JP2007107672A - レンジ切換装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンジ切換装置1におけるモータ4の負担を軽減して無駄な電力消費を回避しつつも、追従性高く確実に変速モードを切換可能なシフトレンジ制御部3を提供する。
【解決手段】モータ4の回転は、ボールねじ機構5によって往復運動に変換されてディテントレバー40を回転させる。ディテントレバー40に連繋されたスプール7が軸方向に移動して自動変速機12の変速モードを切り換える。ディテント機構9によって各レンジに付勢されたディテントレバー40を回転させている最中に、その逆回転が必要な新しい要求レンジが指令されると、レンジシフト制御部3は、移動位置に最も近いレンジ位置で一端ディテントレバー40を停止させ、その後、停止したレンジから変更後の要求レンジへの回転を開始させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者が設定した要求レンジを検知して電気信号に変換し、この電気信号に応じてモータを起動/制動させて自動変速機の変速モードを切り換えるレンジ切換装置の制御装置に関する。
従来の自動変速機を備えた車輌では、シフトレバーの操作量が、自動変速機の油圧システムのマニュアルバルブへ機械的に伝達されて、油路を直接に切り換えることにより、変速モード(例えば、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)が切り換えられる。
これに対して、いわゆるシフトバイワイヤ(SBW)システムの自動変速機を備えた車輌では、運転者が設定した変速モードをポジションセンサ等で検知して電気信号に変換し、この電気信号に応じてモータやソレノイドを作動させて、電気制御的に自動変速機の油圧システムのマニュアルバルブを切り換えている。
特許文献1には、運転者が操作するシフトレバーのポジションをポジションセンサで読み取って、マニュアルバルブのスプール(油路切換軸)をモータ駆動により出し入れすることにより、自動変速機に変速モードを設定するレンジ切換装置が示される。ここでは、ディテント機構によって、スプールがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジそれぞれの停止位置へ付勢されている。また、ディテント機構の回転角度をエンコーダで読み取ってスプールの移動位置を検知しており、ディテント機構によって強制的にスプールが停止位置へ位置補正される範囲でモータ駆動を停止している。
特開2005−207570号公報
特許文献1に示されるレンジ切換装置は、モータ駆動によって、従来の機械的な直接駆動と同程度の追従性を確保して、操作レバーの切換操作に違和感を生じさせることなくレンジ切換を行うことができる。
しかし、シフトレバーの操作を誤ってレンジを入れ間違え、あわてて正しいレンジへ入れ直した際には、追従性高くモータの起動、反転を繰り返すことになり、安価な直流モータ等ではモータの負担が大きい。特に、入れ直しの前後でスプールの移動方向が逆になる場合、反転に伴ってモータに大電流が流れて負担が大きくなり易く、電源ノイズが発生して、電力消費の無駄も多くなる。さらに、モータ駆動回路にも大電流が流れることもあり、モータ駆動回路の耐久性を低下させることにもなる。
しかしながら、操作レバーの切換設定のたびに待ち時間を設けて、安定した設定状態に応じてモータを起動していたのでは、操作レバーの切換操作と車体の応答との時間差に違和感を生じてしまう。
本発明は、モータの負担を軽減して、無駄な電力消費を回避しつつも、追従性高く変速モードを切り換え可能なレンジ切換装置の制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明(例えば、図1参照)は、車両の走行レンジを、運転者の要求レンジに対応する所定の走行レンジに切り換える切換部材(7)、前記所定の走行レンジになるように前記切換部材(7)を移動させるモータ(4)、前記切換部材(7)を前記所定の走行レンジに切り換えるために前記モータ(4)を制御するモータ制御手段(3)を備えたレンジ切換装置(1)の制御装置において、前記切換部材(7)の移動位置を検知する検知手段(8)と、前記運転者の要求レンジに対応する前記切換部材(7)の位置と前記移動位置とを比較する比較手段(S16)とを有し、前記モータ制御手段(3)は、前記レンジ切換装置(1)により運転者の要求レンジに対応する所定の走行レンジへの前記切換部材(7)の移動が完了する前に運転者によって要求レンジを変更された場合(S14のYES)、前記比較手段(S16)の比較結果に基づいて、前記要求レンジに対応する所定の走行レンジまで到達しているか否かを判断し、該判断に応じて前記切換部材(7)の移動方向を継続または変更するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1の制御装置における前記モータ制御手段(3)が、予め定められた停止すべき走行レンジの制動位置に前記移動位置が達すると(S19のYES)前記モータ(4)を制動させ(S20)、かつ、変更された後の前記要求レンジに対応する所定の走行レンジが前記切換部材(7)の移動方向に無い場合(S16のYES)には、前記移動方向における前記移動位置から最初の制動位置で前記モータ(4)を制動させて(S17、S19、S20)前記切換部材(7)の移動方向を変更するものである。
請求項3に係る発明は、請求項1の制御装置における前記モータ制御手段(3)が、予め定められた停止すべき走行レンジの制動位置に前記移動位置が達すると(S19のYES)前記モータ(4)を制動させ(S20)、かつ、変更された後の前記要求レンジに対応する所定の走行レンジが前記切換部材(7)の移動方向にある場合(S16のNO)には、変更された後の前記要求レンジの前記制動位置まで前記モータ(4)の作動を継続させる(S18、S19、S20)ものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3いずれかの制御装置において、変更された後の前記要求レンジに対応する走行レンジの範囲に前記切換部材(7)が到達するまで、車両の動力伝達を許可しない不許可手段(S35、S45)を備えたものである。
なお、説明中の括弧を付した記号は、添付した図面における相当する構成部材に付された参照記号であるが、この参照記号は、図面を参照して各請求項の構成や作用効果の理解を容易にするための便宜に過ぎず、請求項の構成部材の実施形態を限定するものではない。
請求項1に記載されたレンジ切換装置の制御装置は、切換部材が停止した状態で、運転者によって要求レンジが変更されると、モータ制御手段がモータを起動して、要求レンジに対応する所定の走行レンジへ向かって切換部材を移動させ、検知手段によって検知される移動位置が所定の走行レンジとなるようにモータを制動して停止させる。
しかし、切換部材の移動中に運転者によって要求レンジが変更されると、モータ制御手段は、当初の要求レンジに対応する走行レンジへの移動制御を破棄し、変更された後の要求レンジへ向かう移動制御を開始する。これにより、当初の要求レンジの停止位置へ向かう制動と停止とが不要となり、不必要な制動と停止とによる電力消費が節約されるとともに変更された後の要求レンジへの移動が円滑で速やかなものとなる。
請求項2のレンジ切換装置の制御装置は、切換部材の移動中に、切換部材の移動方向を反転しなければならないような要求レンジへの変更が行われると、当初の要求レンジに対応する走行レンジへ切換部材が移動するのを待たないで、また、直ちにモータの回転を反転する等しないで、移動方向の直近の制動位置でモータを制動して切換部材を停止させた後に、変更された後の要求レンジに対応する走行レンジへの移動を開始させる。
従って、モータを直ちに反転させる制御に比較してモータの負担が軽減され、反転時に大電流が流れて電源ノイズを発生することが少なくなり、モータの電力消費も少なくて済み、モータ制御回路への大電流が流入することも防止できるので、耐久性を向上させることができる。
また、当初の要求レンジへ切換部材を停止させた後に、変更後の停止位置へ移動開始する制御に比較して、切換部材の無駄な移動量が減って、その分、変更後の停止位置へ切換部材を速く移動して、変速モードの切換が完了する。つまり、運転者の切換操作に対して追従性高く変速モードを切換可能となる。
請求項3のレンジ切換装置の制御装置は、変更された後の要求レンジに対応する走行レンジが切換部材の移動方向前方に位置する場合には、結果的に不必要となる当初の要求レンジにおける制動停止を省略して、変更された後の要求レンジへ向かってモータの駆動を継続する。
従って、変更される以前の要求レンジに対応する走行レンジでの不必要な制動停止に伴う時間ロスと電力消費とが無くなり、切換操作に対する自動変速機の変速モード変更の追従性が増す。
請求項4のレンジ切換装置の制御装置は、切換部材の移動中(モータの作動中)に要求レンジが変更されると、変更された後の要求レンジに対応する走行レンジの範囲に切換部材が到達するまで、自動変速機の動力伝達(クラッチ係合等)を許可しない。
従って、変更される以前の要求レンジに応じた変速モードや切換部材が通過した停止位置の変速モードは、自動変速機の出力には反映されず、車両が運転者の意図しない動作応答をすることがない。
以下、本発明の一実施形態である自動変速機12のレンジ切換装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。レンジ切換装置1は、シフトスイッチ2を操作して、自動変速機12にPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの4段階の変速モードを設定しているが、本発明は、従来のシフトレバー型の入力装置やボタンスイッチ等を操作して、3段階以下または5段階以上の変速モードを設定する実施形態にも利用可能である。
また、特許文献1に示される各実施形態でも、本発明に係る制御を利用可能であるが、特許文献1に示される自動変速機やレンジ切換装置の一般的な構造、一般的な製造方法、一般的な制御方法等については、本発明の趣旨と隔たりがあるので、煩雑を避けるべく、一部図示を省略して詳細な説明も省略する。
本発明の車両のレンジ切換装置は、以下に説明する実施形態の構成部材には限定されず、構成部材の一部または全部を同等な機能の別の構成部材によって置き換えた種々の実施形態で実施可能である。
なお、各図面において、同一の符号を付したものは、同様の構成又は作用を有するものであり、これらについての重複説明は適宜省略する。
<レンジ切換装置>
図1は本実施形態のレンジ切換装置を組み込んだ自動変速機の制御系の部分的なブロック図、図2はレンジ切換装置の機械的な構成を説明する斜視図、図3はモータ制御回路の説明図、図4はディテント機構と位置センサの出力との関係の説明図である。
図1に示すように、本実施形態のレンジ切換装置1は、車輌に搭載される自動変速機(例えば多段自動変速機や無段変速機(CVT))12に組み込まれている。
図1に示すように、本実施形態におけるレンジ切換装置1は、複数の停止位置で前記停止位置に応じた変速モードを自動変速機12に設定するスプール7と、スプール7をそれぞれの停止位置へ向かって付勢するディテント機構9と、スプール7を複数の停止位置の間で移動させるモータ4と、スプール7の移動位置を検知する位置センサ8とを備え、運転者が設定した要求レンジに基づいてモータ4を制御してスプール7を移動させ、移動位置が要求レンジの制動位置に達するとモータ4を制動する。
そして、本実施形態のレンジシフト制御部3は、図6に示すように、運転者が第1の要求レンジを設定した後、第2の要求レンジに変更した場合(S14のYES)、第1の要求レンジに基づく信号によりモータ4を起動するステップS20と、第2の要求レンジと位置センサ8による移動位置とを比較するステップS16と、ステップ16による比較結果に基づいて、移動位置が第2の要求レンジに速く近付くようにモータ4を制御するステップS15〜S18とを備える。
そして、レンジシフト制御部3は、ステップS16によって移動位置が第2の要求レンジの制動位置を通り過ぎていると判断されると(S16のYES)、ステップS15〜S18は、移動方向の最も近いレンジの制動位置にて制動させ(S17、S19、S20)、そして第2の要求レンジに向かうようにモータ4を制御する(S11〜S21)。
そして、本実施形態のレンジシフト制御部3は、ステップS16によって移動位置が第2の要求レンジの制動位置に達していないと判断されると(S16のNO)、ステップS15〜S18は、第2の要求レンジの制動位置にて制動させるように(S18、S19、S20)モータ4を制御する。
そして、本実施形態のレンジシフト制御部3は、図7、図8に示すように、第2の要求レンジでスプール7が要求レンジの範囲内に到達するまで、自動変速機12による動力伝達を許可しないステップS35、S45を有する。
シフトスイッチ2は、運転者が操作して自動変速機12に変速モードを設定するスイッチである。シフトスイッチ2には、自動変速機12のP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジの各変速モードが表示されている。シフトスイッチ2は、運転者によって直接、操作されて上述の変速モードのうちから1つの変速モードを選択される。そして、設定された変速モードに対応するシフト信号S1をレンジシフト制御部3へ入力する。
なお、シフトスイッチ2は、運転者の意思を反映することができるもの、すなわち運転者によって選択された変速モードに対応するシフト信号S1を発生させることができるものであれば、シフトスイッチ2以外のものに置き換えてもよい。例えば、シフトボタン、シフトレバー、音声入力装置等を使用することができる。
レンジシフト制御部3は、シフトスイッチ2で発生されたシフト信号S1に基づいてモータ駆動部4aを作動させて、モータ4の起動/制動/回転方向を制御する。位置センサ8は、マニュアルシャフト34の回転角度位置を検知して、間接的にスプール7の位置を検知する(図4参照)。レンジシフト制御部3は、位置センサ8から入力される出力電圧に基づいて、スプール7の移動位置と、各変速モードに対応するスプール7の停止位置とを識別してモータ4の回転方向を定め、また、起動と制動のタイミングを制御する。
レンジシフト制御部3は、シフトスイッチ2からのシフト信号S1に基づいて、モータ4によりスプール7の動作を制御して変速モードを切り換えるマイコン制御回路、いわゆるシフトバイワイヤシステム(SBW)をコントロールするためのコントロールユニット(SBW−CU)である。
A/T制御部(自動変速機電子制御ユニット:A/T ECU)12aは、自動変速機12の外側に取り付けられて自動変速機12の全体を制御するもので、後述するように、レンジシフト制御部3からの許可信号を受けて自動変速機12のクラッチ締結を行う。
図2に示すように、ケース部材10は、自動変速機12(図1)に固定され、マニュアルシャフト34の駆動機構と、レンジシフト制御部3と、モータ駆動部4aとを格納している。ケース10から突出したマニュアルシャフト34がディテントレバー40を回転して、スプール7を軸方向に移動させる。
モータ4は、その出力軸をケース部材10内に挿入するようにして、ケース部材10の外側に取り付けられている。モータ4としては、永久磁石を有する直流モータが使用される。モータ4の出力は、その出力軸に固定した出力ギア26からギア25へ伝達されてボールねじ軸21を回転させる。
本実施形態では、ギア25の回転を往復運動に変換するために、ボールねじ機構5を採用している。ボールねじ機構5は、ボールねじ軸21とボールナット22との間に不図示の多数のボール23を循環可能に介装しており、ボールねじ軸21に対してボールナット22が軸方向へ移動可能に係合されている。
ボールナット22は、不図示の案内機構によって回転止めされているので、ボールねじ軸21の回転に対して、回転不能/軸方向移動可能である。ボールナット22の両側面には、ボールねじ軸21に直交する方向に係合溝27が形成されている。係合溝27には、後述するアーム部材6の一端が係合される。
ボールねじ機構5は、回転運動を直線運動に、また、この逆に直線運動を回転運動に変換できる。ボールねじ軸21を回転させると、ボールナット22が軸方向に移動する一方、ボールナット22を軸方向に移動させた場合にも、比較的容易に、ボールねじ軸21が回転する。
ここで、比較的容易とは、ボールねじ軸21に作用するディテント機構9の付勢力が、ギア25から出力ギア26を経て、外からモータ4を強制回転させ、これにより、スプール7が所定の停止位置へ位置決めされる程度に容易という意味である。
アーム部材6は、先端側が上側と下側とに別れた二股部30を有している。二股部30の先端の円板状の部分がボールナット22の係合溝27に係合している。アーム部材6の回転中心側には矩形の透孔33が穿設され、透孔33には、マニュアルシャフト34の一方の端部に形成された角柱状の嵌合部38が嵌合されている。マニュアルシャフト34は、アーム部材6とディテントレバー40とを連結して、マニュアルシャフト34を中心にして一体に回転させる。マニュアルシャフト34の他方の端部に形成された角柱状の嵌合部44は、ディテントレバー40の透孔43に嵌合されている。
従って、ボールナット22が軸方向に移動するのに伴って、二股部30がマニュアルシャフト34を中心に回転すると、アーム部材6がマニュアルシャフト34を回転駆動して、ディテントレバー40を回転させる。
位置センサ8は、筐体がケース部材10の内部に固定され、中央を貫通して回転可能に配置されたマニュアルシャフト34の回転角度位置(スプール7の軸方向位置)を検知する。位置センサ8には、ポテンショメータが採用されていて、マニュアルシャフト34の回転角度位置に対応した電圧が出力される。
マニュアルシャフト34の回転角度位置と、スプール7の軸方向位置とは、ディテントレバー40を介して、図4に示すように、一対一対応しているので、以下の説明では、位置センサ8の出力でスプール7の軸方向位置を説明する。なお、位置センサ8には、角度位置に応じたデジタル値を出力する光学エンコーダや磁気スケールを採用してもよい。
スプール(切換部材)7は、バルブボディ11内に配設されたマニュアルバルブ35に挿入された軸方向(矢印A、B方向)に移動自在な弁体部材である。スプール7は、軸方向に移動することにより、バルブボディ11内の油路を切り換えて、自動変速機12(図1)に所定の変速モードを設定する。スプール7は、Pレンジに対応するP位置、Rレンジに対応するR位置、Nレンジに対応するN位置、Dレンジに対応するD位置の間で往復移動できる。スプール7の先端にはフック36が固定され、フック36の先端側がディテントレバー40の係合孔37に回転自在に挿入されている。
ディテント機構9は、ディテントレバー40と、ディテントスプリング41と、ローラ42とを有している。ディテントレバー40の回転中心の透孔43には、マニュアルシャフト34の嵌合部44が嵌合しており、ディテントレバー40は、マニュアルシャフト34を回転中心として回転する。
ディテントレバー40の一方の回動端であるアーム部46には、上述したフック36の係合孔37が穿設されている。回転するディテントレバー40は、フック36を押し引きして、スプール7を軸方向位置に移動させる。ディテントレバー40の中間位置には、不図示のパーキング機構の一部が係合される透孔45が穿設されている。
ディテントレバー40の他方の回動端(上部)には、スプール7の4つのレンジ位置(Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)に対応させたレンジ溝a、c、e、gが形成され、レンジ溝a、c、e、gは、凸部b、d、fで相互に隔てられている。
ディテントスプリング41は、長板状のバネ材料によって形成され、その基端部48がバルブボディ11に固定されている。ディテントスプリング41の先端には二股部50が形成され、二股部50の間に、ローラ42が回動自在に支持されている。
ディテントスプリング41は、回動自在なローラ42をディテントレバー40のレンジ溝a、c、e、gの傾斜面に押圧して、ローラ42が各レンジ溝a、c、e、gの谷底に到達するまでディテントレバー40を回転させる。これにより、スプール7をP位置、R位置、N位置、D位置に精度よく位置決め保持できる。
図3の(a)に示すように、モータ駆動部4aは、レンジシフト制御部3の出力信号に応じて4つのスイッチ素子FET1、FET2、FET3、FET4をON/OFF制御して、モータ4にバッテリー50を接続し、モータ4の起動/制動/回転方向を制御する。正転/逆転/制動の各動作に対応するスイッチ素子FET1、FET2、FET3、FET4のON/OFF組み合わせは図3の(b)に示すとおりで、図3の(a)には正転時の電流の流れを破線で図示する。制動に際しては図3の(b)のブレーキの行に示されるように、モータ4、スイッチ素子FET3、FET4の閉回路を形成して、モータ4の発電エネルギーを消費する。
図4に示すように、位置センサ8の出力電圧は、ローラ42が係合するディテントレバー40(すなわちマニュアルシャフト34)の回転角度位置に対応している。マニュアルシャフト34の回転角度位置は、スプール7(図2)の軸方向位置に対応している。ティントレバー40には、上述したように、凸部b、d、fで相互に隔てられたレンジ溝a、c、e、gが形成されている。そして、ローラ42がディテントレバー40のレンジ溝a内にあって、ディテントレバー40が比較的容易に揺動することができる状態では、ディテントレバー40は、ディテントスプリング41(図2)の弾性力に基づくローラ42の付勢力によって停止位置a1に向かって付勢される。
レンジ溝a内の停止位置a1は、ローラ42がレンジ溝a内にあるときにモータ4を制動させて、ディテントレバー40を停止させた際に、ローラ42の付勢力によってディテントレバー40が強制回動されてローラ42が落ち着く位置である。
レンジ溝c内の停止位置c1は、ローラ42がレンジ溝c内にあるときにモータ4を制動させて、ディテントレバー40を停止させた際に、ローラ42の付勢力によってディテントレバー40が強制回動されてローラ42が落ち着く位置である。
なお、レンジ溝eの一部に設定される停止位置e1、及びレンジ溝gの一部に設定される停止位置g1については、上述の停止位置a1、c1と同様であるので、説明は省略する。
また、図4の(a)に示される停止位置a1、c1、e1、g1は、シフトスイッチ2(図1)を操作して設定されるPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジに対応して位置決められるスプール7の軸方向位置に対応している。例えば、シフトスイッチ2でPレンジが選択されると、マニュアルシャフト34が停止位置a1に回動され、これにより、スプール7がPレンジ位置に位置決めされる。レンジ溝a、c、e、gは、幅を持った領域(切換領域)であり、厳密には、これらレンジ溝a、c、e、gの底の停止位置a1、c1、e1、g1がスプール7のPレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、Dレンジ位置にそれぞれ対応している。
レンジシフト制御部3は、位置センサ8(図1)の出力電圧からディテントレバー40の回転角度位置を判別して、シフトスイッチ2からのシフト信号S1に応じた新しい停止位置へスプール7を移動させる。
このとき、図4の(a)に示すように、ローラ42がレンジ溝aにあれば、停止位置c1、e1、g1の手前に制動位置(ブレーキポイント:BP)c2、e2、g2が設定される。また、図4の(b)に示すように、ローラ42がレンジ溝gにあれば、停止位置e1、c1、g1の手前に制動位置e3、c3、a3が設定される。
レンジシフト制御部3は、位置センサ8の検出信号が制動位置c2、e2、g2、e3、c3、a3に達したときに、図3の(b)のブレーキの行に示されるように、スイッチ素子FET1、FET2、FET3、FET4をON/OFF制御する。そして、その後のローラ42の停止位置a1、c1、e1、g1への移動(つまりディテントレバー40の回転)をディテント機構9の付勢力に委ねる。
例えば、図4の(a)に示すように、ローラ42がPレンジのレンジ溝aに位置しているときに、Rレンジへの切換操作が実行されると、レンジシフト制御部3は、停止位置a1でモータ4を正転起動し、位置センサ8の出力電圧が制動位置c2に対応する値になったときに、モータ4を制動する。これにより、ローラ42は、レンジ溝a内から凸部bを越えてレンジ溝c内に入り、ディテント機構9によって停止位置c1に位置決め停止される。
図2に示すように、モータ4が起動されると、ボールねじ軸21が回転し、この回転によってボールナット22が、ボールねじ軸21に沿って移動して、アーム部材6を揺動させる。これにより、マニュアルシャフト34を介して、ディテントレバー40が回転して、スプール7がRレンジの停止位置へ向かって軸方向に移動する。
そして、モータ4が制動されると、ディテントレバー40は、ディテントスプリング41の弾性力に基づくローラ42の付勢力により回転され、この回転によって、ローラ42は、レンジ溝c内の停止位置c1に精度よく位置決め保持される。ディテント機構9の付勢力がディテントレバー40を回転させると、マニュアルシャフト34、アーム部材6を介してボールナット22が軸方向に移動され、ボールねじ軸21が回転する。従って、Pレンジの停止位置にあったスプール7は、精度よくRレンジの停止位置に位置決め停止される。
また、図4の(b)に示すように、ローラ42が停止位置g1に位置しているときにRレンジへの切換操作が行われると、レンジシフト制御部3は、停止位置g1でモータ4を逆転起動し、位置センサ8の出力電圧が制動位置c3に対応する値になったときに、モータ4を制動する。これにより、ローラ42は、レンジ溝g内から凸部f、dを越えてレンジ溝c内に入り、ディテント機構9によって停止位置c1に位置決め停止される。
このように、ローラ42から見て停止位置a1、c1、e1、g1の手前に位置する制動位置c2、e2、g2、e3、c3、a3でモータ4を制動することにより、最小時間でほぼ確実にローラ42を各レンジ溝a、c、e、gの谷底に誘導して停止できる。そして、マニュアルシャフト34の回転抵抗が経時変化で増大しても、停止位置a1、c1、e1、g1に近付いた状態で変速モードの設定を確実に実行できる。また、万が一制動が遅れたり、制動力が不十分だったりした場合でも、勢いで凸部b、d、fを乗り越えて次のレンジ溝a、c、e、gにローラ42が進入しない。
そして、ローラ42を谷底に位置させた状態でモータ4を逆転することにより、ローラ42が上り傾斜面に位置する場合よりも起動負荷を軽減することができる。また、モータ4の回転(ディテントレバー40の回転)が完全に停止した状態でモータ4を逆方向へ起動することにより、回転中に逆回転させる場合に比較してモータ4の負荷や消費電力を軽減できる。
<切換制御>
図5は本実施形態のレンジ切換装置の制御系のブロック図、図6はレンジシフト制御部による切換制御のフローチャート、図7、図8はレンジシフト制御部による許可制御のフローチャートである。
図5に示すように、現在レンジ判定部3aは、位置センサ8の出力電圧を検知して、自動変速機12に設定された現在の変速モードを判定する。要求レンジ判定部3bは、シフトスイッチ2の設定状態を検知して、変速モードの切換操作の有無と、変更後の変速モード、すなわち運転者の要求レンジとを判定する。
図2、図5を参照して図6に示すように、現在のシフトスイッチ2の設定状態である要求レンジと、自動変速機12に設定された現在の変速モードである現在レンジとが一致しなくなると(S11のYES)、レンジシフト制御部3は、要求レンジの停止位置の手前に制動位置を設定して、モータ4を起動させ(S12)、要求レンジの停止位置へ向かってスプール7を移動開始させる。
そして、スプール7の移動中に運転者がシフトスイッチ2を操作しなければ(S14のNO)、レンジシフト制御部3は、位置センサ8の出力電圧が当初の制動位置の値に達するのを待って(S19のYES)、モータ4の制動を開始する(S20)。そして、位置センサ8の出力電圧が要求レンジの停止位置になるのを確認して(S21のYES)、切換制御を終了する。
しかし、スプール7の移動中に運転者がシフトスイッチ2を切り換えてしまうと(S14のYES)、レンジシフト制御部3は、変更後の要求レンジの停止位置に停止させるための制動位置を求め(S15)、その制動位置を通り過ぎているか否かを判定する(S16)。そして、通り過ぎていれば(S16のYES)、レンジシフト制御部3は、移動方向前方の最も近い停止位置を求め、その停止位置の手前の制動位置を新たな制動位置として(S17)、上述したS19〜S21の制御を行う。これにより、レンジシフト制御部3は、ひとまずスプール7の移動を停止させ(S21のYES)、ステップS11へ戻って、変更後の要求レンジの停止位置への移動(モータ4の逆回転させて移動方向を変更する)を開始させる。
そして、ステップS16で変更後の要求レンジの制動位置に達していなければ(S16のNO)、レンジシフト制御部3は、不必要なモータ4の停止を行うことなく、変更後の要求レンジの制動位置に目標を置き換えて(S18)、上述したS19〜S21の制御を行う。これにより、そのままスムーズに要求レンジの停止位置にスプール7を誘導して停止させる(S21のYES)。
また、目標の制動位置に達する前に(S19のYES)、再び要求レンジが切換操作されると(S14のYES)、上記したステップ15〜18の制御を再び変更された後の要求レンジについて行う。
すなわち、本実施形態の制御では、シフト開始前レンジ(現在レンジ)から新たなレンジ(第1の要求レンジ)へ設定がなされて、現在レンジ→第1の要求レンジへのモータ駆動中に、第2の要求レンジが設定された場合、移動位置が移動方向で見て第2の要求レンジの制動位置(マニュアルシャフト34開始角度)より手前にある場合、現在実行中のシフトにおける制動位置を第2の要求レンジの制動位置に置き換える(S18)。
しかし、移動位置が既に要求レンジの制動位置を通り過ぎていて、引き返す必要がある場合、第1の要求レンジの制動位置を現在実行中のシフト方向におけるもっとも手前のレンジの制動位置に置き換え(S17)、現在実行中のシフトをもっとも手前のレンジへのシフトに変更して実行する(S19〜S21)。そして、もっとも手前のレンジへのシフト完了後、モータ4を反転させて要求レンジへのシフトを実行する(S11〜S21)。
また、マニュアルシャフト34の回転角度が、変更前の要求レンジにおける制動位置を超えて、既に制動を実行中の場合(S20)には、変更前の要求レンジへのシフト完了後に、変更後の要求レンジへのシフトを実行する(S11〜S21)。
図5に示すように、D切替許可判定部F2は、AT制御部12aにDレンジでの自動変速を許可する。R切替許可判定部F3は、AT制御部12aにRレンジでの自動変速を許可する。
図2、図5を参照して、図7に示すように、位置センサ8の出力電圧がDレンジ範囲にある場合(S31のYES)、レンジシフト制御部3は、要求レンジがDレンジか否か(S32)、および、Dレンジから他のレンジへのシフト動作中でないか否か(S33)を判定する。
そして、要求レンジがDレンジであって(S32のYES)、Dレンジから他のレンジへのシフト動作中でなければ(S33のYES)、レンジシフト制御部3は、AT制御部12aに対して、Dレンジの係合を許可する(S34)が、これに該当しなければDレンジの係合を許可しない(S35)。
すなわち、前進レンジへの切替制御の許可・不許可をAT制御部12aに指令する為のフラグを設け、当フラグは、運転者の要求レンジがDレンジ(S32のYES)、かつシャフト角度がDレンジの範囲内(S31のYES)、かつDレンジから他レンジへのシフト実行中でない場合(S33のYES)のみ、ONにセットされる(S34)。
また、図2、図5を参照して、図8に示すように、位置センサ8の出力電圧がRレンジ範囲にある場合(S41のYES)、レンジシフト制御部3は、要求レンジがRレンジか否か(S42)、および、Rレンジから他のレンジへのシフト動作中でないか否か(S43)を判定する。
そして、要求レンジがRレンジであって(S42のYES)、Rレンジから他のレンジへのシフト動作中でなければ(S43のYES)、レンジシフト制御部3は、AT制御部12aに対して、Rレンジの係合を許可する(S44)が、これに該当しなければRレンジの係合を許可しない(S45)。
すなわち、後退レンジへの切替制御の許可・不許可をAT制御部12aに指令する為のフラグを設け、当フラグは、運転者の要求レンジがRレンジ(S42のYES)、かつシャフト角度がRレンジの範囲内(S41のYES)、かつRレンジから他レンジへのシフト実行中でない場合(S43のYES)のみ、ONにセットされる(S44)。
<比較例の制御>
図9は比較例の制御の説明図である。比較例の制御では、シフトスイッチ2の切換設定があるたびに、変更後の要求レンジの制動位置を求めて、変更前の制動位置に置き換えるものとする。この場合、図5に示すモータ駆動部4aは、制動位置が変更されると、変更後の制動位置へ向かってモータ4の駆動を継続または反転することになる。
比較例の制御において、例えば、図9の(a)に示すように、NレンジからDレンジへの移動中にシフト操作が行われて、シフトレンジ制御部3がDレンジからRレンジへと制動位置を変更したとする。すると、変更後の制動位置が移動方向の後方にあるため、モータ駆動部4aは、モータ4の制御を正転から逆転へと切り換える。このとき、モータ4の駆動中に、回転を反転させようとした場合、モータ駆動部4a内に、過大な電流が発生し、モータ駆動部4aに過負荷を生じる可能性がある。
これに対して本実施形態の制御では、直近のレンジで通常の停止を行った後に反転を行うので過負荷を生じない。
比較例の制御において、例えば、図9の(b)に示すように、Dレンジで停止した状態から制動位置を設定してRレンジへ移動、停止を行った場合、マニュアルシャフト34は、正しくRレンジの停止位置で停止する。しかし、マニュアルシャフト34の回転が完全に停止していない状態で、制動位置をRレンジの制動位置へ変更して、モータ4をそのように駆動すると、Rレンジの制動位置に達した時点のマニュアルシャフト34の回転速度が違ってしまって、Rレンジの中心位置をずれてマニュアルシャフト34が停止する可能性がある。言い換えれば、ディテントレバー40のレンジ溝の谷底以外の地点からシフトを行うと、レンジ溝の谷底から行う通常のシフトとは異なり、ねらいの停止位置に停止しない可能性がある。このとき、シフトレンジ制御部3は、再びモータ4を起動して正しいレンジ位置へシフトを再実行するので、レンジ切換の時間が伸びてしまう。
これに対して本実施形態の制御では、ディテントレバー40のレンジ溝の谷底で停止した状態からシフトを行うのでマニュアルシャフト34が再現性高く動作して正しい停止位置で停止する。
比較例の制御において、例えば、図9の(c)に示すように、NレンジからRレンジへの移動中にRレンジからDレンジへの切換設定が行われたとする。このとき、運転者がアクセルを踏んでいると、ディテント機構9(図2)の付勢力に打ち勝ってDレンジを抜け出すまでのわずかな時間、自動変速機12で瞬時のRレンジの係合を生じて車体ショックが発生する。
これに対して本実施形態の制御では、シフトが完了するまで待って自動変速機12の係合を行うので車体ショックが防止される。
<本実施形態の効果>
本実施形態のレンジ切換装置1は、モータ4手段が停止した後に、ディテント機構9がスプール7を停止位置へ移動して自動変速機に正しく変速モードを設定する。モータ4の通電をしなくても、設定された変速モードは、ディテント機構9によって安定に保持される。
本実施形態のレンジシフト制御部3は、図6に示すように、通常のスプール7が停止した状態で、運転者によって第1の要求レンジへの設定切換が行われると(S11のYES)、モータ4を起動して、第1の要求レンジへ向かってスプール7を移動させ(S12)、位置センサ8によって検知される移動位置が制動位置に達すると(S19のYES)モータ4を制動して、残りの移動をディテント機構9に委ねる。
しかし、制動に至らないスプール7の移動中に第2の要求レンジへの設定変更が行われると(S14のYES)、ステップS15〜S18は、第1の要求レンジの制動位置を破棄して、第2の要求レンジと移動中の移動位置とに基づいて制動位置を選択し直す。これにより、第1の要求レンジの停止位置へ向かう制動と停止とが不要となり、不必要な制動と停止とによる電力消費が節約されるとともに第2の要求レンジへの移動が円滑で速やかなものとなる。
本実施形態のレンジシフト制御部3は、スプール7の移動中に、スプール7の移動方向を反転しなければならないような第2の要求レンジが設定されると(S16のYES)、変更前の第1の要求レンジの停止位置へスプール7が移動するのを待たないで、また、直ちにモータ4の回転を反転する等しないで、移動方向の直近レンジでスプール7を停止させた(S17、S19、S20)後に、変更後の第2の要求レンジへの移動を開始させる(S11〜S21)。
従って、モータ4を直ちに反転させる制御に比較してモータ4の負担が軽減され、反転時に大電流が流れて電源ノイズを発生することが少なくなり、モータ4の電力消費も少なくて済む。
また、変更前の第1の要求レンジの停止位置へスプール7を停止させた後に、変更後の第2の要求レンジへ移動開始する制御に比較して、スプール7の無駄な移動量が減って、その分、第2の要求レンジへスプール7を速く移動して、変速モードの切換が完了する。つまり、運転者の切換操作に対して追従性高く自動変速機12の変速モードを切換可能となる。
本実施形態のレンジシフト制御部3は、変更後の第2の要求レンジの制動位置がスプール7の移動方向前方に位置する場合には、結果的に不必要となる第1の要求レンジにおける制動停止を省略して、第2の要求レンジへ向かってモータ4の駆動を継続する。
従って、第1の要求レンジにおける不必要な制動停止に伴う時間ロスと電力消費とが無くなり、切換操作に対する自動変速機12の変速モード変更の追従性が増す。
本実施形態のレンジシフト制御部3は、図7、図8に示すように、スプール7の移動中(モータ4の作動中)に第2の要求レンジが設定されると、変更後の第2の要求レンジの停止位置にスプール7が停止するまで、自動変速機の動力伝達(クラッチ係合等)を許可しない。
従って、変更前の第1の要求レンジの変速モードやスプール7が通過したレンジの変速モードは、自動変速機12の出力には反映されず、車両が運転者の意図しない動作応答をすることがない。
本実施形態のレンジシフト制御部3は、車室内に設けられたSW入力に基づきモータを駆動することによりレンジ切換弁を切り換えるSBWシステムのうち、ドライバからのシフト要求に基づき、現在レンジから要求レンジ方向へモータ駆動を開始し、所定角度にて制動を開始するシステムにおいて、ドライバからの要求に基づいたレンジシフトを実行中に、つぎのシフト切替要求が発生した場合においても、確実に最終的な目標レンジへの切換を実現するとともに、レンジ切換遅れに伴うドライバ認識レンジとマニュアルシャフト角度のズレによる危険を回避する。
例えば、NレンジからDレンジの切換実行中にRレンジへの切換操作が行われた場合、モータ4の駆動中の急激な逆転が行われないため、モータ駆動部4aの過負荷を防止できる。
例えば、NレンジからDレンジの切換実行中にRレンジへの切換操作が行われた場合、DレンジからRレンジへのシフト切換実行開始時の状況のバラツキ(シフト開始時の角度、および回転速度)が無いため、通常のDレンジからRレンジへのシフト制御と同じ制御を利用でき、確実なシフトが可能となる。
そして、内部クラッチを開放することにより、Dレンジにおいてもニュートラル状態とすることが可能な自動変速機12においては、通常のDレンジ判定に加えて、要求レンジ判定および切換過程判定を行ってアンド条件にてセットされる許可・不許可フラグを追加することにより、NレンジからDレンジへの切換実行中にRレンジへの切換操作が行われた場合でも、運転者の認識と異なるレンジへの瞬間的な切り換りによる車体ショックを防止できる。
同様にして、通常のRレンジ判定に加えて、要求レンジ判定および切換過程判定を行ってセットされる許可・不許可フラグを追加することにより、NレンジからRレンジへの切換実行中にDレンジへの切換操作が行われた場合でも、運転者の認識と異なるレンジへの瞬間的な切り替わりによる車体ショックを防止できる。
また、モータやエンジン等の動力源と、トランスミッションの出力軸との間に駆動力切断機構が無いハイブリッド車両システム等においても、通常の現在レンジ判定に加えて、要求レンジ判定および切換過程判定を行ってアンド条件にてセットされる許可・不許可フラグを追加することにより、同様にして、NレンジからDレンジへの切換実行中にRレンジへの切換操作が行われた場合や、NレンジからRレンジへの切換実行中にDレンジへの切換操作が行われた場合に、運転者の認識と異なるレンジへの切り換りショックを防止することが可能となる。
本実施形態のレンジ切換装置を組み込んだ自動変速機の制御系の部分的なブロック図である。 レンジ切換装置の機械的な構成を説明する斜視図である。 モータ制御回路の説明図である。 ディテント機構と位置センサの出力との関係の説明図である。 本実施形態のレンジ切換装置の制御系のブロック図である。 レンジシフト制御部による切換制御のフローチャートである。 レンジシフト制御部によるDレンジ切換許可制御のフローチャートである。 レンジシフト制御部によるRレンジ切換許可制御のフローチャートである。 比較例の制御の説明図である。
符号の説明
1 レンジ切換装置
2 シフトスイッチ
3 モータ制御手段(シフトレンジ制御部)
4 モータ
6 アーム部材
7 切換部材(スプール)
8 検知手段(位置センサ)
9 ディテント手段(ディテント機構)
12a 自動変速機電子制御ユニット
21 ボールねじ軸
22 ボールナット
34 マニュアルシャフト
40 ディテントレバー
42 ローラ
50 バッテリー
S15〜S18 制御手段
S16 比較手段
a1、c1、e1、g1 停止位置
c2、e2、g2、e3、c3、a3 制動位置

Claims (4)

  1. 車両の走行レンジを、運転者の要求レンジに対応する所定の走行レンジに切り換える切換部材、
    前記所定の走行レンジになるように前記切換部材を移動させるモータ、
    前記切換部材を前記所定の走行レンジに切り換えるために前記モータを制御するモータ制御手段、を備えたレンジ切換装置の制御装置において、
    前記切換部材の移動位置を検知する検知手段と、
    前記運転者の要求レンジに対応する前記切換部材の位置と前記移動位置とを比較する比較手段と、を有し、
    前記モータ制御手段は、前記レンジ切換装置により運転者の要求レンジに対応する所定の走行レンジへの前記切換部材の移動が完了する前に運転者によって要求レンジを変更された場合、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記要求レンジに対応する所定の走行レンジまで到達しているか否かを判断し、該判断に応じて前記切換部材の移動方向を継続または変更するようにしたことを特徴とするレンジ切換装置の制御装置。
  2. 前記モータ制御手段は、予め定められた停止すべき走行レンジの制動位置に前記移動位置が達すると前記モータを制動させ、かつ、変更された後の前記要求レンジに対応する所定の走行レンジが前記切換部材の移動方向に無い場合には、前記移動方向における前記移動位置から最初の制動位置で前記モータを制動させて前記切換部材の移動方向を変更することを特徴とする請求項1記載のレンジ切換装置の制御装置。
  3. 前記モータ制御手段は、予め定められた停止すべき走行レンジの制動位置に前記移動位置が達すると前記モータを制動させ、かつ、変更された後の前記要求レンジに対応する所定の走行レンジが前記切換部材の移動方向にある場合には、変更された後の前記要求レンジの前記制動位置まで前記モータの作動を継続させることを特徴とする請求項1記載のレンジ切換装置の制御装置。
  4. 変更された後の前記要求レンジに対応する走行レンジの範囲に前記切換部材が到達するまで、車両の動力伝達を許可しない不許可手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のレンジ切換装置の制御装置。
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