JP2007101971A - 三次元画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】三次元画像表示装置においてより自然な画像の表示が望ましい。
【解決手段】表示データ処理部は、表示データ取得部と、再構成部と、表示データ記録/出力部と、モード情報格納部と、視点情報格納部とを備える。表示データ取得部は、変換部から表示データを取得する。表示データ取得部は、モード情報格納部に格納されたモード情報を参照する。表示データ取得部は、三次元画像表示装置が第2以降のモードにある場合は、表示データを再構成部へ送る。再構成部は、モード情報格納部に格納されたモード情報と、視点情報格納部に格納された視点情報を参照して、所定の再構成処理を表示データに対して行う。再構成された表示データに基づいて隠面処理がなされた三次元オブジェクトが表示される。
【選択図】図3
【解決手段】表示データ処理部は、表示データ取得部と、再構成部と、表示データ記録/出力部と、モード情報格納部と、視点情報格納部とを備える。表示データ取得部は、変換部から表示データを取得する。表示データ取得部は、モード情報格納部に格納されたモード情報を参照する。表示データ取得部は、三次元画像表示装置が第2以降のモードにある場合は、表示データを再構成部へ送る。再構成部は、モード情報格納部に格納されたモード情報と、視点情報格納部に格納された視点情報を参照して、所定の再構成処理を表示データに対して行う。再構成された表示データに基づいて隠面処理がなされた三次元オブジェクトが表示される。
【選択図】図3
Description
この発明は、画像表示装置に関し、特に三次元画像表示装置に関する。
近年、ホログラフィを用いるものや、人間の両目の視差を利用するものなど、様々な立体画像表示の技術が提示されている。三次元画像表示技術は、広告表示用のディスプレイ装置等様々な用途が考えられ、実用面で多くの可能性をもっている。三次元画像表示装置には、例えば、本出願人が提案する、回転自在な支持部材に発光素子アレイを配置し、所定のタイミングで発光素子アレイ上の発光素子を明滅させることで、三次元画像の観察を可能にしたものなどがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−40667号公報
この装置は、支持部材の回転運動を採用したことにより騒音の低減に成功している。また、多数の発光素子を備える発光素子アレイが、所定の表示空間を確保できるように支持部材上に配置されているため、高視野角および高解像度が実現されている。本発明者は、このような三次元画像表示装置において、表示される三次元オブジェクトをよりリアルなものにできれば、装置の有用性、実用性が高まることを認識した。そのような高性能の三次元画像表示装置が、広告業界等の各産業分野の発展を牽引する一因となり得るのは明らかである。
本発明者は以上の課題に基づき本発明をなしたもので、その目的はより自然な三次元画像を表示することのできる三次元画像表示装置を提供することにある。
本発明のある態様は、三次元画像表示装置に関する。この態様の三次元画像表示装置は、複数の発光素子を有する発光表示部と、発光表示部が立設配置される回転自在な支持部材と、支持部材を回転させる駆動手段と、支持部材の回転に応じて所定の位置で発光素子を点灯させて三次元オブジェクトの表面を三次元的に表示するための画像データを発光表示部に供給する手段と、ユーザの視点位置を基準として、画像データを再構成する処理を施す再構成手段とを備える。
この態様の三次元画像表示装置によると、ユーザの視点位置に応じた適切な三次元画像表示が可能となる。
この態様の三次元画像表示装置において、再構成手段は、ユーザの視点から観察した三次元オブジェクトの隠面以外の可視面が強調される処理を画像データに施してもよい。この、隠面以外の可視面が強調される処理とは、隠面において発光素子を消灯する処理であっても良い。ユーザが或る視点から三次元オブジェクトを観察した際に、オブジェクトの背面に当たるため見ることができない面または面の一部を隠面と呼んでよく、逆にある視点から観察した場合に視野に入る面または面の一部を可視面と呼んでよい。例えば隠面において発光素子を消灯する等の手法で、可視面を強調すれば、隠面を可視面と同様に表示するのに比べ、より実際の三次元オブジェクトに近いリアルな立体画像表示が可能となる。隠面において発光素子を消灯しない場合、可視面の背後に本来観察不可能な隠面が表示されることになる。可視面の背後に隠面が透けて観察される場合があり、観察者に不自然な印象を与える可能性がある。隠面において、発光素子を消灯すればこの可能性を低減できる。
上記の態様の三次元画像表示装置において、再構成手段は、複数の視点位置を基準として、いずれの視点から観察しても隠面となる面の発光素子を消灯する処理を施しても良い。各視点から観察した際の共通の隠面のみで、発光素子を消灯すれば、各々の視点における可視面が確実に表示される。一方、共通の隠面においては、発光素子の消灯処理がなされる。つまり、隠面を考慮しつつ、各視点からの可視面の確実な表示が担保される。
再構成手段は、複数の視点位置を基準として、各視点から観察した場合に隠面となる面のすべてにおいて前記発光素子を消灯する処理を施してもよい。この場合、いずれの視点から観察した際にも、隠面処理がなされていることになり、自然なオブジェクト表示が可能となる。
以上の構成を任意に置き換え、また表現を方法、コンピュータプログラム、記録媒体等に変更したものもまた、本発明として有効である。
図1は本発明の一実施形態にかかる三次元画像表示装置の斜視図である。本実施形態の三次元画像表示装置100では、ユーザが表示される三次元オブジェクトについて隠面処理を行うかどうか、行う場合どのような態様で行かを複数のモードから選択可能である。その選択に応じて、立体オブジェクトが三次元的に表示される。モードの選択は、表示するオブジェクトの形状やユーザの嗜好によって行えばよい。
三次元画像表示装置100は、ベース2と回転テーブル4と発光素子6を複数備える複数の発光素子アレイ8と、モード選択スイッチ10と、視点決定スイッチ群12を備える。発光素子アレイ8は12本が一組となって、二組の発光素子アレイ群9を形成している。発光素子アレイ8一本あたりの発光素子6の設置個数は60個とする。さらに、ベース2の内部には、軸20と、ロータリコネクタ22と、ギヤ24と、モータ26と画像データ供給手段28と、ロータリエンコーダ38が設けられる。また、各発光素子6に対応する位置、たとえば発光素子アレイ8において各発光素子6のそれぞれ裏側に相当する位置に不図示の発光素子ドライバが設けられる。
回転テーブル4は、軸20によってベース2に回動可能に軸支されており、モータ26の回転により、ギヤ24および軸20を介してたとえば540rpmの速度で回転する。発光素子6の点灯等に必要な電力はロータリコネクタ22や、軸20の内部に敷設された経路を介して最終的に各発光素子6へと供給される。ベース2上の回転テーブル4には、発光素子アレイ8が立設されており、回転テーブル4の高速回転中に、画像データ供給手段28が所定のタイミングで各発光素子6を点灯することで、所期の3次元オブジェクトの表面が三次元画像表示装置100において表現可能となる。
ロータリエンコーダ38は、上部にピニオンを有し、これとギヤ24を介して回転テーブル4の回転情報を取得する。回転情報とは、例えば回転テーブル4に設定した不図示の基準点がどの位置にあるか等、回転の状態に関する情報をいい、回転中の回転テーブル4上の発光素子アレイ8の位置に関するものである。取得した回転情報は不図示の経路で画像データ供給手段28に入力され、後述するデータ読出信号の生成に用いられる。各発光素子ドライバは、画像データ供給手段28からの不図示の経路を介した入力に基づいて各発光素子6の点灯および消灯を行う。
発光素子アレイ8は所定の規則性をもって配置される。一つの発光素子アレイ群9に着目すると、たとえば回転テーブル4の中心に対して8度間隔、外周から同中心に向かって
7mm間隔で配置される。すなわち、外周から回転テーブル4の中心に対して一定の距離ごとに等角度間隔で配置されている。さらに、これらの発光素子アレイ8と、回転テーブル4の中心に対して点対称の位置にそれぞれ発光素子アレイ8を配置したものが、もう一組の発光素子アレイ群9である。ただし、配置はこれに限られるものではない。発光素子アレイ群9あたりの発光素子アレイ8の本数や各発光素子アレイ8あたりの発光素子6の設置個数も、上記に限られない。
7mm間隔で配置される。すなわち、外周から回転テーブル4の中心に対して一定の距離ごとに等角度間隔で配置されている。さらに、これらの発光素子アレイ8と、回転テーブル4の中心に対して点対称の位置にそれぞれ発光素子アレイ8を配置したものが、もう一組の発光素子アレイ群9である。ただし、配置はこれに限られるものではない。発光素子アレイ群9あたりの発光素子アレイ8の本数や各発光素子アレイ8あたりの発光素子6の設置個数も、上記に限られない。
モード選択スイッチ10は、ユーザが三次元画像表示装置100によって表示される三次元オブジェクトの隠面処理を行うか否か、行う場合どのような処理を行うかを複数のモードの中から選択するためのスイッチである。第1のモードは、「全面表示モード」と呼ぶべきモードであり三次元オブジェクトの各面を隠面処理することなく表示するモードである。すなわち、三次元オブジェクトのすべての面を、発光素子6の点灯により表現する。第2モード以降は三次元オブジェクトを隠面処理して表示するモードである。ここで言う隠面処理とは、所定の視点から観察して三次元オブジェクトの隠面となる面では、第1モードでは点灯していた発光素子を敢えて消灯することをさす。
第2モードは、「固定視点モード」と呼ぶべきモードであり、固定的な一つの視点から観察した際の隠面処理を行なうモードである。第3モードおよび第4モードは「想定視点範囲モード」と呼ぶべきモードであり、第3のモードでは、想定される視点範囲のいずれの視点から観察しても隠面となる面を処理する。一方、第4のモードでは想定される視点範囲のいずれかの視点から観察して隠面となるすべての面を隠面として処理する。
視点決定スイッチ群12は、ユーザがオブジェクトを観察する視点を決定するための複数のスイッチからなるスイッチ群である。例えば後述する三次元画像表示装置100の表示空間内の3つの軸上の位置をそれぞれ指定可能な三つのスイッチを含むものでよい。それによって表示空間内のいずれの位置に視点があるかをユーザが決定できる。本実施例では隠面処理を行う場合には、この視点を基準として処理がなされる。ただし、視点の決定は必ずしもスイッチによる必要はなく、たとえば、ユーザが装置を常に一定の方向から観察することを前提に固定的な視点または視点範囲をあらかじめ定め、それに基づいて隠面処理をなしてもよい。別の例ではユーザの頭部に通信機能を有するデバイスを装着し、それにより動的に視点位置を検出してもよい。さらに別の例では、三次元画像表示装置100に超音波等を利用してユーザの位置を検出する手段を設け、検出したユーザの視点位置に基づいて三次元画像表示装置100が自律的に隠面処理を行う構成であってもよい。
図2は、画像データ供給手段28の要部を示すブロック図である。画像データ供給手段28は、オブジェクトデータ保持部30と、変換部32と、表示データ処理部34と、データ読出信号発生部36とを備える。
オブジェクトデータ保持部30は、外部から3次元オブジェクトのサーフェイスデータの入力を受けこれを保持する。別の例では、3次元オブジェクトのボリュームデータの入力を受け、面データを抽出してこれを保持しても良い。これらのサーフェイスデータを以下、オブジェクトデータと呼ぶ。変換部32はオブジェクトデータを変換する。変換後のデータは、三次元画像表示装置100においてオブジェクトの三次元的な表示に用いられる。このデータを表示データと呼ぶ。表示データは、各発光素子アレイ8上の各発光素子6をどのように点灯および消灯させるかを記述している。
本実施例の三次元画像表示装置100は、回転テーブル4上の空間を、複数の画素からなる空間と仮定し、オブジェクトの表面をその空間に表示する。この空間は、回転テーブル4の半径方向、円周方向と、高さ方向の3つの軸からなる座標系として把握可能であり、各画素の位置は、この座標系における点の座標として表すことができる。表示データは、これらの画素に対応する現実の位置において、発光素子6を点灯および消灯することを記述したデータである。ある画素に対応する発光素子6を点灯する情報を点灯情報とよび、消灯する情報を消灯情報とよぶ。表示データはこの点灯情報と消灯情報とからなる。
図2に戻る。変換部32は、表示データを表示データ処理部34へと送る。この際、変換部32は不図示の手段で、オブジェクトを上述の座標系においてどのように表示するか、すなわちオブジェクトの表示位置や大きさ、表示の角度等に関する指示を上記座標系に基づいてユーザから受け付けており、これに従って表示データを生成する。なお、オブジェクトデータ保持部30や変換部32は、必ずしも必須の構成ではない。表示データは三次元画像表示装置100外で生成され、表示データ処理部34へ入力されてもよい。
表示データ処理部34は、隠面処理が不要な第1のモードが選択されている場合は表示データをそのまま各発光素子ドライバへと出力する。一方、第2乃至第4のモードが選択されている場合には、視点決定スイッチ群12におけるユーザの指定に従った隠面処理がなされるよう表示データを再構成して発光素子ドライバへと出力する。いずれの場合でも、表示データの出力は、データ読出信号発生部36からのデータ読出信号に基づいて行われる。データ読出信号は、ロータリエンコーダ38から入力される回転情報に従って生成される。データ読出信号発生部36は、回転情報に基づいて各発光素子アレイ8の位置を判別し、そのタイミングにもとづいて表示データ処理部34内に保持され、各発光素子6の点灯および消灯について記述した表示データを出力するタイミングを指定する信号を発生する。表示データ処理部34はデータ読出信号に応じて各発光素子6の点灯および消灯に係るデータを各発光素子ドライバに出力し、各発光素子ドライバはそれに基づいて各発光素子6を点灯および消灯する。
図3は、表示データ処理部34の要部を示すブロック図である。表示データ処理部34は、表示データ取得部342と、再構成部344と、表示データ記録/出力部346と、モード情報格納部348と、視点情報格納部350とを備える。表示データ取得部342は、変換部32から表示データを取得する。表示データ取得部342は、モード情報格納部348に格納されたモード情報を参照する。モード情報とは、ユーザがいずれのモードを選択しているかを示す情報であり、モード選択スイッチ10から不図示の経路でモード情報格納部348へ送られる。表示データ取得部342は、三次元画像表示装置100が第1のモードにある場合は、表示データを表示データ記録/出力部346へ送る。
第2乃至第4のモードにある場合は、表示データを再構成部344へと送る。再構成部344は、モード情報格納部348に格納されたモード情報と、視点情報格納部350に格納された視点情報を参照して、所定の再構成処理を表示データに対して行う。視点情報とは、ユーザが視点決定スイッチ群12で決定した視点位置もしくは視点範囲に関する情報である。再構成処理は視点とオブジェクトを表示する点列の幾何的な考察によって、隠面となる面を特定し、表示空間において発光素子6を消灯するよう表示データを変更する処理である。再構成処理の詳細は後述する。表示データ記録/出力部346は、データ読出信号発生部36からの信号に基づいて、表示データ取得部342から送られた表示データもしくは再構成部344から送られた再構成後の表示データを各発光素子ドライバへ出力する。再構成された表示データにより、所定の隠面処理が施された三次元オブジェクトが表示できる。
図4は本実施例の三次元画像表示装置100で三次元的に表示しようとするオブジェクトの一例を示す斜視図である。ここでは、表示するモデル300として立方体を取り上げる。モデル300は図示するごとく頂点a乃至gを有する。頂点abcdで規定される面を面A、頂点cdghで規定される面を面B、頂点adheで規定される面を面C、頂点abfeで規定される面を面D、頂点efghで規定される面を面E、頂点bcgfで規定される面を面Fとする。
図5(a)は、三次元画像表示装置100において、図4のモデル300を表示する様子を示す斜視図である。図では、ベース2と回転テーブル4とモデル300のみが示されている。以下の説明の便宜のため、回転テーブル4の中心である軸20から図中左に基準線0を引く。モデル300は、前述した三次元画像表示装置100の表示空間内に面Fを底面として、底面が回転テーブル4と水平になるように表示されるとする。その他の表示位置、角度の詳細を以下に述べる。
図5(b)は、図5(a)のようにモデル300を表示する場合に、三次元画像表示装置100を垂直に見下ろした場合の平面図である。各点線は、回転テーブル4が回転する際の各発光素子アレイ8の軌跡を示す。既述のごとく、二つの発光素子アレイ群9は、回転テーブル4の中心に対して点対称の位置にそれぞれ対応しあう12本の発光素子アレイ8からなる。従って、二つの発光素子アレイ群9において位置的に対応しあうことになる二本の発光素子アレイ8が一つの軌跡上を移動する。軌跡の数は全部で12となり、それぞれ回転テーブル4の外周から中心に向かって、r1、r2、・・・r11、r12と呼ぶ。
同図では、モデル300を真上からみるため面Cと各頂点adheが示されている。モデル300は、頂点dが軌跡r3上に、頂点eが軌跡r8上にくるよう表示されるとする。正確に言えば、辺dcが軌跡r3上に辺efが軌跡r8上に表示される。また、頂点dと頂点eを結んだ面Cの対角線は基準線0の延長線(図中一点鎖線)上にあるとする。
図5(c)は、モデル300と軌跡の関係を示す、図5(b)の部分拡大図である。頂点dは、軌跡r3の円周上において、基準線0からs3の距離に位置するとする。また、軌跡r4と辺adの交点は基準線0からs4の位置にあり、辺dhとの交点はs’4の位置にあるとする。軌跡r5は、辺adと基準線0からs5の位置で交わり、辺dhとはs’5の位置で交わるとする。軌跡r6と辺aeの交点はs6に位置し、辺heとの交点は軌跡r6上で基準位置0からs’6の距離にある。軌跡r7は、基準位置0からs7の距離で辺aeと交わり、s’7の位置で辺heと交わる。頂点eは、軌跡r8上において、基準線0からs8の距離に位置する。
図5(d)は、図5(a)のようにモデル300を表示する場合に、これを水平方向からみた平面図である。基準線0に対して垂直の方向から三次元画像表示装置100を観察しているとする。図示するようにモデル300は、底面に当たる面Fが回転テーブル4からh1の高さに、上面に当たる面Cが回転テーブル4からh2の高さに表示されるとする。
図6(a)乃至(f)は図5(a)乃至(d)で示した位置にモデル300を表示する場合の表示データを示す概念図である。本実施例の三次元画像表示装置100は、高速移動する発光素子アレイ8の各発光素子6が、表示対象オブジェクトの断面を、残像現象を利用して平面画像として表現し、これを積層させて、表示対象のまたは近似のオブジェクトを表示する装置である。図6(a)乃至(f)は、軌跡r3乃至r8上の回転テーブル4に対して垂直な平面で、モデル300をスライスした画像に相当する。ここに示された点灯情報に従って、各発光素子アレイ8の所定の発光素子6を点灯および消灯すれば、モデル300を表現できる。図中実線が点灯情報であり、その他の部分が消灯情報である。
なお、本実施例の三次元画像表示装置100では、オブジェクトの断面画像の積層により三次元オブジェクトを表現するため、ある程度表現が離散的となる。但し、これは三次元的であると二次元的であるとを問わず、離散的な画素によって画像を表示するタイプのあらゆる画像表示装置においてみられる現象である。例えば、本実施例のモデル300では辺abや辺hgを通過する発光素子アレイ8がないため、それら自体を表現することはできないが、少なくともユーザはモデル300を略立方体と認識可能に表示されているとする。以上の事情および現実には表示可能画素数を増やす、すなわち三次元画像表示装置100の解像度を上げることでより表示しようとするオブジェクトと実際の表示の乖離を低減できることは当業者であれば容易に理解可能である。本明細書では、モデル300は必ずしも立方体としてではなく擬似的な立方体として表示されるが、その場合でもモデル300を「表示する」と表記している。
図6(a)は、軌跡r3上を移動する発光素子アレイ8の発光素子6をどのように点灯および消灯するかを示す。軌跡r3の発光素子アレイ8が0からtの方向に移動するとき、いずれの高さの発光素子6がいずれのタイミングで点灯されているかを示している。既述のごとく、モデル300の辺dcは軌跡r3上に位置する。すなわち、軌跡r3でモデル300をスライスした平面により、辺dcが表現される。従って、同図のごとく点灯情報は、発光素子アレイ8がs3の位置に来たときに、高さh1から高さh2までの発光素子6を点灯することを示す直線となる。
図6(b)は、軌跡r4上を移動する発光素子アレイ8の発光素子6の点灯および消灯の状態を示す。軌跡r4の平面によって、モデル300をスライスした場合、その断面は長方形になる。従って、軌跡r4上の発光素子アレイ8は、当該長方形の画像を表示する。その点灯情報は図中実線で示すように、図中水平方向の辺が基準線0からの距離s4とs’4との差に等しく、垂直方向の辺が高さh2とh1の差に等しい長方形であり、これに対応する位置にある発光素子6を点灯することを示すデータとなる。
図6(c)は、軌跡r5上を移動する発光素子アレイ8の発光素子6の点灯および消灯の状態を示す。軌跡r5の平面によってモデル300をスライスした場合、その断面は長方形になる。従って、軌跡r5上の発光素子アレイ8は、当該長方形の画像を表示する。その点灯情報は図中実線で示すように、図中水平方向の辺が基準線0からの距離s5とs’5との差に等しく、垂直方向の辺が高さh2とh1の差に等しい長方形であり、これに対応する位置にある発光素子6を点灯することを示すデータとなる。
以下、図6(d)乃至(f)もそれぞれ軌跡r6乃至軌跡r8上を移動する発光素子アレイ8の発光素子6の点灯および消灯の様子を示している。図6(d)では、点灯情報は図中水平方向の辺が基準線0からの距離s6とs’6との差に等しく、垂直方向の辺が高さh2とh1の差に等しい長方形として実線で示されている。図6(e)では、点灯情報は図中水平方向の辺が基準線0からの距離s7とs’7との差に等しく、垂直方向の辺が高さh2とh1の差に等しい長方形として実線で示されている。図6(f)では、点灯情報はs8におけるh1からh2までの直線となっている。既述の通り軌跡r8は、モデル300の辺efを通過するためであり、点灯情報はその辺efを表示するためのデータとなっている。
図7(a)および(b)は、発光素子アレイ8における発光素子6の実際の点灯および消灯を示す図である。図7(a)は、軌跡r3上を発光素子アレイ8が基準線0からt方向に移動していく際、図6(a)の点灯情報により各発光素子6がどのように点灯および消灯されるかを示している。図中黒く塗りつぶした発光素子6は点灯状態にあることを示し、着色のない発光素子6は消灯されていることを示す。同図に示すように発光素子アレイ8がs3の位置に来たときに高さh1から高さh2までの発光素子6を点灯することで、モデル300の辺cdが表現できる。
図7(b)は、図6(b)の点灯情報により、軌跡r4上を移動する発光素子アレイ8の各発光素子6の点灯および消灯する様子を示す。図示するように、発光素子アレイ8がs4の位置に来たときに高さh1からh2までの発光素子6が点灯される。その後は、高さh1の発光素子6と高さh2の発光素子6のみが点灯され、発光素子アレイ8がs’4の位置で、再び高さh1からh2までの発光素子6が点灯される。このようにして、残像現象を利用し軌跡r4の平面でモデル300をスライスした断面が表現できる。その他、軌跡r5以降についても、同様の原理でモデル300の各断面画像が表示されるが説明を省略する。
以上、モデル300を概略表示するためのデータについて説明した。本実施例の三次元画像表示装置100が第1のモードにある場合、以上のデータに基づいてそのままモデルを表示する。すなわち、モデルの面すべてが表示される。
図8は図4のモデル300を、図5(a)の位置に第2モードで表示する場合の視点位置を示す図である。第2モードでは、ユーザが指定した固定的な視点から観察した場合に表示物の隠面となる面では、発光素子6が消灯され、当該面が表示されない。視点位置Pは、ユーザが視点決定スイッチ群12であらかじめ定めており、ここでは、ちょうどモデル300の頂点bと頂点hとを結んだ直線上の位置が選択されており、ユーザはここから図中矢印方向すなわちモデル300を見下ろすかたちでモデル300を観察するとする。この場合、視点位置Pからは面Bと面Cと面Eが観察可能である。つまり、他の面A、D、Fが隠面である。三次元画像表示装置100が第2のモードにある場合、固定的な視点位置Pからの隠面において第1モードでは点灯されていた発光素子6を消灯すべく、表示データに再構成処理が加えられる。なお、図では理解を助けるべく軌跡r4乃至r7が面C上に表示されている。
図9(a)乃至(f)は、図8で示す視点位置Pに基づく第2モードの隠面処理をモデル300に行うべく、図6(a)乃至(f)で概念的に示したモデル300の表示データを再構成した様子を示す図である。図6(a)乃至(f)との違いを中心に説明する。第2モードでは、第1モードでは点灯されていた発光素子6の一部が消灯される。図9(a)乃至(f)で点線で示しているのは、モデル300の全面を表示する第1モードにおいては点灯情報だったが、第2モードにおいては消灯情報に変更された箇所である。
視点位置Pからは、モデル300の辺dcは視野に入る。従って、軌跡r3上を移動する発光素子アレイ8の各発光素子6についての点灯情報を示す図9(a)と図6(a)の間に差異はない。
面Aと面Fは既述の通り視点位置Pから観察すると隠面である。従って、面A、面B、面Cおよび面Fの表現に用いられていた軌跡r4及びr5を移動する発光素子アレイ8については、面Aおよび面Fを表示しないように表示データが再構成される。すなわち、図9(b)および図9(c)で示すように、図6(b)および(c)で長方形であった点灯情報の、図中縦方向の辺のうちの左側及び横方向の辺のうちの下側にあたる箇所が消灯情報に変更される。
面Dと面Fもそれぞれ隠面である。従って、面C、面D、面Eおよび面Fの表現に用いられていた軌跡r6およびr7を移動する発光素子アレイ8については、面Dと面Fを表示しないように表示データが再構成される。すなわち、図9(d)および(e)で示すように、図6(d)および(e)で長方形であった点灯情報について、図中縦方向の辺のうちの左側および横方向の辺のうちの下側が消灯情報に変更される。
視点位置Pから観察した場合、モデル300の辺efは視野に入る。従って、軌跡r8上を移動する発光素子アレイ8の各発光素子6についての点灯情報を示す図9(f)と図6(f)の間に差異はない。
以上、図9(a)乃至(f)で示した再構成後の表示データに基づいてモデル300を疑似表示すれば、視点位置Pから観察した場合の隠面A、DおよびFが表示されない。従って、本来観察不可能なはずの隠面が、可視面の背後に透けて見えるのを防止でき、3次元オブジェクト表示の自然さが高まる。
図10は図4のモデル300を、図5(a)の位置に第3モードで表示する場合の想定視点範囲αを示す図である。第3モードでは、ユーザが指定した想定視点範囲のいずれから観察した場合も隠面となる面について隠面処理がなされる。視点範囲αは、モデル300の頂点ceを結んだ対角線を延長した線(図中一点鎖線)上にあ点Qと頂点bhを結んだ対角線の延長線(図中一点鎖線)上にある点Rとの間の線分上に定める。すなわち、この線分QR上のいずれかの点からモデル300を見下ろす位置として想定視点範囲αを定める。このような想定視点範囲αは、ユーザが視点決定スイッチ群12によって二つの視点位置を決定し、その間の線分を視点範囲として定めればよい。なお、図では理解を助けるべく軌跡r4乃至r7が面C上に表示されている。
想定指定範囲αの図中左側における限界である視点Qからモデル300を観察した場合、隠面は面A、面Bおよび面Fである。一方図中右側の限界である視点Rから観察した場合の隠面は面A、面Dおよび面Fである。従って、視点範囲αのいずれから観察しても隠面となる面は面Aおよび面Fである。本実施例の三次元画像表示装置100が第3のモードにある場合、モデル300の面Aおよび面Fにおいて発光素子6を消灯して隠面処理を行うべく表示データが再構成される。
図11(a)乃至(f)は、想定視点範囲αに基づいてモデル300を第3のモードで表示する場合に、表示データを再構成する様子を示す概念図である。点線の意味は図9(a)乃至(f)と同様である。モデル300の辺dcは視点範囲αから観察可能であるため、辺dc上を通過する軌跡r3の発光素子アレイ8についての点灯情報は、図11(a)と図6(a)に差異はない。軌跡r4上の発光素子アレイ8は、面A、面B、面Cおよび面Fの表示に用いられ、そのうち面A、面Fが隠面である。従って、図6(b)で長方形であった点灯情報は、図9(b)においては、面Aおよび面Fに相当する図中縦方向の辺のうちの左側および横方向の辺のうちの下側に該当する部分(点線部)が消灯情報に変更される。図9(c)で示す、軌跡r5上の発光素子アレイ8に係る点灯情報についても、同様に面Aおよび面Fに相当する部分が消灯情報(点線部)に変更される。また、面図11(d)および(e)は、面B、面C,面D、面Fの表示に用いられる軌跡r6およびr7の発光素子アレイ8について、再構成処理後の点灯情報をしめすが、このうち面Fが隠面である。よって面Fに該当する部分、すなわち長方形の点灯情報の図中底辺がそれぞれ消灯情報に変更されている。辺efは、視点範囲αの視野にはいるため、表示データが再構成された後も、図6(f)と図11(f)の点灯情報に差異はない。
以上図11(a)乃至(f)から示したように表示データを再構成することで、複数の視点のいずれから観察しても隠面となる面について隠面処理を行うことが可能となる。ユーザの視点が固定的でなく、ある程度の広がりを持つことは十分に想定できる事態であるが、そのような場合いずれの面からみても隠面となる面については確実に隠面処理を行うことで自然な三次元画像表示が可能となる。
図12(a)乃至(f)は、三次元画像表示装置100について第4モードが選択されている場合の表示データの再構成を示す概念図である。第4モードでは、想定された視点範囲のいずれかの視点から観察した場合に隠面となるすべての面について隠面処理がなされる。想定される視点範囲としては、第3のモードについて図10で説明した想定視点範囲αが与えられているとする。想定視点範囲αからモデル300を観察した場合、視点Qからは面A、面Bおよび面Fが、視点Rからは面A、面Dおよび面Fがそれぞれ隠面となるのは既述の通りである。従って、常に観察可能なのは面Cおよび面Eであり、第4モードではその他の面について隠面処理がなされる。
想定視点範囲αからはモデル300の辺dcは常に視野にはいるとはいえない。従って、図6(a)で示した軌跡r3上の発光素子アレイ8に係る点灯情報は、第4のモードでは、図12(a)のように、モデル300の頂点dに該当する最上端(図中中抜き点)を残して消灯情報に変更される。頂点dは面Cにも属し、面Cは隠面ではないためである。その他、軌跡r4乃至r7上の発光素子アレイ8についても、図12(b)乃至(e)で示すように、面Cおよび面Eに該当する部分以外において、図6(b)乃至(e)で示した点灯情報が消灯情報変更される(点線部)。軌跡r8の発光素子アレイ8によって表現されるモデル300の辺efについては、想定視点範囲αから常に観察可能であるため、隠面処理はなされない。従って、図12(f)と図6(f)で示される点灯情報に差異はない。
以上、図12(a)乃至(f)で示したように表示データを再構成することで、第4モードによるモデル300の表示が可能となる。例えば想定視点範囲αの中央部、すなわち線分QRの中点付近に視点がある場合、観察される面は面Cおよび面Eだけのはずである。そのような場合に、上述のようにこれらを除くすべての面を隠面処理できれば当然モデル300を自然に表示可能である。
いずれにせよ、本実施例の三次元画像表示装置100では、単純な立方体に限らずより複雑なオブジェクトを十分表示可能であり、モードの選択はそれらオブジェクトの形状やユーザの嗜好に応じて適宜行えばよい。ユーザにとって一番自然に感じられる三次元オブジェクトの表示が本発明の目的の一つであるためである。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
2 ベース、 4 回転テーブル、 6 発光素子、 8 発光素子アレイ、 9 発光素子アレイ群、 10 モード選択スイッチ、 12 視点決定スイッチ群、 20 軸、 22 ロータリコネクタ、 24 ギヤ、 26 モータ、 28 画像データ供給手段、 30 オブジェクトデータ保持部、 32 変換部、 34 表示データ処理部、 36 データ読出信号発生部、 38 ロータリエンコーダ、 100 三次元画像表示装置、 300 モデル、 342 表示データ取得部、 344 再構成部、 346 表示データ記録/出力部、 348 モード情報格納部、 350 視点情報格納部。
Claims (5)
- 複数の発光素子を有する発光表示部と、
発光表示部が立設配置される回転自在な支持部材と、
前記支持部材を回転させる駆動手段と、
前記支持部材の回転に応じて所定の位置で前記発光素子を点灯させて三次元オブジェクトの表面を三次元的に表示するための画像データを前記発光表示部に供給する手段と、
ユーザの視点位置を基準として、前記画像データを再構成する処理を施す再構成手段と、
を備えることを特徴とする三次元画像表示装置。 - 前記再構成手段は、前記視点から観察した前記三次元オブジェクトの隠面以外の可視面が強調される処理を前記画像データに施すことを特徴とする請求項1に記載の三次元画像表示装置。
- 前記隠面以外を強調する処理とは、前記隠面において前記発光素子を消灯する処理であることを特徴とする請求項2に記載の三次元画像表示装置。
- 前記再構成手段は、複数の視点位置を基準として、いずれの視点から観察しても隠面となる面の前記発光素子を消灯する処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の三次元画像表示装置。
- 前記再構成手段は、複数の視点位置を基準として、各視点から観察した場合に隠面となる面のすべてにおいて前記発光素子を消灯する処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の三次元画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005293027A JP2007101971A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 三次元画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005293027A JP2007101971A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 三次元画像表示装置 |
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JP2007101971A true JP2007101971A (ja) | 2007-04-19 |
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JP (1) | JP2007101971A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024101309A1 (ja) * | 2022-11-07 | 2024-05-16 | 株式会社ブライトヴォックス | 立体映像装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001103515A (ja) * | 1999-09-30 | 2001-04-13 | Minolta Co Ltd | 立体画像表示装置および立体画像表示システム |
JP2004040667A (ja) * | 2002-07-05 | 2004-02-05 | Kanazawa Inst Of Technology | 三次元画像表示装置 |
-
2005
- 2005-10-05 JP JP2005293027A patent/JP2007101971A/ja active Pending
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