JP2007104781A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中央コア1の両端に付加コア2を設けた付加コア追加型ステータコア構造において、付加コア2は、コイルエンドよりもロータ側の部分である内鍔部24と、コイルエンドの軸方向内側部分である主部27と、コイルエンドよりも反ロータ側の部分である外鍔部26とをからなる付加ティース22と、外鍔部26に磁気結合する付加ヨーク21とからなる。付加ティース22は、磁性粉末成形体により形状自由にて低鉄損かつ低磁気抵抗と作製され、付加ヨーク21は軸方向積層電磁鋼板により低コストかつ良好な磁気特性を有しており、モータ特性が改善される。
【選択図】図1
Description
実施例1のステータコアを、その軸方向模式断面図である図1と、その軸方向にみた模式側面図である図2を参照して説明する。なお、図2において、破断線の左側は付加コア装着前の形状を示し、右側は付加コア装着後の形状を示す。ステータコイルは図示省略されている。
このステータコアは、分割コア型ステータコアであって、図2の破断線の左側に図示する中央コア1と、図2の破断線の右側に図示する付加コア2とからなり、付加コア2は図1に示すように中央コア1の前後両端面に固定されている。図1において、3はロータである。
付加ティース22は、図1に示すように略コ字状の軸方向断面を有しており、軟磁性粉末を成形してなる磁性粉末成形体により構成されている。付加ティース22は、ステータコイル4のコイルエンドの径方向内側にてロータ3の外周面に対面しつつ軸方向外側へ突出する内鍔部24と、付加ヨーク21の嵌合溝25に嵌合しつつ軸方向外側へ延在する外鍔部26と、ティース12の軸方向端面に隣接しつつ径方向に延在する主部27とからなる。
ステータの組み立て工程を以下に説明する。まず、12分の1のヨーク11である単位コアバック13と、12分の1の付加ヨーク21である単位コアバック23とを軸方向積層電磁鋼板により製造する。次に、ティース12の両端に付加ティース22をそれぞれ重ね、ステータコイル4を集中巻きする。又は、あらかじめ集中巻きにて成形したステータコイル4にティース12及びその両側の付加ティース22を嵌め込む。なお、ティース12は軸方向積層電磁鋼板により構成され、付加ティース22は、磁性粉末成形体により構成されている。次に、ステータコイルが巻装されたティース12及び付加ティース22を、単位コアバック13の嵌合溝15に軸方向に押し込んで、一体化する。次に、各単位コアバック23の嵌合溝15と付加ティース22の外鍔部が嵌合するように、付加ヨーク21を軸方向両側からヨーク11へ向けて押し込む。最後に、このようにして形成された12個のコアユニットをリング状に組み合わせてステータコアを完成する。なお、分割されたステータコアの各部材の固定はたとえば溶接や嵌合あるいは締結により一体化されることができる。また付加ティース、付加ヨークのティース、ヨークへの固定は、溶接、嵌合等により実施する。
ロータ3の模式斜視図を図6に示す。ただし、図6において、付加ロータ32の一部は切り欠いて示されている。既述したように中央ロータ(本発明で言う中央ロータ部)31は永久磁石が埋設された軸方向積層電磁鋼板製の埋め込み磁石ロータからなり、付加ロータ32はいわゆる磁気突極構造の軸方向積層電磁鋼板製のリラクタンスロータからなる。
図1を参照して磁束の流れを説明する。
この実施例によれば、従来のステータにおいてステータコイルのコイルエンドが存在するステータコアの軸方向両側のアイドルスペースにおいて、コイルエンドの径方向内側に内鍔部24が設けられ、各内鍔部24が主部27、外鍔部26を通じて付加ティース22により磁気的に短絡されている。
ロータ3の変形態様を図7に示す。このロータ3は、図6に示す付加ロータ32を永久磁石が埋設された軸方向積層電磁鋼板製の埋め込み磁石ロータにより構成したものである。すなわち、ロータ3は、主界磁磁束を発生する主永久磁石を有して中央コアに対面する中央ロータ31と、付加界磁磁束を発生する補助の永久磁石を有して付加コア2に対面する付加ロータ32とから構成される。この場合、補助の永久磁石は、主永久磁石よりも小さいロータの単位軸方向幅当たりの磁束発生量をもてばよく、相対的に安価なあるいは小型の永久磁石を用いればよい。更に、ロータ3は同期機用ロータの他、既知の各種交流モータ方式に適したロータ構造を採用することができる。ただし、付加ロータ32の永久磁石により付加ロータ32から付加コア2に流入する磁束量は、付加コア2の主部27の磁路断面積により制約されるため、付加ロータ32と付加コア2との間の電磁ギャップの磁束密度は、中央ロータ31と中央コア1との間の電磁ギャップの磁束密度より小さく設定される。
上記実施例では、付加ティース22の主部27の周方向(接線方向)幅はティース12の周方向幅に等しくされたが、付加ティース22には、成形済みの集中巻きステータコイルのコイルエンドが嵌着されるため、コイルエンドを円滑に湾曲させるため、付加ティース22の主部27の周方向幅はティース12の周方向幅より小さく設定しても良い。あるいは、ヨーク11のスロットから出たステータコイルの湾曲を確保できる範囲にて、たとえばヨーク11の端面から少し離れて付加ティース22の周方向幅をティース12のそれより広くし、付加ティース22の主部27の最大磁束量を増大させても良い。
実施例2のコア構造を図8、図9を参照して以下に説明する。中央コア1は図3に示す形状のものを用いた。図8は中央コア1に付加ティース22を取り付けた状態を、図9はステータコアの組み付け完了状態を示す。
実施例2の付加ティース22の変形態様を図10、図11に示す。図10は中央コア1に付加ティース22を取り付けた状態を、図11はステータコアの組み付け完了状態を示す。この変形態様は、図8と図10との比較からわかるように、主部27を径方向外側に延長し、外鍔部26を軸方向に短縮した点を除けば実施例2と同じである。
実施例2の付加コアを図12〜図13を参照して以下に説明する。中央コア1としては図3の形状のものを用いた。図12は中央コア1に付加ティース22を取り付けた状態を、図13はステータコアの組み付け完了状態を示す。
実施例4の付加コアを図14〜図15を参照して以下に説明する。中央コア1としては図3のものを用いた。図14は中央コア1に付加ティース22を取り付けた状態を、図15はステータコアの組み付け完了状態を示す。
実施例5のステータコア構造を図16を参照して説明する。図16は、回転電機の軸方向模式断面図である。この実施例の付加ティース220は、図1に示す実施例1の付加ティース22からその外鍔部26を省略するとともに、実施例1の付加ヨーク21のうち外鍔部26に径方向に隣接する部分も省略したものである。28は、付加ティース220の主部27及び付加ヨーク210を軸方向内側へ押さえつけるための電磁鋼板である。なお、電磁鋼板28を省略してもよい。付加ティース220の主部27の径方向外端(基端部)は、付加ヨーク210の嵌合溝25に嵌入されている。
実施例6の付加コアを図17〜図19を参照して以下に説明する。図17は中央コア1を、図18は中央コア1に付加ティース22を取り付けた状態を、図19はステータコアの組み付け完了状態を示す。この実施例は、既述した実施例1において付加ティース22の外鍔部26を内鍔部24及び主部27と別体とした点を特徴としている。なお、外鍔部26と主部27との分割位置は、図10に示す位置でもよい。この実施例の付加ティース22の内鍔部24及び主部27は、図18に示すように略L字形状を有している。この実施例のヨーク11は、内周面に逆くさび状(あり溝状)の第2溝部152だけをもち、実施例1の第1溝部151が省略されている。軸方向に延在する条溝である第2溝部152には、ティース12に突設されて軸方向に延在する突条19が軸方向に嵌合している。
上記した各実施例では、インナーロータ型分割コア方式のステータコアを例示したが、本発明はそれに限定されるものではなく、アウターロータ構造や非分割コア構造にも適用可能であることは当然である。また、ステータコイルも集中巻きに限定されるものではなく、分布巻きとしてもよいことはもちろんである。
なお、付加ロータ32の外周面(電磁ギャップ)における必要な磁束密度を確保するために、付加ロータ32に永久磁石を設けても良い。ただし、この永久磁石により付加ロータ32から付加コア2に流入する磁束量は、付加コア2の主部27の磁路断面積により制約されるため、付加ロータ32と付加コア2との間の電磁ギャップの磁束密度は、中央ロータ31と中央コア1との間の電磁ギャップの磁束密度より小さく設定される。
ヨーク11の嵌合溝15の変形態様を図20に示す。図20の嵌合溝150は図2に示す2段溝構造の嵌合溝15とは異なって、単段溝構造を採用している。図20において、破線で囲まれた方形領域は付加ティース22の外鍔部26を軸方向にみた形状を示している。この態様では、付加ティース22の外鍔部26は内鍔部24及び主部27と一体に形成されている。付加ティース22とティース12とを一体化したティースアセンブリにステータコイルを集中巻きし、次にこのティースアセンブリを、ヨーク11及び付加ヨーク21からなるヨークアセンブリに軸方向に押し込めばよい。外鍔部26はヨーク11の嵌合溝15内を軸方向に移動可能な形状をもつため、組み立てに支障が出ることは無い。
ヨーク11とティース12との嵌合構造の変形態様を図21に示す。この態様では、径方向断面においてリング状のヨーク11が軸方向積層電磁鋼板により作製され、ティース12はヨーク11の嵌合溝153に軸方向に嵌め込まれる。この態様では、嵌合溝153はヨーク11の径方向厚さの80%以上の深さをもつ。これにより、ヨーク11とティース12との機械的結合強度を向上することができる。ただし、ヨーク11内を周方向へ流れる磁路の磁気抵抗が増大するが、中央ロータ31が永久磁石型ロータである場合、永久磁石自体は空隙であるため、図21のヨーク11とティース12との間の微小間隙が全体のインダクタンスに与える影響は限定的となり、実用上の問題は生じない。また、嵌合溝153の側面と、それと嵌合するティース12の側面とが鋸歯状(あるいは波形)に形成されているため、結合強度の向上と、磁路の磁気抵抗の低減とを図ることができる。更に、図21ではあらかじめ成形した集中巻きコイルをティース12及び付加ティース22に嵌め込んだ後、ティース12をヨーク11に軸方向に嵌めこむこともできる。更に、付加ティースや付加ヨークをティース又はヨークへ固定するには、溶接、嵌合等が公知の種々の固定技術を採用することができ、ステータの組み付てについても、あらかじめ成形したコイルをティースに装着する他、ティースに直接巻いてもよい。コイルに用いる導線の断面は角線の他丸線でもよい。中央コアのティースとヨークとの組み付け、及び付加ティースと付加ヨークとの組み付けにも公知の種々の固定方法を採用することができる。
2 付加コア
3 ロータ
4 ステータコイル
11 ヨーク
12 ティース
12 付加ヨーク
13 単位コアバック
14 鍔部
15 ティース嵌合溝(嵌合溝)
21 付加ヨーク
22 付加ティース
23 単位コアバック
24 内鍔部
25 嵌合溝
26 外鍔部
27 主部
31 中央ロータ
32 付加ロータ
150 嵌合溝
151 溝部
152 溝部
153 嵌合溝
210 付加ヨーク
220 付加ティース
263 周方向側部
264 周方向中央部
Claims (9)
- 略円筒状の中央コアと、前記中央コアの端面に隣接配置される付加コアとを有するステータコアと、前記ステータコアに径方向に対面するロータとを有し、
前記中央コアは、ロータ周面に対面する先端部を有して径方向へ延在するティースと、前記ティースの基端部に隣接しつつ周方向へ延在するヨークとを有して軸方向積層電磁鋼板により作製され、
前記付加コアは、
ロータ周面とステータコイルのコイルエンドとの間隙を軸方向外側へ突出する内鍔部を有して前記ティースの軸方向端面に隣接配置される付加ティースと、前記ヨークの軸方向端面に隣接しつつ周方向に延在して前記付加ティースと磁束を授受する付加ヨークとを有する回転電機において、
前記付加ティースの少なくとも一部は、磁性粉末成形体からなり、
前記付加ヨークは、軸方向積層電磁鋼板からなることを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
前記付加ティースは、前記ティースの軸方向端面に沿って前記内鍔部から前記付加ヨークに向けて径方向へ延在するとともにステータコイルのコイルエンドが巻回される主部と、前記付加ヨークの内周側の表面に接しつつ前記主部から軸方向外側へ延在する外鍔部とを有する回転電機。 - 請求項2記載の回転電機において、
前記付加ティースは、磁性粉末成形体からなる回転電機。 - 請求項2記載の回転電機において、
前記外鍔部は、周方向積層電磁鋼板からなり、
前記内鍔部及び主部は、磁性粉末成形体からなる回転電機。 - 請求項2記載の回転電機において、
前記付加ティースは、
周方向積層電磁鋼板からなる周方向中央部と、磁性粉末成形体からなるとともに前記周方向中央部の両側に個別に配置される一対の周方向側部とからなる回転電機。 - 請求項2記載の回転電機において、
前記内鍔部及び主部は、
周方向積層電磁鋼板からなる周方向中央部と、磁性粉末成形体からなるとともに前記周方向中央部の両側に個別に配置される一対の周方向側部とからなり、
前記外鍔部は、周方向積層電磁鋼板からなる回転電機。 - 略円筒状の中央コアと、前記中央コアの端面に隣接配置される付加コアとを有するステータコアと、前記ステータコアに径方向に対面するロータとを有し、
前記中央コアは、ロータ周面に対面する先端部を有して径方向へ延在するティースと、前記ティースの基端部に隣接しつつ周方向へ延在するヨークとを有して軸方向積層電磁鋼板により作製され、
前記付加コアは、
ロータ周面とステータコイルのコイルエンドとの間隙を軸方向外側へ突出する内鍔部を有して前記ティースの軸方向端面に隣接配置される付加ティースと、前記ヨークの軸方向端面に隣接しつつ周方向に延在して前記付加ティースと磁束を授受する付加ヨークとを有する回転電機において、
前記ロータは、
主界磁磁束を発生する主永久磁石を有して前記中央コアに対面する中央ロータ部と、付加界磁磁束を発生する付加永久磁石を有して前記付加コアに対面する端部ロータ部とを有し、
前記付加永久磁石は、前記主永久磁石よりも小さい前記ロータの単位軸方向幅当たりの磁束発生量をもつことを特徴とする回転電機。 - 略円筒状の中央コアと、前記中央コアの端面に隣接配置される付加コアとを有するステータコアと、前記ステータコアに径方向に対面するロータとを有し、
前記中央コアは、ロータ周面に対面する先端部を有して径方向へ延在するティースと、前記ティースの基端部に隣接しつつ周方向へ延在するヨークとを有して軸方向積層電磁鋼板により作製され、
前記付加コアは、
ロータ周面とステータコイルのコイルエンドとの間隙を軸方向外側へ突出する内鍔部を有して前記ティースの軸方向端面に隣接配置される付加ティースと、前記ヨークの軸方向端面に隣接しつつ周方向に延在して前記付加ティースと磁束を授受する付加ヨークとを有する回転電機において、
前記ロータは、
界磁磁束を発生する永久磁石を有して前記中央コアに対面する中央ロータ部と、主としてリラクタンストルクを発生するための磁気突極構造を有して前記付加コアに対面する端部ロータ部とを有することを特徴とする回転電機。 - 略円筒状の中央コアと、前記中央コアの端面に隣接配置される付加コアとを有するステータコアと、前記ステータコアに径方向に対面するロータとを有し、
前記中央コアは、ロータ周面に対面する先端部を有して径方向へ延在するティースと、前記ティースの基端部に隣接しつつ周方向へ延在するヨークとを有して軸方向積層電磁鋼板により作製され、
前記付加コアは、
ロータ周面とステータコイルのコイルエンドとの間隙を軸方向外側へ突出する内鍔部を有して前記ティースの軸方向端面に隣接配置される付加ティースと、前記ヨークの軸方向端面に隣接しつつ周方向に延在して前記付加ティースと磁束を授受する付加ヨークとを有する回転電機において、
前記付加ティースは、
前記ティースの軸方向端面に沿って前記内鍔部から前記付加ヨークに向けて径方向へ延在するとともにステータコイルのコイルエンドが巻回される主部を有し、
前記付加ヨークの軸方向厚さは、実質的に前記付加ティースの主部の軸方向厚さに等しく設定されることを特徴とする回転電機。
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