JP2007105072A - 靴 - Google Patents
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Abstract
【課題】 靴としての体裁を損なったり、デザイン上の制約を伴うことなく、足に違和感や痛みを覚えることのない快適な靴を提供する。
【解決手段】 靴1の甲被3は、非伸縮性材料よりなる中芯材31と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の表面に接合された表材32と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の裏面に接合された裏材33とを備えている。中芯材には、足の内外両側のボールジョイント部A1,A2に対応する部分に、多数の孔311があけられている。中芯材の履き口部にスリット312が入れられ、該スリットの底部を横断するように中芯材の裏面に補強片34が取り付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 靴1の甲被3は、非伸縮性材料よりなる中芯材31と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の表面に接合された表材32と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の裏面に接合された裏材33とを備えている。中芯材には、足の内外両側のボールジョイント部A1,A2に対応する部分に、多数の孔311があけられている。中芯材の履き口部にスリット312が入れられ、該スリットの底部を横断するように中芯材の裏面に補強片34が取り付けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は靴に関し、より詳細には、ストレッチ機能を有する甲被を備えた靴に関する。
この種の靴として、甲被が、非伸縮性材料よりなる中芯材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の表面に接合された表材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の裏面に接合された裏材とで構成され、中芯材における足の内側ボールジョイント部(親指付け根部)および外側ボールジョイント部(小指付け根部)に対応する部分に、それぞれ切欠部が形成されているものが知られている(下記特許文献1参照)。
上記の靴によれば、これを履いた際、足のボールジョイント部の大きさに合わせて甲被が伸びるため、足に違和感を覚えたり痛みを感じたりすることがない、という効果が得られる。
しかしながら、上記の靴の場合、中芯材におけるボールジョイント部に対応する部分が比較的大きく切り欠かれているため該部分の保形性が乏しく、甲被の吊込み時や靴の完成後に、甲被の前記部分の表面が窪み、それによって靴としての体裁が損なわれる場合があった。
一方、甲被の履き口の一部(例えば前縁部)が伸縮バンド等の伸縮性材料によって形成され、それによって足の甲に違和感や痛みを覚えることがなく、履いたり脱いだりし易いように工夫された靴も従来より知られている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、甲被の履き口の一部を伸縮バンド等で構成すると、そこだけ甲被の他の部分と色調、質感等が異なってしまうため、特に甲被全体をデザイン上統一したい場合には適用できないという問題があった。
実用新案登録第3026914号公報
本発明の目的は、靴としての体裁を損なったり、デザイン上の制約を伴うことなく、足に違和感や痛みを覚えることのない快適な靴を提供することにある。
本発明による第1の靴は、甲被が、非伸縮性材料よりなる中芯材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の表面に接合された表材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の裏面に接合された裏材とを備え、中芯材には、足の内外両側のボールジョイント部のうち少なくとも内側のボールジョイント部に対応する部分に、多数の孔があけられているものである。
上記第1の靴にあっては、中芯材におけるボールジョイント部に対応する部分に多数の孔があけられているので、履いた際、足のボールジョイント部の大きさに合わせて、これらに対応する甲被部分が表面側に向かって伸びる。しかも、上記の靴において、中芯材の前記部分は、従来の靴のように切り欠かれておらず、多数の孔があけられているにすぎないので、十分な保形性を有しており、甲被の吊込み時や靴として完成した後に、甲被におけるボールジョイント部に対応する部分が窪まない。
したがって、本発明の第1の靴によれば、これを履いた際に足のボールジョイント部に
違和感や痛みを覚えることがなく、快適な履き心地が得られる上、甲被表面が部分的に窪んで体裁が損なわれるおそれがない。
したがって、本発明の第1の靴によれば、これを履いた際に足のボールジョイント部に
違和感や痛みを覚えることがなく、快適な履き心地が得られる上、甲被表面が部分的に窪んで体裁が損なわれるおそれがない。
本発明による第1の靴において、表材および裏材が、足の内外両側のボールジョイント部に対応する部分において、少なくとも上下方向に伸縮可能であり、前記多数の孔が、それぞれ前後方向に長い長孔よりなるものであるのが好ましい。
上記の構成によれば、ボールジョイント部の形状に合わせて甲被部分が上下方向に伸びやすくなるため、特にボールジョイント部が大きい人が履いても違和感や痛みを覚えることがなく、様々な使用者に対して優れた履き心地を提供することが可能である。また、中芯材の孔を、両端部が半円弧状となる長孔としているため、長期間使用しても中芯材が該孔の両端部から裂けるおそれが少ない。
また、本発明による第1の靴を上記構成とする場合において、より好ましくは、前記多数の孔が、千鳥状に配置される。
中芯材のボールジョイント対応部分に設ける多数の長孔を上記のように千鳥状に配置すれば、例えば複数列並列状に配置した場合と比べて前後に隣り合う長孔どうしの間隔を大きくとることができるため、該部分の強度を高めることができ、また、仮に中芯材が長孔の端部から裂けたしても、前後に隣り合う長孔どうしが繋がるような大きな亀裂には至らず、最小限に止めることができる。
次に、本発明による第2の靴は、甲被が、非伸縮性材料よりなる中芯材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の表面に接合された表材と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材の裏面に接合された裏材とを備え、中芯材の履き口部に少なくとも1本のスリットが入れられているとともに、該スリットの底部を横断するように中芯材の表面または裏面に補強片が取り付けられているものである。
上記第2の靴にあっては、中芯材の履き口部に少なくとも1本のスリットが入れられているため、甲被の履き口部が足の甲等のサイズに合わせて伸びる。しかし、該スリットは、甲被表面には全く現れない。また、スリットの底部を横断するように中芯材の表面または裏面に補強片が取り付けられているため、繰り返し履いても中芯材がスリットの底部から裂け難い。
したがって、本発明の第2の靴によれば、これを履いた際に足の甲等に違和感や痛みを覚えることがなく、また、履いたり脱いだりし易い上、全体がデザイン上統一された甲被を使用することが可能となる。
したがって、本発明の第2の靴によれば、これを履いた際に足の甲等に違和感や痛みを覚えることがなく、また、履いたり脱いだりし易い上、全体がデザイン上統一された甲被を使用することが可能となる。
本発明による第2の靴において、スリットが、中芯材の履き口部における前縁部分の左右各端に少なくとも1本ずつ入れられている場合がある。
上記の場合、甲被における履き口部の前縁部分が伸び易くなるため、特に、足の甲のサイズが大きい人が履いても足の甲に違和感や痛みを覚えるおそれがなく、優れた履き心地が得られる。
なお、スリットの位置および数は、上記に限られるものではなく、靴の形状やデザイン等に応じて適宜変更可能である。
なお、スリットの位置および数は、上記に限られるものではなく、靴の形状やデザイン等に応じて適宜変更可能である。
次に、本発明の実施形態を図1〜3を参照して説明する。なお、これらの図は、本実施形態の靴のうち右足用のものを示しており、図1は靴全体を示す斜視図、図2は靴の甲被を分解して示す斜視図、図3は靴の要部平面図である。
本実施形態の靴(1)は、図1に示すような靴底(2)と甲被(3)とを備えている。靴底(2)は、本底(21)と、本底(21)の上面に接合された中底(22)とを備えている。詳しい図示は省略したが、中底(22)の下面には、甲被(3)の下縁部が吊り込まれて接合され、それにより中底(22)と甲被(3)が一体化されている。
甲被(3)は、非伸縮性材料よりなる中芯材(31)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の表面に接合された表材(32)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の裏面に接合された裏材(33)とを備えている。中芯材(31)、表材(32)および裏材(33)は、それぞれ図2に示すような略U形の展開形状をしており、互いに接着剤等によって接合一体化された上で、これらの内外両側の後端縁どうしが縫着されることにより、甲被(3)を構成している。
中芯材(31)には、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する部分に、それぞれ多数の孔(311)があけられている。中芯材(31)にあけられた多数の孔(311)は、それぞれ前後方向に長い長孔よりなり、千鳥状に配置されている。この実施形態では、各長孔(311)群は、下側の方の数が多く、上側に向かうにつれて次第に数が少なくなり、全体としてほぼ山形をなすように形成されている。
なお、この実施形態では、内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する中芯材(31)部分に多数の孔(311)があけられているが、一般的には、内側のボールジョイント部(A1)が横に大きく突出し、靴を履いた際、特に該部分(A1)に違和感や痛みを覚える人が多いことから、内側のボールジョイント部(A1)に対応する中芯材(31)部分のみに多数の孔(311)をあけるようにしてもよい。
なお、この実施形態では、内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する中芯材(31)部分に多数の孔(311)があけられているが、一般的には、内側のボールジョイント部(A1)が横に大きく突出し、靴を履いた際、特に該部分(A1)に違和感や痛みを覚える人が多いことから、内側のボールジョイント部(A1)に対応する中芯材(31)部分のみに多数の孔(311)をあけるようにしてもよい。
長孔(311)のサイズは、中芯材(31)の引っ張り強度や靴(1)のサイズ等にもよるが、通常、長径7mm程度、短径2mm程度とすればよい。また、前後に隣り合う長孔(311)どうしの間隔は5〜10mm程度、上下に隣り合う長孔どうしの間隔は3〜4mm程度とすることができる。
中芯材(31)の履き口部には、前縁部分の左右両端に、それぞれ3本ずつスリット(312)が入れられている。また、左右各端の3本のスリット(312)の底部を横断するように、中芯材(31)の裏面に2つの補強片(34)が取り付けられている。補強片(34)は、縫着により中芯材(31)に取り付けられるのが好ましく、それによって中芯材(31)にスリット(312)の谷部から亀裂が生じるのをより確実に防止することができる。補強片(34)の材料は、中芯材(31)の亀裂を阻止し得るものであれば特に限定されないが、例えば布テープ等を挙げることができる。なお、スリットの位置および数は上記に限定されず、その他、例えば中芯材の履き口部の側縁部分や後縁部分にスリットを所要数だけ形成してもよい。
中芯材(31)裏面の爪先部分には、例えば合成樹脂を含浸させた織布または不織布やプラスチックよりなる先芯(35)が接合されている。
中芯材(31)を構成する非伸縮性材料としては、例えば綿布や、ポリエステル布等の化繊布等を挙げることができる。
表材(32)を構成する伸縮性材料としては、例えばポリウレタン弾性糸入りの化繊布(例えば東レ製「タップガード」(商標))を挙げることができる。裏材(33)としては、例えばポリウレタンフォーム等よりなるクッション材(331)にメリヤス生地等の伸縮性裏打ち材(332)を裏打ちしてなるものが用いられる。これらの表材(32)および裏材(33)は、完成時の向きを考慮して裁断されることにより、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する部分において、上下方向に伸縮可能となされる。
上記の靴(1)にあっては、足の甲のサイズ等に合わせて、甲被(3)の履き口部が中芯材(31)のスリット(312)の存在によって広がるため、履き易く脱ぎ易い。
また、上記の靴(1)を履いた際には、中芯材(31)にあけられた多数の孔(311)の存在によって、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する甲被(3)部分が伸びるため(図3参照)、ボールジョイント部(A1)(A2)に違和感や痛みを覚えることがない上、甲被(3)の履き口部の前縁部分が中芯材(31)のスリット(312)の存在により伸びるため、足の甲にも違和感や痛みを覚えることがなく、極めて快適な履き心地が得られる。
そして、上記の靴(1)は、以上のような履き心地に関する効果を奏するにもかかわらず、従来の靴のように甲被(3)のボールジョイント対応部分に窪みを生じることがなくて体裁が良い上、図示のように甲被(3)の表面全体を統一した色調や質感にすることが可能である。
また、上記の靴(1)を履いた際には、中芯材(31)にあけられた多数の孔(311)の存在によって、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する甲被(3)部分が伸びるため(図3参照)、ボールジョイント部(A1)(A2)に違和感や痛みを覚えることがない上、甲被(3)の履き口部の前縁部分が中芯材(31)のスリット(312)の存在により伸びるため、足の甲にも違和感や痛みを覚えることがなく、極めて快適な履き心地が得られる。
そして、上記の靴(1)は、以上のような履き心地に関する効果を奏するにもかかわらず、従来の靴のように甲被(3)のボールジョイント対応部分に窪みを生じることがなくて体裁が良い上、図示のように甲被(3)の表面全体を統一した色調や質感にすることが可能である。
なお、上記の各実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜に変更を加えた上で本発明を実施することも勿論可能である。
(1):靴
(3):甲被
(31):中芯材
(311):孔
(312):スリット
(32):表材
(33):裏材
(34):補強片
(A1):内側ボールジョイント部
(A2):外側ボールジョイント部
(3):甲被
(31):中芯材
(311):孔
(312):スリット
(32):表材
(33):裏材
(34):補強片
(A1):内側ボールジョイント部
(A2):外側ボールジョイント部
Claims (5)
- 甲被(3)が、非伸縮性材料よりなる中芯材(31)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の表面に接合された表材(32)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の裏面に接合された裏材(33)とを備え、
中芯材(31)には、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)のうち少なくとも内側のボールジョイント部(A1)に対応する部分に、多数の孔(311)があけられていることを特徴とする、靴。 - 表材(32)および裏材(33)は、足の内外両側のボールジョイント部(A1)(A2)に対応する部分において、少なくとも上下方向に伸縮可能であり、
前記多数の孔(311)が、それぞれ前後方向に長い長孔よりなることを特徴とする、請求項1に記載の靴。 - 前記多数の孔(311)が、千鳥状に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の靴。
- 甲被(3)が、非伸縮性材料よりなる中芯材(31)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の表面に接合された表材(32)と、伸縮性材料よりなりかつ中芯材(31)の裏面に接合された裏材(33)とを備え、
中芯材(31)の履き口部に少なくとも1本のスリット(312)が入れられているとともに、該スリット(312)の底部を横断するように中芯材(3)の表面または裏面に補強片(34)が取り付けられていることを特徴とする、靴。 - 前記スリット(312)が、中芯材(3)の履き口部における前縁部分の左右各端に少なくとも1本ずつ入れられていることを特徴とする、請求項4に記載の靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005295905A JP2007105072A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | 靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005295905A JP2007105072A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | 靴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007105072A true JP2007105072A (ja) | 2007-04-26 |
Family
ID=38031414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005295905A Pending JP2007105072A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | 靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007105072A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5269242B1 (ja) * | 2012-11-29 | 2013-08-21 | 株式会社パンジー | ストレッチ機能を有する甲被を備えた履物 |
JP2016086837A (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-23 | 美津濃株式会社 | シューズのアッパー構造 |
-
2005
- 2005-10-11 JP JP2005295905A patent/JP2007105072A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5269242B1 (ja) * | 2012-11-29 | 2013-08-21 | 株式会社パンジー | ストレッチ機能を有する甲被を備えた履物 |
JP2016086837A (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-23 | 美津濃株式会社 | シューズのアッパー構造 |
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A977 | Report on retrieval |
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A521 | Written amendment |
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