JP2005014590A - インクジェット記録用紙及びインクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 支持体上に親水性バインダーと微粒子から成る多孔質層を厚膜、高速に塗布しても、製造時に「ひび割れ」が発生し難く、高インク吸収性、高湿潤カール耐性、高折れ割れ耐性のインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)とその製造方法に関し、更に詳しくは、製造時に「ひび割れ」が発生し難く、インク吸収性、湿潤カール耐性、折れ割れ耐性が何れも改良された多孔質層を有するインクジェット記録用紙とその製造方法に関する。
近年、インクジェット記録方式においては、急速に画質向上が図られて来ており、銀塩写真画質に迫りつつある。この様な写真画質をインクジェット記録で達成するための手段として、使用する記録用紙においても急速に技術改良が試みられている。
用いられる支持体については、インクジェット記録用紙としては、一般に紙等の吸水性支持体とポリエステルフィルムや樹脂被覆紙等の非吸水性支持体とが知られている。前者は、支持体自身がインクを吸収できるため、高インク吸収能を有する利点がある反面、支持体の吸水性に起因するプリント後に皺が発生(コックリングとも言う)するという問題があり、高品位なプリントが得難くかったり、プリント時にコックリングに伴うヘッドによるプリント表面の擦りが起き易いなどの課題を有している。
これに対し、非吸水性の支持体を使用する場合には上述の問題はなく、高品位なプリントが得られる利点がある。
一方、インク受容層としては、例えば高平滑性を有する支持体上に、インク吸収層としてゼラチンやポリビニルアルコール(PVA)等の親水性バインダーを塗布し、インク受容層とするインクジェットシートが考案されている。このタイプの記録用紙は、バインダーの膨潤性を利用してインクを吸収する。
このインク受容層は水溶性樹脂であるが故、プリント後のインクの乾燥性に難があり、画像や被膜が水分に対して弱く(耐水性がない)、更に、昨今のインクジェットプリンターにおいては、印画速度が早いためバインダーの膨潤による吸収性がインクの吐出量や吐出速度に追い付かず、インク溢れや斑となり適応性がなくなる等の問題があった。
特開昭63−18387号には変性PVAと耐水化剤による受容層が記載されている。又、特開平1−286886号には、電離放射線により架橋された親水性樹脂による受容層を有する水性インク用記録シートが考案されている。硬化されたバインダーを受容層とすることで画像や皮膜の耐水性は解決されているが、本来、樹脂の膨潤性によりインクを吸収させているもの故、インクの吸収性は改善されていない。
上記水系樹脂の膨潤性を利用してインクを吸収するタイプのインクジェット用記録シートに対し、特開平10−119423号のように、微小な空隙を有する多孔質層をインク吸収層として設けた記録用紙は、高インク吸収性と高速乾燥性であるので、最も写真画質に近いものが得られる方法の一つになりつつある。
この多孔質層は、主に親水性バインダーと微粒子とで形成されており、微粒子としては無機又は有機の微粒子が知られているが、一般的には、無機微粒子が、より小粒径であり、高光沢の多孔質層を実現できるため好ましく用いられる。このような無機微粒子に対して比較的少量の親水性バインダーを使用することにより、該微粒子間に空隙が形成されて高空隙率の多孔質層が得られる。
この空隙の毛管現象によりインクを吸収するので、架橋剤等を併用してバインダーを架橋し、耐水性を向上させても吸収速度を損なうことはない。特にポリエチレンコート紙のような非吸水性支持体上に、このような多孔質層を設けたインクジェット記録用紙の場合には、インクジェット記録する際、一時的には全てのインクをインク受容層に保持する必要があるため、インク受容層は高空隙容量の多孔質層でなくてはならず、従って高空隙率の厚い塗膜を形成させる必要がある。通常は、乾燥膜厚として25μm以上、好ましくは30〜50μmである。
このような多孔質層は主成分が無機微粒子であり、元来硬い膜であることから、厚い膜厚の多孔質層を非吸水性支持体上に塗布する場合、乾燥時に「ひび割れ」が起き易い。
多孔質層の製造過程においては、少量の親水性バインダーが微粒子の表面に吸着し、その親水性バインダー間で絡み合う、又はバインダー間の水素結合などの相互作用により微粒子を保持し、保護コロイドを作って多孔質層を形成する。その後、乾燥過程において塗膜の急激な収縮がおき、その収縮応力により膜面に「ひび割れ」が起こる。特に被膜の乾燥終点付近において、その現象が顕著である
。そのため、「ひび割れ」等がない良好な膜面を得るために、生産性を犠牲にし、比較的穏やかな条件で乾燥させる必要があった。
。そのため、「ひび割れ」等がない良好な膜面を得るために、生産性を犠牲にし、比較的穏やかな条件で乾燥させる必要があった。
更に、乾燥後の吸収層においては、微粒子が比較的少量の親水性バインダーにより結着されているだけなので、耐水性が悪いという課題があった。
このような課題に対し、特開2001−146068には、硼酸とイソシアネート系架橋剤を用いて皮膜耐水性を向上させたインクジェット記録用紙が、特開平7−40649号には、活性エネルギー線硬化型モノマーをバインダーとして用いた記録用紙が、特開2002−160439には電子線により架橋された親水性樹脂をバインダーとして用いた記録用紙が考案されている。
このような親水性バインダーに、架橋剤もしくは活性エネルギー線硬化型モノマーをバインダーとして用いた場合、バインダー間の架橋により乾燥塗膜において皮膜耐水性が改善されても、塗膜は緻密な三次元架橋を形成するため、柔軟性が失われ、皮膜の折れ割れ耐性を悪くするという新たな課題を生じた。
又、電子線により親水性樹脂を架橋させる場合、一般に無機微粒子の方が親水性樹脂よりも比重が高いため、電子線照射量が親水性樹脂や溶媒に対して供給過剰であり、塗膜中の水分が瞬間的に蒸発して気泡となり塗膜表面を荒らしたり、又、塗膜深部に対しては照射量が不足し、架橋密度に勾配が生じ、表面のみ堅い膜になる。その結果、カール耐性(寸法安定性とも言う)を著しく損なうという課題もあった。
特開2002−160439号公報
特開平7−40649号公報
従って、本発明の目的は、支持体上に親水性樹脂と微粒子から成る多孔質層を厚膜、高速に塗布しても、製造時に「ひび割れ」が発生し難く、インク吸収性、湿潤カール耐性、折れ割れ耐性が何れも改良された多孔質層を有するインクジェット記録用紙及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項2)
前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項3)
前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項4)
積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項5)
支持体上に多孔質層を有するインクジェット記録用紙であって、
前記多孔質層は、無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥して形成されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
支持体上に多孔質層を有するインクジェット記録用紙であって、
前記多孔質層は、無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥して形成されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
(請求項6)
前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用紙。
前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項7)
前記電離放射線により架橋される親水性樹脂が重合度500以上で、かつ架橋基変性率4モル%以下の親水性樹脂であることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録用紙。
前記電離放射線により架橋される親水性樹脂が重合度500以上で、かつ架橋基変性率4モル%以下の親水性樹脂であることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項8)
前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項9)
積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
本発明により、高速に塗布しても、製造時に「ひび割れ」が発生し難く、インク吸収性、湿潤カール耐性、折れ割れ耐性が何れも改良された、多孔質層を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
以下、本発明のインクジェット記録用紙及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用紙は、支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とする。
(無機微粒子)
本発明に用いられる無機微粒子は、細孔容量が大きく、平均粒径が小さい微細無機顔料が用いられる。特に、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト及びアルミナ、炭酸カルシウム等の微細顔料が用いられる。
本発明に用いられる無機微粒子は、細孔容量が大きく、平均粒径が小さい微細無機顔料が用いられる。特に、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト及びアルミナ、炭酸カルシウム等の微細顔料が用いられる。
シリカとは、珪酸ナトリウムを原料として沈降法又はゲル法により合成された湿式シリカ又は気相法シリカである。例えば湿式シリカでは、沈降法によるシリカとしてトクヤマ社製のファインシールが、ゲル法によるシリカとして日本シリカ工業社製のNIPGELが市販されている。沈降法シリカは概ね10〜60nm、ゲル法シリカは概ね3〜10nmの1次粒子が2次凝集体を形成したシリカ粒子として特徴付けられる。
湿式シリカの1次粒子径に関する下限に特に制約はないが、シリカ粒子の製造安定性の観点から3nm以上であり、皮膜の透明性の観点から50nm以下であることが好ましい。一般的には、ゲル法により合成される湿式シリカの方が、沈降法によるものより1次粒径が小さい傾向にあり好ましい。
気相法シリカとは、四塩化珪素と水素を原料にし燃焼法により合成されるものであり、例えば日本アエロジル社製のアエロジル(R)シリーズがある。
高空隙率のインク吸収層を得る為には、BET法により測定される比表面積が100m2/g未満であるか、又は孤立シラノール基比率が0.5〜2.0である。比表面積の下限は、写真に近い光沢が得られる観点から40m2/gである。尚、BET法とは、気相吸着等温線から1g当たりの表面積を求める方法により比表面積を測定する方法である。この範囲の比表面積を有する気相法シリカで、1次粒径分布における変動係数が0.4以下であることが空隙率の観点から好ましい。ただし、湿式シリカにおいては1次粒子自身が細孔径を持つため、この限りではない。
気相法シリカは、2次凝集体が湿式シリカに対して比較的弱い相互作用により形成されているため、湿式シリカに比べ、より低いエネルギーで分散できるという特徴がある。
気相法シリカの1次粒径分布における変動係数は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の1次粒子の粒径を求め、その粒径分布の標準偏差を数平均粒径値で割った値として求められる。ここで個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
シリカの1次粒子及び2次粒子の平均粒径は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径から求められる。ここで個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。又、2次平均粒径は、電離放射線の透過という観点から300nm以下であることが好ましい。
前記気相法シリカを湿度20〜60%で3日以上保存して、気相法シリカの含水率を調整することも好ましい。又、本発明の気相法シリカにおける孤立シラノール基比率は0.5〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.1である。
(アルミナ)
アルミナとは、酸化アルミニウム及びその水和物のことであり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形、球状、板状、針状の形態を有しているものが使用される。特に、アスペクト比が2以上で、1次粒径の平均粒径が5〜30nmの平板状アルミナ水和物、気相法アルミナが好ましい。
アルミナとは、酸化アルミニウム及びその水和物のことであり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形、球状、板状、針状の形態を有しているものが使用される。特に、アスペクト比が2以上で、1次粒径の平均粒径が5〜30nmの平板状アルミナ水和物、気相法アルミナが好ましい。
上記無機微粒子の水性塗布液における含有量は5〜40質量%であり、特に7〜30質量%が好ましい。
(電離放射線により架橋される親水性樹脂)
電離放射線により架橋される親水性樹脂とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋する水溶性の樹脂であり、硬化反応前には水溶性であるが、硬化反応後には実質的に非水溶性となる樹脂である。ただし、かかる樹脂は硬化後も或る程度の親水性を有し、十分なインク親和性を維持するものである。
電離放射線により架橋される親水性樹脂とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋する水溶性の樹脂であり、硬化反応前には水溶性であるが、硬化反応後には実質的に非水溶性となる樹脂である。ただし、かかる樹脂は硬化後も或る程度の親水性を有し、十分なインク親和性を維持するものである。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)等に、光二量化型、光分解型、光解重合型、光変性型、光重合型等の変性基を作用させ、変性基を介して光により架橋を起こす架橋基変性樹脂、又は電子線により直接架橋する樹脂が使用可能であり、中でも光二量化型、光重合型のポリマーが好ましい。
光二量化型の電離放射線架橋型樹脂としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチリルピリジニウム基、スチリルキノリウム基などを導入したものが好ましい。
電離放射線により架橋される親水性樹脂としては、例えば下記構造(a)又は(a′)とPVA系のランダム共重合体が挙げられる。
式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、A-はアニオン(ハロゲンイオン、硫酸イオン、燐酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、水酸イオン等)を表す。
又、電離放射線により架橋される親水性樹脂としては、下記一般式(1)で示される構造単位を含有するポリ酢酸ビニル鹸化物を主骨格とする親水性樹脂も挙げられる。
式中、R1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは−OCO(CH2)mO−を表し、Yは芳香族環又は単結合を表す。nは1又は2を、mは0〜6の整数を表す。
このような親水性樹脂においては、母核であるPVA重合度が500以上であることが好ましく、1,700〜4,500がより好ましい。
セグメントに対する電離放射線反応変性基の架橋基変性率は4モル%以下が好ましく、より好ましくは1〜0.1モル%である。
以下に電離放射線により架橋される親水性樹脂の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
セグメントの重合度が500未満、又は変性率が4モル%を超えると、塗膜の架橋密度が高すぎて、乾燥塗膜の折れ割れ性が著しく劣化する。同時に、架橋密度が高すぎる場合、基材との吸湿性、寸法安定性のバランスが悪く、カール耐性が悪くなり好ましくない。
(F/B)
多孔質層の架橋された親水性樹脂(B)に対する無機微粒子(F)の比率F/Bは、質量比で2〜50倍であることが好ましい。質量比が2倍以上であれば、多孔質層の空隙率は良好であり、充分な空隙容量が得易く、過剰の架橋された親水性樹脂がインクジェット記録時に膨潤して空隙を塞ぐことを避けられる。一方、F/Bが50倍以下であれば、多孔質層を厚膜で塗布した際に「ひび割れ」が生じ難く好ましい。特に好ましいF/Bは2.5〜20倍である。乾燥塗膜の「折れ割れ」という観点からは、5〜15倍がより好ましい。
多孔質層の架橋された親水性樹脂(B)に対する無機微粒子(F)の比率F/Bは、質量比で2〜50倍であることが好ましい。質量比が2倍以上であれば、多孔質層の空隙率は良好であり、充分な空隙容量が得易く、過剰の架橋された親水性樹脂がインクジェット記録時に膨潤して空隙を塞ぐことを避けられる。一方、F/Bが50倍以下であれば、多孔質層を厚膜で塗布した際に「ひび割れ」が生じ難く好ましい。特に好ましいF/Bは2.5〜20倍である。乾燥塗膜の「折れ割れ」という観点からは、5〜15倍がより好ましい。
本発明における多孔質層は、塗膜の単位面積当たり15〜40ml/m2の容量を持つことが好ましい。この容量とは、単位体積の塗膜を水に浸漬した時に発生する気泡の体積、塗膜が吸収し得る水の体積、又は最終的に得られる記録用紙を、J.TAPPI 51に規定される紙及び板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)で測定した時の、接触時間が2秒における液体転移量などで定義される。
(支持体)
インクジェット記録用紙に用いられる支持体としては、吸水性支持体(紙等)や非吸水性支持体(樹脂フィルム等)を用いることができるが、より高品位なプリントが得られる観点から非吸水性支持体が好ましい。
インクジェット記録用紙に用いられる支持体としては、吸水性支持体(紙等)や非吸水性支持体(樹脂フィルム等)を用いることができるが、より高品位なプリントが得られる観点から非吸水性支持体が好ましい。
好ましく用いられる非吸水性支持体としては、例えばポリエステル系フィルム、ジアセテート系フィルム、トリアテセート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フィルム、セロハン、セルロイド等の材料から成る透明又は不透明のフィルム、あるいは基紙の両面をポリオレフィン樹脂被覆層で被覆した樹脂被覆紙(RCペーパー)等が用いられる。
上記支持体上に、前記の水性塗布液を塗布するに際しては、表面と塗布層との間の接着強度を大きくする等の目的で、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、インクジェット記録用紙は着色された支持体であってもよい。
本発明で好ましく用いられ支持体は、透明又は不透明ポリエステルフィルム、不透明ポリオレフィン樹脂フィルム及び紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体である。
以下、最も好ましいポリオレフィンの代表であるポリエチレンでラミネートした紙支持体について説明する。
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプ又はナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、例えばLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP又はLDPの比率は10〜70質量%であることが好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlであることが好ましく、又、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分質量%と、42メッシュ残分の質量%との和が30〜70質量%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理を施して、高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118に規定の方法に準ずる)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよい。表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のものを使用することができる。原紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定した場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
又、塗布層側のポリエチレンに層は、写真用印画紙で広く行われているようにルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%である。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、又、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目等の微粒面を形成したものも使用することができる。
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、水系塗布組成物の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、本発明の水系塗布組成物を塗布する側のポリエチレン層としては20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲であることが好ましい。
更に、上記ポリエチレン被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
1)引っ張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で、縦方向が20〜300N、横方向が10〜200N。
2)引き裂き強度:JIS P 8116による規定方法で、縦方向が0.1〜2N、横方向が0.2〜2N。
3)圧縮弾性率:1030N/cm2以上。
4)表面ベック平滑度:JIS P 8119に規定される条件で、500秒以上(光沢面として、いわゆる型付け品ではこれ以下でも可)
5)裏面ベック平滑度:JIS P 8119に規定される条件で100〜800秒。
5)裏面ベック平滑度:JIS P 8119に規定される条件で100〜800秒。
6)不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件で、可視域の光線での透過率が20%以下、特に15%以下。
7)白さ:JIS P 8123に規定されるハンター白色度で90%以上。JIS Z 8722(非蛍光)、JIS Z 8717(蛍光剤含有)により測定し、JIS Z 8730に規定された色の表示方法で表示した時のL*=90〜98、a*=−5〜+5、b*=−10〜+5。
支持体のインク受容層側には、インク受容層との接着性を改良する目的で下引層を設けることが好ましい。下引層のバインダーとしては、ゼラチンやPVA等の親水性ポリマーやTgが−30〜60℃のラテックスポリマー等が好ましい。これらバインダーは、記録用紙1m2当たり0.001〜2gの範囲で用いられる。下引層中には、帯電防止の目的で、従来公知のカチオン性ポリマー等の帯電防止剤を少量含有させることができる。
支持体のインク受容層側と反対側の面には、滑り性や帯電特性を改善する目的でバック層を設けることもできる。バック層のバインダーとしては、ゼラチンやPVA等の親水性ポリマーやTgが−30〜60℃のラテックスポリマー等が好ましく、又、カチオン性ポリマーなどの帯電防止剤や各種の界面活性剤、更には平均粒径が0.5〜20μm程度のマット剤を添加することもできる。バック層の厚みは概ね0.1〜1μmであるが、バック層がカール防止のために設けられる場合には、概ね1〜20μmの範囲である。又、バック層は2層以上から構成されてもよい。
下引層やバック層の塗設に際しては、支持体表面のコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を併用することが好ましい。
(各種添加剤)
多孔質層を形成する水性塗布液中には、各種の添加剤を添加することができる。そのような添加剤としては、例えばカチオン性媒染剤、架橋剤、界面活性剤(カチオン、ノニオン、アニオン、両性)、白地色調調整剤、蛍光増白剤、防黴剤、粘度調整剤、低沸点有機溶媒、高沸点有機溶媒、ラテックスエマルジョン、退色防止剤、紫外線吸収剤、多価金属化合物(水溶性もしくは非水溶性)、マット剤、シリコンオイル等が挙げられるが、中でもカチオン媒染剤は、印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。
多孔質層を形成する水性塗布液中には、各種の添加剤を添加することができる。そのような添加剤としては、例えばカチオン性媒染剤、架橋剤、界面活性剤(カチオン、ノニオン、アニオン、両性)、白地色調調整剤、蛍光増白剤、防黴剤、粘度調整剤、低沸点有機溶媒、高沸点有機溶媒、ラテックスエマルジョン、退色防止剤、紫外線吸収剤、多価金属化合物(水溶性もしくは非水溶性)、マット剤、シリコンオイル等が挙げられるが、中でもカチオン媒染剤は、印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。
カチオン媒染剤としては、第1〜3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。
好ましいポリマー媒染剤は、上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体や、その他のモノマーとの共重合体又は縮重合体として得られる。
(水溶性多価金属化合物)
多価金属化合物としては、例えばMg2+、Ca2+、Zn2+、Zr2+、Ni2+、Al3+等の硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などが用いられる。尚、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニル等の無機ポリマー化合物も、好ましい水溶性多価金属化合物の例に含まれる。これらの化合物は、一般に耐光性を向上したり、滲み耐性や耐水性を向上させる機能を有するものが多い。これらの水溶性多価金属イオンは、記録用紙1m2当たり概ね0.05〜20ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲で用いられる。
多価金属化合物としては、例えばMg2+、Ca2+、Zn2+、Zr2+、Ni2+、Al3+等の硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などが用いられる。尚、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニル等の無機ポリマー化合物も、好ましい水溶性多価金属化合物の例に含まれる。これらの化合物は、一般に耐光性を向上したり、滲み耐性や耐水性を向上させる機能を有するものが多い。これらの水溶性多価金属イオンは、記録用紙1m2当たり概ね0.05〜20ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲で用いられる。
(塗布方法)
上記塗布液の塗布には公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えばグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許2,681,294号に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
上記塗布液の塗布には公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えばグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許2,681,294号に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
記録用紙の多孔質層は、単層であっても多層であってもよい。多層構成の場合、全ての層を同時に塗布することが製造コスト低減の観点から好ましい。
(電離放射線)
本発明で言う電離放射線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している紫外線が好ましい。
本発明で言う電離放射線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している紫外線が好ましい。
光源として、例えば約700〜106Paまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点から高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。又、300nm以下の波長光をカットするフィルターを設けることが好ましい。
本発明においては、塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の紫外線を照射する。照度が1W/cm2を超える場合、塗膜の表面硬化性は向上するが、深部硬化性が低下し表面のみ堅い膜が得られる。その場合は、膜の深度方向の堅さのバランスが崩れ、カール等が起こり好ましくない。又、照度が0.1mW/cm2より低い場合は、膜中の散乱等により架橋が十分進まず、本発明の効果が得られないため好ましくない。
紫外線ランプの出力としては60w/cm〜400w/cmが好ましく、70w/cm〜180w/cmがより好ましい。
紫外線の照度としては10mW/cm2〜1W/cm2が好ましく、50mW/cm2〜300mW/cm2がより好ましく、100mW/cm2〜250mW/cm2がもっとも好ましい。
本発明において、紫外線の積算照射エネルギーとしては0.1mJ/cm2〜1J/cm2が好ましい。さらに好ましくは0.1mJ/cm2〜100mJ/cm2であり、1〜50mJ/cm2が特に好ましい。
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれる場合や、積算照射エネルギーとして100mJ/cmを超える場合は、電離放射線架橋性樹脂の母核、又は共存させる各種添加剤が紫外線により分解されてしまい、本発明の効果を得られないだけでなく、分解物に由来する臭気などの問題を起こす可能性があるので好ましくない。一方、照射エネルギーが0.1mJ/cm2に満たない場合は架橋効率が不足し、本発明の効果が十分に得られない。
本発明は塗布層の固形分濃度が5〜95%の範囲のときに10mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射するが、塗布層の固形分濃度が5%より小さい場合、反応種の接触確率が小さくなり効率的に反応が進まず好ましくない。95%より大きい場合、反応種の移動度が阻害され効率的に反応が進まず好ましくない。本発明において好ましい範囲は8〜60%、より好ましくは10〜45%である。
同一積算照射エネルギー(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。
照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間が掛かってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
(光重合開始剤、増感剤)
記録用紙には、光重合開始剤(開始剤とも略記)や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解もしくは分散した状態か、又は感光性樹脂に対して化学的に結合されてもよい。適用される開始剤、増感剤については特に制限はなく、従来公知の化合物を用いることができる。
記録用紙には、光重合開始剤(開始剤とも略記)や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解もしくは分散した状態か、又は感光性樹脂に対して化学的に結合されてもよい。適用される開始剤、増感剤については特に制限はなく、従来公知の化合物を用いることができる。
適用される開始剤、増感剤の一例として、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;チオキサトン、2,4−ジエチルチオキサントン、i−プロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、i−プロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類;エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリハロメチルトリアジン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体;ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン;メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルホスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が挙げられ、これらは単独で使用しても混合して使用しても構わない。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−i−アミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
〈シリカ分散液Sの作成〉
予め均一に分散されている、1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル200)を30%含有するシリカ分散液(pH2.6、エタノール0.5%含有)の40kgとカチオン性ポリマー分散剤P−1を12%、n−プロパノールを10%およびエタノールを2%含有する水溶液(pH2.5、サンノプコ社製の消泡剤SN−381を2g含有)の11kgに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3000N/cm2の圧力で分散し、全量を純水で仕上げて、シリカ含有量20%のほぼ透明なシリカ分散液Sを得た。
予め均一に分散されている、1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル200)を30%含有するシリカ分散液(pH2.6、エタノール0.5%含有)の40kgとカチオン性ポリマー分散剤P−1を12%、n−プロパノールを10%およびエタノールを2%含有する水溶液(pH2.5、サンノプコ社製の消泡剤SN−381を2g含有)の11kgに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3000N/cm2の圧力で分散し、全量を純水で仕上げて、シリカ含有量20%のほぼ透明なシリカ分散液Sを得た。
〈記録用紙1の作製〉
得られたシリカ分散液Sの100gに、10%に調整した紫外線架橋型PVA誘導体(A−2:主鎖PVA重合度3,000、ケン化度88%、架橋基変性率1モル%)水溶液40g(イソプロピルアルコール20%含有)と光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製イルガキュア2959)0.05gを攪拌しながら徐々に添加し、固形分濃度が10%となるように純水で仕上げ、塗布液T−1を得た。
得られたシリカ分散液Sの100gに、10%に調整した紫外線架橋型PVA誘導体(A−2:主鎖PVA重合度3,000、ケン化度88%、架橋基変性率1モル%)水溶液40g(イソプロピルアルコール20%含有)と光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製イルガキュア2959)0.05gを攪拌しながら徐々に添加し、固形分濃度が10%となるように純水で仕上げ、塗布液T−1を得た。
上記塗布液T−1を、厚さ170μmの原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク受容層側のポリエチレン中に8%のアナターゼ型酸化チタン含有;インク受容層側に0.05g/m2のゼラチン下引層、反対側にTgが約80℃のラテックス製ポリマーをバック層0.2g/m2として有する)に、バーコーターを用い固形分付き量で17g/m2となるように塗布し、その後(固形分濃度10%)365nmに発光主波長を持つメタルハライドランプで、波長365nmにおける照度が90mW/cm2の紫外線を用い、積算エネルギー量で100mJ/cm2の紫外線を照射した。その後約50℃の熱風型オーブンで乾燥させてインクジェット記録用紙1を得た。
〈記録用紙2の作製〉
塗布液の固形分濃度を15%とし、紫外線の照度を240mW/cm2、積算エネルギーを48mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙2を得た。
塗布液の固形分濃度を15%とし、紫外線の照度を240mW/cm2、積算エネルギーを48mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙2を得た。
〈記録用紙3の作製〉
塗布液の固形分濃度を7.5%とし、紫外線の照度を110mW/cm2、積算エネルギーを90mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙3を得た。
塗布液の固形分濃度を7.5%とし、紫外線の照度を110mW/cm2、積算エネルギーを90mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙3を得た。
〈記録用紙4の作製〉
紫外線の照度を150mW/cm2、積算エネルギーを280mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙4を得た。
紫外線の照度を150mW/cm2、積算エネルギーを280mJ/cm2とした以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙4を得た。
〈記録用紙5の作製〉
塗布液T−1を固形分付き量が17g/m2となるように塗布し、50℃の熱風型オーブンで固形分濃度が80%になるまで乾燥してから、照度110mW/cm2、積算エネルギー48mJ/cm2の紫外線を照射した以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙5を得た。
塗布液T−1を固形分付き量が17g/m2となるように塗布し、50℃の熱風型オーブンで固形分濃度が80%になるまで乾燥してから、照度110mW/cm2、積算エネルギー48mJ/cm2の紫外線を照射した以外は記録用紙1の作製と同様にして記録用紙5を得た。
〈記録用紙6の作製〉
紫外線を照射しない以外は記録用紙1と同様にして記録用紙6を得た。
紫外線を照射しない以外は記録用紙1と同様にして記録用紙6を得た。
〈記録用紙7の作成〉
塗布液T−1を固形分付き量が17g/m2となるように塗布し、50℃の熱風型オーブンで固形分濃度が98%になるまで乾燥してから、照度100mW/cm2、積算エネルギー50mJ/cm2の紫外線を照射した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙7を得た。
塗布液T−1を固形分付き量が17g/m2となるように塗布し、50℃の熱風型オーブンで固形分濃度が98%になるまで乾燥してから、照度100mW/cm2、積算エネルギー50mJ/cm2の紫外線を照射した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙7を得た。
〔記録用紙の特性評価〕
以上により作製した各記録用紙について、以下に記載の方法に則り、膜面性状、60度光沢、インク吸収性、折れ割れ耐性、寸法安定性の評価を行い表1に示した。
以上により作製した各記録用紙について、以下に記載の方法に則り、膜面性状、60度光沢、インク吸収性、折れ割れ耐性、寸法安定性の評価を行い表1に示した。
《膜面性状》
目視により膜面平滑性、10cm2中の膜面のひび割れ個数を評価した。
目視により膜面平滑性、10cm2中の膜面のひび割れ個数を評価した。
《インク吸収性》
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM900Cを用い、シアンとイエローの出力が255のパッチを全面ベタ印字して、下記に示す基準にのり、ムラの有無を目視で10段階評価した。
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM900Cを用い、シアンとイエローの出力が255のパッチを全面ベタ印字して、下記に示す基準にのり、ムラの有無を目視で10段階評価した。
1:ムラが全く見受けられない。
2:よく観察するとムラが僅かに認められるが実技上は全く問題ないレベル
3:ドット状のムラが認められるが、実際のプリントでは殆ど問題ないレベル
4:ムラが認められるが、実際のプリントでは殆ど問題ないレベル
5:ムラが認められるが、画像の種類によっては問題がないレベル。
3:ドット状のムラが認められるが、実際のプリントでは殆ど問題ないレベル
4:ムラが認められるが、実際のプリントでは殆ど問題ないレベル
5:ムラが認められるが、画像の種類によっては問題がないレベル。
6:色ムラが認められ、実技上許容され得ないレベル
7:インクの溢れが海島模様となり、実技上許容され得ないレベル
8:インクが溢れ、色濁りが発生し、実技上許容され得ないレベル
9:溢れたインクがなかなか乾かず、実技上許容され得ないレベル
10:全く許容され得ないレベル
上記の評価ランクにおいて、実用上、6以上は、商品価値が無い。
7:インクの溢れが海島模様となり、実技上許容され得ないレベル
8:インクが溢れ、色濁りが発生し、実技上許容され得ないレベル
9:溢れたインクがなかなか乾かず、実技上許容され得ないレベル
10:全く許容され得ないレベル
上記の評価ランクにおいて、実用上、6以上は、商品価値が無い。
《折れ割れ耐性》
5mm×10cmの短冊状に断裁した記録用紙を、コア内径3cmの紙管にまきつけ、折れ割れのヒビを目視にて5段階に評価した
◎:折れ割れが全くなし
○:折れ割れが3本以下
○△:折れ割れが5本以下
△:折れ割れが6本から20本
×:折れ割れが20本から100本
××:折れ割れが100本以上
上記の評価ランクにおいて、実用上、×以下は商品価値が無い。
5mm×10cmの短冊状に断裁した記録用紙を、コア内径3cmの紙管にまきつけ、折れ割れのヒビを目視にて5段階に評価した
◎:折れ割れが全くなし
○:折れ割れが3本以下
○△:折れ割れが5本以下
△:折れ割れが6本から20本
×:折れ割れが20本から100本
××:折れ割れが100本以上
上記の評価ランクにおいて、実用上、×以下は商品価値が無い。
《寸法安定性》
寸法安定性は各記録用紙をA4サイズに断裁し、23℃で相対湿度が20%の条件下で、水平な台の上に一日放置し、四隅のカール(持ち上がり)の高さを測定し、その平均値を以下の基準に当てはめ、寸法安定性とした(mm単位)。
寸法安定性は各記録用紙をA4サイズに断裁し、23℃で相対湿度が20%の条件下で、水平な台の上に一日放置し、四隅のカール(持ち上がり)の高さを測定し、その平均値を以下の基準に当てはめ、寸法安定性とした(mm単位)。
尚、各記録用紙は四隅が持ち上がる状態になる向きに放置し、インク受容面を上にしたときに四隅が持ち上がる状態を表示した。
◎:2mmより小さい
○:2mm以上5mmより小さい
○△:5mm以上10mmより小さい
△:10mm以上30mmより小さい
×:30mm以上
××:筒状になり測定不可能
結果を併せて表1に示す。
○:2mm以上5mmより小さい
○△:5mm以上10mmより小さい
△:10mm以上30mmより小さい
×:30mm以上
××:筒状になり測定不可能
結果を併せて表1に示す。
表1より、本発明に係る記録用紙は、比較の記録用紙に比べて、何れの評価においても優れることが判る。
Claims (9)
- 支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 支持体上に多孔質層を有するインクジェット記録用紙であって、
前記多孔質層は、無機微粒子と電離放射線により架橋される親水性樹脂を含有する塗布液を少なくとも1層以上塗布して塗布層を形成し、該塗布層の固形分濃度が5〜90%の範囲のときに照度が0.1mW/cm2〜1W/cm2の電離放射線を照射し、その後乾燥して形成されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。 - 前記照度が50mW/cm2〜300mW/cm2であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記電離放射線により架橋される親水性樹脂が重合度500以上で、かつ架橋基変性率4モル%以下の親水性樹脂であることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記電離放射線が紫外線であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
- 積算照射エネルギーが0.1mJ/cm2〜1J/cm2となるように前記電離放射線を照射することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004132932A patent/JP2005014590A/ja active Pending
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