車室外側端部64Bの下方には、シール部66がドア前後方向に沿って一体形成されており、シール部66の車室外側面66Aはドアガラス16の車室内側面16Aに沿った略平面となっている。また、シール部66の車室内側面66Bはドアインナリインフォース40の接合部40A側(車室内側)へ膨らんだ略円弧状の曲線となっており、シール部66の車室内側面66Bはドアインナリインフォース40の接合部40Aにおける密着面の裏面となる当接面(車室外側面)に当っている。
従って、図2に示される如く、車両走行時等にドア本体12の断面内部空間26内で飛散した水(図2の矢印W1)が、ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bとのシール部を越えて上側接合部46の上端46Aへ侵入しようとした場合には、水W1の侵入経路を、ドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60によって塞ぐことができるようになっている。
ドアトリム64におけるシール部66の車室内側面66Bの上部は、ドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60の下側面60Aに接近して配置されている。また、ドアトリム64における上部64Aの車室外側端部64Bとシール部66との間には、インナウエザストリップ70を支持するウエザストリップ取付部64Cがドア前後方向に沿って形成されている。ウエザストリップ取付部64Cのドア前後方向から見た断面形状は、開口部を車室外方向へ向けたU字状となっており、U字状の内部にインナウエザストリップ70の取付部70Aが固定されている。また、インナウエザストリップ70に形成された上下のシールリップ部70B、70Cが、ドアガラス16の車室内側面16Aに摺接している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、図2に示される如く、車両走行時等にドア本体12の断面内部空間26内で飛散した水(図2の矢印W1)が、ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bとのシール部を越えた場合に、水W1の侵入経路となる、ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bとのシール部の上方の部位に、ドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60が車室内側から車室外側に向って突出している。このため、曲げ部60によって、曲げ部60の車室内側に形成されたドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を効果的に塞ぐ(遮る)ことができる。
即ち、ドアインナリインフォース40の接合部40Aとドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bとの間を上方へ向って流れる水W1をドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60ではね返すことができる。
この結果、水W1がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。このため、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46で発生する異種金属接触腐食による錆の発生を抑制できる。特に、接着剤48の塗布が不完全で異種金属接触腐食が発生し易い接合部での錆の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、ドアトリム64に形成されたシール部66の車室内側面66Bの上部が、ドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60の下側面60Aに接近して配置されている。このため、ドアトリム64における上部64Aの車室外側端部64Bの上方への移動を、ドアトリム64のシール部66がドアインナリインフォース40の曲げ部60に当たることによって防止できる。この結果、ドアガラス16の上昇にともなってドアトリム64の上部64Aの車室外側端部64Bが上方へ移動するのを防止できる。
また、本実施形態では、ドアトリム64をドアインナパネル24に組付ける際に、ドア上方側から、ドアトリム64のシール部66をドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60の下方側へ挿入すると、ドアトリム64のシール部66がドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60を乗り越える時にクリック感が発生する。このため、組付け作業者は、このクリック感によって、ドアトリム64のシール部66をドアインナリインフォース40に形成した曲げ部60の下方側へ挿入できたことを確認できる。この結果、ドアトリム64のドアインナパネル24への組付け不良を防止できる。
また、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に曲げ部60がドア前後方向に沿って形成されている。この結果、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの車幅方向への曲げ剛性が向上する。このため、ドアガラス16が昇降する際等に、インナウエザストリップ70及びインナウエザストリップ70を支持するドアトリム64が車幅方向へ振動する場合には、ドアトリム64のシール部66の車室内側面66Bが当たるドアインナリインフォース40の接合部40Aによって、前記振動を抑制することができる。
また、ドアインナリインフォース40の接合部40Aにおける曲げ剛性が向上するため、車両が側突した場合に、フロントサイドドア10のベルトラインの車室内方への変形を抑制できる。
また、ドアインナリインフォース40の接合部40Aにおける曲げ剛性が向上することで、ドアインナリインフォース40全体の変形を防止できると共にドアインナパネル24との上側接合部46に発生する接合歪も低減できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第2実施形態を図4に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部74が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部74Aと、上下方に向って延びる上部74Bとを有する構成となっている。
従って、本実施形態では、曲げ部74の下部74Aによって、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができ、水がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。
このため、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。また、本実施形態では、ドアトリム64の上部64Aが下方(図4の矢印A方向)へ向って押圧された場合に、図4に二点鎖線で示すように、曲げ部74の上部74Bが、ドアトリム64の上部64Aを下方側から支持する。この結果、ドアトリム64の上部64Aの下方への変形量を抑制でき、ドアトリム64の上部64Aを下方へ押圧した際の剛性感を向上できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第3実施形態を図5に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部78が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部78Aと、車室内側上方に向って延びる上部78Bとを有する構成となっている。
また、曲げ部78の上部78Bとドアトリム64の上部64Aとの間には、シール材としての発泡シーラ80が充填されている。
従って、本実施形態では、曲げ部78の下部78Aによって、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができ、水がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。
このため、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。また、本実施形態では、ドアトリム64の上部64Aが下方へ向って押圧された場合に、曲げ部78の上部78Bが、発泡シーラ80を介してドアトリム64の上部64Aを下方側から支持する。この結果、ドアトリム64の上部64Aの下方への変形量を抑制でき、ドアトリム64の上部64Aを下方へ押圧した際の剛性感を向上できる。
更に、本実施形態では、曲げ部78の上部78Bとドアトリム64の上部64Aとの間に充填した発泡シーラ80によっても、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができ、水がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。このため、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46で発生する異種金属接触腐食による錆の発生を更に抑制できる。また、曲げ部78の上部78Bとドアトリム64の上部64Aとの間に充填した発泡シーラ80によってシール部が広くなるため遮音性能も向上する。
次に、本発明における車両用ドア構造の第4実施形態を図6に従って説明する。
なお、第2実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図6に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部82が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ円弧状に膨らんだ下部82Aと、上方に向って延びる上部82Bとを有する構成となっている。
また、ドアインナパネル24の接合部24Aの上端部には曲げ部84が形成されており、曲げ部84はドア前後方向から見て車室外側方向へU字状に膨らんだ下部84Aと、上方に向って延びる上部84Bとを有する構成となっている。また、曲げ部84の下部84Aは、曲げ部82の下部82A内に挿入されており、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図6の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部84の下部84Aが、ドアインナリインフォース40の曲げ部82の下部82Aの内周部に当たり、ドアインナリインフォース40が剪断荷重を受けることで、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制するようになっている。
このため、第2実施形態と同様な作用効果が得られると共に、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部が車室内方へ変形し、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図6の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部84の下部84Aが曲げ部82の下部82Aの内周部に当たり、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制する。このため、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部の車室内方への変形を低減できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第5実施形態を図7に従って説明する。
なお、第2実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図7に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部86が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部86Aと、上下方に向って延びる上部86Bとを有する構成となっている。
また、ドアインナパネル24の接合部24Aの上端部には曲げ部88が形成されており、曲げ部88は車室外側方向へ向けて屈曲されている。また、曲げ部88は、曲げ部86の下部86A内に挿入されており、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図7の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部88が曲げ部86の下部86Aの内周部に当たり、ドアインナリインフォース40が剪断荷重を受けることで、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制するようになっている。
このため、第2実施形態と同様な作用効果が得られると共に、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部が車室内方へ変形し、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図7の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部88が曲げ部86の下部86Aの内周部に当たり、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制する。このため、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部の車室内方への変形を低減できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第6実施形態を図8に従って説明する。
なお、第2実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図8に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部74が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部74Aと、上下方に向って延びる上部74Bと、上部74Bの上側先端部に車室内側に向かって屈曲された屈曲部74Cと、を備えている。また、曲げ部74の屈曲部74Cとドアトリム64の上部64Aとの間には、シール材としての発泡シーラ90が充填されている。
このため、第2実施形態と同様な作用効果が得られる。また、本実施形態では、曲げ部74の屈曲部74Cとドアトリム64の上部64Aとの間に充填した発泡シーラ90によっても、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができ、水がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。このため、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46で発生する異種金属接触腐食による錆の発生を更に抑制できる。また、曲げ部74の屈曲部74Cととドアトリム64の上部64Aとの間に充填した発泡シーラ90によってシール部が広くなるため遮音性能も向上する。
次に、本発明における車両用ドア構造の第7実施形態を図9に従って説明する。
なお、第2実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図9に示される如く、本実施形態では、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部92が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部92Aと、車室内方に向って延びる上部92Bと、上部92Bの車室内側先端部に上方へ向けて屈曲された屈曲部92Cを有する構成となっている。
また、曲げ部92の上部92Bとドアトリム64の上部64Aとの間には、シール材としての発泡シーラ94が充填されている。
このため、第2実施形態と同様な作用効果が得られる。また、ドアトリム64の上部64Aが下方(図9の矢印A方向)へ向って押圧された場合に、曲げ部92の屈曲部92Cがドアトリム64の上部64Aを下方側から支持すると共に、曲げ部92の上部92Bが発泡シーラ94を介してドアトリム64の上部64Aを下方側から支持する。この結果、ドアトリム64の上部64Aの下方への変形量を抑制でき、ドアトリム64の上部64Aを下方へ押圧した際の剛性感を向上できる。
更に、本実施形態では、曲げ部92の上部92Bとドアトリム64の上部64Aとの間に充填した発泡シーラ94によっても、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ(遮る)ことができ、水がドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46に達するのを防止できる。このため、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46で発生する異種金属接触腐食による錆の発生を更に抑制できる。また、発泡シーラ94によってシール部が広くなるため遮音性能も向上する。
次に、本発明における車両用ドア構造の第8実施形態を図10に従って説明する。
なお、第7実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図10に示される如く、本実施形態では、ドアインナパネル24の接合部24Aの上端部には曲げ部96が形成されており、曲げ部96は車室外側方向へ向けて屈曲されている。また、曲げ部96は、曲げ部92の下部92A内に挿入されており、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図10の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部96が曲げ部92の下部92Aの内周部に当たり、ドアインナリインフォース40が剪断荷重を受けることで、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制するようになっている。
このため、第7実施形態と同様な作用効果が得られると共に、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部が車室内方へ変形し、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図10の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部96が曲げ部92の下部92Aの内周部に当たり、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制する。このため、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部の車室内方への変形を低減できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第9実施形態を図11に従って説明する。
なお、第7実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図11に示される如く、本実施形態では、ドアインナパネル24の接合部24Aの上端部には曲げ部98が形成されており、曲げ部98はドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんでいる。また、曲げ部98は、曲げ部92の下部92A内に挿入されており、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図11の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部98が曲げ部92の下部92Aの内周部に当たり、ドアインナリインフォース40が剪断荷重を受けることで、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制するようになっている。
このため、第7実施形態と同様な作用効果が得られると共に、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部が車室内方へ変形し、ドアインナパネル24の接合部24Aが下方(図11の矢印B方向)へ移動した場合には、曲げ部98が曲げ部92の下部92Aの内周部に当たり、ドアインナパネル24の下方への移動を抑制する。このため、車両側突時にドアインナパネル24の上下方向中間部の車室内方への変形を低減できる。
次に、本発明における車両用ドア構造の第10実施形態を図12に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
図12に示される如く、本実施形態では、ドアインナパネル24の車室内側にドアインナリインフォース40が配置されており、ドアインナパネル24の接合部24Aの上端部に、閉止部としての車室外側方向に突出した曲げ部60がドア前後方向に沿って形成されている。
このため、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、ドアインナパネル24をアルミとし、ドアインナリインフォース40を鉄としたが、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40とは、鉄、アルミ以外となるマグネシウム等の他の異なる金属の組み合わせとしても良い。
なお、異種金属接触腐食は発生しないが、通常の金属腐食を防止するため、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40とを同じ材質の金属としても良い。
また、上記各実施形態では、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との間にシール材としての接着剤48を充填したが、シール材は接着剤48に限定されず、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との間を密閉し、水の侵入を防止できる部材であれば、防水ゴム等の他のシール材としても良い。
また、上記各実施形態では、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との接合部をリベット44で結合したが、リベット44に代えて、ボルトナット等の締結手段や他の結合部材で結合しても良い。
また、上記第3実施形態では、図4に示される如く、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部74が、ドア前後方向から見て車室外側方向へ半円状に膨らんだ下部74Aと、上下方に向って延びる上部74Bとを有する構成としたが、これに代えて、図13に示される如く、ドアインナリインフォース40の接合部40Aの上端部に形成した閉止部としての曲げ部99が、ドア前後方向から見て車室外側方向へV字状に膨らんだ構成としても良い。
また、上記各実施形態では、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40とのうちの車室外側となる何れか一方に形成する閉止部を曲げ部60、74、78、82、86、92にしたが、閉止部は曲げ部に限定されず、車室外側方向に突出し、ドアインナパネル24とドアインナリインフォース40との上側接合部46の上端46Aへの水の侵入経路を塞ぐ構成であれば、板厚を肉厚にした部位やビード等の他の構成であっても良い。
また、上記各実施形態では、本発明の車両用ドア構造をフロントサイドドア10に適用したが、本発明の車両用ドア構造はフロントサイドドア10以外のリヤサイドドアや他のドアにも適用可能である。
図3の1−1線に沿った拡大断面図である。 図3の2−2線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ドア構造が適用された車室の側面を示す車室内側から見た概略側面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第5実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第6実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第7実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第8実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第9実施形態に係る車両用ドア構造を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第10実施形態に係る車両用ドア構造を示す図1に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用ドア構造を示す図1に対応する断面図である。
符号の説明
10 フロントサイドドア
12 ドア本体
14 ドアフレーム
16 ドアガラス
24 ドアインナパネル
24A ドアインナパネルの接合部
40 ドアインナリインフォース(補強部材)
40A ドアインナリインフォースの接合部
46 ドアインナパネルとドアインナリインフォースとの上側接合部
46A 上側接合部の上端
48 接着剤(シール材)
60 曲げ部(閉止部)
64 ドアトリム
66 ドアトリムのシール部
74 曲げ部(閉止部)
78 曲げ部(閉止部)
82 曲げ部(閉止部)
86 曲げ部(閉止部)
92 曲げ部(閉止部)
99 曲げ部(閉止部)

Claims (4)

  1. ドアの車室内側を構成するドアインナパネルと、
    上端縁部が前記ドアインナパネルの上端縁部に接合された補強部材と、
    前記ドアインナパネルと前記補強部材とのうちの車室外側となる何れか一方の上端に形成され車室外側方向に突出し、前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部の上部への水の侵入経路を塞ぐ閉止部と、
    を有することを特徴とする車両用ドア構造。
  2. 前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部に当たり、前記水の侵入経路を塞ぐシール部が形成されたドアトリムを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
  3. 前記ドアトリムのシール部は前記閉止部の下側に配置され、前記閉止部の下側に当接することで前記ドアトリムの上方への移動を阻止することを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記閉止部の上部は前記ドアインナパネルと前記補強部材との接合部の上端を覆うことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ドア構造。
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