JP2007113909A - 携帯式熱伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LPGボンベを含むガス供給装置Bと、このガスで働くガス噴出ノズル及びベンチュリー管とを備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置Cと、ここで発生した混合気を燃焼室内で火炎燃焼させるための燃焼器Dと、これを囲んで設置した集熱体Eと、熱駆動ポンプFと、高温側を集熱体Eに低温側を熱駆動ポンプFにそれぞれ接合させた熱電変換素子Tと、制御装置Iとからなり、前記燃焼器Dで発生した熱により加熱した液体を熱駆動ポンプFにより液体回路を経て熱負荷Hに伝えると共に、熱電変換素子Tで発生した電力で制御装置Iを作動させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
一方本発明者も、触媒燃焼装置に熱駆動ポンプを組込み、加熱液体を循環させる携帯式熱伝達装置を既に提案している。(特許文献1参照。)
これを防ぐため、理論混合比を外して反応させているが、燃料を濃くする方向に外すと着火性は向上し扱い易くなるものの、不完全燃焼となり燃料の無駄使いとなると共に、悪臭のする排気ガスを排出することになる。一方燃料を薄くする方向に外すと完全燃焼となり燃料の無駄がなくなり、排気ガスもきれいになるが、相対的に増大する空気量を賄うには非力なベンチュリー管による空気吸引では限界がある。特に触媒は、混合気との接触面積が大きくなくてはならず、このため流路抵抗が大きくなりガスの噴出力以外に外部の動力例えばバッテリーでファンを回し空気を導入する等の手段が必要となり、携帯式装置にあっては、複雑で大掛かりになるうらみがあった。
さらにまた本発明は、上記熱電変換素子の電力により駆動され集熱器の温度をモニターし、必要時にガス供給装置に働きかけてガスを遮断する制御装置を組込んだことを特徴とするものである。そして本発明は、上記制御装置を一時的に動かす電源を組込んだことも特徴とするものであり、さらに上記制御装置により制御された燃焼の状態を表示する状態表示器を備えたことをも特徴とするものである。
本発明は、LPGをガス・空気混合装置によって混合気とし、これを燃焼器で火炎燃焼させるが、燃焼器を囲んで設けられた集熱体には高温側を集熱体に低温側を熱駆動ポンプに接合させた熱電変換素子を組込んでいるため、熱駆動ポンプによる加熱で液体を昇温させて外部の熱負荷に熱を伝えることができると共に、上記熱電変換素子により電力を発生することができ、この電力で制御装置を作動させることができるものである。
図において大きな長方形の枠が携帯式熱伝達装置Aの本体全体を示し、この中のブロックが本発明を構成するそれぞれの装置を示しており、各ブロック間は使用するガス、空気、液体等の物質、熱、電気の流れを示す矢印でつながっている。
このようにして得られた混合気の圧力は、ディフューザーの中で速度のエネルギーが圧力のエネルギーに変換され、大気圧より僅かに高くなる。この圧力差が混合気を、燃焼器、排気ダクトを通り排出させる原動力となる。
なお多孔性固体輻射変換体によって、排気ガスは熱エネルギーの一部を取られてしまうので排気ガスの温度は少し低下するが、その分は燃焼器内部に戻されているので、燃焼器自体がより高温になる。
この燃焼器を囲んで設置された集熱体Eは、燃焼器Dからの熱を集めるもので、一般に銅等の熱良導体で作られている。
このような制御装置Iを組込むことにより、燃焼異常による障害を未然に防止し、安全を確保できることとなる。
このうちガス供給装置Bは、頂部にツマミ10を有する圧力レギュレーター9と、内部にLPGが充填され、ガス開閉レバー6とガス開閉弁7とを介して連結されたガスボンベ8とからなっており、さらにこの出口と後述するガス・空気混合装置Cとの間の通路には、ガス遮断バルブ22及びその操作用のボタン23が設けられている。
本発明における混合比調整機構は、上述した例のように空気量を制限して行う方法が簡便で好都合であるが、空気量はそのままでガスの供給量を増すことでも混合比を濃くすることもできる。この場合はもう1個のガスノズルをディフューザー内に設けて圧力レギュレーターと配管で繋ぎ、間にガス開閉バルブを設置すれば良い。この場合のガスノズルは、ディフューザーの下流部分で、流れに対して略直交するような方向に噴出するように設置すれ空気吸引には影響を及ぼすことなく、ガスと空気の混合に寄与することとなる。
次に火炎が何等かの理由で立消えた場合、燃焼状態からの立消えでは集熱体Eの温度が、もう一つの設定値以下になること及び温度が下がり続けていると立消えと判断し、制御装置Iはガス遮断バルブ22への通過を遮断する。また点火ミスによる場合は、電源スイッチ24がONになってからある一定時間(30秒〜60秒)以内に集熱体Eの温度上昇がないとき点火ミスと判断し、ガス遮断バルブ22への通電も止められる。
電源Lは、バッテリーでスイッチ24をONにすると制御装置Iに電気を供給するようになっている。スイッチ24は、リンク機構でガス開閉レバー6と機械的に連結されていて、ガス開閉弁7が開かれるとスイッチ24がONになるようになっている。
以上のように、制御装置I、状態表示器K及び電源Lを組込むと、燃焼異状による障害を未然に防止して異状表示もできるため、装置の安全性を高めることができ、さらにはこれら制御および表示を安定的に行える効果がある。
そして燃焼室12には、上記図2の実施例と同様、出口部分に燃焼室内で燃焼によって生じた燃焼排気エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体17が設置されている。
なお第三の実施例で使われる燃焼器Dは、輻射能に優れた耐熱性のセラミクスで形成するのが良いが、ステンレス等の耐熱性金属でも十分に使用可能である。
このうち熱電変換素子Tの小型化であるが、本発明では外部の熱負荷Hへの熱の移送は熱駆動ポンプFが自立的に行うため、熱電変換素子Tからの電力供給は不要である。発生した電力はもっぱら制御装置Iの作動に用いられるため、小型の熱電変換素子Tで充分である。そしてこのことは、燃焼器D回りのサイズを小さくし集熱体Eを含む燃焼部の小型化を可能にし、表面積に比例して増えるヒートロスを可及的に小さくすることができることとなる。
ここで前記第1集熱体30は、高温になるため例えば銅などの熱良導体で作られ、熱電変換素子Tの高温側に密着して熱を伝える。
一方第2集熱体31は、アルミなどの熱良導体で作られ、前記第3集熱体32とは空間を設けて取付けられ、その内側面が熱電変換素子Tの低温側に、また外側面が熱駆動ポンプFの加熱部19にそれぞれ密着して接合させている。このようになっているので、熱駆動ポンプFの吸熱能力は高く、第2集熱体31の温度が上昇するとこれを吸収するため、ポンプ作用が活発になり液体吐出量が増大する。このためガス流量が増大し燃焼器Dでの発熱量が増大しても第2集熱体31の温度はさほど上昇せず、通常110℃〜130℃の範囲内となる。上記第1集熱体30は、ガス流量によって大幅に温度が変化するが、その値は熱電変換素子Tの大きさにもよるが、第2集熱体31より150℃〜250℃高くなると見込まれる。熱伝変換素子Tは、この温度差で発電するため、ガス流量に応じて出力が増減する。また上記第1集熱体30、第2集熱体31には、多数の孔が開いていて排気ガスの熱を吸収する熱交換器の役目を果たしている。
第3集熱体32は、内部が空洞で液体33が満たされたウオータージャケット構造を側部に備えていて、外部の熱負荷Hで冷やされた液体がここに導入され、内部の燃焼部や熱駆動ポンプFからの放熱を吸収するようになっている。この液体33は、次に下流側に設けられた主熱交換器34に導かれ、第2集熱体31からの排気ガス(約100℃)によって加熱される。このとき排気ガスは、約50℃程度まで温度が下げられ大量の水蒸気が凝縮し潜熱を液体に伝えてドレンとなり、下側のドレンタンク35に貯められる。この液体は、また温度が高くなった状態で熱駆動ポンプFへパイプ36を通って導入される。このように集熱体Eを多層化しヒートロスを抑えることで、熱効率の高い携帯式熱伝達装置を提供することができる。また図示は省略したが、第3集熱体32の外側を発泡材などの断熱外皮覆うと効率はさらに向上する。
これは、外部から風を受けたとき吸気孔1’及び排気孔38に同一の風圧が加わるようにして、火炎の吹き消えが起こらないようにするためで、大気圧バーナー式の風呂釜等で実用化されている。風呂釜の場合には、吸気孔・排気孔が一体で作られ互いに熱交換することで排気損失を少なくするようになっている。この実施例でもこのようにすることで損失を減少することができる。しかしながら本発明の燃焼室12は、風呂釜等の場合の数百分の一程度の内容積しかなく燃焼室負荷(燃焼室発熱量/燃焼室内容積cc)が高い。これは燃焼室温度が高くなり、火炎が安定する反面、燃焼騒音が大きくなる。この騒音はでディフューザー11、ベンチュリー管3、吸気孔1’へと向うものと排気孔38に向うものとに分かれ、そして大気に解放され減衰、消滅してしまう。ここでもし吸気孔1’と排気孔38とが近接していると、吸気孔1’及び排気孔38が音響学的に結合して、ある特定の周波数が強められる共振が発生し易くなり、騒音が圧力変動へ変化していき火炎は消されてしまう。これを防止するため、燃焼室、排気孔と燃焼室の気体の通る道の距離をできるだけ短くすると共に互いにある距離を離して設置する必要がある。どうしても近接させなければならない場合、両者の間に壁を設けて音響学的結合を遮断する必要がある。第1及び第2の防風板41,42は、吸気孔1’及び排気孔38に直接風圧が加わらないように孔を完全に覆う大きさにすることが好ましい。防風板は、吸気孔1’及び排気孔38の面より間隔をあけて設置して、その間隔から吸気、排気が行われる。
なお上述した吸気孔防風板40及び排気孔防風板39は、図3のようにボックス型にする方が望ましいが、図6及び図7のような第1防風板41と第2防風板42とを組み合わせた構造にしても構わない。また吸気孔1’及び排気孔38に設ける2つの防風板は、図示したように互いが同一平面となるようにすることが風圧の差がなくより好ましいが、平面位置が若干ずれていても構わない。
本装置の燃焼は、排気ガスの熱を未燃混合気に熱還流して燃焼を促進させ、燃焼室12内で安定燃焼させようとするものである。そのためには、熱輻射で熱還流する多孔性固体輻射変換体17に相当する金網層や良好な輻射能をもつセラミクス製の燃焼器Dの温度が数百℃に上がることが望ましい。いわゆる暖機運転が必要になるが、先ず低温度状態でも着火できるように、LPG、空気の混合比が理論混合比より濃い状態にすることが必要となる。
まずガス開閉レバー6を手で動かしガス開閉弁7を開くと、ガスはLPGボンベ8から圧力レギュレーター9で調圧され、ガス遮断バルブ22まで達する。一方ガス開閉レバー6は、電源Lのスイッチ24と機械的に連動していて、スイッチ24もONになり制御装置Iも作動する。これによってタイマーがスタートして、ガス遮断バルブ22の電磁石に通電する。これで本装置は、スタンバイの状態となり、表示装置Kの液晶ディスプレイにそれが表示される。また制御装置Iは、温度センサーJで第2集熱体31の温度をモニターし始める。
そして着火用圧電素子43のノブが何回か押されると、燃焼室12内で点火プラグ16に火花が飛び、混合気に着火する。この状態が保持され徐々に温度が上昇すると、第2集熱体31も温度が上昇していく。制御装置Iは、この温度の時間当り上昇率から着火成功と判断して、しばらくこの状態保持する。やがて第2集熱体31の温度が設定値(例えば100℃程度)に達すると(燃焼器D、多孔性固体輻射変換体17が充分効果を発揮し始める温度に達したと考えられるため)、リセット磁石45に短時間通電をする。リセット磁石45は、板バネ44に取付けられた継鉄46を吸着し、板バネ44の爪が下がり、レバー5は矢印方向(反時計回り)にバネ47で引戻され、ストッパー48で止まる。すると連動している絞り弁4は回転し、吸気ダクト1の通気断面が拡大し、より多量の空気が導入され、理論混合比よりも少し薄い(LPGが少し少ない)混合気が燃焼器Dに供給される。
また定常状態の運転時に突風などで火炎が立消え第2集熱体31の温度が別の設定値(例えば105℃)以下になると共に低下し続けた場合、炎が消えたと判断し、同じくガス遮断バルブ22への通電を停止し、ガスを止めるようになっている。逆に何等かの事情、例えば熱駆動ポンプFが故障、停止した場合など第2集熱体31の温度が急上昇することが起き、高温側の設定値(例えば150℃)に達すると、燃焼器Dの過熱と判断し直ちにガス遮断バルブ22への通電を止めガスを止めるように作動する。いずれの場合でも、液晶ディスプレイの状態表示器Kに本装置の状態が表示され、場合によっては圧電スピーカーで同じに音を発することで、利用者に状態を知らせることができる。
本装置は、内部で火炎燃焼が行われていて、裸火のように外から直ぐに燃焼の状態を目視できないために、立消え防止と過熱防止の安全機構の装備が求められる。制御装置Iは、マイクロコンピューターが組込まれた電子回路を用いると良く、これによって本装置は電源Lのバッテリーから電力を供給されるが、熱電変換素子Tからの電力供給が充分になったら、バッテリーからの電力供給を止めることで、電源Lの電力消費を最小減にすることができる。さらに熱電変換素子Tからの電力の一部を電源L側に供給して、バッテリーが2次電池やキャパシタの場合は、これを充電させることも可能である。なお制御装置Iに供給される電力は、熱電変換素子Tからの電圧が燃焼部の発熱量により変動するので、これを一定にして回路に供給する電圧レギュレーター回路を組込むことが好ましい。
またこの実施例において図5に示すように、第1集熱体30と第2集熱体31との間に例えばセラミックスなどで形成した断熱層49を設けることにより、熱の漏れを防止することにより一層断熱効果を高めることも可能である。
なお図4において19aは、熱駆動ポンプFに設けた泡取りタンク、34aは排気ダクト入り口部に設けた逆流防止壁、35aはドレインタンク内に設けた逆流防止パイプをそれぞれ示すものである。
B ガス供給装置
C 空気吸引・ガス・空気混合装置
D 燃焼器
E 集熱体
F 熱駆動ポンプ
G 液体循環回路
H 外部の熱負荷
I 制御装置
J 温度センサー
K 状態表示器
L 電源
T 熱電変換素子
1 吸気ダクト
1’ 吸気孔
2 ガス噴出ノズル
3 ベンチュリー管
4 絞り弁
5 レバー
6 ガス開閉レバー
7 ガス開閉弁
8 ボンベ
9 圧力レギュレーター
10 圧力レギュレーターつまみ
11 ディフューザー
12 燃焼室
13 平坦面
14 炎孔
15 穴
16 点火プラグ
17 多孔性固体輻射交換体
18 火炎面
19 加熱部
20 リード線
21 パイプ
22 ガス遮断バルブ
23 ボタン
24 スイッチ
25 断熱材シール
26 上流側熱交換部
27 下流側熱交換部
28 孔
29 孔
30 第1集熱体
31 第2集熱体
32 第3集熱体
33 液体
34 主熱交換器
35 ドレンタンク
36 パイプ
37 排気ダクト
38 排熱孔
38a ベース
38b 突出
39 排気孔防風板
40 吸気孔防風板
41 第1防風板
42 第2防風板
43 着火用圧電子
44 板バネ
45 リセット電磁石
46 継鉄
47 バネ
48 ストッパー
49 断熱層
Claims (8)
- LPGボンベを含むガス供給装置と、このガスで働くガス噴出ノズル及びベンチュリー管とを備え、かつ始動のための混合比調整機構を有するガス・空気混合装置と、ここで発生した混合気を燃焼室内で火炎燃焼させるための燃焼器と、これを囲んで設置した集熱体と、熱駆動ポンプと、高温側を集熱体に低温側を熱駆動ポンプにそれぞれ接合させた熱電変換素子と、制御装置とからなり、前記燃焼器で発生した熱により加熱した液体を熱駆動ポンプにより液体回路を経て熱負荷に伝えると共に、熱電変換素子で発生した電力で制御装置を作動させることを特徴とする携帯式熱伝達装置。
- 燃焼室内での燃焼によって生じた燃焼排気の熱エネルギーを輻射エネルギーに一部変換するための多孔性固体輻射変換体を内蔵した火炎燃焼方式の燃焼器を用いることを特徴とする請求項1記載の携帯式熱伝達装置。
- 燃焼器を取り囲み、かつ燃焼器との間に空間を構成するように一以上の集熱体を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の携帯式熱伝達装置。
- ガス・空気混合装置における吸気ダクトの吸気孔外方近傍位置に吸気孔防風板を設けると共に、燃焼部の下流に設けた排気ダストの排気孔外方近傍位置に排気孔防風板を設け、上記吸気孔及び排気孔は装置の同一方向で互いに離して設置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
- 上記排気ダクト内に、熱駆動ポンプにおける液体回路の一部を配設すると共に該部に熱交換機能を組込んだことを特徴とする請求項4記載の携帯式熱伝達装置。
- 集熱体の温度をモニターし、必要時にガス供給装置に働きかけてガスを遮断する制御装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
- 上記制御装置を一時的に動かす電源を組込んだことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
- 上記制御装置により制御された燃焼の状態を表示する状態表示器を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の携帯式熱伝達装置。
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