JP3349040B2 - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP3349040B2
JP3349040B2 JP14196896A JP14196896A JP3349040B2 JP 3349040 B2 JP3349040 B2 JP 3349040B2 JP 14196896 A JP14196896 A JP 14196896A JP 14196896 A JP14196896 A JP 14196896A JP 3349040 B2 JP3349040 B2 JP 3349040B2
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宗次 市川
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シグマテック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Yテーブル位置決
め駆動手段によってY軸方向に移動可能なYテーブル
と,このYテーブルとともにY軸方向に同期移動可能か
つXテーブル位置決め駆動手段によってX軸方向に移動
可能なXテーブルとを真空容器内に配設し、かつYテー
ブル位置決め駆動手段の一部を構成するY駆動源および
Xテーブル位置決め駆動手段の一部を構成するX駆動源
を真空容器外に配設してなる位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造設備における電子ビ
ーム描画装置は、真空(例えば、10-6〜10-7トール
程度)中でウエハに電子線を用いて描画している。ま
た、走査型電子顕微鏡では真空(上記程度)中の検査対
象等に電子線を照射しつつその表面形態を観察してい
る。いずれの装置でもウエハ乃至検査対象等(以下、
“ワーク”と略称する。)を、電子銃に対してY軸およ
びこれに直交するX軸の方向に2次元的に移動変位(位
置決め)させつつ主(副)走査させて行う。
【0003】かかる場合に採用される位置決め装置は、
精巧な動力変換機構や動力伝達機構等を有し、かつステ
ッピングモータや交流(直流)サーボモータを駆動源と
した位置決めコントローラで位置決め可能に構築されて
いる。しかも、真空条件の維持容易化のために全体とし
て真空室内に配設されている。さらに、主に駆動源から
発生される磁界が電子線を偏向させる等の悪影響を及ぼ
し易いことから、完璧な磁界シール構造とされている。
したがって、実用上の位置決め装置は、当然に、非常に
大型かつ高価であること周知である。
【0004】これを基本としてY軸およびX軸のそれぞ
れに直交するZ軸を中心に回転可能な回転テーブルを設
け、この回転テーブルを小角度(例えば、±2度)だけ
回動させてワークを位置決め可能に形成される場合があ
る。さらに、全体をX(またはY)軸を中心として傾斜
回動させて位置決め可能とするものもある。これら場合
には、一段と大型かつ高コストとなる。
【0005】かくして、実用化に先立つ試験・実験や研
究・分析に供する位置決め装置は、場所的にも経済的に
も制約が多いことから、簡易型とせざるを得ない場合が
圧倒的に多い。
【0006】すなわち、試験・研究等に供される従来の
位置決め装置は、図11〜図13に示す如く、基準ベー
ス11Pに対してYテーブル位置決め駆動手段70Pに
よってY軸方向に移動可能なYテーブル40Pと、この
Yテーブル40PとともにY軸方向に同期移動可能かつ
Xテーブル位置決め駆動手段50PによってX軸方向に
移動可能なXテーブル60Pとを真空容器1内に配設
し、かつYテーブル位置決め駆動手段70Pの一部を構
成するY駆動源(72P)およびXテーブル位置決め駆
動手段50Pの一部を構成するX駆動源(52P)を真
空容器1外に配設した構成とされている。なお、60P
をYテーブル,40PをXテーブルとする場合もある。
すなわち、Y軸方向とX軸方向とは、銘名の問題にすぎ
ない。
【0007】詳しくは、装置本体10Pは、図12に示
す基準ベース11Pとフランジ部21Pと回動体26P
とからなり、基準ベース11Pは図11に示す真空容器
1の容器本体2が形成する収容室3内および装着部4が
形成する装着室5内に収容される。すなわち、フランジ
部21Pを装着部4の取付面に取付け、このフランジ部
21Pに回動体26Pを嵌装かつシール部7Pで気密し
ている。
【0008】Yテーブル40Pは、基準ベース11Pに
対してY軸方向に移動可能に装着されかつYバネ41P
で動力伝達機構を形成する動力伝達シャフト74Pにユ
ニバーサルジョイント79を介して常時係合可能とされ
ている。また、Xテーブル60Pは、図12に示すよう
にYテーブル40P内にX軸方向に移動可能に装着され
かつ図11に示すXバネ13Pでラック部材57Pを介
してピニオンギヤ56Pに常時押付けられている。
【0009】ここに、Yテーブル位置決め駆動手段70
Pは、図11に示す回動体26Pに気密取付けされたブ
ッシュ材38PにY軸方向に摺動可能な動力伝達シャフ
ト74Pと,ノブを回転させることによりスピンドルの
直線運動に変換するマイクロメータヘッド72Pとから
なる。したがって、Yテーブル40Pを駆動源を形成す
るマイクロメータヘッド72Pのノブ回転角度に応じて
Y軸方向に移動変位させつつ位置決めすることができ
る。
【0010】また、Xテーブル位置決め駆動手段50P
も、ブッシュ材32Pを介して取付けられた動力伝達機
構を形成する動力伝達シャフト54Pをマイクロメータ
ヘッド52Pのノブ回転角度に応じてX軸方向に移動変
位させることができる。この移動変位は、ユニバーサル
ジョイント59P,中間バー58P,動力変換機構を形
成するラック部材55Pおよびピニオンギヤ56Pを介
してXテーブル60Pに固着されたラック部材57Pの
移動変位に変換される。したがって、Xテーブル60P
を位置決めすることができる。
【0011】かくすれば、装置本体10Pの小型化を図
れかつ真空容器1内に収容できるとともに、各駆動源
(52P,72P,100P)を真空容器1外に配設す
ることができる。
【0012】なお、Xテーブル60Pには、図11,図
12に示す回転テーブル90PがZ軸を中心としてR方
向に回転可能に設けられ、図12に示すマイクロメータ
ヘッド100P,動力伝達シャフト101P,ユニバー
サルジョイント103P,ベベルギヤ機構91Pを含む
回転テーブル位置決め駆動手段によって、位置決めされ
る。102Pは、シールキャップ部材である。
【0013】さらに、図13に示す如く、つまみ131
Pでウォームギヤ132Pを回動させることにより、こ
れと噛合うウォームホイール24Pを有する回動体26
Pを傾斜回動可能に形成したものもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Yテー
ブル位置決め駆動手段70Pは、長寸の動力伝達シャフ
ト74P,ユニバーサルジョイント79P等を介して直
線動力を与えて移動させつつYテーブル40Pを位置決
めする。特に、Xテーブル位置決め駆動手段50Pは、
動力伝達シャフト54P,ユニバーサルジョイント59
P,中間バー58Pの他に、さらに他方側にユニバーサ
ルジョイントを介して連結されたラック部材55P,ピ
ニオンギヤ56Pおよびラック部材57Pを介して、直
線動力を回転動力に変換しつつ再び直線動力に変換して
Xテーブル60Pを位置決めする構造であるから、高精
度位置決めはできない。その割りに高価である。さら
に、各駆動手段70P,50P,100Pが並列配設さ
れているので、大型となりかつ取扱いも難しい。
【0015】すなわち、各駆動源(72P,52P等)
を真空容器1外に配設しているものの、動力伝達機構お
よび動力変換機構による機械誤差が過大(例えば、10
0μm以上)なために、結果としては、位置決め精度が
理論的には1μmであるが実用上は10μm程度のマイ
クロメータヘッド52P,72Pが採用されている。
【0016】したがって、Xテーブル60Pに取付けら
れたワークを例えば100μm以下の精度で位置決めす
ることさえも非常に難しい。マイクロメータヘッド52
P,72Pに代えてモータを採用したとしてもオープン
ループとせざるを得ないので、期待する程の位置決め精
度の向上は見られない。しかも、マイクロメータヘッド
でもモータでも、位置決め結果を表示器により監視する
こともできないの等の事由から取扱いが難しいばかり
か、設定と位置決め結果との整合性を判別できない。
【0017】かくして、位置決め精度が例えば0.1μ
m以下とされる実用装置に比較して、あまりにも低精度
であるために、試験・研究結果の実用化に対する評価が
疑問視される傾向にある。
【0018】さらに、駆動源を真空容器1外に配設して
磁界の影響を除去したとしても、いま一方の条件たる真
空度の低下が大きな悪影響を及ぼしているとの指摘もあ
る。すなわち、上記した各動力伝達シャフト74P,5
4Pは、ともに直線運動するものであるから、たとえ静
止係合する装着部4と嵌装部21Pとの気密,回動可能
係合する嵌装部21Pとフランジ部26Pとの気密およ
び静止係合するフランジ部26Pと各ブッシュ材32
P,38Pとの外周面との気密を良好に仕上げられたと
しても、動力伝達シャフト54P,74Pに偏心運動が
加わったり使用時間が長引くにつれて、直線運動で貫通
する各シャフト54P,74Pと各ブッシュ材32P,
38Pの内周面との間31P,37Pにリークが生じ易
いという点である。
【0019】本発明の目的は、小型化および低コスト化
を図りつつ高精度位置決め可能かつ取扱い容易な位置決
め装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】従来装置を分析するに、
ユニバーサルジョイントやラックピニオンギヤ機構等の
相対変位可能とするためにガタが介在する構造を採用す
る限りにおいて各駆動源と各テーブルとの間に生ずる機
械的誤差を除去することは至難でありかつこれが高精度
化困難の元である。これがまた位置決め制御系のクロー
ズドループ化を実用困難としている。さらに、真空容器
内外を直線運動で貫通することは、円滑作動を保障しつ
つ長期に亘る気密性能を保持することは不可能に近い。
したがって、これらの点を払拭しない限り飛躍的高精度
化は難しい。
【0021】一方において、要求される高精度は、各最
終的位置決め精度であって連続でかつ時々刻々ごとの精
度を問うものではない。だからといって、移動速度の遅
速化は許されない。しかも、最大的な移動変位量は、そ
の対象目的からして、30〜80mm程度である。ま
た、ラックピニオンギヤ構造は、電子素子に比較して非
常にコスト高でありかつ取付け調整が難しく、寿命も短
い。
【0022】本発明は、上記分析結果に立脚しかつ確か
に磁界は電子線に悪影響を与え位置決め精度低下の原因
となるが電界自体は影響を与えないという再認識の下
に、駆動源は真空容器外に配設しかつ真空容器内外を回
転運動で貫通させるとともに、真空容器外の駆動源によ
る粗移動変位量に磁界を発生しない真空容器内のピエゾ
アクチュエータを用いた微移動変位量を増減可能に形成
し、前記目的を達成するものである。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】すなわち、請求項の発明は、Yテーブル
位置決め駆動手段によってY軸方向に移動可能なYテー
ブルと,このYテーブルとともにY軸方向に同期移動可
能かつXテーブル位置決め駆動手段によってX軸方向に
移動可能なXテーブルとを真空容器内に配設し、かつY
テーブル位置決め駆動手段の一部を構成するY駆動源お
よびXテーブル位置決め駆動手段の一部を構成するX駆
動源を真空容器外に配設してなる位置決め装置におい
て、基準ベースに対し前記Yテーブルと前記Y軸方向に
相対移動可能な補助Yテーブルを設けるとともに、前記
Yテーブル位置決め駆動手段をYモータからなる前記Y
駆動源と,YモータのY回転動力を前記真空容器内に伝
達するY回転軸と,前記真空容器内においてY回転動力
を利用して補助YテーブルのY粗移動変位量に変換する
Yねじ軸およびYナット部材と,このナツト部材と補助
Yテーブルとを一体的に連結する第1連結部材と,前記
Yテーブルと補助Yテーブルとの間に設けられかつYバ
ネの付勢力を利用して前記Yテーブルと補助Yテーブル
とを前記Y軸方向に一体的に連結可能かつ前記Y軸方向
に伸縮して補助Yテーブル側から前記Yテーブル側にY
微移動変位量を増減可能なYピエゾアクチュエータとか
ら形成し、前記Yテーブルに対し前記Xテーブルと前記
Y軸方向に相対移動可能かつ前記X軸方向に同期移動可
能な補助Xテーブルを設けるとともに、前記Xテーブル
位置決め駆動手段をXモータからなる前記X駆動源と,
XモータのX回転動力を前記真空容器内に伝達するX回
転軸と,前記真空容器内においてX回転動力を利用して
補助XテーブルのX粗移動変位量に変換するXねじ軸お
よびXナット部材と,Xナット部材および軸線方向伸縮
可能継手と一体的な第1連結部材と,軸線方向伸縮可能
継手と補助Xテーブルとを連結する第2連結部材と,
ナット部材と補助Xテーブルとの間の軸線方向伸縮可能
継手内に配設されかつ前記X軸方向に伸縮してXナット
部材側から補助Xテーブル側にX微移動変位量を増減可
能なXピエゾアクチュエータとから形成し、さらに、基
準ベースおよび前記Yテーブルのいずれか一方に取付け
られたYメインスケールとその他方に取付けられたYイ
ンデックススケールとを含み基準ベースに対する前記Y
テーブルの前記Y軸方向のY粗移動変位量とY微移動変
位量との和であるY総移動変位量を検出可能なY変位量
検出手段と,前記Yテーブルお よび前記Xテーブルのい
ずれか一方に取付けられたXメインスケールとその他方
に取付けられたXインデックススケールとを含み基準ベ
ースに対する前記Xテーブルの前記Yテーブルを介した
前記X軸方向のX粗移動変位量とX微移動変位量との和
であるX総移動変位量を検出可能なX変位量検出手段と
を設けた、ことを特徴とする。
【0027】かかる発明では、真空容器外のYモータを
回動させると、そのY回転動力はY回転軸の回転運動に
よって真空容器内に伝達されかつYねじ軸およびYナッ
ト部材により直線運動のY粗移動変位量に変換される。
すなわち、ナット部材と第1連結部材を介して一体的に
連結された補助YテーブルをY軸方向にY粗移動変位量
だけ移動変位することができる。この補助Yテーブルに
はYバネの付勢力を利用してYテーブルが一体的に連結
されているから、Yピエゾアクチュエータの不動作状態
ではYテーブルをY粗移動変位量だけY軸方向に移動変
位させることができる。
【0028】ここに、Y軸方向に相対移動可能とされた
補助YテーブルとYテーブルとの間に設けられたYピエ
ゾアクチュエータをYバネの付勢力に抗して伸長または
Yバネの付勢力の方向に収縮させると、補助Yテーブル
がYモータでY軸方向に移動変位不能とされているか
ら、結果としてYテーブルをY軸方向にYピゾアクチュ
エータの伸縮量分つまりY微移動変位量分だけ移動変位
させることができる。つまり、YテーブルのY総移動変
位量は、YモータによるY粗移動変位量にYピゾアクチ
ュエータによるY微移動変位量を増減した値となる。し
たがって、Yねじ軸とYナット部材で変換したY粗移動
変位量のみでYテーブルを最終位置決めする場合に比較
して飛躍的な高精度で位置決めすることができる。
【0029】また、Xテーブルの場合は、Xモータの回
転によるX回転動力はX回転軸を介して真空容器内に伝
達されかつXねじ軸およびXナット部材でX軸方向のX
粗移動変位量に変換される。このX粗移動変位量は、
ナット部材と第1連結部材を介して一体的な軸線方向伸
縮継手に伝達され、さらにこの軸線方向伸縮継手と第2
の連結部材を介して一体的な補助Xテーブルに伝達され
る。つまり、X軸方向にXテーブルと同期移動可能な補
助Xテーブルを介しXテーブルに伝達されるので、Xテ
ーブルを当該X粗移動変位量分だけX軸方向に移動変位
させることができる。この際、軸線方向伸縮継手内に配
設されたXピゾアクチュエータは、単にXナット部材と
補助Xテーブルとの間に介在された連結部材(第1連結
部材)として働く。
【0030】ここに、Xピエゾアクチュエータを伸縮さ
せると、Xナット部材がXモータに連結されたXねじ軸
でX軸方向に移動変位不能とされているから、結果とし
てXテーブルをX軸方向にXピゾアクチュエータの伸縮
量分つまりX微移動変位量分だけ移動変位させることが
できる。つまり、XテーブルのX総移動変位量は、Xモ
ータによるX粗移動変位量にXピゾアクチュエータによ
るX微移動変位量を増減した値となる。したがって、
ねじ軸とナット部材で変換したX粗移動変位量のみで
Xテーブルを最終位置決めする場合に比較して飛躍的な
高精度で位置決めすることができる。しかも、Yテーブ
ルがY軸方向に移動変位すると、Y変位量検出手段を形
成するYメインスケールとYインデックススケールとが
相対移動するので、YテーブルのY総移動変位量を検出
できる。
【0031】かくして、各モータによる位置決め精度は
各ピエゾアクチュエータの伸縮可能範囲内にあればよく
かつ各ピエゾアクチュエータの伸縮可能範囲は例えば±
8μmでかつ電圧に応じて例えば0.01μm以下の精
度も得られるから、高精度位置決めを達成できる。しか
も、各ピエゾアクチュエータは電圧駆動であるから電界
は発生するものの磁界は発生しないから、電子線に悪影
響を与える心配はない。また、真空容器外からコントロ
ール可能であるから、取扱いも容易である。さらにYナ
ット部材とYテーブルとの間に補助Yテーブルが設けら
れかつXナット部材とXテーブルとの間に補助Xテーブ
ルが設けられているので、YテーブルとXテーブルとの
各軸方向の移動変位をより円滑に行えるとともにY・X
ナット部材からY・Xテーブルまでの撓み等による大き
な機械的誤差を削減することができる。この点からも、
より高精度な位置決めを達成することができる。しか
も、Y・X総移動変位量を用いて位置決め制御系をクロ
ーズドループとすることが容易であるとともにその結果
等を正確に監視できるので、一層の高精度位置決めが可
能となりかつ取扱いも容易となる。
【0032】
【0033】
【0034】た、請求項の発明は、前記Xテーブル
に前記Y軸および前記X軸と直交するZ軸を中心に回転
可能な回転テーブルを設けるとともに、Rバネの付勢力
を利用して回転テーブルの自由回転を阻止可能かつ前記
真空容器内に配設されたRピエゾアクチュエータの伸縮
を利用してRピエゾアクチュエータの伸縮量に対応する
角度だけ回転テーブルを回転して位置決め可能な回転テ
ーブル位置決め駆動手段が設けられている位置決め装置
である。
【0035】かかる構成の発明では、Xテーブルに回転
可能な回転テーブルにワークを取付ければ、このワーク
を電子線に対してY・X総移動変位量だけ相対移動させ
ることができる。しかも、回転テーブル位置決め駆動手
段を形成する真空容器内に配設されたRピエゾアクチュ
エータを伸縮することにより、回転テーブルをZ軸を中
心に例えば±2度の角度範囲内で回動しつつ例えば±1
度以内に位置決めすることができかつ位置決め後の角度
をRバネの付勢力で保持できる。
【0036】よって、請求項1発明の場合の作用効果に
加え、電子線とワークとの2次元(Y,X)的な相対位
置を迅速に調整できるので、適用性を一段と拡大でき
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。本位置決め装置は、基準ベース11
に対しYテーブル40とY軸方向に相対移動可能な補助
Yテーブル42を設けるとともに、Yテーブル位置決め
駆動手段50をYモータ51からなるY駆動源と,Yモ
ータ51のY回転動力を真空容器1内に伝達するY回転
軸54と,真空容器1内においてY回転動力を利用して
補助Yテーブル42のY粗移動変位量Ylに変換するY
ねじ軸55およびYナット部材56と,このナツト部材
56と補助Yテーブル42とを一体的に連結する第1連
結部材43と,Yテーブル40と補助Yテーブル42と
の間に設けられかつYバネ13の付勢力を利用してYテ
ーブル40と補助Yテーブル42とをY軸方向に一体的
に連結可能かつY軸方向に伸縮して補助Yテーブル42
側からYテーブル40側にY微移動変位量Ysを増減可
能なYピエゾアクチュエータ57とから形成され、Yテ
ーブル40に対しXテーブル60とY軸方向に相対移動
可能かつX軸方向に同期移動可能な補助Xテーブル64
を設けるとともに、Xテーブル位置決め駆動手段70を
Xモータ71からなるX駆動源と,Xモータ71のX回
転動力を真空容器1内に伝達するX回転軸74と,真空
容器1内においてX回転動力を利用して補助Xテーブル
64のX粗移動変位量Xlに変換するXねじ軸75およ
びXナット部材76と,Xナット部材76および軸線方
向伸縮可能継手66と一体的な第1連結部材67と,軸
線方向伸縮可能継手66と補助Xテーブル64とを連結
する第2連結部材65と,Xナット部材76と補助Xテ
ーブル42との間の軸線方向伸縮可能継手66内に配設
れかつX軸方向に伸縮してXナット部材76側から補
助Xテーブル64側にX微移動変位量Xsを増減可能な
Xピエゾアクチュエータ77とから形成され、さらに、
Yメインスケール141とYインデックススケール14
3とを含み基準ベース11に対するYテーブル40のY
軸方向のY粗移動変位量とY微移動変位量との和である
Y総移動変位量を検出可能なY変位量検出手段140
と,Xメインスケール151とXインデックススケール
153とを含み基準ベース11に対するXテーブル60
のYテーブル40を介したX軸方向のX粗移動変位量と
X微移動変位量との和であるX総移動変位量 を検出可能
なX変位量検出手段150とを設けた構成とされてい
る。
【0038】
【0039】さらに、Xテーブル40にY軸およびX軸
と直交するZ軸を中心に回転可能な回転テーブル90を
設けるとともに、Rバネ82の付勢力を利用して回転テ
ーブル90の自由回転を阻止可能かつ真空容器1内に配
設されたRピエゾアクチュエータ110の伸縮を利用し
てRピエゾアクチュエータ110の伸縮量に対応する角
度だけ回転テーブル90を回転して位置決め可能な回転
テーブル位置決め駆動手段100を設け、回転テーブル
90をZ軸を中心として回転可能かつ高精度位置決め可
能に形成し、ワークに関する適用性の拡大を図ってい
る。
【0040】図5において、真空容器1は、収容室3を
形成する起立円筒形状の容器本体2と,装着室5を形成
する水平円筒形状の装着部4とから形成され、図で左側
の保持部6にシール部7を介して装置本体10が装着さ
れる。連通する収容室3と装着室52は、図示しない真
空引き装置で10-6〜10-7トールの真空とされる。
【0041】図1,図5において、装置本体10は、ボ
ルトによって一体的に固定された基準ベース11と嵌装
部21とからなる。基準ベース11にはYテーブル40
がY方向に移動可能に装着され、Xテーブル60はYテ
ーブル40に移動可能に装着されかつ基準ベース11に
対しX方向に移動可能である。また、Xテーブル60に
は、Z軸線を中心に回転可能な回転テーブル90が設け
られている。同様に、回転テーブル位置決め駆動手段1
00および角度固定手段120が付設されている。
【0042】嵌装部21は、シール部23を有し、保持
部6に嵌装保持される。嵌装後はシール部7でも気密さ
れる。また、この実施形態では、図3に示す全体傾斜駆
動手段130(つまみ131)で回動される図1のウォ
ームねじ132と噛合うウォームホイール24を有し、
X軸を中心に全体傾斜可能とされている。
【0043】嵌装部21の中空部22は、嵌装保持状態
において、真空容器1の装着室5と連通される。また、
図5で左端面(取付面25)には、底付円筒部材29と
ともにモータ保持部28を形成するフランジ部26が図
4に示すシール部27を介して取付けられる。
【0044】図に示す底付円筒部材29の円筒部30
の一方側には、Y回転軸54の気密回転貫通を許容しか
つ真空容器1の内外を気密するシール部31Aが設けら
れている。また、その他方側には、真空容器1の内外を
気密するシール部31Bが設けられている。さらに、図
1,図5に示す底部36には、X回転軸74の気密回転
貫通を許容しかつ真空容器1の内外を気密するシール部
37が設けられている。
【0045】したがって、底付円筒部材29の中空部3
5が連通する嵌装部21内の中空部22,真空容器1の
装着室5および収容室3とを、所定の真空度に維持でき
る。しかも、シール部31Aと円筒部30およびシール
部37と底部36とは他のシール部と同様に静止係合で
あり、シール部31AとY回転軸54およびシール部3
7とX回転軸74とは回転運動係合である。つまり、従
来例の場合のように直線運動係合でないから、気密性を
長期に亘って安定して維持できる。
【0046】さて、Yテーブル40は、図1に示す如
く、左右一対のクロスローラベアリング12を介して基
準ベース11にY方向(図5参照)に摺動可能に装着さ
れ、かつ図1,図4に示す左右一対のYバネ13の付勢
力でYピエゾアクチュエータ57を介して第2連結部材
41に押付けられている。
【0047】この第2連結部材41は、基準ベース11
に図1に示す左右一対のクロスローラベアリング14を
介してY軸方向に摺動可能な補助Yテーブル42に一体
的に取付けられている。すなわち、補助Yテーブル42
は、基準ベース11に対しYテーブル40とY軸方向に
相対移動可能である一方において、Yピエゾアクチュエ
ータ57を介在させかつYバネ13の付勢力を利用する
ことによって、Yテーブル40と補助Yテーブル42と
はY軸方向に一体的に連結可能でもある。つまり、補助
テーブル42側を駆動側とすれば、両者40,42は
Y軸方向に同期移動可能である。
【0048】ここに、Yテーブル位置決め駆動手段50
は、図3〜図5に示す如く、つまみ52付のYモータ
(ステッピングモータ)51からなる駆動源と,Y回転
軸54とYねじ軸(ボールねじ軸)55と,Yナット部
材56と,このYナット部材56と補助Yテーブル42
とを起立連結部材43Vを介して一体的に連結する第1
連結部材43と,上記の補助Yテーブル42と,第2連
結部材41と,Yピエゾアクチュエータ57とからな
る。
【0049】すなわち、駆動源(51)は嵌装部21を
介して真空容器1の外に配設されかつYテーブル40は
真空容器1(収容室3)内に配設されているので、Yモ
ータ51とYテーブル40との距離が長くなる。この
点、Yモータ51から発生される磁界が収容室3内のワ
ークに照射される電子線に悪影響を及ぼすことを、一掃
することができる。しかし、長寸とならざるを得ない第
1連結部材43の撓み変形等を考えると、Yねじ軸55
とYナット部材56とによるY軸方向の例えば5μm以
下の精度の移動変位量をYテーブル40に正確に伝達す
ることに困難性を伴う。
【0050】そこで、Yテーブル40とY軸方向に同期
移動可能な補助Yテーブル42を介在させることによ
り、Yナット部材56の移動変位量とYテーブル40の
移動変位量とを同一化可能に形成している。しかし、従
来例の精度(例えば、100μm以上)に比較すれば、
Yテーブル40の位置決め精度を例えば5μmオーダー
に大幅に改善できたとしても、まだ最終的要請たる例え
ば0.1μm以下の位置決め精度を達成するには遠く及
ばない。
【0051】かくして、Yナット部材56の移動変位量
をY粗移動変位量Ylとし、これにYピエゾアクチュエ
ータ57によるY微移動変位量Ysを増減可能として、
Yテーブル40の位置決め精度をY粗移動変位量Ylと
Y微移動変位量Ysとの和である総移動変位量Ylsを
もって規定することにより、最終位置決め精度を0.1
μm以下とする。
【0052】ここに、Yピエゾアクチュエータ57は、
積層圧電アクチュエータ素子〔日本電気製(AE050
5D16)〕から形成され、電圧(0〜150V)で変
位(0〜16μm)を得ることができる。この実施形態
では、図9に示すYピエゾドライバ57Dを用いて常時
に75Vを印加しておき、Yモータ51,Yネジ軸55
およびYナット部材56によるY粗移動変位量Ylを基
準(中心)としてY軸方向に±8μmのY微移動変位量
Ysを増減可能としてある。なお、Y粗移動変位量Yl
は、最大が40mmとしてある。
【0053】次に、Xテーブル60は、図2に示す如
く、Yテーブル40に左右一対のLMガイド45を介し
てX軸方向に移動可能に装着されている。LM(Lin
earMotion)ガイド45は、THK(株)製の
HR型2HR918UUを採用した。また、補助Xテー
ブル64は、図1に示す如く、第3連結部材61,Y軸
方向に伸びる条部62およびクロスローラベアリング6
3を介してXテーブル60とY軸方向に相対移動可能と
されている。また、第3連結部材61の一方端をXテー
ブル60に固着することにより、補助Xテーブル64を
X軸方向においてXテーブル60と同期移動可能に形成
している。
【0054】すなわち、Xテーブル60は、図2に示す
如く、Yテーブル40に対しLMガイド45を介してX
軸方向に相対移動可能である。しかし、ワークをY軸方
向に位置決めするためには、Y軸方向に移動変位するY
テーブル40ととともに当該Y軸方向に同期移動しなけ
ればならない。しかるに、Xテーブル位置決め駆動手段
70の駆動源(モータ71)は嵌装部11を介して真
空容器1(4)に固定されている。かくして、補助Xテ
ーブル64は、Xテーブル位置決め駆動手段70による
Xテーブル60のX軸方向の移動を許容しかつYテーブ
ル位置決め駆動手段50によるXテーブル60のY軸方
向の移動を許容するために設けられている。
【0055】ここに、Xテーブル位置決め駆動手段70
は、図1,図5に示す如く、つまみ72付のXモータ
(ステッピングモータ)71からなる駆動源と,カップ
リング73を介して連結されたX回転軸74と,これに
連結されたねじ軸(ボールねじ軸)75と,ナット部材
76と,このナット部材76およびカップリング
と一体的な第1連結部材67と,軸線方向伸縮可能
継手66と補助Xテーブル64とを連結するための起立
する第2連結部材65と,軸線方向伸縮可能継手66内
に配設されたXピエゾアクチュエータ77と,上記した
補助Xテーブル64と,第3連結部材61等とからな
る。
【0056】軸線方向伸縮可能継手66は、断面矩形状
の中空体にその軸線方向に離隔されかつ周方向に位置ず
れされた複数(例えば、4本)の切欠溝を有し、軸線方
向に強制外力を加えればその軸方向寸法を微小量だけ変
化させることができる。すなわち、Xピエゾアクチュエ
ータ77によるX軸方向の伸長および収縮を補助Xテー
ブル64側に付与可能とするために設けられている。な
お、Xピゾアクチュエータ77も、Yピエゾアクチュエ
ータ57の場合と同様にバイアス(例えば、75V)を
かけて装着してある。
【0057】出願人の測定によれば、静止状態において
両端から強制外力(ピエゾアクチュエータ77からの伸
長力相当)を加えたところ、寸法(長さ)を最大で0.
8mm程度短縮できかつ強制外力を除去すれば弾性復帰
により元の寸法(20.0mm)に戻ることを確認して
いる。したがって、初期状態を例えば0.5mmだけ短
縮した状態としておけば、その状態を基準としてX軸方
向に例えば±0.2mmを伸縮させることは容易であ
る。
【0058】すなわち、駆動源(71)のX回転動力を
Xねじ軸75およびXナット部材76を介して変換した
直線動力によるX粗移動変位量XlにXピゾアクチュエ
ータ77の伸縮によるX微移動変位量Xsを増減したX
総移動変位量Xlsとして、Xテーブル60をX軸方向
に移動させて高精度位置決めするわけである。
【0059】また、Xテーブル位置決め駆動手段70の
Xモータ71,X回転軸74,Xねじ軸75と、Yテー
ブル位置決め駆動手段50のYモータ51,Y回転軸5
4,Yねじ軸55とが、直交軸線(X,Y)上に配設さ
れているので、一層の小型化を図れるとともに取扱い容
易である。しかも、各駆動源(51,71)をモータか
ら形成できかつ自動位置決めも可能となるわけである。
【0060】このXテーブル60には、図1,図2,図
5に示す如く、ワークを取付けるための回転テーブル9
0が回転可能に装着されている。詳しくは、Xテーブル
60の軸受部80(ベアリング81)に、回転テーブル
90に一体の軸部91を嵌挿している。そして、回転テ
ーブル90の下面側に一体に設けた係合部92を、図5
に示す一端がXテーブル60に係止されたバネ82の付
勢力によって駆動ピン109に当接させて、回転テーブ
ル90のR方向の自由回転を阻止可能に形成してある。
【0061】回転テーブル位置決め手段100は、図
5,図7に示す如く、増幅機構101と駆動源たるRピ
エゾアクチュエータ110とからなり、全体として真空
容器1内に収容される。そして、回転テーブル90を中
心基準に±2度以内で回転変位させつつ±1度以内の高
精度で位置決めすることができる。すなわち、大型,高
価で低精度の従来例(図12)に比較して、より大幅な
小型,簡素化,低コストおよび高精度化を図ることがで
きる。
【0062】しかし、Rピエゾアクチュエータ110
は、磁界を発生しないことから真空容器1内でかつワー
クに近い位置に配設できるが、直線変位でかつその伸縮
量は小さい。そこで、増幅機構101で例えば100倍
以上に伸縮量を増幅している。
【0063】この増幅機構101は、Xテーブル60に
固定される基部102と,位置固定的な基準アーム10
6と,これに対するものとしての位置可変的な増幅第1
アーム103と,増幅第2アーム104と,増幅第3ア
ーム107と,上記した駆動ピン109と,ビスからな
る支点108とからなる。基部102と増幅第1アーム
との間には、断面係数が小さくされた傾斜回動中心部1
02Pを設け、増幅第1アーム103と増幅第2アーム
104とは、線状部105を介して連結されている。こ
の線状部105は、増幅第1アーム103の傾斜回動中
心部102Pを中心とする円弧変位(運動)を、増幅第
3アーム107側に伝達させないためのものである。す
なわち、2組のテコを応用した乗算機構からなる。
【0064】かくして、傾斜回動中心部102PとRピ
エゾアクチュエータ110の当接点PS1との距離をY
1,当接点PS1から線状部105までの距離をY2,
増幅第1アーム103の有効長をY3とし、かつ線状部
105と増幅第3アーム106の当接部PS2つまり支
点108との距離をY4,支点108と駆動ピン109
までの距離をY5,増幅第3アーム107の有効長をY
6とすれば、Rピエゾアクチュエータ110の例えば伸
長量Px1は第1段階でY3/Y1倍に増幅され、次の
第2段階でY5/Y4倍に増幅される。
【0065】例えば、Y1=5mm,Y3=60mm,
Y4=3mm,Y5=42mmで伸量Px1=5μmと
すれば、Y3/Y1=12,Y5/Y4=14であるか
ら、駆動ピン109のX軸方向の移動量はPx1=5μ
mの168倍(=873μm)となる。
【0066】一方、回転テーブル90を角度(±θ)だ
け移動変位させるには、駆動ピン109と回転テーブル
90の回転中心(Z軸)までの距離をY7とした場合、
必要とする駆動ピン109の移動変位量Xdは(Y7×
tanθ)であればよい。例えば、Y7=25mmでθ
=±2度とすれば、873μmとなる。してみると、R
ピゾアクチュエータ110の伸(縮)量Px1は、1/
168でよいから5.2μmで足りる。
【0067】ところで、Z軸を中心とする位置決めを如
何に高精度で行えることができたとしても、係合部92
と駆動ピン109とをRバネ82の付勢力のみによって
当接させていたのでは、増幅機構101の構造からして
も、回転テーブル90の角度が例えば振動等により微小
に変位する場合が考えられる。
【0068】そこで、この実施形態では、角度固定手段
120を設け、回転テーブル位置決め駆動手段100に
よる位置決め角度を正確に維持可能に形成してある。
【0069】すなわち、角度固定手段120は、図8に
示す如く、Xテーブル60に固着された基部121と固
定アーム122とSピエゾアクチュエータ123と可動
アーム124とストッパー125とから形成され、Sピ
エゾアクチュエータ123の伸長量Px2をY9/Y8
に増幅しつつストッパー125を図5に示す回転テーブ
ル90の周面93から離脱可能に形成するとともに、S
ピエゾアクチュエータ123が不動作状態である常態に
あっては周面93を押圧してストップ可能に形成してあ
る。
【0070】次に、Y変位量検出手段140は、図1,
図2に示す如く、Yテーブル40に設けられたY軸方向
に伸びる第1光学格子を有するYメインスケール141
と,基準ベース11に設けられた第2および第3光学格
子を有するYインデックススケール143と,Y変位検
出器142とからなり、基準ベース11に対するYテー
ブル40の上記Y総移動変位量Ylsを検出可能であ
る。なお、Yメインスケール141は基準ベース11お
よびYテーブル40のいずれか一方に取付ければよく、
Yインデックススケール143はその他方に取付ければ
よいので、Yテーブル40にYインデックススケール1
43を設けかつ基準ベース11にYメインスケール14
1を設けても実施することができる。
【0071】この実施形態では、発光器からの発光を第
2光学格子を通して第1光学格子に照射しかつ反射させ
検出光を第3光学格子を通して受光するいわゆるスリー
グレーテング方式(例えば、特願平6−325801
号)とされ、例えば0.01μm以下の分解能で検出す
ることができる。
【0072】同様に、X変位量検出手段150は、図
1,図2に示す如く、Xテーブル60に設けられたX軸
方向に伸びる第1光学格子を有するXメインスケール1
51と,Yテーブル0に設けられた第2および第3光
学格子を有するXインデックススケール153と,X変
位検出器152とからなり、Yテーブル0を介して基
準ベース11に対するXテーブル60の上記X総移動変
位量Xlsを検出可能である。なお、Xメインスケール
151はYテーブル40およびXテーブル60のいずれ
か一方に取付ければよく、Xインデックススケール15
3はその他方に取付ければよいから、Xテーブル60に
Xインデックススケール153を設けかつYテーブル4
0にXメインスケール151を設けても実施することが
できる。
【0073】この実施形態では、上記場合と同様なスリ
ーグレーテング方式とされ、例えば0.01μm以下の
分解能で検出することができる。
【0074】図9において、上位機(パソコン)160
と,Yテーブル40用のYコントローラ170と,Xテ
ーブル60用のXコントローラ180と,回転テーブル
90用のRコントローラ190とは、データ通信可能に
ケーブル(例えば、10BASE−T)161で接続さ
れている。上位機160は、各テーブル40,60,9
0用および角度固定手段120用の位置決め制御信号を
出力し、自動位置決めすることができる。また、各コン
トローラ170,180,190で、各テーブル40,
60,90ごとの手動による位置決めを実行することが
できる。
【0075】Yテーブル40用のコントローラ170
は、例えば8ビットのCPU171,メモリ(ROM,
RAM等)172,操作パネル173,表示器174,
通信用インターフェイス(I/F)175,ステッピン
グモータ(SM)からなるYモータ51のYモータドラ
イバ51DにY粗移動変位量Yl相当信号を出力しかつ
Yピエゾアクチュエータ57のYピエゾドライバ57D
にY微移動変位量Ys相当信号を出力する入出力ポート
(I/O)176と,Y変位量検出手段140からのY
総移動変位量Ylsの検出信号を取込むためのインター
フェイス(I/F)177とを含み、Yテーブル位置決
め駆動手段50を駆動制御してYテーブル40のY軸方
向の位置決めを実行可能に形成されている。
【0076】取込んだY総移動変位量Yls(=Yl+
Ys)は、表示器174で何時でも正確に監視すること
ができる。また、操作パネル173には、図示省略した
Y位置決め設定変位量Yls(=Yl+Ys)を設定す
る設定器,Y粗移動設定変位量Xlを設定する設定器,
Y微移動設定変位量Ysを設定する設定器,速度設定器
等が設けられている。Yコントローラ170において手
動位置決め可能とするものである。
【0077】ここに、Yコントローラ170は、図10
に示す如く、上位機160から位置決め設定変位量(Y
ls)を受信(ST10のYES,ST11)すると、
Y粗移動設定変位量Yl相当信号を出力してYモータ5
1を回動駆動しつつY変位量検出手段140で検出され
たY総移動変位量Ylsをフィードバック信号としてク
ローズドループ制御によりYテーブル40のY軸方向の
粗位置決めを行う(ST12,ST13)。
【0078】そして、切替ポイントになる(ST14の
YES)と、Y微移動設定変位量Ys相当信号を出力し
てYピエゾアクチュエータ57を伸縮駆動しつつY変位
量検出手段140で検出されたY総移動変位量Ylsを
フィードバック信号としてクローズドループ制御により
Yテーブル40のY軸方向の微位置決めを行う(ST1
5,ST16)。この結果、フィードバック信号が位置
決め設定変位量Ylsと等しくなった場合(ST17)
に終了する。したがって、自動的に0.1μm以下の高
精度で位置決めすることができる。
【0079】また、設定器を用いてY粗移動設定変位量
Ylが入力された場合には、Yモータ51のみを駆動制
御する(ST18〜ST22)。Y微移動設定変位量Y
sが入力された場合には、Yピエゾアクチュエータのみ
を駆動制御する(ST23〜ST27)。
【0080】Xコントローラ180の構成・機能も、Y
コントローラ170の場合(図10も含む)と同様であ
る。例えば“171”を“181”に読替えればよい。
【0081】また、Rコントローラ190は、CPU1
91,メモリ192,操作パネル193,インターフェ
イス(I/F)195および入出力ポート(I/O)1
96を含み、回転テーブル位置決め駆動手段100(1
23D,123)を駆動制御可能でかつ角度固定手段1
20(110D,110)も駆動制御可能である。
【0082】すなわち、回転テーブル90の角度位置決
めに先立ってSピエゾアクチュエータ110を伸長駆動
制御してブレーキ(ストッパー125)を外し、次いで
Rピエゾアクチュエータ110を伸縮駆動制御して回転
テーブル90の位置決めを行い、しかる後にSピエゾア
クチュエータ110を不動作として回転テーブル90を
その位置に固定化する。
【0083】なお、図9に2点鎖線で示すロータリーエ
ンコーダ(E)300と検出回路301とインターフェ
イス(I/F)197および表示器194を設け、回転
角度を監視可能とすることができる。さらに、フィード
バック制御を可能に形成することもできる。
【0084】なお、図6に示すコネクタ201はYモー
タ51用,201はYピエゾアクチュエータ77用,2
02はY変位量検出手段140用,203はXモータ7
1用,204はXピエゾアクチュエータ77用,205
はX変位量検出手段150用,206はZピエゾアクチ
ュエータ用,207はSピエゾアクチュエータ用で、2
08は各リミットスイッチ用である。
【0085】次に、この実施形態の作用・動作を説明す
る。上位機160からY総移動設定変位量Yls,X総
移動設定変位量XlsおよびR総移動設定変位量Rを含
む位置決め設定変位量が入力されかつ位置決め開始指令
が発せられると、Yコントローラ170はYテーブル位
置決め駆動手段50を駆動制御する(図10のST11
〜ST13)。
【0086】すなわち、図4,図5に示す真空容器1外
のYモータ51が回転駆動され、このY回転動力はY回
転軸54を介して真空容器1(35)内に伝達されYね
じ軸55を回転する。すると、Yナット部材56との協
働により、第1連結部材43および起立連結部材43V
を介して、補助Yテーブル42をY軸方向にY粗移動設
定変位量Yl相当信号に基き移動変位させる。すなわ
ち、基準ベース11に対しクロスローラベアリング14
を介して粗移動変位される。
【0087】すると、第2連結部材43およびYピエゾ
アクチュエータ57を介しかつYバネ13の付勢力を利
用して一体的に連結されたYテーブル40が同期移動変
位する。補助Yテーブル42を介することから、第1連
結部材43が長寸でもYナット部材56のY軸方向のY
粗移動変位量YlをYテーブル40に安定かつ正確に伝
えられる。
【0088】Yコントローラ170は、この期間中、Y
変位量検出手段140で検出されたY総移動変位量Yl
sをフィードバック信号としてクローズドループで位置
決め制御する。そして、Yモータ51の駆動制御では限
界とされる位置決め精度つまり切替ポイントを確認する
(ST14のYES)すると、Yモータ51の駆動制御
を停止するとともに、Yピエゾアクチュエータ57を駆
動制御する(ST15,ST16)。Y総移動設定変位
量YlsのうちのY微移動設定変位量Ys相当信号が出
力される。
【0089】この際、補助Yテーブル42は、Yナット
部材76とステッピングモータ(51)のホールドトル
クで静止されたYねじ軸55との関係で、静止側とな
る。したがって、Yピエゾアクチュエータ57の伸縮量
は、Yテーブル40のY微移動変位量Ysとなる。つま
り、先のY粗移動変位量YlにY微移動変位量Ysを増
減できる。すなわち、Y総移動変位量YlsだけY軸方
向に移動変位させ、0.1μm以下の精度で位置決めす
ることができる。
【0090】また、これと同時的(または、その後)に
Xコントローラ180は、Xテーブル位置決め駆動手段
70を駆動制御しつつXテーブル60のX軸方向におけ
る位置決めを行う。
【0091】すなわち、Yテーブル40の位置決め中に
Yテーブル40がY軸方向に移動変位すると、Yテーブ
ル40に取付けられたXテーブル60はYテーブル40
とともにY軸方向に同期移動変位する。この際における
Xナット部材76側とXテーブル60側とのY軸方向の
相対移動変位は補助Xテーブル64とXテーブル60と
Y軸方向に相対移動変位として吸収される。
【0092】しかし、補助Xテーブル64とXテーブル
60とは、X軸方向については一体的で同期移動変位す
る。したがって、Xモータ71が回転されかつXねじ軸
75とXナット部材76とで変換された直線動力が生ず
ると、主にカップリング66を介して補助Xテーブ
ル64に伝達されるから、補助Xテーブル64をX粗移
動変位量XlだけX軸方向に移動できるとともに第3連
結部材61を介してXテーブル60を同期移動変位する
ことができる。
【0093】そして、切替ポイント以降は、Xナット部
材76,第1連結部材67が静止側となる。したがっ
て、Xピエゾアクチュエータ77が伸縮すると、X粗移
動変位の場合と同様にXテーブル60をX軸方向にX微
移動変位させかつ0.1μm以下の高精度で位置決めす
ることができる。X変位量検出手段150を用いてフィ
ードバック制御する。
【0094】さらに、Xテーブル60の位置決めと同時
的(または、その後)に、Rコントローラ190は、回
転テーブル90の角度位置決めを行う。
【0095】まず、角度固定手段120のSピエゾアク
チュエータ123を伸長させることにより、ストッパー
125を回転テーブル90の周面93から外す。次い
で、回転テーブル位置決め駆動手段100のRピエゾア
クチュエータ110を伸縮させる。この伸縮量(図7の
“Px1”)は、増幅機構101によって拡大され、駆
動ピン109を移動変位させる。したがって、係合部9
2を、Rバネ82の付勢に抗しあるいはその付勢方向
に、移動変位させられる。これにより、回転テーブル9
0をZ軸中心に基準角度から±1度の精度で角度変位で
きる。しかる後に、角度固定手段120を働かせ、ブレ
ーキする。
【0096】なお、X・Yピエゾアクチュエータ57,
77はもとより、回転テーブル90に接近するR、Sピ
エゾアクチュエータ110,123も磁界を発生しない
ので、電子線に悪影響を与えることはない。
【0097】しかして、この実施形態によれば、基準ベ
ース11に対しYテーブル40とY軸方向に相対移動可
能な補助Yテーブル42を設けるとともに、Yテーブル
位置決め駆動手段50をYモータ51からなるY駆動源
と,Yモータ51のY回転動力を真空容器1内に伝達す
るY回転軸54と,真空容器1内においてY回転動力を
利用して補助Yテーブル42のY粗移動変位量Ylに変
換するYねじ軸55およびYナット部材56と,このナ
ツト部材56と補助Yテーブル42とを一体的に連結す
る第1連結部材43と,Yテーブル40と補助Yテーブ
ル42との間に設けられかつYバネ13の付勢力を利用
してYテーブル40と補助Yテーブル42とをY軸方向
に一体的に連結可能かつY軸方向に伸縮して補助Yテー
ブル42側からYテーブル40側にY微移動変位量Ys
を増減可能なYピエゾアクチュエータ57とから形成さ
れ、Yテーブル40に対しXテーブル60とY軸方向に
相対移動可能かつX軸方向に同期移動可能な補助Xテー
ブル64を設けるとともに、Xテーブル位置決め駆動手
段70をXモータ71からなるX駆動源と,Xモータ7
1のX回転動力を真空容器1内に伝達するX回転軸74
と,真空容器1内においてX回転動力を利用して補助X
テーブル64のX粗移動変位量Xlに変換するXねじ軸
75およびXナット部材76と,Xナット部材76およ
び軸線方向伸縮可能継手66と一体的な第1連結部材6
7と,軸線方向伸縮可能継手66と補助Xテーブル64
とを連結する第2連結部材65と,Xナット部材76と
補助Xテーブル42との間の軸線方向伸縮可能継手66
内に配設されかつX軸方向に伸縮してXナット部材76
側から補助Xテーブル64側にX微移動変位量Xsを増
減可能なXピエゾアクチュエータ77とから形成され、
さらに、Yメインスケール141とYインデックススケ
ール143とを含み基準ベース11に対するYテーブル
40のY軸方向のY粗移動変位量とY微移動変位量との
和であるY総移動変位量を検出可能なY変位量検出手段
140と,Xメインスケール151とXインデックスス
ケール153とを含み基準ベース11に対するXテーブ
ル60のYテーブル40を介したX軸方向のX粗移動変
位量とX微移動変位量との和であるX総移動変位量を検
出可能なX変位量検出手段150とを設けた構成とされ
ているので、各モータ51,71による位置決め精度は
各ピエゾアクチュエータ57,77の伸縮可能範囲内に
あればよくかつ各ピエゾアクチュエータの伸縮可能範囲
は例えば±8μmでかつ電圧に応じて例えば0.01μ
m以下の精度も得られるから、高精度位置決めを達成で
きる。しかも、各ピエゾアクチュエータ57,77は電
圧駆動であり電界は発生するものの磁界は発生しないか
ら、電子線に悪影響を与える心配はない。さらに、真空
容器1外からコントロール可能であるから、取扱いも容
易である。また、Yテーブル40とXテーブル60との
各軸方向の移動変位をより円滑に行えるとともにY・X
ナット部材56・76からY・Xテーブル40・60ま
での撓み等による大きな機械的誤差を削減することがで
きる。この点からも、より高精度な位置決めを達成する
ことができる。さらに、Y・X総移動変位量Yls,X
lsを用いて位置決め制御系をクローズドループとする
ことが容易であるとともに位置決めの途中および結果を
正確に監視できるので、一層の高精度位置決めが可能と
なりかつ取扱いも容易となる。
【0098】
【0099】また、Yテーブル位置決め駆動手段50
(51,54,55)とXテーブル位置決め駆動手段7
0(71,74,75)とが直交配設されているので、
一層の小型化を図れるとともに取扱い容易である。しか
も、各駆動源(51,71)をモータから形成できかつ
自動位置決めができる。
【0100】また、Xテーブル位置決め駆動手段70
(76,77)とYテーブル位置決め駆動手段50(4
3)とが上下に配設されているので、一層の小型化が図
れる。
【0101】また、補助Yテーブル42が設けられてい
るので、Yテーブル位置決め駆動手段50の一部を形成
する第1連結部材43が長寸となっても、Yナット部材
56のY粗移動変位量YlをYテーブル40に正確かつ
安定して伝達できる。
【0102】また、補助Xテーブル64が設けられてい
るので、Xテーブル位置決め駆動手段70の一部を形成
する第1連結部材67等が長寸となってもXナット部材
76のX粗移動変位量XlをXテーブル60に正確かつ
安定して伝達できるとともに、Yテーブル40の位置決
めと同時にXテーブル60の位置決めを行える。つま
り、位置決めの迅速化を図れる。
【0103】また、Y・Xテーブル位置決め駆動手段5
0・70の各モータ51・71で発生された回転動力を
各回転軸54・74の回転運動を利用して真空容器1内
に伝達可能であるから、シール構造(31A,37)を
簡素化かつ低コスト化で具現化できるとともに、真空容
器1内の真空度を長期的により安定化できる。
【0104】また、Xピエゾアクチュエータ77を軸線
方向に伸縮可能な継手66内に配設しかつ第1連絡部材
67と補助Xテーブル60との連結をするものと形成し
てあるので、Xピエゾアクチュエータ77の伸縮動作を
より正確に行えかつXピエゾアクチュエータ77の常時
的な軸方向負荷の軽減を図れるとともにバイアスもかけ
られる。
【0105】
【0106】また、Y・X変位量検出手段140・15
0が0.01μm以下の分解能で検出可能なスリーグレ
ーテング方式とされているので、各テーブル位置決めを
クローズドループにより0.1μm以下の高精度で行え
かつ表示器174,184による正確な監視ができる。
【0107】さらに、Xテーブル60にY軸およびX軸
と直交するZ軸を中心に回転可能な回転テーブル90を
設けるとともに、Rバネ82の付勢力を利用して回転テ
ーブル90の自由回転を阻止可能かつ真空容器1内に配
設されたRピエゾアクチュエータ110の伸縮を利用し
てRピエゾアクチュエータの伸縮量に対応する角度だけ
回転テーブルを回転して位置決め可能な回転テーブル位
置決め駆動手段100が設けられているので、回転テー
ブル90をZ軸を中心に例えば±2度の角度範囲内で回
動しつつ例えば±1度以内に位置決めすることができか
つ位置決め後の角度をRバネ82の付勢力で保持でき
る。したがって、電子線とワークとの2次元(Y,X)
的な相対位置を迅速に調整できるので、適用性を一段と
拡大できる。
【0108】また、回転テーブル位置決め駆動手段10
0の駆動源がRピエゾアクチュエータ110から形成さ
れているので、真空容器1内に配設できる。したがっ
て、この点からも小型化が図れかつ回転テーブル90を
高速度で小角度位置決めができる。しかも、Xテーブル
位置決め駆動手段70(71)およびYテーブル位置決
め駆動手段50(51)と真空容器1外において取扱い
上の干渉が生じないので、一段と取扱いが容易である。
【0109】また、回転テーブル位置決め駆動手段10
0が2組のテコを含む乗算方式の増幅機構101を含
み、Rピゾアクチュエータ110の伸縮量を100倍以
上にも増幅可能とされているので、回転テーブル90の
位置決め角度の拡大化および任意角度での位置決めを切
替えつつ行える。
【0110】さらに、Sピエゾアクチュエータ123を
用いた角度固定手段120が設けられているので、回転
テーブル位置決め駆動手段100で位置決めされた回転
テーブル角度を正確に保持できる。
【0111】さらに、各コントローラ170,180,
190が上位機(パソコン)160からの位置決め設定
変位量(Yls,Xls,R)に基き、自動位置決め制
御可能に形成されているので、取扱いが一段と容易で利
用性が高まる。
【0112】さらにまた、各コントローラ170,18
0,190が手動設定により各位置決めを実行可能に形
成されているので、試験・研究を一段と高能率で行え得
る。
【0113】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、基準ベースに
対しYテーブルとY軸方向に相対移動可能な補助Yテー
ブルを設け、Yテーブル位置決め駆動手段をY駆動源と
Y回転軸とYねじ軸およびYナット部材と第1連結部材
とYピエゾアクチュエータとから形成され、Yテーブル
に対しXテーブルとY軸方向に相対移動可能かつX軸方
向に同期移動可能な補助Xテーブルを設け、Xテーブル
位置決め駆動手段70をX駆動源とX回転軸とXねじ軸
およびXナット部材とXナット部材および軸線方向伸縮
可能継手と一体的な第1連結部材と第2連結部材とXピ
エゾアクチュエータとから形成され、さらに、Yメイン
スケールとYインデックススケールとを含み基準ベース
に対するYテーブルのY粗移動変位量とY微移動変位量
との和であるY総移動変位量を検出可能なY変位量検出
手段とXメインスケールとXインデックススケールを含
み基準ベースに対するXテーブルのX粗移動変位量とX
微移動変位量との和であるX総移動変位量を検出可能な
X変位量検出手段とを設けた位置決め装置であるから、
次のような優れた効果を奏することができる。各モー
タによる位置決め精度は各ピエゾアクチュエータの伸縮
可能範囲内にあればよくかつ各ピエゾアクチュエータの
伸縮可能範囲は例えば±8μmでかつ電圧に応じて例え
ば0.01μmの精度も得られるから、高精度位置決め
を達成できるとともに小型化および低コスト化を達成で
きる。 しかも、各ピエゾアクチュエータは電圧駆動で
あり電界は発生するものの磁界は発生しないから、電子
線に悪影響を与える心配はない。YテーブルとXテー
ブルとの各軸方向の移動変位をより円滑に行えるととも
にY・Xナット部材からY・Xテーブルまでの撓み等に
よる大きな各機械的誤差を削減することができる点から
も、より高精度な位置決めを達成することができる。
また、真空容器外からコントロール可能であるから、取
扱いも容易である。さらに、Y・X総移動変位量を用
いて位置決め制御系をクローズドループとすることが容
易であるとともにその結果等を正確に監視できる。一層
の高精度位置決めが可能となりかつ取扱いも容易となる
【0114】
【0115】
【0116】た、請求項の発明によれば、Xテーブ
ルにY軸およびX軸と直交するZ軸を中心に回転可能な
回転テーブルを設けるとともに、Rバネの付勢力を利用
して回転テーブルの自由回転を阻止可能かつ真空容器内
に配設されたRピエゾアクチュエータの伸縮を利用して
Rピエゾアクチュエータの伸縮量に対応する角度だけ回
転テーブルを回転して位置決め可能な回転テーブル位置
決め駆動手段が設けられているので、請求項の発明の
場合の効果に加え、電子線とワークとの2次元(Y,
X)的な相対位置を迅速に調整できるので、適用性を一
段と拡大できる。さらに、Xテーブル位置決め駆動手段
およびYテーブル位置決め駆動手段と真空容器外におい
て取扱い上の干渉が生じないので、一段と取扱いが容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す側断面図である。
【図2】同じく、図1の矢視線−に基く正面縦断面
図である。
【図3】同じく、図1の矢視線−に基く縦断面図で
ある。
【図4】同じく、図1の矢視線−に基く一部を断面
した平面図である。
【図5】同じく、図1の矢視線−に基く一部を断面
した平面図である。
【図6】同じく、図1の矢視線−に基く背面図であ
る。
【図7】同じく、回転テーブル位置決め駆動手段を説明
するための平面図である。
【図8】同じく、角度固定手段を説明するための平面図
である。
【図9】同じく、各コントローラを説明するためのブロ
ック図である。
【図10】同じく、Yテーブル位置決め駆動手段を用い
た位置決め動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図11】従来例を説明するための平面図である。
【図12】同じく、側面図である。
【図13】同じく、背面図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 容器本体 10 装置本体 11 基準ベース 13 Yバネ 21 嵌装部 26 フランジ部 27 シール部 28 モータ保持部 29 底付円筒部材 30 円筒部 31A シール部 31B キャップシール部 36 底部 37 シール部 40 Yテーブル 41 第2連結部材 42 補助Yテーブル 43 第1連結部材 50 Yテーブル位置決め駆動手段 51 Yモータ(Y駆動源) 54 Y回転軸 55 Yねじ軸 56 Yナット部材 57 Yピエゾアクチュエータ 60 Xテーブル 61 第3連結部材 64 補助Xテーブル 65 第2連結部材 66 軸線方向伸縮可能継手 67 第1連結部材 70 Xテーブル位置決め駆動手段 71 Xモータ(X駆動源) 74 X回転軸 75 Xねじ軸 76 Xナット部材 77 Xピエゾアクチュエータ 80 軸受部 82 Rバネ 90 回転テーブル 92 係合部 93 周面 100 回転テーブル位置決め駆動手段 101 増幅機構 108 支点 109 駆動ピン 110 Rピエゾアクチュエータ 120 角度固定手段 121 基部 122 固定アーム 123 Sピエゾアクチュエータ 124 可動アーム 125 ストッパー 130 全体傾斜駆動手段 140 Y変位量検出手段 141 Yメインスケール 142 Y変位検出器 143 Yインデックススケール 150 X変位量検出手段 151 Xメインスケール 152 X変位検出器 153 Xインデックススケール 160 上位機 170 Yコントローラ 180 Xコントローラ 190 Rコントローラ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Yテーブル位置決め駆動手段によってY
    軸方向に移動可能なYテーブルと,このYテーブルとと
    もにY軸方向に同期移動可能かつXテーブル位置決め駆
    動手段によってX軸方向に移動可能なXテーブルとを真
    空容器内に配設し、かつYテーブル位置決め駆動手段の
    一部を構成するY駆動源およびXテーブル位置決め駆動
    手段の一部を構成するX駆動源を真空容器外に配設して
    なる位置決め装置において、基準ベースに対し前記Yテーブルと前記Y軸方向に相対
    移動可能な補助Yテーブルを設けるとともに、前記Yテ
    ーブル位置決め駆動手段をYモータからなる前記Y駆動
    源と,YモータのY回転動力を前記真空容器内に伝達す
    るY回転軸と,前記真空容器内においてY回転動力を利
    用して補助YテーブルのY粗移動変位量に変換するYね
    じ軸およびYナット部材と,このナツト部材と補助Yテ
    ーブルとを一体的に連結する第1連結部材と,前記Yテ
    ーブルと補助Yテーブルとの間に設けられかつYバネの
    付勢力を利用して前記Yテーブルと補助Yテーブルとを
    前記Y軸方向に一体的に連結可能かつ前記Y軸方向に伸
    縮して補助Yテーブル側から前記Yテーブル側にY微移
    動変位量を増減可能なYピエゾアクチュエータとから形
    成し、 前記Yテーブルに対し前記Xテーブルと前記Y軸方向に
    相対移動可能かつ前記X軸方向に同期移動可能な補助X
    テーブルを設けるとともに、前記Xテーブル位置決め駆
    動手段をXモータからなる前記X駆動源と,Xモータの
    X回転動力を前記真空容器内に伝達するX回転軸と,前
    記真空容器内においてX回転動力を利用して補助Xテー
    ブルのX粗移動変位量に変換するXねじ軸およびXナッ
    ト部材と,Xナット部材および軸線方向伸縮可能継手と
    一体的な第1連結部材と,軸線方向伸縮可能継手と補助
    Xテーブルとを連結する第2連結部材と,Xナット部材
    と補助Xテーブルとの間の軸線方向伸縮可能継手内に配
    設されかつ前記X軸方向に伸縮してXナット部材側から
    補助Xテーブル側にX微移動変位量を増減可能なXピエ
    ゾアクチュエータとから形成し、 さらに、基準ベースおよび前記Yテーブルのいずれか一
    方に取付けられたYメインスケールとその他方に取付け
    られたYインデックススケールとを含み基準ベ ースに対
    する前記Yテーブルの前記Y軸方向のY粗移動変位量と
    Y微移動変位量との和であるY総移動変位量を検出可能
    なY変位量検出手段と,前記Yテーブルおよび前記Xテ
    ーブルのいずれか一方に取付けられたXメインスケール
    とその他方に取付けられたXインデックススケールとを
    含み基準ベースに対する前記Xテーブルの前記Yテーブ
    ルを介した前記X軸方向のX粗移動変位量とX微移動変
    位量との和であるX総移動変位量を検出可能なX変位量
    検出手段とを設けた、 ことを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記Xテーブルに前記Y軸および前記X
    軸と直交するZ軸を中心に回転可能な回転テーブルを設
    けるとともに、Rバネの付勢力を利用して回転テーブル
    の自由回転を阻止可能かつ前記真空容器内に配設された
    Rピエゾアクチュエータの伸縮を利用してRピエゾアク
    チュエータの伸縮量に対応する角度だけ回転テーブルを
    回転して位置決め可能な回転テーブル位置決め駆動手段
    が設けられている請求項1記載の位置決め装置
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