JP2007107622A - 動圧軸受装置およびそれを用いたスピンドルモータ - Google Patents

動圧軸受装置およびそれを用いたスピンドルモータ Download PDF

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Abstract

【課題】安価な構成で、所望の動圧の発生を実現する。
【解決手段】動圧軸受装置は、スリーブ1と、シャフト2と、オイル100とを備える。スリーブ1では、一端部側に設けられる段部1bと、段部1bに連続して軸方向に直線形状に延びる内周面1eとが、金型を用いた加工方法で形成されている。シャフト2は、スリーブ1の内周面1eに相対回転可能に挿入される。オイル100は、スリーブ1の内周面1eとシャフト2の外周面2aとの間に形成された空間に充填される。内周面1eには、内周面1eの軸方向少なくとも一端において軸方向に開口し、かつ、一端から軸方向に連続する動圧発生溝9a、9bが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動圧軸受装置に関し、特にハードディスク駆動装置における軸受装置として好適な動圧流体軸受に関するものである。
現在、ハードディスク(以下、HDDとする)に搭載されているスピンドルモータ(以下、SPMとする)には、玉軸受に替わって流体軸受が採用されている。その流体軸受が搭載されているHDDについては、従来、デスクトップ型パソコン、ノート型パソコンが主として使われていたが、高容量化、振動、衝撃に対する性能向上に伴い、近年、エンドユーザーからのニーズに対応するためにパソコン用途以外に、ビデオ、音楽プレーヤー、ビデオ+TV一体型TVなどのオーディオ機器(以下、AV機器とする)に用いられるようになってきている。
それらに用いられるHDDについては、コストダウンの要望も厳しくなってきている。HDDに用いられる部品であるSPMについても同様で、高容量化、振動、衝撃に対する性能を維持しつつ、コストダウンを行う必要がある。
SPMメーカーでは、HDDメーカーから要望されるコストダウンを行う為に、各社、様々な対応を行っている。そのコストダウンの中でも、SPMを構成している材料費、加工費削減は、SPMコストを大幅に削減することが可能である
シャフトの外周面に動圧発生溝を形成し、スリーブの内周面に凹部(大径部)を設けることで動圧発生溝の有効長さを設定している動圧軸受装置がある(例えば、特許文献1を参照。)。具体的には、スリーブの凹部以外の部分、つまり、凸部(小径部)より動圧発生溝の軸方向長さを長くしており、スリーブとシャフトが軸方向にずれても、動圧発生溝がスリーブの凸部に必ず対向するようにしている。
スリーブの内周面に軸方向に並んだ2つのヘリングボーン状の動圧発生溝を形成しており、ヘリングボーン溝の両端部に回転軸と略平行な導入溝を形成することによって、ヘリングボーン状の動圧発生溝の動圧の軸方向アンバランスを抑えている動圧軸受装置が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。具体的には、スリーブの製造誤差や反転タイミングのずれは導入溝によって吸収されるため、ヘリングボーン状溝の各傾斜部分の加工時間を等しくしておけば動圧の軸方向のアンバランスが生じにくい。
実用新案第2534872号 特開2001−74040号公報
特許文献1に記載の動圧流体軸受では、シャフトがスリーブに対して軸方向にずれると、各動圧発生溝において傾斜部の軸方向長さ(ヘリングボーン頂点から端部までの距離、すなわち、動圧溝の有効長さ)が異なってしまい、発生する動圧のバランスが崩れ、その結果オイルに軸方向に流れが発生してオイル漏れや過浮上が発生するという問題がある。
また、この軸受構成(スリーブの内径部に凹部を設けている構成)において、材料費、加工費を削減するために、スリーブを焼結成形、樹脂成形などの金型を用いた加工方法で成形することが考えられる。一般に金型を用いた加工法では、金型構造上の制約からスリーブの内径部に凹部を加工することが難しい。よって、上記した動圧発生溝の有効長さをバランスさせるためには、スリーブの内径部と両端部の凹部を切削加工で精度良く加工する工程を追加しなければならないので、コストは上昇する。
特許文献2に記載の動圧流体軸受の構成(スリーブの内径部に凹部を設けている構成)において、成形方法を変更した場合を考えてみる。材料費、加工費を削減するために、スリーブを焼結成形、樹脂成形などの金型を用いた加工方法で成形すると、金型を用いた加工法でスリーブを一度で仕上げることは困難である。つまり、内径部に凹部を形成する工程が必要となり、コストが上昇する。
本発明の課題は、安価な構成で、所望の動圧の発生を実現することにある。
発明の第1の態様としての動圧軸受装置は、スリーブと、シャフトと、潤滑剤とを備えている。スリーブには、一端部側に設けられる段部と、段部に連続して軸方向に直線形状に延びる内周面とが、金型を用いた加工方法で形成されている。シャフトは、スリーブの内周面に相対回転可能に挿入される。潤滑材は、スリーブの内周面とシャフトの外周面との間に形成された空間に充填される。内周面には、内周面の軸方向少なくとも一端において軸方向に開口し、かつ、一端から軸方向に連続する動圧発生溝が形成されている。
ここで、金型を用いた加工方法とは、例えば、焼結成形、樹脂成形、冷間鍛造等の加工方法である。
この装置では、スリーブの軸受孔が軸方向に直線形状に延びており、凹部等の段差が形成されていない。したがって、スリーブを金型で製造することが可能となり、またその製造が容易になり、コストが低下する。特に、焼結成形、樹脂成形、冷間鍛造等の加工方法が用いられる場合には、材料費、加工費を低減できる。また、軸方向に開口する動圧発生溝は、転造などにより加工することが可能となり、コストが低下する。
第2の態様としての動圧軸受装置では、シャフトの外周面には、スリーブの内周面の一端部側または他端部側の少なくとも一方に対向する位置に環状溝が形成されている。
例えば、環状溝と対向する位置に動圧発生溝が加工されている場合には、動圧発生溝の軸方向の有効長さは、動圧発生溝と、凹部との組み合わせにより決定されている。このため、動圧発生溝に寸法のばらつきが生じていても、凹部によって動圧発生溝の有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。すなわち、動圧発生溝の加工精度によらず所望の動圧の発生を実現することが可能となり、より簡易な加工で動圧発生溝の加工を行うことが可能となり、付随的には、加工コストの低下を実現することができる。
第3の態様としての動圧軸受装置では、シャフトの外周面には、スリーブの内周面の一端部側に対向する位置、および他端部側に対向する位置にそれぞれ環状溝が形成されている。
第4の態様としての動圧軸受装置では、シャフトの外周面には、スリーブの内周面の一端部側と他端部側の略中間部にに対向する位置に環状溝が形成されている。
第5の態様としての動圧軸受装置では、動圧発生溝は、スリーブの内周面の一端部側または他端部側の少なくとも一方から軸方向に直線形状に延びる直線溝部を有している。
例えば、直線溝部では動圧の発生が少ない。このため、直線溝部を設けることで、シャフトとスリーブとの軸方向相対位置にかかわらず、動圧発生のアンバランスを抑えることが容易になる。
第6の態様としての動圧軸受装置では、動圧発生溝は、スリーブの内周面の一端部側および他端部側からそれぞれ軸方向に直線形状に延びる直線溝部を有している。
第7の態様としての動圧軸受装置では、動圧発生溝は、一対の動圧発生部と、一対の動圧発生部の間を連続させる、軸方向に直線形状に形成された中間溝部とを有している。
第8の態様としての動圧軸受装置では、動圧発生溝は、少なくとも1つの動圧発生部を有しており、シャフトの外周面には、動圧発生部の動圧発生中心に重ならない軸方向位置に環状溝が形成されている。
この装置では、環状溝は、動圧発生中心に重ならない位置に形成されているため、環状部により、動圧発生部による動圧の発生を妨げることが防止できる。
第9の様態としての動圧軸受装置では、動圧発生溝は、内周面の軸方向両端において軸方向に開口し、かつ、軸方向に連続する。
この装置では、動圧発生溝は、例えば、転造などにより加工することが可能となり、コストが低下する。
本発明の第10の態様としてのスピンドルモータは、第1〜第9のいずれかの態様としての動圧軸受装置を備える。
この装置では、第1〜第8のいずれかの動圧軸受装置と同様の効果を奏する。
本発明に係る動圧軸受装置では、スリーブが、焼結成形、樹脂成形、冷間鍛造等の金型を用いた加工方法で形成され、かつこのスリーブの軸受孔が軸方向に直線形状に形成されている(中央部の逃がし形状が存在しない)とすることにより、旋盤等の高価な設備が不要になりコストの低減・切削廃棄物質の削減による環境改善が可能になる。
<実施の形態1>
以下、本発明の動圧流体軸受装置の好適な実施の形態について図1を参照して説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1の動圧流体軸受装置を有するスピンドルモータの断面図である。図1(a)において、軸受孔1aを有するスリーブ1は、鉄、鉄合金、銅、銅合金の内の少なくとも1つを含有する金属粉末を焼結した焼結体(焼結金属ともいう)で形成され、ベース8に固定されている。ベース8にはモータ部を収容する凹部8aがあり、その凹部8aの略中心部分には、スリーブ1を固着する為の穴8bが設けられている。そのベース8の穴8bを形成する部分には、コイルが巻線されたコアからなるステータ7が接着などの工法によって固定されている。
シャフト2は、焼結体ではない金属材料で構成された、円筒状の外周面2aを有する部材(例えば、円柱状部材、円筒状部材)であり、軸受孔1aに回転可能に挿入されている。シャフト2の下端部には、円盤状のスラストフランジ3が、接着、圧入、カシメ、溶接、ビス締めなどの工法にて取り付けられている。スリーブ1には、スラストフランジ3の外径部分に対向する第一の段部1bが設けられており、スラストフランジ3の外径部分が第一の段部1bと隙間を介して位置している。スリーブ1には、第一の段部1bより径が大きな第二の段部1cが設けられており、円盤状のスラスト板4が第二の段部1cに接着、カシメ、圧入、溶接などの工法にて固定されている。以上より、スラストフランジ3は、スリーブ1の段部1bとスラスト軸受部材であるスラスト板4とで囲まれた空間に収納されている。スラストフランジ3の下面はスラスト板4に対向し、上面の周辺部はスリーブ1の段部1bに対向している。
ロータハブ5は略お椀状の形状をしており、略中心部分には貫通孔があり、シャフト2の上端部が圧入、接着、溶接などの工法にて固着されている。ロータハブ5には、スピンドルモータのロータ磁石6が取り付けられており、ステータ7に対して半径方向に対向している。ロータハブ5には図示しない磁気記録ディスク等が固定され、他の構成とともに全体でハードディスク装置のような磁気記録再生装置を構成する。
シャフト2及びロータハブ5の回転中心は軸線O−Oで示されている。以後、図上側を軸線方向上側といい、図下側を軸線方向下側というが、実際の取り付け状態を限定するものではない。
次に、図1(b)をさらに用いて、スリーブ1とシャフト2から構成される動圧軸受構成について詳細に説明する。
スリーブ1の軸受孔1aの面1e(内周面)は、軸線方向に直線形状に延びており(回転軸に対して平行な面となっており)、段差や凹部が形成されていない。軸受孔1aの内周面1eには、段部1bと環状の傾斜面1dの間に、ヘリングボーン形状のラジアル動圧発生溝9a、9bが軸線方向に並んで形成されている。2つの動圧発生溝9a、9bは互いに連続して形成されている。動圧発生溝9a、9bは、それぞれ、傾斜面1d側および段部1b側に開口し、かつ、軸方向には連続した溝として形成されている。スリーブ1は、鉄焼結材であるので金型などを用いて成形することで安価に製造できる。更に焼結材は、表面にニッケルメッキ処理などを行い、微細な孔をふさいでいる。
図1(a)を用いて、スピンドルモータの構造についてさらに説明を加える。
スラストフランジ3の下面に対向するスラスト板4の面には、第1のスラスト動圧発生溝10aが形成されている。またスラストフランジ3の上面に対向するスリーブ1の段部1bの面には、第2のスラスト動圧発生溝10bが形成されている。なお、スラスト動圧発生溝が形成される面は、上記のものに限らず、軸方向に隙間を形成して対向する部材のいずれか一方に形成されていればよい。すなわち、スラストフランジ3の下面、あるいはスラストフランジ3の上面にスラスト動圧発生溝が形成されていてもよい。ラジアル動圧発生溝9a、9b及びスラスト動圧発生溝10a、10bを含むシャフト2とスリーブ1の軸受孔1aとの間、及びスラストフランジ3とスリーブ1との間およびスラストフランジ3とスラスト板4との間には潤滑剤としてのオイル100が入っている。スリーブ1の上端部には、傾斜面1dが形成されており、キャピラリーシール効果によってオイル100が軸受部内から漏れることを防止している。
なお、シャフト2は回転の軸ということもあり、例えば、SUSなど素材的には硬いものが使われており、成型バイトなどにより加工される。
従来は、スリーブ内径に凹凸を設ける形状であり、その形状は金型を用いた成形で構成するのは困難で後工程にて旋盤などの高価な加工設備が必要であった。しかし、本発明に係る実施形態では、スリーブ1の段部1b,1cと傾斜面1dの間の部分を段差のない形状にすることで、金型を用いた成形で構成することが可能となり、内径の仕上げをリーマ加工などの安価な設備で作製することが可能となりコスト削減が可能である。
本実施の形態1の動圧流体軸受装置の動作を図1(a)を参照して説明する。ステータ7に通電するとロータ磁石6に回転磁界が発生し、シャフト2及びスラストフランジ3がロータハブ5と一体で回転する。ラジアル動圧発生溝9a、9b及びスラスト動圧発生溝10a、10bにより、オイル100に当技術分野で周知のポンピング圧力が発生し、シャフト2及びスラストフランジ3はスリーブ1及びスラスト板4に非接触で回転する。すなわち、ラジアル動圧発生溝9a、9bによりシャフト2をラジアル方向で軸受孔1aに非接触で支持するラジアル軸受が形成され、スラスト動圧発生溝10a、10bによりスラストフランジ3をスラスト方向でスリーブ1及びスラスト板4に非接触で支持するスラスト軸受が形成される。
焼結金属の材料からスリーブ1を作る一般的な製造工程を説明する。最初に、金属粉末を用意する。焼結金属の材料となる、鉄、鉄の合金、銅、銅の合金等の金属粉末(粉体)は、通常粒径が0.03〜0.5mm前後の大きさであり、前記の鉄、鉄の合金、銅、銅の合金の内の1種又は複数のものを混合したものである。金属粉末に潤滑材を加え均一に混合する。潤滑材は金属粉末を成形する時の離型材として働く。混合した材料をスリーブの形状に作られた金型に入れ、プレス等を用いて所定の成形圧力で圧縮することによりスリーブの形状に成形して成形体を作る。
次に成形体を所定の温度に加熱して焼結し、焼結体にする。加熱により金属粉末間の接触部が広がって面接触となるので成形体は収縮し体積が減少する。その結果焼結体は密度が上がり強度も向上する。焼結工程に伴う収縮は部品精度の低下を招く場合が多いので、あらかじめ若干大きく作り、必要に応じて機械加工を行って所望の寸法に仕上加工をすることによりスリーブ1が完成する。
以上のように本発明の実施の形態1の動圧流体軸受装置によれば、スリーブ1を焼結金属で形成するので、コストが安く、生産性が高い。
スリーブ1の動圧発生溝9a,9bは別工程の転造工程により形成する。具体的には、軸受孔1aの内周面1eに溝加工工具を用いて動圧発生溝9a、9bを形成する。溝加工工具は、外周面に複数の転造ボールを保持したホルダを有しており、ホルダは工具本体の先端に取り付けられている。溝加工工具をスリーブ1の内面に押し込みながら回動させることで、動圧発生溝9a、9bが連続して形成される。このような転造工程により形成された動圧発生溝9a、9bは、それぞれ、傾斜面1d側および段部1b側に開口することとなる。例えば、転造工程では、軸方向一方から転造を行い軸方向に沿って溝を形成し、軸方向他方に溝加工工具の先端を貫通させた後、次には軸方向他方から転造を行い、軸方向に沿って溝を形成する。このような加工工程では、加工時間を短縮しつつ、簡易に動圧発生溝を形成することが可能となる。
なお、例えば、軸方向一方から転造を行い溝を形成し、軸方向他方に加工工具の先端を貫通させずに、形成された溝に沿って軸方向一方側へと逆方向に溝加工工具を移動させて一本の動圧発生溝を形成してもよい。この場合には、動圧発生溝は、転造の開始側においてのみ、軸方向に開口する。また、一方側から動圧発生溝9aを形成し、他方側から動圧発生溝9bを形成するという場合には、動圧発生溝9aと動圧発生溝9bとの間には、溝が形成されない中間部が存在してもよい。
以上に述べた装置では、スリーブ1の軸受孔1aが軸方向に直線形状に延びており、凹部等の段差が形成されていない。したがって、スリーブ1の製造が容易になり、コストが低下する。
また、動圧発生溝9a、9bは、転造により形成することが可能である。このため、加工を簡単にすることが可能となる。また、動圧発生溝9a、9bを軸方向に連続して形成する場合には、加工時間を短縮することが可能となる。
<シャフトの変形例>
スピンドルモータに用いられるシャフトは、上述のものに限らず、以下に示すものであってもよい。
(1)
図2に示すように、シャフト2の変形例としてのシャフト21の外周面21aには、環状の凹部21bが形成されている。環状の凹部21bは、スリーブ1の軸方向傾斜面1d側に対向する位置かつ、動圧発生溝9aの動圧発生中心(ヘリングボーン形状の頂点の軸方向位置)に重ならない位置に形成されている。より具体的には、動圧発生溝9aの軸方向外側に対向する位置に形成されている。このようにすることで、動圧の発生が凹部21bにより妨げられることが防止可能となる。また、シャフト21がSUSなどで形成される場合には、凹部21bは、成形バイトなどを用いることで、凹凸がないシャフト2(図1(a)参照)と同様のコストで製造できる。
シャフト21を用いた動圧軸受では、凹部21b以外の外周面21aがラジアル動圧軸受の有効部分となっている。このため、凹部21bの軸方向幅によって、動圧発生溝9a、9b、特に、動圧発生溝9aの有効長さを設定している。なお、凹部の形状は傾斜面から構成されていても良い。
動圧発生溝9a、9bは、シャフト21と組み合わされる場合、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部21bは動圧発生溝9aに対して半径方向に対向することで、動圧発生溝9aの軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝9aに寸法のばらつきが生じていても、凹部21bによって動圧発生溝9aの有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
(2)
図3に示すように、シャフト2の変形例としてのシャフト31の外周面31aには、環状の凹部31bが形成されている。環状の凹部31bは、スリーブ1の軸方向段部1b側に対向する位置かつ、動圧発生溝9bの動圧発生中心(ヘリングボーン形状の頂点の軸方向位置)に重ならない位置に形成されている。より具体的には、動圧発生溝9bの軸方向外側に対向する位置に形成されている。このようにすることで、動圧の発生が凹部31bにより妨げられることが防止可能となる。また、シャフト31がSUSなどで形成される場合には、凹部31bは、成形バイトなどを用いることで、凹凸がないシャフト2(図1(a)参照)と同様のコストで製造できる。
シャフト31を用いた動圧軸受では、凹部31b以外の外周面31aがラジアル動圧軸受の有効部分となっている。このため、凹部31bの軸方向幅によって、動圧発生溝9a、9b、特に、動圧発生溝9aの有効長さを設定している。なお、凹部の形状は傾斜面から構成されていても良い。
動圧発生溝9a、9bは、シャフト31と組み合わされる場合、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部31bは動圧発生溝9bに対して半径方向に対向することで、動圧発生溝9bの軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝9bに寸法のばらつきが生じていても、凹部31bによって動圧発生溝9bの有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
(3)
図4に示すように、シャフト2の変形例としてのシャフト41の外周面41aには、環状の凹部41bが形成されている。環状の凹部41bは、スリーブ1の段部1bと傾斜面1dとの軸方向略中間部に対向する位置かつ、動圧発生溝9a、9bの動圧発生中心(ヘリングボーン形状の頂点の軸方向位置)に重ならない位置に形成されている。より具体的には、動圧発生溝9a、9bの軸方向内側に対向する位置に形成されている。このようにすることで、動圧の発生が凹部41bにより妨げられることが防止可能となる。また、シャフト41がSUSなどで形成される場合には、凹部41bは、成形バイトなどを用いることで、凹凸がないシャフト2(図1(a)参照)と同様のコストで製造できる。
シャフト41を用いた動圧軸受では、凹部41b以外の外周面41aがラジアル動圧軸受の有効部分となっている。このため、凹部41bの軸方向幅によって、動圧発生溝9a、9bの有効長さを設定している。なお、凹部の形状は傾斜面から構成されていても良い。
動圧発生溝9a、9bは、シャフト41と組み合わされる場合、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部41bは動圧発生溝9a、9bに対して半径方向に対向することで、動圧発生溝9a、9bの軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝9a、9bに寸法のばらつきが生じていても、凹部41bによって動圧発生溝9a、9bの有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
(4)
図5〜図8に示すように、シャフト2の変形例としてのシャフトには、上述した凹部21b、31b、41bと同様の凹部が複数個組み合わせて形成されていてもよい。
図5に示すシャフト51では2つの凹部が軸方向に並んだ2箇所に形成されている。具体的には、外周面51aにおいて、凹部21bと凹部31bとに対応する位置にそれぞれ凹部51bと凹部51cとが形成されている。
図6に示すシャフト61では2つの凹部が軸方向に並んだ2箇所に形成されている。具体的には、外周面61aにおいて、凹部21bと凹部41bとに対応する位置にそれぞれ凹部61bと凹部61cとが形成されている。
図7に示すシャフト71では2つの凹部が軸方向に並んだ2箇所に形成されている。具体的には、外周面71aにおいて、凹部31bと凹部41bとに対応する位置にそれぞれ凹部71bと凹部71cとが形成されている。
図8に示すシャフト81では3つの凹部が軸方向に並んだ3箇所に形成されている。具体的には、外周面81aにおいて、凹部21bと凹部31bと凹部41bとに対応する位置にそれぞれ凹部81bと凹部81cと凹部81dが形成されている。
それぞれのシャフトがSUSなどで形成される場合にも、凹部は、成形バイトなどを用いることで、凹凸がないシャフト2(図1(a)参照)と同様のコストで製造できる。
それぞれのシャフトを用いた動圧軸受では、凹部以外の外周面がラジアル動圧軸受の有効部分となっている。このため、凹部の軸方向幅によって、対向する位置に形成される動圧発生溝9aまたは9bの有効長さを設定している。なお、凹部の形状は傾斜面から構成されていても良い。
動圧発生溝9a、9bは、それぞれのシャフトと組み合わされる場合、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部は動圧発生溝9aまたは9bに対して半径方向に対向することで、動圧発生溝9aまたは9bの軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝9aや9bに寸法のばらつきが生じていても、凹部によって動圧発生溝9a、9bの有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
<スリーブの変形例>
スピンドルモータに用いられるスリーブは、上述のものに限らず、以下に示すものであってもよい。なお、以下に示すそれぞれのスリーブは、<シャフトの変形例>で記載したシャフトのそれぞれと組み合わせて用いることも可能である。
以下に示すスリーブは、内周面が軸線方向に直線形状に延びており(回転軸に対して平行な面となっており)、段差や凹部が形成されていない。これらのスリーブは、上述した金型を用いた加工方法で加工され、それぞれ軸方向下側に形成される段部と、段部から軸方向上側に延びる内周面とを有している。さらに、内周面には、例えば、転造により、動圧発生溝が形成される。
(1)
図9(a)〜(d)は、軸方向上下に連続して、へリングボーン形状の動圧発生溝が形成されたスリーブ1、22、32、42について示している。
図9(a)に示すスリーブ1は、実施の形態1で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図9(b)に示すスリーブ22の内周面22eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝29a、29bと、動圧発生溝29aの軸方向外側端に軸方向直線状に形成される直線溝29cとが形成されている。直線溝29c、動圧発生溝29a、29bは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、直線溝29c、動圧発生溝29bは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
図9(c)に示すスリーブ32の内周面32eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝39a、39bと、動圧発生溝39bの軸方向外側端に形成される直線溝39cとが形成されている。動圧発生溝39a、39b、直線溝39cは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、動圧発生溝39a、直線溝39cは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
図9(d)に示すスリーブ42の内周面42eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝49a、49bと、動圧発生溝49a、49bの軸方向外側端に形成される直線溝49c、とが形成されている。直線溝49c、動圧発生溝49a、49b、直線溝49dは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、直線溝49c、49dは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
動圧発生溝の軸方向の有効長さは、動圧発生溝と、各シャフト(図1(a)、図2〜図8参照)に形成される凹部との組み合わせにより決定されている。より具体的には、動圧発生溝は、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部は動圧発生溝に対して半径方向に対向することで、動圧発生溝の軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝に寸法のばらつきが生じていても、凹部によって動圧発生溝の有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
動圧発生溝の軸方向外側端に形成された直線溝部分では動圧が発生しない。直線溝を設けることで、動圧発生溝のアンバランスを抑えるのが容易になる。具体的には、スリーブの製造誤差や反転タイミングのずれは直線溝によって吸収されるため、ヘリングボーン状溝の各傾斜部分の加工時間を等しくしておけば動圧の軸方向のアンバランスが生じにくい。
なお、図4、図6、図7、図8に示したシャフトのように、スリーブの段部と傾斜面との軸方向略中間部に対向する位置に凹部が形成されたシャフトと組み合わされる場合、軸方向上下に並んだ動圧発生溝の接続部分が、この凹部と対向するように配置されてもよい。
(2)
図10(a)〜(d)は、軸方向に並ぶ一対のへリングボーン形状の動圧発生溝と、その動圧発生溝を軸方向に連続させる軸方向直線状に形成される直線溝とが形成されたスリーブ52、62、72、82について示している。
図10(a)に示すスリーブ52の内周面52eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝59a、59bと、動圧発生溝59a、59bの軸方向内側に連続して形成される直線溝59cとが形成されている。動圧発生溝59a、直線溝59c、動圧発生溝59bは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、動圧発生溝59a、59bは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
図10(b)に示すスリーブ62の内周面62eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝69a、69bと、動圧発生溝69a、69bの軸方向内側に連続して形成される直線溝69cと、動圧発生溝69aの軸方向外側に動圧発生溝69aに連続して形成される直線溝69dとが形成されている。直線溝69d、動圧発生溝69a、直線溝69c、動圧発生溝69bは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、直線溝69d、動圧発生溝69bは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
図10(c)に示すスリーブ72の内周面72eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝79a、79bと、動圧発生溝79a、79bの軸方向内側に連続して形成される直線溝79cと、動圧発生溝79bの軸方向外側に動圧発生溝79bに連続して形成される直線溝79dとが形成されている。動圧発生溝79a、直線溝79c、動圧発生溝79b、直線溝79dは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、動圧発生溝79a、直線溝79dは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
図10(d)に示すスリーブ82の内周面82eには、軸方向上下に形成される動圧発生溝89a、89bと、動圧発生溝89a、89bの軸方向内側に連続して形成される直線溝89cと、動圧発生溝89aの軸方向外側に動圧発生溝89aに連続して形成される直線溝89dと、動圧発生溝89bの軸方向外側に動圧発生溝89bに連続して形成される直線溝89eとが形成されている。直線溝89d、動圧発生溝89a、直線溝89c、動圧発生溝89b、直線溝89eは、それぞれ軸方向に連続して形成されており、直線溝89d、89eは、それぞれ、軸方向上下側に開口している。
動圧発生溝の軸方向の有効長さは、動圧発生溝と、各シャフト(図1(a)、図2〜図8参照)に形成される凹部との組み合わせにより決定されている。より具体的には、動圧発生溝は、動圧発生に必要な長さより軸方向に長く形成されており、凹部は動圧発生溝に対して半径方向に対向することで、動圧発生溝の軸方向の有効長さを決定している。したがって、動圧発生溝に寸法のばらつきが生じていても、凹部によって動圧発生溝の有効長さを設定できるため、動圧の軸方向アンバランスが抑えられる。
動圧発生溝の軸方向内側に形成されている直線溝部分では動圧が発生しない。このような直線溝を設けることで、動圧発生溝のアンバランスを抑えるのが容易になる。具体的には、スリーブの製造誤差や反転タイミングのずれは直線溝によって吸収されるため、ヘリングボーン状溝の各傾斜部分の加工時間を等しくしておけば動圧の軸方向のアンバランスが生じにくい。
なお、図4、図6、図7、図8に示したシャフトのように、スリーブの段部と傾斜面との軸方向略中間部に対向する位置に凹部が形成されたシャフトと組み合わされる場合、軸方向上下に並んだ動圧発生溝を接続する直線溝が、この凹部と対向するように配置されてもよい。
<スピンドルモータの変形例>
上述したシャフトおよびスリーブの構成は、図1(a)に示したスピンドルモータ以外にも適用可能である。例えば、シャフトはフランジを持たないフランジレスタイプであっても良い。
また、実施の形態1では、シャフトが回転側となる動圧軸受装置を備えるスピンドルモータについて説明したが、図11(a)に示すように、シャフトが固定側となる動圧軸受装置に対しても、上述したシャフトおよびスリーブの構成を適用可能である。
図11(a)に示すスピンドルモータは、ベース108に固定されたシャフト102と、シャフト102に対して相対回転可能に挿通されたスリーブ101と、シャフト102とスリーブ101との間に充填された潤滑材110とを有する動圧軸受装置を備える。
スリーブ101では、段部101bと、段部101bに連続して軸方向に直線形状に延びる内周面101eとが金型を用いた加工方法で形成される。
シャフト102は、ベース側の端部近傍において段部101bと軸方向に対向するスラストフランジ102bを備えている。スラストフランジ102bの軸方向いずれかの端面は、軸方向に対向する段部101bの軸方向面またはスリーブ101のベース側端部に圧入などにより固定された環状のスラストプレート101fとの間でスラスト軸受部を構成する。
シャフト102のスラストフランジ102bよりも軸方向上側の外周面102aは、図1(a)、図2〜図8で示したいずれかの形状に加工されている。
スリーブ101の内周面101eには、図11(b)に示すように動圧発生溝が形成されている。なお、スリーブ101の内周面101eに形成される動圧発生溝は、図11(b)に示した形状に限らず、図9〜図10に示したいずれの形状であってもよい。
以上のように構成したスピンドルモータは、実施の形態1のスピンドルモータと同様の効果を奏する。具体的には、スリーブ101の内周面101eが軸方向に直線形状に延びており、凹部等の段差が形成されていない。したがって、スリーブ101を金型などにより容易に製造可能となり、コストが低下する。
また、動圧発生溝は、転造により形成することが可能である。このため、加工を簡単にすることが可能となる。
<他の実施形態>
前記実施形態は本発明の一例として説明のために挙げたのであり、本発明を限定するものではない。本発明の要旨に反しない範囲では、様々な変形が可能である。
本発明は、動圧流体軸受、及びそれが適用されるスピンドルモータ等の様々な回転構造に適用される。
(a)本発明の実施の形態1に係る動圧軸受装置が採用されたスピンドルモータの縦断面概略図、(b)動圧軸受装置を構成するスリーブの断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのシャフトの構造を示す断面図 変形例としてのスリーブの構造を示す断面図 変形例としてのスリーブの構造を示す断面図 (a)変形例に係る動圧軸受装置が採用されたスピンドルモータの縦断面概略図、(b)動圧軸受装置を構成するスリーブの断面図
符号の説明
1 スリーブ
1a 軸受孔
2 シャフト
9a 動圧発生溝
9b 動圧発生溝

Claims (10)

  1. 一端部側に設けられる段部と、前記段部に連続して軸方向に直線形状に延びる内周面とが、金型を用いた加工方法で形成されているスリーブと、
    前記スリーブの内周面に相対回転可能に挿入されたシャフトと、
    前記スリーブの前記内周面と前記シャフトの外周面との間に形成された空間に充填された潤滑剤と、
    を備え、
    前記内周面には、前記内周面の軸方向少なくとも一端において軸方向に開口し、かつ、前記一端から軸方向に連続する動圧発生溝が形成されている、
    動圧軸受装置。
  2. 前記シャフトの前記外周面には、前記スリーブの前記内周面の前記一端部側または他端部側の少なくとも一方に対向する位置に環状溝が形成されている、
    請求項1に記載の動圧軸受装置。
  3. 前記シャフトの前記外周面には、前記スリーブの前記内周面の前記一端部側に対向する位置、および他端部側に対向する位置にそれぞれ環状溝が形成されている、
    請求項2に記載の動圧軸受装置。
  4. 前記シャフトの前記外周面には、前記スリーブの前記内周面の前記一端部側と他端部側の略中間部にに対向する位置に環状溝が形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の動圧軸受装置。
  5. 前記動圧発生溝は、前記スリーブの前記内周面の前記一端部側または前記他端部側の少なくとも一方から軸方向に直線形状に延びる直線溝部を有している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の動圧軸受装置。
  6. 前記動圧発生溝は、前記スリーブの前記内周面の前記一端部側および前記他端部側からそれぞれ軸方向に直線形状に延びる直線溝部を有している、
    請求項5に記載の動圧軸受装置。
  7. 前記動圧発生溝は、一対の動圧発生部と、前記一対の動圧発生部の間を連続させる、軸方向に直線形状に形成された中間溝部とを有している、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の動圧軸受装置。
  8. 前記動圧発生溝は、少なくとも1つの動圧発生部を有しており、
    前記シャフトの前記外周面には、前記動圧発生部の動圧発生中心に重ならない軸方向位置に環状溝が形成されている、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の動圧軸受装置。
  9. 前記動圧発生溝は、前記内周面の軸方向両端において軸方向に開口し、かつ、軸方向に連続する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の動圧軸受装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに1項に記載の動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ。

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