JP2007105947A - インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク流路の親水性が高く、気泡によるインクジェットインクの出射不良を防止したインクジェット記録ヘッドとそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する溶液を共通インク室57及びインク流路56を構成する基材表面に付与した後、該高分子化合物を含有する溶液に活性エネルギー線を照射して、該インク流路基材表面に親水化処理を施す。
【選択図】図3

Description

本発明は、インク流路に親水化処理を施したインクジェット記録ヘッドとそれを用いた画像形成方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
上記インクジェット記録方法で用いられるインクジェットプリンターでは、インクジェットインク(以下、単にインクともいう)を吐出して記録媒体上に画像形成するインクジェット記録ヘッドが用いられており、このインクジェット記録ヘッドは、基本的には、インクジェットインクを種々の方式、例えば、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などでノズルより記録媒体上に吐出するインク吐出手段と、インクジェットインクを貯蔵するインク貯蔵部と、インク貯蔵部からインク吐出手段へインクジェットインクを供給するインク供給系とを有する。このインク供給系は、インクジェット画像記録時にインクを連続的にインク吐出手段へ供給し、インクによる画像記録を行なうための重要な構成部位である。
一般に、インク供給系は、インクジェットインクを充填しているインクカートリッジなどのインク貯蔵部から供給されるインクを一旦貯蔵することを目的とするインク保留部と、インク貯蔵部からインク保留部を経て、インク吐出手段へインクを送液するためのインク流路から構成されているが、最近ではインク貯蔵部とインク流路が一体となつたものもある。
上記インクジェット記録ヘッドのインク吐出手段あるいはインク供給系のインク流路を構成する材料としては、特に、インクとの接液面においては耐インク性に優れ、しかも画像記録時にインクを滞留させることなく、安定かつ連続的にインク移送を行うために必要な特性が要求される。これに加えて、材料の加工、成型及び組立てが容易であるというような製作工程上の特性も要求され、これらの観点から、様々な材料が選択、使用されている。
従来のインクジェット記録ヘッドのインク流路には、各種樹脂、ガラス、各種金属などが構成部材として利用されているが、例えば、長時間に及ぶ印字の停止あるいは休止後の印字再開時に、インクが再びインクジェット記録ヘッドに供給される際、インク流路のインクとの接液面に気泡が付着し易くなる。あるいは長時間の印字休止中に部分的なインク溶媒が蒸発するなどの原因から、インクジェット記録ヘッドからのインク吐出が不安定になったり、ノズル部でのインクの吐出不良を招くなどの問題点がある。
この様なインク吐出安定性を損なう要因としては、インクを用いて印字を行なうインクジェット記録ヘッドインクと接液するインク流路を構成する材料として、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン樹脂などの高分子材料を使用した場合に顕著に発現し、これらインク流路を構成する部材のインク液に対する濡れ性(親インク性)が不十分であることに起因していると推定される。
すなわち、インクジェット記録ヘッドのインク流路を含むほとんどの部材に高分子材料を用いることは、加工、成型及び組立てが容易となり、かつ低コストであるという利点は有しているが、通常、高分子材料表面は撥水性が高く、水性インクを用いた印字では、濡れ性が悪化し、インク流路内に発生した気泡の排出が困難となる。
上記のような課題に対し、インク流路を親水化し、水性インクに対する濡れ性向上を目的とした様々な方法が提案されている。例えば、インクジェット記録ヘッド部材に酸処理、あるいはプラズマ処理を施して親水化する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、染料水溶液をインク流路に充填した状態で加熱処理を行って、インク流路に染料を吸着あるいは浸透させることにより、親水化して濡れ性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献1、2で開示されている方法では、インク流路に施した親水化処理の持続性が低く、連続した使用に伴いその効果が消失してしまうという課題を抱えている。
また、インク流路を構成する樹脂表面に、アクリル酸またはメタアクリル酸モノマーによりグラフト処理を施すことにより、インク流路の構成部材を親水化する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3に記載の方法では、樹脂表面を活性化処理した後、十分に真空脱気して溶存酸素を除去したモノマー溶液を用いて、グラフト化させることが必要であり、そのため、親水化処理工程が煩雑で、得られる親水化効果が不安定になりやすい。
特開昭60−24957号公報 特公平2−54784号公報 特開平11−334067号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インク流路の親水性が高く、気泡によるインクジェットインクの出射不良を防止したインクジェット記録ヘッドとそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する溶液をインク流路基材表面に付与した後、該高分子化合物を含有する溶液に活性エネルギー線を照射して、該インク流路基材表面に親水化処理を施したことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
2.前記溶液は、前記高分子化合物を0.8質量%以上、5.0質量%以下含有することを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録ヘッド。
3.前記高分子化合物の親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77%以上、99%以下で、重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
4.前記高分子化合物の前記親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを用いて、インクジェットインクを記録媒体上に吐出して画像形成することを特徴とする画像形成方法。
6.前記インクジェットインクが、少なくとも色剤、水及び前記親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有し、前記インクジェットインクが記録媒体に着弾した後、活性エネルギー線を照射することを特徴とする前記5に記載の画像形成方法。
本発明により、インク流路の親水性が高く、気泡によるインクジェットインクの出射不良を防止したインクジェット記録ヘッドとそれを用いた画像形成方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する溶液をインク流路基材表面に付与した後、該高分子化合物を含有する溶液に活性エネルギー線を照射して、該インク流路基材表面に親水化処理を施したことを特徴とするインクジェット記録ヘッドにより、インク流路の親水性が高く、気泡によるインクジェットインクの出射不良を防止したインクジェット記録ヘッドを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《インクジェット記録ヘッド》
はじめに、本発明のインクジェット記録ヘッドについて説明する。
本発明に係るインクジェットインクを記録媒体上へ吐出する際に適用可能なインクジェット記録ヘッドとしては、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
図1は、本発明の画像形成方法に適用可能なインクジェット記録ヘッドの一例を示す縦断面図である。
図1において、インクジェット記録ヘッド1は、ピエゾ方式のインクジェット記録ヘッドであり、図1と略直交する方向に延在するように形成されている。ここで、図1に示すように、記録媒体と略平行でかつインクジェット記録ヘッド1と略直交する方向を前後方向とするとともにインクジェット記録ヘッド1の幅方向を左右方向とし、記録媒体と略直交する方向を上下方向とする。
インクジェット記録ヘッド1には、インクジェット記録ヘッド1の全体を覆うカバー10が備えられている。カバー10の内部には、内部容積が変形してインク滴Dを吐出させるインクチャンバ3が、その一端をカバー10から突出させて備えられている。インクチャンバ3の下面は、インク流路5の開口部を含む接着面であり、記録媒体に対向する平板状のノズルプレート50が接着されている。ノズルプレート50は接着部bを介してインクチャンバ3に接着されている。ノズルプレート50には、インク滴Dを吐出するノズル孔51がインクチャンバ3に対向するように備えられている。
図2に示すのは、インクチャンバ3、ノズルプレート50及び蓋部材2の分解斜視図である。
インクチャンバ3には、基体となる圧電性セラミックス基体11が備えられている。圧電性セラミックス基体11には、インクチャンバ3の基体となる圧電素子11Aが備えられている。圧電素子11Aの前面には圧電素子11Aと逆方向に分極された圧電素子11Bが貼着されている。圧電素子11Aと圧電素子11Bとは接着部80を介して接着されており、接着部80は本発明に係る接着剤組成物が硬化した部位である。
圧電性セラミックス基体11の前面には、上下方向に延在する複数の凹部31がインクジェット記録ヘッドの幅方向(左右方向)に所定間隔を空けて形成されている。図2に示すように、凹部31の深さ寸法は、圧電性セラミックス基体11の接着部80よりも深くなるように形成されている。また、凹部31の上端は、側面視略円弧状になるように形成されている。さらに、凹部31の前面には、画像情報に基づく電圧が伝達される電極膜3aが貼着されている。
図1に示すように、電極膜3aの上端には画像情報が入力されるFPC40が電気的に接続されている。また、FPC40は接着部iを介して圧電性セラミックス基体11に補強接着されている。FPC40の前面にはFPC40に入力された画像情報に基づいて電圧を発生させる駆動IC45が接着されている。
電極膜3aの内側には、インクが図1記載の矢印の方向に流れるインク流路5が備えられている。図2に示すように、インク流路5は凹部31の形状にあわせて形成されており、インクチャンバ3の前面は略均一となっている。また、インク流路5の外面には、電極膜3aの変形による損傷を防止するための外膜としての保護膜4が備えられている。
インクチャンバ3の前面には、上下方向における長さ寸法が凹部31の長さ寸法よりも短くなるように形成された平板状の蓋部材2が接着されている。蓋部材2は、例えば、ガラス、セラミックス、金属或いはプラスチック製の平板などから形成される。また、図3に示すように、インクチャンバ3と蓋部材2との間には接着部aが介在している。
図1に示すように、蓋部材2の前面には、凹部31の開口部を被覆するようにマニホールド20が接着されている。マニホールド20には、インクチューブ30が接着部hを介して備えられている。インクチューブ30には、図示しないインク貯蔵部が連結されており、マニホールド20にインクを供給するようになっている。
図3は、インク流路表面に親水化処理を施したインクジェット記録ヘッドの一例を示す概略断面図である。
図3では、図1に記載のインクジェット記録ヘッドのインク流路部を主体にして、簡略化した図であり、インク液Iは共通インク室57に送液された後、インク流路56を経て、圧電素子55により変位を付与され、周辺部にノズルプレート52を備えたノズル53より、インク液滴54を出射する。
本発明のインクジェット記録ヘッドでは、図3に示す共通インク室57及びインク流路56を構成する部材の表面に、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する溶液を付与し、次いで付与領域に活性エネルギー線を照射して、硬化あるいはゲル化させて親水性膜58を形成することを特徴とする。
共通インク室57及びインク流路56を構成する部材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、フッ素系ポリマー、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、ポリパラキシリレン、ポリ尿素、クロロプレンゴム、SBR、BR、NBR、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
共通インク室57及びインク流路56を構成する部材の表面に、本発明に係る親水性膜を付与する方法としては、処理できる範囲でインクジェット記録ヘッドを組み立てた後、インク流路に本発明に係る高分子化合物を含有する溶液を充填した後、活性エネルギー線を照射して、親水性膜58を形成する方法、あるいは共通インク室57及びインク流路56を構成する各部材に本発明に係る高分子化合物を含有する溶液を付与した後、活性エネルギー線を照射して、親水性膜58を形成した後、各部材を組み立てて、共通インク室57及びインク流路56に親水化処理を施したインクジェット記録ヘッドとする方法を取ることが好ましい。
この時、親水性膜58は、硬化に必要な活性エネルギー線を十分に照射して硬化させ、次いで乾燥を行って硬化膜としても、あるいは適量の活性エネルギー線を照射して、一部を硬化させたゲル状膜としてもよい。
本発明で適用可能なインク流路を親水化するのに用いる溶液としては、本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の他に、架橋反応を生じせしめるための光重合開始剤、光増感剤、均一に付与するための界面活性剤等を添加することができるが、本発明では、上記各添加剤の他に、後述する色材等を含むインクジェットインクを親水性付与溶液として用いても良い。
《高分子化合物》
次いで、本発明に係る高分子化合物について説明する。
本発明に係る高分子化合物は、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上、4000以下が好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上、4モル%以下が好ましく、0.8モル%以上、4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007105947
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007105947
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007105947
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007105947
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007105947
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、親水性膜形成用溶液に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、5.0質量%以下の場合は、急激な硬化を起こすことなくインクヘッド内で親水性膜の均一な形成を行うことができる。
本発明に係る活性エネルギー線架橋型の高分子化合物においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に係る高分子化合物においては、架橋点の数は親水性主鎖の長さと側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じた親水性膜の物性制御が可能である。
本発明に係る親水性膜形成用溶液においては、上記高分子化合物と共に、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤としては、特に制限はなく、従来公知の物を用いることができが、水溶性化合物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、高分子化合物との相溶性の観点から、下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007105947
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、その他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
《活性エネルギー線照射》
本発明のインクジェット記録ヘッドの作製においては、インクジェット記録ヘッドを組み立てた後、あるいはインクジェット記録ヘッドを構成する各部材に、本発明に係る高分子化合物を含有する溶液を充填した後、活性エネルギー線を照射して、硬化あるいはゲル化させる。
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性が低く、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している観点から電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると過度に硬化が進行するため好ましくない。
《画像形成方法》
本発明の画像形成方法においては、本発明の親水化処理が施されたインクジェット記録ヘッドを用いて、インクジェットインクを記録媒体上に吐出して画像形成することを特徴とする。更には、インクジェットインクが、少なくとも色剤、水及び親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有し、前記インクジェットインクが記録媒体に着弾した後、活性エネルギー線を照射することが好ましい。
〔インクジェットインク〕
(高分子化合物)
本発明に係るインクジェットインクには、インクジェット記録ヘッドの親水化処理に用いたのと同様の親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有することが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましい。
(着色剤)
本発明に係るインクジェットインクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることができる。
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
本発明で用いることのできる顔料としては、従来公知の有機あるいは無機顔料を挙げることができる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
(水溶性溶媒)
本発明に係るインクには溶媒を含有することができ、溶媒としては水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明に係るインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
(各種添加剤)
本発明に係るインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
(インクジェット記録ヘッドの親水化溶液としての適用)
上記構成からなる本発明に係るインクジェットインクは、インクジェット記録ヘッドのインク流路を親水化するための溶液としても使用することができる。
《インクジェットインクへの活性エネルギー線付与》
本発明の画像形成方法では、本発明に係る高分子化合物を含有するインクジェットインクを、本発明に係るインク流路に親水化処理を施したインクジェット記録ヘッドにより記録媒体上に吐出した後、活性エネルギー線を照射してインクジェットインクを硬化する。
〔活性エネルギー線、照射方法〕
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性が低く、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している観点から電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源としては、例えば、0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等の従来公知の光源が用いられる。
〔インク着弾後の光照射条件〕
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
〔ランプの設置〕
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《高分子化合物の合成》
〔高分子化合物1の合成〕
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度1700、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が1モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加え、1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して、高分子化合物2の10%水溶液を得た。
〔高分子化合物2〜6の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度を表1に記載の様に変更し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えて、表1に記載のポリビニルアルコール主鎖の変性率とした高分子化合物2〜6の10%水溶液を合成した。
Figure 2007105947
《インクジェット記録ヘッドの作製》
〔インクジェット記録ヘッド1の作製〕
図3に記載の構成からなるインク流路を有し、ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(以下、dpiは2.54cmあたりのドット数を表す。)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用した。なお、共通インク室57及びインク流路56を構成する部材としては、ポリアミドを使用している。
〔インクジェット記録ヘッド2の作製〕
上記インクジェット記録ヘッド1の作製において、組み立てる前に共通インク室57及びインク流路56を構成するポリイミド表面(インク液に接する面)に、下記の条件でプラズマ処理を施した後、各部品を組み上げて、インクジェット記録ヘッド2を作製した。
(プラズマ処理条件)
装置:平行平板型反応装置
原料ガス:酸素
ガス流量:50sccm
圧力:10Pa
放電方法:高周波(13.56MHz、出力200W)
処理時間:2分間
〔インクジェット記録ヘッド3の作製〕
インクジェット記録ヘッド1の作製において、組み立てる前に共通インク室57及びインク流路56を構成するポリイミド部材を、下記の2%染料溶液に、60℃で24時間浸漬した後、乾燥して各部品を組み上げて、インクジェット記録ヘッド3を作製した。
(染料溶液)
C.I.アシッドレッド 35(三菱化成社製) 2部
N−メチル−2−ピロリドン 4部
純水 94部
〔インクジェット記録ヘッド4の作製〕
上記インクジェット記録ヘッド1の作製において、組み立てる前に共通インク室57及びインク流路56を構成するポリイミド表面(インク液に接する面)に、下記の組成からなる高分子化合物溶液1を、乾燥後も膜厚が10μmとなる条件でスプレーコーターを用いて塗布した後、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射して硬化、乾燥させた後、各部品を組み上げて、インクジェット記録ヘッド4を作製した。
(高分子化合物溶液1)
高分子化合物1の10%溶液 25部
オルフィンE1010(日信化学社製) 0.5部
純水 74.5部
〔インクジェット記録ヘッド5〜9の作製〕
上記インクジェット記録ヘッド4の作製において、高分子化合物1に代えて、高分子化合物2〜6を用いた以外は同様にして、インクジェット記録ヘッド5〜9を作製した。
但し、インクジェット記録ヘッド7の作製に用いた高分子化合物溶液における高分子化合物4の濃度は、0.5質量%とした。
〔インクジェット記録ヘッド10の作製〕
上記インクジェット記録ヘッド4の作製において、高分子化合物1の10%水溶液の代わりに、10%のポリビニルアルコール水溶液(重合度2000、ケン化度88%)を用いた以外は同様にして、インクジェット記録ヘッド10を作製した。
《インクの調製》
(マゼンタインク1の調製:高分子化合物含有)
C.I.アシッドレッド35 5部
高分子化合物1の10%水溶液 30部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンE1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え、全量を100部としてマゼンダインク1を得た。
(マゼンタインク2の調製:高分子化合物無し)
C.I.アシッドレッド35 5部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンE1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え、全量を100部としてマゼンダインク2を得た。
《インクジェット記録ヘッドの評価》
〔構成部材の接触角の測定〕
上記作製した各インクジェット記録ヘッドのインク流路構成部材について、インクと接触する面(親水化処理を施した面)の水に対する接触角を、協和界面化学社製の自動接触角測定装置CA−V型を用いて、滴下3秒後の接触角を測定した。
〔出射安定性1の評価:連続出射性〕
上記作製した各インクジェット記録ヘッドと各インク液を用いて10時間の連続出射を行い、出射開始30分後と10時間後での各ノズルからのインク液滴の出射状態を観察し、下記の基準に従って出射安定性1の評価を行った。
◎:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、2%未満である
○:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、2%以上、5%未満である
△:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、5%以上、10%未満である
×:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、10%以上、15%未満である
××:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、15%以上である。
〔出射安定性2の評価:間欠出射性〕
上記作製した各インクジェット記録ヘッドと各インク液を用いて、10秒間連続吐出→1分間休止→10秒間連続吐出の間欠動作を4時間連続して行い、出射開始10分後と4時間後での各ノズルからのインク液滴の出射状態を観察し、下記の基準に従って出射安定性2の評価を行った。
◎:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、2%未満である
○:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、2%以上、5%未満である
△:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、5%以上、10%未満である
×:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、10%以上、15%未満である
××:ノズル欠や斜め出射するノズル数が、15%以上である。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007105947
表2に記載の結果より明らかなように、インク流路基材表面を本発明に係る高分子化合物を用いて親水化処理したインクジェット記録ヘッドは、比較例に対し、連続出射安定性及び間欠出射安定性に優れ、かつその効果が長期間にわたり持続されていることが分かる。また、上記効果は、本発明に係る高分子化合物を含有するインクジェットインクを用いることにより、その効果がより発揮されていることが分かる。
本発明に適用可能なインクジェット記録ヘッドの一例を示す縦断面図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録ヘッドのインクチャンバの一例を示す分解斜視図である。 インク流路表面に親水化処理を施したインクジェット記録ヘッドの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c インクジェットヘッド
3 インクチャンバ
5 インク流路
10 カバー
20 マニホールド(被接着部材、第2の被接着部材)
50、52 ノズルプレート
51、53 ノズル
55 圧電素子
56 インク流路
57 共通インク室
58 親水性膜
I インク液

Claims (6)

  1. 親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する溶液をインク流路基材表面に付与した後、該高分子化合物を含有する溶液に活性エネルギー線を照射して、該インク流路基材表面に親水化処理を施したことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記溶液は、前記高分子化合物を0.8質量%以上、5.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記高分子化合物の親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77%以上、99%以下で、重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記高分子化合物の前記親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを用いて、インクジェットインクを記録媒体上に吐出して画像形成することを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記インクジェットインクが、少なくとも色剤、水及び前記親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有し、前記インクジェットインクが記録媒体に着弾した後、活性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
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