以下、本発明に係る紙葉類処理装置100を備える紙葉類処理システム1の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施の形態の紙葉類処理システム1の概要図を示す。
この一実施の形態の紙葉類処理システム1では、複数のパチンコ機2および複数のパチンコ機2のそれぞれに接続され、紙葉類処理装置100を備える台間機3、4、複数のスロットマシーン5のそれぞれに接続され、紙葉類処理装置100を備える台間機6が島コンピュータ7を介してネットワーク8に接続されている。
また、ネットワーク8には、例えば、受け入れた会員用ICカードまたは非会員用ICカードの度数(有価価値)残高を現金で返却する精算機10、受け入れた会員用ICカードや貯玉数の情報が記録されたレシートから貯玉数を参照し、貯玉数とその貯玉数により交換される景品種別と数量の表示を行い、景品払出機18が併設される場合、景品払出機18へ払い出す景品の種別と数量を指示する景品管理機(POS)11などが接続されている。また、遊技媒体であるパチンコ玉やメダルの数量を計数して貯玉数とする計数機9がネットワーク8に接続される。
さらに、会員用ICカードに記憶されたIDに基づいて管理装置13に記憶された貯玉数があれば再プレー用貯玉数の情報を書き換える旨の要求信号を、ネットワーク8を介して管理装置13に送信し、再プレーを行える状態にする再プレー受付機12、受け入れた紙幣額に対して購入度数ボタンで選択された金額に対応する度数を、会員用ICカードに更新したり、その金額に対応する度数が記憶された非会員用ICカードの発行を行う発行機20、各遊技機の上部に取り付けられ、各遊技機における、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示するデータ表示機21、各遊技機の、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を検索可能であり、その検索情報を表示部に表示して遊技者に提供するデータ公開機22などが接続されている。
これらの機器からの情報は、ネットワーク8を介して管理装置13に出力され、さらに、プロトコルコンバータ14、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。なお、モデム15からカードセンタ16への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
管理装置13は、例えば、管理装置13の情報を参照する機能を含んだパーソナルコンピュータ17などとも接続されている。また、管理装置13からの情報は、ネットワーク8を介して各機器に出力される。なお、管理装置13は、1つまたは複数の管理装置で構成することができる。複数の管理装置の場合として、度数などの有価価値情報を処理するカードシステム用管理装置、遊技機の稼働情報に基づいて、遊技機の釘やスロットマシンの出メダル率を変更するための設定を調整するために集計するホールコンピュータ、景品の在庫数や出庫数を管理するための景品管理用管理装置、貯玉数などの会員管理用管理装置などが例示でき、これら管理装置をネットワークにより接続して相互にデータ通信させることで管理装置13を構成することができる。
以下に、本発明に係る紙葉類処理装置100、この紙葉類処理装置100を備える台間機3、この台間機3と通信可能に接続され、紙葉類処理システム1を構成する管理装置13のそれぞれについて説明する。なお、ここでは、台間機3として、パチンコ機2と情報通信が可能なユニットタイプについて説明するが、紙葉類処理装置100は、例えば、パチンコ機2と情報通信ができないサンドタイプ、スロットマシーン5と情報通信ができない台間メダル貸し機などに搭載することもできる。
なお、紙葉類処理装置100によって処理される紙葉類として、例えば、紙幣、度数や獲得した遊技媒体数などの有価価値を記憶するプラスチック、紙製等のカードなどが挙げられる。
(第1の実施形態の紙葉類処理装置100)
第1の実施形態の紙葉類処理装置100について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、紙葉類処理装置100の外観を示す斜視図である。図3は、紙葉類処理装置100の概略的な側面からの断面図である。図4は、図3のA−A断面図である。
図3に示すように、タイミングベルトなどで構成される搬送ベルト110は、プーリ112、113、114、115、116、117と、図3には図示しないが、これらより奥に位置するプーリ118とに掛け渡されている。ここで、図4に示すように、奥に位置するプーリ118は、プーリ118a、118bからなり、大径に形成されている。
押圧ローラ119、120、121は、プーリ112、113、114の対向位置に配設され、それぞれスプリングに付勢されてプーリ112、113、114との間で搬送ベルト110を挟圧している。上記した搬送ベルト110は、図4に示すように、2列の搬送ベルト110a、110bとして構成されている。また、この2列の搬送ベルト110a、110bは、それぞれ、プーリ112a、113a、114a、115a、116a、117a、プーリ112b、113b、114b、115b、116b、117bに掛けられている。なお、プーリ118a、118bは、回転軸122上に回転軸122に対してフリーに回転するように配置されている。また、回転軸122が剥き出しになる部分には、スペーサ123a、123b、123cが設けられている。
紙葉類送り部材124は、円盤状であり、上記したプーリ118に固定され、プーリ118と共に回転する。図4に示すように、紙葉類送り部材124は、紙葉類送り部材124a、124bから構成され、紙葉類送り部材124a、124bの外周は、2個のプーリ118a、118bのそれぞれに1個ずつ、搬送ベルト110a、110bの外周より外側に位置するようにして固定されている。紙葉類送り部材124a、124bは、ゴムなどの弾性部材により形成されている。また、紙葉類送り部材124a、124bには、その外周に所定間隔をおいて多数の弾性を有する送り突起部125a、125bが形成される。送り突起部125a、125bは、プーリ118a、118bの外周よりも外側に先端が突出する長さに設定される。
また、図4に示すように、紙葉類処理装置100には、プーリ112a、112bを回転させるための駆動モータ150が設けられ、駆動モータ150の駆動軸には、ウォームネジ151が取り付けられている。また、プーリ112a、112bの回転軸152には、ウォームネジ151と係合するウォーム歯車153が固定されている。この構成により、駆動モータ150の駆動により、プーリ112a、112bが回転し、搬送ベルト110a、110bを介してその他のプーリ113a、114a、115a、116a、117a、113b、114b、115b、116b、117bおよび紙葉類送り部材124a、124bが回転し、搬送手段として機能する。
図3に示された、分岐通路143に紙葉類Wを導くために、紙葉類Wを反転させる分岐ガイド130は、例えば、半円筒状などの円弧筒状に形成されている。この分岐ガイド130は、図4に示すように、紙葉類送り部材124a、124bに対応して、2つの分岐ガイド130a、130bで構成されている。ここで、紙葉類Wと分岐ガイド130a、130bとの間には摩擦抵抗が発生するが、この摩擦抵抗力よりも送り突起部125a、125bと紙葉類Wとの摩擦抵抗力が大きくなるように、分岐ガイド130a、130bは、摩擦係数の小さい材料で構成されることが好ましい。この分岐ガイド130a、130bを構成する材料として、具体的には、合成樹脂や金属板にテフロン(登録商標)シートなどを貼付したものなどが挙げられる。
上記した筐体に回転自在に軸支された回転軸122には、歯車131a、131bがそれぞれ回転軸122を軸支する筐体の内面にほぼ接して配置されている。分岐ガイド130a、130bは、歯車131a、131bのそれぞれの内側に一つずつ、歯車131a、131bと同心的に、その一端部において固定され、歯車131a、131bとともに回転軸122を中心として回転自在となっている。
分岐ガイド130a、130bは、それぞれ紙葉類送り部材124a、124bの外周の外側を覆うように配設されている。ここで、紙葉類Wを紙葉類排出口140から排出する本線通路141に沿って搬送する場合には、分岐ガイド130a、130bは、分岐ガイド130a、130bの一端部が本線通路141側に進出しない位置に回転される。なお、紙葉類排出口140には、紙葉類排出口140に連通して、例えば、紙葉類Wを島端の紙葉類回収部(図示しない)に搬送するための紙葉類搬送手段(図示しない)を設けてもよい。これによって、紙葉類収容部142に収容されない紙葉類Wを紙葉類回収部に搬送することができる。
なお、紙葉類搬送手段としては、紙葉類排出口140から排出された紙葉類Wを左折(または右折)させる導出路を備え、左折後には島の長手方向両側に並べて配設された遊技機裏の島内中間に位置したプラスチックケース内を島端の紙葉類回収部(図示しない)、例えば紙葉類が紙幣であれば紙幣収納庫、カードであればカード収納庫に向けて搬送するものである。プラスチックケースは、遊技機と台間機3を合算した島長手方向の寸法に略一致した寸法で1つのユニットが形成され、このユニットは、遊技機および台間機3毎に遊技機の裏を島長手方向全体にかけて連結される。1ユニットのプラスチックケース内には、紙葉類Wを搬送するための無端ベルトが掛け渡され、プラスチックケース内の搬送通路を紙葉類Wの一方の片面を無端ベルトが圧接し、紙葉類Wの他方の片面を回転自在のローラが圧接して、挟圧搬送される構成などが例示できる。
一方、紙葉類Wを紙葉類収容部142に収容する分岐通路143に沿って搬送する場合には、分岐ガイド130a、130bは、分岐ガイド130a、130bの一端部が本線通路141側に進出する位置(例えば、図3に示す位置)、すなわちプーリ118a、118b奥側半周部を覆う位置に回転される。この場合には、分岐ガイド130a、130bとプーリ118a、118bとの間に、紙葉類Wの搬送通路、すなわち分岐通路143が形成される。
ここで、分岐ガイド130a、130bの内周径は、プーリ118a、118bの外周径より大きく、紙葉類送り部材124a、124bの送り突起部125a、125bを含む外周径よりは小さく形成される。ただし、送り突起部125a、125bが分岐ガイド130a、130bに触れないよう、分岐ガイド130a、130bの内周には溝132a、132bが刻設されている。これらの溝132a、132bを設けることで、送り突起部125a、125bとの摩擦抵抗がない状態で、分岐ガイド130a、130bをスムーズに回転させることができる。
また、図4に示すように、紙葉類処理装置100には、駆動軸に小歯車133を取り付けた駆動モータ134(ステップモータ)が設けられている。小歯車133は、歯車131bと係合し、駆動モータ134の回転により、歯車131bと分岐ガイド130bおよび回転軸122で繋がれた歯車131aと分岐ガイド130aが回転する。なお、回転軸122の一端には、エンコーダ135が設けられ、光学センサ136で読み取ることで、分岐ガイド130a、130bの回転位置の検出を行うことができる。
また、図3に示すように、紙葉類収容部142は、紙葉類処理装置100内のプーリ115、116、117側の空間に形成され、紙葉類送り部材124側の一部の領域を除いて、導入板137によって搬送ベルト110とは非接触の状態となっている。そして、分岐ガイド130によって反転した紙葉類Wの先端が紙葉類収納部142内の紙葉類受入口111側の端部に達した状態となり、紙葉類Wがほぼ水平方向に収納されるように、紙葉類収容部142および導入板137が配設される。また、紙葉類収容部142は、紙葉類排出口140に連通しており、紙葉類収容部142から紙葉類排出口140への搬送を可能としている。ここで、紙葉類収容部142から紙葉類排出口140への搬送通路において、紙葉類収容部142側の壁面144は、曲面に形成されている。これによって、紙葉類収容部142に収容された紙葉類Wは、その後端部を分岐ガイド130側に寄せた状態で積層される。なお、この壁面144の形状は、曲面に限られるものではなく、紙葉類Wの後端部を分岐ガイド130側に寄せた状態で積層できる形状ならばよい。
なお、この導入板137は、2つの搬送ベルト110a、110bに対応する領域が開口された構成としてもよい。この場合、例えば、紙葉類収容部142に紙葉類Wを収容するときには、新たに収容されてくる紙葉類Wに対応させて、すなわち、新たに収容されてくる紙葉類Wのみが、開口部を介して搬送ベルト110a、110bに接触するように、導入板137を徐々に搬送ベルト110a、110b側に移動する機構を設けてもよい。これによって、すでに収容されている紙葉類Wが開口部を介して搬送ベルト110a、110bに接触して不具合を生じるのを防止することができる。
さらに、紙葉類収容部142に収容された紙葉類Wを紙葉類排出口140から排出するときには、排出される導入板137側の紙葉類Wのみが開口部を介して搬送ベルト110a、110bに接触するように、排出される紙葉類Wに対応させて、導入板137を徐々に紙葉類収容部142側に移動する機構を設けてもよい。これによって、排出される紙葉類W以外の紙葉類Wが開口部を介して搬送ベルト110a、110bに接触して不具合を生じるのを防止することができる。
また、紙葉類収納部142の壁面144の曲面が形成される紙葉類収納部142側にかけて、金属性の押圧板170が、紙葉類収納部142を構成する筐体の外側壁の凹部に、または外側壁に沿って配置されている。この押圧板170は、外側壁の凹部または外側壁に、紙葉類受入口111側が回転軸171によって回転自在に軸支されている。紙葉類Wを紙葉類排出口140から排出する際には、押圧板170が積層した紙葉類Wを紙葉類送り部材124側に押圧し、紙葉類送り部材124を紙葉類Wを収納する場合と反対方向に回転させて、最後に収納した紙葉類Wを排出する。押圧板170は、紙葉類収納部142を構成する筐体の外側壁に埋設された磁石172のON−OFFによって、この外側壁と離接するように構成されている。この押圧板170を設けることで、紙葉類収納部142に収納された紙葉類Wを排出する際、紙葉類送り部材124a、124bの送り突起部125a、125bと最後に収納された紙葉類Wの側面とを確実に接触させることができる。
本線通路141の紙葉類受入口111側には、紙葉類検知センサ160が配設されている。この紙葉類検知センサ160は、紙葉類受入口111から挿入された紙葉類Wを感知するもので、例えば、光学式センサなどで構成される。この紙葉類検知センサ160で検知された信号は、紙葉類処理装置100の制御部(図示しない)に出力され、それに基づいて、各種駆動モータなどが制御される。
また、紙葉類検知センサ160が配設された位置よりもさらに奥の本線通路141には、識別センサ161a、161bが配設されている。この識別センサ161a、161bは、紙葉類受入口111から挿入された紙葉類Wを識別するもので、例えば、反射型光センサなどで構成される。なお、識別センサ161a、161bは、反射型光センサに限られるものではなく、例えば、透過光センサや磁気センサを用いてもよい。これらの識別センサ161a、161bで検知された信号は、紙葉類処理装置100の制御部(図示しない)に出力され、制御部は、それに基づいて、予め入力されている紙葉類Wのパターンデータとを比較して識別処理を行う。この識別センサ161a、161bおよび制御部によって、紙葉類識別手段が構成される。
次に、紙葉類処理装置100の動作について、図5〜図12を参照して説明する。
ここで、図5〜図12は、紙葉類処理装置100の各動作工程を示す概略的な側面からの断面図である。
紙葉類処理装置100では、(A−1)紙葉類Wの識別処理、(B−1)紙葉類Wの返却処理、(C−1)紙葉類Wを本線通路141を通して紙葉類排出口140に搬送する本線通路搬送処理、(D−1)紙葉類Wを分岐通路143を通して紙葉類収容部142に収容する紙葉類収容処理、(E−1)紙葉類収容部142に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口140に搬送する紙葉類排出処理の主に5種の処理動作を行う。
まず、(A−1)紙葉類Wの識別処理について説明する。
紙葉類受入口111から挿入された紙葉類Wを、紙葉類検知センサ160が検知すると、その情報に基づいて、制御部(図示しない)は、駆動モータ150を駆動させる。これによって、搬送ベルト110が回転(図5では右周り方向)され、紙葉類Wは、識別センサ161a、161bを所定範囲にわたって通過するまで送り込まれる(図5参照)。識別センサ161a、161bで検知された信号は、制御部(図示しない)に出力され、制御部は、それに基づいて、予め入力されている紙葉類Wのパターンデータとを比較する。そして、制御部は、その比較した結果に基づいて、紙葉類Wが本物であるか否かを判定する。なお、この識別処理において、紙葉類Wの種別、例えば、紙葉類Wが紙幣の場合には、その紙幣の種類などを判定してもよい。
次に、(B−1)紙葉類Wの返却処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物でないと判定された場合に実行される処理である。
紙葉類Wの返却処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ150が逆方向(図6では左周り方向)に回転駆動され、搬送ベルト110が逆回転(図6では左周り方向)し、紙葉類受入口111から紙葉類Wが返却される(図6参照)。
次に、(C−1)紙葉類Wを本線通路141を通して紙葉類排出口140に搬送する本線通路搬送処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物であると判定された場合に実行される処理である。
本線通路搬送処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ134を駆動させ、分岐ガイド130の本線通路141側の端部が紙葉類Wを紙葉類排出口140に導くのに妨げとならない位置まで、分岐ガイド130を回転させる。さらに、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ150を駆動させる。これによって、搬送ベルト110が回転(図7では右周り方向)され、識別処理された紙葉類Wは、紙葉類排出口140に導かれる(図7参照)。
次に、(D−1)紙葉類Wを分岐通路143を通して紙葉類収容部142に収容する紙葉類収容処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物であると判定された場合に実行される処理である。
紙葉類収容処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ134を駆動させ、分岐ガイド130の本線通路141側の端部が、本線通路141側に進出する位置、つまり、分岐ガイド130が紙葉類送り部材124の紙葉類排出口140側半分を覆う位置まで、分岐ガイド130を回転させる。さらに、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ150を駆動させる。これによって、搬送ベルト110が回転(図8では右周り方向)され、識別処理された紙葉類Wの先端部が分岐ガイド130まで至ると、紙葉類Wの先端部は、分岐ガイド130の内側面で下方に案内される。そして、紙葉類Wは、分岐ガイド130と送り突起部125との間に挟まれ、送り突起部125との摩擦力によって、さらに分岐通路143に搬送される(図8参照)。
紙葉類Wの先端部が分岐ガイド130の終端を通過すると、紙葉類Wの先端部は、導入板137とすでに収容されている紙葉類Wとの間に導入される。さらに紙葉類Wを送り込んで、例えば、光学センサ136からの情報に基づいて、分岐ガイド130の回転位置を検出し、紙葉類Wが所定の位置まで収容されたことを検知したときには、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ150の駆動を停止する(図9参照)。また、ここでは、図9に示すように、上記した所定の位置を、紙葉類Wの後端部が分岐ガイド130と送り突起部125との間に挟まれた状態の位置とする。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ134を駆動させ、分岐ガイド130を本線通路141側に回転(図10では左周り方向)させ、分岐ガイド130と送り突起部125との間に挟まれた紙葉類Wの後端部を解放し、すでに収容されている紙葉類W上にすべての紙葉類Wを積層する(図10参照)。
次に、(E−1)紙葉類収容部142に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口140に搬送する紙葉類排出処理について説明する。
例えば、紙葉類Wを分岐通路143を通して紙葉類収容部142に収容するための分岐ガイド130位置(図8参照)から、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ134を駆動させ、紙葉類収容部142に収容された最上部の紙葉類Wの後端部が、送り突起部125に直接接触するように、分岐ガイド130を本線通路141側に回転(図11では左周り方向)させる(図11参照)。ここで、上記したように、紙葉類収容部142から紙葉類排出口140への搬送通路において、押圧板170は、紙葉類収納部142を構成する筐体の外側壁に埋設された磁石172のONによって、回転軸171を中心に搬送ベルト110側に回転し、紙葉類送り部材124a、124bの送り突起部125a、125bと最後に収納された最上部の紙葉類Wの後端部の一方の面とを接触させる。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ150が逆方向(図12では左周り方向)に回転駆動され、搬送ベルト110が逆回転(図12では左周り方向)し、最上部の紙葉類Wが、送り突起部125との摩擦力によって、紙葉類排出口140に導かれる(図12参照)。
ここで、所定数の紙葉類Wを排出した後、再び分岐ガイド130を介して紙葉類収容部142に収容された最上部の紙葉類Wの後端部を送り突起部125に接触させる場合には、分岐ガイド130は、収容されている紙葉類Wの先端部側から後端部側に沿うように回転(図12では左周り方向)されることが好ましい。これによって、紙葉類Wの後端部を巻き込むことなく、最上部の紙葉類Wと送り突起部125との間に、分岐ガイド130を配置することができる。また、ここで、磁石172のOFFにして押圧板170を再び紙葉類収納部142を構成する筐体の外側壁の凹部に、または外側壁に沿って密着させ、収納された紙葉類Wが紙葉類送り部材124a、124bの送り突起部125a、125bに対して圧接した状態となっているのを解除する。
上記したように、紙葉類処理装置100によれば、紙葉類Wを本線通路141を通して紙葉類排出口140に搬送する本線通路搬送処理、紙葉類Wを分岐通路143を通して紙葉類収容部142に収容する紙葉類収容処理、および紙葉類収容部142に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口140に搬送する紙葉類排出処理を実行することができる。これによって、例えば、紙葉類排出口140から紙葉類Wが排出された以降の搬送処理において、搬送不良などを生じても、一時的に紙葉類収容部142に収容することができる。さらに、紙葉類排出口140から紙葉類Wが排出された以降の搬送不良が改善された場合には、一時的に紙葉類収容部142に収容されていた紙葉類Wを、紙葉類排出口140からその搬送手段に排出することができる。
また、分岐ガイド130を本線通路141側に回転(図10では左周り方向)させ、分岐ガイド130と送り突起部125との間に挟まれた紙葉類Wの後端部を解放し、すでに収容されている紙葉類W上にすべての紙葉類Wを積層することができる。これによって、紙葉類Wの後端部を分岐ガイド130と送り突起部125との間に挟まれなくなるまで送り込む必要がなく、紙葉類収容部142の長手方向(紙葉類収容部142に紙葉類Wを搬送する方向)のサイズを小さくすることができ、紙葉類処理装置100のコンパクト化を図ることができる。
(第2の実施形態の紙葉類処理装置200)
第2の実施形態の紙葉類処理装置200について、図13〜図15を参照して説明する。
図13は、紙葉類処理装置200の概略的な側面からの断面図である。図14は、図13のA−A断面図である。図15は、紙葉類処理装置200の筐体内の一部を上方からみたときの概略図である。
なお、紙葉類処理装置200の外観は、図2に示した第1の実施形態の紙葉類処理装置100と同じなので、図2を参照して説明する。
図13に示すように、タイミングベルトなどで構成される搬送ベルト210は、プーリ211、212、213、214に掛け渡されている。図14に示すように、搬送ベルト210は、本線通路215の中央に沿って一列で構成されている。また、紙葉類処理装置200には、プーリ211を回転させるための駆動モータ(図示しない)が設けられている。この構成により、駆動モータを駆動させることで、プーリ211が回転し、搬送ベルト210を介してその他のプーリ212、213、214が回転し、搬送手段として機能する。
また、本線通路215の下部で、かつ後述する押圧ベルト216b、217b、218b、219bの各間には、紙葉類搬送支持部材250が設けられ、搬送される紙葉類Wを下方から支持している。また、この紙葉類搬送支持部材250は、後述する紙葉類収容部240においても、収容される紙葉類Wを下方から支持している。
押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、図14に示すように、搬送ベルト210の上方および下方に本線通路215に沿って2列に配設されている。押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、それぞれ、プーリ220a、220b、221a、221b、222a、222b、223a、223bに掛けられている。なお、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、フリーに回転するように配置されている。
また、図14に示すように、プーリ220a、221a、222a、223aは、プーリ支持部材230aに回転可能に支持されている。また、プーリ220b、221b、222b、223bは、プーリ支持部材230bに回転可能に支持されている。プーリ支持部材230a、230bには、駆動伝達部材231a、231bの一端が、それぞれ、プーリ支持部材230a、230bが紙葉類処理装置200の幅方向(図14の紙面に垂直な方向)に摺動可能なように接続されている。また、駆動伝達部材231a、231bは、駆動伝達部材支持部232a、232bによって回転可能に支持され、駆動伝達部材231a、231bの他端に設けられた駆動装置233a、233bからの動力を利用して、駆動伝達部材支持部232a、232bを回転軸として、プーリ支持部材230a、230bを上下方向に移動する。
ここで、駆動装置233a、233bは、図14に示すように、駆動伝達部材231a、231bの他端に上下方向の動力を負荷するものであればよく、例えば、ソレノイドなどが用いられる。例えば、駆動伝達部材231aによって、プーリ支持部材230aの他端が下方向に移動されると、駆動伝達部材支持部232aを回転軸として、駆動伝達部材231aの一端が上方の力を受け、プーリ支持部材230aを上方に移動する。これによって、押圧ベルト216a、217a、218a、219aは、上方に移動される。一方、駆動伝達部材231bによって、プーリ支持部材230bの他端が上方向に移動されると、駆動伝達部材支持部232bを回転軸として、駆動伝達部材231bの一端が下方の力を受け、プーリ支持部材230bを下方に移動する。これによって、押圧ベルト216b、217b、218b、219bは、下方に移動される。
ここで、通常、本線通路215を搬送される紙葉類Wは、搬送ベルト210および押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの間に挟持されて搬送される。また、上記したように、押圧ベルト216a、217a、218a、219aを上方に、押圧ベルト216b、217b、218b、219bを下方に移動することで、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bによる一方からの紙葉類Wに対する支持を解除することができる。
さらに、図14に示すように、プーリ支持部材230a、230bには、支柱235a、235bの一端が接続されている。この支柱235a、235bの他端には、支柱支持部材236a、236bが設けられている。
図15に示すように、支柱支持部材236aは、紙葉類処理装置200の幅方向(図15の上下方向)に長辺を有する板状の部材で構成され、一方の側部には、駆動モータ237aの駆動軸に取り付けられた小歯車238aと係合する係合部239aが形成されている。そして、駆動モータ237aを駆動させることで、支柱支持部材236aは、支持平板239上を摺動し、紙葉類処理装置200の幅方向に移動可能となる。ここで、支持平板239と支柱支持部材236aとの摺動面における摩擦抵抗は小さい方が好ましい。また、支柱支持部材236aを、所定の方向に確実に摺動させるめ、例えば、支柱支持部材236aの係合部239aを有しない側の側面にガイド部材を当接させてもよい。
なお、図15には、支柱支持部材236a側を示したが、支柱支持部材236b側においても同様の構成を有している。このような構成を有することで、プーリ支持部材230a、230bを、紙葉類処理装置200の幅方向(図15の上下方向)に移動することができ、これによって、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、紙葉類処理装置200の幅方向に移動可能となる。
また、図13に示すように、紙葉類収容部240は、本線通路215を構成する押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bの本線通路215とは反対側に形成される。また、紙葉類収容部240に積層された紙葉類Wが押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bに接触するのを防止するために、例えば、紙葉類収容部240に積層された最も押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219b側の紙葉類Wと、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの間に接触防止部材を設置可能な接触防止手段を備えてもよい。
ここで、接触防止手段として、例えば、紙葉類収容部240内に接触防止部材を突出可能に構成されたソレノイドなどを用いてもよい。そして、このソレノイドを、例えば、紙葉類処理装置200の紙葉類受入口241側と紙葉類排出口242側とに備え、紙葉類収容部240に積層された最も押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219b側の紙葉類Wと、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの間に、必要に応じて接触防止部材を突出させてもよい。なお、接触防止部材は、紙葉類収容部240に積層された最も押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219b側の紙葉類Wと、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの接触を防止するものであればよく、例えば、棒状、板状などの部材で構成することができる。
また、紙葉類収容部240は、紙葉類排出口242に連通しており、紙葉類収容部240から紙葉類排出口242への搬送を可能としている。ここで、紙葉類収容部240から紙葉類排出口242への搬送通路において、紙葉類Wをスムーズに排出できるように、例えば、紙葉類収容部240側の壁面255は、曲面などで形成することが好ましい。なお、紙葉類排出口242には、紙葉類排出口242に連通して、例えば、紙葉類Wを紙葉類回収部(図示しない)に搬送するための紙葉類搬送手段(図示しない)を設けてもよい。これによって、紙葉類収容部240に収容されない紙葉類Wを紙葉類回収部に搬送することができる。
また、紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを下方から支持する紙葉類搬送支持部材250よりも紙葉類処理装置200の筐体の側壁側には、紙葉類収容部240に収容された筐体の側壁側の紙葉類Wから順に紙葉類排出口242側に導く、紙葉類排出手段252が設けられている。この紙葉類排出手段252は、プーリ253、253と、これらのプーリ253、253に掛け渡された排出ベルト254とから構成されている。
本線通路215の紙葉類受入口241側には、紙葉類検知センサ260が配設されている。この紙葉類検知センサ260は、紙葉類受入口241から挿入された紙葉類Wを感知するもので、例えば、光学式センサなどで構成される。この紙葉類検知センサ260で検知された信号は、紙葉類処理装置200の制御部(図示しない)に出力され、それに基づいて、各種駆動モータなどが制御される。
また、紙葉類検知センサ260が配設された位置よりもさらに奥の本線通路215には、識別センサ261a、261bが配設されている。この識別センサ261a、261bは、紙葉類受入口241から挿入された紙葉類Wを識別するもので、例えば、反射型光センサなどで構成される。なお、識別センサ261a、261bは、反射型光センサに限られるものではなく、例えば、磁気センサや赤外線センサを用いてもよい。これらの識別センサ261a、261bで検知された信号は、紙葉類処理装置200の制御部(図示しない)に出力され、制御部は、それに基づいて、予め入力されている紙葉類Wのパターンデータとを比較して識別処理を行う。この識別センサ261a、261bおよび制御部によって、紙葉類識別手段が構成される。
また、本線通路215の紙葉類排出口242側には、紙葉類検知センサ262を設けてもよい。この紙葉類検知センサ262は、紙葉類排出口242から排出される紙葉類Wを感知するもので、例えば、光学式センサなどで構成される。この紙葉類検知センサ262で検知された信号は、紙葉類処理装置200の制御部(図示しない)に出力される。
次に、紙葉類処理装置200の動作について、図16〜図26を参照して説明する。
ここで、図16〜図19、図22および図24〜図26は、紙葉類処理装置200の各動作工程を示す概略的な側面からの断面図である。また、図20、図21および図23は、図13に示したA−A断面と同断面における各動作工程を示す断面図である。
紙葉類処理装置200では、(A−2)紙葉類Wの識別処理、(B−2)紙葉類Wの返却処理、(C−2)紙葉類Wを本線通路215を通して紙葉類排出口242に搬送する本線通路搬送処理、(D−2)紙葉類Wを分岐通路を通して紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理、(E−2)紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理の主に5種の処理動作を行う。
まず、(A−2)紙葉類Wの識別処理について説明する。
紙葉類受入口241から挿入された紙葉類Wを、紙葉類検知センサ260が検知すると、その情報に基づいて、制御部(図示しない)は、駆動モータ(図示しない)を駆動させる。これによって、搬送ベルト210が回転(図16では左周り方向)され、紙葉類Wは、識別センサ261a、261bを所定範囲にわたって通過するまで送り込まれる(図16参照)。識別センサ261a、261bで検知された信号は、制御部(図示しない)に出力され、制御部は、それに基づいて、予め入力されている紙葉類Wのパターンデータとを比較する。そして、制御部は、その比較した結果に基づいて、紙葉類Wが本物であるか否かを判定する。なお、この識別処理において、紙葉類Wの種別、例えば、紙葉類Wが紙幣の場合には、その紙幣の種類などを判定してもよい。
次に、(B−2)紙葉類Wの返却処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物でないと判定された場合に実行される処理である。
紙葉類Wの返却処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)が逆方向(図17では右周り方向)に回転駆動され、搬送ベルト210が逆回転(図17では右周り方向)し、紙葉類受入口241から紙葉類Wが返却される(図17参照)。
次に、(C−2)紙葉類Wを本線通路215を通して紙葉類排出口242に搬送する本線通路搬送処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物であると判定された場合に実行される処理である。
本線通路搬送処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)を駆動させる。これによって、搬送ベルト210が回転(図18では左周り方向)され、識別処理された紙葉類Wは、紙葉類排出口242に導かれる(図18参照)。
次に、(D−2)紙葉類Wを分岐通路を通して紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物であると判定された場合に実行される処理である。
紙葉類収容処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)を駆動させ、紙葉類Wを本線通路215の所定位置まで搬送する(図19参照)。なお、このときには、各押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、図20に示すように、搬送される紙葉類Wを支持した状態である。
続いて、分岐通路を形成し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容するための動作に移る。制御部からの情報に基づいて、駆動装置233a、233bを駆動させ、押圧ベルト216a、217a、218a、219aは、上方に移動し、押圧ベルト216b、217b、218b、219bは、下方に移動する(図21参照)。この状態では、紙葉類Wは、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとは接触しておらず、紙葉類Wは、下部から紙葉類搬送支持部材250によって支持され、さらに、搬送ベルト210または紙葉類収容部240に支持される。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを搬送ベルト210側に移動する(図22参照)。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動装置233a、233bを駆動させ、押圧ベルト216a、217a、218a、219aは、下方に移動し、押圧ベルト216b、217b、218b、219bは、上方に移動する(図23参照)。この状態では、紙葉類Wは、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bと接触している。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237aを駆動させて、紙葉類Wを紙葉類収容部240側に押しながら、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを紙葉類収容部240側に移動する(図22参照)。この本線通路215から略水平方向に紙葉類Wを移動するための通路が、分岐通路として機能する。この動作によって、紙葉類Wは、紙葉類収容部240に収容される(図24参照)。
図示しないが、この状態で、上述した接触防止手段を稼動させ、紙葉類収容部240に積層された最も押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219b側の紙葉類Wと、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの間に接触防止部材を配置してもよい。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237aを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを若干搬送ベルト210側に移動し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容するための動作に移る前の状態に戻す(図13参照)。
次に、(E−2)紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理について説明する。
まず、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを紙葉類収容部240側に移動し、積層されている紙葉類Wに当接させる(図25参照)。この際、積層されている紙葉類Wを若干押圧するのが好ましい。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)を駆動させて、排出ベルト254を回転(図26では右周り方向)させ、紙葉類Wを紙葉類排出口242に導く(図26参照)。なお、排出される紙葉類Wの後端部を搬送する際、この紙葉類Wと隣接して積層されている紙葉類Wに排出ベルト254が接触するため、隣接する紙葉類Wを若干紙葉類排出口242側に搬送することもある。この場合には、排出すべく紙葉類Wを排出後、排出ベルト254を逆に回転させ、隣接する紙葉類Wを元の位置に戻すようにしてもよい。なお、排出すべく紙葉類Wが排出されたことの検知は、紙葉類検知センサ262からの検知信号に基づいて判定することができる。
上記したように、紙葉類処理装置200によれば、紙葉類Wを本線通路215を通して紙葉類排出口242に搬送する本線通路搬送処理、紙葉類Wを分岐通路を通して紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理、および紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理を実行することができる。これによって、例えば、紙葉類排出口242から紙葉類Wが排出された以降の搬送処理において、搬送不良などを生じても、一時的に紙葉類収容部240に収容することができる。さらに、紙葉類排出口242から紙葉類Wが排出された以降の搬送不良が改善された場合には、一時的に紙葉類収容部240に収容されていた紙葉類Wを、紙葉類排出口242からその搬送手段に排出することができる。
(第3の実施形態の紙葉類処理装置270)
第3の実施形態の紙葉類処理装置270について、図27〜図37を参照して説明する。なお、第2の実施形態の紙葉類処理装置200の構成部分と同一の構成部分には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略または省略する。ここで、第3の実施形態の紙葉類処理装置270は、第2の実施形態の紙葉類処理装置200の本線通路215から、直接、紙葉類排出口242へ搬送する機能を有しない構成となっている。つまり、全ての紙葉類Wは、一旦紙葉類収容部240に収容されてから、紙葉類排出口242へ搬送される。
図27は、紙葉類処理装置270の概略的な側面からの断面図である。
図27に示すように、紙葉類処理装置270は、上記したように、本線通路215から、直接、紙葉類排出口242へ搬送する機能を有しない構成となっており、紙葉類排出口242には、紙葉類収容部240のみが連通している。
次に、紙葉類処理装置270の動作について、図28〜図37を参照して説明する。
ここで、図28〜図30、図33および図35〜図37は、紙葉類処理装置270の各動作工程を示す概略的な側面からの断面図である。また、図31、図32および図34は、図27に示したA−A断面と同断面における各動作工程を示す断面図である。
紙葉類処理装置270では、(A−3)紙葉類Wの識別処理、(B−3)紙葉類Wの返却処理、(D−3)紙葉類Wを本線通路215の所定位置に搬送し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理、(E−3)紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理の主に4種の処理動作を行う。
まず、(A−3)紙葉類Wの識別処理について説明する。
紙葉類受入口241から挿入された紙葉類Wを、紙葉類検知センサ260が検知すると、その情報に基づいて、制御部(図示しない)は、駆動モータ(図示しない)を駆動させる。これによって、搬送ベルト210が回転(図28では左周り方向)され、紙葉類Wは、識別センサ261a、261bを所定範囲にわたって通過するまで送り込まれる(図28参照)。識別センサ261a、261bで検知された信号は、制御部(図示しない)に出力され、制御部は、それに基づいて、予め入力されている紙葉類Wのパターンデータとを比較する。そして、制御部は、その比較した結果に基づいて、紙葉類Wが本物であるか否かを判定する。なお、この識別処理において、紙葉類Wの種別、例えば、紙葉類Wが紙幣の場合には、その紙幣の種類などを判定してもよい。
次に、(B−3)紙葉類Wの返却処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物でないと判定された場合に実行される処理である。
紙葉類Wの返却処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)が逆方向に回転駆動され、搬送ベルト210が逆回転(図29では右周り方向)し、紙葉類受入口241から紙葉類Wが返却される(図29参照)。
次に、(D−3)紙葉類Wを本線通路215の所定位置に搬送し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理について説明する。
この紙葉類Wの返却処理は、例えば、上記した紙葉類Wの識別処理において、紙葉類Wが本物であると判定された場合に実行される処理である。
紙葉類収容処理では、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)を駆動させ、紙葉類Wを本線通路215の所定位置まで搬送する(図30参照)。なお、このときには、各押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bは、図31に示すように、搬送される紙葉類Wを支持した状態である。
続いて、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容するための動作に移る。制御部からの情報に基づいて、駆動装置233a、233bを駆動させ、押圧ベルト216a、217a、218a、219aは、上方に移動し、押圧ベルト216b、217b、218b、219bは、下方に移動する(図32参照)。この状態では、紙葉類Wは、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとは接触しておらず、紙葉類Wは、下部から紙葉類搬送支持部材250によって支持され、さらに、搬送ベルト210または紙葉類収容部240に支持される。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを搬送ベルト210側に移動する(図33参照)。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動装置233a、233bを駆動させ、押圧ベルト216a、217a、218a、219aは、下方に移動し、押圧ベルト216b、217b、218b、219bは、上方に移動する(図34参照)。この状態では、紙葉類Wは、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bと接触している。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、紙葉類Wを紙葉類収容部240側に押しながら、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを紙葉類収容部240側に移動する(図35参照)。この動作によって、紙葉類Wは、紙葉類収容部240に収容される。
図示しないが、この状態で、上述した接触防止手段を稼動させ、紙葉類収容部240に積層された最も押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219b側の紙葉類Wと、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bとの間に接触防止部材を配置してもよい。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを若干搬送ベルト210側に移動し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容するための動作に移る前の状態に戻す(図27参照)。
次に、(E−3)紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理について説明する。
まず、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ237a、237bを駆動させて、押圧ベルト216a、216b、217a、217b、218a、218b、219a、219bを紙葉類収容部240側に移動し、積層されている紙葉類Wに当接させる(図36参照)。この際、積層されている紙葉類Wを若干押圧するのが好ましい。
続いて、制御部からの情報に基づいて、駆動モータ(図示しない)を駆動させて、排出ベルト254を回転(図37では右周り方向)させ、紙葉類Wを紙葉類排出口242に導く(図37参照)。なお、排出される紙葉類Wの後端部を搬送する際、この紙葉類Wと隣接する紙葉類Wに排出ベルト254が接触するため、隣接する紙葉類Wを若干紙葉類排出口242側に搬送することもある。この場合には、排出すべく紙葉類Wを排出後、排出ベルト254を逆に回転させ、隣接する紙葉類Wを元の位置に戻すようにしてもよい。なお、排出すべく紙葉類Wは排出されたことの検知は、紙葉類検知センサ262からの検知信号に基づいて判定することができる。
上記したように、紙葉類処理装置270によれば、紙葉類Wを本線通路215の所定位置に搬送し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理、および紙葉類収容部240に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口242に搬送する紙葉類排出処理を実行することができる。これによって、例えば、紙葉類排出口242から紙葉類Wが排出された以降の搬送処理において、搬送不良などを生じても、搬送不良が改善されるまで、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容することができる。さらに、紙葉類排出口242から紙葉類Wが排出された以降の搬送不良が改善された場合には、紙葉類収容部240に収容されていた紙葉類Wを紙葉類排出口242からその搬送手段に排出することができる。また、紙葉類排出口242から紙葉類Wが排出された以降の搬送処理において、搬送不良などを生じていなくても、紙葉類収容部240を介して、紙葉類Wを紙葉類排出口242から排出することで、例えば、紙葉類収容部240に紙葉類Wが収容された順に、紙葉類Wを排出することができる。
次に、本発明に係る紙葉類処理装置において紙葉類Wを受け入れたときの処理動作について、図38および図39を参照して説明する。
図38は、紙葉類処理1の動作の流れを示す図、図39は、紙葉類処理2の動作の流れを示す図である。
(紙葉類処理1)
紙葉類処理1は、挿入された紙葉類Wを紙葉類排出口または紙葉類収容部に搬送する処理である。
紙葉類Wが紙葉類受入口から挿入されると、制御部(図示しない)は、上記した紙葉類Wの識別処理(A−1、A−2またはA−3)を実行する(ステップS300)。
ステップS300の判定で、紙葉類Wが本物でないと判定した場合(ステップS300のNG)には、上記した紙葉類Wの返却処理(B−1、B−2またはB−3)を実行し、紙葉類受入口から挿入された紙葉類Wを返却する(ステップS301)。
ここで、紙葉類処理装置が島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13と通信可能に接続されている場合には、制御部(図示しない)は、管理装置13に本物でない紙葉類Wを受け入れたことの情報を出力し、管理装置13において履歴情報として管理する(ステップS302)。
一方、ステップS300の判定で、紙葉類Wが本物であると判定した場合(ステップS300のOK)には、続いて、制御部は、例えば、紙葉類排出口に連通させて設けられた紙葉類搬送手段からの情報に基づいて、紙葉類搬送手段における紙葉類Wの搬送が、詰りなどの問題を生じることなく実行されているか否かを判定する(ステップS303)。
ステップS303の判定で、紙葉類Wの搬送が順調に実行されていると判定した場合(ステップS303のOK)には、制御部は、上記した紙葉類Wを本線通路を通して紙葉類排出口に搬送する本線通路搬送処理(C−1またはC−2)を実行し、紙葉類Wを紙葉類搬送手段に導く(ステップS304)。なお、第3の実施形態の紙葉類処理装置270においては、紙葉類Wを本線通路を通して紙葉類排出口に搬送する本線通路搬送処理は実行されないが、紙葉類Wを本線通路を搬送する処理は実行される。
一方、ステップS303の判定で、紙葉類Wの搬送に問題が生じていると判定した場合(ステップS303のNG)には、制御部は、上記した紙葉類Wを分岐通路を通して紙葉類収容部に収容する紙葉類収容処理(D−1またはD−2)を実行し、紙葉類Wを紙葉類収容部に収容する(ステップS305)。ここで、第3の実施形態の紙葉類処理装置270においては、制御部は、紙葉類Wを本線通路215の所定位置に搬送し、紙葉類Wを紙葉類収容部240に収容する紙葉類収容処理(D−3)を実行し、紙葉類Wを紙葉類収容部に収容する。
(紙葉類処理2)
紙葉類処理2は、紙葉類収容部に収容された紙葉類Wを紙葉類排出口に搬送する処理である。
まず、制御部(図示しない)は、紙葉類収容部に設けられた紙葉類Wの有無を検知する検知センサ(図示しない)からの情報に基づいて、紙葉類収容部に紙葉類Wが収容されているか否かを判定する(ステップS310)。
ステップS310の判定で、紙葉類収容部に紙葉類Wが収容されていないと判定した場合(ステップS310のNo)には、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS310の判定で、紙葉類収容部に紙葉類Wが収容されていると判定した場合(ステップS310のYes)には、続いて、制御部は、例えば、紙葉類排出口に連通させて設けられた紙葉類搬送手段からの情報に基づいて、紙葉類搬送手段における紙葉類Wの搬送が、詰りなどの問題を生じることなく実行されているか否かを判定する(ステップS311)。
ステップS311の判定で、紙葉類Wの搬送に問題が生じていると判定した場合(ステップS311のNG)には、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS311の判定で、紙葉類Wの搬送が順調に実行されていると判定した場合(ステップS311のOK)には、上記した紙葉類収容部に収容された紙葉類Wを排出して紙葉類排出口に搬送する紙葉類排出処理(E−1、E−2またはE−3)を実行し、紙葉類Wを紙葉類搬送手段に導く(ステップS312)。
(台間機3)
次に、本発明に係る紙葉類処理装置を搭載した台間機3について、図を参照して説明する。
図40は、台間機3の正面を示した平面図である。図41は、台間機3の内部構成を示す概要図である。
台間機3(ユニット)は、パチンコ機2と情報通信ができるので、パチンコ機2の貸玉ボタンが押されると、パチンコ機2内部からパチンコ機2の上皿へ直接パチンコ玉を供給することができる。
また、台間機3には、カード挿入口3a、貸玉ボタン3b(遊技機に貸玉ボタンを有しているので台間機3(ユニット)にはない場合もある。)、再プレー用排出ボタン3c、返却ボタン3d、表示部3e、状態表示ランプ3f、カード回収部3g、リモコン受光部3h、カード種別表示部3i、紙幣挿入口3jなどが設けられている。ここで、紙幣挿入口3jは、上記した紙葉類処理装置100、200における紙葉類受入口111、241に相当する。
また、図41に示すように、台間機3内には、制御部350、カード処理機360、電源回路370、紙葉類処理装置380などが設置されている。
カード処理機360は、カード挿入口3aから挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードからIDなどの情報を読み取るものであり、例えば、リーダライタなどで構成される。また、カード処理機360は、カード処理機360内に設けられた度数が0となった非会員用カードを貯留するカード貯留部から非会員用カードを取り出し、例えば、IDなどを記録してカード挿入口3aから再発行することもできる。
また、1枚の会員用ICカードまたは非会員用ICカードがカード挿入口3aから挿入されると、例えば、ソレノイドなどの機械的手段によって、カード挿入口3aが封鎖されるので、他の会員用ICカードまたは非会員用ICカードを挿入することはできなくなる。これによって、複数の会員用ICカードまたは非会員用ICカードがカード挿入口3aに挿入されることで生じるカード詰りなどを防止することができる。また、ソレノイドなどの機械的手段を用いずに、他の方法でカード詰りなどを防止してもよい。
貸玉ボタン3bは、遊技者がパチンコ玉の貸し出しを要求するときに、押されるボタンである。例えば、貸玉ボタン3bが1回押されると500円分のパチンコ玉が貸し出しされる。なお、パチンコ玉の貸し出しは、標準的には500円単位で行われ、100円分(25玉)づつ5回に分けて貸し出される。
再プレー用排出ボタン3cは、再プレー受付機12において再プレー手続が行われた会員用ICカード使用時にのみ利用され、再プレー用に利用することができるパチンコ玉を排出するときに押される。ここで、再プレーとは、計数機9において計数され貯玉された貯玉数のうち所定の金額(例えば1万円)に相当する玉数を再プレー用貯玉数とし、その再プレー用貯玉数分の遊技媒体の排出によって、遊技をすることをいう。また、再プレー受付機12とは、会員用ICカードに記憶されたIDとともに、管理装置13の再プレーFLG、貯玉数および再プレー用貯玉数の情報を書き換えるための要求信号を、ネットワーク8を介して管理装置13に送信し、再プレーを行える状態にするものである。再プレーFLGは、管理装置13に書き込まれている情報で、再プレーを可能にしたり、不可能にしたりするものであり、例えば、「1」が書き込まれていれば再プレー可能、「0」が書き込まれていれば再プレー不可能になる。
返却ボタン3dは、カード挿入口3aから挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードを排出させるための操作ボタンで、特に、遊技終了時などに押されるものである。
表示部3eは、例えば、実際に利用可能な度数残高などを表示するものである。また、表示部3eにおける表示は、複数の表示情報を同時に行ったり、また、交互に行うことなどができる。これによって、度数を確認でき、入金のタイミングを図ることができ、実際に利用可能な度数残高を知ることができる。また、表示部3eには、例えば、「1000円のみ入金可」、「会員」、「再プレー」、「○○万○○○.○」などの度数以外の情報を表示してもよい。
状態表示ランプ3fは、台間機3の状態を視覚的に識別するためのもので、例えば、エラー発生時は赤色点滅、正常動作時には緑色点灯する。電源がOFF状態とされ、オフライン動作中は消灯される。
カード回収部3gは、カード処理機360の非会員用カードを貯留するカード貯留部において、非会員用カードの貯留限度量に達した場合に、非会員用カードを回収するものである。カード回収部3gに回収された非会員用カードは、従業員などによって、例えば、営業終了後などに回収される。
リモコン受光部3hは、遊技ホールの従業員が使用するリモコンを受光する部分である。
カード種別表示部3iは、例えば、緑点灯、赤点灯、青点灯の3種類の点灯が可能である。緑点灯では、キャッシュオン、すなわち直接紙幣が使用されカードが挿入されていないことを示し、赤点灯では、非会員用ICカードが使用されていることを示し、青点灯では、会員用ICカードが使用されていることを示す。
制御部350は、台間機3内の各構成機器の制御、台間機3以外の、例えば、島コンピュータ7などとの情報通信を行うものであり、インターフェース回路350a、CPU350b、ROM350c、RAM350dから主に構成される。
電源回路370は、台間機3内の各構成機器を駆動するための電力を各構成機器に供給するものである。
紙葉類処理装置380は、前述した紙葉類処理装置100、200である。
ここで、会員用ICカードおよび非会員用ICカードは、従来から遊技システムで使用されているICチップを有する記憶媒体であり、カード形状などを有している。これらの会員用ICカードや非会員用ICカードは、ICチップと、そのICチップを取り巻くアンテナ部とを有する非接触型の記憶媒体であり、アンテナ部を介してICチップに情報の読み書きをすることができる。なお、会員の遊技者とは、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの属性情報が会員の遊技者を互いに識別するIDに基づいて管理装置に登録され、会員用ICカードを有する遊技者をいう。また、非会員の遊技者とは、会員登録されていない一般の遊技者をいう。
会員用ICカードまたは非会員用ICカードを用いた管理システムにおいては、それぞれについて、次に示した管理システムの内のいずれか1つを採用することができる。
会員用ICカードは、(1)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステム、または、(2)ID以外に度数などの有価情報などの情報を有し、さらに、その情報は管理装置13においても管理されるシステムを採用することができる。
ここで、会員用ICカードを用いた場合の情報とは、ID、度数、貸玉、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、入金、追加入金、貸玉数、貯玉数、再プレー用貯玉数、再プレー手数料、ポイント、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの会員情報などをいう。また、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。また、上記ポイントには、来店ポイント(台間機に会員用ICカードを差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。また、会員用ICカードを用いた場合の管理装置13によって管理される情報は、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。
非会員用ICカードは、(3)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステム、(4)度数などの有価情報などの情報を有し、管理装置13においてはその情報を管理しないシステム、(5)ID以外に度数などの有価情報などの情報を有し、さらに、その情報は管理装置13においても管理されるシステムを採用することができる。(4)は、管理装置13において情報の管理をする必要がある会員用ICカードには採用されない。
ここで、非会員用ICカードを用いた場合の情報とは、度数、貸玉、入金、追加入金、貸玉数などの情報、これらの情報を所定の期間に限って管理する情報などをいう。また、非会員用ICカードを用いた場合の管理装置13によって管理されている情報は、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。
なお、本実施の形態では、会員用ICカードについては、上述した(1)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理される場合について説明するが、勿論、上述した他の管理システム(2)も採用することができる。さらに、非会員用ICカードについては、上述した(3)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理される場合について説明するが、勿論、上述した他の管理システム(4)、(5)も採用することができる。
(台間機3の動作)
次に、紙葉類処理装置380を備える台間機3の動作について、図42〜図45を参照して説明する。なお、他の台間機4、6においても、基本的な動作は同じである。
図42は、台間機3の構成部を示す図、図43〜図45は、台間機3における動作の流れを示す図である。
また、ここでは、会員用ICカードまたは非会員用ICカードは、IDだけを有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステムにおける動作の説明をする。さらに、この説明では、会員用ICカードを利用する場合には、再プレー受付機12で再プレー受付された後においては、再プレーFLGが「1」、再プレーに利用可能な玉数を再プレー用貯玉数として管理装置13が有しているシステムであることを前提とする。
図42に示すように、台間機3は、制御部400、カード処理部401、選択ボタン検知部402、紙葉類処理部403から主に構成されている。
制御部400は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて、各種の演算処理を実行する。この制御部400では、カード処理部401、選択ボタン検知部402、紙葉類処理部403の各機部間の信号の出入力、および、島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13との間の信号の出入力を制御している。ここで、島コンピュータ7は、パチンコ機2、スロットマシーン5および台間機3と、ネットワーク8との間の情報の通信を行うもので、データロガなどで構成されている。
カード処理部401は、カード挿入口3aから挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードに記録された、例えば、IDやそのIDで管理されている有価情報などの読み取り、その読み取った情報の制御部400への出力、制御部400からの更新された有価情報などの会員用ICカードまたは非会員用ICカードへの書き込みなどを行うもので、例えば、リーダライタなどを構成要素として備えている。また、カード処理部401は、カード挿入口3aから挿入された非会員用ICカードのカード貯留部への貯留、カード貯留部からの取り出しまたはカード回収部への搬送を行う機能も有している。また、カード貯留部が、貯留できる非会員用ICカードの貯留限界量に達したか否かを判定する機能も有している。また、カード処理部401は、非会員用ICカードを発行する場合に、上記したリーダライタなどで非会員用ICカードにIDなどを記録する。
さらに、カード処理部401は、搬送ベルトなどによるカード搬送手段(図示しない)を有し、カード挿入口3aから挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードを搬送する。さらに、カード処理部401は、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送が、適切に行われたか否かを検知する各種センサを備える。このセンサとして、例えば、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの挿入を検知する挿入検知センサ、会員用ICカードまたは非会員用ICカードが所定の位置にセットされたことを検知する位置セット検知センサ、非会員用ICカードがカード回収部へ移動されたことを検知する落下検知センサなどが挙げられる。
選択ボタン検知部402は、貸玉ボタン3b、再プレー用排出ボタン3c、返却ボタン3dが押されたことを検知し、その押された信号に基づいて、制御部400に信号を出力するものである。
紙葉類処理部403は、紙葉類処理装置100、200で構成され、上述したように、4種類の紙幣の識別処理、紙幣の返却処理、紙幣を本線通路を通して紙葉類排出口に搬送する本線通路搬送処理、紙幣を分岐通路を通して紙葉類収容部に収容する紙葉類収容処理、紙葉類収容部に収容された紙幣を排出して紙葉類排出口に搬送する紙葉類排出処理などを行う。
そして、制御部400によって制御される、カード処理部401、選択ボタン検知部402、紙葉類処理部403の各機器部は、次のように動作する(図43〜図45)。
以下に、図43〜図45を参照して、その動作を説明する。
カード処理部401は、カード挿入口3aからの会員用ICカードまたは非会員用ICカードの挿入を待機しており、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの挿入を検知すると、それに応じた処理を実行する。また、紙葉類処理部403は、紙幣挿入口3jからの紙幣の挿入を待機しており、紙幣の挿入を検知すると、それに応じた処理を実行する。
まず、制御部400は、紙葉類処理部403に、上述した紙葉類収容部に収容された紙葉類Wを紙葉類排出口に搬送する処理である紙葉類処理2(図39参照)を実行させる(ステップS410)。
続いて、制御部400は、紙葉類処理部403からの情報に基づいて、紙幣の受け入れがされたか否かを判定する(ステップS411)。
ステップS411の判定で、紙幣の受け入れがされたと判定した場合(ステップS411のYes)には、紙葉類処理部403は、その情報を制御部400に出力し、制御部400は、紙幣挿入口3jの近傍に設けられた入金可ランプ(図示しない)を消灯させ、それ以上の入金を禁止することを遊技者に示す(ステップS412)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段(図示しない)を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されるのを防止する(ステップS413)。
続いて、制御部400は、入金処理である紙葉類処理が完了したか否かを紙葉類処理部403からの信号に基づいて判定する(ステップS414)。
ステップS414の判定で、紙葉類処理が完了していないと判定した場合(ステップS414のNo)には、制御部400は、紙葉類処理部403に、上述した挿入された紙葉類Wを紙葉類排出口または紙葉類収容部に搬送する処理である紙葉類処理1(図38参照)を実行させる(ステップS415)。
一方、ステップS414の判定で、紙葉類処理が完了したと判定した場合(ステップS414のYes)には、紙葉類処理部403は、紙幣の入金額に対応する情報を制御部400に出力する。また、カード処理部401は、常に会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されたか否かを判定している。そして、カード処理部401によって、会員用ICカードまたは非会員用ICカードがカード処理部401に挿入されていることが判定された場合、カード処理部401で会員用ICカードまたは非会員用ICカードのIDが読み取られ、制御部400に出力される。制御部400は、紙葉類処理部403からの紙幣の入金額に対応する度数とカード処理部401からのIDの情報を島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13に送信する(ステップS416)。管理装置13に送信された情報は、管理装置13に記録される(ステップS416)。ここで挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードが読み取りまたは書き込みが不可能な場合は、カード処理部401は、会員用ICカードまたは非会員用ICカードを返却する。
一方、カード処理部401によって、会員用ICカードまたは非会員用ICカードがカード処理部401に挿入されていないと判定された場合、カード処理部401は、非会員用ICカードをカード貯留部から取り出す。そして、カード処理部401は、取り出された非会員用ICカードにIDを付与し、制御部400は、そのIDを管理装置13に出力する(ステップS417)。
続いて、制御部400は、表示部3eに、入金額に対応する度数、使用可能度数などを表示するための表示情報を出力する。表示部3eは、その表示情報に基づいて入金額に対応する度数、使用可能度数などを、例えば、LEDなどを発光させて表示する(ステップS418)。なお、紙葉類処理の完了は、非会員用ICカードのIDに基づいて、度数などが制御部400に適正に記録されたか確認(ベリファイ)することでなされ、それが確認できるまで制御部400は待機状態となる。
続いて、制御部400の入金履歴がクリアされる(ステップS419)。
さらに、制御部400は、紙幣挿入口3jの近傍に設けられた入金可ランプ(図示しない)を点灯させ、入金が可能であることを遊技者に示す(ステップS420)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードを挿入可能にする(ステップS421)。そして、リターンし、スタートに戻る。
ステップS411の判定で、紙葉類処理部403が紙幣を受け入れていないと判定した場合(ステップS411のNo)には、紙葉類処理部403は、その情報を制御部400に出力する。続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されているか否かを判定する(ステップS422)。
ステップS422の判定で、会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されていないと判定した場合(ステップS422のNo)には、制御部400は、貯留用の非会員用ICカードの補充要求に関する情報を管理装置13に出力し、管理装置13は、その情報を受信すると、例えば、場内放送などによって、その台番号と補充指示を従業員に通知する(ステップS423)。
続いて、制御部400は、紙幣挿入口3jの近傍に設けられた入金可ランプ(図示しない)を点灯させ、入金が可能であることを遊技者に示す(ステップS424)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードを挿入可能にする(ステップS425)。そして、リターンし、スタートに戻る。
一方、ステップS422の判定で、会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されていると判定した場合(ステップS422のYes)には、制御部400は、その情報に基づいて、挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードをリーダライタ部に移動させるための情報をカード処理部401に出力する。そして、カード処理部401のカード搬送手段が駆動され、挿入された会員用ICカードまたは非会員用ICカードは、リーダライタ部と通信可能な所定の位置に移動される(ステップS426)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されるのを防止する(ステップS427)。
続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの情報の読み取りおよび/または書き込みが可能か否かを判定する(ステップS428)。
ステップS428の判定で、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの情報の読み取りおよび/または書き込みが可能でないと判定した場合(ステップS428のNo)には、制御部400は、情報の読み取りまたは書き込みが不可能な不良のカードを返却させる情報をカード処理部401に出力する。そして、カード処理部401は、カード搬送手段を駆動し、不良のカードをカード挿入口3aから返却する(ステップS429)。
続いて、制御部400は、表示部3eに、挿入されたカードが読み取りおよび/または書き込みができない不良カードであることを表示するための表示情報を表示部3eに出力し、表示部3eに、例えば、「エラーコード○○○」、「不良カード」、「読み取りおよび/または書き込み不可能」などの表示をする(ステップS430)。
また、制御部400は、島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13に、これらのエラー情報を出力する。さらに、制御部400は、状態表示ランプ3fにエラー発生中を示す赤点滅表示させる(ステップS431)。また、ブザー、場内放送などでエラーが発生したことを報知してもよい。
さらに、制御部400は、紙幣挿入口3jの近傍に設けられた入金可ランプ(図示しない)を消灯させ、それ以上の入金を禁止することを遊技者に示す(ステップS432)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入されるのを防止する(ステップS433)。
続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、情報の読み取りおよび/または書き込みが不能であるためカード搬送不良の原因となるカードが取り除かれるなど、エラーが解除されたか否かを判定する(ステップS434)。
ステップS434の判定で、エラーが解除されていないと判定した場合(ステップS434のNo)には、再びステップS434の処理を実行する。
一方、ステップS434の判定で、エラーが解除されたと判定した場合(ステップS434のYes)には、エラー履歴がクリアされ(ステップS435)、ステップS420の処理を実行する。
ステップS428の判定で、会員用ICカードまたは非会員用ICカードの情報の読み取りおよび/または書き込みが可能であると判定した場合(ステップS428のYes)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、搬送不良などのその他の不良がないか否かを判定する(ステップS436)。
ステップS436の判定で、その他の不良があると判定した場合(ステップS436のYes)には、上記したステップS429からの処理を実行する。
一方、ステップS436の判定で、その他の不良がないと判定した場合(ステップS436のNo)には、制御部400は、状態表示ランプ3fに正常動作中を示す緑色点灯表示させる(ステップS437)。
さらに、制御部400は、紙幣挿入口3jの近傍に設けられた入金可ランプ(図示しない)を点灯させ、入金可能であることを遊技者に示す(ステップS438)。続いて、図44に示す「1」からの処理を実行する。
次に、図44を参照して、「1」からの処理について説明する。
制御部400は、選択ボタン検知部402からの情報に基づいて、貸玉ボタン3bが押されたか否かを判定する(ステップS450)。
ステップS450の判定で、貸玉ボタン3bが押されたと判定した場合(ステップS450のYes)には、使用可能度数を表示するための情報を表示部3eに出力する。表示部3eでは、その情報に基づいて、貸玉して消費した度数を差し引いた残りの使用可能度数を表示する(ステップS451)。
続いて、制御部400は、会員用ICカードまたは非会員用ICカードのIDと、減算された度数残高を管理装置13へ送信する。管理装置13は、これらの情報をID毎に書き込む(ステップS452)。
さらに、会員用ICカードが利用されている場合には、管理装置13では、貸玉要求信号に相当する度数に応じて付与されるポイントをIDに基づいて加算する(ステップS453)。
ステップS450の判定で、貸玉ボタン3bが押されていないと判定した場合(ステップS450のNo)には、続いて、制御部400は、選択ボタン検知部402からの情報に基づいて、再プレー用貸玉ボタン3cが押されたか否かを判定する(ステップS454)。
ステップS454の判定で、再プレー用貸玉ボタン3cが押されたと判定した場合(ステップS454のYes)には、制御部400は、再プレー用貸玉要求信号をIDに基づいて、管理装置13に出力する。管理装置13は、IDに基づいて管理されている再プレーFLGの値を制御部400に出力する。続いて、制御部400では、管理装置13からの再プレーFLGの値を判定する(ステップS455)。ここで、再プレー受付機12で受付されたときには、管理装置13内の記録値である再プレーFLGが「1」となり、受付されていないときには、再プレーFLGが「0」となっている。
ステップS455の判定で、再プレーFLGが「1」であると判定した場合(ステップS455の「1」)には、制御部400は、再プレー可能貯玉数に対応する度数を表示するための情報を表示部3eに出力する。表示部3eでは、その情報に基づいて再プレー可能貯玉数に対応する度数を表示する(ステップS456)。
また、制御部400は、再プレー用貸玉要求信号をパチンコ機2の制御部に出力する(ステップS457)。パチンコ機2の制御部は、パチンコ機2から所定数のパチンコ玉の貸し出しを行わせる(ステップS457)。また、制御部400は、再プレー用貸玉要求信号に相当する玉数の情報を管理装置13に出力する。そして、管理装置13では、再プレー用貯玉数から再プレー用貸玉要求信号に相当する玉数が減算され、減算後の再プレー用貯玉数がID毎に書き込まれる(ステップS457)。
ステップS455の判定で、再プレーFLGが「0」であると判定した場合(ステップS455の「0」)には、パチンコ玉の貸し出しは行われず、図45の「2」からの処理を実行する。このときには、例えば、制御部400は、表示部3eに「再プレーできません。」などの表示をさせることもできる。
ステップS454の判定で、再プレー用貸玉ボタン3cが押されていないと判定した場合(ステップS454のNo)、ステップS453またはステップS457の処理後、制御部400は、管理装置13から再プレー用貯玉数の情報を受信し、その情報に基づいて再プレー用貯玉数が「0」か否かを判定する(ステップS458)。
ステップS458の判定で、再プレー用貯玉数が「0」であると判定した場合(ステップS458のYes)には、制御部400は、再プレーFLGの数値を「0」に書き換える情報を管理装置13に出力する(ステップS459)。そして、管理装置13では、IDに基づいて再プレーFLGの数値を「0」に書き換える(ステップS459)。そして、図45の「2」からの処理を実行する。
一方、ステップS458の判定で、再プレー用貯玉数が「0」でないと判定した場合(ステップS458のNo)には、図45の「2」からの処理を実行する。
次に、図45を参照して、「2」からの処理について説明する。
制御部400は、選択ボタン検知部402からの情報に基づいて、返却ボタン3dが押されたか否かを判定する(ステップS470)。
ステップS470の判定で、返却ボタン3dが押されたと判定した場合(ステップS470のYes)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、非会員用ICカードがあるか否かを判定する(ステップS471)。
ステップS471の判定で、非会員用ICカードがないと判定した場合(ステップS471のNo)には、制御部400は、カード処理部401に、カード挿入口3aより会員用ICカードを返却する情報を出力する。カード処理部401は、その情報に基づいて会員用ICカードを返却し(ステップS472)、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS471の判定で、非会員用ICカードがあると判定した場合(ステップS471のYes)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、非会員用ICカードに度数残高があるか否かを判定する(ステップS473)。
ステップS473の判定において、非会員用ICカードに度数残高があると判定した場合(ステップS473のYes)には、制御部400は、カード処理部401に、カード挿入口3aより非会員用ICカードを返却する情報を出力する。そして、カード処理部401は、その情報に基づいて非会員用ICカードを返却する(ステップS474)。
続いて、制御部400は、例えば、カード挿入防止手段を作動させ、カード挿入口3aから会員用ICカードまたは非会員用ICカードが挿入できるようにする(ステップS475)。
また、制御部400は、返却ボタンのON履歴をクリアする(ステップS476)。
ステップS473の判定において、非会員用ICカードに度数残高がないと判定した場合(ステップS473のNo)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、カード貯留部における貯留量が限界か否かを判定する(ステップS477)。
ステップS477の判定で、カード貯留部における貯留量が限界であると判定した場合(ステップS477のYes)には、制御部400は、非会員用ICカードのカード排出部への誘導動作を行わせる情報をカード処理部401に出力する。そして、カード処理部401は、非会員用ICカードをカード回収部3gへ搬送する(ステップS478)。そして、ステップS475の処理を実行する。
一方、ステップS477の判定で、カード貯留部における貯留量が限界でないと判定した場合(ステップS477のNo)には、制御部400は、非会員用ICカードのカード貯留部への貯留動作を行わせる情報をカード処理部401に出力する。そして、カード処理部401は、非会員用ICカードをカード貯留部に貯留する(ステップS479)。そして、ステップS475の処理を実行する。
ステップS470の判定で、返却ボタン3dが押されていないと判定した場合(ステップS470のNo)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、会員用ICカードが挿入されているか否かを判定する(ステップS480)。
ステップS480の判定で、会員用ICカードが挿入されていると判定した場合(ステップS480のYes)には、制御部400は、状態表示ランプ3fに青色を点灯させ(ステップS481)、ソレノイドでカード挿入口3aを封鎖させる(ステップS482)。そして、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS480の判定で、会員用ICカードが挿入されていないと判定した場合(ステップS480のNo)には、続いて、制御部400は、カード処理部401からの情報に基づいて、非会員用ICカードが挿入されているか否かを判定する(ステップS483)。
ステップS483の判定で、非会員用ICカードが挿入されていると判定した場合(ステップS483のYes)には、制御部400は、状態表示ランプ3fに赤色を点灯させ(ステップS484)、ソレノイドでカード挿入口3aを封鎖させる(ステップS482)。そして、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS483の判定で、非会員用ICカードが挿入されていないと判定した場合(ステップS483のNo)には、リターンしてスタートに戻る。
(管理装置13)
図46は、管理装置13の構成部を示す図、図47は、管理装置13における動作の流れを示す図である。
図1に示されているように、管理装置13は、複数のパチンコ機2、複数のパチンコ機2のそれぞれに接続された台間機3、4、複数のスロットマシーン5、スロットマシーン5のそれぞれに接続された台間機6と島コンピュータ7およびネットワーク8を介して接続されている。また、管理装置13は、計数機9、精算機10、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発行機20、データ表示機21、データ公開機22などともネットワーク8を介して接続されている。さらに、例えば、紙葉類処理装置100、200が単独で設置された場合には、管理装置13は、その紙葉類処理装置100、200ともネットワーク8を介して接続される。
さらに、ネットワーク8を介して管理装置13に入力された情報は、プロトコルコンバータ14、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。また、管理装置13は、例えば、パーソナルコンピュータ17などとも接続され、パーソナルコンピュータ17で管理装置13の情報を見ることができる。また、パーソナルコンピュータ17は、管理装置13で管理している各情報にアクセスことができるので、各情報の表示や印刷をすることができる。さらに、パーソナルコンピュータ17では、例えば、再プレー手数料の設定などの管理装置13の種々の設定や会員登録などを行うこともできる。
管理装置13は、紙葉類処理装置100、200、台間機3、4、6、計数機9、精算機10、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発行機20、データ表示機21、データ公開機22などの機器からの情報を管理するものである。
また、管理装置13は、各遊技機における、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を各遊技機の上部に取り付けられたデータ表示機21に出力することもできる。データ表示機21では、こられの情報を表示部に表示して、遊技台の情報を遊技者に提供する。
さらに、管理装置13は、例えば、各遊技機におけるスランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報、遊技台ランキング、遊技台毎の勝敗などの情報をデータ公開機22に出力することもできる。データ公開機22では、こられの情報を表示部に表示して、遊技台の情報を遊技者に提供する。
図46に示すように、管理装置13は、制御部500、会員カード情報管理部501、非会員カード情報管理部502、出力処理部503から主に構成されている。
制御部500は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部500では、会員カード情報管理部501、非会員カード情報管理部502、出力処理部503の各機部間の信号の出入力、および、ネットワーク8を介して各機器との間の信号の出入力を制御している。また、制御部500は、管理装置13とネットワーク8を介して各機器の制御部と通信できるように接続されている。
なお、ここで管理装置13は、役割分担した同一ネットワーク上の複数のコンピュータシステムで構成することもできる。例えば、カード管理用、顧客管理用、遊技台管理用、データ表示機管理用などの複数のコンピュータシステムを用いれば、それだけ各役割を高速に実行することができる。
会員カード情報管理部501は、各機器に会員用ICカードが用いられたときの情報を管理するものである。また、会員カード情報管理部501において管理している各種情報は、管理装置13に接続された、例えば、パーソナルコンピュータ17などで見ることができる。
会員用ICカードが用いられた場合には、会員用ICカードのIDに基づき、例えば、貯玉数、度数残高、再プレー用貯玉数、ポイント、台間機または発行機に挿入した金額、精算金額などを管理している。これらのデータは、会員用ICカードのID毎に管理され、さらに、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理される。
なお、会員用ICカードを用いた会員の遊技者用の管理項目は、上記した管理項目に限るものではなく、例えば、遊技した遊技台種毎のアウト(発射玉)、セーフ(遊技の上皿への供給玉、つまり遊技者の獲得玉)、勝敗情報(セーフからアウトを減じたもの)、大当たり回数、CR機売上などの情報や、会員の遊技者の住所、氏名、年齢、好きな台、連絡先なども管理項目とすることもできる。
非会員カード情報管理部502は、各機器に非会員用ICカードが用いられたときの情報を管理するものである。また、非会員カード情報管理部502において管理している各種情報は、管理装置13に接続された、例えば、パーソナルコンピュータ17などで見ることができる。
非会員用ICカードが用いられた場合には、非会員用ICカードのIDに基づき、例えば、度数残高、台間機または発行機に挿入した金額、精算金額、度数有効期間などを管理している。これらのデータは、非会員用ICカードのID毎に管理される。非会員用ICカードを用いる場合には、度数残高を保持できる期間が、例えば、1日などのように限られているので、度数有効期間を管理している。この期間を超えた場合には、例えば、精算機10で度数残高を精算し、現金化することなどが不可能となる。なお、レシート発券時の簡易管理IDおよび玉数(計数機9で計数されたもの)の情報は、偽造されたレシートが使用されるのを防ぐために、一時的に管理されている。したがって、景品管理機(POS)11における景品交換時において、レシートの適正を確認した後には、簡易管理IDおよび玉数の情報は、管理装置13から消去される。
出力処理部503は、カードセンタ16に送信する、例えば、一日の営業結果などの情報を、会員カード情報管理部501および非会員カード情報管理部502に管理されているデータに基づいて管理している。例えば、パーソナルコンピュータ17などから終業処理の信号が管理装置13に入力されると、カードセンタ16に送信する情報を制御部500を介してプロトコルコンバータ14に出力する。プロトコルコンバータ14に出力された情報は、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。
そして、制御部500によって制御される、会員カード情報管理部501、非会員カード情報管理部502、出力処理部503の各機器部は、次のように動作する(図47)。なお、ここでは、管理装置13に入力された情報の管理動作について主に説明する。
以下に、図47を参照してその動作を説明する。
管理装置13の制御部500に、発行機20、再プレー受付機12、台間機3、4、6、計数機9、景品管理機(POS)11、精算機10などからの情報が入力される(ステップS510)。
制御部500は、ステップS510で入力された情報に基づいて、会員用ICカードのを用いた場合の情報か否かを判定する(ステップS511)。
ステップS511の判定で、会員用ICカードのを用いた場合の情報であると判定した場合(ステップS511のYes)には、入力された情報は、会員カード情報管理部501に出力される(ステップS512)。会員カード情報管理部501では、その入力された情報に基づいて、IDおよび項目毎に入力情報が管理される(ステップS512)。
ステップS511の判定で、会員用ICカードのを用いた場合の情報でないと判定した場合(ステップS511のNo)には、入力された情報は、非会員カード情報管理部502に出力される(ステップS513)。非会員カード情報管理部502では、その入力された情報に基づいて、IDおよび項目毎に入力情報を管理する(ステップS513)。
続いて、制御部500は、出力処理部503からの情報に基づいて、パーソナルコンピュータ17などから終業処理信号が入力されたか否かを判定する(ステップS514)。
ステップS514の判定で、終業処理信号が入力されていないと判定した場合(ステップS514のNo)には、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS514の判定で、終業処理信号が入力されたと判定した場合(ステップS514のYes)には、出力処理部503から、例えば、会員カード情報管理部501および非会員カード情報管理部502で管理されているデータに基づいて集計された一日の営業結果などの情報が、制御部500、プロトコルコンバータ14およびモデム15を介してカードセンタ16に送信される(ステップS515)。
続いて、制御部500は、出力処理部503からの情報に基づいて、パーソナルコンピュータ17などからデータ送信要求信号が入力されたか否かを判定する(ステップS516)。
ステップS516の判定で、データ送信要求信号が入力されていないと判定した場合(ステップS516のNo)には、リターンしてスタートに戻る。
一方、ステップS516の判定で、データ送信要求信号が入力されたと判定した場合(ステップS516のYes)には、会員カード情報管理部501および非会員カード情報管理部502に管理されているデータに基づいて、要求された情報をパーソナルコンピュータ17などに出力する(ステップS517)。そして、会員カード情報管理部501および非会員カード情報管理部502に管理されているデータに基づいて、出力されたデータは、パーソナルコンピュータ17の画面に表示される。
また、管理装置13では、例えば、非会員用ICカードにおける度数残高の有効期限の切れた情報をID毎に判定し、有効期限が切れた度数残高の情報を有する場合には、その情報を削除する(ステップS518)。
続いて、管理装置13は、始業処理を実行する(ステップS519)。ここで、始業処理は、パワーONにて割り込み処理にて別途実施する。始業処理とは、上記した各機器との通信がネットワークを介して可能か否かどうか、および各機器の自己診断機能により、各機器における故障の有無を確認することである。この確認において、各機器との通信ができない場合や各機器で故障があると判断された場合には、それに伴う情報が店員に報知される。
上記した本発明に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法、紙葉類処理機能付き台間機および紙葉類処理システムによれば、紙葉類を本線通路を通して紙葉類排出口に搬送する本線通路搬送処理、紙葉類を分岐通路を通して紙葉類収容部に収容する紙葉類収容処理、および紙葉類収容部に収容された紙葉類を排出して紙葉類排出口に搬送する紙葉類排出処理を実行することができる。これによって、例えば、紙葉類排出口から紙葉類が排出された以降の搬送処理において、搬送不良などを生じても、一時的に紙葉類収容部に収容することができる。さらに、紙葉類排出口から紙葉類が排出された以降の搬送不良が改善された場合には、一時的に紙葉類収容部に収容されていた紙葉類を、紙葉類排出口からその搬送手段に排出することができる。
また、分岐ガイドを本線通路側に回転させ、分岐ガイドと送り突起部との間に挟まれた紙葉類の後端部を解放し、すでに収容されている紙葉類W上にすべての紙葉類Wを積層することができる。これによって、紙葉類Wの後端部を分岐ガイドと送り突起部との間に挟まれなくなるまで、送り込む必要がなく、紙葉類収容部の長手方向(紙葉類収容部に紙葉類を搬送する方向)のサイズを小さくすることができ、紙葉類処理装置のコンパクト化を図ることができる。また、この紙葉類処理装置を搭載した台間機では、奥行き方向のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、紙葉類処理システムによれば、紙葉類処理装置や紙葉類処理装置を備える台間機における種々のデータなどを管理装置に記憶させ、必要に応じて情報を管理装置から取り出すことなどが可能となる。
なお、本発明に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法、紙葉類処理機能付き台間機および紙葉類処理システムは、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、構成、システムの制御などは本発明の技術的思想の範囲で拡張、変更することができる。
1…紙葉類処理システム、2…パチンコ機、3、4、6…台間機、5…スロットマシーン、7…島コンピュータ、8…ネットワーク、9…計数機、10…精算機、11…景品管理機(POS)、12…再プレー受付機、13…管理装置、14…プロトコルコンバータ、15…モデム、16…カードセンタ、17…パーソナルコンピュータ、18…景品払出機、19…貯留機構付き紙幣識別装置、20…発行機、21…データ表示機、22…データ公開機、100…紙葉類処理装置、110…搬送ベルト、111…紙葉類受入口、112、113、114、115、116、117、118…プーリ、119、120、121…押圧ローラ、122…回転軸、123a、123b、123c…スペーサ、124…紙葉類送り部材、125a、125b…送り突起部、130…分岐ガイド、137…導入板、140…紙葉類排出口、141…本線通路、142…紙葉類収容部、143…分岐通路、144…壁面、160…紙葉類検知センサ、161a、161b…識別センサ、170…押圧板、171…回転軸、172…磁石、W…紙葉類。