JP2007110042A - 受動素子及びその製造方法、受動素子の実装構造及びその実装方法 - Google Patents

受動素子及びその製造方法、受動素子の実装構造及びその実装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インダクタ、電気抵抗等を薄型化及び小型化し、特性値を可変できる受動素子を提供すること。
【解決手段】封止材25の一方の面に一方向に沿って互いに分離して配置された複数の薄膜導体10と、前記一方向に沿って互いに分離して配置され、封止材25に少なくとも一部分が埋設された複数のワイヤ導体12−1とを有し、薄膜導体10とワイヤ導体12−1とが接続されてコイル状導体を形成したインダクタ部品34。この受動素子では、外部に露出する薄膜導体10のいずれかを端子として選択することによって、特性値を可変にできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子回路に使用されるインダクタ、電気抵抗等の受動素子(特に特性値を可変にして任意に選択可能である受動素子)及びその製造方法、こうした受動素子の実装構造及びその実装方法に関するものである。
近年、携帯電話などモバイル商品の小型化進展によって、搭載される部品には、より小型、高密度で低価格の部品の要求が強くなってきている。これに伴い、半導体ICパッケージは飛躍的に小型化、高密度化が進んできており、最近では単品のICパッケージではなく、複数のICチップや受動部品、その他機能デバイスを内蔵したモジュールパッケージが多数提案されている。このモジュールパッケージの搭載部品のうち、受動部品は様々な形態でICチップや基板内、他の機能部品内に集積されてきている。
受動素子としてのインダクタは、巻線構造によって、巻線インダクタ、積層インダクタに大別され、一般に、巻線が非磁性体を内包するコイルは空芯型コイルと呼ばれている。巻線インダクタは、磁性体又は非磁性体材料からなるボビンに導体をばねのように螺旋状に巻いた構造をもつ(例えば、後記の非特許文献1、特許文献1を参照)。積層インダクタは、スクリーン印刷によって導体ペーストを用いて所望のコイルパターンを形成した薄いシート(磁性体又は非磁性体材料からなる)の複数枚を、積層、圧着、焼結して巻線を形成する構造をもつ(例えば、後記の特許文献2を参照)。
モジュールパッケージには多数のインダクタ部品が搭載されているが、インダクタンス値が大きく、Q値の大きいインダクタは、性能を確保するため巻線インダクタが主流であった。
通常、電子機器の小型化を図るため、インダクタもチップ部品として構成されチップインダクタとして回路基板に搭載(実装)される。このようなチップインダクタは市販されており、その大きさは規格化されており、各種のサイズのチップインダクタが入手可能である。
図16は、従来技術(後記の非特許文献1を参照)による巻線型チップインダクタの概略を例示説明する斜視図である。
図16に示すように、アルミナコア50に複数ターン巻かれたワイヤ56の端部はそれぞれアルミナコア50の脚部に形成されている、基板への接続用の外部電極57に接続されている。ワイヤ56及びアルミナコア50の上部の領域は樹脂コーティング58によって保護されている。図16に示すチップインダクタは、アルミナコア50をボビンとした空芯型チップインダクタである。なお、図16に示すタイプのチップインダクタは市販品カタログ(例えば、後記の非特許文献1を参照)に記載されている。従来、最も小さい巻線型チップインダクタは、長さ1.0mm、幅0.6mm、高さ0.5mm程度である。
図17は、従来技術による巻線型チップインダクタを搭載(実装)しているモジュールの概略を例示説明する図である。
図17に示すように、図16に示すような巻線型チップインダクタ38は、例えば、デユプレクサの如き機能部品を内部に含むセラミックパッケージ32と共に、モジュール基板30に搭載(実装)される。巻線型チップインダクタ38の高さは、セラミックパッケージ32の高さの半分程度か同程度である。なお、図17では、基板30に搭載された部品を封止する封止材は図示していない。
図18は、別の従来技術(後記の特許文献1の図2を参照)によるチップインダクタの構成を例示説明する図であり、(A)は透視斜視図、(B)は平面図、(C)はK−K部の断面図である。
このチップインダクタは、複数の電極と、これら電極間に接続される金属線と、少なくとも金属線を封止するパッケージとで構成され、かつ電極を外部コンタクトして構成されている。図18に示すように、チップインダクタ51の電極52は細幅の銅板で形成されており、複数の電極(図18では12個の電極)52が互いに対向するように2列に配列されている。対向する電極間と、対向する電極の一方向に向けた隣りの電極間にそれぞれ金線53をボンディングし、この金線53のボンディングによって電極52を直列状態に電気接続し、インダクタを形成している。これら電極52と金線53とが樹脂54によって一体的に封止され、かつこれら電極52と金線53の両端に相当する2個の電極52A、52Bは外部コンタクトとして各先端部が比較的長く封止樹脂から突設され、下方に向けてL字状に曲げ形成されている。
なお、特許文献1、特許文献2、非特許文献1に記載のインダクタはいずれも固定されたインダクタンス値をもつ。
特開平8−162329号公報 特開2004−14534号公報 村田製作所、Cat. No.O05-13(2005年1月)
モジュールパッケージは、一般的に10数個又は数10個の受動部品をLTCC(Low Temparature Cofired Ceramic、低温焼成セラミック)等のモジュール基板上に半田付け実装することが多い。特に携帯電話のRF部分のモジュールには、インダクタンス値やQ値の大きいインダクタを必要とし、これらインダクタンス値(L)、Q値を確保(具体的には、L=10nH〜20nH、Q=40以上)のため、通常巻線インダクタを用いる。巻線インダクタは、いわゆる1005サイズのチップ部品が最小である。このため、例えば、携帯電話向けのRFモジュールでは、0603や0402部品が採用される中、この1005サイズの巻線インダクタを実装することがネックとなり、モジュールの小型化に限界があった。
即ち、モジュールパッケージにインダクタ部品を搭載する場合、インダクタンス値、Q値の大きいインダクタは、通常性能を確保するため巻線インダクタが使用されるが、その構造上、小型化が非常に難しく、モジュール全体の小型化のネックになっている。
チップとして構成された薄型、小型のインダクタとして、巻線インダクタ、積層インダクタがあるが、いずれもインダクタンス値が固定された固定インダクタであり、インダクタンス値を可変にできインダクタンス値を用途に応じて任意に選択できないという問題があった。
従来技術で得られる最も小さい巻線型チップインダクタは、長さ1.0mm、幅0.6mm、高さ0.5mm程度であり、モジュール全体の小型化、薄型化には限界があった。また、巻線型チップインダクタは固定インダクタであるため、自由度がなく僅かなインダクタンス値の変更を行うにもインダクタ部品を交換する必要があった。
このため、インダクタンス値を可変にできる小型、薄型の可変インダクタが望まれている。
従来技術では、通常のチップ部品は半田付け仕様となっているため、半田が流れて端子間でショートが発生したり、金属ワイヤが打てなかったりするなど、リードフレーム上に実装するのが困難であると言う問題もある。
なお、特許文献1では、図18に示すように、電極52と金線53の直列回路の両端部に相当する電極52A、52Bは外部コンタクトとして樹脂54からの突出長さを長めにし、その他の電極52は樹脂54からの突出長さを短くして、外部コンタクトとしてその両端を曲げ加工し、その先端部がパッケージの底面に沿うような形状としている(段落0017)。
即ち、金属ワイヤ26の接続電極52A、52Bはチップインダクタの両端部に限定されており、固定インダクタであることが明白である。樹脂54からの突出長さを短くしている電極52を外部コンタクトとしての電極として使用するのであれば、電極52A、52Bと同様の形状に構成するはずであり、突出長さを短くしている電極52は外部コンタクトとしての電極として使用することはできない。
また、複数の電極の端部が封止用の樹脂の外面に露出されるのを回避するために、電極を切断した後に樹脂材や塗料を塗布して端部を覆い隠すようにしてもよい(段落0025)ことから、突出長さを短くしている電極52を外部コンタクトとしての電極として使用することは何も考慮されていない。
特許文献1に記載のチップインダクタは固定インダクタでありインダクタンス値を選択することはできず、また、外部コンタクトとしての電極52A、52Bは比較的長く樹脂から突設され下方に向けてL字状に曲げ形成されるので、チップ部品の外形寸法の小型化困難であるという問題がある。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、インダクタ、電気抵抗等を薄型化及び小型化し、特性値を可変にして任意に選択可能である受動素子及びその製造方法、受動素子の実装構造、並びに受動素子の実装方法を提供することにある。
即ち、本発明は、封止材の一方の面に、一方向に沿って互いに分離して配置された複数の薄膜導体と、前記一方向に沿って互いに分離して配置され、前記封止材に少なくとも一部分が埋設された複数のワイヤ導体とを有し、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが接続されてコイル状導体を形成している受動素子に係るものである。
また、本発明は、薄膜導体を一方向に沿って互いに分離して基体上に形成する第1の工程と、前記薄膜導体をワイヤ導体で接続する第2の工程と、前記ワイヤ導体の少なくとも一部を封止材に埋設してコイル状導体を形成する第3の工程と、前記基体を除去する第4の工程とを有する、受動素子の製造方法に係るものである。
また、本発明は、上記の受動素子が実装基板に固定されている実装構造であって、前記封止材の前記一方の面に前記薄膜導体のいずれかが露出しており、これらの露出個所の任意の位置に存在する前記コイル状導体の端子が、前記実装基板の導体に接続固定されている実装構造に係るものである。
また、本発明は、上記の受動素子を実装基板に固定する実装方法であって、前記封止材の前記一方の面に前記複数の薄膜導体のいずれかを露出させ、これらの露出個所の任意の位置に存在する前記コイル状導体の端子を、前記実装基板の導体に接続固定する実装方法に係るものである。
本発明の受動素子は、前記複数の薄膜導体をワイヤ導体によって接続してコイル状導体を形成すると共に、前記封止材の外部に露出する前記各薄膜導体の面をコイル状導体の端子とすることができるので、前記受動素子を薄型化及び小型化することができ、しかも接続する前記端子の位置を選択することによって受動素子の特性値を任意に設定することができ、可変型の受動素子とすることができる。
また、本発明の受動素子の製造方法およびその実装方法は、特別な工程を要しないので一般的な通常の半導体組立工程で行うことができ、前記封止材から露出する前記各薄膜導体の面を端子とすることができるので、薄型化、小型化された可変型の受動素子を製造及び実装することができる。
本発明の実装構造、実装方法では、外部に露出する前記端子の位置選択によって前記受動素子の特性値が所望の値になるように選択した状態で、前記端子をワイヤボンディング又ははんだ付け方式によって前記実装基板に接続することができる。
このように、本発明によれば、薄型であり、特性値が任意に選択可能であって可変することができるインダクタ、電気抵抗等をチップとして構成した受動素子及びその製造方法、受動素子の実装構造、並びに受動素子の実装方法を提供するこができる。
本発明の受動素子では、前記薄膜導体が前記封止材に埋設された側で、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが接続されるのがよい。この結果、受動素子を薄型に構成することができる。
また、前記一方向において互いに隣接した一方の前記薄膜導体と他方の前記薄膜導体とが、前記一方向と交差する方向において互いに異なる位置で前記ワイヤ導体によって接続されているのがよい。この結果、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが直列に接続されるので、前記コイル状導体を形成することができる。
また、前記薄膜導体が前記封止材の前記一方の面に固着されていると、前記薄膜導体の前記封止材に固着されていない面は外部に露出しているので、前記複数の薄膜導体の任意の露出するする面を外部端子として選択して使用することができる。
また、前記薄膜導体は前記一方向と交差する方向においても互いに分離して第1及び第2の薄膜導体の対を構成し、これらの第1及び第2の薄膜導体が前記ワイヤ導体の一部としての第2のワイヤ導体によって接続され、この第2のワイヤ導体が前記封止材に埋設されると共に、前記第1の薄膜導体と前記第2の薄膜導体とが、前記封止材に埋設されない前記ワイヤ導体の一部としての第3のワイヤ導体によって接続され、前記第2及び第3のワイヤ導体が前記コイル状導体を形成しているのがよい。この結果、前記コイル状導体のループ径を大きくし、前記コイル状導体の長さを長くすることができるので、前記受動素子の特性値を向上させることができる。なお、前記第3のワイヤ導体の高さだけ増加するが、この増加は僅かであり、受動素子を薄型に構成することができる。
また、前記第1及び第2の薄膜導体は、前記交差する方向において前記第2のワイヤ導体によって接続されると共に、前記交差する方向において互いに異なる位置で前記第3のワイヤ導体によって接続されてもよい。この結果、前記第1及び第2の薄膜導体と前記第2及び第3のワイヤ導体とが直列に接続されるので、前記コイル状導体を形成することができる。
また、前記封止材に少なくとも磁性体が含有されていると、受動素子の特性値を向上させることができる。
また、前記複数の薄膜導体の任意の位置から、前記コイル状導体の端子が取り出されることによって、前記薄膜導体の任意の位置を前記コイル状導体の端子とすることができるので、端子の位置を選択することによって、受動素子の特性値を可変にすることができる。従って、異なる特性値をもつ受動素子を予めそれぞれ準備する必要がない。
また、前記受動素子は、前記端子と実装基板との間をワイヤボンディング方式によってリード線接続するリード線型受動素子、又は前記端子と実装基板との間をはんだ付け方式によって面接続する面実装型受動素子として構成することができる。
また、前記端子以外の領域が絶縁体によって覆われていると、前記端子として選択された前記薄膜導体の領域は外部に露出しているので、受動素子を前記第3のワイヤ導体を使用しない構成としたとき、面実装型受動素子として使用することができる。
また、前記受動素子は、コイル状導体を有するインダクタ部品であるのが好適であるが、電気抵抗部品であってもよい。この場合、インダクタンス値を可変とすることができる可変インダクタ又は電気抵抗値を可変とすることができる可変電気抵抗を実現でき、自由度の高いチップ素子を得ることができる。
本発明の受動素子の製造方法では、前記第2の工程は、前記一方向において互いに隣接した一方の前記薄膜導体と他方の前記薄膜導体とを、前記一方向と交差する方向において互いに異なる位置で前記ワイヤ導体によって接続する工程を有するのがよい。この結果、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが直列に接続されて前記コイル状導体が形成された受動素子を製造することができる。
また、前記第1の工程は、前記一方向と交差する方向においても互いに分離している第1及び第2の薄膜導体の対を構成している前記薄膜導体を形成する工程を有し、前記第2の工程は、対を構成する前記第1及び第2の薄膜導体を前記ワイヤ導体の一部としての第2のワイヤ導体によって接続する工程を有し、前記第3の工程は、前記第2のワイヤ導体を前記封止材に埋設する工程を有し、前記第3の工程の後に、前記第1の薄膜導体と前記第2の薄膜導体とを、前記ワイヤ導体の一部としての第3のワイヤ導体によって接続する工程を有し、前記第2及び第3のワイヤ導体によって前記コイル状導体を形成するのがよい。
この結果、前記コイル状導体のループ径を大きくし、前記コイル状導体の長さを長くすることができるので、前記受動素子の特性値を向上させることができる。なお、前記第3のワイヤ導体の高さだけ増加するが、この増加は僅かであり、薄型の構成の受動素子を製造することができる。
また、前記第1及び第2の薄膜導体を接続する工程では、前記交差する方向において前記第2のワイヤ導体によって接続すると共に、前記交差する方向において互いに異なる位置で前記第3のワイヤ導体によって接続するのがよい。この結果、前記第1及び第2の薄膜導体と前記第2及び第3のワイヤ導体とが直列に接続された前記コイル状導体をもつ受動素子を製造することができる。
その他、上記した理由から、前記第3の工程において、少なくとも磁性体が充填されている前記封止材を使用すること、前記複数の薄膜導体の任意の位置から、前記コイル状導体の端子を選択する工程を有すること、選択された前記端子以外の領域を絶縁体によって覆う工程を有すること、前記第4の工程の後に、前記一方向に沿う前記薄膜導体の列間において少なくとも前記封止材を切断して、個片化した受動素子を得る工程を有することもそれぞれ採用するのがよい。
このように個片化すれば、実装基板上に搭載されている他部品の隙間やリードフレーム上の隙間を埋めるように、この隙間の大きさに合わせて最適なサイズで個片に切断することによって、実装基板やリードフレーム上のスペースを有効に活用でき、チップ状の受動部品を高密度実装することが可能であり、全体として小型化を実現するモジュールのための受動素子を製造することができる。
また、隙間の大きさに合わせて複数の受動素子を1つのチップ部品とすることによって、チップ部品数を減らすこともできる。
この結果、受動素子の特性値を可変とすることができる薄型の可変型受動素子によって、自由度の高い実装構造及び実装方法を実現することができる。
以下、本発明の受動素子の代表例としてインダクタ部品を詳細に説明する。
このインダクタ部品(以下の説明では、チップインダクタとも言う。)では、金属板上封止材の一方の面に、この一方向に沿って分離して配置された複数の薄膜導体と、前記一方向に沿って互いに分離して配置され、封止材に少なくとも一部分が埋設された複数のワイヤ導体とを有し、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが接続されてコイル状導体が形成され、前記薄膜導体の一つの面が封止材の外部に露出している。
即ち、インダクタ部品は、金属板上に形成された薄膜導体による導体パターンを金属ワイヤによって直列に接続して形成されたコイル状導体によって構成される。このコイル状導体の一部は樹脂を使用して封止される。この樹脂は充填材として磁性材を含んでいると、インダクタ部品のインダクタンスを向上させることができる。樹脂封止の後に金属板を除去して、必要な箇所をダイサによって切断して個片化し、不要部分がトリミングされたインダクタ部品を作成する。
これによって、1005サイズの巻線インダクタを薄型化することができ、規格化されたサイズに限定されたチップ部品とは異なり、任意サイズのインダクタ部品を製造することができる。樹脂の外部に露出させた導体パターンの任意の位置を端子として選択することによって、インダクタンス値を任意に調整して選択可能な可変インダクタ部品を実現することができる。
また、この可変インダクタは、導体パターンを変更すること、又は、前記個片化の際に複数のインダクタを一群とするようにダイサによって切断することによって、任意のサイズに1パッケージ化することができる。可変インダクタ部品の選択された端子と実装(モジュール)基板のパッドやリードフレームとを金属ワイヤ等で接続することによって、高密度な実装を行い、パッケージやモジュールの小型化を実現することができる。可変インダクタは、特別なプロセスを使用する必要はなく、従来技術の一般的な通常の半導体組立工程で製造可能であり、実装を行うことができる。
第1の実施の形態
本実施の形態は、可変インダクタ部品を実現するための基本的な技術思想を含み、後述する他の実施の形態の基本となるものである。
本実施の形態によって得られるインダクタ部品は、ワイヤボンディング方式によって基板やリードフレーム等へリード線接続するリード線型インダクタであるが、はんだ付け方式によって基板へ面接続する面実装型インダクタにも応用できる。以下、リード線型インダクタとしてのインダクタ部品について説明を行う。面実装型インダクタとしてのインダクタ部品については、第4の実施の形態で説明する。
図1は、本実施の形態によるインダクタ部品(リード線型チップインダクタ)を基板に搭載(実装)した状態を例示説明する斜視図である。図2は、このインダクタ部品を基板に搭載(実装)した状態を例示説明する図であり、図2(A)は図1に関する平面図、図2(B)は図2(A)に示すZ−Z部の断面図(B)である。
図1、図2に示すように、インダクタ部品34は、封止材25の一方の面に露出して一方向(図1、図2の縦方向)に沿って分離して配置された複数の薄膜導体10と、この一方向に沿って互いに分離して配置され、封止材25に埋設された複数のワイヤ導体12−1とから構成され、隣接する薄膜導体10はワイヤ導体12−1によって封止材25の内部で薄膜導体10の片面で接続され、複数の薄膜導体10と複数のワイヤ導体12−1とが直列接続されてコイル状導体を形成している。薄膜導体10の片面は封止材25に固着し、他面は外部に露出している。
このインダクタ部品34は、ICチップ24が搭載された基板(例えばインタポーザ基板)20に絶縁性接着剤28を用いて搭載される。複数の薄膜導体10から選択された薄膜導体(図1、図2に示す例では、上から2番目、下から1番目の薄膜導体10が選択されている。)は、ワイヤボンダによって、金属ワイヤ26を用いて基板20のパッド22に接続され、更にICチップ24の接続用端子に接続される。図1、図2では図示していないが、金属ワイヤ26の接続がなされた後、インダクタ部品は他の機能部品と共に絶縁性封止材によって封止される。
インダクタ部品の薄膜導体10の面が上になり、薄膜導体10の面が外部に露出するようにして、絶縁性接着剤28によって封止材25の面が基板(又はリードフレーム)上に固定される。次に、基板の接続用パッドやリードフレームと薄膜導体10とを金属ワイヤ26で電気接続するが、この時、金属ワイヤ26と接続する薄膜導体10の位置を変える、即ち、インダクタンス値、Q値に応じて、金属ワイヤ26を接続する薄膜導体10を選択し、更に選択された薄膜導体10の長手方向において金属ワイヤ26を接続すべき位置を決める。
このようにして、金属ワイヤ26によって、薄膜導体10とワイヤ導体12−1とによって形成されるコイル状導体を所望の任意の長さで電気的に取出すことによって、インダクタンス値の調整をすることができる。従来技術では、接続のための特別な端子部分(図16に示す外部電極57、図18に示す外部コンタクト部分をもつ電極52A、52B)を必要とするが、本実施の形態では、金属ワイヤ26を接続するために特別に端子を設ける必要はない。従って、本実施の形態では、インダクタ部品の外形寸法は従来技術による固定インダクタよりも小型化が可能となる。
なお、図2に示す断面図では、封止材25内のワイヤ導体12−1を点線で示し、金属ワイヤ26を実線によって示している。以下に示す各図においても同様に、ワイヤ導体12−1、第2のワイヤ導体12−2、第3のワイヤ導体12−3、金属ワイヤ26を、点線又は実線によって示している。
図3は、インダクタ部品34の製造工程を例示して説明する図である。
図3(A)の上部の平面図及び図3(A)の下部のY−Y部の断面図に示すように、基体とするCu等の金属板27の面に、図4(B)の拡大部に示すように、例えば、Au(0.5μm)/Ni(5μm)/Au(0.5μm)からなる複数の薄膜導体10によって作られるパターンをメッキで形成する。図3に示す例では、厚さ0.1〜0.15mmの金属板27の縦方向長さは0.4mm、横方向の長さは0.9mmであり、薄膜導体の縦方向における配列ピッチは60〜70μmであり、縦に示す点線はパターンを横方向に3等分する線である。
ここで、薄膜導体10は蒸着によって形成することもできる。また、金属薄板を金属板27に導電性接着剤で接着して形成される薄膜導体10によって導体パターンの形成を行うこともできる。更に、基体とする金属板27に代えて、後で剥離可能な基体(ガラス、セラミック等)を使用することができる。
図3に示す例では、導体パターンは、6行1列に縦方向に配置される薄膜導体10によって金属板27の面に作られているが、この例に限定されることはない。任意の寸法、任意の厚さ、任意の行数及び列数をもつ薄膜導体10を、金属板27の面に作ることができる。
次に、図3(B)の上部の平面図及び図3(B)の下部のX−X部の断面図に示すように、縦方向に隣り合う薄膜導体10をつなぐようにワイヤ導体(金属ワイヤ)12−1を用いてワイヤボンダにより直列に結線して、コイル状導体を形成する。
図3に示す例では、この結線は、導体パターンを3分割する縦の点線による各領域毎になされているが、更に大きい数で分割してもよいし、分割しなくてもよい。作成しようとするインダクタのインダクタンスの値、Q値に応じて、分割数は、ワイヤ導体12−1の直径や長さ、前記の行数及び列数と共に適切な数にすればよい。即ち、コイル状導体のワイヤ径、ループ径、巻数、長さを適切な値となるようにする。
次に、図3(C)のX−X部の断面図に示すように、ワイヤ導体12−1が結線された配線パターンの全てを覆うように、金属板27の上部全体を封止材25(絶縁性樹脂)で封止する。この結果、ワイヤ導体12−1は封止材25に埋設され、薄膜導体10の片面は封止材25に固着した状態となる。なお、封止材25に、例えば、磁性材フィラーを混入させ、インダクタンスを向上させてもよい。
次に、図3(D)のX−X部の断面図に示すように、基体とした金属板27をエッチング処理によって除去し、薄膜導体10の他面の全てが外部に露出ようにする。このエッチング処理に使用するエッチング液は、金属板27をエッチングし、薄膜導体10をエッチングしないものを使用する。
次に、図3(E)のX−X部の断面図に示すように、必要ならば、図3(D)のX−X部の断面図に示す縦の点線の部分で、ダイサによって切断して個片化する。図3(E)に示す例では、0.3mmの横方向の長さに切断されている。
こうして個片化して得られるインダクタ部品34は、薄膜導体10とワイヤ導体12−1によって形成されたコイル状導体をもつインダクタとして機能する。ここで、ワイヤ導体12−1として金ワイヤ(径25μm)を用いると、インダクタンス値は2〜3nH、Qは約30となる。なお、前記の切断は、ワイヤ導体12−1の長さ、薄膜導体10の長さ寸法、前記の行数及び列数を考慮して、作成しようとするインダクタのインダクタンスの値、Q値に応じて行えばよい。即ち、コイル状導体のワイヤ径、ループ径、巻数、長さを適切な値となるようにする。
図4は、個片化されたインダクタ部品(チップインダクタ)34の構造を例示して説明する図であり、図4(A)は斜視図、図4(B)はW−W部の断面図である。図4は、図3(E)に示すインダクタ部品34を前記一方向に沿う軸のまわりに180度右回転させた図である(図1、図2も同様である)。
図4に示すインダクタ部品34の寸法は、例えば、横方向で0.3mm、縦方向で0.4mmであり、高さ方向で0.3mm以下である。
図4に示すように、薄膜導体10の他面の全てが外部に露出し、ワイヤ導体12−1は全て封止材25に埋設され、薄膜導体10の片面は封止材25に固着している。
任意の行数及び列数をもつ薄膜導体10による導体パターンの複数個を1枚の金属板27の面上にて異なる分画に作成することによって、各分画において独立して金属ワイヤ26を所望の薄膜導体10に接続することにより、異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを構成することができるので、1種のインダクタ部品から、異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを得ることができる。従って、省スペース化されたより高密度の実装が可能となる。
従来技術で得られる最も小さい巻線インダクタのサイズは、長さ1.0mm、幅0.6mm、高さ0.5mm程度であったが、本実施の形態によれば、インダクタ部品の高さが、金属ワイヤ12−1のループ高さ(150μm〜250μm)まで低くでき薄型化できるため、インダクタ部品の取付け高さが0.2mm〜0.3mmまでにできる。
第2の実施の形態
次に、上記した第1の実施の形態の変形例によるインダクタ部品(リード線型インダクタであり面実装型にも応用できる。)について説明する。薄膜導体による配線パターンの形状が上記した第1の実施の形態と大きく異なるが、その他については基本的に同じであるので、以下、相違点について説明する。
図5は、本実施の形態によるインダクタ部品(リード線型チップインダクタ)の製造工程を例示して説明する図である。
図5(A)の上部の平面図及び図5(A)の下部のV−V部の断面図に示すように、6行1列に縦方向に配列される薄膜導体11を1群とし、この3群を横方向に更に配列したパターンと、横方向に配列される各群を接続する接続用薄膜導体13とから形成される導体パターンが、金属板27の面に作る。
次に、図5(B)の上部の平面図及び図5(B)の下部のU−U部の断面図に示すように、図3(B)と同様にして、縦方向に隣り合う薄膜導体11をつなぐようにワイヤ導体12−1を用いてワイヤボンダによって直列に結線して、コイル状導体を形成する。
次に、図5(C)のU−U部の断面図に示すように、図3(C)と同様にして、ワイヤ導体12−1が結線された配線パターンの全てを覆うように、金属板27の上部全体を封止材25で封止する。
次に、図5(D)のU−U部の断面図に示すように、図3(D)と同様にして、金属板27をエッチング処理によって除去し、薄膜導体11の一面の全てを外部に露出させる。
次に、図3(E)と同様にして、所望ならば、図5(D)の断面図に示す縦の点線の部分で、ダイサによって切断して個片化する。例えば、図5(D)に示す縦の点線部分で切断すると、個片化して得られるサイズの小さなインダクタ部品は、図3(E)に示すインダクタ部品34と同じとなる。個片化を例えば2チップ分の位置で行うと、得られるサイズの大きなインダクタ部品は、薄膜導体11とワイヤ導体12−1と接続用薄膜導体13とによって形成されたコイル状導体をもち、大きなインダクタンス値をもったインダクタとして機能する。切断をしない場合には、コイル状導体は更に長くなるので、更に大きなインダクタンス値をもった3チップ分のインダクタ部品34−1となる。
図6は、第1の実施の形態と同様にして3チップ分のインダクタからなるインダクタ部品を基板に搭載(実装)した状態を例示して説明する平面図である。ここでは、インダクタ部品34−1のみを基板20に搭載した例を示す。基板20に他の機能部品が搭載され、この機能部品とインダクタ部品34−1とが接続される構成としてもよいことは言うまでもない。図6では図示していないが、金属ワイヤ26の接続がなされた後、インダクタ部品34−1は他の機能部品と共に絶縁性封止材によって封止される。
図6に示すインダクタ部品34−1の寸法は、横行方向で0.9mm、縦方向で0.4mmであり、高さ方向で0.3mm以下である。
第1の実施の形態と同様にして、金属ワイヤ26の接続によって、薄膜導体11と接続用薄膜導体13とワイヤ導体12−1とにより形成されるコイル状導体を所望の任意の長さで電気的に取出すことによって、広い範囲でインダクタンス値の調整をすることができる。
図5に示す構成において、複数の接続用薄膜導体13及び/又は複数の薄膜導体11のいずれかを取り除いたパターンを作成する構成、或いは、複数のワイヤ導体12−1のいずれかを接続しない構成として、薄膜導体11とワイヤ導体12−1とにより形成されるコイル状導体、或いは、薄膜導体11と接続用薄膜導体13とワイヤ導体12−1とにより形成されるコイル状導体が構成される複数の分画を形成して、金属ワイヤ26の接続によって、各分画毎に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを構成することができるので、1つのインダクタ部品に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを持たせることができる。従って、省スペースによってより高密度の実装が可能となる。
本実施の形態によるインダクタ部品34−1の高さは、上記した第1の実施の形態によるインダクタ部品34の高さと同じである。
第3の実施の形態
本実施の形態によって得られるインダクタ部品は、実質的にリード線でのみ形成されたチップインダクタである点が、上記した第1及び第2の実施の形態と大きく異なる。
本実施の形態では、上記した第1の実施の形態と基本的に同一の製造プロセスを用いる。但し、金属板の面に形成する導体パターンを構成する薄膜導体は、金属ワイヤ及びワイヤ導体のボンディング位置毎に分離した第1及び第2の薄膜導体として形成されていて連続していない点、基板又はリードフレームに搭載の前又は後に、第1及び第2の薄膜導体をワイヤ導体で結線して接続する点で、第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態では、第1及び第2の薄膜導体、封止材の内部及び外部に配置されるワイヤ導体によって第1の実施の形態よりも大きなループ径を有するコイル状導体をもつインダクタ部品を構成できる。従って、第1の実施の形態よりも大きなインダクタンス値、Q値をもつインダクタ部品を得ることができる。
図18に示す従来技術のチップインダクタでは、各電極52の間を、電極52の片面に接続される2本の金線53により結合しているため、ループ径を本質的に大きくすることができないが、本実施の形態では、第1及び第2の薄膜導体の表裏面(片面は封止材に固着し、他面は外部に露出する。)にそれぞれワイヤ導体を接続して、第1及び第2の薄膜導体の間を結合するので、ループ径を本質的に大きくすることができる。
図7は、本実施の形態によるインダクタ部品(リード線型チップインダクタ)を基板に搭載(実装)した状態を例示して説明する斜視図である。図8は、インダクタ部品を基板に搭載(実装)した状態を例示して説明する図であり、図8(A)は平面図、図8(B)はT−T部の断面図である。
図7、図8に示すように、インダクタ部品35は、封止材25の一方の面に露出して一方向(図7、図8の縦方向)に沿って配置された複数の第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2と、この一方向に沿って互いに分離して配置されて封止材25に埋設された複数の第2のワイヤ導体12−2、封止材25に埋設されない複数の第3のワイヤ導体12−3とから構成される。第1の実施の形態の薄膜導体10の代わりに、前記一方向と交差する方向(図7、図8の横方向)において対向して対をなし互いに分離する第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2が、封止材25の一方の面に露出して配置される。第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の片面は封止材25に固着し、他面は外部に露出している。これによって、ループ径の大きいコイル状導体を形成できる。
対をなす第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の間の距離は、図3に示す薄膜導体10がパターンを3分割する縦の点線により分割された長さ、又は、図5に示す薄膜導体11の長さ以下にする。これによって、本実施の形態では、ループ径の大きいコイル状導体を実現でき、第1の実施の形態によるインダクタ部品と同等以上のインダクタンス値、より大きなQ値をもつインダクタ部品を作成することができる。即ち、ワイヤ材質及びワイヤ径を同一としたとき、インダクタンス値が3〜4nH、Q値が約40のインダクタ部品を作成することができる。
対をなす第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2が、第2のワイヤ導体12−2によって封止材25の内部で第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の片面で接続され、第1の薄膜導体10−1とその隣の第1の薄膜導体10−1と対をなす第2の薄膜導体10−2とが、第3のワイヤ導体12−3によって封止材25の外部で接続されている。即ち、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の隣接する対は封止材25の外部で接続されている。この結果、複数の第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2と複数の第2及び第3のワイヤ導体12−2、12−3とが直列接続されてコイル状導体を形成している。なお、第3のワイヤ導体12−3による接続は、後述する基板等への搭載の前後のいずれかで行う。
上記した第1の実施の形態と同様にして、インダクタ部品は、ICチップ24が搭載された基板20に絶縁性接着剤28を用いて搭載される。複数の第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2から選択された薄膜導体(図7、図8に示す例では、下から1番目の第1の薄膜導体10−1、上から1番目の第2の薄膜導体10−2が選択されている。)は、ワイヤボンダにより、金属ワイヤ26を用いて基板20のパッド22に接続され、更にICチップ24の接続用端子に接続される。金属ワイヤ26の接続がなされた後、図7、図8では図示していないが、インダクタ部品は他の機能部品と共に絶縁性封止材によって封止される。
インダクタ部品の第3のワイヤ導体12−3、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の面が上になり、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の面が外部に露出するうにして、絶縁性接着剤28によって封止材25の面がインターポーザ基板、モジュール基板又はリードフレーム上に固定される。
次に、モジュール基板の接続用パッドやリードフレームと第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2とを金属ワイヤ26で電気接続するが、この時、金属ワイヤ26と接続する第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の位置を変える、即ち、インダクタンス値、Q値に応じて、金属ワイヤ26を接続する第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2を選択する。
このようにして金属ワイヤ26の接続により、第1及び第2の薄膜導体10−1、0−2と第2及び第3のワイヤ導体12−2、12−3とにより形成されるコイル状導体を所望の任意の長さで電気的に取出すことによって、インダクタンス値の調整をすることができる。
第1の実施の形態と同様に、本実施の形態では、金属ワイヤ26を接続するために特別に端子を設ける必要はない。従って、本実施の形態では、インダクタ部品の外形寸法は従来技術による固定インダクタよりも小型化が可能となる。
図9は、インダクタ部品の製造工程を例示説明する図である。
図9(A)の上部の平面図及び図9(A)の下部のS−S部の断面図に示すように、第1の実施の形態と同様にして、金属板27の面に第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対によって作られるパターンをメッキで形成する。
金属板27の厚さ、縦横長さは、図3に示す例と同じであり、薄膜導体10−1、10−2の縦方向における配列ピッチは60〜70μmであり、縦に示す点線はパターンを横方向に3等分する線である。
図9に示す例では、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対が、6行3列で縦方向に配置される導体パターンが形成されるが、この例に限定されることはない。任意の寸法、任意の厚さ、任意の行数及び列数をもつ第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対を、金属板27の面に作ることができる。
次に、図9(B)の上部の平面図及び図9(B)の下部のR−R部の断面図に示すように、対をなす第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2が、第2のワイヤ導体12−2によりワイヤボンダで第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の片面で接続される。
次に、図9(C)のR−R部の断面図に示すように、第2のワイヤ導体12−2が結線された配線パターンの全てを覆うように、金属板27の上部全体を封止材25(絶縁性樹脂)で封止する。この結果、第2のワイヤ導体12−2は封止材25に埋設され、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の片面は封止材25に固着した状態となる。
次に、図9(D)のR−R部の断面図に示すように、金属板27をエッチング処理によって除去し、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の他面の全てを外部に露出させる。
次に、図9(E)のR−R部の断面図に示すように、必要ならば、図9(D)のR−R部の断面図に示す縦の点線の部分で、ダイサによって切断して個片化する。個片化して得られるインダクタ部品35の基板等に搭載する前又は後で、図8、図9の縦方向に配列される第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対の間が、ワイヤボンダで第3のワイヤ導体によって封止材25の外部で接続される。即ち、第1の薄膜導体10−1と、その隣の第1の薄膜導体10−1と対をなす第2の薄膜導体10−2とが、第3のワイヤ導体12−3によって接続される。
このようにして個片化して得られるインダクタ部品35は、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2と第2及び第3のワイヤ導体12−2、12−3によって形成されたコイル状導体もつインダクタとして機能する。なお、前記の切断は、対をなす第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の間の距離、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対がなす前記の行数及び列数、第2及び第3のワイヤ導体12−2、12−3の長さを考慮して、作成しようとするインダクタのインダクタンスの値、Q値に応じて行えばよい。即ち、コイル状導体のワイヤ径、ループ径、巻数、長さを適切な値となるようにする。
図10は、第3のワイヤ導体12−3によって接続された後の個片化されたインダクタ部品(チップインダクタ)35の構造を例示して説明する斜視図である。
図10に示すように、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の他面の全てが外部に露出し、第2のワイヤ導体12−2は全て封止材25に埋設され、第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の片面は封止材25に固着している。
第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2の対によって作られ、任意の行数及び列数をもつ配線パターンの複数を1枚の金属板27の面の異なる分画に作成することによって、上記した第1の実施の形態と同様にして、金属ワイヤ26の接続により、各分画毎に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを構成することができるので、1種のインダクタ部品から、異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを得ることができる。従って、省スペース化されたより高密度の実装が可能となる。
図11は、本実施の形態の変形例を例示して説明する図であり、図11(A)はインダクタ部品の製造工程を例示して説明する図、図11(B)はインダクタ部品の構造を説明する斜視図である。
以下、本変形例によるインダクタ部品35−1と、図8〜図10に示す構成によるインダクタ部品35との相違点についてのみ説明する。この相違点は、対をなす第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2が、第3のワイヤ導体12−3によって封止材25の外部で接続される点、第1の薄膜導体10−1とその隣の第1の薄膜導体10−1と対をなす第2の薄膜導体10−2とが、第2のワイヤ導体12−2によって封止材25の内部で接続されている点にある。
このインダクタ部品35−1は、上記した第1の実施の形態によるインダクタ部品34において、薄膜導体10を第1及び第2の薄膜導体10−1、10−2で置き換えた構成となっている。
本実施の形態によるインダクタ部品35、35−1の寸法は、図10、図11に示す、
横方向で0.3mm、縦方向で0.4mmであり、高さは、上記した第1の実施の形態によるインダクタ部品34の高さよりも、第3のワイヤ導体12−3による半周のループの高さ(150μm〜250μm)分だけ増大するが、従来技術で得られる最も小さい巻線インダクタの高さ(0.5mm程度)以下である。この増大分だけインダクタ部品35、35−1の取付け高さが増大する。しかし、金属ワイヤ12−2、12−3によって形成されるループ径は第1の実施の形態よりも大きくなるので、インダクタンス値、Q値を大きくすることができる。
第4の実施の形態
本実施の形態によるインダクタ部品は面実装型チップインダクタであり、第1及び第2の実施の形態を変形して、リード線型チップインダクタであるインダクタ部品34、34−1を、面実装型チップインダクタであるインダクタ部品34−2に変更するものである。即ち、金属ワイヤ26によるワイヤボンディング方式ではなくはんだ付け方式によって、実装基板等に半田付け接続して実装できるようにしたものである。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
図12は、本実施の形態によるインダクタ部品(面実装型チップインダクタ)を例示説明する図であり、図12(A)〜図12(D)はインダクタ部品の製造工程を例示説明する図、図12(E)はインダクタ部品の構造を説明する斜視図、図12(F)は平面図、図12(G)はP−P部の断面図である。
図12(A)と図3(B)、及び、図12(B)と図3(C)はそれぞれ同じであり、本実施の形態では、図3(A)〜図3(D)に示す工程に続いて、図12(C)に示すように、薄膜導体10の面をレジスト29によって平坦に覆い、電気的に絶縁被覆する。これによって、図12(E)に示すように、薄膜導体10が配列する縦方向の最も外側にある2つの薄膜導体10を除いた連続領域を電気的に絶縁被覆する。この最も外側にある2つの薄膜導体10は、実装基板等に接続される端子となる。
次に、図3(E)と同様にして、図12(C)に示す縦の点線部分でダイサによって切断して個片化する。個片化して得られる面実装可能なインダクタ部品34−2を、図12(D)〜図12(E)に示す。
なお、前記の最も外側にある2つの薄膜導体10に代えて、これらの薄膜導体10の近くにある他の2つの薄膜導体10を除いた領域を電気的に絶縁被覆する構成としてもよいことは言うまでもない。
また、必要であれば、薄膜導体10が配列する縦方向の中間領域にある所望の1つの薄膜導体10を切断して2グループの薄膜導体に分画して、各分画毎において最も外側又はこの近くにある2つの薄膜導体10を除いた連続領域を電気的に絶縁被覆する変形構成としてもよい。この変形構成では、1つのインダクタ部品に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを持たせることができる。
更に、上記した第1の実施の形態と同様にして、任意の行数及び列数をもつ薄膜導体10によるパターンの複数を1枚の金属板27の面の異なる分画に作成することによって、各分画で面実装可能なインダクタを独立して構成することができるので、1つのインダクタ部品に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを持たせることができる。この時、上記の変形構成を採用すれば、各分画毎において異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを構成することができる。
以上のように、1つのインダクタ部品に異なる又は同じインダクタンス値をもつ複数のインダクタを持たせることができるので、省スペース化してより高密度の実装が可能となる。
更に、図12(D)に示す個片化を行わず、3つのインダクタ部品をまとめて一度に面実装することができることは言うまでもない。
図13は、インダクタ部品34−2を基板に搭載(実装)した状態を例示説明する図であり、図13(A)は平面図、はO−O部の断面図である。
図13(B)に示す例では、基板20に形成されているパッド22−1と前記の最も外側にある2つの薄膜導体10とが半田31によって接続されて面実装がなされる。図13では図示していないが、面実装によって接続がなされた後、インダクタ部品34−2は絶縁性封止材によって封止される。
本実施の形態によるインダクタ部品34−2の高さは、上記した第1の実施の形態によるインダクタ部品34の高さとほぼ同じであるが、基板等に実装(搭載)する際、金属ワイヤ26を使用しないので、インダクタ部品34−2の実装高さは、金属ワイヤ26で搭載する際にインダクタ部品34の上部に金属ワイヤ26が突出する高さだけ低くすることができる。
また、本実施の形態によるインダクタ部品34−2の寸法は、図12(E)に示す、横方向で0.3mm、縦方向で0.4mmであり、高さは、第1の実施の携帯によるインダクタ部品34の高さにレジスト29の厚さを加えたものになり、第3の実施の形態によるインダクタ部品35、35−1の高さよりも、ワイヤ導体12−3による半周のループの高さ(150μm〜250μm)分だけ低くなる。
第5の実施の形態
図14は、本発明の第5の実施の形態を示し、インダクタ部品(リード線型チップインダクタ)をモジュール基板に搭載(実装)した状態の概略を例示説明する図であり、図14(A)は平面図、図14(B)はN−N部の断面図である。
図14に示すインダクタ部品37は2つのインダクタを一つのチップ部品に含んでいる。また、インダクタ部品36はインダクタ部品35、37と同様の構造をもつが、ループ数が異なり、異なるインダクタンス値、Q値をもっている。
先に説明したように、上記した第1の実施の形態によるインダクタ部品34の取付け高さは、0.2mm〜0.3mmまでにでき、また、第3の実施の形態によるインダクタ部品35、36、37の取付け高さは、第1の実施の形態によるインダクタ部品34の取付け高さよりも、第3のワイヤ導体12−3による半周のループの高さ(150μm〜250μm)分だけ増大するが、従来の固定インダクタの取付け高さ(0.5mm程度)以下である。
個片化したインダクタ部品34、35、36、37を得るための個片化切断はダイサで切断するが、図14に示すように、モジュール基板(又はインターポーザ基板)30に実装される他部品の隙間を埋めるように最適なサイズで個片化切断すればよく、それに合わせた薄膜導体によるパターンを作成したり、複数のインダクタを1つのインダクタ部品に組み込むこと等が自由にできる。
図14に示す例では、例えば、インダクタ部品36、37はインダクタ部品35の約2倍の大きさをもっており、隙間の大きさに合わせてインダクタ部品の大きさを設定している。このため、モジュール内のスペースを有効に活用でき、機能部品の高密度実装を可能とし、モジュールの小型化を可能とすることができる。
図14に示す例では、リード線型チップインダクタの例を示しているが、第4の実施の形態によるインダクタ部品34−2を使用できることは言うまでもない。即ち、高さの低い面実装型インダクタを使用することにより、モジュールを薄型化、小型化することができる。
なお、本実施の形態では、絶縁性接着剤28(ダイボンド材)でインダクタ部品34、35、36、37等の機能部品を基板に固定し、基板に固定されたICチップ24の接続用端子とインダクタ部品35の端子との間、及び、インダクタ部品34、35、36、37の各端子と基板に形成されたパッドとの間をそれぞれ、ワイヤボンディングにより金属ワイヤ26で接続した後に縁性封止樹脂33に埋設するので、一般的な半導体組立工程で簡単にモジュール基板を製造することできる。
第6の実施の形態
図15は、本発明の第6の実施の形態を示し、リードフレーム40のタブ41上に絶縁性(又は導電性)接着剤31によって固定されたICチップ24上に、インダクタ部品(リード線型チップインダクタ)35を絶縁性接着剤28によって固定した状態の概略を例示して説明する図であり、図15(A)は平面図、図15(B)はM−M部の断面図である。
本実施の形態では、絶縁性接着剤28でインダクタ部品35等の受動部品をICチップ24上、リードフレーム40上に固定し、ワイヤボンディングにより金属ワイヤ26で電気的接続をした後に、図中の一点鎖線で示す絶縁性封止樹脂33に埋設するので、一般的な半導体組立工程で簡単に部品内蔵パッケージを製造できる。
個片化したインダクタ部品35を得るための切断はダイサで切断するが、図15に示すように、リードフレーム40上の限られた領域を使用できるように最適なサイズで切断すればよく、また上記した第5の実施の形態と同様にして、それに合わせた薄膜導体パターンを形成したり、複数のインダクタを1つのインダクタ部品とすること等が自由にできる。このため、リードフレームパッケージ内のスペースを有効に活用でき、モジュール全体の小型化を可能とすることができる。
本実施の形態によるインダクタ部品は、通常のチップ部品のように規格化されたサイズ(1608、1005、0603)をもたず、目的に応じて自由な大きさにすることができる。
また、電極間を接続してなるコイル状導体は、インダクタ部品の寸法の許す限りその巻数やループを大きくしてインダクタンス値やQ値を高めることも可能である。あるいは、同じ電極間にそれぞれ複数本のワイヤ導体を接続することによって、インダクタンス値を任意に調整することも可能である。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、薄膜導体の材質及び厚さ、薄膜導体によるパターンの形状及び寸法、ワイヤ導体の材質、太さ長さは、必要に応じて任意に変更可能である。
また、上述した実施の形態では、受動素子の代表例としてインダクタを説明したが、上述した実施の形態と同様の製造方法によって、同様の構造からなり、電気抵抗値を可変とすることができる電気抵抗素子をチップとして得ることができる。電気抵抗素子を製造する場合には、薄膜導体、ワイヤ導体として電気抵抗率の比較的大きな金属、合金を使用すればよい。
以上説明したように、本発明に係る受動素子は、薄型及び小型であって特性値を任意に選択可能な受動素子であり、電子回路の小型チップ部品として極めて有用である。
本発明の第1の実施の形態によるインダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する斜視図である。 同、インダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する平面図(A)、断面図(B)である。 同、インダクタ部品の製造工程を説明する図である。 同、インダクタ部品の構造を説明する斜視図(A)、断面図(B)である。 本発明の第2の実施の形態によるインダクタ部品の製造工程を説明する図である。 同、インダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する平面図である。 本発明の第3の実施の形態によるインダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する斜視図である。 同、インダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する平面図(A)、断面図(B)である。 同、インダクタ部品の製造工程を説明する図である。 同、インダクタ部品の構造を説明する斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の変形例によるインダクタ部品の製造工程を説明する図(A)、インダクタ部品の構造を説明する斜視図(B)である。 本発明の第4の実施の形態によるインダクタ部品の製造工程を説明する図(A〜D)、インダクタ部品の構造を説明する斜視図(E)、平面図(F)、断面図(G)である。 同、インダクタ部品を基板に搭載した状態を説明する平面図(A)、断面図(B)である。 本発明の第5の実施の形態においてインダクタ部品をモジュール基板に搭載した状態の概略を説明する平面図(A)、断面図(B)である。 本発明の第6実施の形態においてインダクタ部品をICチップ上、リードフレーム上に搭載した状態の概略を説明する平面図(A)、断面図(B)である。 従来技術による巻線型チップインダクタの概略を説明する斜視図である。 同、巻線型チップインダクタを搭載しているモジュールの概略を説明する図である 別の従来技術によるチップインダクタの構成を説明する透視斜視図(A)、平面図(B)、断面図(C)である。
符号の説明
10、11…薄膜導体、10−1…第1の薄膜導体、10−2…第2の薄膜導体、
12−1…ワイヤ導体、12−2…第2のワイヤ導体、12−3…第3のワイヤ導体、
13…接続用薄膜導体、19…Au、20…基板、21…Ni、
22、22−1…パッド、24…ICチップ、25…封止材、26…金属ワイヤ、
27…金属板、28…絶縁性接着剤、29…レジスト、30…モジュール基板、
33…絶縁性封止材、32…セラミックパッケージ、
34、34−1、34−2、35、35−1、36、37…インダクタ部品、
40…リードフレーム、41…タブ

Claims (24)

  1. 封止材の一方の面に、一方向に沿って互いに分離して配置された複数の薄膜導体と、
    前記一方向に沿って互いに分離して配置され、前記封止材に少なくとも一部分が埋設 された複数のワイヤ導体と
    を有し、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが接続されてコイル状導体を形成している受動素子。
  2. 前記薄膜導体が前記封止材に埋設された側で、前記薄膜導体と前記ワイヤ導体とが接続される、請求項1に記載の受動素子。
  3. 前記一方向において互いに隣接した一方の前記薄膜導体と他方の前記薄膜導体とが、前記一方向と交差する方向において互いに異なる位置で前記ワイヤ導体によって接続されている、請求項1に記載の受動素子。
  4. 前記薄膜導体が前記封止材の前記一方の面に固着されている、請求項1に記載の受動素子。
  5. 前記薄膜導体は前記一方向と交差する方向においても互いに分離して第1及び第2の薄膜導体の対を構成し、これらの第1及び第2の薄膜導体が前記ワイヤ導体の一部としての第2のワイヤ導体によって接続され、この第2のワイヤ導体が前記封止材に埋設されると共に、前記第1の薄膜導体と前記第2の薄膜導体とが、前記封止材に埋設されない前記ワイヤ導体の一部としての第3のワイヤ導体によって接続され、前記第2及び第3のワイヤ導体が前記コイル状導体を形成している、請求項1に記載の受動素子。
  6. 前記第1及び第2の薄膜導体は、前記交差する方向において前記第2のワイヤ導体によって接続されると共に、前記交差する方向において互いに異なる位置で前記第3のワイヤ導体によって接続される、請求項5に記載の受動素子。
  7. 前記封止材に少なくとも磁性体が含有されている、請求項1に記載の受動素子。
  8. 前記複数の薄膜導体の任意の位置から、前記コイル状導体の端子が取り出される、請求項1に記載の受動素子。
  9. 前記端子以外の領域が絶縁体によって覆われている、請求項8に記載の受動素子。
  10. 前記コイル状導体を有するインダクタ部品である、請求項1に記載の受動素子。
  11. 薄膜導体を一方向に沿って互いに分離して基体上に形成する第1の工程と、
    前記薄膜導体をワイヤ導体で接続する第2の工程と、
    前記ワイヤ導体の少なくとも一部を封止材に埋設してコイル状導体を形成する第3の 工程と、
    前記基体を除去する第4の工程と
    を有する、受動素子の製造方法。
  12. 前記第2の工程は、前記一方向において互いに隣接した一方の前記薄膜導体と他方の前記薄膜導体とを、前記一方向と交差する方向において互いに異なる位置で前記ワイヤ導体によって接続する工程を有する、請求項11に記載の受動素子の製造方法。
  13. 前記第1の工程は、前記一方向と交差する方向においても互いに分離している第1及び 第2の薄膜導体の対を構成している前記薄膜導体を形成する工程を有し、
    前記第2の工程は、対を構成する前記第1及び第2の薄膜導体を前記ワイヤ導体の一 部としての第2のワイヤ導体によって接続する工程を有し、
    前記第3の工程は、前記第2のワイヤ導体を前記封止材に埋設する工程を有し、
    前記第3の工程の後に、前記第1の薄膜導体と前記第2の薄膜導体とを、前記ワイヤ 導体の一部としての第3のワイヤ導体によって接続する工程を有し、
    前記第2及び第3のワイヤ導体によって前記コイル状導体を形成する、請求項11に記載の受動素子の製造方法。
  14. 前記第1及び第2の薄膜導体を接続する工程では、前記交差する方向において前記第2のワイヤ導体によって接続すると共に、前記交差する方向において互いに異なる位置で前記第3のワイヤ導体によって接続する、請求項13に記載の受動素子の製造方法。
  15. 前記第3の工程において、少なくとも磁性体が含有されている前記封止材を使用する、請求項11に記載の受動素子の製造方法。
  16. 前記複数の薄膜導体の任意の位置から、前記コイル状導体の端子を選択する工程を有する、請求項11に記載の受動素子の製造方法。
  17. 選択された前記端子以外の領域を絶縁体によって覆う工程を有する、請求項16に記載の受動素子の製造方法。
  18. 前記第4の工程の後に、前記一方向に沿う前記薄膜導体の列間において少なくとも前記封止材を切断して、個片化した受動素子を得る工程を有する、請求項11に記載の受動素子の製造方法。
  19. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の受動素子が実装基板に固定されている実装構造であって、前記封止材の前記一方の面に前記複数の薄膜導体のいずれかが露出しており、これらの露出個所の任意の位置に存在する前記コイル状導体の端子が、前記実装基板の導体に接続固定されている実装構造。
  20. 前記端子の位置選択によって前記受動素子の特性値が所望の値に設定される、請求項19に記載の実装構造。
  21. 前記端子がワイヤボンディング又ははんだ付け方式によって前記実装基板に接続される、請求項19に記載の実装構造。
  22. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の受動素子を実装基板に固定する実装方法であって、前記封止材の前記一方の面に前記複数の薄膜導体のいずれかを露出させ、これらの露出個所の任意の位置に存在する前記コイル状導体の端子を、前記実装基板の導体に接続固定する実装方法。
  23. 前記端子の位置選択によって前記受動素子の特性値が所望の値に設定する、請求項22に記載の実装方法。
  24. 前記端子をワイヤボンディング又ははんだ付け方式によって前記実装基板に接続する、請求項22に記載の実装方法。
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