JP2007103651A - 位置決め装置 - Google Patents

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俊徳 佐藤
Takeshi Nakamura
中村  剛
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Abstract

【課題】
簡素且つコンパクトでありながら、高精度な駆動を実現できる位置決め装置を提供する。
【解決手段】
真空チャンバ1に内外の差圧差が生じると、底面1aが上方に湾曲するように変形するが、ベース2は、底面1aに対して支持筒2aにより3点で支持されているので、底面1aが変形した場合でも、安定して支持されるようになっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、真空チャンバ内でワーク等を位置決めできる位置決め装置に関する。
例えば半導体製造装置などにおいては、真空チャンバ内でワークを保持したステージを駆動することが行われている。ここで、真空チャンバ内を高真空状態に維持すると、内外の気圧差に応じて真空チャンバが変形し、それに取り付けたステージベースも変形する恐れがある。ステージベースが変形すると、精度の良いワークの駆動が行えないという問題が生じる。一方、真空チャンバの変形を抑えるために、その剛性を向上させると、装置全体が大がかりなものとなるという別の問題が生じる。
これに対し、特許文献1においては、ステージベースと真空チャンバ底との間に球面静圧軸受を設けて、真空チャンバのねじりなどの影響を極力ステージベースに伝達させないようにしている。
特開2003−229350号公報
しかるに、特許文献1の技術では、ステージベースの4隅に球面静圧軸受を配置しているので、組み付けた状態では、4点で均等に荷重を支持した状態にあったとしても、内外の気圧差に応じて真空チャンバが変形したときは、必ずしも4点で均等に荷重を支持できるとは限らず、それによりステージベースの変形を招く恐れがある。また真空チャンバが変形した状態、4点で均等に荷重を支持するように調整することも考えられるが、かかる調整は極めて手間がかかる。又、球面静圧軸受を設けることによって、コストが増大するという問題もある。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、簡素且つコンパクトでありながら、高精度な駆動を実現できる位置決め装置を提供することを目的とする。
第1の本発明の位置決め装置は、
内部が負圧に維持される真空チャンバ内に配置されたベースと、
前記ベースに対して移動可能なステージと、
前記ステージを駆動する駆動機構と、を有し、
前記ベースは、前記真空チャンバに対して3点以下で支持されていることを特徴とする。
第2の本発明の位置決め装置は、
内部が負圧に維持される真空チャンバ内に配置されたベースと、
前記ベースに対して移動可能なステージと、
前記ステージを駆動する駆動機構と、を有し、
前記ベースは、前記真空チャンバに対して、脚部を有するフレームを介して取り付けられていることを特徴とする。
第1の本発明の位置決め装置によれば、前記ベースが前記真空チャンバに対して3点以下で支持されているので、例え真空チャンバが変形した場合でも、均等に荷重を支持することができ、それによりベースの変形を抑えて、高精度なテーブルの駆動を実現できる。
第2の本発明の位置決め装置によれば、前記ベースが前記真空チャンバに対して、脚部を有するフレームを介して取り付けられているので、例え真空チャンバが変形した場合でも、かかる変形をベースに伝えることが抑制され、それにより高精度なテーブルの駆動を実現できる。
前記ステージは、前記ベースに対して二次元的に駆動されると好ましい。
前記駆動機構は、前記真空チャンバの外部に配置された回転駆動源と、前記回転駆動源が発生した回転動力を前記ステージに伝達する伝達機構とを有し、前記伝達機構は、2つの軸を相対回転不能だが軸線方向に変位可能に連結する継ぎ手を備えていると、前記真空チャンバが変形した場合でも、その影響を抑制して、前記伝達機構における高精度な駆動を確保できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に付いて説明する。図1、2は、第1の実施の形態にかかる位置決め装置の断面図であり、図3は、図1の構成をIII-III線で切断して矢印方向に見た図である。
図において、密閉された筐体状の真空チャンバ1の底面1a上に、ベース2が3点で支持されている。より具体的には、ベース2は、その下面に3つの中空状の支持筒2aを有しており、ここにボルトBを挿通することで、3つの支持筒2aは底面1aに取り付けられている。
ベース2上には、図で左右方向に延在するようにして、2本のガイドレール4,4が配置されている。ガイドレール4,4に沿って移動可能となるようにスライダ5,5が配置されている。スライダ5,5は、不図示のワークを支持するテーブル6の下面に取り付けられている。テーブル6は、動力伝達機構を介して外部のモータ7に連結されている。
図4は、本実施の形態の動力伝達機構を示す図である。図4において、真空チャンバ1の側壁に、ケース8を介してモータ7が取り付けられている。真空チャンバ1の側壁に形成された開口1b内には、軸受シールユニット9が設けられており、その回転軸9aの外方端がカップリング10を介してモータ7の出力軸7aに連結されている。軸受シールユニット9は、回転軸9aを回転自在に支持すると不図示の軸受と、開口1bを気密的にシールする不図示のシールとを含む。
回転軸9aの内方端は、フレキシブルカップリングである継ぎ手11を介して、駆動軸12の端部に連結れている。駆動軸12の両端は、ベース2に対して軸受BRにより回転自在に支持されている。駆動軸12には、ステージ6の下面に固定されたナット13を貫通するねじ軸部12aが形成されている。ナット13の内周には、ねじ軸部12aの雄ねじ溝に対向して雌ねじ溝が形成され、両ねじ溝間に配置されたボールが転動自在に配置されている。
本実施の形態の動作時には、回転駆動源であるモータ7の発生したトルクが、出力軸7a、カップリング10,回転軸9a、継ぎ手11,駆動軸12を介して伝達され、駆動軸12の回転に応じてナット13を軸線方向に駆動するので、ステージ6が図2の左右方向に移動し、それに載置された不図示のワークを、真空状態に維持された真空チャンバ1内で適切に処理できるようになっている。
ここで、組付時においては、大気圧Poに対して、真空チャンバ1内の内圧Piが等しくなっているので、図1に示すように真空チャンバ1に変形は生じない。これに対し、ワーク処理時においては、真空チャンバ1内の内圧Piが大気圧Poに対して低くなっているので、図2に誇張して示すように、真空チャンバ1が変形する。このとき、底面1aが上方に湾曲するように変形するが、本実施の形態によれば、ベース2は、底面1aに対して支持筒2aにより3点で支持されているので、底面1aが変形した場合でも、その平面度を維持しつつ安定して支持されるようになっている。
又、回転軸9aは,駆動軸12に対して、継ぎ手11を介して相対回転不能だが軸線方向に変位可能なように連結されているので、真空チャンバ1の側壁が変形することで、例えば軸受シールユニット9がベース2に接近した場合でも、その動きを吸収することができる。又、真空チャンバ1の変形によって、回転軸9aと駆動軸12との間に芯ズレが生じたような場合にも、ベローズ状で伸縮自在な継ぎ手11によって、その芯ズレをある程度吸収することができる。
図5は、第2の実施の形態にかかる位置決め装置の断面図であり、図6は、図5の構成をVI-VI線で切断して矢印方向に見た図であり、図7は、図5の構成をVII-VII線で切断して矢印方向に見た図である。本実施の形態については、上述した実施に形態に対して異なる点のみを説明し、共通する構成に関しては同じ符号を付すことで説明を省略する。
本実施の形態においては、定盤G上において、四隅に脚部1cを配置して真空チャンバ1が配置されている。真空チャンバ1の底面1a上には、一対のフレーム14、14が配置されている。各フレーム14は、下面に形成された細い脚部14a、14aの下端を底面1aに固定させている。従って、フレーム14の下面は、底面1aに対して脚部14aのみと当接していることとなる。又、脚部14aは、底面1aの周辺近傍に配置されている。フレーム14、14上に、ベース2の3つの支持筒2aが分散配置され、不図示のボルトにより固定されている。
内外気圧差によって真空チャンバ1が変形した場合でも、底面1aの周辺近傍は、中央部の変形より小さくなる。そこで、本実施の形態においては、脚部14aを底面1aの周辺近傍に配置することで、真空チャンバ1の変形を、ベース2に対して伝えにくくしている。又、真空チャンバ1の変形により、例えフレーム14,14が非平行な状態になった場合でも、ベース2は、フレーム14,14に対して支持筒2aにより3点で支持されているので、安定して支持されることができる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本実施の形態では、ベース2は3点で支持されているが、2点もしくは1点で支持されても良い。又、ステージ6は1軸駆動としているが、別なモータと動力伝達機構とを用いて2軸駆動(二次元的に駆動)しても良い。又、継ぎ手11は、蛇腹式に限らず、板ばね式、スリット式など真空チャンバの変形量に応じて各種選定できる。
第1の実施の形態にかかる位置決め装置の断面図であり、真空チャンバ内外の気圧が等しい状態を示している。 第1の実施の形態にかかる位置決め装置の断面図であり、真空チャンバ内の気圧が外部の気圧より低い状態を示している。 図1の構成をIII-III線で切断して矢印方向に見た図である。 本実施の形態の動力伝達機構を示す図である。 第2の実施の形態にかかる位置決め装置の断面図である。 図5の構成をVI-VI線で切断して矢印方向に見た図である。 図5の構成をVII-VII線で切断して矢印方向に見た図である。
符号の説明
1 真空チャンバ
1a 底面
1b 開口
1c 脚部
2 ベース
2a 支持筒
4,4 ガイドレール
5,5 スライダ
6 ステージ
7 モータ
7a 出力軸
8 ケース
9 軸受シールユニット
9a 回転軸
10 カップリング
11 継ぎ手
12 駆動軸
12a ねじ軸部
13 ナット
14 フレーム
14a 脚部
B ボルト
BR 軸受
G 定盤

Claims (4)

  1. 内部が負圧に維持される真空チャンバ内に配置されたベースと、
    前記ベースに対して移動可能なステージと、
    前記ステージを駆動する駆動機構と、を有し、
    前記ベースは、前記真空チャンバに対して3点以下で支持されていることを特徴とする位置決め装置。
  2. 内部が負圧に維持される真空チャンバ内に配置されたベースと、
    前記ベースに対して移動可能なステージと、
    前記ステージを駆動する駆動機構と、を有し、
    前記ベースは、前記真空チャンバに対して、脚部を有するフレームを介して取り付けられていることを特徴とする位置決め装置。
  3. 前記ステージは、前記ベースに対して二次元的に駆動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め装置。
  4. 前記駆動機構は、前記真空チャンバの外部に配置された回転駆動源と、前記回転駆動源が発生した回転動力を前記ステージに伝達する伝達機構とを有し、前記伝達機構は、2つの軸を相対回転不能だが軸線方向に変位可能に連結する継ぎ手を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置決め装置。

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