JP2007108191A - 液晶レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶レンズによって焦点調節機構を実現する場合、ヒータ電極を液晶駆動電極の周囲に設けて温度補償を行なう方式が提案されているが、ヒータ電極の形状や材質によって発熱体としての機能を発揮させるための条件が厳しく、単にヒータ電極を設けただけでは十分な温度補償機能が得られないという問題があった。
【解決手段】 本発明の液晶レンズ装置では、内面側に電極を有する2枚の基板の間に液晶を封入して液晶セルを構成し、前記2枚の基板の少なくとも一方の基板にヒータ電極を設けた液晶レンズにおいて、前記2枚の基板の前記ヒータ電極を設けた面を除く少なくとも1つの基板面に、前記ヒータ電極からの発熱を伝導及び反射するための熱伝導部材を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各々電極を有する透明な基板間に液晶材料を充填して液晶セルを構成し、前記電極間の電圧印加により屈折率を変化させて焦点距離を可変とした液晶レンズに関する。
従来光ディスク装置やカメラ等の合焦点機構における可変焦点レンズとして、液晶材料の複屈折性を利用して光路長を電気的に制御する液晶レンズが提案されている。
この液晶レンズは透過光に光路差を与えて焦点を可変するものであり、その一例としては、少なくとも一方の基板がレンズ形状に形成された対向する2枚の透明基板と、この透明基板の互いに対向する側の面にそれぞれ設けられた一様な透明電極と、この透明電極に挟まれたレンズ形状の空間内に封入された液晶材料とよりなり、前記透明電極への印加電圧を制御する事によって屈折率を可変するレンズ形状型の液晶レンズがある。(例えば、特許文献1参照)
また、他の例としては、平坦な2枚の透明基板と、この透明基板の互いに対向する内面の少なくとも一方の面には光軸を中心に同心状に設けられた複数の同心電極を含め、各々の面に設けられた透明電極と、この透明電極に挟まれた平坦な空間内に封入された液晶材料とよりなり、前記同心電極を構成する各透明電極への印加電圧を異ならせることにより、半径方向に電圧分布を発生させて屈折率を可変する平行基板型の液晶レンズがある。(例えば、特許文献2参照)
また、液晶レンズに関する技術ではないが、液晶材料が低温時に動作特性が悪くなることに着目し、表示装置に用いる液晶セルにヒータ電極を設けて低温時に加熱する技術が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
また、本発明でヒータ電極の形成に用いる水金法による液晶セル電極の形成に付いては、本発明者がすでに提案している公知技術がある(例えば、特許文献4参照)
特開昭63−206721号公報 特開平5−53089号公報 特開2004−170852号公報 特開平11−194358号公報
前記液晶レンズをカメラのズーム機能やフォーカス機能に応用するためには、焦点距離の可変範囲を大きくする必要があり、このためには大きな屈折率変化を発生する必要がある。さらに液晶レンズをカメラの焦点調節機構として用いる場合には、その応答速度が重要な要素であり、自動焦点調節機構に於いては2秒以下の応答速度が要求される。
しかし、前記平行基板型の液晶レンズにおいて屈折率変化を大きくするためには、液晶セルを構成する液晶物質の屈折率異方性(Δn)を大きくするか、または前記平行基板間の距離すなわちセルギャップ(d)を大きくする必要がある。しかし液晶物質の屈折率異方性には大きさに限界があり(Δn<0,3)、必要な屈折率変化を得る為にはセルギャップ(d)を大きくする必要がある。
一方、このセルギャップの大きさは液晶セルの応答特性及び温度特性に大きな影響を有する。すなわち液晶セルの駆動電圧印加による立ち上がり、または立ち下りの応答速度とセルギャップとの関係は、応答速度がセルギャップの二乗に比例して遅くなり、また温度に対して大きく依存する。
図15は従来の液晶セル(セルギャップ10μm)と液晶レンズ用にセルギャップを大きくした液晶セル(セルギャップ25μm)との温度に対する応答速度の特性図であり、横軸は温度(℃)を示し、縦軸は応答速度(ms)を示す。
図15において、LC1はセルギャップ10μmの従来の液晶セル、LC2はセルギャップ25μmの液晶レンズ用の液晶セルの特性曲線であり、LC1では−10℃でも2000ms以下であるのに対し、LC2は5℃で2000msを超えている。
すなわち、液晶レンズ用にセルギャップを大きくした液晶セルでは、低温側においてカメラ用の液晶レンズとしての機能を満足しない事になる。
すなわち、液晶レンズによってカメラの焦点調節機構を実現する場合、焦点調節範囲を大きくするために大きなセルギャップが必要であり、またセルギャップを大きくすることによって応答速度が遅くなるという相反する問題がある。現状の液晶レンズにおいてはこの問題に関する有効な解決策が見いだされておらず、液晶レンズを用いたカメラの焦点調節機構は実用化が進んでいない。
そこで、本出願人は、焦点調節範囲を大きくするとともに応答速度を改善した液晶レンズとして、ヒータ電極による加熱方式の液晶レンズを既に提案している。
以下、図10〜14により先願のヒータ付き液晶レンズに付いて説明する。
図10は先願の液晶レンズ装置を組み込んだカメラ機構の構成図である。100は液晶レンズ装置で、後述するヒータ電極51を有する液晶レンズ50と液晶駆動回路110と前記ヒータ電極51を駆動するヒータ駆動電源120とにより構成される。
前記液晶レンズ装置100はレンズ130,140等とともにハウジング150に収められており、被写体160に向けられるカメラを構成している。そして前記ハウジング150には前記被写体160側に開口部150aが設けられている。
図11は図10に示す液晶レンズ1の断面図、図12はその平面図である。図に示すごとく液晶レンズ50は第1液晶セルである上セル2と第2液晶セルである下セル3との、配向方向を直交させた2個の液晶セルを積層したいわゆる2層液晶レンズである。上セル2と下セル3とは基本的構成は同じ構成を有するので、その構成を下セル3に付いて説明する。
5は大型の第1基板、6は小型の第2基板であり、この2枚の基板間に液晶層7が封止されて下セル3が構成されている。さらに前記第1基板5の内面側には液晶駆動電極8、ヒータ電極51が設けられ、さらに第1基板5の庇部分には接続電極9が設けられている。また前記第2基板6の内面側にはコモン電極11が設けられている。そして前記上セル2と下セル3との第1基板5をUV接着層12で接着することにより液晶レンズ50を構成している。
前記上セル2は前述の如く基本構成は下セル3と同じであるが、異なるところはヒータ電極51が設けられていないことである。これはヒータ電極51を上セル2と下セル3の両方に設けることも出来るが、温度抵抗の低いUV接着層12で接着された液晶レンズ50の場合はどちらか一方の液晶セルにヒータ電極51を設ける事で液晶レンズ全体が加熱できることが確認されている。
前述のごとく上セル2と下セル3とは基本的構成は同じであるが、図12に示すごとく上セル2の配向方向H1と下セル3の配向方向H2とは直交配置されており、この基本的構成は同じで配向方向のみが異なる2個の液晶セルの第1基板側をUV接着層12で接着することにより液晶レンズ50を構成している。
なお、この直交配向の2層液晶レンズは、前記特許文献2に記載されている公知の液晶レンズであり、広い範囲での合焦点動作が可能で偏光依存性のない優れたものである。そして先願における液晶セルの定義としては、前記液晶レンズ50の図10に示す配置において入射光側、すなわち被写体160側に向いている方を上セル2、被写体160の対向側を下セル3としている。
図13、図14は図11に示す第1基板5と第2基板6の電極パターン図である。図13において前記液晶駆動電極8はレンズ用の複数の透明輪帯電極であり、各輪帯電極は抵抗線15で接続されるとともに中心電極8aと最外周電極8bに電源を供給することによりレンズ動作を行なう。また前記ヒータ電極51は前記液晶駆動電極8の周囲を取り囲むリング形状に設けられている。そして前記接続電極9は液晶駆動電極8に接続される2本の接続電極9a,9bとヒータ電極51に接続される2本の接続電極9c、9dと前記第2基板6に設けられたコモン電極11に基板間導通部11aを介して接続される1本の接続電極9eとがある。
前記ヒータ電極51は金薄膜のような一様な金属層で構成されているが、同一の電極巾ではなく電極巾の広い低抵抗電極部51bの一部に発熱部を構成する電極巾の狭い高抵抗電極部51aが設けられている。
そして、ヒータ電極51は前記液晶駆動電極8の周囲を取り囲むように設けられており、ヒータ電極51に接続される2本の接続電極9c、9dに前記ヒータ駆動電源120から供給される電圧によって前記高抵抗電極部51aを発熱させて液晶レンズ50の温度補償を行う。
次に上記液晶レンズ50の動作を説明する。前記第1基板5に形成された液晶駆動電極8と第2基板6に形成されたコモン電極11は何れもITO(酸化インジューム・酸化スズ合金)等の透明電極で構成されており、前記液晶駆動回路110より接続電極9a,9bを介して前記抵抗線15に供給される液晶駆動信号により、各透明輪帯電極には半径方向に電圧分布を発生する。そしてこの各透明輪帯電極に発生した電圧分布と前記コモン電極11に接続電極9eから基板間導通部11aを介して供給されるコモン信号とにより、液晶層7の屈折率が制御されてレンズ機能を生ずることになる。
また、前記第2液晶セル3の第1基板5における液晶駆動電極8の周囲を取り囲むように設けられたヒータ電極51は、レンズ領域外に設けられているので透明である必要はなく、導電性の良い金電極等の金属材料を使用している。
そして、前記第2液晶セル3に設けられたヒータ電極51は温度低下を検出する温度センサー(図示せず)の信号に従って、前記ヒータ駆動電源120から接続電極9c,9dを介して供給されるヒータ駆動信号により発熱して、前記液晶層7を過熱することで応答速度の改善を行なう。
図13において、液晶レンズ部分の大きさは直径4mm程度の小さいものであり、そのレンズ範囲を取り囲むヒータ電極51の直径も5mm以下である。
この直径が5mm程度のヒータ電極51の材料としてシート抵抗3Ωの金薄膜を用いた場合、ヒータ電極51の幅を一様な幅で200μmとするとヒータ抵抗が50Ωとなる。このヒータ電極51に3Vの電圧を供給すると60mAの電流がながれて180mWの電力となるが、その結果としてヒータ温度が20℃しか上昇しなかった。
これを改善するためヒータ電極51の電極巾の広い低抵抗電極部51bの一部に、発熱部を構成する電極巾の狭い高抵抗電極部51aを設けることによって、高抵抗電極部51aの発熱を温度補償に必要な高温まで高めることが出来た。
しかし、上記の如くヒータ電極51の一部に、発熱部を構成する高抵抗電極部51aを設けることによって、高抵抗電極部51aの発熱を温度補償に必要な高温まで高めることが出来たが、逆に狭い範囲の高抵抗電極部51aに発熱が集中してしまうため、液晶レンズ全体への熱伝導が行われず、部分的な温度バラツキが大きくなって十分な補償機能が行なわれ難くなる問題が生じた。
上記温度バラツキが発生する原因としては図11に示す如く、高抵抗電極部51aから発生した局部的な発熱は高抵抗電極部51aの周辺の液晶のみを高温にするため、発熱部周辺の液晶と中心部の液晶との間に温度差が発生し、液晶レンズに特性むらが生じる結果となる。また図11に矢印で示す如く局部的な発熱は液晶セルのガラス基板を突き抜けて外部に放散される無効分が多くなり、液晶層を温める為に使われる有効分が少なくなってしまうものと考えられる。
従って、液晶レンズ全体を温度補償に必要な高温まで高めるためには、局部的な高温発熱を液晶セル全体に伝導させるとともに、外部に放散される無効分を出来るだけ減少させる必要がある。
本発明は、液晶レンズのヒータ構成を改良する事により、温度補償に必要な高温を発生させる事を可能とし、かつ液晶レンズ全体の温度バラツキを小さくすることで、電子カメラのような電池電源による低電圧電源においても十分な温度補償が得られ、高速応答する広範囲な焦点調節範囲を有する液晶レンズを実現することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の液晶レンズ装置では、 内面側に電極を有する2枚の基板の間に液晶を封入して液晶セルを構成し、前記2枚の基板の少なくとも一方の基板にヒータ電極を設けた液晶レンズにおいて、前記2枚の基板の前記ヒータ電極を設けた面を除く少なくとも1つの基板面に、前記ヒータ電極からの発熱を伝導及び反射させるための熱伝導部材を設けたことを特徴とする。
前記液晶セルを構成する一方の基板の内面側に前記ヒータ電極を設け、他方の基板の内面側に前記熱伝導部材を設けると良い。また前記ヒータ電極を設けた基板の対向面や液晶セルの外表面に設けると良い。また1つの基板の両面に設けると良い。さらに両面に設けた熱伝導部材をスルーホールで接続すると良い。
前記熱伝導部材は前記ヒータ電極と断面的に重なる位置に設けると良く、さらに熱伝導部材とヒータ電極とは同一金属膜で構成すると良い。
前記液晶セルの一方の基板の内面側には、レンズ用の複数の透明輪帯電極が設けられており、該透明輪帯電極の周囲に前記ヒータ電極が設けられ、前記液晶セルの他方の基板の内面側に前記熱伝導部材が設けられていると良い。また前記一方の基板の外面側の前記ヒータ電極と対向する位置に前記熱伝導部材を設けると良い。
前記ヒータ電極は発熱部を構成する高抵抗電極部と該高抵抗電極部間を接続する低抵抗電極部とが交互に設けられおり、前記熱伝導部材は前記ヒータ電極の発熱部を構成する高抵抗電極部に対向する位置にのみ独立して設けられていると良い。また独立して設けられている熱伝導部材の数は奇数個であると良い。
さらに、前記透明輪帯電極、ヒータ電極、熱伝導部材は同一金属膜にて構成されていると良い。
前記液晶レンズは液晶配向方向を直交させた第1、第2の液晶セルを積層して構成されており、前記第1、第2の液晶セルの一方の液晶セルにのみヒータ電極を設け、他方の液晶セルには前記熱伝導部材を設けたことを特徴とする。
前記第1、第2の液晶セルは、1枚の共通基板と2枚の対向基板との3枚の基板によって構成されており、前記共通基板の1方の面に前記ヒータ電極を設け、前記2枚の対向基板には前記熱伝導部材を設けると良く、また前記2枚の対向基板にはその両面に前記熱伝導部材を設け、両面に設けた前記熱伝導部材はスルーホールで接続されていると良い。
上述したように、本発明によれば液晶レンズのヒータ電極と熱伝導部材とを組み合わせることによって、ヒータ電極からの発熱を早急に液晶レンズ全体に伝導させ、かつ液晶レンズの内部に閉じ込めて有効化することが出来る。このため温度補償が十分行われることで、焦点調節の可変範囲が大きくて応答速度の速い液晶レンズ装置が実現できる。
以下、図面により本発明の実施の形態に付いて詳細に説明する。なお前記図10〜図14に示す先願の液晶レンズ装置は基本的に本発明にも適用するものであり、同一要素には同一番号を付して説明を省略する。
図1は本発明の液晶レンズの断面図であり、液晶レンズ1は図13に示す先願の液晶レンズ50と基本構成は同じで後述する熱伝導部材10のみが異なっている。また図2、図3は図1おける第1基板5と第2基板6の両側基板面の電極パターン図であり、また図4は第1基板5における内面側のヒータ電極51と外面側の熱伝導部材10の位置関係を示すパターン図である。
前記図1〜図4に示す本発明の液晶レンズは、先願における図11〜図14に示す液晶レンズに対応しており、同一要素には同一番号を付し説明を省略する。
図1に示す本発明の液晶レンズ1と、図11に示す先願の液晶レンズ50との違いは、液晶レンズ1を構成する各基板のヒータ電極が設けらている基板面以外の、少なくとも1つの基板面に熱伝導部材10が設けられている事である。
すなわち、先願の液晶レンズ50と同様にヒータ電極51を有する 下セル3と、ヒータ電極51を有さない上セル2とをUV接着層12で一体化して液晶レンズ1を構成している。
そしてヒータ電極51を有する 下セル3では、前記ヒータ電極51を設けた第1基板5の対向面に熱伝導部材10cを設け、さらに第2基板6の内面に熱伝導部材10a、外表面に熱伝導部材10bを設けている。すなわち下セル3では前記ヒータ電極51に対応して液晶層7に接する面に熱伝導部材10aを配設し、さらに両側の基板外表面を熱伝導部材10bと熱伝導部材10cとにより覆い包んでいる。
また、ヒータ電極51を有さない 上セル2では、液晶層7に接する面に熱伝導部材10dと熱伝導部材10eを配設し、さらに第2基板6の外表面に熱伝導部材10fを設けている。
図2は図1に示す第1基板5の電極パターン図であり、図2aは第1基板5の内面側の電極パターン図、図2bは第1基板5の外面側の電極パターン図である。
図2aは先願の図13に 対応していて、前記液晶駆動電極8はレンズ用の複数の透明輪帯電極であり、各輪帯電極は抵抗線15で接続されるとともに中心電極8aと最外周電極8bに電源を供給することによりレンズ動作を行なう。また前記ヒータ電極51は前記液晶駆動電極8の周囲を取り囲むリング形状に設けられている。そして前記接続電極9は液晶駆動電極8に接続される2本の接続電極9a,9bとヒータ電極51に接続される2本の接続電極9c、9dと前記第2基板6に設けられたコモン電極11に基板間導通部11aを介して接続される1本の接続電極9eとがある。
前記ヒータ電極51は金薄膜のような一様な金属層で構成されているが、同一の電極巾ではなく電極巾の広い低抵抗電極部51bの一部に発熱部を構成する電極巾の狭い高抵抗電極部51aが設けられている。
そして、ヒータ電極51は前記液晶駆動電極8の周囲を取り囲むように設けられており、ヒータ電極51に接続される2本の接続電極9c、9dに前記ヒータ駆動電源120から供給される電圧によって前記高抵抗電極部51aを発熱させて液晶レンズ50の温度補償を行う。
図2bは第1基板5の外面側の電極パターン図であり、リング形状の熱伝導部材10cが設けられている。このリング形状の熱伝導部材10cは前記リング形状のヒータ電極51と略同じ形状のリング形状を成し、ヒータ電極51より少しリング幅が広く形成されている。すなわち前記熱伝導部材10は最高温となる前記ヒータ電極51と断面的に重なる位置に設けられることにより、ヒータ電極51の発熱を伝導及び反射させ、また蓄熱して放射させる機能を有する。
図3は図1に示す第2基板6の電極パターン図であり、図3aは第2基板6の内面側の電極パターン図、図3bは第2基板6の外面側の電極パターン図である。
図3aは先願の図14に 対応しており、コモン電極11が設けられその周囲を取り囲む形状の熱伝導部材10aが設けられている。また図3bは第2基板6の外面側の電極パターン図であり、熱伝導部材10bが設けられている。この熱伝導部材10a、10bも前記熱伝導部材10cと同様に、前記ヒータ電極51と断面的に重なる位置に、前記ヒータ電極51より少し幅が広いリング形状に設けられている
図4は第1基板5における内面側のヒータ電極51と外面側の熱伝導部材10cの位置関係を示すパターン図であり、第1基板5の内面側から見た状態を示すもので、ヒータ電極51は実線で示し熱伝導部材10cを一点鎖線で示している。
すなわち、熱伝導部材10cはリング形状のヒータ電極51に対して少し幅広のリング形状を成し、前記ヒータ電極51と略同心的に設けられている。
また、図1における前記上セル2に設けられた熱伝導部材10d,10e,10fは図示を省略したが、図4に示す熱伝導部材10cと同様な形状で、前記ヒータ電極51に対する位置関係も同様に略同心的に設けられている。
なお、図1におけるヒータ電極51は発熱部である高抵抗電極部51aの部分を断面で示している。
次に図1により液晶レンズ1のヒータ電極51と熱伝導部材10とによる温度補償動作を説明する。
前記ヒータ駆動電源120の駆動によってヒータ電極51の高抵抗電極部51aが発熱すると、その放射熱の一部は横向きの矢印の如く有効分として直接液晶層7を温めるが、放射熱の多くは縦向きの矢印の如く対向する位置に設けられた熱伝導部材10に伝導され、その伝導熱の一部は斜めの矢印の如く反射されて周囲を温め、伝導熱の多くは熱伝導部材10に蓄熱される。
同様に、蓄熱されて新たな熱源となった熱伝導部材10からの放射熱の一部は横向きの矢印の如く有効分として直接液晶層7を温めるが、放射熱の多くは縦向きの矢印の如く対向する位置に設けられた熱伝導部材10に伝導され、その伝導熱の一部は斜めの矢印の如く反射されて周囲を温め、伝導熱の多くは熱伝導部材10に蓄熱される。
以上の動作の繰り返しにより、前記高抵抗電極部51aの発熱は対向する熱伝導部材10を次々に経由しながら液晶レンズ1の温度をむら無く上昇させていく。このとき上セル2と下セル3の外周面に設けられた熱伝導部材10b、10fによって外部へ突き抜けようとする放射熱を反射させて液晶レンズ1の内部へ閉じ込めることで有効分を増加させる。
前記ヒータ電極や熱伝導部材としては、液晶レンズの形状や条件によって必要な個所に必要な数だけ設ければ良いことは当然である。
図1に示す実施形態では2層セル構成の液晶レンズ1に1個のヒータ電極51と6個の熱伝導部材10a〜10fを設けたが、上セル2と下セル3に各々1個づつのヒータ電極51を設け、それに対応して必要な個所に必要な数の熱伝導部材を設けても良いことは当然である。
特に熱伝導部材10の必要な個所としては、前記液晶層7を直接温めるために液晶セルの内面に設ける熱伝導部材10a、10d,10e、は重要であり、また放射熱を液晶レンズの外部に放散させないために、液晶レンズの外周面に設ける熱伝導部材10b,10f、さらに上セル2と下セル3との熱伝導の中継をする熱伝導部材10c等を適宜配置することが重要である。
図5、図6は本発明における第2の実施形態を示すものであり、図5は図1における第1基板5の外面側の電極パターン図、図6は第1基板5における内面側のヒータ電極51と外面側の熱伝導部材10の位置関係を示すパターン図である。
図5に示す如く第1基板5の外面側には独立した3個の熱伝導部材10hが設けられている。
この独立した3個の熱伝導部材10hは図6に示す如く、前記ヒータ電極51の発熱部である高抵抗電極部51aの位置と数に対応して設けられており、前記ヒータ電極51より少しリング幅が広く形成されている。すなわち前記熱伝導部材10hは前記ヒータ電極51と断面的に重なる位置に設けられることにより、ヒータ電極51の高抵抗電極部51aからの放射熱を伝導及び反射させ、また蓄熱して放射させる機能を有する。
前記熱伝導部材10hは、図1における熱伝導部材10cに対応しているものであるが、同様に図1の熱伝導部材10a、10b,10d、10e、10fの位置にも必要に応じて設けることが出来る。
前記独立した熱伝導部材10hをヒータ電極51の発熱部のみに設ける構成は、リング形状の熱伝導部材に比べて、蓄熱による熱伝導部材の温度上昇が早いことや、熱伝導部材から外部への熱放散が少なくなって発熱の利用効率が良くなる等、部分発熱構成のヒータ電極との組み合わせにおいて特に有利である。
また、前記独立した熱伝導部材10hの数と配置は、液晶レンズ形状が円形でヒータ電極の配置がリング形状となるため、3〜5個の奇数個の熱伝導部材10hをリング形状の中心に対して、対称位置に設けるのが熱の利用効率及び熱分布の点において最適であった。
図7は本発明における第3の実施形態を示す液晶レンズの断面図であり、図1に示す液晶レンズの断面図と同一要素には同一番号を付し説明を省略する。
図7に示す液晶レンズ30において前記図1に示す液晶レンズ1と異なるところは、前記液晶レンズ1の上セル2と下セル3の大型基板である2枚の第1基板5の代わりに1枚の共通大型基板である第3基板35を設けた3枚構成の2層液晶セルである。
この2層液晶セルにおいては第3基板35の両面に、図2aに示した液晶駆動電極8か設けられ、かつヒータ電極51は下セル3を構成する側の面にのみ設けられている。
そして、液晶レンズ30の熱伝導部材は前記液晶レンズ1と共通する上セル2における第2基板6の両面に設けられた熱伝導部材10e、10fと、下セル3における第2基板6の両面に設けられた熱伝導部材10a10bとに加えて、第3基板35の上セル2側の面の前記ヒータ電極51に対向する位置に設けた熱伝導部材10gとがある。
もちろん、このヒータ電極51を上セル2側にも設けても良いが、前述の如く下セル3のみのヒータ電極で加熱特性が満足出来る上、液晶レンズ30の場合はUV接着層12がない1層基板であるのでさらに熱伝導率は良く、良好な加熱特性が得られた。
図8は本発明における第4の実施形態を示す液晶レンズの断面図であり、図8に示す液晶レンズ40は、基本的構成は図7に示す液晶レンズ30と同じであるが、異なるところは上セル2における第2基板6の両面に設けられた熱伝導部材10e、10fと、下セル3における第2基板6の両面に設けられた熱伝導部材10a、10bとを各々スルーホール41で接続したことである。
この各熱伝導部材間をガラスより熱伝導率に良い金属製のスルーホール41で接続することによって、各熱伝導部材間の温度伝達が早くなり、液晶レンズとしての応答性をさらに高めることが出来た。
次にヒータ電極加熱による液晶レンズの温度上昇特性に付いて説明する。
図9はヒータ電極加熱状態において、液晶レンズの中心点の温度を測定した温度上昇特性図であり、H3はヒータ電極として図13に示すヒータ電極51の高抵抗電極部51aを設けずに、全体が低抵抗電極部51bの電極幅で構成したリング形状ヒータ電極を有する液晶レンズの温度上昇特性である。また、H2は図13に示すヒータ電極51の高抵抗電極部51aを3個設けたリング形状ヒータ電極を有する液晶レンズの温度上昇特性であり、H1は図1及び図2に示す本発明のヒータ電極51と熱伝導部材10とを組み合わせて設けた液晶レンズの温度上昇特性である。
各温度上昇特性に見られる通り、液晶レンズの中心点の温度を、温度補償に必要な60℃〜100℃まで上昇させるのに必要な電力は、H3の場合150〜220mWを必要とし、またH2の場合でも70〜130mWを必要としているのに対し、本発明のH1の場合には50〜80mWで行うことが可能となり、大幅に温度上昇特性が改善されていることがわかる。
次に前記熱伝導部材10を含む液晶レンズの各電極の製造方法に付いて説明する。
この製造方法に付いては本発明者が「液晶パネルの配線パターン形成法」として既に特許文献4で提案している水金法で形成している。
すなわち上記水金法による第1基板5の電極パターン形成工程を簡単に説明すると、まず第1基板5の上面にITO電極膜を構成する(工程a)。次に有機金に酸化性の樹脂を混ぜ合わせてペーストを作り、このペーストで上記ITO電極膜上の必要部分(各接続電極9と前記ヒータ電極51と熱伝導部材)にスクリーン印刷機を用いて金ペースト印刷膜を形成する(工程b)。次に第1基板5を焼成炉に入れて500℃位に過熱し、前記金ペースト印刷膜の樹脂分を完全に蒸発させる。この樹脂分を完全に蒸発させることによって金だけが残り、この金がITO電極膜の表面に焼き付いて金電極膜が形成される(工程c)。この金電極膜により、各接続電極9と前記ヒータ電極51及び熱伝導部材10が形成される。上記工程b及び工程cによって金電極膜を形成する方法はいわゆる「水金法」とよばれるものである。
次に金電極膜とITO電極膜の露出した全面にスクリーン印刷でポジ型のフォトレジスト膜を形成する(工程d)。次に配線パターン形状のフォトマスクを用いた紫外線照射によるパターン化を行う(工程e)。次に金用のエッチング液に浸漬して金電極膜の不要な部分を除去する(工程f)。この工程により、前記各接続電極9と前記ヒータ電極51及び熱伝導部材10の余分な部分が除去されるとともに、前記ヒータ電極51の一部に楔状の切欠形状が形成されることにより電極巾の狭い高抵抗電極部51aが構成される。
続いてITO用のエッチング液に浸漬し、ITO電極膜をパターン化する(工程g)。この工程により前記液晶駆動電極8の透明輪帯電極が形成されるとともに前記ヒータ電極51の余分なITOが除去される。上記エッチング処理工程の後に、表面層に残ったフォトレジスト膜をレジスト剥離液に浸漬して除去することで前記第1基板5の電極パターン形成工程が終了する。
なお、第2基板及び第3基板についても、同様の方法により各電極膜の形成ができる。
図2aに示す、楔形状のヒータ電極51には以下のような利点がある。
まず、高抵抗電極部51aと低抵抗電極部51bとを直列に配置することで、発熱部である高抵抗電極部51aの形状と配置位置を任意に設定する事が出来るため、発熱条件の選択自由度が高い。また発熱部である高抵抗電極部51aを分割して分散配置しているため熱の拡散がよくなる。
この実施形態においては前記ヒータ電極51及び熱伝導部材10を前記接続電極9と同じ金薄膜電極で構成した。そしてヒータ電極51の接続部を構成する低抵抗電極部51bのリング巾を200μm、前記発熱部を構成する高抵抗電極部51aのリング巾を20μm、長さLを20μmとし、かつ前記発熱部である高抵抗電極部51aは前記ヒータ電極51のリング形状の中心に対して対称位置に3個配置した。この結果、接続電極9d、9c間の抵抗値は58Ωとなり、この接続電極9d,9cに3Vの電圧を供給したところ51.7mAの電流が流れ、3箇所の発熱部の温度上昇が100℃を超える高温となり、この部分的な高温を各熱伝導部材で液晶レンズ全体に急速に伝導させることによってて十分な温度補償が出来た。
上記のヒータ電極及び熱伝導部材を構成する金電極膜を水金法で形成することによって以下の利点がある。
まず加熱効率を良くするために液晶セル内部にヒータ電極及び熱伝導部材を設ける場合は、特にヒータ電極及び熱伝導部材を構成する金属と液晶物質が直接接触するために前記金属の安定性が問題になる。その場合に水金法によって形成される金電極膜は純金に近い安定したものとなるため、液晶物質に直接触れても化学反応による劣化を生ずる事が無い。
また、水金法によって形成される金電極膜は、ITO膜やガラスとの密着性が良いため、過熱された時に剥がれ難くなる。
さらに、水金法とフォトエッチングの組合せ加工によって形成されるヒータ電極及び熱伝導部材は、微細パターン形成が可能なためヒータ電極としての重要なファクターである抵抗値の管理及びヒータ電極と熱伝導部材との位置精度の管理がし易く、高性能な液晶レンズの製造が可能となる。
上記のごとく本発明によれば、液晶レンズの温度補償用のヒータ電極と熱伝導部材とを組み合わせることによって液晶レンズを効率良く加熱しているため、低温時の動作遅れが補償されて焦点調節の可変範囲が大きくて応答速度の速い液晶レンズ装置が実現できる。
特に、発熱部を構成する高抵抗電極部と接続部を構成する低抵抗電極部とを交互に設けたヒータ電極と熱伝導部材とを組み合わせることによって、低電圧電源での高温発生と温度バラツキ補正ができるため十分な液晶レンズの温度補償が可能となる。
また、2層液晶セルで構成された液晶レンズにおいて、片側の液晶セルのみにヒータ電極を設け他方の液晶セルには熱伝導部材設けるだけで温度補償ができるため、構成が簡単でコスト的に有利な液晶レンズが実現できる。
また、ヒータ電極及び熱伝導部材を水金法とエッチングを用いて形成することにより電極の安定性が得られ、さらにコストダウンも期待できる。
実施の形態では内在型のヒータ電極と熱伝導部材の組合せに付いて説明したが当然これに限定されるものではなく、外在型のヒータ電極の場合にも有効なことはいうまでもない。
また、熱伝導部材の配置をヒータ電極と重なる位置に設けた構成のみを示したが、当然これに限定されるものではなく、ヒータ電極からの熱放射を受けて高温になる部分(液晶セルの構成によて異なる)に設けることが有効であり、これら高温部への配置をすべて含むものである。
さらに、基板面でのスペース的なゆとりがある場合には、ヒータ電極を設けた基板面にも熱伝導部材を配置すれば、さらに温度補償効果が高まることは当然である。
本発明による液晶レンズ装置は実施の形態に示したカメラに限定されず、光ディスクのピックアップ装置や内視鏡等の医療機器、さらにはメガネの度数調整用等に利用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す液晶レンズの断面図。 図1に示す第1基板5の内面側の電極パターン図。 図1に示す第1基板5の外面側の電極パターン図。 図1に示す第2基板6の内面側の電極パターン図。 図1に示す第2基板6の外面側の電極パターン図。 図1に示す第1基板5の内面側のヒータ電極と外面側の熱伝導部材の位置関係を示すパターン図。 本発明の第2の実施形態を示す熱伝導部材パターン図。 本発明の第2の実施形態における第1基板5の内面側のヒータ電極と外面側の熱伝導部材位置関係を示すパターン図。 本発明の第3の実施形態を示す液晶レンズの断面図。 本発明の第4の実施形態を示す液晶レンズの断面図。 ヒータ電極の加熱による各液晶セルの温度上昇特性図。 先願における液晶レンズ装置を組み込んだカメラ機構の構成図。 先願における液晶レンズの断面図。 先願における液晶レンズの平面図。 図10に示す第1基板5の電極パターン図。 図10に示す第2基板6の電極パターン図。 従来の液晶セルと、レンズ用液晶セルとの温度―応答速度特性図。
符号の説明
1、30,40、50 液晶レンズ
2 上セル
3 下セル
5 第1基板
6 第2基板
7 液晶層
8 液晶駆動電極
9 接続電極
10 熱伝導部材
11 コモン電極
12 UV接着層
35 第3基板
51 ヒータ電極
100 液晶レンズ装置
110 液晶駆動回路
120 ヒータ駆動電源

Claims (15)

  1. 内面側に電極を有する2枚の基板の間に液晶を封入して液晶セルを構成し、前記2枚の基板の少なくとも一方の基板にヒータ電極を設けた液晶レンズにおいて、前記2枚の基板の前記ヒータ電極を設けた面を除く少なくとも1つの基板面に、前記ヒータ電極からの発熱を伝導するための熱伝導部材を設けたことを特徴とする液晶レンズ装置。
  2. 前記液晶セルを構成する一方の基板の内面側に前記ヒータ電極を設け、他方の基板の内面側に前記熱伝導部材を設けた請求項1記載の液晶レンズ装置。
  3. 前記液晶セルを構成する一方の基板の内面側に前記ヒータ電極を設け、前記一方の基板の外面側に前記熱伝導部材を設けた請求項1記載の液晶レンズ装置。
  4. 前記熱伝導部材は前記液晶セルを構成する1つの基板の両面に設けられている請求項1記載の液晶レンズ装置。
  5. 前記1つの基板の両面に設けられた熱伝導部材はスルーホールで接続されている請求項4記載の液晶レンズ装置。
  6. 前記熱伝導部材は前記ヒータ電極と断面的に重なる位置に設けられている請求項1乃至5項の何れか1項記載の液晶レンズ装置。
  7. 前記熱伝導部材と前記ヒータ電極とは同一金属膜で構成されている請求項1乃至6の何れか1項記載の液晶レンズ装置。
  8. 前記液晶セルの一方の基板の内面側には、レンズ用の複数の透明輪帯電極が設けられており、該透明輪帯電極の周囲に前記ヒータ電極が設けられ、前記液晶セルの他方の基板の内面側に前記熱伝導部材が設けられている請求項1記載の液晶レンズ装置。
  9. 前記液晶セルの一方の基板の内面側には、レンズ用の複数の透明輪帯電極が設けられており、該透明輪帯電極の周囲に前記ヒータ電極が設けられ、前記一方の基板の外面側に前記熱伝導部材が設けられている請求項1記載の液晶レンズ装置。
  10. 前記ヒータ電極は発熱部を構成する高抵抗電極部と該高抵抗電極部間を接続する低抵抗電極部とが交互に設けられている請求項8又は9記載の液晶レンズ装置。
  11. 前記熱伝導部材は前記ヒータ電極の発熱部を構成する高抵抗電極部に対向する位置にのみ独立して設けられている請求項10記載の液晶レンズ装置。
  12. 前記独立して設けられている熱伝導部材の数は奇数個である請求項11記載の液晶レンズ装置。
  13. 前記透明輪帯電極、ヒータ電極、熱伝導部材は同一金属膜にて構成されている請求項8乃至12の何れか1項記載の液晶レンズ装置。
  14. 前記液晶レンズは液晶配向方向を直交させた第1、第2の液晶セルを積層して構成されており、前記第1、第2の液晶セルの一方の液晶セルにのみヒータ電極を設け、他方の液晶セルには前記熱伝導部材を設けた請求項1記載の液晶レンズ装置。
  15. 前記第1、第2の液晶セルは、1枚の共通基板と2枚の対向基板との3枚の基板によって構成されており、前記共通基板の1方の面に前記ヒータ電極を設け、前記2枚の対向基板には前記熱伝導部材を設けた請求項14記載の液晶レンズ装置。
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