JP2003218189A - ステージ装置 - Google Patents

ステージ装置

Info

Publication number
JP2003218189A
JP2003218189A JP2002012338A JP2002012338A JP2003218189A JP 2003218189 A JP2003218189 A JP 2003218189A JP 2002012338 A JP2002012338 A JP 2002012338A JP 2002012338 A JP2002012338 A JP 2002012338A JP 2003218189 A JP2003218189 A JP 2003218189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
axis
movable element
stage device
movable table
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002012338A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4310065B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Shinozaki
弘行 篠崎
Takuji Sofugawa
拓司 曽布川
Seiji Yoshikawa
省二 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2002012338A priority Critical patent/JP4310065B2/ja
Priority to DE60332681T priority patent/DE60332681D1/de
Priority to EP03001225A priority patent/EP1333468B1/en
Priority to US10/347,208 priority patent/US7025005B2/en
Publication of JP2003218189A publication Critical patent/JP2003218189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4310065B2 publication Critical patent/JP4310065B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】半導体製造用露光装置用ステージ装置は高集積
化に伴い益々高精度化が求められている。ステージの固
定要素と可動要素との摺動接触を無くして微細な移動を
円滑にする。 【解決手段】ステージ装置10は固定要素21及び可動
要素26を備えていて可動要素がY軸に沿って移動する
Y軸ステージ20と、固定要素41及び可動要素43を
備えていて可動要素がX軸に沿って移動するX軸ステー
ジ40とを備えており、Y軸ステージ20の可動要素2
6側にX軸ステージ40の固定要素41を配置し、Y軸
を走査軸とし、X軸をステップ軸とし、Y軸ステージ2
0の固定要素21と可動要素26との間に非接触シール
装置を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスの製造
装置あるいは検査装置または、微小な位置決めを必要と
する顕微鏡や各種工作機械等に用いられるステージ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ステージ装置は、上記半導体デバイスの
製造装置、検査装置或いはその他の精密部品の製造装置
等に幅広く使用されているが、ここでは主に、半導体デ
バイスの製造或いは検査を行う装置(以下基板処理装
置)のステージ装置及びそれに用いられる駆動機構と案
内機構等に関する従来技術について説明する。近年LS
Iなどの半導体の集積度はますます向上しており、半導
体のパターンの線幅は0.2μm以下と非常に微細なも
のになってきている。これに伴い、このような高集積度
の半導体の製造装置あるいは検査装置に用いられるステ
ージ装置には非常に高い精度を要求される。
【0003】このステージ装置は、半導体製造用の基板
(ウエハ、レチクル)を以下のように保持し自在に動か
す機能を有している。 (1)基板保持機能:一般には、真空チャック、静電チ
ャック、メカニカルチャックなど行われるが、最近は、
静電チャックが主流である。このチャックの下に、以下
(2)ないし(5)の機能をそれぞれ自在に行える機構
が配置されている。 (2)Z軸方向移動機能:すなわち基板をチャック上で
水平に保持し、この基板の鉛直軸方向(上下方向)の高
さを調節機能である。主に露光や検査時のフォーカス合
わせに機能を発揮する。 (3)Θ軸方向移動機能:チャックで保持された基板の
鉛直軸周りの回転方向位置を調節する機能である。後に
説明する走査軸の走査ラインとウエハ上のパターン列と
の微小な傾き偏差を補正するのに機能を発揮する。 (4)X軸方向移動機能:チャックで保持された基板を
水平方向に移動する機能である。一般には、X軸は走査
軸とも呼ばれ、基板上のパターン配列に沿って、端から
端までを露光又は検査するために移動する。 (5)Y軸方向移動機能:チャックで保持された基板
を、上記X軸方向と水平面内で直交するY軸方向に移動
する機能である。一般には、Y軸はステップ軸とも呼ば
れ、基板上のパターン配列刻みのために移動する。 この他に、(6)基板の搬入搬出時に用いる基板プッシ
ング機能と呼ばれるものがある。一般には、上記(2)
のZ軸方向移動機能とは異なり、ステージ装置に基板を
載置するとき及びそこから基板を取り出すとき基板を鉛
直軸方向に突き上げる。以上の機能を行う機構は最下位
に配置された定盤(定盤状のベースプレート)によりし
っかりと支持されている。基板処理装置では、更に、ベ
ースプレートの下に、床から伝達される振動を遮断する
ための除振機能を有する除振装置が配置される。また、
最近ではステージ装置の可動体の移動に伴なう振動を積
極的に減衰(相殺)する機能を合わせ持った除振装置も
普及し始めている。基板処理装置用のステージ装置は、
以上のような機能を備えた、メカトロニクスの集合体で
ある。これらの各動作を静かに高精度に実現することが
要求される隠れた重要装置である。
【0004】さて、ステージ装置のX軸及びY軸方向の
動作に目を向けると、大きく3通りの使い方がある。 (a)これまでのステップアンドリピートを行うステッ
パなどの露光装置で主流であったように、基板処理時
に、ステージ装置の動作が停止(ステージ装置のX軸、
Y軸及びΘ軸の可動テーブルが停止)してい方法。その
ため、ステージの動作に伴う振動等が減衰した後に、基
板処理をすればよい。 (b)X軸(ステップ軸)の可動テーブルは停止してい
るが、Y軸(走査軸)の可動テーブルは基板処理時にも
移動させて使う。後に述べる電子ビーム描画装置や検査
装置などで用いる方法。 (c)X軸及びY軸テーブル共に、自在に動かしながら
基板処理を実施する使いる方法。
【0005】上記(a)では問題にならないが、上記
(b)及び(c)の様に、一定速度で可動テーブルをし
たがって基板を動かして連続的に露光を行ったり、検査
のためのデータを収集する装置では、移動中の基板の速
度の変動、振動が非常に大きな問題になっている。
【0006】更に、ステージ装置の上記各テーブルのよ
うな可動要素の動きを高精度化するために必須の要素と
して、位置検出器がある。最近では光学系を用いた検出
方法が主流である。しかし、ナノメートルオーダの変位
を検出する干渉光学系の精度も厳しくなっている。例え
ば、場の雰囲気を占めるガスと場の温度勾配によってガ
ス密度差が生じ、干渉光が揺らぐことで精度の劣化が生
じている。この劣化が大きな問題になるほどの微細な検
出が必要とされてきている。
【0007】そして、超LSIなど微細、かつ、高精度
なパターンを必要とする場合、従来の光を照射してフォ
トレジスト膜に露光する方法では、光の波長による制限
があって所要のパターニングを得られない。これを打破
する一つの方法として、光の代わりに電子ビームを使用
する方法がある。この方法は電子ビーム露光(荷電ビー
ム露光)や電子ビーム描画(荷電ビーム描画)などと呼
ばれる各方式があり、盛んに開発が進められている。こ
の場合、電子ビームが照射される空間は真空であり、ク
リーンな真空が必須である。また検査装置として電子ビ
ーム(荷電ビーム)を用いる装置でも同様である。
【0008】この時、クリーンな真空を維持しつつ、基
板を高精度に、かつ、滑らかに移動させるステージ装置
が必要とされている。この要求に対して、現在存在する
ステージ装置は、リニアモーションガイド(LMガイ
ド)、クロスローラガイド、すべりガイドなどの接触式
直動案内と、ボールネジ・ナットとサーボモータや超音
波モータを組み合わせた駆動機構、又は摩擦駆動機構と
呼ばれる、プッシュシャフトを2つのローラで挟み、ロ
ーラをサーボモータや超音波モータで駆動することでプ
ッシュシャフトを滑らかに動かす駆動機構とを組み合わ
せたものなどがある。いずれも接触式であるため、潤滑
剤の使用が不可欠となっている。
【0009】近年では、構造部材にファインセラミクス
を用い、直動案内にはクロスローラガイドを使用し、駆
動機構にはダイレクト超音波モータを組み合わせたXY
ステージ装置も実用化されており、高精度で高分解能な
送りが実現できていると報告されている。更に進んで、
静圧軸受を直動案内に用いたXYステージ装置も提案さ
れ、近年最も精力的に開発が進められており、単体では
高精度な案内が実現されている。しかし、このステージ
装置ではガス供給配管やガス排出配管などが必要である
ため、さらに工夫が必要な領域である。
【0010】
【解決しようとする課題】ステージ装置において、滑ら
かで、高精度な基板の移動が求められる中で、ボールネ
ジによる駆動機構の場合、ネジ軸の曲がりを完全に無く
すことは不可能であり、ネジ軸の1回転ごとにボールネ
ジの振れ回りが生じ、位置精度に悪影響を与えてしま
う。また、高速回転するとその振れ回りに起因する振動
が生じること、およびボールの循環時にボール同士、ボ
ールとリターンチューブとの衝突による騒音、振動が生
じる。
【0011】また、近年見られる超音波モータでダイレ
クト駆動するステージでは、ステップアンドリピートす
るステッパなどでは使用できるが(露光時には、ステー
ジ装置の各可動テーブルは停止している)、可動テーブ
ルを移動させながら露光または検査する基板処理装置へ
の適用としては速度むらが大きく、振動もあり使用に耐
え得ない状況である。更に、静圧軸受を直動案内にした
XYステージ装置では、ガス供給配管やガス排出配管が
滑らかな移動を妨げる原因となっている。
【0012】一方、基板の処理空間を装置内空間ならび
にクリーンルーム環境から隔離し、できるだけガスの存
在しないクリーンな空間が求められている中で、従来の
接触式駆動機構並びに直動案内機構には、潤滑剤が不可
欠であり、この潤滑剤が蒸発して電子光学機器の表面に
付着し、電子ビームがあたると黒色タール化して電気的
不良導体の膜を、該電子光学系の表面に作り、静電気を
帯びてしまう原因となる問題がある。また、光を用いる
露光装置や検査装置でも、位置検出のための干渉光が空
間を占めるガスの密度差によって揺らぎ、精度を劣化さ
せている。
【0013】更に、基板の処理空間外に、駆動機構や直
動案内機構を配置する考え方がある中で、使用する機器
を真空対応等の特殊な仕様物としないで済むという利点
があるが、これを実現するためには、空間隔離機能を有
する手段すなわちシール機構が必要になる。基板の処理
空間内への回転軸導入には、磁性流体シールが良く用い
られるが、磁性流体の蒸発があり、雰囲気を汚染する。
また、直動軸のシールには耐え得ない。そして、直動軸
のシールとしてよく用いられるべローズシールは、滑ら
かな移動を妨げ、かつ、寿命が短いなどの問題がある。
【0014】また、USP4,191,385(198
0年;VaCuum-Sealed Gas-BearingAssembly)に見られ
る、非接触シールの考え方がある。このシールは、移動
面と静止面を小さい隙間を挟んで向かい合わせにし、そ
の面に真空引きポートを複数段備え、段階的に圧力差を
維持できるようにするものである。非接触のため、ステ
ージの移動を滑らかなものとできるはずである。しかし
ながら、これまで実用に耐え得るものは実現できていな
い。その第一の理由としては、ステージの移動に伴い隙
間の変動が生じやすい構造であったため、シール性能の
信頼性が乏しく、また、二面間に作用する静圧が変動す
るために、ステージにヨーイングやピッチングが発生し
てしまい易いという問題がある。第二の理由としては、
静止側面である真空チャンバの変形量がシール隙間量の
管理上、無視できないほど大きいためである。
【0015】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、固定要素と可動要素との摺動接触をなくして可動
要素の移動の円滑なステージ装置を提供することであ
る。本発明が解決しようとする他の課題は、可動要素の
駆動を誤差なく円滑に常時均一に行えるステージ装置を
提供することである。本発明が解決しようとする別の課
題は、処理空間となる真空チャンバを画成するハウジン
グの歪みの影響を受けず可動要素の精密な位置測定が可
能なステージ装置を提供することである。本発明が解決
しようとする更に別の課題は、可動要素を円滑にかつ正
確な速度で確実に移動可能にして可動要素を移動させな
がら基板等の処理を行えるようにしたステージ装置を提
供することである。
【0016】
【発明が解決するための手段】今後、益々微細化が進む
半導体の製造装置を提供するためには、基板処理時に
は、ステップ軸すなわちX軸可動要素すなわちX軸テー
ブルは停止し、走査軸すなわちY軸可動要素すなわちY
軸テーブルは滑らかに移動させて使うステージ装置が不
可欠である。この課題に対して、本願は実現性のあるス
テージ装置を提供するものである。
【0017】本発明は、半導体製造装置用のステージ装
置であって、固定要素及び可動要素を備えていて前記可
動要素がY軸に沿って移動するY軸ステージと、固定要
素及び可動要素を備えていて前記可動要素がX軸に沿っ
て移動するX軸ステージとを備えるステージ装置におい
て、前記Y軸ステージの可動要素側に前記X軸ステージ
の固定要素を配置し、前記Y軸を走査軸とし、前記X軸
をステップ軸とし、前記Y軸ステージの固定要素と可動
要素との間に非接触シール装置を備えて構成されてい
る。
【0018】前記ステージ装置において、前記Y軸ステ
ージの前記可動要素を移動可能に案内する前記固定要素
には静圧軸受を設け、前記静圧軸受の軸受面と同一面上
に、前記非接触シール装置を設け、前記非接触シール装
置を備えた前記可動要素の案内部の断面形状を角型と
し、前記Y軸ステージの前記固定要素を強固なベース上
に設置してもよい。また、前記ステージ装置において、
少なくとも前記X軸ステージを収容する真空チャンバを
画成するハウジングが、四角形の平面形状を有し、前記
ハウジングが四隅において前記ベースにより支持されて
いてもよい。この場合において、前記Xステージの可動
要素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、前記
レーザ干渉式変位計の干渉計の固定基準面を前記ハウジ
ングの隅部としても、或いは、前記Xステージの可動要
素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、レーザ
干渉式変位計の干渉計の固定基準面をチャンバ外の前記
ベースの表面とし、前記干渉計の固定用台座は前記ハウ
ジングの底壁を貫通し、貫通した底壁と前記台座との隙
間にはシール装置を備えていてもよい。更に、前記ステ
ージ装置において、前記Y軸ステージの可動要素の表面
に水分が付着するのを防止する防湿板を備えていても、
前記Y軸ステージの可動要素の表面に水分が付着するの
を防止するための乾燥ガス供給シャワーノズルを備えて
いてもよい。更にまた、前記ステージ装置が、ステージ
装置の前記ベースと反対側に、少なくとも電子線又は荷
電粒子線を照射する照射装置を備えていてもよい。
【0019】より具体的には、本願においては、下記の
ないしのような手段を講じることによって、実現性
のあるステージ装置の提供を可能にしている。 走査軸すなわちY軸テーブルは、基板の処理空間すな
わち真空チャンバ外に配置する。 ステップ軸すなわちX軸テーブル、その上に載るΘ軸
テーブル、Z軸テーブル等は、基板の処理空間に配置す
る。 そのため、走査軸ステージに、非接触(真空)シール
装置を設ける。走査軸ステージの固定要素すなわちステ
ータ部は、丈夫な定盤状のベースプレート上に配置さ
れ、直動案内として非接触の静圧軸受けを採用する。ま
た静圧軸受け面の基板の処理空間側すなわち走査軸ステ
ージの可動要素すなわち可動テーブル側に非接触(真
空)シール装置を備える。 この静圧軸受面と真空シール面は同一面あることが望ま
しい。この非接触隙間は、10μm以下で、望ましくは
5μm程度である。この小さい隙間を維持しつつ、精度
の良いステージを実現するためには、先に延べた定盤状
のベースプレート上にY軸ステージを配置することが望
ましい。従って、従来のXYステージ装置では、Y軸
ステージ(ステップ軸ステージ)の固定要素すなわちス
テータが固定面にあり、Y軸ステージの可動要素すなわ
ち可動テーブル上にX軸ステージ(走査軸ステージ)が
配置されていたが、本発明では、Y軸ステージを走査軸
ステージとし、その走査軸ステージの可動テーブル上に
配置されたX軸ステージをステップ軸ステージとして使
用する。
【0020】次に、なぜステップ軸ステージを走査軸ス
テージの可動テーブル(以下走査軸テーブル)上に載せ
るかについて、以下に説明する。説明を簡単にするため
に、ウエハではなく、正方形の角型レチクルの処理を考
える。まずステップ軸ステージの可動テーブル(以下ス
テップ軸テーブル)は、1枚のレチクルを処理するにあ
たり、その走行距離を考えると有効レチクル幅の1〜2
倍程度である。これに対して、走査軸テーブルは、例え
ば(極端な例であるが、)直線パターンを線幅0.1μ
mで間隔0.1μmで描画しようとすれば(有効レチク
ル幅/(0.1μm×2))×有効レチクル幅程度とな
る。例えば、有効レチクル幅=130mmとすれば、ス
テップ軸テーブルの走行距離=130〜260mm、走
査軸テーブルの走行距離=84,500,000mm=
84.5kmである。その差は、325,000倍であ
る。この試算上では、走行距離の99.999%が走査
軸テーブルの移動距離である。比較にならない程の差で
ある。従って、走査軸ステージ用の駆動機構並びに直動
案内機構は、処理空間外であることが、処理空間の清浄
度維持に重要である。そのため、走査軸テーブル上にス
テップ軸ステージを載せる構造がよいのである。言い換
えれば、ステージ装置を搭載した電子ビーム露光機など
のメンテナンスサイクルを飛躍的に伸ばすことができ
る。
【0021】次に、なぜ走査軸ステージ(走査軸ステー
ジのステータ部と可動テーブルと間)に非接触真空シー
ルを配置するかについて、その重要性について説明す
る。まず、基板処理中に移動する走査軸テーブルは、そ
の性能として滑らかな(一定速度での)移動が最も重要
である。このために、直動案内機構は、非接触機構とす
ることが望ましい。このために、静圧軸受の採用がもっ
とも望ましいことは周知の事実である。しかし、この静
圧軸受を基板処理空間に配置してしまうと、先に述べた
二つの問題がある。一つは、ガス供給用の配管が必要で
あり、従って、可動要素すなわちテーブル側へのガス供
給は、その配管が滑らかな移動を妨げてしまうことであ
る。二つ目は、ガスの排出方法の問題である。過去に、
基板処理空間にそのまま放出してしまい、大きな真空ポ
ンプで排気する案もあったが、ウエハ処理空間の清浄度
低下、真空度の低下が著しく、実用化していない。この
ために、ベローズ状の配管で排気配管を備える文献もあ
るが、結果的にその配管が滑らかな移動を妨げてしま
う。
【0022】従って、非接触な静圧軸受の特徴を十分に
活かすには、静圧軸受機構を基板処理空間外に配置する
他に無い。また、先の問題点から、ステップ軸(Y軸)
ステージの上に載るタイプの走査軸(X軸)ステージに
は、直動案内機構を静圧軸受化するメリットは限りなく
少ない。十分に静圧軸受を活かす上で基板処理空間外に
配置したとしてもその運動をウエハ処理空間内に伝達す
る必要がある。その連結構造物に、接触シール機構を採
用しては、結局滑らかな移動を妨げることになり、ここ
に非接触シールを採用することは必要不可欠である。
【0023】続いて、走査軸(Y軸)ステージの上に積
載されるステップ軸(X軸)ステージは、その使用環境
の特徴として、1)走行距離は少ない。2)ウエハ処理
中は、停止している。3)下位の走査軸ステージの動き
を妨げない構造が望ましい。などが挙げられる。従っ
て、配管などを不用としたいため、接触式の直動案内機
構を採用し、駆動機構は微小位置決めの得意な方式を採
用する。例えば、直動案内には、クロスローラガイド。
駆動機構には、ダイレクト・リニア超音波モータが望ま
しい。個々の要素技術は、周知の事実であり、その性能
も高精度化が進んでいる。
【0024】直動案内に接触式を採用したために、その
接触面には潤滑剤が必要であるが、その走行距離が比較
的に少ない。先にも述べた通り、従来からの基板処理空
間に全てのステージ機能を配置するステージ装置と比べ
ると、全走行距離の99%以上である走査軸を基板処理
空間外に配置している。また、ステップ軸ステージは基
板処理中に動作停止していることから、実用上の問題に
はならないほどの改善結果が得られる。以上に述べた構
造を採用することによって、将来性と実現性のあるステ
ージ装置を提供することができる。
【0025】続いて、以上に述べたステージ装置をより
現実化するための3つの課題について以下に述べる。 (1)真空チャンバの固定方法 電子線を用いて、基板の加工や検査をするには、電子線
を照射する空間を真空状態にする必要がある。そのた
め、真空チャンバを備える。しかし、真空チャンバの外
表面には、大気圧が作用しており、チャンバ壁面に作用
する圧力差によって、壁面は変形する。この問題は、大
きく2つの問題を生じさせる。 i)ステージ装置の初期調整を大気圧空間で行ったあ
と、実動作は真空中となるために、チャンバ壁面の変形
に伴なうステージ装置の性能の劣化、 ii)大気圧の変動に伴なうステージ装置の性能の劣
化、 (2)レーザ干渉計の固定方法 不用意に取付け基準面を選択すると、チャンバに作用す
る圧力変動によって、レーザ干渉計による変位検出の誤
差が増大する。 (3)部材表面に付着する水分の影響 差動排気シールを介して大気と真空を連通する部材表面
に吸着した水分によりチャンバ内の圧力が劣化する。本
発明では、前述の列挙事項を考慮し、ステージ装置の構
成を前述のようにすることによって、上記のような諸問
題を解決し、実用可能なステージ装置を提供する。
【0026】
【実施の形態】以下図面を参照して本発明のステージ装
置の実施形態について説明する。図1ないし図3におい
て、この実施形態によるステージ装置が全体を10で概
略的に示されている。ステージ装置10は、剛性につく
られたベースプレート11と、そのベースプレート11
の上に配置された走査軸すなわちY軸ステージ20と、
Y軸ステージ上に配置されたステップ軸すなわちX軸ス
テージ40と、Y軸ステージ20上に配置されたΘ軸ス
テージ50と、Y軸ステージ上に配置されていて、X軸
ステージ40、Θステージ50を収容する処理空間であ
る真空チャンバCを画成するハウジング60と、を備え
ていて、それらは図1ないし図3に示されるような位置
関係に配置されている。
【0027】図2ないし図4において、走査軸ステージ
すなわちY軸ステージ20は、ベース1の上面に固定さ
れた固定要素すなわちステータ部21と、ステータ部2
1に関してX軸方向(図1及び図2において左右方向)
に直線移動可能に配置された複数(この実施形態では2
個)の可動要素すなわち可動テーブル26とを備えてい
る。ステータ部21は各可動テーブル毎に平行に設けら
れていて、各々が、ベースプレート11の上面111に
固定された下側部分22と、上側部分23と、両部分の
間に配置された複数の中間部分24とを備えている。下
側部分22と上側部分23との間には直線状にのびて貫
通する通路25が形成されている。各通路25には平板
状の可動テーブル26が移動可能に配置されている。
【0028】図1ないし図5において、Y軸ステージに
は角型の非接触シール装置31を内臓した静圧案内機構
30が設けられている。この静圧案内機構30は、各ス
テータの通路25に対して設けられていて、可動テーブ
ル26を無接触で移動可能に案内するようになってい
る。静圧案内機構30の非接触シール装置31は、ステ
ータ21の下側部分22の上面221及び上側部分23
の下面231の通路25に面する位置に形成された、内
側から低圧溝32、中圧溝33及び高圧溝34と、逃が
し溝35とを備えている。静圧案内機構30は、また、
非接触シール装置に隣接して非接触の静圧軸受けを備え
ている。静圧軸受けは、通路の伸長方向に沿って一直線
上に並べて形成された複数の開口(この実施形態では平
面形状が円形)36を有している。低圧溝32、中圧溝
33及び高圧溝34は、それぞれ、図4に部分的に示さ
れるように、平面形状が陸上競技場のトラックのように
直線部分及び曲線部分を有する周回するループ状になっ
ていて、通路内において可動テーブル26の対向する面
に向かって開口している。したがって、低圧溝、中圧
溝、高圧溝及び逃がし溝は通路或いは可動テーブル26
の長手方向中心軸線の両側で線対称に配置されている。
逃がし溝は外側の高圧溝34と複数の開口36との間で
一直線上に伸びている。低圧溝32、中圧溝33及び高
圧溝34は下側部分22及び上側部分23に形成された
通路321、331及び341をそれぞれ介して図示し
ない排気管に接続されるようになっている。また各開口
36はそれぞれに対して下側部分22又は上側部分23
に形成された通路361を介して図示しないガス供給管
を介してガス供給源に接続されるようになっている。各
開口36内には公知の構造の静圧軸受けパッド362が
配置されている。
【0029】中間部分24は下側部分及び上側部分と共
に通路25を画成するようにステータの両側部に配置さ
れていて、その内側面(図4において通路25側の面)
241には、通路25に開口する複数の開口(この実施
形態では平面形状が円形)37が中間部分の伸長方向し
たがって通路25の伸長方向に沿って形成されている。
各開口37は、それぞれに対して中間部分24に形成さ
れた通路371を介して図示しないガス供給管を介して
ガス供給源に接続されるようになっている。各開口37
内にも公知の構造の静圧軸受けパッド372が配置され
ている。各開口36、37及び静圧軸受けパッド36
2、372は前記静圧軸受けを構成している。
【0030】上記のような構成の静圧案内機構31は、
静圧軸受けパッド362を介して可動テーブル26の下
面261及び上面262に向かってガスの静圧を作用さ
せ、可動テーブル26をステータ21の下側部分の上面
221からガス圧の力で浮き上がらせ、また可動テーブ
ル26が上側部分23の下面231には接触しないよう
にしている。そしてステータ21の下側部分22及び上
側部分23と可動テーブル26との隙間(5ないし10
ミクロン)はほぼ一定に保たれている。一方、中央部分
24に設けられた静圧軸受けパッド372からも可動テ
ーブル26の側面263に向かってガスの静圧が作用
し、側面と中央部分の内側面241とが接触しないよう
にその隙間を一定に保っている。静圧軸受けパッド36
2及び372を介して送り出されたガスは、それらの隙
間を通して逃がし溝35に至り、その逃がし溝35を介
して大気に逃がされる。また一部のガスは、高圧溝3
4、中圧溝33及び低圧溝32を介して排出される。本
実施形態では、非接触シールの構造として、高圧溝34
(高圧と言っても、大気圧以下の真空で、低真空を意味
する)、中圧溝33(中真空)、低圧溝32(高真空)
を備えており、これらの溝は、理想的には別々の真空ポ
ンプに接続される。それぞれ、真空引きする圧力と流量
が異なるからである。このような構成によって、圧力の
高い順に静圧軸受パッド362>ガス逃がし溝35>高
圧溝34>中圧溝33>低圧溝32>真空となる。これ
らの構造によって圧力隔壁でしきられた大気空間と真空
との間に、非接触シール内臓の静圧案内ステージを実現
可能にしている。
【0031】各可動テーブル26の上面262には、図
2に示されるように複数(この実施形態では2個)の支
柱27が直立状態で固定されている。これらの支柱27
は、ステータ21の上側部分23にY軸方向(図2にお
いて左右方向)に伸長させ形成されかつ通路25と外部
とに貫通する長溝233及びステータの上に配置されて
いて、処理空間である真空チャンバCを画定するハウジ
ング60の低壁61に形成された同じ形状の長溝611
を通してチャンバC内に突出している。各可動テーブル
26に取り付けられた支柱27の上端には、ステップ軸
すなわちX軸ステージ40の固定要素すなわち固定プレ
ート41が固定されている。
【0032】上記Y軸ステージ20において、動作時、
各可動テーブル26は静圧案内機構30の静圧軸受けパ
ッド362、372の作用により通路25内でステータ
21と無接触で移動可能に案内支持されている。また非
接触シール装置31の作用により通路25を介して真空
チャンバC内にガスが流入するのが防止されている。こ
のような状態の下で、例えば、可動テーブルに接続され
た図示しないリニアモータのような駆動機構により可動
テーブル26を直線移動させると、可動テーブル26及
びその上に載せられたXステージ、Θステージは円滑に
移動する。
【0033】図6及び図7において、Y軸ステージの変
形例が示されている。この変形例のY軸ステージ20a
が、図2及び図3に示される構造と相違する点は、各可
動テーブルの上に配置された2本の柱27を可動テーブ
ル26a上で一体化して1個のブラケット27aとし、
そのブラケット柱27aの内部に貫通穴271aを形成
した点である。可動テーブル26aの内部にも新たに長
手方向に伸びる穴264aが形成されている。穴271
aは穴264aと連通し、穴264aは可動テーブル2
6aの端部まで続いている。この穴は、X軸ステージ4
0、Θ軸ステージ等のY軸ステージより上部にある機器
に関わるケーブルや配管(エア配管、真空配管など)を
通すようになっている。例えば、可動テーブル26aの
端部では、真空と大気間をシールし且つケーブルや配管
機能を維持する真空コネクタ265aを備えている。ま
た、真空コネクタ265aに代えて、真空と大気間シー
ルをX軸ステージの固定プレート41側に備えてもよ
く、ここでの特徴ある利点は、可動テーブル26aの中
を配線・配管ダクト化している点である。また、可動テ
ーブル26aは、両端部に設けた連結バー266aを介
して隣の可動テーブルと連結され、一体化されている。
そして、連結バー266aにリニアモータ29aを連結
している。このリニアモータは、ベース10側の固定部
に永久磁石を含む静磁場磁気回路を備え、連結バー側の
可動部に動磁場を発生させるコイルを配置してある。こ
のコイルにはヨークは無く、一般にコアレスと呼ばれる
形式である。その他の点では図1ないし図4に示された
実施形態と同じであるから詳細な説明は省略する。
【0034】図8及び図9において、ステップ軸すなわ
ちX軸ステージ40とΘ軸ステージ50の詳細な構造が
示されている。X軸ステージ40は、Y軸ステージ20
の可動テーブル26の上の複数の支柱27に固定された
固定テーブル41と、固定テーブルの上面411に設け
られた一対の平行な直線状のLMガイドすなわちガイド
レール42上に移動可能に配置された可動テーブル43
と、可動テーブル用の駆動機構45とを備えている。固
定テーブル41はX軸方向(図8で左右方向)に長く伸
びが長方形になっており、可動テーブル43は略正方形
になっている。可動テーブル43の上面431の直行す
る2辺上には後述するレーザ干渉式変位計のミラー71
が取り付けられている。駆動機構45は、固定テーブル
41のX軸方向に伸びる側部に一対の軸受け412によ
り回転可能に支持されたボールねじ451と、可動テー
ブル43の対応する側部に取り付けられていてボールね
じ451と螺合する公知の構造のボールナット452
と、ボールねじ451を回転させる非磁性の超音波モー
タ453とを備えている。
【0035】Θ軸ステージ50は、X軸ステージ40の
可動テーブル43の上面431上に鉛直軸O−Oを中心
として回動自在に配置された円板状の回動テーブル51
と、回動テーブルの回転を案内するガイド装置52と、
回動テーブル51を保持する保持装置53と、回動テー
ブルを回動させる駆動機構54とを備えている。ガイド
装置52は、可動テーブル43の上面431に形成され
た円形(軸線O−Oを中心とする)のガイド溝521
と、回動テーブル51の下面512に形成された対応す
るガイド溝522と、両ガイド溝内で転動する複数のセ
ラミックボール523及びそのリテーナ(図示せず)で
構成されている。ガイド溝521及び522は断面形状
がV形又は逆V形になっている。セラミックボール52
3及びリテーナから成るセットは3セットあり、円形の
ガイド溝の円周方向に120度間隔で配置されている。
これらのガイド装置の構造自体は公知の構造のものでよ
いので、詳細な説明は省略する。保持装置53は可動テ
ーブル43の上面431に上記セットに対応して配置さ
れたアーム部材531と、このアーム部材531に回転
自在に取り付けられ外周面が回動テーブル51の上面5
11と係合する押さえローラ532とを備えている。回
動機構54は、雄及び雌のラップねじからなるリードね
じ送り装置541と、そのリードねじ送り装置541の
雄ねじを回転させる非磁性の超音波モータ542とを備
え、回動テーブル51の外周に取り付けられた突起状の
バー543を押すことで+(プラス)の回動送り量を与
え、−(マイナス)の回動送り量はコイルばね544に
よって与えるようになっている。回動テーブル51の上
に、ウエハ等の基板を積載するためのウエハチャックや
そのウエハをロボットハンドで搬入搬出するためにウエ
ハをチャック面からわずかに上げるウエハプッシャなど
を備えるが、本願の発明の要旨から外れる内容であるの
で、ここでは省略する。
【0036】次に、以上で述べたステージ装置をより現
実化するための三つのポイントについて以下に述べる。 1.真空チャンバの固定方法 電子線を用いて、基板の加工や検査等の処理を行うに
は、電子線を照射する空間を真空状態にする必要があ
る。そのため、前述のように真空チャンバC画成するハ
ウジング60を備える。しかし、ハウジングの外壁面に
は、大気圧が作用しており、ハウジングの内、外壁面に
作用する圧力差によって、壁が変形する問題がある。こ
の問題は、前記(1)i)及びii)において既に説明
したような二つの大きな問題を生じさせる。そこでハウ
ジングの壁の変形について図10を参照して説明する。
【0037】図10[A]において、説明を簡素化する
ために、チャンバを画成するハウジング60の下半分に
ついて、実線図示のコの字状の形状の部材100が変形
する場合について説明する。部材100の内外に作用す
る力が同じの場合には、部材100の底壁101、左右
(図10において)の側壁102は、実線図示のよう
に、平坦の状態を保っている。しかしながら底壁101
及び側壁102の外側表面全体に均一の力を作用させた
場合、底壁及び左右側壁は、破線のように変形する(な
お、実際には変形は肉眼で見た場合わずかであるが、説
明のために誇張して描かれている)。例えば、0.1M
Paの差圧が1m2の面積に等分布荷重として作用する
と、作用力の合計は10tonになる。厚さ50mmの
1m×lmの鋼板であれば、約0.2mmの最大たわみ
を発生する。しかし、図10より明らかなように、部材
100の隅部すなわち底壁と側壁との接合部は変形が極
めて少ないことがわかる。したがって、立法体形の箱状
につくられたハウジング60について考えた場合でも、
ハウジングの壁の変形の少ない部分は隅部であることは
容易に理解できる。そこで、ベースプレート11へのハ
ウジングのの固定位置を隅部にすることで、ハウジング
の変形に伴なう取付け基準面であるベースへの影響を限
りなく少なくできる。
【0038】このため、ベースプレート11に対するハ
ウジング60の固定方法は、図2及び3に示されるはよ
うに、ハウジング60の底壁61の四隅に対応するベー
スプレート11の上面111上に設置台112を配設固
定し、その設置台112上にハウジングを載せている。
そしてハウジングの四方の側壁62と設置台112とを
連結板113及びボルト(図示せず)により固定するよ
うにしている。この場合、図10[B]で示される様に
変形するハウジング60の底壁にY軸ステージ20のス
テータ部21をリジットに固定した場合を想像する。例
えばボルト締結した場合である。チャンバC内を真空に
引くと、ハウジング60の底壁61は破線のように変形
しようとする。そのため、ボルト締結されたステータ2
1はハウジングの底壁に引っ張られる。すなわち、Y軸
ステージのステータ21を固定した基準面であるベース
プレート11の上面すなわちベース面111をも引っ張
ることになり、従って、ベース面の平面度を極端に損な
うことになる。そこで、この問題を回避するために、Y
軸ステージのステータ21とハウジング60の底壁61
との連結はリジット結合せずに、隙間をあける構造とす
る。このようにすると、底壁61とステータ21の上側
部分23との間の隙間から長溝611を介してチャンバ
内に空気が流入する恐れがあるため、これを防止する目
的で、底壁61の下面612と上側部分23の上面との
間には長溝を周回するシール装置が設けられる。
【0039】図11にはハウジング60の底壁61とス
テータ21の上側部分23との間の隙間を密封するシー
ル装置65の実施例が3つ挙げられている。図11
[A]に示されるシール装置65はいわゆるOリングシ
ール651を使用した例である。Oリングシール651
は比較的太目を選択する。その根拠は、シール性能の維
持の観点より、チャンバとスライダステータ面との隙間
の変動を考慮し、最大隙間の場合には、Oリングシール
のつぶし代が15〜20%程度確保でき、最小隙間の時
には、Oリングシールのつぶし代を20〜25%程度確
保できるようにOリングの太さを選定する。この場合、
底壁61の下面612及び上側部分23の上面231に
Oリングシール651を収容する浅い溝を設けてOリン
グシールの位置決めし易くしてもよい。図11[B]に
示されるシール装置65aは、ベローズ型のシール部材
651aを使用する例である。このベローズ型シール部
材651aは筒状になっていて、一端が底壁61に密閉
して固定され、他端が上側部材に密閉して固定される。
図11[C]に示されるシール装置65bは、ダイヤフ
ラム型のシール部材651bを使用する例である。コス
ト的には、Oリングタイプが比較的優位である。しか
し、寿命の面では、チャンバの大気開放頻度が少ないの
であれば、ベロ一夕イプが優位といえる。
【0040】2.レーザ干渉計の固定方法 次に、ステージ装置の可動テーブル(X軸及びY軸方向
に変位可能な可動テーブルであって、X軸ステージがY
軸ステージの上にある場合はX軸ステージの可動テーブ
ルで、その逆の場合はY軸ステージの可動テーブル)の
位置を高分解能でかつ長いストロークを検出できるレー
ザ干渉計の固定方法について述べる。図12には代表的
な可動テーブルのX軸とY軸の変位量を検出する構成例
を示す。効果的な説明のため、簡略化した構成機器を示
している。四角い真空チャンバCの内部には、ステージ
の最上位可動テーブルaがある。可動テーブルaのX軸
方向とY軸方向の変位を測定し、位置制御するために、
可動テーブルaの上には、レーザ干渉式変位計70用の
ミラー71が設けられている。ここでは、L型のバーミ
ラー例を示す。なお、レーザ干渉式変位計70を構成す
る各要素はここの一般的な説明でもまた本発明の実施形
態でも同じであるから同じ参照番号で説明する。ミラー
71に相対するように、真空チャンバを画成するハウジ
ングbの側壁cの内面近くに干渉計72が設けられ、こ
のミラー71と干渉計72との相対変位を検出する。
【0041】そのために、ハウジングb外には、レーザ
光源73を設け、そこから発射したレーザビームは、窓
dを通してチャンバC内に導入され、ビームスプリッタ
74で2方向に分岐され、分岐されたレーザービーム
は、それぞれ、干渉計72に入射され、干渉計内で更に
2つに分岐される。干渉計内で分岐されたレーザビーム
の1方は、ミラー71へと向かい、ミラーに反射された
レーザービームは再び干渉計72に戻る。この時、干渉
計内では、先に内部で分岐されたもう一方のレーザビー
ムがあり、このレーザビームと反射されて戻ってきたレ
ーザビームとがミックスされ、ミックスされたレーザビ
ームをレシーバ75で受光する。レシーバ75で受光し
たレーザビームを信号処理回路で処理し、物理量である
X軸方向やY軸方向の変位量の相当信号を出力する。こ
れが、レーザ干渉式変位計である。言うまでもなく重要
な位置関係を1つ挙げるとすれば、干渉計72とミラー
71の位置関係である。このため、干渉計72の固定方
法(構造)が適切でないと、検出した変位量相当信号に
は、測定する可動テーブルの変位と干渉計の変位とが含
まれることになる。
【0042】図13においてレーザ干渉式変位計の上記
要素の従来の固定例が示されている。干渉計72は、通
常、台座fによって、ハウジングの底壁の上面に配設固
定されているか、或いは、図示していないハウジングの
上壁に台座を釣り下げるようにして干渉計を取付けるこ
とがある。しかしながら、先に説明したように、ハウジ
ングの壁は、そこに作用する圧力によって変形し、大気
圧の変化も影響して、逐次その変形量は変化していると
いってよい。従って、図13に示されるような干渉計の
固定方式は好ましくない。
【0043】本発明においてはこのような問題を以下に
説明するような手段で解決している。図14は、ハウジ
ングのの最も変形しない面を基準面として干渉計を固定
する実施例を示す。前述のように、ハウジング60は変
形の最も少ないその四隅でベースプレート11に固定さ
れている。そこで、チャンバC内には底壁でもっとも変
形の少ない四隅を基準にした3点支持のL型台座76
(L型の両端及び直角に曲がっている部分で支持)を設
け、その上に本発明のステージ装置に設けられるレーザ
干渉式変位計70の干渉計71を配置する構造になって
いる。そして、ビームスプリッタ72も台座76上に配
置できるので、お互いの高さ合わせも容易である。この
ように、チャンバの変形がもっとも少ない場所を基準面
として干渉計の構成要素を取り付ける構造を採用してい
る。なおL型台座の構造は、図の例に限定するものでは
なく、同じ効果を奏し得る物ならなんでもよい。
【0044】図15には、ベースプレート11の上面1
11を基準面として干渉計を固定する実施例を示す。干
渉計72は、台座76a上に配置され、台座76aは、
ハウジング60の底壁61に形成された貫通穴614を
通して伸びる支柱部分761aを有し、その支柱部分の
下端はベースプレート11の上面111に固定されてい
る。ハウジングの底壁61と、その底壁の貫通穴614
を通して伸びるロッド上の台座76aの支柱部分との管
の隙間を密閉するためにシール装置チャンバ底板の貫通
穴と台座貫通部材との間には、シール装置が設けられて
いる。
【0045】図16において、隙間を密閉するシール装
置66の幾つかの実施例が示されている。図16[A]
は、シール装置66がOリングシール661で構成され
た例である。このOリングシール661の太さの選定
は、前記シール装置65のOリングシールの場合と同じ
である。台座76aにはフランジ部762aが形成さ
れ、そのフランジ部とハウジング60の底壁61とは、
隙間を隔てて配置され、その隙間をOリングシール66
1でシールしている。図16[B]は、シール装置66
aが弾性シール部材として筒上のべローズ661aを採
用した実施例であり、その一端は底壁の下端に密閉して
固定され、他端はベースに密閉して固定されている。ま
た、図16[C]は、シール装置66bが弾性シール部
材としてダイアフラム661bを採用した実施例であ
り、そのダイアフラムの内周は台座に密閉して固定さ
れ、外周は底壁に密閉して固定されている。更に、図1
6[D]は、シール装置66cが、Oリングシール66
1cで構成されている実施例であり、ここでは二つのO
リングシールが貫通穴内に配置され、その外周側が底壁
側の部材に密封係合し、内周側が台座の支柱部分の外周
と密封係合する。ハウジングの底壁の変形が略上下方向
成分のみと近似できる場合には、摺動性の良好なOリン
グを選定することで、むやみに太いOリングを採用せず
ともシール機能を達成できる。滑りやすいOリングとし
ては、例えば、NTN社製のベアリー商品カタログ「C
AT.No.5100に掲載された「すべるOリング」
などが効果的である。
【0046】3.可動テーブル表面の水分吸着防止 続いて、走査軸すなわちY軸ステージ20に静圧軸受け
と差動排気シールを設けるにあたり、実用的に留意すべ
き課題とその解決方法について述べる。図17を参照し
ながら説明する。Y軸ステージ20のステータ部21と
その中を貫通する可動テーブル26を備え、可動テーブ
ル26は、既に説明したように、静圧軸受けを有する静
圧案内機構30によってガイドされ、真空チャンバC内
の真空と静圧軸受けなどがある大気空間との間に差動排
気シールすなわち非接触シール装置31を備える。差動
排気用の配管はステータ部21側に接続される。このよ
うにして可動テーブル26は、図示しない駆動源を大気
空間に配置して、走査方向すなわちY軸方向に駆動され
る。
【0047】そして、可動テーブル26が図17で実線
で示された状態(これを初期状態とする)にあるとする
と、可動テーブルの左側の部分の表面は、クリーン大気
に露出している。次に右方向に移動させ破線の位置まで
移動させると、はじめに大気に露出していた可動テーブ
ルの表面の一部が、移動の結果、真空中に露出すること
になる。実験によると、移動するサイクルに同期して、
チャンバC内の圧力の劣化が確認できた。そのこで、装
置全体を3種類のガス空間の場合について、チャンバ圧
力変化の傾向を測定した。 工業用窒素ガス(純度99.9999%)=非常に乾
いたガス ドライエアー(静圧軸受け用に、圧縮空気をさらにド
ライヤで乾燥した空気) 通常のクリーンな大気(湿度50%ぐらいの空気9 結果、圧力変動の傾向は、>>>=0であった。
はの10分の1ぐらいに改善された。この結果よ
り、圧力変動の主原因は大気の湿度、すなわち水分であ
るといえる。単純に、装置に外側全体を非常に乾燥した
ガスで覆うことも対策である。しかし、非常に良好な平
面度の定盤面を実現するには、一般には、石定盤を採用
する。天然の石を使うので、精度維持のためには、湿度
管理が必要であり、通常は湿度50%前後が望ましい。
【0048】そこで、できるだけ大掛かりでなく、簡便
に問題を解決する実施例が図18に示されている。可動
テーブル26の表面に付着する水分を低減するために、
防湿板29がステータ部21の通路25の開口部周囲を
囲むようにして端面に配置固定されている。図18
[A]は、可動テーブル26が左側に寄って停止してい
る状態を示す。防湿板29は上下に分割した構造や可動
テーブル26の周囲を囲むように(貫通する角穴を備え
た)一体構造でも良い。図18[A]では、可動テーブ
ル26の左側端のハッチング部分は、クリーンな大気に
露出しているが、右方向に移動すると、図18[B]に
示されるように、クリーンな大気に露出していた(ハッ
チングした)可動テーブル表面は、真空側に露出しなく
なる。
【0049】図18[C]に防湿板29の機能を説明す
る図を示す。防湿板29は、ステータ部に配置される
が、そのステータ部内には、静圧軸受けが配置されてい
る。この静圧軸受けには、先の実験で用いたドライエ
アーが供給されている。また、そのドライエアーは通路
の開口部に近接して配置された静圧軸受けの静圧軸受け
パッド部を介してドライエアを通路内に吹き出すように
なっている。このドライエアは通路を通って大気側へ排
出しなければならない。従って、防湿板29の近くに
は、既に乾いたガスが供給されている。この乾いたガス
の排出路を防湿板29で可動テーブル26の表面に沿わ
せることで、1石2鳥の効用を得られる。また、効率の
良い静圧軸受けのために、排出されるドライエアの流量
が少なく、可動テーブル表面の十分な防湿効果が得られ
ない場合には、図18[D]に示されるように、防湿板
29の直近に乾燥したガスを供給するシャワーノズル2
9’を設けると良い。
【0050】次に、スキャン軸の駆動源として、別の実
施例を図19に示す。スキャン軸の駆動性能で最も重要
な性能は、定速度安定性である。さらに、位置精度の安
定性には、駆動源からの発熱を抑制する必要がある。さ
らに、制御の応答性向上のためには、大きな推力を必要
とする。これら3つの要求を達成する駆動源として、油
圧シリンダー29bが最適である。 油圧シリンダ29
bは、作動流体が液体であるから、非圧縮性流体であ
り、制御しやすい特性でもある。また、油圧シリンダの
シリンダ自身を作動流体でガイドすることで、より高精
度の位置決めや速度安定性を獲得することができる。詳
しくは、例えば文献:H. J. J. Kraakman et. al. 「A
Precision lathe withhydrostatic bearings and drive
」、 PHILIPS TECHNICAL REVIEW, Vol. 30,No. 5, 1
969年を参考にするとよい。
【0051】上記ステージ装置10において、処理され
るべき基板はΘ軸ステージ50の回動テーブル51上に
設けられた図示しない保持装置により保持される。そし
て図3に示される荷電ビーム装置80から荷電ビームが
照射されて基板処理が行われる。この処理を開始する前
に、基板を荷電ビーム装置に対して位置決めする場合に
は、Y軸ステージ、X軸ステージ及びΘ軸ステージを前
述のように動作させて行う。また、処理の途中で基板を
荷電ビーム装置に対して一定距離ステップ移動させる時
には、X軸ステージ40の可動テーブル41を移動させ
て行う。更に基板を連続的に移動させながら処理を行う
場合には、Y軸ステージの一対の可動テーブル26を連
続移動させながら行う。
【0052】次に図20において、荷電ビーム装置80
の一例を説明する。荷電ビーム装置80は、荷電ビーム
を放出する電子銃81と、電子銃から放出された荷電ビ
ームをステージ装置上に載置された基板Wに照射する一
次光学系82と、試料から放出された二次電子が投入さ
れる二次光学系83と、検出器84とを備えている。一
次光学系82は、電子銃81から放出された荷電ビーム
を集束する2段の静電レンズからなるレンズ系821、
822と、偏向器823と、荷電ビームをその光軸が対
象の面に垂直になるように偏向するウイーンフィルタす
なわちE×B分離器824と、2段の静電レンズからな
るレンズ系825、826と、を備え、それらは、図1
に示されるように電子銃81を最上部にして順に、荷電
ビームの光軸が試料Sの表面(試料面)に鉛直な線に対
して傾斜して配置されている。二次光学系83は基板W
から放出された二次電子が投入される光学系で、一次光
学系のE×B型分離器824の上側に配置された2段の
静電レンズからなるレンズ系831、832を備えてい
る。検出器84は、二次光学系83を介して送られた二
次電子を検出する。
【0053】電子銃81から放出された荷電ビームは、
電子銃の正方形開口で整形され、2段のレンズ系821
及び822によって縮小され、偏光器823で光軸を調
整されてE×B分離器824の偏向中心面に一辺が1.
25mmの正方形に結像される。E×B分離器824
は、試料の法線に垂直な平面内において、電界と磁界と
を直交させた構造となっており、電界、磁界、電子のエ
ネルギの関係が一定の条件を満たす時には電子を直進さ
せ、それ以外の時にはこれら電界、磁界及び電界のエネ
ルギの相互の関係により所定方向に偏向されるようにな
っている。電子銃からの荷電ビームを試料Sに垂直に入
射させ、また試料から放出された二次電子を検出器84
の方向に直進させるように設定されている。E×B分離
器で偏向された成形ビームはレンズ系67、68で1/
5に縮小されて基板に照射される。基板Wから放出され
たパターン画像の情報を持った二次電子はレンズ系82
6、825及び831、832で拡大され、検出器84
で二次電子画像を形成する。この4段の拡大レンズは、
レンズ系825及び826が対称タブレットレンズを形
成し、レンズ系831及び832もやはり対称タブレッ
トレンズを形成しているので無歪みレンズとなってい
る。
【0054】次に図21及び図22を参照して本発明に
よる半導体デバイスの製造方法の実施例を説明する。図
21は、本発明による半導体デバイスの製造方法の一実
施例を示すフローチャートである。この実施例の製造工
程は以下の主工程を含んでいる。 (1)ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを
準備するウエハ準備工程) (2)露光に使用するマスクを製造するマスク製造工程
(又はマスクを準備するマスク準備工程) (3)ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシ
ング工程 (4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出
し、動作可能にならしめるチップ組立工程 (5)できたチップを検査するチップ検査工程なお、上
記のそれぞれの主工程は更に幾つかのサブ工程からなっ
ている。
【0055】これらの主工程中の中で、半導体デバイス
の性能に決定的な影響を及ぼすのが(3)のウエハプロ
セッシング工程である。この工程では、設計された回路
パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとし
て動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッ
シング工程は以下の各工程を含んでいる。 (A)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部
を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVD
やスパッタリング等を用いる) (B)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程 (C)薄膜層やウエハ基板等を選択的に加工するために
マスク(レチクル)を用いてレジストパターンを形成す
るリソグラフィー工程 (D)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工す
るエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用い
る) (E)イオン・不純物注入拡散工程 (F)レジスト剥離工程 (G)更に、加工されたウエハを検査する工程 なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り
返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
【0056】図22は、図21のウエハプロセッシング
工程の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャ
ートである。このリソグラフィー工程は以下の各工程を
含む。 (a)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上
にレジストをコートするレジスト塗布工程 (b)レジストを露光する露光工程 (c)露光されたレジストを現像してレジストのパター
ンを得る現像工程 (d)現像されたレジストパターンを安定化するための
アニール工程 上記の半導体デバイス製造工程、ウエハプロセッシング
工程、リソグラフィー工程については、周知のものであ
りこれ以上の説明を要しないであろう。上記(G)の検
査工程又は上記(c)の露光工程に、本発明に係る欠陥
検査装置及び欠陥検査方法、露光装置及び露光方法を用
いると、微細なパターンを高精度で安定して検査又は露
光ができるので、製品の歩留まりの向上、欠陥製品の出
荷防止が可能と成る。
【効果】従来のステージ装置を基板処理空間に配置した
半導体製造装置に比べて、本願のステージ装置を用いれ
ば、以下の効果が得られる。 (イ)走査軸の滑らかな移動性能を達成できる。 (ロ)基板1枚処理あたりのステージ走行距離の99%
以上を基板処理空間外とできるため、処理空間の清浄度
維持を向上でき、直動案内機構の寿命も伸び、メンテナ
ンスサイクルを飛躍的に伸ばすことができる。 (ハ)今後の超LSIなど、微細、かつ、高精度なパタ
ーンを必要とする場合、光の波長による制限があって所
要のパターニングを得られない。これを打破する一つの
方法として、光の代わりに電子ビームを使用する方法が
ある。この電子ビームを用いた、露光、描画、検査装置
に不可欠なステージ装置を提供できる。更に、より現実
的な課題に対して、 (ニ)チャンバに作用する差圧変動に起因するステージ
基準面の変形を防止できる。 (ホ)チャンバに作用する差圧変動に起因する変位測定
誤差を改善できる。 (ヘ)スキャン軸ストロークによる圧力変動を改善でき
る。 (ト)スキャン軸の駆動を油圧シリンダ化することによ
って、低発熱、高応答性、高速度安定性を両立でき、よ
り高精度なステージ装置とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステージ装置の一実施形態を示す平面
図である。
【図2】図1の線A−Aに沿って見た断面図である。
【図3】図1の線B−Bに沿って見た断面図である。
【図4】図2に示されるY軸ステージに組み込まれた静
圧案内機構を示す拡大断面図である。
【図5】図4の線D−Dに沿って見た図である。
【図6】Y軸ステージの変形例を示す側面図である。
【図7】図6のY軸ステージの断面図であって、図2と
同様の断面で示す図である。
【図8】X軸ステージの拡大平面図である。
【図9】図8に示されたX軸ステージの側面図である。
【図10】[A]ハウジングの変形を説明する図で、
[B]はその変形に対する対策を説明する図である。
【図11】Y軸ステージとハウジングとの間に設けるシ
ール装置を説明する図である。
【図12】レーザ干渉型変位計とステージ装置との関係
を説明する図である。
【図13】従来のレーザ干渉型変位計の構成要素の取り
付け方法を説明する図である。
【図14】本発明のレーザ干渉型変位計の構成要素の支
持方法を説明する図である。
【図15】本発明のレーザ干渉型変位計の構成要素の支
持方法の変形例を説明する図である。
【図16】レーザ干渉型変位計の干渉計用の台座とハウ
ジングとの隙間をシールするシール装置の説明図であ
る。
【図17】Y軸ステージの可動テーブルの直線移動に伴
なう真空チャンバ内の圧力変動に関する説明図である
【図18】Y軸ステージの可動テーブルの直線移動に伴
なう真空チャンバ内の圧力変動に対する改善策の説明図
である。
【図19】Y軸ステージの可動テーブル用の駆動機構の
変形例を示す図である。
【図20】本発明のステージ装置と共に基板の処理に使
用される荷電ビーム装置の概略構成図である。
【図21】本発明による半導体デバイスの製造方法の一
実施例を示すフローチャートである。
【図22】図21のウエハプロセッシング工程の中核を
なすリソグラフィー工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ステージ装置 11 ベース
テーブル 20 Y軸ステージ 21 ステー
タ部 22 可動テーブル 30 静圧案
内機構 40 X軸ステージ 41 固定プ
レート 43 可動テーブル 45 駆動機
構 50 Θ軸ステージ 51 回動テ
ーブル 60 ハウジング 61 底壁 65、65a、65b シール装置 66、66a、66b、66c シール装置 70 レーザ干渉型変位計 76,76a
台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 省二 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 2F069 AA03 BB40 DD09 DD12 DD13 GG04 GG07 GG08 GG58 HH09 MM34 PP01 RR00 5F031 CA02 CA07 HA53 KA06 KA07 LA02 LA07 LA12 MA27 MA33 NA02 NA04 NA20 5F056 EA12 EA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造装置用のステージ装置であっ
    て、固定要素及び可動要素を備えていて前記可動要素が
    Y軸に沿って移動するY軸ステージと、固定要素及び可
    動要素を備えていて前記可動要素がX軸に沿って移動す
    るX軸ステージとを備えるステージ装置において、 前記Y軸ステージの可動要素側に前記X軸ステージの固
    定要素を配置し、 前記Y軸を走査軸とし、前記X軸をステップ軸とし、 前記Y軸ステージの固定要素と可動要素との間に非接触
    シール装置を備えていることを特徴とするステージ装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のステージ装置におい
    て、前記Y軸ステージの前記可動要素を移動可能に案内
    する前記固定要素には静圧軸受を設け、前記静圧軸受の
    軸受面と同一面上に、前記非接触シール装置を設け、前
    記非接触シール装置を備えた前記可動要素の案内部の断
    面形状を角型とし、前記Y軸ステージの前記固定要素を
    強固なベース上に設置したことを特徴とするステージ装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のステージ装置に
    おいて、少なくとも前記X軸ステージを収容する真空チ
    ャンバを画成するハウジングが、四角形の平面形状を有
    し、前記ハウジングが四隅において前記ベースにより支
    持されていることを特徴とするステージ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のステージ装置におい
    て、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ
    干渉式変位計を備え、前記レーザ干渉式変位計の干渉計
    の固定基準面を前記ハウジングの隅部としたことを特徴
    とするステージ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のステージ装置におい
    て、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ
    干渉式変位計を備え、レーザ干渉式変位計の干渉計の固
    定基準面をチャンバ外の前記ベースの表面とし、前記干
    渉計の固定用台座は前記ハウジングの底壁を貫通し、貫
    通した底壁と前記台座との隙間にはシール装置を備えた
    ことを特徴とするステージ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のス
    テージ装置において、前記Y軸ステージの可動要素の表
    面に水分が付着するのを防止する防湿板を備えたことを
    特徴とするステージ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のス
    テージ装置において、前記Y軸ステージの可動要素の表
    面に水分が付着するのを防止するための乾燥ガス供給シ
    ャワーノズルを備えたことを特徴とするステージ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のス
    テージ装置において、ステージ装置の前記ベースと反対
    側に、少なくとも電子線又は荷電粒子線を照射する照射
    装置を備えたことを特徴とするステージ装置。
JP2002012338A 2002-01-22 2002-01-22 ステージ装置 Expired - Lifetime JP4310065B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002012338A JP4310065B2 (ja) 2002-01-22 2002-01-22 ステージ装置
DE60332681T DE60332681D1 (de) 2002-01-22 2003-01-20 Trägerplattevorrichtung
EP03001225A EP1333468B1 (en) 2002-01-22 2003-01-20 Stage device
US10/347,208 US7025005B2 (en) 2002-01-22 2003-01-21 Stage device and angle detecting device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002012338A JP4310065B2 (ja) 2002-01-22 2002-01-22 ステージ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003218189A true JP2003218189A (ja) 2003-07-31
JP4310065B2 JP4310065B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=27649568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002012338A Expired - Lifetime JP4310065B2 (ja) 2002-01-22 2002-01-22 ステージ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4310065B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005175016A (ja) * 2003-12-08 2005-06-30 Canon Inc 基板保持装置およびそれを用いた露光装置ならびにデバイス製造方法
JP2007103651A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Nsk Ltd 位置決め装置
JP2010157395A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Jeol Ltd ステージの位置決め装置
JP2015115548A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 株式会社荏原製作所 真空容器内のステージの設置構造
JP2017162899A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 住友大阪セメント株式会社 静電チャック装置
TWI661471B (zh) * 2013-12-13 2019-06-01 日商荏原製作所股份有限公司 真空容器之基座的設置構造

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0262421A (ja) * 1988-08-26 1990-03-02 Canon Inc 静圧気体軸受の空圧回路
JPH0694900A (ja) * 1992-09-10 1994-04-08 Olympus Optical Co Ltd 真空光学系
JPH08229759A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Canon Inc 位置決め装置並びにデバイス製造装置及び方法
JP2587227B2 (ja) * 1987-02-06 1997-03-05 キヤノン株式会社 気体軸受装置
JPH10293200A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan 真空光学系構造
JP2002015989A (ja) * 1993-07-21 2002-01-18 Canon Inc 処理システム及びこれを用いた露光装置およびデバイス製造方法
JP2002352760A (ja) * 2001-05-22 2002-12-06 Hitachi Ltd 走査形電子顕微鏡

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2587227B2 (ja) * 1987-02-06 1997-03-05 キヤノン株式会社 気体軸受装置
JPH0262421A (ja) * 1988-08-26 1990-03-02 Canon Inc 静圧気体軸受の空圧回路
JPH0694900A (ja) * 1992-09-10 1994-04-08 Olympus Optical Co Ltd 真空光学系
JP2002015989A (ja) * 1993-07-21 2002-01-18 Canon Inc 処理システム及びこれを用いた露光装置およびデバイス製造方法
JPH08229759A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Canon Inc 位置決め装置並びにデバイス製造装置及び方法
JPH10293200A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan 真空光学系構造
JP2002352760A (ja) * 2001-05-22 2002-12-06 Hitachi Ltd 走査形電子顕微鏡

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005175016A (ja) * 2003-12-08 2005-06-30 Canon Inc 基板保持装置およびそれを用いた露光装置ならびにデバイス製造方法
JP2007103651A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Nsk Ltd 位置決め装置
JP2010157395A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Jeol Ltd ステージの位置決め装置
JP2015115548A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 株式会社荏原製作所 真空容器内のステージの設置構造
TWI661471B (zh) * 2013-12-13 2019-06-01 日商荏原製作所股份有限公司 真空容器之基座的設置構造
JP2017162899A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 住友大阪セメント株式会社 静電チャック装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4310065B2 (ja) 2009-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7025005B2 (en) Stage device and angle detecting device
KR101698249B1 (ko) 노광 장치, 노광 방법 및 디바이스 제조 방법
US7280185B2 (en) Stage system including fine-motion cable unit, exposure apparatus, and method of manufacturing device
US6732610B2 (en) Slide apparatus and its stage mechanism for use in vacuum
US20030098960A1 (en) Motion feed-through into a vacuum chamber and its application in lithographic projection apparatuses
EP1260720B1 (en) Hydrostatic bearing and stage apparatus using same
US6644855B2 (en) Stage device, exposure apparatus, device manufacturing method and movement guidance method
JP6087573B2 (ja) 処理装置、それを用いた物品の製造方法
CN107533956A (zh) 曝光系统
KR20030095327A (ko) 스테이지 장치 및 노광 장치
JP4144179B2 (ja) 静圧気体軸受およびそれを用いたステージ装置およびそれを用いた光学装置
JP4310065B2 (ja) ステージ装置
WO2019228922A1 (en) Electron beam apparatus, inspection tool and inspection method
US6774374B1 (en) Isolation mounts for use with vacuum chambers and their application in lithographic projection apparatuses
US6320195B1 (en) Exposure apparatus, method of making the apparatus, exposure method, and device and manufacturing method of the device
JP2014528165A (ja) ターゲット位置決め装置、ターゲット位置決め装置を駆動する方法、およびそのようなターゲット位置決め装置を備えているリソグラフィシステム
JP2001143984A (ja) 位置決め装置
JP3445257B2 (ja) 処理システム及びこれを用いた露光装置およびデバイス製造方法
JP2005121134A (ja) 流体軸受装置およびそれを用いたステージ装置
US20020154839A1 (en) Kinematic stage assembly
JP2001091681A (ja) Xyステージ機構及び露光装置
JP4314648B2 (ja) ステージ装置およびそれを備えた光学装置
TWI783421B (zh) 介面板、檢測系統及安裝檢測系統之方法
JP2002190270A (ja) 電子線装置およびそれを用いたデバイス製造方法
WO2024021967A1 (zh) 阀门、互连设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090416

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4310065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term