JP2007103194A - 固体酸化物形燃料電池を備えた電源 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池を備えた電源 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で信頼性が高く、利便性に優れた固体酸化物形燃料電池を備えた電源を提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池を備えた30W〜1kWの電力を取得するための電源であって、前記固体酸化物形燃料電池は、複数の円筒状のセルと、前記複数のセルを接続する集電体とを備えたセルスタックと、前記セルスタックに燃料を供給する燃料流路と、前記セルスタックに空気を供給する空気流路と、前記セルスタックに空気を送るための送風手段と、前記セルスタックの加熱手段と、前記セルスタックを取り囲むように配置された断熱部と、前記断熱部を取り囲むように配置されたケーシングと、前記ケーシング外部に電力を取り出すための複数の端子と、を備え、前記セルは燃料極層と固体電解質層と空気極層とを備え、前記断熱部の厚みは、10〜50mmであり、前記セルスタックは、400℃〜700℃でも運転可能とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池を備え、小型で信頼性が高く、特に可搬型電源として好適に使用することができる電源に関する発明である。
従来から、系統電源を使用できない環境下で電力を使用する場合には、電池が使用されている。しかし1次電池の場合、使い捨てであるため地球資源の有効活用の観点から問題がある。また2次電池の場合、充電用の器具、充電時間が必要であり利便性の観点から問題がある。特に災害時など系統電源を使用できない場合には、充電自体ができないという問題も起こり得る。また2次電池のエネルギー容量は大きくなく、長時間に及ぶ連続運転が難しいという問題がある。
一方、可搬型電源として、エンジン発電機も使用されている。エンジン発電機は燃料を補給すれば長時間使用することも可能であるが、騒音や振動が大きく、また有害な排気ガスを排出するという問題がある。
これらの問題を解決するために、燃料電池を用いた可搬型電源の開発が行われている。燃料電池は、燃料タンクの交換などにより燃料を補給すれば連続運転が可能であり、騒音や有害な排気ガスなども排出しないため、系統電源を使用できない環境下で使用する可搬型の電源として好適であると考えられる。
可搬型の燃料電池としては、直接メタノール型の固体高分子形燃料電池が注目されている(例えば、特許文献1〜2参照)。その理由は、改質器を使わずメタノールの直接供給で発電できるため、構造が簡単であるからである。しかしながら、直接メタノール型の固体高分子形燃料電池の燃料として使用されるメタノールは、毒性(劇物指定)が強いため、その保存管理方法も含めて、例えば、一般家庭でも使用できるかなど、安全性に課題がある。さらに直接メタノール型の固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜が燃料のメタノールを吸収して膨潤し易く、メタノールが高分子電解質膜を透過して電池素子の出力が大きく低下するクロスオーバーの問題がある。特に高濃度メタノールはクロスオーバーを起こし易く、実際にはメタノールを希釈して使用するため、エネルギー密度が低下し、ある程度の大きな出力、例えば30W〜1kW程度の可搬型電源に必要な出力を得ようとすると、燃料電池システムとしてコンパクト性に欠けるという問題がある。
その他の可搬型の燃料電池としては、改質型の固体高分子形燃料電池がある。改質型の固体高分子形燃料電池の場合、電池素子の出力は直接メタノール型の固体高分子形燃料電池よりも高いが、一酸化炭素などにより電池素子が被毒される問題がある。従って、改質器に求められる要求仕様が高く、改質器が複雑で大きくなってしまうため、燃料電池システムとしてコンパクト性に欠けるという問題がある。
その他の燃料電池としては、固体酸化物形燃料電池がある。固体酸化物形燃料電池の運転温度は一般的に800℃〜1000℃であり、全体を厚い断熱部で覆う必要があることから、電池素子としては出力が高いものの、燃料電池システムとしてコンパクト性に欠けるという問題がある。
特開2002−56856号公報(第1−6頁、第1−6図) 特開2001−297779号公報(第1−5頁、第1−2図)
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、小型で信頼性が高く、利便性の高い電源を提供することである。
上記目的を達成するために本発明の電源は、固体酸化物形燃料電池を備えた30W〜1kWの電力を取得するための電源であって、前記固体酸化物形燃料電池は、複数の円筒状のセルと、前記複数のセルを接続する集電体とを備えたセルスタックと、前記セルスタックに燃料を供給する燃料流路と、前記セルスタックに空気を供給する空気流路と、前記セルスタックに空気を送るための送風手段と、前記セルスタックの加熱手段と、前記セルスタックを取り囲むように配置された断熱部と、前記断熱部を取り囲むように配置されたケーシングと、前記ケーシング外部に電力を取り出すための複数の端子と、を備え、前記セルは燃料極層と固体電解質層と空気極層とを備え、前記断熱部の厚みは、10〜50mmであり、前記セルスタックは、400℃〜700℃でも運転可能としたことを特徴とする。
本発明によれば、小型で信頼性が高く、利便性に優れた電源を得ることが出来る。
以下に本発明の電源について詳細に説明する。本発明は、固体酸化物形燃料電池を備えた30W〜1kWの電力を取得するための電源であって、前記固体酸化物形燃料電池は、複数の円筒状のセルと、前記複数のセルを接続する集電体とを備えたセルスタックと、前記セルスタックに燃料を供給する燃料流路と、前記セルスタックに空気を供給する空気流路と、前記セルスタックに空気を送るための送風手段と、前記セルスタックの加熱手段と、前記セルスタックを取り囲むように配置された断熱部と、前記断熱部を取り囲むように配置されたケーシングと、前記ケーシング外部に電力を取り出すための複数の端子と、を備え、前記セルは燃料極層と固体電解質層と空気極層とを備え、前記断熱部の厚みは、10〜50mmであり、前記セルスタックは、400℃〜700℃でも運転可能としたことを特徴とする。
固体酸化物形燃料電池の燃料としては、水素はもちろんのこと、一酸化炭素や低次の炭化水素系燃料など多様な燃料を用いることができる。これは低次の炭化水素系燃料について、セル自身十分な改質性能を有しているためである。このため炭化水素系燃料が有する燃焼エネルギーを極力損なうことなく電気エネルギーに変換できるデバイスであり、直接メタノール型の固体高分子形燃料電池に見られるクロスオーバーなどの問題もないことから、電池素子としての出力が非常に大きく、また改質器を設ける場合にも構造を簡単にすることができる。しかしながら一般的な固体酸化物形燃料電池は、その運転温度が800℃〜1000℃であり、全体を厚い断熱部で覆う必要があることから、燃料電池システムとしてはコンパクト性に欠ける。
本発明におけるセルスタックは400℃〜700℃でも運転可能であるため、断熱部の厚さを薄くすることが可能であり、燃料電池システムとしてコンパクトである。また起動時には、室温から運転温度までセルスタックを昇温させる必要があるが、400℃〜700℃という従来の固体酸化物形燃料電池よりも低温でも運転できるため、起動性、すなわち利便性にも優れる。
本発明における電源は30W〜1kWの電力を取得するためのものである。30W以上の電力領域では、直接メタノール型の固体高分子形燃料電池などと比較して燃料電池システムとしてコンパクト性に優れている。一方、1kW以下の電力領域であれば手軽に持ち運ぶことができるため、可搬型電源として好適に使用することができるからである。
本発明における断熱部の厚みは10〜50mmである。断熱部の厚みを10mm以上とすることで、セルスタック部からの放熱を抑制し、セルスタックを400℃〜700℃の運転温度に保持することが可能である。またケーシング外表面の温度を実使用上安全な温度まで下げることができる。一方、断熱部の厚みを50mm以下にすることで、燃料電池システムとしてコンパクトであり、容易に手で持ち運ぶことが可能となるためである。
一般に固体酸化物形燃料電池はセラミックス材料を中心に構成されているため、セラミックス材料固有の安定性に起因する高耐久性を有しているが、本発明におけるセルスタックは、400℃〜700℃という従来よりも低温でも運転できるため、周辺部材を含めてより耐久性、信頼性に優れる。
なお、ここで言うセルスタックの運転温度は、実際には完全に均一ではなく、セルスタックの場所によって不均一な分布となるが、本明細書中におけるセルスタックの運転温度は、セルスタック中心部の代表的な温度を差すものとする。
本発明におけるセルの形状は円筒状である。固体酸化物形燃料電池のセルの形状としては、一般的に円筒状および平板状に分類できる。本発明における電源は、30W〜1kWの電力を取得するためのコンパクトな電源であり、可搬型電源として好適に用いることが可能であり、頻繁に持ち運ぶことが予想されるが、本発明におけるセルの形状は円筒状であるため、耐衝撃性に優れる。また、可搬型電源としての利便性を考えると、起動性が良いことが求められる。従って起動時には、室温から運転温度までセルスタックを急速に加熱する必要があるが、本発明におけるセルの形状は円筒状であるため、その際の耐熱衝撃性にも優れる。以上の観点より、セルはマイクロチューブタイプ(外径10mm以下、より好ましくは5mm以下)の円筒状のセルが好ましい。なお本明細書中における円筒状とは、その断面が真円状はもちろんのこと楕円状であっても良く、また扁平状のフラットチューブ型などであっても良い。
図1は、本発明における固体酸化物形燃料電池100を備えた電源の一態様を略示する図である。本発明における電源は、可搬型電源として好適に用いることができるものである。少なくとも一つ以上の電力取り出し口101、起動用スイッチ102、停止スイッチ103、出力電力や異常時の警告、残燃料量などを表示する表示パネル104、ケーシング17、取手105などを備えることが出来る。また図1に示すように、燃料タンク21を取り付けて燃料を供給することも出来る。また固体酸化物形燃料電池から得られる直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータを備えることも出来る。
図2は、本発明における固体酸化物形燃料電池の一態様を略示する図である。なお本発明は、本一態様に限定されるものではない。図2は、複数の円筒状のセルと、前記複数のセルを接続する集電体とを備えたセルスタック10と、前記セルスタック10に燃料を供給する燃料流路11と、燃料の流量を調節するための燃料流調手段12と、前記セルスタックに空気を供給する空気流路13と、前記セルスタックに空気を送るための送風手段14と、前記セルスタックの加熱手段15と、前記セルスタックを取り囲むように配置された断熱部16と、前記断熱部を取り囲むように配置されたケーシング17と、前記ケーシング外部に電力を取り出すための複数の電力取出し端子18と、制御手段19と、熱交換器20と、燃料タンク21を備えたタイプである。なお図2は、後述するように、セルスタックの加熱手段が燃料改質部を兼ねているタイプである。
本発明におけるセルは、燃料極層と固体電解質層と空気極層を備えており、燃料極層と空気極層の間に固体電解質層が配置されている。セルの空気極層に空気などの酸化剤ガス、燃料極層に燃料を供給することで、固体電解質層の両側において電気化学反応が起こり、電力と熱と水を発生する。
燃料は、燃料流調手段12、燃料流路11を通じてセルスタック10に供給され、その後各セルの燃料極層近傍に分配され、発電に寄与する。なお燃料は、原燃料を直接セルスタックに供給しても良いが、燃料流路11の途中に燃料改質部を設置し、原燃料を水素リッチガスに改質してからセルスタックに供給するのが好ましい。また燃料改質部は後述のようにセルスタックの加熱手段も兼ねることが可能である。なお燃料改質部は、セルスタック10と断熱部16の間に設置されるのが好ましい。
ここで言う燃料流調手段12は、バルブとしての機能や、固体酸化物形燃料電池の出力に応じて燃料の流量をコントロールする機能を備え、制御手段19で制御することが出来る。燃料流調手段12、制御手段19は、ケーシング17の内部であって断熱部16の外側に設置(以下、ケーシング内蔵とも言う)しても良いし、ケーシング17の外部に設置(以下、外付けとも言う)しても良い。ケーシング内蔵とすることで、燃料電池システムをコンパクトにすることができる。また、外付けとすることで、断熱部が破損した際の温度異常などによって燃料流調手段12、制御手段19が破損するのを防ぐことができ、万が一故障した場合でも修理が容易である。
本発明における燃料は、水素、炭化水素、都市ガス、LPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)、アルコール類(メタノール、エタノールなど)、天然ガス、ガソリン、軽油、灯油、ディーゼル油、ジェット燃料、石炭ガス、バイオマスガスなどを用いることができる。またこれらの燃料は、燃料タンクなどに貯蔵して使用することが出来る。燃料タンクは図2に示すようにケーシング17内に内臓されていても良いし、図1に示すように外付けであっても良い。
なお燃料は、体積エネルギー密度が高いという観点から、燃料タンクに液体で貯蔵できる燃料が好ましい。特にLPGやDMEのような、常温、常圧では気体であるが加圧すると容易に液化する燃料は、燃料タンクを開けると即気化するため、気化器が不要であり、コンパクトにできるため、より好ましい。
空気は、空気を送るための送風手段14から、空気流路13を通じてセルスタックに供給され、その後各セルの空気極層近傍に分配され、発電に寄与する。
本発明におけるセルスタックに空気を送るための送風手段としては例えば空気ブロワーを用いることが出来る。なお空気ブロワーは、セルスタック10の発電による電力によって稼動するものであることが好ましい。また空気ブロワーは、制御手段19で制御することが出来る。送風手段14、制御手段19は、ケーシング内蔵であっても良いし、外付けにしても良い。ケーシング内蔵とすることで、燃料電池システムをコンパクトにすることができる。また外付けとすることで、断熱部が破損した際の温度異常などによって送風手段14、制御手段19が破損するのを防ぐことができ、万が一故障した場合でも修理が容易である。
発電に寄与した後の、燃料および空気は、排燃料、排空気として排出される。なお燃焼室(図示しない)をセルスタック内または、排ガス流路22の途中に設け、燃焼室で排燃料と排空気を燃焼させ、そこで発生する燃焼熱をセルスタックの加熱に有効利用することが好ましい。例えば図2に示すように熱交換器20を配置し、燃焼ガスの燃焼熱を利用して、空気の予熱を行うことができる。同様に燃料の予熱をしても良い。供給する燃料または空気は、セルスタックの温度を低下させないように、できるだけセルスタックの運転温度に近づけておくことが好ましい。熱交換した燃焼ガスは排ガスとして排ガス流路22から排出される。なお熱交換器を設ける場合、セルスタック10と断熱部16の間に設置するのが好ましい。
本発明におけるセルスタックの加熱手段としては、部分酸化方式やオートサーマル方式の改質触媒を用いることが出来る。このような改質触媒を用いることで、セルスタックの加熱と、燃料の改質を同時に行うことが出来るため好ましい。ここでいう部分酸化方式は、原燃料の一部のみを酸化、燃焼させて、生成物として水素、一酸化炭素を主成分とするガスを得る改質方法である。この反応は発熱反応であるため、水素リッチガスに加えて、反応熱をセルスタックへ同時に供給できるため、起動時のセルスタックの昇温、および発電時のセルスタックの温度維持といったセルスタックの加熱手段として用いることが出来る。またここでいうオートサーマル方式は、部分酸化触媒の後段にさらに水蒸気・二酸化炭素改質触媒を設置したものであり、生成する燃料効率を向上することができるものである。なお部分酸化方式やオートサーマル方式を用いる場合、燃料改質部へ燃料と同時に空気を導入する必要があるが、空気ブロア−から導入する方法や、燃料流路途中にエゼクターを設置して空気を取り込む方法などがある(図示しない)。
本発明におけるセルスタックの加熱手段としては燃焼バーナーや電気ヒーターを用いても良い。またこれらの加熱手段は、2種以上設けても良い。
セルスタック10は、運転温度を維持するために断熱部16によって取り囲まれており、さらにその外側を、金属などのケーシング17によって取り囲まれている。またケーシング17の外部に電力を取り出して利用するために、複数の電力取出し端子18が設置されている。
本発明における断熱部16は、セルスタックの運転温度を維持し、かつ本発明における電源のケーシング外表面の温度が、実使用上安全な温度となるように設計される。断熱部16は、例えば断熱性、耐熱性に優れ、軽量であるセラミックス製断熱材を用いることが出来る。
表1にセルスタックの運転温度の違いが断熱部の厚みに及ぼす影響について概算した。ここでは一例として、外径が100mmの円筒状のセルスタックを想定し、その周りを厚さXmmの断熱材で覆うモデルを仮定した。セルスタック部のガス温度をセルスタックの運転温度と仮定し、各ガス温度の場合における、断熱部の厚さを計算した。なお外気温度は20℃、断熱部外表面温度は50℃となるように計算した。断熱部の熱伝導率は一般的に市販されているセラミックス製断熱材のカタログ値を使用した。各温度における熱伝達係数は別途実験から求めた値を使用した。計算に使用した熱伝導度、熱伝達係数の値を表1に示した。またこれらの値を用いて計算された各運転温度の場合における、断熱部の厚みの計算結果を表1に示した。
Figure 2007103194
表1を見ると、断熱部の厚みはセルスタックの運転温度により大きく異なることが分かる。本発明におけるセルスタックは400℃〜700℃でも運転できるため、断熱部の厚みを薄くすることが可能であり、コンパクト性に優れる固体酸化物形燃料電池を得ることができる。なお、セルスタックの運転温度が400℃よりも低いと、得られるセルスタックの出力が小さくなるため、好ましくない。
以下に本発明における、円筒状セルについて詳細に説明する。本発明における円筒状のセルは、片端封止形でも両端開放形のどちらでも良い。ただし、片端封止形はガスシール性に優れるが、ガス供給管を必要とするため、セルの径は一定以上の大きさを要する。従ってコンパクト性の観点から両端開放形の方が好ましい。
本発明におけるセルの燃料極層は、400℃〜700℃の運転温度でも高い出力が得られれば特に制限はないが、NiOと、Ca、Y、Scや希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、NiOと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、NiOと、Sr、Mg、Co、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体を用いることが出来る。NiOの一部をCuO、Fe23に置き換えても良く、炭素を含むガスを燃料とした時の出力性能の低下を最小限にすることが出来る。
本発明におけるセルの固体電解質層は、400℃〜700℃の運転温度でも高い出力が得られれば特に制限はないが、400℃〜700℃の運転温度においても酸素イオン伝導性の高い希土類元素をドープしたセリアや、Sr、Mgをドープしたランタンガレートが好ましい。また固体電解質層がランタンガレートの場合には、電極との反応を抑制する為に、希土類元素をドープしたセリアとの積層電解質層としても良い。
本発明におけるセルの空気極層は、400℃〜700℃の運転温度でも高い出力が得られれば特に制限はないが、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたサマリウムコバルタイトなどを用いることが出来る。
本発明におけるセルは、空気極層または燃料極層を支持体とし固体電解質層を極力薄膜化した電極支持型であっても、固体電解質層でセルの強度を担保する電解質自立膜型であっても良いが、400℃〜700℃の運転温度で高い出力を得ることができる観点から、電極支持型が好ましい。
本発明におけるセルの好ましい一態様を図3に示す。支持体となる燃料極層1の外側に形成された固体電解質層2と、該固体電解質層の外側に形成された空気極層3から構成されたもので、燃料極層1と固体電解質層2との間には、400℃〜700℃の運転温度でも高い出力を得ることを目的に燃料極触媒層4が設けられている。また、固体電解質層2は、第一の層2aと第二の層2bから構成される。このような構成とすることで400℃〜700℃の運転温度でも高い出力を得ることが出来る。以下に図3に示すセルの材料および作製方法についてより詳しく示す。
燃料極層1は、支持体として強度に優れ、かつ安定性が高いという観点から、NiOと、Yをドープしたジルコニア(例えば(ZrO2)0.90(Y2O3)0.10)との混合体を用いることができる。NiOと、Yをドープしたジルコニアの混合比率は、電子伝導性と酸素イオン伝導性に優れるという観点から、重量比率で90:10〜10:90が好ましい。
燃料極触媒層4は、電子伝導性と酸素イオン伝導性に優れると言う観点から、NiOと、GdまたはSmをドープしたセリア(例えば(Ce0.9Gd0.1)O1.95)との混合体を用いることができる。NiOと、GdまたはSmをドープしたセリアの混合比率は、電子伝導性と酸素イオン伝導性に優れるという観点から、重量比率で90:10〜10:90が好ましい。
固体電解質層における第ニの層2bは、酸素イオン伝導性が高いという観点から、Sr、Mgをドープしたランタンガレート(例えば(La0.8Sr0.2)(Ga0.8Mg0.2)O2.8)を用いることが出来る。
固体電解質層における第一の層2aは、燃料極触媒層と、固体電解質層における第ニの層との反応を抑制でき、かつ固体電解質層における第ニの層との反応性が小さい、Laをドープしたセリア(例えば(Ce0.6La0.4)O1.8)を用いることが出来る。また固体電解質層における第一の層には、焼結性を向上させるために酸化ガリウムなどの焼結助剤を添加することが好ましい。
空気極層3は、電子伝導性と酸素イオン伝導性に優れると言う観点から、Sr、Feをドープしたランタンコバルタイト(例えば(La0.6Sr0.4)(Co0.8Fe0.2)O3)を用いることが出来る。
本発明におけるセルの作製方法は、量産性を考慮すると焼結法が好ましく、少なくとも2種以上、望ましくはすべての部材を一度に焼結させる共焼結法がより好ましい。例えば図3のセルを例に取ると、燃料極層の原料粉から支持体の成形体を作製し、800℃〜1200℃で仮焼する工程と、得られた仮焼体の表面に燃料極触媒層と固体電解質層を成形し1200℃〜1400℃で支持体と一緒に焼結させる工程と、焼結した固体電解質層の表面に空気極層を成形し800℃〜1200℃で焼結させる工程と、を備えるセル作製方法が好ましい。なお、燃料極層の原料粉は、均一混合性、成形性などの観点から、平均1次粒子径が0.05〜0.5μm、平均2次粒子径が0.5〜5μmであることが好ましい。また、共焼結温度は、支持体と固体電解質層との反応を抑制する観点と、ガス透過性の無い固体電解質層を得る観点から、1250℃〜1350℃がより好ましい。
本発明のセルスタックは、複数の円筒状のセルと、これらを電気的に接続するための集電体を備えているものであり、セル自身の性能を低下させない構造であれば特に制限はない。
本発明における集電体としては、ランタンクロマイトのセラミックス材料や、銀や、フェライトの耐熱性ステンレスや、Ni合金、Cr合金などを用いることが出来る。加工のし易さから、ステンレスや合金を用いることが好ましい
本発明における電源のサイズ(幅A×奥行B×高さC)は、好ましくはA<100cm、かつB<100cm、かつC<100cm、より好ましくはA<50cm、かつB<50cm、かつC<50cm、もっとも好ましくはA<30cm、かつB<30cm、かつC<30cmである。
本発明における電源の重量Mは、好ましくはM<30kg、より好ましくはM<10kg、もっとも好ましくはM<5kgである。
本発明における電源の用途としては、例えば、ノートパソコン、ビデオカメラなどのモバイル型電子・電気機器用電源、電気自転車用電源、電気車椅子用電源、自動車用外部補助電源、船舶用補助電源、航空機用補助電源などの移動体用電源、リモート用電源、レジャー用電源、電気工具用電源、ロボット用電源、自動販売機用電源、エレベーター用電器電源、携帯機器充電用電源、小型ジェネレーター、小型コージェネレーションなどに好適に用いることが出来る。
本発明の電源の一態様を略示する図である。 本発明における固体酸化物形燃料電池の一態様を略示する図である。 本発明におけるセルの断面の一態様を略示する図である。
符号の説明
1:燃料極層(燃料極支持体)
2:固体電解質層
2a:固体電解質層の第一の層
2b:固体電解質層の第ニの層
3:空気極層
4:燃料極触媒層
10:セルスタック
11:燃料流路
12:燃料流調手段
13:空気流路
14:送風手段
15:加熱手段
16:断熱部
17:ケーシング
18:電力取出し端子
19:制御手段
20:熱交換器
21:燃料タンク
22:排ガス流路
100:固体酸化物形燃料電池
101:電力取出し口
102:起動用スイッチ
103:停止スイッチ
104:表示パネル
105:取手

Claims (1)

  1. 固体酸化物形燃料電池を備えた30W〜1kWの電力を取得するための電源であって、前記固体酸化物形燃料電池は、複数の円筒状のセルと、前記複数のセルを接続する集電体とを備えたセルスタックと、前記セルスタックに燃料を供給する燃料流路と、前記セルスタックに空気を供給する空気流路と、前記セルスタックに空気を送るための送風手段と、前記セルスタックの加熱手段と、前記セルスタックを取り囲むように配置された断熱部と、前記断熱部を取り囲むように配置されたケーシングと、前記ケーシング外部に電力を取り出すための複数の端子と、を備え、前記セルは燃料極層と固体電解質層と空気極層とを備え、前記断熱部の厚みは、10〜50mmであり、前記セルスタックは、400℃〜700℃でも運転可能としたことを特徴とする電源。

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