JP2007111828A - 移動ロボット用放熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動ロボットにおいて、熱伝導部材の組み付けが容易で、かつ充分冷却可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】人型歩行ロボットの上腕部3a内の複数のCPU5aから出る熱をヒートシンク3fから外部に放熱する移動ロボット用放熱構造において、AF点未満の温度からそのAF点以上の温度まで昇温すると変形形状から所定元形状に復元する形状記憶特性を持つ材料からなる二枚の伝熱板8aと、ヒートシンク3fに熱伝導可能に取り付けられ、AF点未満の温度ではCPU5aに所定接触圧より低い接触圧で接触し、AF点以上の温度になると上記伝熱板8aの所定元形状へ復元しようとする変形によりそれら伝熱板8a自体が附勢されてCPU5aに所定接触圧以上の接触圧で密接して伝熱する熱伝導部材8と、を具える。
【選択図】図6

Description

この発明は、移動ロボットの内部の複数の発熱体から出る熱をヒートシンク等の放熱部材から外部に放出する移動ロボット用放熱構造に関するものである。
移動ロボットは近年、自律的に移動するために歩行制御回路等の電気装置を内蔵しており(例えば特許文献1参照)、その電気装置は作動し続けるとかなりの熱を発生する発熱体となるため、その熱を効率良く外部に放出しないとその電気装置ひいては移動ロボットの動作が不安定になり、甚だしい場合は移動ロボットが動作停止に至ってしまうという不都合がある。
特開2002−154083号公報
ところで、放熱部材の一種であるヒートシンクは通常、発熱体から熱伝導で受けた熱を放熱するため、発熱体に密接させて設けている。しかしながら、移動ロボットは一般に高密度に電気装置を搭載していることから、内部にヒートシンクを配置するスペースが充分ないので、常に充分な大きさのヒートシンクを設けられるとは限らず、しかもヒートシンクがスペースを取り過ぎてしまうと内部での冷却風の流れが悪くなり、これらによって電気装置の発熱量に対しヒートシンクの放熱能力が不足すると、電気装置を充分に冷却することができないという問題があった。
さらに、近年は移動ロボットへの防塵防滴の要請から、移動ロボットの内部に冷却風を効率良く流すことができない場合があるという問題もあった。また、内部に封入した液体の相変化で熱を移動させるヒートパイプも知られているが、ヒートパイプは曲げ半径の制約があって、高密度実装では所望の配置ができない場合があるという問題があった。
そこで、この問題を解決するため、本願発明者は先に、間に隙間を空けて配置した二枚の伝熱板をそれらの端部で一体的に結合して構成した一または複数の熱伝導部材を具え、複数の発熱体を二つずつ一または複数の対にし、熱伝導部材の二枚の伝熱板をそれぞれそれらの発熱体に密接させてそれらの発熱体から熱伝導可能に配置し、前記熱伝導部材の二枚の伝熱板の結合部を放熱部材に一体的に結合した放熱構造を特願2005−204420号にて提案した。
しかしながらこの提案した放熱構造では、熱伝導部材の伝熱板と発熱体との相対的な配置にズレがあると充分な接触圧が得られず、効率の良い熱伝達が行われなくなってしまうという不都合があった。
そして、このズレをなくすように組付けの精度を上げるため、発熱体を具えた回路基板に対するファスナ等の締結部材の組付け強度を上げて、発熱体に熱伝導部材を一体的に組み付けることとすると、発熱体や熱伝導部材の組み付けに極めて手間が掛かるようになるという不都合があり、また制御基板の調整やメンテナンス作業等の際にその制御基板や当該熱伝導部材を取り外す分解作業も煩雑になってしまうという不都合があった。
それゆえこの発明は、放熱部材とは別に設けた熱伝導率の比較的良い金属材料等からなる熱伝導部材で発熱体の熱を放熱部材に運んで、適当な場所に配置した充分な大きさの放熱部材で放熱することにより、移動ロボットの内部の発熱体を充分に冷却し得るようにするとともに、発熱体や放熱部材と熱伝導部材とを充分な接触圧で密接させ、しかも発熱体や熱伝導部材の組み付けに手間が掛からないようにすることを目的とし、さらには発熱体や熱伝導部材の取り外しの手間も掛からないようにすることを目的としている。
かかる課題を有利に解決するこの発明の移動ロボット用放熱構造は、移動ロボットの内部の発熱体から出る熱を放熱部材から外部に放熱する移動ロボット用放熱構造において、所定温度未満の温度からその所定温度以上の温度まで昇温すると変形形状から所定元形状に復元する形状記憶特性を持つ材料からなる変形部材と、前記発熱体および前記放熱部材のうちの何れか一方に熱伝導可能に取り付けられ、前記所定温度未満の温度では前記発熱体および前記放熱部材のうちの他方から離間するかまたはその他方に所定接触圧より低い接触圧で接触し、前記所定温度以上の温度になると前記変形部材の前記所定元形状へ復元しようとする変形により附勢されて前記他方に前記所定接触圧以上の接触圧で密接して伝熱する熱伝導部材または、前記発熱体および前記放熱部材以外の部材に取り付けられ、前記所定温度未満の温度では前記発熱体および前記放熱部材のうちの少なくとも一方から離間するかまたはその少なくとも一方に所定接触圧より低い接触圧で接触し、前記所定温度以上の温度になると前記変形部材の前記所定元形状へ復元しようとする変形により附勢されて前記発熱体および前記放熱部材に前記所定接触圧以上の接触圧で密接して伝熱する熱伝導部材と、を具えることを特徴とするものである。
かかる移動ロボット用放熱構造にあっては、変形部材の温度が所定温度以下の時は、熱伝導部材が、移動ロボットの内部の電気装置等の発熱体と、ヒートシンク等の放熱部材との少なくとも一方から離間しているが、発熱体の発熱等により変形部材が昇温して変形部材の温度が所定温度以上になると、その変形部材が所定元形状へ復元しようと変形し、その変形により熱伝導部材が、発熱体と放熱部材とのうちの一方に取り付けられている場合は他方に所定接触圧以上の充分高い触圧で密接し、発熱体および放熱部材以外の部材に取り付けられている場合はそれらの両方に所定接触圧以上の充分高い接触圧で密接して、発熱体の熱が放熱部材へ熱伝導で効率良く伝えられるようになり、これにより発熱体の熱が放熱部材から移動ロボットの外部に放出される。ここで、放熱部材は、良好な放熱能力があればヒートシンクには限られず、例えば表面積の広い金属性フレーム等でも良い。
従って、この発明の移動ロボット用放熱構造によれば、移動ロボットが電気装置等の発熱体を他の構造物と一緒に高密度に搭載していても、発熱体から出た熱を、放熱部材とは別に設けた熱伝導部材によって放熱部材に運んで、適当な場所に配置した充分な大きさの放熱部材で放熱することができるので、移動ロボットの内部の発熱体を充分に冷却することができる。
しかも、この発明の移動ロボット用放熱構造によれば、発熱体や熱伝導部材の組み付けの際には変形部材を元形状から変形させておくことで、熱伝導部材を移動ロボットの内部の電気装置等の発熱体とヒートシンク等の放熱部材との少なくとも一方から離間させておくか、またはその少なくとも一方に所定接触圧より低い接触圧で接触するようにしておくので、発熱体や熱伝導部材の組み付けを容易に行うことができる。
なお、この発明の移動ロボット用放熱構造においては、前記熱伝導部材は、前記変形部材からなるものでも良く、このようにすれば、熱伝導部材の他に変形部材を設ける必要がないので熱伝導部材をコンパクトに構成し得て、発熱体の周囲のスペースが僅かな場合でも熱伝導部材を配置することができる。
また、この発明の移動ロボット用放熱構造においては、前記熱伝導部材は、互いに隙間を空けて配置された複数の前記発熱体の間にそれらの発熱体にそれぞれ対向して複数配置されていても良く、このようにすれば、複数の発熱体から容易に熱を放熱部材に伝えることができる。
さらに、この発明の移動ロボット用放熱構造においては、前記変形部材は、前記所定温度以上の温度からその所定温度未満の温度まで降温すると前記元形状から前記変形形状に変形する双方向の形状記憶特性を持つものであっても良く、このようにすれば、発熱体や熱伝導体の取り外しの際には、移動ロボットの作動を停止させることから発熱体等の発熱も止んで、変形部材の温度が下がって元形状から変形形状に変形し、熱伝導部材が移動ロボットの内部の電気装置等の発熱体とヒートシンク等の放熱部材とのうちの少なくとも一方から離間するので、発熱体や熱伝導体の取り外しも容易に行うことができる。
さらに、この発明の移動ロボット用放熱構造においては、前記移動ロボットは歩行ロボットであっても良い。また前記発熱体は前記移動ロボットの腕または脚の内部に位置し、前記放熱部材は前記腕または脚の外部に面していても良く、このようにすれば、移動ロボットの腕または脚の内部に搭載された分散制御系の電気装置を効率良く冷却することができる。
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の移動ロボット用放熱構造の一実施例としての、人型歩行ロボットの電気装置としての腕用制御基板のCPUの冷却用の放熱構造を示す、後述の図4(b)中のA−A線に沿う横断面図、図2(a),(b)および(c)は、上記実施例の放熱構造を具える人型歩行ロボットを例示する正面図,側面図および背面図、図3は、その人型歩行ロボットを後方の斜め上方から見た斜視図、図4(a)および(b)は、その人型歩行ロボットの上腕部を示す正面図およびその図4(a)中のB−B線に沿う縦断面図、図5は、その人型歩行ロボットの上腕部内に収容された上記腕用制御基板と上記実施例の放熱構造との構成を模式的に示す分解斜視図、そして図6(a)および(b)は、組み付け時およびその人型歩行ロボットの作動時の上記腕用制御基板に対する上記実施例の放熱構造の状態を模式的に示す断面図である。
この実施例の放熱構造を具える移動ロボットの一例としての人型歩行ロボットは、図2(a),(b)および(c)ならびに図3に示すように、胴体1の下に二本の脚部2を具え、それらの脚部2で既知の方法により倒立振り子的に動的バランスをとりながら歩行するものである。この人型歩行ロボットはまた、胴体1のロボット自身から見て左右に腕部3を具えるとともに、胴体1上に頭部4を具えており、ここで、胴体1は、腰部1cで互いに前後および左右回動可能に連結された上半部1aと下半部1bとからなっている。
また、上記人型歩行ロボットの腕部3は、上腕部3aと、その上腕部3aの肘部3bで屈曲可能に連結された前腕部3cとを有しており、その上腕部3aの防塵防滴構造の殻状のフレーム3d内には、図1および図4に示すように、肘部3bの駆動用のモータ3eが収納されている他、その肘部駆動用モータ3eや手首部および手部のそれぞれの駆動用モータの作動を制御するための分散制御系を構成する四枚のノードコンピュータ基板5および二枚のマルチチャンネルモータドライバ基板6と、それらの基板の電源用のDC−DCコンバータ基板7とが収納されている。
ここで、ノードコンピュータ基板5は、図1および図5に示すように、各々発熱体としてのCPU5aを搭載して二枚ずつ対になり、各対で向き合わせに配置されており、各対のノードコンピュータ基板5の二つのCPU5aの間には、この実施例の放熱構造を構成する熱伝導部材8の、変形部材としての二枚の伝熱板8aが介装され、それらの伝熱板8aの互いに対抗する外側面は後述の如くして、人型歩行ロボットの作動時にそれぞれ、その外側面に対向するCPU5aに所定の接触圧(例えば面接触で良好な熱伝導が得られる0.5kg/cm)以上の接触圧で直接密接(密着接触)してそのCPU5aから熱伝導で熱を受ける。
すなわちこの実施例の放熱構造では、熱伝導部材8は、上記二枚の伝熱板8aとそれらの一端部を結合する結合部8bとを例えばニッケル−チタン合金等の形状記憶合金によって一体に形成することでそれらの伝熱板8aを間に空間を空けて並置した加熱時形状(元形状)を有し、その結合部8bを例えばアルミ合金や銅合金等の熱伝導率の比較的高い金属材料によって形成した支持板8cにネジ止めして構成したものであり、二枚の伝熱板8aは、上腕部3aの組立前にあらかじめ常温以下の低温化で、図6(a)に示す如き、互いに基部付近まで接する変形形状に変形されている。またこの熱伝導部材8の、形状記憶合金としてのAF点(加熱時形状に戻りきる温度)は、常温よりも高いがノードコンピュータ基板5等の内部搭載機器の動作保証上限温度(通常最も低いもので60℃程度)よりは低い例えば約50℃に設定されている。
一方、上腕部3aの殻状のフレーム3dの後部には、フレーム3dの外面に露出して腕の長手方向へ延在する多数のフィンを持つヒートシンク3fがそのフレーム3dと一体に形成されている。
そして上腕部3aの組立の際には、二枚の伝熱板8aが上記の如く変形した状態で、先ず熱伝導部材8が、殻状のフレーム3d内にそのフレーム3dの前側の開口部から挿入されて、図1および図6に示す如く、その熱伝導部材8の支持板8cが、ヒートシンク3fに熱伝導で熱を伝え得るようにヒートシンク3fの内面にボルトで密着固定され、次いで各対のノードコンピュータ基板5が、同様にフレーム3d内にそのフレーム3dの前側の開口部から挿入されて、図5中矢印Cで示すように、各対のノードコンピュータ基板5の二つのCPU5aの間に上記二枚の伝熱板8aが差し込まれるようにフレーム3d内に配置され、図6(a)に示すように、各対のノードコンピュータ基板5の二つのCPU5aに上記二枚の伝熱板8aの外側面がそれぞれ対向する位置にて、ヒートシンク3fの内面に図示しないボルトで固定される。
また、この実施例の放熱構造では、上腕部3aのフレーム3d内の上記DC−DCコンバータ基板7に搭載された発熱体としての電源素子が、上記ヒートシンク3fに熱伝導で熱を伝え得るようにそのヒートシンク3fの内面に、熱伝導率の良いシリコンシートを介して間接的に密接している。
さらに、この実施例の放熱構造では、二枚の伝熱板9aとそれらの一端部を結合する結合部9cとを例えばアルミ合金や銅合金等の熱伝導率の比較的高い金属材料によって一体に形成することでそれらの伝熱板9aを間に空間を空けて並置し、それら二枚の伝熱板9aの間の隙間に例えば耐熱性ウレタンやグラスウールやベークライト等の熱伝導率の比較的低い断熱材9bを挟み込んで形成した熱伝導部材9を、上腕部3aのフレーム3d内の上記二枚のマルチチャンネルモータドライバ基板6の間に挟み込んであり、その熱伝導部材9の二枚の伝熱板9aの両外側面は、それら二枚のモータドライバ基板6にそれぞれ搭載された発熱体としてのモータ制御用素子に熱伝導で熱を伝え得るよう直接密接しており、その熱伝導部材9の結合部9cは、図4(b)に示すように、フレーム3dの下部の内面にボルトで密着固定されている。
かかるこの実施例の移動ロボット用放熱構造にあっては、歩行ロボットの上腕部3aの内部の四枚のノードコンピュータ基板5の、発熱体としてのCPU5aが二つずつ対になっていて、歩行ロボットの組立後、作動前の状態では、図6(a)に示すように、各対の二つのCPU5aに対し、各熱伝導体8の形状記憶合金からなる並置した二枚の伝熱板8aの基部のみの互いに対抗する外側面がそれぞれ上記所定接触圧より低い接触圧で接触して熱伝導可能とされている。
そしてその後、歩行ロボットの作動開始によってそれらのCPU5aが発熱すると、図6(a)中矢印Hで示すように、それらのCPU5aの熱が二枚の伝熱板8aの互いに対抗する外側面に熱伝導で伝えられ、これにより二枚の伝熱板8aが次第に昇温して,その温度が上記AF点以上になると二枚の伝熱板8aが、図6(b)中矢印Sで示すように、加熱時形状に戻ろうとして互いに離間し、これにより図6(b)に示すように、各対のノードコンピュータ基板5の二つのCPU5aの互いに対向する面の全面に対し、各熱伝導体8の形状記憶合金からなる二枚の伝熱板8aの互いに対抗する外側面が上記所定接触圧以上の接触圧で直接密接してそれぞれ効率的に熱伝導可能となるので、図6(b)中矢印Hで示すように、CPU5aから多量の熱が二枚の伝熱板8aの内部の熱伝導でそれらの伝熱板8aの一端部の結合部8bまで伝えられ、その結合部8bに支持板8cを介して一体的に結合されたヒートシンク3fにさらに熱伝導で伝えられて、そのヒートシンク3fから効率的に外部に放熱される。
なお、この実施例の移動ロボット用放熱構造における伝熱板8aは、上記AF点以上の温度からそのAF点未満の温度まで降温しても、図6(b)の加熱時形状から図6(a)の変形形状には変形しない一方向性のものとしている。
またこの実施例の移動ロボット用放熱構造にあっては、歩行ロボットの上腕部3aの内部の二枚のモータドライバ基板6の、発熱体としてのモータ制御用素子も二つ対になっていて、その対の二つのモータ制御用素子が、熱伝導率の比較的良い金属材料からなる熱伝導体9の並置した二枚の伝熱板9aの互いに対抗する外側面に対し直接密接してそれぞれ熱伝導可能とされており、歩行ロボットの作動によってそれらのモータ制御用素子が発熱すると、それらのモータ制御用素子の熱が二枚の伝熱板9aの互いに対抗する外側面に熱伝導で伝えられ、二枚の伝熱板9aの間の隙間には断熱材9bが入っているので、モータ制御用素子からの熱は断熱材9bより熱抵抗の低い二枚の伝熱板9aの内部の熱伝導でそれらの伝熱板9aの一端部の結合部9cまで伝えられ、その結合部9cに一体的に結合された殻状のフレーム3dの下部にさらに熱伝導で伝えられてそのフレーム3dから外部に放熱される。
さらに、歩行ロボットの上腕部3aの内部のDC−DCコンバータ基板7の、発熱体としての電源素子も、発熱するとその熱が上腕部3aの殻状のフレーム3dの後部のヒートシンク3fの内面にシリコンシートを介して熱伝導で伝えられて、そのヒートシンク3fから外部に放熱される。
従って、この実施例の移動ロボット用放熱構造によれば、歩行ロボットの上腕部3aが、各々CPU5a等の発熱体を持つノードコンピュータ基板5やモータドライバ基板6やDC−DCコンバータ基板7等を高密度に搭載していても、それらの発熱体から出た熱を、放熱部材としてのフレーム3dやヒートシンク3fとは別に設けた熱伝導部材8,9によってそれらフレーム3dやヒートシンク3fに運んで、外部に面した充分な大きさのそれらフレーム3dやヒートシンク3fで放熱することができるので、歩行ロボットの上腕部3aの内部の分散制御系の発熱体を充分に冷却することができる。
また、この実施例の移動ロボット用放熱構造によれば、熱伝導部材8の二枚の伝熱板8aを形状記憶合金で形成していることから、歩行ロボットが上記の如くCPU5aやモータ制御用素子や電源素子等の発熱体を他の構造物と一緒に高密度に搭載していても、それらCPU5a等の発熱体から出た熱を、フレーム3dやヒートシンク3fとは別に設けた熱伝導部材8,9によってフレーム3dやヒートシンク3fに運んで、適当な場所に配置した充分な大きさのそれらフレーム3dやヒートシンク3fで放熱することができるので、歩行ロボットの内部のCPU5a等の発熱体を充分に冷却することができる。
しかも、この実施例の移動ロボット用放熱構造によれば、CPU5aや熱伝導部材8の組み付けの際には、変形部材としての二枚の伝熱板8aを互いに接触するようにあらかじめ元形状から変形させて熱伝導部材8を薄くして、熱伝導部材8を歩行ロボットの上腕部3aの殻状のフレーム3d内で各対のノードコンピュータ基板5のCPU5aに所定接触圧より低い接触圧で接触するようにしているので、各対のノードコンピュータ基板5の、殻状のフレーム3d内への組み付けを容易に行うことができる。
さらに、この実施例の移動ロボット用放熱構造によれば、熱伝導部材8の伝熱板8aは形状記憶合金製の変形部材からなることから、熱伝導部材8の他に変形部材を設ける必要がないので熱伝導部材8をコンパクトに構成し得て、各対をなすノードコンピュータ基板5のCPU5a間の隙間が僅かな場合でも熱伝導部材8をそこに容易に配置することができる。
さらに、この実施例の移動ロボット用放熱構造によれば、熱伝導部材8の二枚の伝熱板8aは、互いに隙間を空けて配置された二個のCPU5aの間にそれらにそれぞれ対向して配置されていることから、二個のCPU5aから容易に熱をヒートシンク3fに伝えることができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、上記実施例では変形部材としての伝熱板8aは、上記AF点以上の温度からそのAF点未満の温度まで降温しても加熱時形状から変形形状には変形しない一方向性のものとしたが、変形部材は、AF点以上の温度からそのAF点未満の温度まで降温すると元形状から変形形状に変形する双方向の形状記憶特性を持つものであっても良く、かかる変形部材として、形状記憶合金の代わりに例えばバイメタル等の、温度変化で変形する材料からなるものを用いても良い。
また例えば、上記実施例では熱伝導部材8が放熱部材としてのヒートシンク3fに取り付けられて、発熱体としてのCPU5aに密接するが、この発明の放熱構造は、熱伝導部材が発熱体に取り付けられて放熱部材に密接しても良く、あるいは熱伝導部材が発熱体および放熱部材以外の部材に取り付けられて、発熱体および放熱部材に密接しても良い。そして変形部材は、熱伝導部材と別に設けられてその熱伝導部材を附勢するものでも良い。
さらに例えば、上記実施例では放熱構造が、人型歩行ロボットの上腕部3a内の基板上の発熱体の冷却を行ったが、この発明の放熱構造は、人型歩行ロボットの前腕部3cや脚部2や胴体1内の電気装置の冷却を行っても良く、また人型以外の歩行ロボットや、脚以外の車輪等の移動手段を具える移動ロボットに用いても良い。
さらに例えば、前記熱伝導部材の数および配置は、所要に応じて、上記実施例以外のものに適宜変更しても良い。
かくしてこの発明の移動ロボット用放熱構造によれば、移動ロボットが電気装置等の発熱体を他の構造物と一緒に高密度に搭載していても、発熱体から出た熱を、放熱部材とは別に設けた熱伝導部材によって放熱部材に運んで、適当な場所に配置した充分な大きさの放熱部材で放熱することができるので、移動ロボットの内部の発熱体を充分に冷却することができる。
しかも、この発明の移動ロボット用放熱構造によれば、発熱体や熱伝導部材の組み付けの際には変形部材を元形状から変形させておくことで、熱伝導部材を移動ロボットの内部の電気装置等の発熱体とヒートシンク等の放熱部材との少なくとも一方から離間させておくか、またはその少なくとも一方に所定接触圧より低い接触圧で接触するようにしておくので、発熱体や熱伝導部材の組み付けを容易に行うことができる。
この発明の移動ロボット用放熱構造の一実施例としての、人型歩行ロボットの電気装置としての腕用制御基板のCPUの冷却用の放熱構造を示す、図4(b)中のA−A線に沿う横断面図である。 (a),(b)および(c)は、上記実施例の放熱構造を具える人型歩行ロボットを例示する正面図,側面図および背面図である。 上記人型歩行ロボットを後方の斜め上方から見た斜視図である。 (a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの上腕部を示す正面図および(a)中のB−B線に沿う縦断面図である。 上記人型歩行ロボットの上腕部内に収容された上記腕用制御基板と上記実施例の放熱構造との構成を模式的に示す分解斜視図である。 (a)および(b)は、組み付け時および上記人型歩行ロボットの作動時の上記腕用制御基板に対する上記実施例の放熱構造の状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 胴体
1a 上半部
1b 下半部
1c 腰部
2 脚部
3 腕部
3a 上腕部
3b 肘部
3c 前腕部
3d フレーム
3e モータ
3f ヒートシンク
4 頭部
5 ノードコンピュータ基板
5a CPU
6 モータドライバ基板
7 DC−DCコンバータ基板
8,9 熱伝導部材
8a,9a 伝熱板
9b 断熱材
8b,9c 結合部
8c 支持板

Claims (7)

  1. 移動ロボットの内部の発熱体から出る熱を放熱部材から外部に放熱する移動ロボット用放熱構造において、
    所定温度未満の温度からその所定温度以上の温度まで昇温すると変形形状から所定元形状に復元する形状記憶特性を持つ材料からなる変形部材と、
    前記発熱体および前記放熱部材のうちの何れか一方に熱伝導可能に取り付けられ、前記所定温度未満の温度では前記発熱体および前記放熱部材のうちの他方から離間するかまたはその他方に所定接触圧より低い接触圧で接触し、前記所定温度以上の温度になると前記変形部材の前記所定元形状へ復元しようとする変形により附勢されて前記他方に前記所定接触圧以上の接触圧で密接して伝熱する熱伝導部材と、
    を具えることを特徴とする、移動ロボット用放熱構造。
  2. 移動ロボットの内部の発熱体から出る熱を放熱部材から外部に放熱する移動ロボット用放熱構造において、
    所定温度未満の温度からその所定温度以上の温度まで昇温すると変形形状から所定元形状に復元する形状記憶特性を持つ材料からなる変形部材と、
    前記発熱体および前記放熱部材以外の部材に取り付けられ、前記所定温度未満の温度では前記発熱体および前記放熱部材のうちの少なくとも一方から離間するかまたはその少なくとも一方に所定接触圧より低い接触圧で接触し、前記所定温度以上の温度になると前記変形部材の前記所定元形状へ復元しようとする変形により附勢されて前記発熱体および前記放熱部材に前記所定接触圧以上の接触圧で密接して伝熱する熱伝導部材と、
    を具えることを特徴とする、移動ロボット用放熱構造。
  3. 前記熱伝導部材は、前記変形部材からなることを特徴とする、請求項1または2記載の移動ロボット用放熱構造。
  4. 前記熱伝導部材は、互いに隙間を空けて配置された複数の前記発熱体の間にそれらの発熱体にそれぞれ対向して複数配置されていることを特徴とする、請求項1から3までの何れか記載の移動ロボット用放熱構造。
  5. 前記変形部材は、前記所定温度以上の温度からその所定温度未満の温度まで降温すると前記元形状から前記変形形状に変形する双方向の形状記憶特性を持つものであることを特徴とする、請求項1から4までの何れか記載の移動ロボット用放熱構造。
  6. 前記移動ロボットは、歩行ロボットであることを特徴とする、請求項1から5までの何れか記載の移動ロボット用放熱構造。
  7. 前記発熱体は前記移動ロボットの腕または脚の内部に位置し、
    前記放熱部材は前記腕または脚の外部に面していることを特徴とする、請求項1から6までの何れか記載の移動ロボット用放熱構造。
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