JP2007107563A - 防音管体及びその製造方法 - Google Patents

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幸司 小林
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Abstract

【課題】セメント類との接着性を好適に高めることができる防音管体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】管体12の外周面に設けられた防音機能材13の表面、すなわち被覆フィルム16の表面には、複数の短繊維17aよりなる短繊維層17が接合されている。この短繊維層17は、管体12の周方向に亘って設けられている。すなわち、本実施形態における短繊維層17は、防音機能材13(被覆フィルム16)の外周面全体を被覆するように接合されている。これにより、防音管体11の外周面全体に亘って短繊維層17が設けられており、防音管体11の最外層が短繊維層17により構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば建築物の壁、床、間仕切り等の区画部に設けられた貫通孔に挿通支持される防音管体及びその製造方法に関するものである。
通常、例えば、防音管、給排水管、冷媒管等の管体が、建築物における壁、床等の区画部を貫通した状態で支持されている場合においては、万一火災が発生したとき、同管体又はその周囲から延焼して火災が拡大する可能性がある。そこで、こうした火災の拡大を防止すべく、種々の防火処理が施されている。この種の防火処理としては、例えば、区画部に設けられた貫通孔に管体が挿通された状態で、その管体の外周面(最外層)と区画部の貫通孔の内周面との間の隙間にモルタル等のセメント類を充填させるといったものが知られている(例えば特許文献1参照。)。ちなみに、この特許文献1に示す管体は、配管と、同配管の外周を被覆する鞘管と、これら配管と鞘管との間に配設される吸音性材料(吸音性を有する熱膨張性材料)とから構成されており、防音管体として機能するものである。
この特許文献1に示す防火処理によれば、防音管体の外周面と貫通孔の内周面との間の隙間がモルタル等のセメント類の充填により閉塞されるとともに同防音管体が固定されるようになる。その結果、万一火災が発生したとしても、区画部を境界とする一方の空間で発生した熱、煙、火炎等が他方の空間へ移動することが抑制されるため、火災の拡大が回避される。
特開2002−71082号公報
ところで、こうした防音管体の最外層(上記特許文献1においては鞘管)が、例えば合成樹脂やゴム類等の高分子材料より形成されてなる場合には、以下のような問題が生じ得る。すなわち、モルタル等のセメント類と高分子材料との相溶性が芳しくないことに起因して、防音管体の最外層に対するセメント類の接着性が低下する可能性がある。これにより、防音管体の支持状態が不安定なものとなり、同防音管体ががたつきやすくなる。そして万一、防音管体ががたつくことになると、セメント類が剥がれてしまい、防音管体の最外層と貫通孔の内周面との間に隙間が生じるおそれがあった。この隙間の発生は、建築物の区画部を境界とする一方の空間から他方の空間への熱、煙、火炎等の移動を許すことになる。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セメント類との接着性を好適に高めることができる防音管体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の防音管体は、管体と、同管体の外周面を被覆する防音機能材とを備えてなる防音管体であって、前記防音機能材の表面上には、複数の短繊維よりなる短繊維層が接合されてなり、同短繊維層を最外層として構成したことを要旨とする。
上記構成によれば、建築物の区画部に形成された貫通孔に防音管体を挿入して、その貫通孔をセメント類により閉塞するに際し、短繊維層を構成する短繊維間にセメント類が入り込むようになる。そして、セメント類が硬化すると、硬化したセメント類中に短繊維が埋設された状態となり、各短繊維に対してセメント類が密着する。これにより、防音機能材の最外層が例えば合成樹脂やゴム類等の高分子材料より形成されている場合であっても、短繊維を介してセメント類と防音管体との接着性が高められる。その結果、セメント類による防音管体の支持状態が良好なものとなり、防音管体のがたつきが極力抑制される。ひいては、防音管体のがたつきに伴ってセメント類が剥がれることに起因する、区画部の貫通部と防音管体の外周面との間の隙間の発生が抑制される。そして、万一の火災の際には、区画部を境界とする一方の空間で発生した熱、煙、火炎等が他方の空間へ移動することが確実に抑制される。
請求項2に記載の発明の防音管体は、請求項1に記載の発明において、前記短繊維層は、前記管体の周方向にわたって設けられてなることを要旨とする。
上記構成によれば、管体の周方向にわたって短繊維層を設けることで、セメント類と防音管体との接着性が、同防音管体の周方向に亘って高められるようになる。その結果、防音管体の支持状態が極めて良好なものとなる。
請求項3に記載の発明の防音管体は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記短繊維の植毛密度は、10〜500g/mであることを要旨とする。
上記構成によれば、防音管体との接着性を好適に高めることのできる適度な量のセメント類が、短繊維間に入り込むこととなる。
請求項4に記載の発明の防音管体は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記短繊維は、太さが0.1〜5デシテックスであり、長さが0.1〜2mmであることを要旨とする。
上記構成によれば、短繊維の太さを0.1〜5デシテックスとし、長さを0.1〜2mmとすることで、セメント類の接着性を好適に高めることのできる、同短繊維とセメント類との接触面積を確保することができる。
請求項5に記載の発明の防音管体は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記防音機能材は、前記管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなることを要旨とする。
上記構成によれば、防音機能材の最外層が被覆フィルムで構成され、この被覆フィルムにより、遮音層及び吸音層を保護することができるようになる。なお、この場合においても、被覆フィルムの表面に接合された短繊維層を介してセメント類と防音管体との接着性が確保される。
請求項6に記載の発明の防音管体の製造方法は、管体と、同管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなる防音管体の製造方法であって、前記被覆フィルムの表面に接着剤を塗布して接着膜を形成する第1工程と、同接着膜に短繊維を静電植毛する第2工程と、同第2工程後の被覆フィルムを前記遮音層の外周面に被覆して同被覆フィルムを熱収縮させる第3工程とを備えることを要旨とする。
上記方法によれば、静電植毛により短繊維を植毛することで、同短繊維が被覆フィルム全体にわたって均一に植毛された防音管体を容易に得ることができる。
本発明の防音管体及びその製造方法によれば、セメント類との接着性を好適に高めることができる。
以下、本発明の防音管体を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、防音管体11は、防音管体11の本体となる管体12と、その管体12の外周面を被覆する防音機能材13とを備えている。そして、この防音機能材13の表面には複数の短繊維17aが植毛されている。本実施形態の防音管体11は、図2に示すように、建築物の壁、床、間仕切り等の区画部21に形成された貫通孔22(貫通部)に挿通された状態で支持される。そして、防音管体11の外面と貫通孔22の内周面との間の隙間には、モルタル、コンクリート、セメント等のセメント類25が充填されている。なお、本実施形態では、セメント類としてモルタル25を採用している。これにより、万一火災が発生したとしても、区画部21を境界とする一方の空間で発生した熱、煙、火炎等が他方の空間へ移動するのが抑制されるため、火災の拡大を抑制することができる。
以下、本実施形態の防音管体11についてさらに詳細に説明する。
管体12は、各種硬質材料や軟質材料から形成され、その内部を流体が流通する筒状をなしている。管体12を形成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の合成樹脂、金属等が挙げられる。これらの材料は、単独又は組み合わせて使用される。すなわち管体12は、硬質及び軟質のいずれであってもよい。さらに、管体12の一部を硬質材料から構成するとともに、管体12の他部を軟質材料から構成することにより、管体12が部分的に屈曲自在に構成されていてもよい。
防音機能材13は、管体12の外周面を被覆する吸音層14と、その吸音層14の外周面を被覆する遮音層15と、遮音層15の外周面を被覆する被覆フィルム16とを備えている。
吸音層14は、同吸音層14に入射した音等の振動エネルギーを減衰する機能を発揮する。この吸音層14には、管体12の外周面を被覆すべく吸音材料が配置される。吸音材料は特に限定されるものではなく、その具体例としては、例えばグラスウール、ロックウール、セラミックウール、発泡樹脂材料等の多孔質材料が挙げられる。これらの吸音材料の中でも、材料自体が耐火性を有するという観点から、グラスウール、ロックウール、セラミックウール等の無機繊維シート材が好適である。
遮音層15は、吸音層14を透過する音を遮音する機能を発揮する。この遮音層15は、高比重かつ面密度が高い材料から形成されている。そのため、遮音層15に音が伝播したとしても、遮音層15自体の振動が抑制されるようになっている。すなわち、遮音層15は、その外周面から音が漏れ出すことを抑制する遮音効果を有している。本実施形態の遮音層15は、テープ材(図示略)により管体12に固着されている。
遮音層15を形成する遮音材料の具体例としては、金属薄膜や高分子材料(合成樹脂、ゴム類等)が挙げられる。合成樹脂としては塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系エラストマーに代表されるエラストマー等、ゴム類としてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。また、遮音材料として高分子材料を適用する場合、遮音性能を向上させるという観点から、高分子材料中にフィラーを充填することが好ましく、防火性を付与するという観点から、熱膨張性黒鉛を配合することが好ましい。この種のフィラーとしては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化チタン、バライト、鉄粉、酸化亜鉛、グラファイト等が挙げられる。
被覆フィルム16は、遮音層15の周囲をその全面に亘って被覆する。すなわち、防音管体11においては、防音機能材13の最外層が被覆フィルム16により形成されている。この被覆フィルム16は、管体12に遮音層15を保持させる役割と、遮音層15及び吸音層14を保護する役割を果たす。本実施形態の被覆フィルム16は、熱収縮性フィルムから構成されている。熱収縮性フィルムは、シュリンクフィルムとも呼ばれ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂を材料としたものが使用される。
図2〜図4に示すように、管体12の外周面に設けられた防音機能材13の表面、すなわち被覆フィルム16の表面には、複数の短繊維17aよりなる短繊維層17が接合されている。短繊維層17は、その防音機能材13側に接着膜18を有している。すなわち、複数の短繊維17aが接着膜18を介して被覆フィルム16の表面上に植毛されている。そして、各短繊維17aの一部は、接着膜18の内部に埋設されている(図4参照)。これら複数の短繊維17aは、静電植毛処理により、被覆フィルム16上において均一に植毛されている。
短繊維層17は、管体12の周方向に亘って設けられている(図3参照)。すなわち、本実施形態における短繊維層17は、防音機能材13(被覆フィルム16)の外周面全体を被覆するように接合されている。これにより、防音管体11の外周面全体に亘って短繊維層17が設けられており、防音管体11の最外層が短繊維層17により構成されている。
接着膜18を形成する材料としては、接着性を有するものであれば特に限定されるものではない。この種の材料の具体例としては、例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、クロロプレン樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル酸エステル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス系接着剤、ニトリルゴム(NBR)ラテックス系接着剤等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、本実施形態では、被覆フィルム16に対する短繊維17aの接着性に特に優れるという点から、ウレタン樹脂溶剤系接着剤が好適である。
短繊維17aを形成する材料としては、例えば、ナイロン、レーヨン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロン等の従来公知の有機繊維等の他、ガラスファイバー、繊維状活性炭、炭素繊維等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、本実施形態では、耐アルカリ性に優れる等から、ナイロンが好適である。
短繊維層17を構成する短繊維17aの植毛密度は、10〜500g/mであり、好ましくは50〜300g/mである。短繊維17aの植毛密度が10g/m未満の場合には、短繊維17aの本数が極度に低減することとなり、モルタル25との接着性を充分に確保することができない可能性が高い。一方、短繊維17aの植毛密度が500g/mを超える場合には、モルタル25と防音管体11との接着性に関してそれ以上の効果はみられず、材料の無駄が生じて経済的でない。
短繊維層17を構成する各短繊維17aの太さは0.1〜5デシテックスであり、好ましくは0.3〜3デシテックスである。さらに、各短繊維17aの長さは、0.1〜2mmであり、好ましくは0.3〜1.5mmである。
短繊維17aの太さが0.1デシテックス未満、及び長さが0.1mm未満の場合には、各短繊維17aとモルタル25との接触面積が低減することとなり、モルタル25との接着性を充分に確保することができない可能性が高い。一方、短繊維17aの太さが0.5デシテックスを超える場合、及び長さが2mmを超える場合には、同短繊維17aを静電植毛するに際し、その植毛密度を上記所定の範囲内に設定することが困難となり、その結果、モルタル25との接着性が低下する可能性がある。
次に、本実施形態の防音管体11の製造方法について説明する。
防音管体11を製造する場合、まず被覆フィルム16の表面に上記接着剤を塗布して接着膜18を形成する(第1工程)。この接着剤を塗布する方法としては、スプレー法、ディップ法、カーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法等の他、刷毛、ブラシ、ローラ、ナイフ等を用いて手作業によって塗布する方法が挙げられる。なお、この第1工程における被覆フィルム16の形態としては、特に限定されるものではなく、2つ折りの状態であってもよく、折り目がなく広げられた状態であってもよく、或いは筒状であってもよい。
次に、上記接着膜18上に、従来公知の静電植毛処理により短繊維17aを植毛する(第2工程)。すなわち、電極を用いて静電界を生じさせ、その静電吸引力で短繊維17aを飛翔させ、接着膜18上に植毛する。短繊維17aを飛翔させる方法としては、アップ法、ダウン法、サイド法等が挙げられる。なお、被覆フィルム16に対する短繊維17aの接着力を高めるといった観点から、第2工程後において同被覆フィルム16の乾燥処理を行うことが好ましい。さらに、後処理として、過剰に付着した短繊維17aを除去すべく、エアーの吹きかけや水洗い等を行ってもよい。
その後、短繊維17aが静電植毛された被覆フィルム16を遮音層15の外周面に被覆し、同被覆フィルム16を熱収縮させる(第3工程)。これにより、最外層が短繊維層17により構成される防音管体11が製造される。
さて、このようにして得られた防音管体11を施工する際には、まず、図5(a)に示すように、区画部21の貫通孔22内に防音管体11を挿通する。この状態においては、防音管体11と貫通孔22の内周面との間には、周方向にわたって隙間Sが形成されている。次に、貫通孔22の内周面と防音管体11との間の隙間Sにモルタル25を充填する。こうして充填されたモルタル25は、防音管体11の最外層を構成する短繊維層17の短繊維17a間に入り込むようになる。そして、同モルタル25は、短繊維層17を形成する各短繊維17aを包み込む状態で硬化する(図4参照)。これにより、モルタル25は、短繊維層17に強固に接着されることから、同モルタル25と防音管体11との接着性が高められる。そして、区画部21に形成されていた貫通孔22は、図5(b)に示すようにモルタル25によって閉塞され、区画部21に貫通した状態で防音管体11が配設される。こうして配設された防音管体11には、別の管体(図示略)が接続されることで、建築物に配管が装備される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 本実施形態の防音管体11は、最外層が短繊維層17により構成されている。このため、貫通孔22の内周面と防音管体11との間の隙間Sにモルタル25を充填する場合、そのモルタル25は短繊維層17を形成する短繊維17a間に入り込むようになる。そして、モルタル25は、短繊維層17を形成する各短繊維17aを包み込む状態で硬化する。その結果、モルタル25は短繊維層17に強固に接着される。
ここで、こうした短繊維層17を介さずに、例えば、被覆フィルム16に対してモルタル25を接着させることになる防音管体では、十分な接着強度は得られにくい。すなわち、被覆フィルム16を形成する高分子材料とモルタル25との密着性が低いため、そうした防音管体に外力が加わったり区画部21に振動が加わったりすると、防音管体と埋設されたモルタル25との間に隙間が生じやすくなる。これに対し、本実施形態の防音管体11では、被覆フィルム16とモルタル25とは、短繊維層17を介して接着されるため、防音管体11に対するモルタル25の接着性を好適に高めることができる。その結果として、防音管体11とモルタル25との隙間に起因して区画部21の防火性能が低下することを抑制することができるようになるため、そうした防火性能が要求される区画部21を貫通して配設される防音管体として最適である。また、防音管体11に対するモルタル25の接着性が高まることにより、例えば、区画部21上に水がこぼれた際には、反対側への水漏れを抑制することが容易となる。
(2) 短繊維層17が管体12の周方向にわたって設けられることで、防音管体11に対するモルタル25の接着性を周方向にわたって高めることができる。
(3) 短繊維17aの植毛密度は10〜500g/mであることが好ましい。このように構成した場合、防音管体11との接着性を好適に高めることのできる適度な量のモルタル25を短繊維17a間に入り込ませることが可能となる。
(4) 短繊維17aは、太さが0.1〜5デシテックスであり、長さが0.1〜2mmであることが好ましい。このように構成した場合、防音管体11とモルタル25との接着性を好適に高めることのできる、短繊維17aとモルタル25との接触面積を確保することができる。
(5) 防音管体11の外周面には、遮音層15を被覆する被覆フィルム16が備えられている。従って、そうした被覆フィルム16により、遮音層15を管体12に固定しているテープ材の剥離を抑制することができる。加えて、遮音層15、ひいては吸音層14を保護することができるようになる。その結果、防音管体11が有する防音性能を長期に亘って発揮させることができる。
(6) 各短繊維17aの一部は、接着膜18の内部に埋設されている。すなわち、貫通孔22の内周面と防音管体11との間の隙間Sにモルタル25を充填したとき、各短繊維17aは、モルタル25に包み込まれるとともに接着膜18の内部に埋設された状態となり、モルタル25と接着膜18(被覆フィルム16)との密着性が確実に高められる。これにより、防音管体11に対するモルタル25の接着性をより一層好適に高めることができる。
(7) 本実施形態の防音管体11を、建築物の区画部21を貫通させて配設する配設方法は、まず、区画部21に形成された貫通孔22に防音管体11を挿入するに際し、同防音管体11と貫通孔22の内周面との間に所定の間隔(隙間S)を有して防音管体11を配置する。その後、貫通孔22の内周面と防音管体11との間にモルタル25を充填すると、短繊維17a間にモルタル25が入り込む。このように防音管体11を配設すれば、防音管体11の最外層となる短繊維層17に対し、モルタル25を確実に密着することができるようになるため、上記のように構成された防音管体11の作用効果を十分に発揮させることができる。
(8) 静電植毛処理により短繊維17aを植毛することにより、同短繊維17aを被覆フィルム16全体にわたって均一に植毛させることが可能となる。従って、防音管体11に対するモルタル25の接着性をより一層高めることができる。
(9) 区画部21の貫通孔22内に防音管体11を施工する際には、防音管体11の最外層を構成する短繊維層17が滑り止めとなるため、同防音管体11の把持が容易となり、その施工時における作業性を向上させることができる。また、防音管体11の最外層を短繊維層17により構成することで、吸音性の向上も図られ得る。さらに、同短繊維層17により、防音管体11に対して保温機能及び保冷機能が付与されるため、防音管体11の表面上における結露の発生が抑制され、水滴の落下を防止することができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 被覆フィルム16は省略されてもよい。この場合、遮音層15の表面に短繊維層17が設けられることとなる。すなわち、遮音層15の表面に接着剤を塗布して接着膜18を設けた後、その接着膜18上に短繊維17aを静電植毛する。
・ 本実施形態においては、防音機能材13(被覆フィルム16)の外周面全体を周方向にわたって短繊維層17により被覆する構成を採用したが、同短繊維層17は、防音機能材13(被覆フィルム16)のうち少なくとも貫通孔22の内周面に対向する対向面13a上に設けられていればよい(図6(a)参照)。すなわち、貫通孔22から露出する部位の短繊維層17は省略されてもよい。この場合、防音機能材13(被覆フィルム16)のうち貫通孔22の内周面に対向する対向面13aの全面にわたって周方向に短繊維層17を設ける構成が好ましい。このような構成においても、本実施形態と同等の効果が得られる。
・ 短繊維層17を、防音機能材13のうち貫通孔22の内周面に対向する対向面13aの全面にわたって設けず、防音管体11の対向面13aの少なくとも一部に同短繊維層17を設ける構成を採用してもよい。この種の構成としては、例えば、図6(a)に示すように、防音管体11の軸線方向Lに沿って短繊維層17を離間させて設ける構成が考えられる。この場合、区画部21を境界とする一方の空間と他方の空間とを連通するような隙間の発生を好適に抑制するという観点から、少なくとも区画部21の貫通孔22における一対の開口端部Kのそれぞれに短繊維層17が設けられるように短繊維17aを植毛することが好ましい。なおこの場合、各短繊維層17を防音管体11の周方向に亘って配設するか否かは任意のものとする。
また、例えば、図6(b)に示すように、防音管体11の周方向に沿って所定間隔毎に複数の短繊維層17を設ける構成も考えられる。この場合も上記と同様、区画部21を境界とする一方の空間と他方の空間とを連通するような隙間の発生を好適に抑制するという観点から、区画部21の貫通孔22における一対の開口端部Kのそれぞれに短繊維層17を配設する構成がより好ましい。なおこのとき、周方向において互いに隣接する短繊維層17間の間隔は一定であることが好ましい。
・ 本実施形態では、被覆フィルム16を熱収縮させる前に短繊維17aの植毛処理を行ったが、被覆フィルム16を熱収縮させた後に短繊維17aの植毛処理を行う方法に変更してもよい。この場合、被覆フィルム16を遮音層15の外周面に被覆して同被覆フィルム16を熱収縮させる第1工程と、同被覆フィルム16の表面に接着剤を塗布して接着膜18を形成する第2工程と、同接着膜18に短繊維17aを静電植毛する第3工程とを経ることで、所望の防音管体11が製造される。
・ 本実施形態では静電植毛により短繊維層17を形成したが、同短繊維層17の形成方法としてはこれに限定されるものではない。例えば、被覆フィルム16の接着膜18上に、作業者が手作業により短繊維17aを直接振りかけることで短繊維層17を設けてもよい。この場合、被覆フィルム16上に短繊維17aを均一に植毛することは困難となるが、本実施形態と比較して作業の簡略化を図ることが可能となる。
・ 本実施形態では各種接着剤により接着膜を形成したが、同接着膜を、粘着性を有する粘着部材により形成してもよい。この粘着部材を形成する材料の具体例としては、例えば、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、多加硫ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム(FKM,FZ)、ウレタンゴム(U)、ポリイソブチレンゴム、塩化ブチルゴム等のゴム類や、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、アクリロニトリル等の他、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジン等のロジン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、従来公知の溶着手段により、短繊維17aを被覆フィルム16上に接合して短繊維層17を形成させてもよい。この溶着手段の具体例としては、例えば、熱溶着、超音波溶着、振動溶着等が挙げられる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記短繊維は、前記防音機能材の表面上において静電植毛処理により植毛されてなることを特徴とする防音管体。この構成によれば、防音機能材の表面の全体にわたって短繊維を均一に植毛させることができる。
・ 前記短繊維層は、前記短繊維を前記被覆フィルムに接合する接着膜を有しており、同接着膜の内部に前記短繊維の一部が埋設されてなることを特徴とする防音管体。この構成によれば、各短繊維は、セメント類と接着膜との密着性を確実に高める役割をなすことから、防音管体に対するセメント類の接着性をより一層好適に高めることができる。
・ 管体と、同管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなる防音管体を建築物の区画部を貫通して配設する防音管体の配設方法であって、前記区画部に形成された貫通孔に前記防音管体を挿入するに際し、前記防音管体の外周面と前記貫通孔の内周面との間に所定の間隔を有した状態で前記防音管体を配置した後、前記貫通孔の内周面と前記防音管体の外周面との隙間にセメント類を充填することを特徴とする防音管体の配設方法。この方法によれば、硬化したセメント類中に短繊維が埋設された状態となって、防音管体とセメント類とを強固に接着することができる。
・ 管体と、同管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなる防音管体の製造方法であって、前記被覆フィルムを前記遮音層の外周面に被覆して同被覆フィルムを熱収縮させる第1工程と、同被覆フィルムの表面に接着剤を塗布して接着膜を形成する第2工程と、同接着膜に短繊維を静電植毛する第3工程とを備えることを特徴とする防音管体の製造方法。この方法によれば、静電植毛により短繊維を植毛することで、同短繊維が被覆フィルム全体にわたって均一に植毛された防音管体を容易に得ることができる。
本実施形態の防音管体を示す斜視図。 区画部の貫通孔内に防音管体を貫通支持させた状態を示す側断面図。 図2における3−3線断面図。 同防音管体を示す部分拡大側断面図。 (a)は区画部の貫通孔に挿入された防音管体を示す斜視図、(b)は区画部に配設された防音管体を示す斜視図。 (a)は別例の防音管体を示す側断面図、(b)は別例の防音管体を示す平断面図。
符号の説明
11…防音管体、12…管体、13…防音機能材、14…吸音層、15…遮音層、16…被覆フィルム、17…短繊維層、17a…短繊維。

Claims (6)

  1. 管体と、同管体の外周面を被覆する防音機能材とを備えてなる防音管体であって、
    前記防音機能材の表面上には、複数の短繊維よりなる短繊維層が接合されてなり、同短繊維層を最外層として構成したことを特徴とする防音管体。
  2. 前記短繊維層は、前記管体の周方向にわたって設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の防音管体。
  3. 前記短繊維の植毛密度は、10〜500g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防音管体。
  4. 前記短繊維は、太さが0.1〜5デシテックスであり、長さが0.1〜2mmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の防音管体。
  5. 前記防音機能材は、前記管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の防音管体。
  6. 管体と、同管体の外周面を被覆する吸音層と、同吸音層の外周面を被覆する遮音層と、同遮音層の外周面を被覆する被覆フィルムとを備えてなる防音管体の製造方法であって、前記被覆フィルムの表面に接着剤を塗布して接着膜を形成する第1工程と、同接着膜に短繊維を静電植毛する第2工程と、同第2工程後の被覆フィルムを前記遮音層の外周面に被覆して同被覆フィルムを熱収縮させる第3工程とを備えることを特徴とする防音管体の製造方法。
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