JP2007107026A - 冷間圧延用アルミニウム合金板状鋳塊 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】双ロール式連続鋳造方法によって鋳造された、冷間圧延用の板厚が30mm以下のアルミニウム合金板状鋳塊を、質量% でMg:8% を超え14% 以下を含み、残部Alおよび不純物からなり、この板状鋳塊の板厚方向の任意の断面の20μm 四方における、電子線プローブマイクロアナライザによって測定された、測定点が1000点以上の平均Mg濃度を、板状鋳塊の板厚全域に亙って測定し、これら測定された各平均Mg濃度の99% 以上が、測定された各平均Mg濃度の全平均Mg濃度の1.3 倍以内であることとして、冷間圧延性を向上させる。
【選択図】なし
Description
なお、前記アルミニウム合金状鋳塊は、前記Mg以外の元素として、Fe:1.0% 以下、Si:5.0% 以下、Mn:5.0% 以下、Cr:0.3% 以下、Zr:0.3% 以下、V:0.3%以下、Ti:0.1% 以下、Cu:1.0% 以下、Zn:1.0% 以下を含有することを許容する。
また、前記板状鋳塊の幅方向両端部が長手方向に亙ってトリミングされており、このトリミング後の鋳塊端部から1mm だけ中心側部分での板厚taと、10mmだけ中心側部分での板厚tbの比、ta/tbが0.95〜1.05の範囲であることが好ましい。
本発明では、前記下通り、高MgのAl-Mg 系アルミニウム合金板状鋳塊における、板厚方向に亙ってのMgの偏析を抑制して、このアルミニウム合金板状鋳塊の冷間圧延性を向上させる。このために、前記アルミニウム合金板状鋳塊の、板厚方向の任意の断面の20μm 四方における、電子線プローブマイクロアナライザによって測定された、測定点が1000点以上の平均Mg濃度を、板状鋳塊の板厚全域に亙って測定し、これら測定された各平均Mg濃度の99% 以上が、測定された各平均Mg濃度の全平均Mg濃度の1.3 倍以内であることとする。
上記規定において、板厚方向に亙る各Mg濃度の測定は、全板厚の範囲とする。この各Mg濃度の測定には、線分析が可能なEPMA( 電子線プローブマイクロアナライザ) を用い、高MgのAl-Mg 系Al合金板の板幅方向の断面を板厚方向に走査して全板厚の範囲における、特定面積範囲でのMg濃度を測定する。
本発明Al合金板状鋳塊(冷間圧延されたAl合金板)における化学成分組成の、各合金元素の意義及びその限定理由について以下に説明する。本発明Al合金板は、質量% で、Mg:8% を超え14% 以下を含み、残部がAlおよび不可避的な不純物からなる化学成分組成とする。
MgはAl合金板の強度、延性を高める重要合金元素である。Mg含有量が少な過ぎると、強度、延性が不足して、高MgのAl-Mg 系Al合金の特徴が出ず、プレス成形性が不足する。一方、Mg含有量が8%を超えて多過ぎると、製造方法や条件の制御を行なっても、板状鋳塊板厚方向に亙ってのMgの偏析度合いを、上記本発明範囲内に抑制することが難しい。また、加工硬化量も著しく大きくなる。この結果、冷間圧延の途中で、板幅方向の両端部に、所謂耳割れと称せられる、板の端部割れが生じやすくなる。また、冷間圧延板のプレス成形性も著しく低下する。したがって、Mgは、8%を超え14% 以下の範囲とする。
FeとSiは、スクラップなどの溶解原料から混入しやすく、できるだけ少ない量とする。FeとSiは、Al-Mg-(Fe 、Si) などから成るAl-Mg 系化合物量や、Al-Fe 、Al-Si 系などのAl-Mg 系以外の化合物量となって多く生成する。Feの含有量が1.0%、Siの含有量が5.0%、を各々超えた場合には、これらの化合物量が過大となって、破壊靱性や成形性を大きく阻害する。この結果、プレス成形性が著しく低下する。したがって、Feは1.0%以下、好ましくは0.5%以下、Siは5.0%以下、好ましくは1.0%以下に各々規制する。
以下に、本発明におけるAl-Mg 系板状鋳塊乃至Al合金板の製造方法につき説明する。
連続鋳造方法としては、双ロール式の他に、ベルトキャスター式、プロペルチ式、ブロックキャスター式などがある。しかし、高MgのAl-Mg 系Al合金板状鋳塊鋳造の際の冷却速度を後述する通り速くするためには、双ロール式連続鋳造が好ましい。
この際、双ロールとしては、潤滑剤によって表面が潤滑されていないロールを用いることが望ましい。従来では、溶湯がロール表面に接触および急冷されて、双ロール表面に造形される凝固殻の割れを防止するために、酸化物粉末 (アルミナ粉、酸化亜鉛粉等) 、SiC 粉末、グラファイト粉末、油、溶融ガラスなどの潤滑剤 (離型剤) を、双ロール表面に塗布あるいは流下させて用いることが一般的であった。しかし、これら潤滑剤を用いた場合、冷却速度が遅くなって、必要な冷却速度が得られない。このため、結晶粒が粗大となって、高MgのAl-Mg 系合金板の成形性が低下する。
例えば、鋳造する板厚が30mm以下の比較的薄板の範囲であっても、高MgのAl-Mg 系合金板の平均結晶粒径を微細化するためには、この双ロールによる鋳造の際の、板厚中心部の冷却速度は100 ℃/s以上のできるだけ大きい冷却速度 (凝固速度) が必要である。上記潤滑剤を用いた場合、理論計算上は冷却速度が速くても、実質的な、あるいは実際における冷却速度が実質的に100 ℃/s未満となりやすい。このため、Mgの偏析度合いが大きくなり、Mgの偏析度合いを上記本発明範囲内に抑制することが難しくなり、これに起因するβ相の析出や成形性の低下を抑制できない。更に、高MgのAl-Mg 系合金板の平均結晶粒径を微細化できず、プレス成形性が著しく低下する。
双ロールにより連続鋳造する薄板の板厚は30mm以下の範囲とする。そして、好ましくは、1mm 以上、5mm 未満の薄い板厚とする。板厚1mm 未満の連続鋳造は、双ロール間への注湯や、双ロール間のロールギャップ制御などの鋳造限界から、困難である。他方、板厚が30mm、より厳しくは板厚が5mm を超えて厚くなった場合、鋳造の冷却速度が著しく遅くなり、Mgの偏析度合いが大きくなり、Mgの偏析度合いを上記本発明範囲内に抑制することが難しくなる可能性がある。また、β相全般が粗大化したり、多量に析出する傾向がある。この結果、冷間圧延における耳割れが大きくなる可能性が高くなる。
Al合金溶湯を双ロールに注湯する際の注湯温度は、液相線温度+30℃以下とすることが好ましい。注湯温度が液相線温度+30℃を超えた場合、後述する鋳造冷却速度が小さくなり、Mgの偏析度合いが大きくなり、Mgの偏析度合いを上記本発明範囲内に抑制することが難しくなる。また、β相全般が粗大化したり、多量に晶出する可能性がある。この結果、冷間圧延における耳割れが大きくなる可能性が高くなる。また、強度伸びバランスが低下し、プレス成形性が著しく低下する可能性がある。また、双ロールに圧下効果が小さくなり、中心欠陥が多くなって、Al合金板としての基本的の機械的性質自体が低下する可能性がある。
回転する一対の双ロールの周速は1m /min 以上とすることが好ましい。双ロールの周速が1m /min 未満では、溶湯と鋳型 (双ロール) との接触時間が長くなり、鋳造薄板の表面品質が低下する可能性がある。この点、双ロールの周速は速いほど良く、好ましい周速は30m/min 以上である。
本発明では、選択的に、あるいは必要に応じて、前記双ロールに注湯後に、双ロール間で凝固しつつある板状鋳塊に対して、双ロールによって、板状鋳塊の長さ1m当たりにつき300 トン以上、即ち、300 トン/m以上の圧下荷重を負荷しつつ鋳造しても良い。
均質化熱処理(均熱処理とも言う)は、Mgの偏析抑制のために、冷間圧延前に選択的に施される。
双ロール式連続鋳造方法による板状鋳塊は、オンラインでもオフラインでも熱間圧延せずに、冷間圧延される。冷間圧延では、双ロール式連続鋳造方法による板状鋳塊が、製品板の板厚0.5 〜3mm に冷間圧延されて、鋳造組織が加工組織化される。
Claims (3)
- 双ロール式連続鋳造方法によって鋳造された、冷間圧延用の板厚が30mm以下のアルミニウム合金板状鋳塊であって、質量% でMg:8% を超え14% 以下を含み、残部がAlおよび不純物からなり、この板状鋳塊の板厚方向の任意の断面の20μm 四方における、電子線プローブマイクロアナライザによって測定された、測定点が1000点以上の平均Mg濃度を、板状鋳塊の板厚全域に亙って測定し、これら測定された各平均Mg濃度の99% 以上が、測定された各平均Mg濃度の全平均Mg濃度の1.3 倍以内であることを特徴とする冷間圧延用アルミニウム合金板状鋳塊。
- 前記アルミニウム合金板状鋳塊が、前記Mg以外の元素として、Fe:1.0% 以下、Si:5.0% 以下、Mn:5.0% 以下、Cr:0.3% 以下、Zr:0.3% 以下、V:0.3%以下、Ti:0.1% 以下、Cu:1.0% 以下、Zn:1.0% 以下と各々した請求項1に記載の冷間圧延用アルミニウム合金板状鋳塊。
- 板状鋳塊の幅方向両端部が長手方向に亙ってトリミングされており、このトリミング後の鋳塊端部から1mm だけ中心側部分での板厚taと、10mmだけ中心側部分での板厚tbの比、ta/tbが0.95〜1.05の範囲である請求項1または2に記載の冷間圧延用アルミニウム合金板状鋳塊。
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