JP2007113909A - 携帯式熱伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯式熱伝達装置の熱効率及び利用をさらに向上させるため、燃焼器と熱駆動ポンプによって液体を加熱、循環することに併せ、燃焼器に熱電変換素子を組込み、これによって発生する起電力を用いて制御装置を作動させるようにしたもの。
【解決手段】LPGボンベを含むガス供給装置Bと、このガスで働くガス噴出ノズル及びベンチュリー管とを備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置Cと、ここで発生した混合気を燃焼室内で火炎燃焼させるための燃焼器Dと、これを囲んで設置した集熱体Eと、熱駆動ポンプFと、高温側を集熱体Eに低温側を熱駆動ポンプFにそれぞれ接合させた熱電変換素子Tと、制御装置Iとからなり、前記燃焼器Dで発生した熱により加熱した液体を熱駆動ポンプFにより液体回路を経て熱負荷Hに伝えると共に、熱電変換素子Tで発生した電力で制御装置Iを作動させることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自らエネルギー源を有し、電力やガスの供給が困難な屋外等でも利用可能な、暖房器や暖房衣服等の外部の熱負荷へ熱を供給するための携帯式熱伝達装置に関するものである。
従来屋外等で使用する可搬式の暖房器として、ガスストーブ、懐炉等が広く普及している。しかしこれらのものは、身体の一部分しか暖まらなかったり、暖かさのコントロールができなかったり不便なものであった。またバッテリーを使い、そのバッテリーからの電気エネルギーによって発熱を行う電気抵抗体を内部に分散させた暖房服やマット等が実用化されている。しかしこれらの装置は、現在でもバッテリーの質量エネルギー密度はあまり高くなく、暖房に必要なエネルギーを十分な時間供給できない面があった。
これらの問題を解決すべく、LPGをエネルギー源とし触媒でLPGを燃焼させて熱を取出し、これを空気の対流によって暖房する衣服が知られている。(例えば、特許文献2参照。)しかしながら空気の対流だけでは、熱を隅々まで運ぶことが難しいため、上記の如き燃焼装置に熱電変換素子を組込み、この起電力により熱媒の循環装置を駆動させる暖房装置も知られている。(例えば、特許文献3参照。)
一方本発明者も、触媒燃焼装置に熱駆動ポンプを組込み、加熱液体を循環させる携帯式熱伝達装置を既に提案している。(特許文献1参照。)
ところで、上記公報に開示された装置においてもっぱら採用されている燃焼器の触媒燃焼方式は、風が吹いたり、燃料と空気の混合比が少し変化しても途切れないタフな燃焼反応であり、また火炎燃焼よりも低温で燃焼できるという特徴を有している。しかしながら、理論混合比付近で長時間反応させると、燃焼温度が触媒にとって高くなり過ぎて次第に劣化してしまう問題が存在する。
これを防ぐため、理論混合比を外して反応させているが、燃料を濃くする方向に外すと着火性は向上し扱い易くなるものの、不完全燃焼となり燃料の無駄使いとなると共に、悪臭のする排気ガスを排出することになる。一方燃料を薄くする方向に外すと完全燃焼となり燃料の無駄がなくなり、排気ガスもきれいになるが、相対的に増大する空気量を賄うには非力なベンチュリー管による空気吸引では限界がある。特に触媒は、混合気との接触面積が大きくなくてはならず、このため流路抵抗が大きくなりガスの噴出力以外に外部の動力例えばバッテリーでファンを回し空気を導入する等の手段が必要となり、携帯式装置にあっては、複雑で大掛かりになるうらみがあった。
特許第3088127号明細書 特開平9―126423号公報 特開2001―116265号公報
このような状況に鑑み、本発明はLPGを燃焼させてその熱で熱駆動ポンプを駆動させ、液体の加熱と外部の熱負荷への伝達をするようにして全体の装置の小型化を図ると共に、この種装置に要求される燃焼状態やガスの供給の制御及び安全性を確保するために、内部に組込んだ熱電変換素子に上記熱を通過させて起電力を発生させ、この電力を利用して制御装置を作動させることを目的としてなしたものである。
すなわち本発明は、LPGボンベを含むガス供給装置と、このガスで働くガス噴出ノズル及びベンチュリー管とを備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置と、ここで発生した混合気を燃焼室内で火炎燃焼させるための燃焼器と、これを囲んで設置した集熱体と熱駆動ポンプと、高温側を集熱体に低温側を熱駆動ポンプにそれぞれ接合させた熱電変換素子と、制御装置とからなり、前記燃焼器で発生した熱により加熱した液体を熱駆動ポンプにより液体回路を経て熱負荷に伝えると共に、熱電変換素子で発生した電力で制御装置を作動させることを特徴とする携帯式熱伝達装置を要旨とするものである。
また本発明は、燃焼室内での燃焼によって生じた燃焼排気の熱エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体を内蔵した燃焼器を使用することを特徴とするものであり、集熱体を、燃焼器を取り囲み、かつ燃焼器との間に空間を構成するように一つ以上設けたことも特徴とするものである。さらに本発明は、ガス・空気混合装置における吸気ダクトの吸気孔外方近傍位置に吸気孔防風板を設けると共に、燃焼部の下流に設けた排気ダストの排気孔外方近傍位置に排気孔防風板を設け、吸気孔及び排気孔は装置の同一方向で互いに離して設置されていることを特徴とするものであり、上記排気ダクト内に液体回路の一部を配設すると共に該部に熱交換機能を組込んだことを特徴とするものである。
さらにまた本発明は、上記熱電変換素子の電力により駆動され集熱器の温度をモニターし、必要時にガス供給装置に働きかけてガスを遮断する制御装置を組込んだことを特徴とするものである。そして本発明は、上記制御装置を一時的に動かす電源を組込んだことも特徴とするものであり、さらに上記制御装置により制御された燃焼の状態を表示する状態表示器を備えたことをも特徴とするものである。
(作用)
本発明は、LPGをガス・空気混合装置によって混合気とし、これを燃焼器で火炎燃焼させるが、燃焼器を囲んで設けられた集熱体には高温側を集熱体に低温側を熱駆動ポンプに接合させた熱電変換素子を組込んでいるため、熱駆動ポンプによる加熱で液体を昇温させて外部の熱負荷に熱を伝えることができると共に、上記熱電変換素子により電力を発生することができ、この電力で制御装置を作動させることができるものである。
図1は本発明携帯式熱伝達装置の第一の実施例を示し、その構成をブロック図で示したものである。
図において大きな長方形の枠が携帯式熱伝達装置Aの本体全体を示し、この中のブロックが本発明を構成するそれぞれの装置を示しており、各ブロック間は使用するガス、空気、液体等の物質、熱、電気の流れを示す矢印でつながっている。
本発明の携帯式熱伝達装置Aのうちのガス供給装置Bは、ガスボンベとその着脱装置、ガス開閉レバー、圧力レギュレーター、ガス開閉弁、ガス配管等からなっており、LPGをガス・空気混合装置Cへ一定圧力で供給するようになっている。そして始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置Cは、ガス噴出ノズル、ベンチュリー管、吸気ダクト、絞り弁、ディフューザー等からなり、供給されたガスをノズルからベンチュリー管に吹込み、発生した負圧で外気を吸気ダクト、絞り弁を通しエゼクターに導入し、ガスと空気をディフューザーヘ送るようになっていて、ディフューザーでガスと空気は速度を落としながら混合していくようになっている。
このようにして得られた混合気の圧力は、ディフューザーの中で速度のエネルギーが圧力のエネルギーに変換され、大気圧より僅かに高くなる。この圧力差が混合気を、燃焼器、排気ダクトを通り排出させる原動力となる。
次の燃焼器Dは、火炎燃焼式の燃焼室内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体を内蔵したもので構成されている。また燃焼器Dは、例えばセラミックス等の耐熱性、断熱性が高くかつ熱線輻射能の高い材質で作られている。そして燃焼器上面には、多数の孔が設けてあり燃焼室まで貫通している。燃焼室は、一部又は全体が平坦で構成されていて、その面に上述の孔が貫通して設けられ、これが炎孔となっている。この炎孔の少し下流に火炎が形成され、火炎のさらに下流に多孔性固体輻射変換体が設置されている。このように構成されているため、高温の排気ガスはエネルギーの一部を燃焼室内部へ戻すことで混合気の燃焼を促進し、火炎を燃焼室内に保持させることができる。以上の構成にすることにより、今まで触媒燃焼でしかできなかった大気圧バーナーでの容器内燃焼が可能になると共に、触媒燃焼よりずっと高温でしかもより薄い混合気でも持続的に燃焼させることが可能になった。
なお多孔性固体輻射変換体によって、排気ガスは熱エネルギーの一部を取られてしまうので排気ガスの温度は少し低下するが、その分は燃焼器内部に戻されているので、燃焼器自体がより高温になる。
この燃焼器を囲んで設置された集熱体Eは、燃焼器Dからの熱を集めるもので、一般に銅等の熱良導体で作られている。
そして上記の燃焼室で発生した熱は、集熱体Eで集められ、かつ後述する熱電変換素子Tを通過して熱駆動ポンプFに伝えられると、ここで加熱された液体は液体循環回路Gを経て外部の熱負荷Hに伝達される。この熱駆動ポンプFは、一般的なものが使用でき、熱駆動ポンプ内に液体加熱部用凹部、凝縮管、気液交換室、吸込み側及び吐出側逆止弁を備え、蒸気泡の発生―凝縮―加熱された液体の排出―凝縮―蒸気泡の消滅―外部からの液体導入のサイクルが繰返され、これによって液体の加熱及びポンプの機能を発揮するようになっている。
また熱電変換素子Tは、高温側が上記集熱体Eに接合し、低温側が上記熱駆動ポンプFに接合して配置されている。高温の燃焼器Dで発生した熱は、集熱体Eで集められ、熱電変換素子T内部を通り、低温の熱駆動ポンプFに伝えられるが、このとき熱電変換素子Tに起電力が生じる。このときの熱電変換素子の接合は、それぞれの側が相手方の機器に密着していることが好ましい。
以上説明したように本発明は、LPGを火炎燃焼式の燃焼器Dによって燃焼させることにより、高温状態で安定した熱を発生させ、この熱を集熱体Eで集めて熱駆動ポンプFを駆動させて熱の伝達を行うと共に、同時的に熱電変換素子Tにより起電力を発生させてこれにより制御装置Iを作動させるようにした携帯式熱伝達装置であるから、熱エネルギーを液体加熱及びその循環と起電力の発生との両者に作用させて極めて効率的に使用できると共に、装置全体を小型化でき、取扱性にも優れ、携帯性にも富んだ特徴を有している。
さらに本実施例においては、上記熱電変換素子Tで発生した電力の一部を用いて安全機能を組込んでいる。すなわち熱電変換素子Tの電力により駆動され、集熱体Eの温度を温度センサーJでモニターし、必要時にガス供給装置Bに働きかけてガスを遮断する制御装置Iを組込んでいる。この制御装置Iは、集熱体Eに取付けた温度センサーJでこの部分の温度をモニターし、集熱体Eの温度が設定温度以上になったとき、ガス供給装置Bに働きかけてガスの供給を遮断する。また、燃焼器Dの炎が何等かの要因で立消えしたときも、集熱体Eの温度が別の設定温度以下になることにより、ガスを遮断するようになっている。
このような制御装置Iを組込むことにより、燃焼異常による障害を未然に防止し、安全を確保できることとなる。
さらに同図においては、制御装置Iにつながる液晶表示器等の状態表示装置Kを設けており、上記の制御装置Iにおける制御状態、さらには携帯用熱伝達装置Aの作動状態を表示することができるため、熱伝達装置の利便性を向上させることができ、さらには異常表示等の表示も可能で、安全性の確保にも寄与するようになっている。
また上記実施例においては、上記制御装置Iにバッテリーによる電源Lを組込んでいるが、これは熱伝達装置を起動する際に、制御装置Iに電気を一時的に供給するためのもので、熱電変換素子Tが十分な起電力を発生させるまでの繋ぎの役目を果たす効果がある。
図2は本発明携帯式熱伝達装置の第二の実施例を示すものである。この装置は基本的には上記の実施例と同様、LPGボンベを含むガス供給装置Bと、ガス噴出ノズル及びベンチュリー管を備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するたガス・空気混合装置Cと、燃焼室内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性輻射変換体を内蔵した燃焼器Dと、集熱体Eと、熱電変換素子Tと、熱駆動ポンプFとからなっている。
このうちガス供給装置Bは、頂部にツマミ10を有する圧力レギュレーター9と、内部にLPGが充填され、ガス開閉レバー6とガス開閉弁7とを介して連結されたガスボンベ8とからなっており、さらにこの出口と後述するガス・空気混合装置Cとの間の通路には、ガス遮断バルブ22及びその操作用のボタン23が設けられている。
一方ガス・空気混合装置Cは、後述する燃焼器Dと一体型になっているが、吸気孔1’を設けた吸気ダクト1と、この吸気ダクト1に貫通して設けられたガス噴出ノズル2とを備えていて、この下流側にはベンチュリー管3及びディフューザー11がそれぞれ連設され、下流端は燃焼器Dの入口に臨むようになっている。なお図中4は空気の吸入量を調節するための絞り弁であり、5はこれを作動させるレバーである。
上記ガス供給装置Bとガス・空気混合装置Cの作用について説明すると、ガス供給装置のガス開閉レバー6を操作してガス開閉弁7を開くと、ガスボンベ8からのLPGが圧力レギュレーター9で一定圧にされた後、ガス噴出ノズル2に供給される。このガス供給ノズル2の内径は、例えば直径40マイクロメートル〜60マイクロメートル程度で、ノズルに加わる圧力は2.9×10Pa〜19.6×10Paゲージ圧位が適当で、圧力レギュレーターつまみ10を回して調圧される。ガスはベンチューリー管3のエゼクターで吸気ダクト1から空気を吸引し、ディフューザー11で速度を弱めながら空気と混合する。こうしてできる混合気は、レバー5を操作して絞り弁4の開度を調整することにより混合比を変えることができる。着火時は濃い混合比が必要であるが、定常運転時には理論混合比より少し薄い混合比が不完全燃焼もなく好ましい。
本発明における混合比調整機構は、上述した例のように空気量を制限して行う方法が簡便で好都合であるが、空気量はそのままでガスの供給量を増すことでも混合比を濃くすることもできる。この場合はもう1個のガスノズルをディフューザー内に設けて圧力レギュレーターと配管で繋ぎ、間にガス開閉バルブを設置すれば良い。この場合のガスノズルは、ディフューザーの下流部分で、流れに対して略直交するような方向に噴出するように設置すれ空気吸引には影響を及ぼすことなく、ガスと空気の混合に寄与することとなる。
燃焼部は、燃焼室12を備えた燃焼器Dと、これを取り囲むアルミ等の熱良導体で作られた集熱体Eを含んでいる。燃焼器Dは、燃焼室12の上流側に、平坦面13まで開孔して炎孔14として機能する多数の間隔を隔てた孔15を有する。燃焼室12は内容積が例えば10cc以下の大変小さいものである。点火用に燃焼室12内に延びる点火プラグ16が設けられている。
また燃焼器Dには、燃焼室12の出口に燃焼室内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体17が設けられ、この多孔性固体輻射変換体17としては、例えば直径0.1mm〜0.3mm程度の耐熱金属の針金を網目に編んだ金網を用いている。
先ず着火のために、レバー5により絞り弁4を調整して空気量を少なくすることで濃い目に設定された混合気が燃焼器Dの多数の孔15から燃焼室12内へ噴出する。孔15から噴出した混合気は、急激に拡大した平坦面13のために出口近くに渦を作る。次に点火プラグ16の火花で混合気が爆発し、渦にも着火して炎孔14からの炎が合体し一つの火炎面18が形成され、そして平坦面13近くで安定する。燃焼により燃焼室12の壁面温度は上昇し、この熱は炎孔14上部も暖めこれにより混合気は予熱され、これにより混合気の燃焼速度が上昇する。一方燃焼による高温の排気ガスは、燃焼室12内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体17を構成する金網の針金の直径が細いので、熱容量が小さく直ぐに昇温し、数百度になり電磁波として輻射エネルギーを四方八方へ放射するようになる。輻射エネルギーの一部は、上流側すなわち火炎面を加熱して燃焼が大幅に促進される。また燃焼室12内での上記多孔性固体輻射変換体17の位置も重要で、火炎面から離れ過ぎると熱輻射の効果が小さくなり、逆に火炎面18に近過ぎると、着火時の火炎形成ができなくなることが分かった。このことから、上記多孔性固体輻射変換体17を燃焼室12の平坦面13から5mm〜15mm程度の距離に設置するのが適当である。このように排気ガスのもつ熱エネルギーを輻射エネルギーという形で火炎へ熱還流させることができる。混合気は強く熱せられているため、燃焼速度は次第に速くなってくる。この状態をしばらく時間的に維持する必要があるが、これは、燃焼室12内で燃焼によって生じた上記多孔性固体輻射変換体17や燃焼器Dの温度が上昇し、燃焼機能を発揮するまでの加熱時間である。その後、レバー5を動かし絞り弁4の開度を大きくして空気を導入すると、混合気の流量が増加し燃焼室12内の流速も早くなる。通常の燃焼室であればここで火炎面下流に吹き飛んでしまうこととなる。しかし予熱と熱還流で加熱された混合気は、この流速に対応する燃焼速度をもつため、吹き飛ぶことなく安定した状態で燃焼室12内に保持され、保炎が達成される。混合気は理論混合比より少し空気過剰になっているため、燃焼は完全燃焼で多くの熱エネルギーが発生し還流、予熱に回るため火炎の安定度はどんどん高まっていく。このように火炎の燃焼速度を高めることにより、小さな燃焼室12で大量のガスを燃やすことができるため、同出力の触媒燃焼器よりも小型化でき、携帯式の熱伝達装置の燃焼器としては最適のものとなおる。
そして燃焼室12で発生した熱は、燃焼器Dを取り囲む集熱体Eで集められ、これに密着した熱電変換素子Tの高温側に伝えられる。一方熱電変換素子Tの低温側には、熱駆動ポンプFの加熱部19が密着されている。パイプ21は、熱駆動ポンプFと外部の熱負荷Hとを繋いで回路を形成し、内部は液体で満たされている。熱は熱電変換素子Tの高温側から低温側へ伝わっていき、これに密着している熱駆動ポンプFの加熱部19に伝わっていくことになる。このとき熱が熱電変換素子Tを通過することで熱起電力が発生し、これをリード線20で制御装置Iへ導入する。一方熱駆動ポンプFの加熱部19内部の円錐状の窪み(点線で図示)の中で液体の沸騰、凝縮が繰返され、ポンプ作用を発揮すると共に液体が加熱され、パイプ21を通じて循環させることができる。このようにして燃焼器Dで発生した熱は、集熱器E、熱電変換素子T、熱駆動ポンプFへと伝えられ、外部の熱負荷Hまで移送される。
本発明の燃焼室12内で上記多孔性固体輻射変換体17として使われる金網は、一層でも効果があり、複数枚重ねるとより効果的になるが、あまり多くなると流路抵抗が増加してしまうため、非力な大気圧バーナーでは吸込み空気量との兼合いで決める必要がある。また金網の目の粗さも同様で、80番〜40番程度が好ましい。さらに金属にセラミクスコーティングすることで熱による損耗を防ぐと共にセラミクスが良好な輻射能をもつため金網にとって効果的である。さらに金網の代わりに発泡セラミクスを使用しても良い。
また本発明に使用される熱電変換素子Tは、熱によって異種金属の接合面に生ずる熱起電力いわゆるジーベック効果を利用して熱エネルギーの一部を電気エネルギーに変換する素子のことで、異種金属でループを作り、2ヵ所の接合面をそれぞれ一方は熱し他方は冷却すると、それぞれの接合面に起電力が発生してループ内に電流が流れる現象を利用するものである。例えば金属としてテルル・鉛合金に他の金属を加え、P型、N型半導体を形成し、これらの接合面で高い熱起電力が発生することが知られているので、これらを多数並べて、それぞれを板状の電極で結ぶと接合面が得られる。そしてこの多数の接合面を直列に繋いだ一方の面を高温側、他方の面を低温側にして用いればよい。なお絶縁のため接合面を覆うように、薄いセラミクスでカバーすることが一般に行われている。
またこの実施例では、熱電変換素子Tから発生した電力の一部をリード線20で取出して制御装置Iに供給すると共に状態表示器Kにも供給している。この制御装置Iは、温度センサーJにより集熱体Eの温度をモニターして設定値以上になると過熱と判断し、ガス供給装置Bに設けたガス遮断バルブ22への電気供給を止めるようになっている。ガス遮断バルブ22は、電磁石により通電時のみガスを通過させる弁で、本制御装置Iの動作中は常に通電されている。そしてボタン23を矢印方向に押すことで、弁が電磁石に吸着され弁が開くようになっている。
次に火炎が何等かの理由で立消えた場合、燃焼状態からの立消えでは集熱体Eの温度が、もう一つの設定値以下になること及び温度が下がり続けていると立消えと判断し、制御装置Iはガス遮断バルブ22への通過を遮断する。また点火ミスによる場合は、電源スイッチ24がONになってからある一定時間(30秒〜60秒)以内に集熱体Eの温度上昇がないとき点火ミスと判断し、ガス遮断バルブ22への通電も止められる。
電源Lは、バッテリーでスイッチ24をONにすると制御装置Iに電気を供給するようになっている。スイッチ24は、リンク機構でガス開閉レバー6と機械的に連結されていて、ガス開閉弁7が開かれるとスイッチ24がONになるようになっている。
以上のように、制御装置I、状態表示器K及び電源Lを組込むと、燃焼異状による障害を未然に防止して異状表示もできるため、装置の安全性を高めることができ、さらにはこれら制御および表示を安定的に行える効果がある。
図3は本発明の第三の実施例の一部を示しており、例えば図2に示した第二の実施例の燃焼部を中心にした構成を図3の構成に置き換えた別の例を示すものである。この実施例では、一つの集熱体Eを用いたもので、この集熱体Eがアルミ等の熱良導体で作られ、そして燃焼器Dを完全に取り囲み、かつ燃焼器Dとの間に空間を構成するような寸法形状になっている。両者の結合は、混合気が入ってくる燃焼器Dの上部を取り囲むように配置された断熱材シール25のみで行われている。集熱体Eには、上流側熱交換部26と下流側熱交換部27を構成する多数の孔28、29がそれぞれ明けられている。上流側熱交換部26は、断熱材シール25でベンチュリー管3と結合されている。
そして燃焼室12には、上記図2の実施例と同様、出口部分に燃焼室内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体17が設置されている。
上記実施例では、燃焼器Dと集熱体Eとの間が空気の断熱層となっているため、燃焼器Dの熱はもっぱら上流側及び下流側熱交換部26、27で集熱体Eに伝えられ、燃焼状態において燃焼室12で発生した熱は燃焼器Dの壁を通して伝熱では集熱体Eには伝わらない。よって、燃焼器D自体が図2の第二の実施例より高温になることで、燃焼がより促進される。しかも混合気予熱は、上流側熱交換部26が加わり2段となって燃焼室12内の火炎はより吹飛びにくく安定する。また高温の排気は、下流側熱交換部27で熱が回収されて熱電変換素子Tに吸収されるため、第二の実施例よりも低くなり結果として多くの熱を無駄なく熱電変換素子Tに供給し得ると共に火炎の一層の安定化も達成することができる利点がある。
なお第三の実施例で使われる燃焼器Dは、輻射能に優れた耐熱性のセラミクスで形成するのが良いが、ステンレス等の耐熱性金属でも十分に使用可能である。
図4は本発明携帯式熱伝達装置の第四の実施例を示すものである。この実施例では、上述した実施例に加えて、熱電変換素子の小型化、集熱体の多層化、排熱の効率的利用及び火炎の立消え防止の機能をさらに付加したものである。
このうち熱電変換素子Tの小型化であるが、本発明では外部の熱負荷Hへの熱の移送は熱駆動ポンプFが自立的に行うため、熱電変換素子Tからの電力供給は不要である。発生した電力はもっぱら制御装置Iの作動に用いられるため、小型の熱電変換素子Tで充分である。そしてこのことは、燃焼器D回りのサイズを小さくし集熱体Eを含む燃焼部の小型化を可能にし、表面積に比例して増えるヒートロスを可及的に小さくすることができることとなる。
次に集熱体Eの多層化であるが、燃焼器Dの外側には前記実施例3と同様の着想から空間を設けて第1集熱体30が囲んで、集めた熱を熱電変換素子Tの高温側に注ぎ込む。その外側には空間を設けて第2集熱体31が取り囲む。そして第2集熱体31の外側には、同様に空間を設けた上で第3集熱体32が、燃焼部及び熱駆動ポンプFの加熱部19全体を覆うように設けられている。なお、図中25は燃焼器Dを支持するための、また第1集熱体31と第2集熱体32との空間を保持する断熱材シールである。
ここで前記第1集熱体30は、高温になるため例えば銅などの熱良導体で作られ、熱電変換素子Tの高温側に密着して熱を伝える。
一方第2集熱体31は、アルミなどの熱良導体で作られ、前記第3集熱体32とは空間を設けて取付けられ、その内側面が熱電変換素子Tの低温側に、また外側面が熱駆動ポンプFの加熱部19にそれぞれ密着して接合させている。このようになっているので、熱駆動ポンプFの吸熱能力は高く、第2集熱体31の温度が上昇するとこれを吸収するため、ポンプ作用が活発になり液体吐出量が増大する。このためガス流量が増大し燃焼器Dでの発熱量が増大しても第2集熱体31の温度はさほど上昇せず、通常110℃〜130℃の範囲内となる。上記第1集熱体30は、ガス流量によって大幅に温度が変化するが、その値は熱電変換素子Tの大きさにもよるが、第2集熱体31より150℃〜250℃高くなると見込まれる。熱伝変換素子Tは、この温度差で発電するため、ガス流量に応じて出力が増減する。また上記第1集熱体30、第2集熱体31には、多数の孔が開いていて排気ガスの熱を吸収する熱交換器の役目を果たしている。
第3集熱体32は、内部が空洞で液体33が満たされたウオータージャケット構造を側部に備えていて、外部の熱負荷Hで冷やされた液体がここに導入され、内部の燃焼部や熱駆動ポンプFからの放熱を吸収するようになっている。この液体33は、次に下流側に設けられた主熱交換器34に導かれ、第2集熱体31からの排気ガス(約100℃)によって加熱される。このとき排気ガスは、約50℃程度まで温度が下げられ大量の水蒸気が凝縮し潜熱を液体に伝えてドレンとなり、下側のドレンタンク35に貯められる。この液体は、また温度が高くなった状態で熱駆動ポンプFへパイプ36を通って導入される。このように集熱体Eを多層化しヒートロスを抑えることで、熱効率の高い携帯式熱伝達装置を提供することができる。また図示は省略したが、第3集熱体32の外側を発泡材などの断熱外皮覆うと効率はさらに向上する。
さらにこの実施例では、例えば耐熱プラスチックなどで作られた排気ダクト37を設けてあり、この内部に上述した主熱交換器34を収納し、排気口38と一体に構成されている。排気孔38の外側には、第1防風板41と第2風防板42とかなるボックス型の排気孔防風板39が取付けられている。このとき排気孔38の端部は、そのベース面38aより若干突出38bさせている。一方吸気ダクト1の吸気孔1’の外方にも上記排気孔防風板39と同じ構成の吸気孔防風板40が設けられている。そして吸気孔1’及び排気孔38は、装置の同一方向で互いに離して設置されている。
これは、外部から風を受けたとき吸気孔1’及び排気孔38に同一の風圧が加わるようにして、火炎の吹き消えが起こらないようにするためで、大気圧バーナー式の風呂釜等で実用化されている。風呂釜の場合には、吸気孔・排気孔が一体で作られ互いに熱交換することで排気損失を少なくするようになっている。この実施例でもこのようにすることで損失を減少することができる。しかしながら本発明の燃焼室12は、風呂釜等の場合の数百分の一程度の内容積しかなく燃焼室負荷(燃焼室発熱量/燃焼室内容積cc)が高い。これは燃焼室温度が高くなり、火炎が安定する反面、燃焼騒音が大きくなる。この騒音はでディフューザー11、ベンチュリー管3、吸気孔1’へと向うものと排気孔38に向うものとに分かれ、そして大気に解放され減衰、消滅してしまう。ここでもし吸気孔1’と排気孔38とが近接していると、吸気孔1’及び排気孔38が音響学的に結合して、ある特定の周波数が強められる共振が発生し易くなり、騒音が圧力変動へ変化していき火炎は消されてしまう。これを防止するため、燃焼室、排気孔と燃焼室の気体の通る道の距離をできるだけ短くすると共に互いにある距離を離して設置する必要がある。どうしても近接させなければならない場合、両者の間に壁を設けて音響学的結合を遮断する必要がある。第1及び第2の防風板41,42は、吸気孔1’及び排気孔38に直接風圧が加わらないように孔を完全に覆う大きさにすることが好ましい。防風板は、吸気孔1’及び排気孔38の面より間隔をあけて設置して、その間隔から吸気、排気が行われる。
なお上述した吸気孔防風板40及び排気孔防風板39は、図3のようにボックス型にする方が望ましいが、図6及び図7のような第1防風板41と第2防風板42とを組み合わせた構造にしても構わない。また吸気孔1’及び排気孔38に設ける2つの防風板は、図示したように互いが同一平面となるようにすることが風圧の差がなくより好ましいが、平面位置が若干ずれていても構わない。
上述した第四の実施例によれば、携帯式熱伝達装置のスムーズな起動と安全運転がなしうるが、以下その運転状況について説明する。
本装置の燃焼は、排気ガスの熱を未燃混合気に熱還流して燃焼を促進させ、燃焼室12内で安定燃焼させようとするものである。そのためには、熱輻射で熱還流する多孔性固体輻射変換体17に相当する金網層や良好な輻射能をもつセラミクス製の燃焼器Dの温度が数百℃に上がることが望ましい。いわゆる暖機運転が必要になるが、先ず低温度状態でも着火できるように、LPG、空気の混合比が理論混合比より濃い状態にすることが必要となる。
まずガス開閉レバー6を手で動かしガス開閉弁7を開くと、ガスはLPGボンベ8から圧力レギュレーター9で調圧され、ガス遮断バルブ22まで達する。一方ガス開閉レバー6は、電源Lのスイッチ24と機械的に連動していて、スイッチ24もONになり制御装置Iも作動する。これによってタイマーがスタートして、ガス遮断バルブ22の電磁石に通電する。これで本装置は、スタンバイの状態となり、表示装置Kの液晶ディスプレイにそれが表示される。また制御装置Iは、温度センサーJで第2集熱体31の温度をモニターし始める。
この状態で手動の着火動作が行われる。すなわち吸気ダクト1内で回転する絞り弁4と同軸で連動する着火用のレバー5を手で時計方向に回すと、絞り弁4が回り吸気ダクト1の通気断面が狭められる。同レバー5は、機械的にボタン23、着火用圧電素子43のノブがリンクして結合しているため、ボタン23が押し下げられると弁が電磁石に吸着され、LPGがガス遮断弁22からノズル2へ流れていく。そしてベンチュリー管3に負圧が発生し、吸気孔1’から空気が吸引される。吸気ダクト1は、絞り弁4で狭められているため、混合気は着火に適した理論混合比よりもLPGが濃い混合気が燃焼器Dに供給される。このときレバー5のもう一端が板バネ44の爪に引掛って止まり、この状態が保持される。
そして着火用圧電素子43のノブが何回か押されると、燃焼室12内で点火プラグ16に火花が飛び、混合気に着火する。この状態が保持され徐々に温度が上昇すると、第2集熱体31も温度が上昇していく。制御装置Iは、この温度の時間当り上昇率から着火成功と判断して、しばらくこの状態保持する。やがて第2集熱体31の温度が設定値(例えば100℃程度)に達すると(燃焼器D、多孔性固体輻射変換体17が充分効果を発揮し始める温度に達したと考えられるため)、リセット磁石45に短時間通電をする。リセット磁石45は、板バネ44に取付けられた継鉄46を吸着し、板バネ44の爪が下がり、レバー5は矢印方向(反時計回り)にバネ47で引戻され、ストッパー48で止まる。すると連動している絞り弁4は回転し、吸気ダクト1の通気断面が拡大し、より多量の空気が導入され、理論混合比よりも少し薄い(LPGが少し少ない)混合気が燃焼器Dに供給される。
これで本装置は定常状態になり、熱駆動ポンプFは燃焼室で発生した熱を液体に乗せ、外部の熱負荷Hへ送出すようになる。もし着火が行われず第2集熱体31の温度が設定値に達していないと、制御装置Iは着火ミスと判断し、タイマーにより一定時間後(60〜90秒程度)ガス遮断バルブ22への通電を停止し、ガス供給は止まることとなる。
また定常状態の運転時に突風などで火炎が立消え第2集熱体31の温度が別の設定値(例えば105℃)以下になると共に低下し続けた場合、炎が消えたと判断し、同じくガス遮断バルブ22への通電を停止し、ガスを止めるようになっている。逆に何等かの事情、例えば熱駆動ポンプFが故障、停止した場合など第2集熱体31の温度が急上昇することが起き、高温側の設定値(例えば150℃)に達すると、燃焼器Dの過熱と判断し直ちにガス遮断バルブ22への通電を止めガスを止めるように作動する。いずれの場合でも、液晶ディスプレイの状態表示器Kに本装置の状態が表示され、場合によっては圧電スピーカーで同じに音を発することで、利用者に状態を知らせることができる。
本装置は、内部で火炎燃焼が行われていて、裸火のように外から直ぐに燃焼の状態を目視できないために、立消え防止と過熱防止の安全機構の装備が求められる。制御装置Iは、マイクロコンピューターが組込まれた電子回路を用いると良く、これによって本装置は電源Lのバッテリーから電力を供給されるが、熱電変換素子Tからの電力供給が充分になったら、バッテリーからの電力供給を止めることで、電源Lの電力消費を最小減にすることができる。さらに熱電変換素子Tからの電力の一部を電源L側に供給して、バッテリーが2次電池やキャパシタの場合は、これを充電させることも可能である。なお制御装置Iに供給される電力は、熱電変換素子Tからの電圧が燃焼部の発熱量により変動するので、これを一定にして回路に供給する電圧レギュレーター回路を組込むことが好ましい。
またこの実施例において図5に示すように、第1集熱体30と第2集熱体31との間に例えばセラミックスなどで形成した断熱層49を設けることにより、熱の漏れを防止することにより一層断熱効果を高めることも可能である。
なお図4において19aは、熱駆動ポンプFに設けた泡取りタンク、34aは排気ダクト入り口部に設けた逆流防止壁、35aはドレインタンク内に設けた逆流防止パイプをそれぞれ示すものである。
上記の実施例においては、燃焼器Dに燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体17を内蔵した例について説明しているが、装置の目的、用途等で許容されるときには、この多孔性固体輻射変換体を省略することも可能である。
本発明の携帯式熱伝達装置の第一の実施例を示すブロック図である。 本発明の携帯式熱伝達装置の第二の実施例を示す断面図である。 本発明の携帯式熱伝達装置の第三の実施例を示部分的な断面図である。 本発明の携帯式熱伝達装置の第四の実施例を示す断面図である。 第四実施例の集熱体の部分を一部変更した例を示す一部拡大断面である。 本発明の携帯式熱伝達装置に用いる風防板の別の実施例を示す一部断面斜視図である。 図6の断面図である。
符号の説明
A 携帯式熱伝達装置本体
B ガス供給装置
C 空気吸引・ガス・空気混合装置
D 燃焼器
E 集熱体
F 熱駆動ポンプ
G 液体循環回路
H 外部の熱負荷
I 制御装置
J 温度センサー
K 状態表示器
L 電源
T 熱電変換素子
1 吸気ダクト
1’ 吸気孔
2 ガス噴出ノズル
3 ベンチュリー管
4 絞り弁
5 レバー
6 ガス開閉レバー
7 ガス開閉弁
8 ボンベ
9 圧力レギュレーター
10 圧力レギュレーターつまみ
11 ディフューザー
12 燃焼室
13 平坦面
14 炎孔
15 穴
16 点火プラグ
17 多孔性固体輻射交換体
18 火炎面
19 加熱部
20 リード線
21 パイプ
22 ガス遮断バルブ
23 ボタン
24 スイッチ
25 断熱材シール
26 上流側熱交換部
27 下流側熱交換部
28 孔
29 孔
30 第1集熱体
31 第2集熱体
32 第3集熱体
33 液体
34 主熱交換器
35 ドレンタンク
36 パイプ
37 排気ダクト
38 排熱孔
38a ベース
38b 突出
39 排気孔防風板
40 吸気孔防風板
41 第1防風板
42 第2防風板
43 着火用圧電子
44 板バネ
45 リセット電磁石
46 継鉄
47 バネ
48 ストッパー
49 断熱層

Claims (8)

  1. LPGボンベを含むガス供給装置と、このガスで働くガス噴出ノズル及びベンチュリー管とを備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置と、ここで発生した混合気を燃焼室内で火炎燃焼させるための燃焼器と、これを囲んで設置した集熱体と、熱駆動ポンプと、高温側を集熱体に低温側を熱駆動ポンプにそれぞれ接合させた熱電変換素子と、制御装置とからなり、前記燃焼器で発生した熱により加熱した液体を熱駆動ポンプにより液体回路を経て熱負荷に伝えると共に、熱電変換素子で発生した電力で制御装置を作動させることを特徴とする携帯式熱伝達装置。
  2. 燃焼室内での燃焼によって生じた燃焼排気の熱エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体を内蔵した火炎燃焼方式の燃焼器を用いることを特徴とする請求項1記載の携帯式熱伝達装置。
  3. 燃焼器を取り囲み、かつ燃焼器との間に空間を構成するように一以上の集熱体を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の携帯式熱伝達装置。
  4. ガス・空気混合装置における吸気ダクトの吸気孔外方近傍位置に吸気孔防風板を設けると共に、燃焼部の下流に設けた排気ダストの排気孔外方近傍位置に排気孔防風板を設け、上記吸気孔及び排気孔は装置の同一方向で互いに離して設置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
  5. 上記排気ダクト内に、熱駆動ポンプにおける液体回路の一部を配設すると共に該部に熱交換機能を組込んだことを特徴とする請求項4記載の携帯式熱伝達装置。
  6. 集熱体の温度をモニターし、必要時にガス供給装置に働きかけてガスを遮断する制御装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
  7. 上記制御装置を一時的に動かす電源を組込んだことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
  8. 上記制御装置により制御された燃焼の状態を表示する状態表示器を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
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