JP2007110039A - 固体レーザ励起モジュール - Google Patents

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修平 山本
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Abstract

【課題】薄板上のレーザ媒質の側面励起構成において、高出力な励起光を用いて均一性の高い励起を行うことにより、高出力で高輝度なレーザ光の発生が可能な固体レーザ励起モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の固体レーザ励起モジュールは、レーザ光入射面と排熱面を有する固体レーザ媒質31と、レーザ光入射面に光学的に接合された無添加媒質32とから構成され、励起光入射側面を有する平板状の固体レーザチップ3と、励起光入射面10と固体レーザチップ3の励起光入射側面に近接配置された励起光出力面11とを有するスラブ導波路2と、固体レーザ媒質31の排熱面側に設けられ、レーザ光入射面から入射して固体レーザ媒質31内を伝搬したレーザ光を反射する全反射膜5と、固体レーザ媒質31の排熱面から全反射膜5を介して排熱する冷却手段7とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、加工レーザ装置やレーザを用いた計測装置に好適な薄ディスク型の固体レーザ媒質を用いた固体レーザ励起モジュールに関するものである。
固体レーザに用いられる固体レーザ媒質の形状は、一般にロッド型、スラブ型、ディスク型等がある。この中でディスク型は、レーザ媒質の形状が薄い平板状に加工されている。更にディスク型の内、最も面積の大きい面の一方からレーザ光を入射し、この入射面に対向する面で反射させてディスクの厚さ方向に伝搬させながら増幅するものを、アクティブミラーと呼ぶ場合がある。
励起された薄ディスク型レーザ媒質で発生した熱は、入射面に対向する面を排熱面として排熱する。この構成では、排熱方向が光軸と平行になるため、熱レンズ効果や熱複屈折効果もほとんど発生しない。従って、レーザ出力に依存してレーザ共振条件が変化することがなく、高出力なレーザ光を安定に得ることが可能である。このように薄ディスクレーザ媒質には、他の形状のレーザ媒質では得られない特有の利点がある。
一方、薄ディスク型レーザ媒質において、同じ厚さ、同じ励起パワーで大きな利得を得るためには、ディスク径を小さくして励起光を集光させ、励起光の密度を高くすることが要求される。しかしながら、ディスク径を小さくすると排熱面も小さくなるので排熱の効率が悪くなる。
従って、このようにディスク径の小さいレーザ媒質に励起光を集中させると、発熱密度が大きくなる。これにより、励起時にレーザ媒質の温度が過度に上昇すると、レーザ媒質自体が熱破壊してしまう可能性がある。
更に、一般に、レーザ媒質は温度が上昇すると発生する利得も小さくなるため、増幅の効率も低下するという問題があった。
また、薄ディスク型レーザ媒質では、レーザ光の伝搬方向である光軸に沿って励起光を入射する端面励起を採用すると、励起光の伝搬距離がディスクの厚さ方向で規定されてしまう。これにより、励起光の吸収効率を稼ぐことができず、レーザ装置の発振効率が低くなるという不具合が発生する。
端面励起を採用せずに、光軸に平行な側面から励起光を入射する側面励起によれば、励起光がディスクの径方向を伝搬することとなり、比較的長い吸収長が得られる。従って、ディスク内に入射した励起光は効率良くレーザ媒質に吸収され、高効率に励起が行われる。
しかしながら、高出力な励起源は励起光の幅が広いため、ディスクの側面から励起光をディスク内に入射させるためには、薄ディスク型レーザ媒質の厚さを大きくする必要があった。
一般に、アクティブミラー方式ではディスクの反射面から排熱を行うため、ディスクの厚さが大きいほど薄ディスク型レーザ媒質の温度が上昇する。このため、レーザ媒質が発生する利得が小さくなり、増幅の効率も低下するという問題があった。
以上のような問題点を解決するものとして、特許文献1で示される薄ディスク型レーザ媒質の励起方式が提供されている。特許文献1において、薄ディスクは、レーザ活性媒質が添加された平板状のレーザ媒質と、レーザ活性媒質が添加されていない平板状の無添加媒質を一体として製作した構成である。このように構成することで、励起光が入射する側面の面積を拡大することができると共に、レーザ媒質の厚さを薄くすることができる。このように構成することで、厚さの薄いレーザ媒質を用いながらも、薄ディスクの側面から高出力な励起源を用いて励起することができる。その結果、高出力な励起光で厚さの薄いレーザ媒質を効率よく励起することが可能となり、高出力なレーザ光を高効率に得ることができる等の特徴がある。
国際公開WO2004‐114476号公報
しかしながら、特許文献1記載の固体レーザ励起モジュールでは、以下のような課題が存在した。
薄ディスクの側面から入射した励起光は、薄ディスクの上下面間で反射を繰り返しながら伝搬する。この時、励起光はレーザ活性媒質が添加された平板状のレーザ媒質部を通過する時に吸収され、レーザ活性媒質が添加されていない平板状の無添加媒質部を通過する時には吸収されずに伝搬する。従って、励起光がレーザ媒質部を通過する場所は、励起光の伝搬する角度に依存して飛び飛びとなり、励起分布が一様とならない。このような場合、励起光を吸収することで発生する利得も一様の分布とならないため、高輝度なレーザ発振が困難となり、増幅器として用いた場合でも、増幅後のレーザ光のビーム品質が増幅前のレーザ光のビーム品質より低下する等の課題があった。
また、励起光を吸収することで発熱したレーザ活性媒質は、ディスクの反射面(排熱面)を通して冷却手段へ排熱されるが、発熱量に応じて温度が上昇する。従って励起分布に依存して、温度分布も一様にならないという課題があった。
一般に温度が変化すると屈折率が変化するため、温度差のある媒質を通過した光は屈折する。従って、局所的なレンズ作用が薄ディスク(平板)面内で多数存在することとなり、更に、高輝度なレーザ発振が困難となり、増幅時のビーム品質の低下も引き起こす等の課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、薄板上のレーザ媒質の側面励起構成において、高出力な励起光を用いて均一性の高い励起を行うことにより、高出力で高輝度なレーザ光の発生が可能な固体レーザ励起モジュールを提供することを目的とする。
この発明に係る固体レーザ励起モジュールは、レーザ光入射面より入射した励起光を吸収して発生した利得によりレーザ光を増幅すると共に励起時に発生した熱を前記レーザ光入射面と対向する排熱面から排熱する固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の前記レーザ光入射面に光学的に接合された無添加媒質とから構成され、励起光を導入する励起光入射側面を有する平板状の固体レーザチップと、励起光入射面と前記固体レーザチップの前記励起光入射側面に近接配置された励起光出力面とを有し、前記励起光入射面より導入して伝搬した励起光を前記励起光出力面から出力して前記固体レーザチップの前記励起光入射側面に入射するスラブ導波路と、前記固体レーザ媒質の前記排熱面側に設けられ、前記レーザ光入射面から入射して前記固体レーザ媒質内を伝搬したレーザ光を反射する全反射膜と、前記全反射膜と接合され、前記固体レーザ媒質の前記排熱面から前記全反射膜を介して排熱する冷却手段とを備えている。
前記固体レーザチップの励起光入射側面から入射した励起光は、前記固体レーザ媒質に入射した後、前記固体レーザ媒質と前記無添加媒質とを伝搬して、前記固体レーザ媒質で吸収される。
この発明によれば、薄板上のレーザ媒質の側面励起構成において、高出力な励起光を用いて均一性の高い励起を行うことにより、高出力で高輝度なレーザ光の発生が可能な固体レーザ励起モジュールを提供することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る固体レーザ励起モジュールの構成を示す正面図である。図2は、第1図の固体レーザ励起モジュールを上面図である。図3は、図1の固体レーザモジュールの構成において、励起光の伝搬を示す正面図である。
図1、2において、固体レーザ励起モジュールは、冷却手段7と、冷却手段7に接合剤6を介して接合した全反射膜5と、全反射膜5上に設けた固体レーザチップ3と、固体レーザチップ3上に形成した反射防止膜1と、励起源21と、集光レンズ(速軸方向集光手段)43を備えている。
固体レーザチップ3は、全反射膜5側の固体レーザ媒質31と、反射防止膜1側の無添加媒質32との二層構造からなり、その側面に励起光を入射する励起光入射側面を有する。
図1において、固体レーザチップ3のZ軸方向の中心線は、レーザ光の光軸9を示す。
反射防止膜1は、略全てのレーザ光を透過して、透過したレーザ光は固体レーザチップ3に入射する。反射防止膜1としては、例えば、誘電体薄膜を積層して構成したものが挙げられる。
無添加媒質32は、固体レーザ媒質31のZ軸方向の厚さに比べて大きな厚さを有している。無添加媒質32は、固体レーザ媒質31とオプティカルコンタクト、または、拡散接合等により、光学的に接合されている。無添加媒質32は、例えば、固体レーザ媒質31のホスト材料や固体レーザ媒質31と略同じ屈折率を有する結晶、或いはガラス材料等で構成される。
固体レーザ媒質31は、無添加媒質32と光学的に接合する面をレーザ光入射面とし、レーザ光入射面と対向する面、即ち全反射膜5側の面を排熱面とする。
固体レーザ媒質31としては、一般的な固体レーザ媒質を使用することができる。例えば、Nd:YAG、Nd:YLF、Nd:Glass、Yb:YAG、Yb:YLF、Yb:KYW、Er:Glass、Er:YAG、Tm:YAG、Tm:YLF、Ho:YAG、Ho:YLF、Tm,Ho:YAG、Tm,Ho:YLF、Ti:Sapphire、Cr:LiSAF等を用いる。
固体レーザ媒質31の光軸9に垂直な断面は、円形、楕円形、多角形等、任意の形状を用いることができるが、特にレーザ光が光軸9に平行に入射する場合には、光軸9に対称な円形や正多角形が望ましい。
全反射膜5は、反射防止膜1より入射して無添加媒質32及び固体レーザ媒質31を透過したレーザ光を全反射する。全反射膜5は、誘電体薄膜の積層や金属膜の蒸着等を用いることで作成することができる。
接合剤6は、固体レーザ媒質31で発生した熱を、全反射膜5を介して冷却手段7へ排熱する。接合剤6としては、例えば、金属半田や光学接着剤、熱伝導性接着剤等が挙げられる。
スラブ導波路2は、励起光を固体レーザチップ3へ導入する励起光入射面10と、励起光入射面10と対向する面として励起光出力面11をもつ。励起光出力面11は、固体レーザチップ3の励起光入射側面に近接して配置される。
励起源21は、励起光を出力するLD(Laser Diode)バー22を複数積層し、それぞれのLDバー22の前方には、出力される励起光の速軸方向を平行化するコリメートレンズ40を備えている。
また、速軸方向に平行化されたそれぞれの励起光を一括して集光する、励起光の速軸方向に曲率を有する集光レンズ43を励起光の光軸上に配置し、集光レンズ43の焦点位置にスラブ導波路2の励起光入射面10を配置する。
励起源21は、高出力な半導体レーザ(LD)を用いてもよいし、ファイバー出力の励起源を用いてもよい。
また、複数のLDがバー状に配置されたLDバーを、更に複数積層したスタックLDを用いてもよい。このような光源の場合、特に高出力な励起光を得られるが、発光面積が大きいためスラブ導波路2の励起光入射面10からスラブ導波路2の内部に効率良く入射させることは困難である。従って、レンズ等のビーム径縮小用光学部品を用いて集光し、励起源8のビーム径を小さくして入射させることで入射効率を改善することができる。
しかし、励起源のビーム品質とビーム径縮小用光学部品の外形や収差量に応じて、縮小可能なビーム径が決まっているため、スラブ導波路2の励起光入射面10の厚さや幅は縮小可能なビーム径よりも大きくしておくことが望ましい。
また、励起源21として単層のLDバー22を用いて、スラブ導波路2の励起光入射面10に近接配置してもよい。このようにした場合、コリメートレンズ40と集光レンズ43を配置する必要が無く、より簡便に構成することが可能である。
次に動作について説明する。図3は、図1の固体レーザモジュールの構成において、励起光の伝搬を示す正面図である。
図3において、スラブ導波路2の励起光入射面10からスラブ導波路2内に入射した励起光8は、スラブ導波路2の励起光入射面10と励起光出力面11以外の全ての面で反射を繰り返しながら伝搬して、励起光出力面11から出力される。
スラブ導波路2から出力された励起光8は、固体レーザチップ3の励起光入射側面から入射する。固体レーザチップ3の無添加媒質32に入射した励起光8は、無添加媒質32内を伝搬した後に固体レーザ媒質31の上部に達する。
固体レーザ媒質31と無添加媒質32は光学的に接合されているので、固体レーザ媒質31の上部に達した励起光8は、固体レーザ媒質31のレーザ光入射面に入射して吸収され、固体レーザ媒質31は利得を発生させる。
光軸9と平行に入射したレーザ光は、反射防止膜1から無添加媒質32を透過して、利得を発生させた固体レーザ媒質31に入射して増幅される。増幅されたレーザ光は、全反射膜5で反射された後、再度、固体レーザ媒質31で増幅されて無添加媒質32を透過し、反射防止膜1から光軸と平行に外部へ出力される。
なお、図1では、光軸9が固体レーザ媒質31のディスク面(XY面)と直交する場合について示したが、光軸9を固体レーザ媒質31に対して傾斜させてもよい。
また、図示は省略したが、レーザ光の一部を反射し、一部を透過させる部分反射鏡を光軸9上に配置すれば、部分反射鏡及び本発明の固体レーザ励起モジュールからなる経路でレーザ発振するレーザ共振器を構成することができる。これにより、部分反射鏡から外部へレーザ共振器にて増幅されたレーザ光を出力するレーザ装置として使用することが可能である。
固体レーザ媒質31の励起時に発生した熱は、固体レーザ媒質31の排熱面及び全反射膜5、接合剤6を伝導して、冷却手段7へ排熱される。冷却手段7では、例えば冷却水や空冷ファン等で冷却することにより、固体レーザ媒質31の温度が上昇することを抑制する。
無添加媒質32から固体レーザ媒質31に入射した励起光8は、固体レーザ媒質31で吸収されながら伝搬し、全反射膜5で反射されて、再び吸収されながら伝搬する。
固体レーザ媒質31で吸収され尽くされなかった励起光8は、再び無添加媒質32に入射し、固体レーザ媒質31と無添加媒質32の接合面(レーザ光入射面)と対向する無添加媒質32の面で反射され、再び固体レーザ媒質31に入射して吸収される。
無添加媒質32内での励起光8の進行方向がZ軸方向に対して小さい角度である場合には、励起光8の反射回数が多くなるため、固体レーザ媒質31に再入射する回数も多い。従って、固体レーザ媒質31を通過する合計の光路長が長くなり高い吸収率を得ることができる。
また、スラブ導波路2内での励起光8の進行方向がZ軸方向に対して大きい角度である場合には、反射回数が少なく、固体レーザ媒質31に再入射する回数も少くなくなるものの、固体レーザ媒質31に対して、Z軸方向に大きな角度で入射するため、1回あたりの固体レーザ媒質31内での光路長は長くなり、高い吸収率を得ることができる。
このようにして、励起光8は高い吸収率で固体レーザ媒質31に吸収され、固体レーザ媒質31は大きな利得を発生することができる。
更に、固体レーザ媒質31のZ軸方向の厚さは無添加媒質32の同方向の厚さよりも小さいので、無添加媒質32の厚さを大きくして、励起光8を導入する固体レーザチップ3の励起光入射側面を大きくした場合でも、固体レーザ媒質31の厚さは小さいままとなる。
従って、励起光8を吸収することで発熱する固体レーザ媒質31は十分に薄くすることができるので温度上昇が小さくなり、温度上昇に伴う利得の低下や励起光吸収効率の低下を最小限にすることができ、高出力なレーザ発振器や増幅器を構成することができる。
また、図3は、簡便のため、1つのLDバー22からの励起光8の伝搬についてのみ示している。励起光8の速軸方向は、スラブ導波路2の励起光入射面10位置での大きさが小さくなるように、集光レンズ43で集光されている。最も小さくなる焦点位置に励起光入射面10が配置されているため、スラブ導波路2の内部に入射した励起光8は、広がりながら伝搬する。従って、励起光8がスラブ導波路2内を伝搬し、固体レーザ媒質31の上部に達した時には、固体レーザ媒質31のディスク面(XY面)の大きさに対して十分に大きくなる。
一方、スラブ導波路2を配置せずに、励起光8の焦点位置に固体レーザチップ3の励起光入射側面を配置して固体レーザ媒質31の励起を行った場合には、励起光8の大きさが十分に大きく広がる前に、固体レーザ媒質31に入射するため、局所的な領域が強く励起されることとなり、ディスク面内で励起光8の吸収分布が生じることから、利得分布や温度分布の偏りが生じ、高輝度レーザの発振を妨げたり、増幅光のビーム品質を劣化させたりする。
それに対して、図3では、固体レーザ媒質31に入射する励起光8は、固体レーザ媒質31のディスク面に対して十分に大きいため、ディスク面全体を均一性良く励起することが可能である。従って、発生する利得もディスク面全体で均一性がよいものとなり、高輝度レーザ発振や均一性のよい増幅が可能となる。
更に、固体レーザ媒質31が励起されることで発生する熱もディスク面内で均一であるため、ディスク面内の温度分布が一様となり、固体レーザ媒質31と無添加媒質32のディスク面内温度差に依存して発生する屈折率分布が最小となる。従って、高輝度なレーザ発振が可能であり、増幅器として用いた場合でも、増幅後のビーム品質を劣化させることなく入射光の増幅が可能である。
図2において、スラブ導波路2の励起光出力面11は励起光入射面10よりも面積が小さく、上記2つの面以外については、対向する2つの側面がテーパ状に加工されている。
なお、励起光出力面11と励起光入射面10との励起面積を等しく構成し、対向する2つの側面を平行としてもよい。
図4は、図1の固体レーザモジュールの構成において、励起光の伝搬を示す上面図である。
図4において、スラブ導波路2のX軸方向をテーパ状にした場合、励起光入射面10からスラブ導波路2内に入射した励起光8の一部はテーパ状の側面(以下、テーパ面)で反射されるので、X軸方向の大きさを小さくして励起光出力面11から出力され、固体レーザチップ3の励起光入射側面に入射する。
スラブ導波路2のテーパ面がY軸方向に対して傾斜している角度をθとすると、スラブ導波路2のテーパ面で1回反射された励起光8は、Y軸方向に対して2θの角度でスラブ導波路2内を伝搬する。
スラブ導波路2のテーパ面で反射しない成分は、励起源21から固体レーザチップ3までXY面内では直線的に伝搬し、固体レーザチップ3内でY軸方向に対して略平行に伝搬しながら固体レーザ媒質31に吸収される。
一方、スラブ導波路2のテーパ面で反射する成分は、固体レーザチップ3内でY軸方向に対して傾斜(2θ)して伝搬する。
従って、固体レーザ媒質31に吸収される励起光8は、Y軸方向に平行な成分と斜め成分があるため、合成の分布は、平行な成分しか無い場合に比べて均一性の高い分布となる。
テーパ面の角度θが大きい場合には、スラブ導波路長を短くできるので、より小型に構成できるなどの特徴がある。さらに、励起光の傾斜角度2θも大きくなるので、固体レーザチップ3内へ入射する励起光の角度も大きくなる。このため、テーパ面に当たらずにY軸方向に略平行に伝搬する成分と傾斜成分による合成の分布も、より均一性の高い分布となる。均一性の高い分布により、より高輝度で高出力なレーザ光を得ることができるなどの特徴がある。
一方、角度が大きすぎる場合、励起光出力面11で全反射するため、固体レーザチップ3内への輸送効率が劣化する。この結果、励起強度が弱くなり、レーザ出力が低下することがある。ここで、スラブ導波路2の材料の屈折率をN2とすると、励起光8の励起光出力面11への入射角度をSin-1(1/N2)以下にすることで、励起光出力面11での全反射を防ぐことができる。
励起光入射面10のX軸方向の長さをW1,励起光出力面11のX軸方向の長さをW2、スラブ導波路2のY軸方向の長さをL、励起光出力面11への入射角度をθ11とする。Y軸方向に略平行な励起光8が、励起光入射面10からスラブ導波路2内に入射する場合、テーパ面で反射する回数が最大1回となる励起光8が励起光出力面11から出力される条件は式(1)で示される。
θ11=2θ<Sin-1(1/N2) (1)
但し、θ=2Tan-1((W1−W2)/2L)
テーパ面の角度θを大きく設定し、かつ、数式(1)を満たすことで、小型に構成可能であり、また、高効率に均一性の高い分布が得られるので、高輝度で高出力なレーザ光を得ることができるなどの特徴がある。なお、励起光8がY軸方向に平行ではなく、広がり角度Δθを持っている場合はθ11=2(θ+Δθ)<Sin-1(1/N2)を満たすようにテーパ面の角度を設定することで、同様に、小型に高輝度で高出力、高効率なレーザ出力を得ることができる。
更に、励起光8のX軸方向を縮小するレンズ等の光学部品を配置する必要が無くなるので、構成が簡便になる等の効果もある。
例えば、励起光8のX軸方向をレンズで縮小する構成の場合、レンズ効果により焦点位置では中央部分の強度が強い分布になる。その結果、X軸方向の均一性が悪くなることから、高輝度レーザ発振や均一性のよい増幅が困難である。
それに対して、励起光出力面11のX軸方向の大きさを励起光入射面10よりも小さくしたスラブ導波路2を用いることで、ディスク面全体を均一性良く励起することが可能になる。その結果、発生する利得もディスク面全体で均一性のよいものとなり、高輝度レーザ発振や均一性のよい増幅が可能となる。
実施の形態1に係る固体レーザチップ3の外周面は全て光学面であるため、スラブ導波路2のテーパ面で反射してY軸方向に対して傾斜した励起光8は、固体レーザチップ3内を伝搬中にその側面で全反射する。従って、励起光8の散逸がなく、高効率に固体レーザ媒質31に吸収させることができるため、高出力なレーザ光が得られる。
一方、固体レーザ媒質31のディスク面(XY面)内の長さは、厚さ方向(Z軸方向)の長さよりも大きいため、利得を持った固体レーザ媒質31が放出する蛍光がディスク面内反射を繰り返すことで増幅され、意図しないエネルギーの抽出が行われることがある。このようなものを一般に寄生発振と呼ぶ場合がある。寄生発振が生じた場合には、固体レーザ媒質31の厚さ方向から入射するレーザ光に対する利得が減少し、レーザ出力や増幅が小さくなる。
図5は、図4における固体レーザチップ3の構成の一例を示すA−A線断面図である。
なお、固体レーザチップ3以外は省略して図示している。
図5において、固体レーザチップ3のXZ面内における4側面がそれぞれ略鉛直である場合には、同4側面で全反射して周回する蛍光の光路が存在するため、寄生発振が生じやすい。このような光路を寄生発振パス71と呼ぶ。従って、固体レーザ媒質31の厚さ方向から入射するレーザ光に対する利得が減少し、レーザ出力や増幅が小さくなる場合がある。
図6は、図5と異なる固体レーザチップ3の構成の一例を示すA−A線断面図である。
上記問題を解決するために、図5の固体レーザチップ3を、図6に示すように、XZ面内のディスク面以外の2側面を傾斜させるように構成してもよい。
なお、図6には反射防止膜1のX軸方向の長さが、全反射膜5のX軸方向の長さよりも長い場合の固体レーザチップ3の側面の傾斜について示したが、反射防止膜1のX軸方向の長さが、全反射膜5のX軸方向の長さよりも短いように固体レーザチップ3の側面を傾斜させてもよい。
同様に、図1には反射防止膜1のY軸方向の長さが、全反射膜5のY軸方向の長さよりも長い場合の固体レーザチップ3の側面の傾斜について図示したが、反射防止膜1のY軸方向の長さが、全反射膜5のY軸方向の長さよりも短いように固体レーザチップ3の側面を傾斜させてもよい。
このように構成することで、蛍光72は大きなエネルギーを抜き出す前に固体レーザチップ3の外に伝搬するため、寄生発振が発生しない等の特徴がある。従って、高出力で高効率なレーザ発振器や増幅器を提供できる等の特徴がある。
また、図6と別の解決方法として、図1に示すように、固体レーザチップ3の励起光入射側面の法線を、固体レーザ媒質31のディスク面の法線(Z軸方向)に対して鉛直ではなく、傾斜するように構成してもよい。このように構成することにより、YZ面内において、固体レーザ媒質31内、または、固体レーザチップ3内で周回するような光路がないため、寄生発振が発生しない等の特徴がある。従って、図6と同様の効果が得られる。
更に、励起光8の固体レーザチップ3内でのYZ面内での伝搬角度が、固体レーザチップ3側面の傾斜角度分追加される。従って様々な角度で入射した励起光8の全てが固体レーザチップ3の内部でY軸方向に対して平行ではなく、固体レーザチップ3の対向するXY面で反射させることができる。従って、無添加媒質32内のみをXY面と略平行に伝搬する励起光成分がないため、ほとんど全ての励起光8を固体レーザ媒質31に入射させることができる。従って、高効率に励起が可能であり、高効率で高出力なレーザが得られる等の特徴がある。
スラブ導波路2の励起光出力面11は、前述のように固体レーザチップ3の励起光入射側面に近接配置される。従って、励起光出力面11を出力した励起光8の全てを固体レーザチップ3の側面へ入射させることができる。
スラブ導波路2と固体レーザチップ3は光学的には接合されていないため、熱伝達は互いに影響しない。固体レーザ媒質31は発熱体であり、排熱は固体レーザ媒質31の排熱面及び反射防止膜1と接合剤6を介して冷却手段7へと行われる。
スラブ導波路2には固体レーザ媒質31で発生した熱は伝導しないため、スラブ導波路2の温度上昇は小さく、熱歪みの発生も小さい。従って、温度上昇に伴うスラブ導波路2の応力の発生が小さいことから、スラブ導波路2の位置変動が小さく励起光8の輸送効率の劣化が発生しない。
また、固体レーザチップ3の熱容量を小さくすることができるので、励起に伴う固体レーザ媒質31の温度変化は短時間になる。そのため、レーザ出力の安定性が高い等の特徴がある。
図7は、図1と異なる固体レーザ励起モジュールの構成の一例を示す上面図である。なお、図7では、固体レーザ媒質31の配置を明確にするため無添加媒質32を透過して見ており、更に、図示せぬものについては図1の構成と同じである。
図7において、励起源21(コリメートレンズ40、LDバー22を含む)、集光レンズ43、スラブ導波路2を4回転対称に配置し、固体レーザチップ3を4方向から励起する構成とする、図1で示した2方向からの対向励起時に比べ、更に高出力で励起することが可能である。このように構成することで、より高出力な励起が可能であり、高出力なレーザ光を出力するレーザ装置として使用することが可能である。
なお、実施の形態1による固体レーザ励起モジュールでは、2方向からの対向励起、4方向からの回転対称励起について示したが、励起源、励起方向及びスラブ導波路の数は任意である。また、励起方向は回転対称配置以外にも、非対称に配置してもよい。更に、固体レーザ媒質31はディスク面の形状が4角形である場合について図示したが、多角形でも利用可能である。
図8は、図1と異なる固体レーザチップ3の構成の一例を示す上面図である。なお、図8では、図示せぬものについては第1図の構成と同じである。
図8において、固体レーザチップ3は、固体レーザ媒質31と同一平面内において、固体レーザ媒質31の外周部分に無添加媒質32を備える。また、無添加媒質32のディスク面の外形は多角形である。固体レーザ媒質31と無添加媒質32は光学的に接合している。
このように構成することで、固体レーザ媒質31を円形や楕円形等の形状にした場合でも、固体レーザチップ3の入射端面(励起光入射側面)を直線の面とすることができるので、6面体のスラブ導波路2から励起光8を導入することができる。特に、固体レーザ媒質31が円形である場合には、円形のレーザ光に対する重なりが高いため、より高効率に高出力が得られる等の特徴がある。
以上のように、この実施の形態1によれば、薄板上のレーザ媒質の側面励起構成において、分割配置したスラブ導波路を備えることにより、高出力な励起光を用いて均一性の高い励起を行なうことが可能となる。その結果、高出力で高輝度なレーザ光の発生が可能な固体レーザ励起モジュールを提供することができる。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2について説明する。図9は、この発明の実施の形態2に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。図9の上段は、下段の破線部分を拡大したものである。なお、図9では、1方向からの励起についてのみ示しているが、図示せぬものについては図1の構成と同じである。また、その他の構成についても、実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図9において、固体レーザチップ3のXZ面のディスク面以外の2側面が荒らし面(粗面)51としている。荒らし面51は、レーザ光の波長に対して面精度が非常に悪い面である。製作方法としては、固体レーザ媒質31と無添加媒質32を光学的に接合後に切断することで荒らし面51としてもよいし、ヤスリやその他の手段を用いてもよい。
このように固体レーザチップ3の2側面を荒らし面51とすることで、荒らし面51に入射する励起光8は、一部が拡散反射し、残りの一部が拡散しながら透過する。従って、励起された固体レーザ媒質31で発生した蛍光は、XZ面内での全反射による周回パスがないため、寄生発振が発生しない。その結果、より高出力な励起を行っても寄生発振が発生せず、高出力なレーザ発振器や増幅器を提供できる等の特徴がある。
また、固体レーザチップ3のXZ面内の4側面がそれぞれ略鉛直で構成しても拡散反射により寄生発振が生じない。従って、XZ方向のディスク面以外の2側面に斜め研磨を施す必要がなく、簡便に固体レーザチップを製作できる等の特徴がある。
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加えて、固体レーザチップ3の側面をテーパ面とすることなく寄生発振を抑制することができる。
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3について説明する。図10は、この発明の実施の形態3に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。図10の上段は、下段の破線部分を拡大したものである。なお、図10では、1方向からの励起についてのみ示しているが、図示せぬものについては図1の構成と同じである。また、その他の構成についても、実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図10において、図9で示した固体レーザチップ3の荒らし面51に隣接して、反射手段52を配置する。反射手段52は、金属薄膜や誘電体多層膜を施した部材により構成して荒らし面51に近接配置してもよいし、セラミックやその他の高反射物質を近接配置してもよい。更には、荒らし面51に直接、金属薄膜や誘電体多層膜を形成することで構成してもよい。
このように構成することで、荒らし面51に入射した励起光8の一部は拡散反射し、残りの光は透過するが、透過した光は反射手段52により反射されるため、再び固体レーザチップ3内に入射し伝搬する。この時、固体レーザチップ3に再入射した光は、荒らし面51を通過するために、拡散して固体レーザチップ3の様々な方向に伝搬する。
固体レーザ媒質31が励起されることで利得を持ち、蛍光を発生するが、実施の形態2と同様に、固体レーザチップ3の荒らし面51に入射した光は拡散して反射されるので、周回光路がなく、寄生発振が起こらない等の特徴がある。
一方、実施の形態2に係る固体レーザ励起モジュールの構成においては、スラブ導波路2の励起光入射面10から入射して伝搬してきた励起光8が、固体レーザ媒質31に吸収される前に荒らし面51に入射した場合、一部は拡散反射し、残りの一部は透過する。この反射された励起光8は固体レーザ媒質31に吸収されるが、残りの一部は固体レーザチップ3の外に出てしまうため、透過成分を固体レーザ媒質31に吸収させることができない。従って、固体レーザチップ3の外に漏れた励起光8の分だけ利用効率が低い。
それに対して、実施の形態3に係る固体レーザ励起モジュールの構成においては、荒らし面51を覆うように反射手段52を配置する構成としたため、荒らし面51から漏れ出た励起光8を再び固体レーザチップ3内に入射させることができるので、より多くの励起光8を固体レーザ媒質31に吸収させることができる。従って、より高効率で高出力なレーザ発振器や増幅器を提供できる等の特徴がある。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態2の効果に加えて、固体レーザチップ3の外に漏れる励起光8を反射手段52が全反射するので、励起光8の利用効率が更に向上する効果が得られる。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4について説明する。図11は、この発明の実施の形態4に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。なお、図11では、1方向からの励起についてのみ示しているが、図示せぬものについては図1の構成と同じである。また、その他の構成についても、実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図11において、固体レーザチップ3のXZ面方向のディスク面以外の2側面を光学面53とし、更に、光学面53に低屈折材54を光学的に接合する。低屈折材54は、固体レーザチップ3の屈折率よりも低い屈折率の材料で構成される。低屈折材54と光学面53とは、例えば、光学接着剤を用いて接合してもよい。
ここで、スラブ導波路2のテーパ面で反射してY軸方向に傾斜した励起光8が、光学面53に入射する角度(光学面53の法線に対する角度)をθPump、励起された固体レーザ媒質31で発生した蛍光が、光学面53に入射する角度(光学面53の法線に対する角度)をθParとする。また、固体レーザチップ3の屈折率をn1、低屈折材54の屈折率をn2とする。
この時、励起光8が光学面53で全反射し、固体レーザチップ3内を伝搬する条件は
n2<n1×Sin(θPump) (2)
である。
また、蛍光が固体レーザチップ3のディスク面で全反射せずに透過する条件は、固体レーザチップ3のXZ面の4側面が略鉛直である場合は
n1×Sin(θPar)<n2 (3)
である。
従って、励起光8は固体レーザチップ3内に閉じ込められるが、蛍光は周回して増幅する前に固体レーザチップ外に放出されるための条件は
n1×Sin(θPar)<n2<n1×Sin(θPump) (4)
となる。
例えば、固体レーザチップ3の母材がYAGである場合は、n1=1.82である。この時、蛍光が固体レーザチップ3のディスク面での全反射の臨界角は33.3°になるため、固体レーザチップのXZ方向の4側面が略鉛直である場合は、θPar>56.7°の角度で光学面53に入射する蛍光は、全て固体レーザチップ3のディスク面を透過する。
従って、θPar≦56.7°の蛍光が光学面53を透過する条件は、数式(3)より、1.52<n2となる。
更に、θPump=20°と仮定すると、数式(2)より、n2<1.71が得られる。
従って、低屈折材の屈折率n2を、1.52<n2<1.71とすることで、励起光が固体レーザチップ3内に閉じ込められるため高効率に固体レーザ媒質31を励起することが可能であり、蛍光は固体レーザチップ3内を1周回できないので寄生発振が生じない。
このように、数式(4)で示される条件を満たすように設定することにより、高効率で高出力なレーザ発振器や増幅器を提供できる等の特徴がある。
なお、以上の説明では蛍光が固体レーザチップ3内を1周回しない条件について示したが、1周回または数周回後に全反射条件が破られる(数式(4)が成立する)ようにしてもよい。この時、寄生発振閾値は低下するが、θParを小さくとることができるので、低屈折材54の屈折率範囲が大きくなり、低屈折材54の材料選定の自由度が大きくなる等の特徴がある。
また、固体レーザチップ3のXZ面内の4側面をそれぞれ略鉛直で構成しても寄生発振が生じないため、XZ面のディスク面以外の2側面に斜め研磨を施す必要がなく、簡便に固体レーザチップ3を製作できる等の特徴がある。
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1の効果に加えて、固体レーザチップ3のXZ面内の4側面を略鉛直で構成した場合でも、寄生発振を抑制することができる。
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5について説明する。図12は、この発明の実施の形態5に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。なお、図12では、1方向からの励起についてのみ示しているが、図示せぬものについては、図1の構成と同じである。また、その他の構成についても、実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図12において、スラブ導波路2のテーパ面に保持手段61を光学的に接合している。保持手段61は、ガラスや結晶、光学セラミック等で構成し、スラブ導波路2に光学的に接合してもよいし、光学接着剤と金属材料やセラミック、ガラスや結晶、光学セラミック等の固体材料で構成し、スラブ導波路2と固体材料の間を光学接着剤で接合する構成でもよい。いずれにせよ、スラブ導波路2のテーパ面は保持手段61の光学部材と接触する構成である。
更に、保持手段61の光学部材の屈折率は、スラブ導波路2の屈折率よりも低く設定する。この時、スラブ導波路2内を伝搬する励起光8がテーパ面で全反射条件をみたすように、保持手段61の光学部材の屈折率を設定する。このように構成することで、スラブ導波路2の励起光入射面10に入射した励起光8は、励起光入射面10と励起光出力面11以外の4側面で全反射してスラブ導波路2内を伝搬し、励起光出力面11から出力される。出力された励起光8は固体レーザチップ3内に入射し、固体レーザ媒質31に吸収される。
ここで、スラブ導波路2はその6面全て(励起光入射面10、励起光出力面11、全反射側面が4面)が光学面である。スラブ導波路2を保持する場合、全反射側面の4面のいずれかの面を用いるが、空気以外の部材に接触するため、保持部材61との接触面は全反射角度が小さくなる。
発光面積が大きな励起源21を用いた場合、スラブ導波路2のXY面と平行な面の法線と励起光8との角度が小さくなるため、大きな全反射角度が要求される。そのため、スラブ導波路2のXY面と平行な面を保持面として用いた場合、必然的に励起源21の大きさが制限されてしまう。
それに対して、スラブ導波路2のテーパ面に保持手段61を光学的に接合した構成の場合、保持手段61のXY面と平行な面を保持部として用いることができるので、スラブ導波路2のXY面と平行な面は空気との接触面にすることができる。従って、スラブ導波路2の屈折率による全反射角度を最大限に利用することができるので、スラブ導波路2内を伝搬させる励起光8の角度を最も大きくすることができる。その結果、励起光8の集光角度を大きく設定することができるので、より大型で高出力の励起源21を用いて、更に高出力なレーザ発振器や増幅器を提供できる等の特徴がある。
以上のように、この実施の形態5によれば、スラブ導波路2内を伝搬する励起光8の角度を最大にすることができるので、励起光8の集光角度を大きく設定することができる。その結果、更に高出力の励起源21を用いることができる。
この発明の実施の形態1に係る固体レーザ励起モジュールの構成を示す正面図である。 図1の固体レーザ励起モジュールの上面図である。 図1の固体レーザモジュールの構成において、励起光の伝搬を示す正面図である。 図1の固体レーザモジュールの構成において、励起光の伝搬を示す上面図である。 図4における固体レーザチップ3の構成の一例を示すA−A線断面図である。 図5と異なる固体レーザチップ3の構成の一例を示すA−A線断面図である。 図1と異なる固体レーザ励起モジュールの構成の一例を示す上面図である。 図1と異なる固体レーザチップ3の構成の一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態2に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態3に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態4に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態5に係る固体レーザ励起モジュールの構成において、その一例を示す上面図である。
符号の説明
1 反射防止膜、2 スラブ導波路、3 固体レーザチップ、5 全反射膜、6 接合剤、7 冷却手段、8 励起光、9 光軸、10、励起光入射面、11 励起光出力面、 21 励起源、22 LDバー、31 固体レーザ媒質、32 無添加媒質、40 コリメートレンズ、43 集光レンズ、51 荒らし面、52 反射手段、53 光学面、54 低屈折材、61 保持手段、71 寄生発振パス、72 蛍光。

Claims (11)

  1. レーザ光入射面より入射した励起光を吸収して発生した利得によりレーザ光を増幅すると共に励起時に発生した熱を前記レーザ光入射面と対向する排熱面から排熱する固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の前記レーザ光入射面に光学的に接合された無添加媒質とから構成され、励起光を導入する励起光入射側面を有する平板状の固体レーザチップと、
    励起光入射面と前記固体レーザチップの前記励起光入射側面に近接配置された励起光出力面とを有し、前記励起光入射面より導入して伝搬した励起光を前記励起光出力面から出力して前記固体レーザチップの前記励起光入射側面に入射するスラブ導波路と、
    前記固体レーザ媒質の前記排熱面側に設けられ、前記レーザ光入射面から入射して前記固体レーザ媒質内を伝搬したレーザ光を反射する全反射膜と、
    前記全反射膜と接合され、前記固体レーザ媒質の前記排熱面から前記全反射膜を介して排熱する冷却手段とを備え、
    前記固体レーザチップの励起光入射側面から入射した励起光は、前記固体レーザ媒質に入射した後、前記固体レーザ媒質と前記無添加媒質とを伝搬して、前記固体レーザ媒質で吸収されることを特徴とする固体レーザ励起モジュール。
  2. 前記励起光を出力する半導体レーザと、
    前記半導体レーザの速軸方向に曲率を持ち、通過した速軸方向の励起光を集光する速軸方向集光手段とを備え、
    前記速軸方向集光手段で集光した励起光の大きさが最小となる位置に、前記スラブ導波路の前記励起光入射面を配置したことを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  3. 前記スラブ導波路は、前記励起光入射面の面積より励起光出力面の面積の方が小さいことを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  4. 前記固体レーザチップの前記励起光入射側面の法線が前記レーザ光入射面の法線に対して傾斜しており、
    前記スラブ導波路の前記励起光出力面の法線と前記固体レーザチップの前記励起光入射側面の法線とが略平行であることを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  5. 前記無添加媒質のレーザ光軸方向の厚さが、前記固体レーザ媒質のレーザ光軸方向の厚さより厚いことを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  6. 前記固体レーザチップの平板面と前記励起光入射側面とを除く側面の法線が、前記レーザ光入射面の法線に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  7. 前記固体レーザチップが、
    略円形状の前記固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の周囲に光学的に接合された多角形状の前記無添加媒質から構成されることを特徴とする請求項1記載の固体レーザモジュール。
  8. 前記固体レーザチップの平板面と前記励起光入射側面とを除く側面が、荒らし面であることを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  9. 前記固体レーザチップの前記荒らし面に隣接して配置された反射手段を備え、
    前記荒らし面を通過した励起光が前記反射手段により反射され、前記固体レーザチップ内に再入射されることを特徴とする請求項8記載の固体レーザ励起モジュール。
  10. 前記固体レーザチップの平板面と励起光入射側面とを除く側面に、前記固体レーザチップの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折材を光学的に接合したことを特徴とする請求項1記載の固体レーザ励起モジュール。
  11. 前記スラブ導波路の前記励起光入射面と前記励起光出力面とを除く一対の対向する側面に、前記スラブ導波路の屈折率よりも低い屈折率を有する保持手段を光学的に接合したことを特徴とする請求項1記載の固体レーザモジュール。
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