JPH10293200A - 真空光学系構造 - Google Patents
真空光学系構造Info
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- JPH10293200A JPH10293200A JP9102124A JP10212497A JPH10293200A JP H10293200 A JPH10293200 A JP H10293200A JP 9102124 A JP9102124 A JP 9102124A JP 10212497 A JP10212497 A JP 10212497A JP H10293200 A JPH10293200 A JP H10293200A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 調整用の制御システムを利用しなくても真空
引きの前に完了したアライメントを真空引き後も保持で
きる軽量な真空容器を提供する。 【解決手段】 真空容器(1)内に光学系が収納されて
いる構造であって、光学台支柱(5)によって光学基準
台(3)に直接設置される光学系と真空容器支柱(2)
によって光学基準台(3)に保持される真空容器とが各
々力学的に独立されている。
引きの前に完了したアライメントを真空引き後も保持で
きる軽量な真空容器を提供する。 【解決手段】 真空容器(1)内に光学系が収納されて
いる構造であって、光学台支柱(5)によって光学基準
台(3)に直接設置される光学系と真空容器支柱(2)
によって光学基準台(3)に保持される真空容器とが各
々力学的に独立されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、真空光学
系構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願
の発明は軟X線を用いた分析装置の光学系の高精度化等
に有用な、真空光学系構造に関するものである。
系構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願
の発明は軟X線を用いた分析装置の光学系の高精度化等
に有用な、真空光学系構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、軟X線顕微鏡をはじめ
とする軟X線を用いた分析装置の開発が進んでいる。軟
X線は空気中における透過力が弱いために、高精度な測
定を実現するためには、軟X線を用いた分析装置の光学
系を真空容器に収納する必要がある。特に、軟X線顕微
鏡等においては、空間分解能力が50nm程度の画像を
得るために、少なくともサブミクロン程度の高精度でア
ライメントされた各種の光学レンズや検出器が真空容器
内に収納されている必要がある。
とする軟X線を用いた分析装置の開発が進んでいる。軟
X線は空気中における透過力が弱いために、高精度な測
定を実現するためには、軟X線を用いた分析装置の光学
系を真空容器に収納する必要がある。特に、軟X線顕微
鏡等においては、空間分解能力が50nm程度の画像を
得るために、少なくともサブミクロン程度の高精度でア
ライメントされた各種の光学レンズや検出器が真空容器
内に収納されている必要がある。
【0003】従来では、軟X線を用いた分析装置の光学
系においては、真空容器の底板に治具を設け、光学素子
が設置されており、一般的には、アライメントは真空容
器を大気解放した状態で行われている。しかしながら、
真空容器内を真空にすると大気圧で真空容器自体が歪ん
でしまい、真空容器の底板を基準に設置した光学素子の
アライメントが崩れてしまう等の問題点があった。
系においては、真空容器の底板に治具を設け、光学素子
が設置されており、一般的には、アライメントは真空容
器を大気解放した状態で行われている。しかしながら、
真空容器内を真空にすると大気圧で真空容器自体が歪ん
でしまい、真空容器の底板を基準に設置した光学素子の
アライメントが崩れてしまう等の問題点があった。
【0004】そこで、従来では、これらの問題を解決す
るために、真空容器の底板を十分に厚くしたり、ステッ
プモータを具備した高精度な真空ステージによって、リ
モートコントロールで再度調整をする必要があった。だ
が、一方で、このような手段を採用すると、全システム
の重量が異常に大きくなったり、再調整用の制御システ
ムが複雑であるため、高度な技術を要する等の問題がさ
らに生じてしまう。
るために、真空容器の底板を十分に厚くしたり、ステッ
プモータを具備した高精度な真空ステージによって、リ
モートコントロールで再度調整をする必要があった。だ
が、一方で、このような手段を採用すると、全システム
の重量が異常に大きくなったり、再調整用の制御システ
ムが複雑であるため、高度な技術を要する等の問題がさ
らに生じてしまう。
【0005】このため、真空容器内の気圧変化に伴う真
空容器の変形により真空容器に変異が生じても、使用さ
れるべき光学系に伝達される変異量がその光学系に要求
される精度から定まる所定の変動誤差量を越えない変異
伝達量の小さな部材で支持される光学系載置部材を真空
容器内に備えた真空光学系が提案されてもいる(特開平
6−94900)。この光学系によれば、真空排気の前
後において容器が変形しても真空容器内の光学系のアラ
イメントが狂うことなく、また外部から真空容器内の移
動機構を操作できるコンパクトな真空工学となるとされ
ている。
空容器の変形により真空容器に変異が生じても、使用さ
れるべき光学系に伝達される変異量がその光学系に要求
される精度から定まる所定の変動誤差量を越えない変異
伝達量の小さな部材で支持される光学系載置部材を真空
容器内に備えた真空光学系が提案されてもいる(特開平
6−94900)。この光学系によれば、真空排気の前
後において容器が変形しても真空容器内の光学系のアラ
イメントが狂うことなく、また外部から真空容器内の移
動機構を操作できるコンパクトな真空工学となるとされ
ている。
【0006】しかしながら、このような改善策にもかか
わらず、実際には、応用される光学系によっては、その
光学系に要求される精度から定まる所定の変動誤差量を
越えないという条件を満たし、さらにコストパフォーマ
ンスに優れた部材を見いだすことが困難である等の問題
が避けられなかった。そこで、この出願発明は、以上の
とおりの従来技術の欠点を解消し、調整用の制御システ
ムを利用しなくても、真空引きの前に完了したアライメ
ントを真空引き後も保持することのできる、低コストで
軽量な、新しい真空光学系構造を提供することを目的と
している。
わらず、実際には、応用される光学系によっては、その
光学系に要求される精度から定まる所定の変動誤差量を
越えないという条件を満たし、さらにコストパフォーマ
ンスに優れた部材を見いだすことが困難である等の問題
が避けられなかった。そこで、この出願発明は、以上の
とおりの従来技術の欠点を解消し、調整用の制御システ
ムを利用しなくても、真空引きの前に完了したアライメ
ントを真空引き後も保持することのできる、低コストで
軽量な、新しい真空光学系構造を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】この、新しい発明は、上
記の課題を解決するものとして、真空容器内に光学系が
収納されている構造であって、光学台支柱によって光学
基準面に直接設置される光学系と真空容器支柱によって
光学基準面に保持される真空容器とが各々力学的に独立
していることを特徴する真空光学系を提供する。
記の課題を解決するものとして、真空容器内に光学系が
収納されている構造であって、光学台支柱によって光学
基準面に直接設置される光学系と真空容器支柱によって
光学基準面に保持される真空容器とが各々力学的に独立
していることを特徴する真空光学系を提供する。
【0008】また、この出願の発明は、光学系がX線光
学系であること等の態様をも提供する。
学系であること等の態様をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】添付した図面の図1は、この発明
の原理的構成を例示した概念図である。たとえば、この
図1に例示したように、真空容器(1)は、真空容器支
柱(2)によって光学基準台(3)に設置されており、
一方、真空容器の内部光学系を載せる光学支持台(4)
は、光学支持台支柱(5)により光学基準台(3)に設
置されている。そして、たとえば真空容器(1)と光学
基準台(3)との間に設けたベローズ(6)の内部空間
の略中心部には、真空容器(1)並びにベローズ(6)
に対しては力学的に独立した光学支持台支柱(5)が配
設されてもいる。
の原理的構成を例示した概念図である。たとえば、この
図1に例示したように、真空容器(1)は、真空容器支
柱(2)によって光学基準台(3)に設置されており、
一方、真空容器の内部光学系を載せる光学支持台(4)
は、光学支持台支柱(5)により光学基準台(3)に設
置されている。そして、たとえば真空容器(1)と光学
基準台(3)との間に設けたベローズ(6)の内部空間
の略中心部には、真空容器(1)並びにベローズ(6)
に対しては力学的に独立した光学支持台支柱(5)が配
設されてもいる。
【0010】ここで真空容器支柱(2)は、剛体であっ
て、完全に真空容器(1)の自重がすべて光学基準台
(3)にかかり、光学系に応力がかからないようにして
いる。真空容器支柱(2)が仮に弾性体であるとする
と、真空容器(1)が光学基準台(3)と相対的にずれ
たり、振動してしまうことになる。この場合、たとえば
シンクロトロンのビームラインと接続してこの発明の装
置を利用する場合、光軸の位置はずれないものの、真空
容器と(1)がシンクロトロンのビームラインの真空容
器に応力を与えてしまう。これでは、真空容器(1)が
単体である場合には問題ないが、シンクロトロンのビー
ムラインと真空容器(1)のシステムではシンクロトロ
ンのビームラインの光学系に応力をかけてしまうので、
好ましくない。(多少圧力変形があったにしろ)しっか
りと真空容器(1)が光学基準台(3)と相対的にずれ
ないように固定する必要がある。
て、完全に真空容器(1)の自重がすべて光学基準台
(3)にかかり、光学系に応力がかからないようにして
いる。真空容器支柱(2)が仮に弾性体であるとする
と、真空容器(1)が光学基準台(3)と相対的にずれ
たり、振動してしまうことになる。この場合、たとえば
シンクロトロンのビームラインと接続してこの発明の装
置を利用する場合、光軸の位置はずれないものの、真空
容器と(1)がシンクロトロンのビームラインの真空容
器に応力を与えてしまう。これでは、真空容器(1)が
単体である場合には問題ないが、シンクロトロンのビー
ムラインと真空容器(1)のシステムではシンクロトロ
ンのビームラインの光学系に応力をかけてしまうので、
好ましくない。(多少圧力変形があったにしろ)しっか
りと真空容器(1)が光学基準台(3)と相対的にずれ
ないように固定する必要がある。
【0011】また、真空容器が重たくなると、剛体でな
いと支えきれず、ロングレンジタイムでは、真空容器支
柱(2)の形状が経時変化してしまう。この場合も、光
軸の位置はずれないものの、真空容器(1)をシンクロ
トロンのビームラインや外部装置と接続する場合に好ま
しくない。このようにして、剛体の真空容器支柱(2)
に支持された真空容器(1)と光学支持台(4)はベロ
ーズ(6)によって力学的に独立して保持されるため、
真空排気の際、真空容器(1)が薄くて変形しやすくて
も、光学支持台(4)とこれに支持されている真空容器
内部に収納されている光学系は、真空容器(1)の変形
にともなう歪み、(微小)変動等が生じることはない。
つまり、全く真空容器(1)の圧力変形の影響を受けな
いのである。また、光学基準台(3)が圧力変形の影響
を受けるのは、光学支持台支柱(5)を取り囲むベロー
ズ(6)の断面積のごくわずかな領域であり、光学基準
台(3)自体の圧力変形もほとんど生じない。したがっ
て、真空容器(1)の内部に収納されている光学系は真
空容器(1)での大気排出前後で形状はほとんど変化し
ないため、再調整用の制御システムを利用することな
く、大気排気前に完了した光学系のアライメントを保持
することができる。さらに、真空容器(1)の材質の厚
さを薄くしてもその影響を受けないために、極力軽量な
真空容器の設計が可能になる。
いと支えきれず、ロングレンジタイムでは、真空容器支
柱(2)の形状が経時変化してしまう。この場合も、光
軸の位置はずれないものの、真空容器(1)をシンクロ
トロンのビームラインや外部装置と接続する場合に好ま
しくない。このようにして、剛体の真空容器支柱(2)
に支持された真空容器(1)と光学支持台(4)はベロ
ーズ(6)によって力学的に独立して保持されるため、
真空排気の際、真空容器(1)が薄くて変形しやすくて
も、光学支持台(4)とこれに支持されている真空容器
内部に収納されている光学系は、真空容器(1)の変形
にともなう歪み、(微小)変動等が生じることはない。
つまり、全く真空容器(1)の圧力変形の影響を受けな
いのである。また、光学基準台(3)が圧力変形の影響
を受けるのは、光学支持台支柱(5)を取り囲むベロー
ズ(6)の断面積のごくわずかな領域であり、光学基準
台(3)自体の圧力変形もほとんど生じない。したがっ
て、真空容器(1)の内部に収納されている光学系は真
空容器(1)での大気排出前後で形状はほとんど変化し
ないため、再調整用の制御システムを利用することな
く、大気排気前に完了した光学系のアライメントを保持
することができる。さらに、真空容器(1)の材質の厚
さを薄くしてもその影響を受けないために、極力軽量な
真空容器の設計が可能になる。
【0012】なお、光学支持台支柱(5)は、真空容器
(1)の底部を貫通して光学基準台(3)に立設される
ことから、この貫通にともなう真空漏れが防止され、か
つ上記のような力学的独立の保たれる手段であるなら
ば、上記のベローズ(6)を採用する構造に限られるこ
とはない。実際、ベローズ(6)については、真空容器
(1)の変形に追従して真空封止性を保ち得るものであ
ればよく、各種の弾性封止手段が採用されることにな
る。これらは、金属、合金、樹脂、それらの複合体等に
よって構成することができる。
(1)の底部を貫通して光学基準台(3)に立設される
ことから、この貫通にともなう真空漏れが防止され、か
つ上記のような力学的独立の保たれる手段であるなら
ば、上記のベローズ(6)を採用する構造に限られるこ
とはない。実際、ベローズ(6)については、真空容器
(1)の変形に追従して真空封止性を保ち得るものであ
ればよく、各種の弾性封止手段が採用されることにな
る。これらは、金属、合金、樹脂、それらの複合体等に
よって構成することができる。
【0013】また、ベローズ(6)と光学基準台(3)
との接続においては真空シールのためのガスケットシー
ルを採用するのが好ましい。以下、実施例を示し、この
発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
との接続においては真空シールのためのガスケットシー
ルを採用するのが好ましい。以下、実施例を示し、この
発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0014】
【実施例】添付した図面の図2は、レーザープラズマ光
源を用いた軟X線顕微鏡におけるこの発明の構造例を示
したものである。すなわち、図2に例示したように、高
精度なアライメントが必要な光学素子であるレーザープ
ラズマ光源ダーゲット(7)、コンデンサーレンズ
(8)、観察試料(9)、シュバルシルド型X線対物レ
ンズ(10)、紫外線カットフィルタ(11)および2
次元X線検出器(12)が、各々のステージまたは保持
台(13)(14)(15)(16)(17)を介し
て、すべて同一の光学支持台(光学レール)(4)の上
に設置されている。そして、この光学支持台(光学レー
ル)(4)は、光学支持台支柱(5)によって光学支持
台(光学レール)土台(18)を介して光学基準面を有
する光学基準台(3)に直接取り付けられる。また、光
学基準台(3)にはレーザーシステムも固定され、光学
系と共通な光学基準面を形成している。一方、上記の光
学系を収納する真空容器(1)と、真空容器支柱(2)
並びにベローズ(6)によって真空室が形成される。こ
こで、ベローズ(6)は、真空容器(1)と光学支持台
(4)の構造間の力学的な歪みを絶縁する機能を有し、
真空容器(1)と光学支持台(4)とは力学的に全く独
立していた構造となる。
源を用いた軟X線顕微鏡におけるこの発明の構造例を示
したものである。すなわち、図2に例示したように、高
精度なアライメントが必要な光学素子であるレーザープ
ラズマ光源ダーゲット(7)、コンデンサーレンズ
(8)、観察試料(9)、シュバルシルド型X線対物レ
ンズ(10)、紫外線カットフィルタ(11)および2
次元X線検出器(12)が、各々のステージまたは保持
台(13)(14)(15)(16)(17)を介し
て、すべて同一の光学支持台(光学レール)(4)の上
に設置されている。そして、この光学支持台(光学レー
ル)(4)は、光学支持台支柱(5)によって光学支持
台(光学レール)土台(18)を介して光学基準面を有
する光学基準台(3)に直接取り付けられる。また、光
学基準台(3)にはレーザーシステムも固定され、光学
系と共通な光学基準面を形成している。一方、上記の光
学系を収納する真空容器(1)と、真空容器支柱(2)
並びにベローズ(6)によって真空室が形成される。こ
こで、ベローズ(6)は、真空容器(1)と光学支持台
(4)の構造間の力学的な歪みを絶縁する機能を有し、
真空容器(1)と光学支持台(4)とは力学的に全く独
立していた構造となる。
【0015】ベローズ(6)は、図2の例では光学支持
台(光学レール)土台(18)に接続されているが、こ
のものとの間の接続だけでなく、この土台(18)と接
続させることなく光学基準台(3)と接続させてもよ
く、いずれの場合もガスケットシールによって真空シー
ルすることが好ましく考慮される。そして、この例で
は、軟X線顕微鏡は、図3に示したように、次のような
動作をする。
台(光学レール)土台(18)に接続されているが、こ
のものとの間の接続だけでなく、この土台(18)と接
続させることなく光学基準台(3)と接続させてもよ
く、いずれの場合もガスケットシールによって真空シー
ルすることが好ましく考慮される。そして、この例で
は、軟X線顕微鏡は、図3に示したように、次のような
動作をする。
【0016】真空容器(1)の外部より光学窓を通して
照射したレーザー光によって、シリンドリカルな形状を
有するレーザープラズマ光源ターゲット(7)を照射す
る。レーザースポット領域から照射されるX線は、斜入
射型のコンデンサーレンズ(8)によって、観察試料
(9)上に集光される。そして、観察試料(9)を透過
したX線は、表面にX線多層膜をコーティングしたシュ
バルシルド型X線対物レンズ(10)によって集光さ
れ、さらに紫外線カットフィルタ(11)によって観察
に不要な紫外線や可視光(特にレーザーの散乱光)より
もある程度単色化された後、2次元X線検出器(12)
面上に拡大結像される。通常は、このような動作により
観察試料(9)の透過X線像を得ることができる。な
お、X線光学系としは、シュバルシルド型X線対物レン
ズ(10)と斜入射型のコンデンサーレンズ(8)に限
られることはなく、回折を用いたフレネルゾーンプレー
トなども考慮される。2次元X線検出器(12)として
はX線CCD、マイクロチャンネルプレート、X線ズー
ミング管、X線フィルム、イメージングプレートなどが
考慮される。
照射したレーザー光によって、シリンドリカルな形状を
有するレーザープラズマ光源ターゲット(7)を照射す
る。レーザースポット領域から照射されるX線は、斜入
射型のコンデンサーレンズ(8)によって、観察試料
(9)上に集光される。そして、観察試料(9)を透過
したX線は、表面にX線多層膜をコーティングしたシュ
バルシルド型X線対物レンズ(10)によって集光さ
れ、さらに紫外線カットフィルタ(11)によって観察
に不要な紫外線や可視光(特にレーザーの散乱光)より
もある程度単色化された後、2次元X線検出器(12)
面上に拡大結像される。通常は、このような動作により
観察試料(9)の透過X線像を得ることができる。な
お、X線光学系としは、シュバルシルド型X線対物レン
ズ(10)と斜入射型のコンデンサーレンズ(8)に限
られることはなく、回折を用いたフレネルゾーンプレー
トなども考慮される。2次元X線検出器(12)として
はX線CCD、マイクロチャンネルプレート、X線ズー
ミング管、X線フィルム、イメージングプレートなどが
考慮される。
【0017】光学アライメントは、たとえば、まず、大
気中で光学支持台(光学レール)(4)上に複数のピン
ホールをもった光学ゲージを立て、レーザー光(例え
ば、He−Neレーザー光)が各ピンホールを通る様に
して、仮想光軸を形成することから始まる。次に、光学
ステージや保持台(13)(14)(15)(16)
(17)により、レーザー光が各光学素子の光学中心を
通るように調整する。レーザープラズマ光源の場合には
可視光も発光するので、フィルタ(11)を光側から外
し、可視光の像を二元検出器によりピント調整を行う。
このようにして、大気中で大体の光学調整が完了する。
さらに、X線像を観察する場合には、真空容器の内部を
真空にして、試料ステージを電気的リモート操作や導入
マニュピュレータにより駆動し、再度ピント調整を行
う。この発明の上記の構造では、光学系が全く真空容器
外壁と独立しているために、全体が同じ圧力で低圧にな
るので、光学系は真空排気の際の力学的歪みを全く受け
ることがない。このため、大気中で光学調整を行えば、
真空にしても全くアライメントが崩れないため、X線像
を観察する場合にピント調整などが容易である。一方、
従来の真空光学系では、大気中で光学調整をしても、真
空を引いた後、光学調整が大きくずれるので(特に光軸
が狂う)、真空中で再び大幅な光学調整が必要である。
また、試料ステージ移動によるピント調整の他にX線対
物レンズやコンデンサーレンズの再調整も必要になる。
このように、従来のX線顕微鏡の場合には、試料の交換
の度に真空の開放と真空引きを繰り返すために、全光学
系のアライメントをその都度最初からやり直す必要があ
る。しかしながら、この発明を構造が採用されるX線顕
微鏡では、一度光学系のアライメントが取れれば、試料
交換時触れるのは試料ステージのみであり、ただこれを
再調整すればよいので労力が大幅に軽減することができ
る。
気中で光学支持台(光学レール)(4)上に複数のピン
ホールをもった光学ゲージを立て、レーザー光(例え
ば、He−Neレーザー光)が各ピンホールを通る様に
して、仮想光軸を形成することから始まる。次に、光学
ステージや保持台(13)(14)(15)(16)
(17)により、レーザー光が各光学素子の光学中心を
通るように調整する。レーザープラズマ光源の場合には
可視光も発光するので、フィルタ(11)を光側から外
し、可視光の像を二元検出器によりピント調整を行う。
このようにして、大気中で大体の光学調整が完了する。
さらに、X線像を観察する場合には、真空容器の内部を
真空にして、試料ステージを電気的リモート操作や導入
マニュピュレータにより駆動し、再度ピント調整を行
う。この発明の上記の構造では、光学系が全く真空容器
外壁と独立しているために、全体が同じ圧力で低圧にな
るので、光学系は真空排気の際の力学的歪みを全く受け
ることがない。このため、大気中で光学調整を行えば、
真空にしても全くアライメントが崩れないため、X線像
を観察する場合にピント調整などが容易である。一方、
従来の真空光学系では、大気中で光学調整をしても、真
空を引いた後、光学調整が大きくずれるので(特に光軸
が狂う)、真空中で再び大幅な光学調整が必要である。
また、試料ステージ移動によるピント調整の他にX線対
物レンズやコンデンサーレンズの再調整も必要になる。
このように、従来のX線顕微鏡の場合には、試料の交換
の度に真空の開放と真空引きを繰り返すために、全光学
系のアライメントをその都度最初からやり直す必要があ
る。しかしながら、この発明を構造が採用されるX線顕
微鏡では、一度光学系のアライメントが取れれば、試料
交換時触れるのは試料ステージのみであり、ただこれを
再調整すればよいので労力が大幅に軽減することができ
る。
【0018】なお、以上の実施例では、X線光学系につ
いて説明したが、この発明は、何らこのような例に限定
されるものではなく、基本的には真空容器内に光学系が
収納される各種のシステムについて同様に適応可能であ
る。さらに、光源が収納できないようなシンクロトロン
光源大規模サイズの光源を用いるX線光学系システムの
場合にもこの発明は威力を発揮する。この場合、光源と
その他のシステム(たとえば、X線顕微鏡では、コンデ
ンサーレンズ、試料ホルダー、X線対物レンズ、検出
器)を分離した形式になる。従って、シンクロトロンの
ビームラインに設置するときには、シンクロトロンのビ
ームがこの発明のシステムの光軸上を通るようにアライ
メントする必要がある。その場合、この発明を用いたシ
ステムでは、一度システム内の光学調整を完了すれば、
真空容器内の光学系は光学基準面に対して精度が出てい
るので、光学基準面の偏向または高さ調整により、容易
にシンクロトロンのビームがこのシステムの光軸上を通
るようにアライメントができる利点もある。
いて説明したが、この発明は、何らこのような例に限定
されるものではなく、基本的には真空容器内に光学系が
収納される各種のシステムについて同様に適応可能であ
る。さらに、光源が収納できないようなシンクロトロン
光源大規模サイズの光源を用いるX線光学系システムの
場合にもこの発明は威力を発揮する。この場合、光源と
その他のシステム(たとえば、X線顕微鏡では、コンデ
ンサーレンズ、試料ホルダー、X線対物レンズ、検出
器)を分離した形式になる。従って、シンクロトロンの
ビームラインに設置するときには、シンクロトロンのビ
ームがこの発明のシステムの光軸上を通るようにアライ
メントする必要がある。その場合、この発明を用いたシ
ステムでは、一度システム内の光学調整を完了すれば、
真空容器内の光学系は光学基準面に対して精度が出てい
るので、光学基準面の偏向または高さ調整により、容易
にシンクロトロンのビームがこのシステムの光軸上を通
るようにアライメントができる利点もある。
【0019】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明によって、アライメントが容易であり、真空容器の
真空引き前後において光学系のアライメントが狂うこと
なく、さらに装置全体を軽量でコンパクトに構成するこ
とが可能になる。
発明によって、アライメントが容易であり、真空容器の
真空引き前後において光学系のアライメントが狂うこと
なく、さらに装置全体を軽量でコンパクトに構成するこ
とが可能になる。
【図1】この発明の原理的構成を例示した概念構成図で
ある。
ある。
【図2】この発明の構造について、レーザープラズマ光
源を用いた軟X線顕微鏡の実施例を示した断面構成図で
ある。
源を用いた軟X線顕微鏡の実施例を示した断面構成図で
ある。
【図3】図2の光学系を示した構成図である。
1 真空容器 2 真空容器支柱 3 光学基準台 4 光学支持台 5 光学支持台支柱 6 ベローズ 7 レーザープラズマ光源ターゲット 8 斜入射型コンデンサーレンズ 9 観察試料 10 シュバルツシルド型対物レンズ 11 紫外線カットフィルタ 12 2次元X線検出器 13 レーザープラズマ光源ターゲット保持台 14 斜入射型コンデンサーレンズ5軸ステージ 15 観察試料粗動ステージおよびスキャンステージ 16 シュバルツシルド型対物レンズ5軸ステージ 17 2次元X線検出器保持台 18 光学支持台支柱土台
Claims (6)
- 【請求項1】 真空容器内に光学系が収納されている構
造であって、光学台支柱によって光学基準面に直接設置
される光学系と真空容器支柱によって光学基準面に保持
される真空容器とが各々力学的に独立していることを特
徴する真空光学系構造。 - 【請求項2】 真空容器支柱が剛体である請求項1の真
空光学系構造。 - 【請求項3】 真空容器を貫通する光学台支柱が、真空
容器と光学基準面との間に配置された弾性真空封止手段
によって囲まれている請求項1または2の真空光学系構
造。 - 【請求項4】 弾性真空封止手段はベローズである請求
項3の真空光学系構造。 - 【請求項5】 ベローズと光学基準面とはガスケットシ
ールにより真空シールされている請求項4の真空光学系
構造。 - 【請求項6】 光学系がX線光学系である請求項1ない
し5のいずれかの真空光学系構造。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP9102124A JP3020460B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 真空光学系構造 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10293200A true JPH10293200A (ja) | 1998-11-04 |
JP3020460B2 JP3020460B2 (ja) | 2000-03-15 |
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ID=14319050
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JP9102124A Expired - Fee Related JP3020460B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 真空光学系構造 |
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JP (1) | JP3020460B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11260891A (ja) * | 1998-01-16 | 1999-09-24 | Brooks Autom Inc | ロボット非連結取付技術 |
JP2003218189A (ja) * | 2002-01-22 | 2003-07-31 | Ebara Corp | ステージ装置 |
JP2013221874A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Osaka Univ | X線光学システム |
CN113981409A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-01-28 | 中国工程物理研究院应用电子学研究所 | 无负压应力真空光学气密舱 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0694900A (ja) * | 1992-09-10 | 1994-04-08 | Olympus Optical Co Ltd | 真空光学系 |
-
1997
- 1997-04-18 JP JP9102124A patent/JP3020460B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0694900A (ja) * | 1992-09-10 | 1994-04-08 | Olympus Optical Co Ltd | 真空光学系 |
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CN113981409B (zh) * | 2021-12-27 | 2022-03-15 | 中国工程物理研究院应用电子学研究所 | 无负压应力真空光学气密舱 |
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JP3020460B2 (ja) | 2000-03-15 |
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