JP2007101397A - 蛍光測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光を測定対象物に照射し測定対象物からの光を受光することにより測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数を高精度で求める。
【解決手段】レーザ光を、所定の周波数の変調信号に従って時間変調して測定対象物に照射するレーザ光出射手段と、照射された測定対象物が発する蛍光を受光して受光信号に変換する受光手段と、受光手段で得られた受光信号の位相情報を保持しながら、受光信号の周波数を一定量一方向にシフトしたシフト信号を生成し、このシフト信号と前記所定の周波数の変調信号とを加えた合成信号を、レーザ光の変調信号としてレーザ光出射手段に供給する信号処理手段とを有する。受光手段で得られた受光信号を検波することにより、受光信号に含まれている周波数別の位相情報を得、この位相情報から、測定対象物が発する蛍光の蛍光緩和時定数を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象物が発した蛍光の蛍光緩和時定数を取得する蛍光測定装置に関する。蛍光測定装置は、例えばレーザ光の照射により測定対象物が発する蛍光の位相情報を用いて蛍光緩和時定数を知る技術分野に用いることのできる装置である。
従来より、測定対象物にレーザ光を照射し、測定対象物が発する蛍光を受光して、測定対象物の種類を識別する蛍光検出装置が知られている。
例えば、フローサイトメータでは、細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の生体物質を含む混濁液を蛍光試薬でラベル化し、圧力を与えて毎秒10m以内程度の速度で管路内を流れるシース液に測定対象物を流してフローセルを形成する。このフローセル中の測定対象物にレーザ光を照射することにより、測定対象物に付着した蛍光色素が発する蛍光を受光し、この蛍光をラベルとして識別することで測定対象物を特定するものである。
このような蛍光検出装置では、測定対象物の発する蛍光を正確に短時間で計測して識別することが望まれている。
下記非特許文献1では、例えば488nm、595nm、633nm等の波長帯域の異なる複数のレーザ光を照射して、各レーザ光によって蛍光色素から発する波長帯域の異なる複数の蛍光をバンドパスフィルタを用いて分離して光電子倍増管(PMT)で検出する蛍光検出装置が開示されている。
これにより、蛍光を正確に識別して複数の測定対象物の種類を短時間に特定することが可能となるとされている。
http://www.bdbiosciences.com/pharmingen/protocols/Fluorochrome_Absorption.shtml(2005年9月16日検索)
しかし、蛍光色素が発する蛍光を波長帯域別に分離して計測し測定対象物の種類を短時間に特定する場合、蛍光色素が発する蛍光の波長が互いに重なり合い、波長帯域別に分離できず、この結果正確に蛍光を識別することができない場合が多い。このため、蛍光の波長帯域が大きく異なる蛍光色素に制限されるといった問題が生じる。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、レーザ光を測定対象物に照射し、測定対象物から発する蛍光を波長帯域別に分離して蛍光の種類を識別するのではなく、蛍光の種類によって異なる蛍光緩和時間に注目し、レーザ光を測定対象物に照射し測定対象物が発する蛍光を受光することにより、蛍光の蛍光緩和時定数を高い分解能で算出する蛍光測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、レーザ光を測定対象物に照射し測定対象物が発する蛍光を受光することにより蛍光の蛍光緩和時定数を取得する蛍光測定装置であって、
レーザ光の光強度を所定の変調周波数で時間変調するための変調信号を生成する発振器と、レーザ光を、変調信号に従って時間変調して測定対象物に照射するレーザ光出射手段と、レーザ光の照射により測定対象物から発した蛍光を受光して蛍光の受光信号に変換する受光手段と、前記受光手段で得られた受光信号の位相情報を保持しながら、前記受光信号の周波数を一定量シフトしたシフト信号を生成し、このシフト信号と前記発振器で生成される前記所定の周波数の変調信号とを加えた合成信号を、レーザ光の変調信号として前記レーザ光出射手段に供給する信号処理手段と、前記受光手段で得られた受光信号を、前記変調信号を用いて検波することにより、前記受光信号に含まれている周波数別の位相情報を得、この周波数別の位相情報から、測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数を求める計測手段と、を有し、前記計測手段は、前記レーザ光出射手段によるレーザ光の出射、前記受光手段による蛍光の受光、前記信号処理手段によるシフト信号の生成及び合成信号の前記レーザ光出射手段への供給の工程を複数回繰り返した後に得られる受光信号を用いて測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数を求めることを特徴とする蛍光測定装置を提供する。
その際、前記信号処理手段は、前記シフト信号が所定の周波数範囲内に収まるように前記周波数範囲外の信号成分を除去し、前記周波数範囲内の信号成分を透過させるバンドパスフィルタを有することが好ましい。
また、前記信号処理手段は、前記受光信号の周波数が一定量シフトするSSB変調器を有することが好ましい。
また、前記発振器の生成する変調信号の変調周波数をf0(Hz)とし、前記受光信号の周波数を一定量シフトするシフト量をΔf(Hz)とし、測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数をτとしたとき、前記計測手段で用いられる受光信号の、周波数{f0+(m−1)・Δf}(mは1以上の整数)における位相情報αmは下記式(1)で表され、前記計測手段は、この位相情報αmを用いて蛍光緩和時定数τを算出することが好ましい。
Figure 2007101397
なお、前記シフト信号における周波数のシフト方向は、高周波側方向であっても、低周波側方向であってもよい。
本発明の蛍光測定装置では、受光手段で得られた受光信号の位相情報を保持しながら、受光信号の周波数を一定量一方向シフトしたシフト信号を生成し、このシフト信号と発振器で生成された変調信号とを加えた合成信号を、レーザ光の変調信号としてレーザ光出射手段に供給する。しかも、レーザ光出射手段によるレーザ光の出射、受光手段による受光、シフト信号の生成及び合成信号のレーザ光出射手段への供給の工程を複数回繰り返した後に得られる受光信号を用いて蛍光の蛍光緩和時定数を求める。このため、蛍光緩和時定数に用いられる受光信号には、各周波数における位相ずれが畳重した位相を有する周波数成分が含まれる。例えば、レーザ光出射手段によるレーザ光の出射、受光手段による受光、シフト信号の生成及び合成信号のレーザ光出射手段への供給の工程を1000回以上繰り返すことで、1〜1000以上の周波数毎の位相ずれが畳重した位相を有する1000以上の周波数成分が受光信号に含まれる。しかも、受光信号の上限周波数又は下限周波数の成分は、各周波数成分の位相ずれを最も多く畳重した周波数成分であるので、上限又は下限の周波数成分の位相情報から求められる蛍光緩和時定数は、極めて分解能が高い。この分解能は、上記繰り返し回数を増やすほど高くなる。このため、分解能の極めて高い正確な蛍光緩和時定数を求めることができる。
以下、本発明の蛍光測定装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の蛍光測定装置の一実施形態である装置(以降、装置という)10の構成を示したブロック図である。
装置10では、測定対象物Sにレーザ光を照射し、このときの測定対象物Sが発する蛍光を受光することにより取得される受光信号に含まれる位相情報を用いて、測定対象物Sが発する蛍光の蛍光緩和時定数を算出する装置である。
装置10は、測定対象物が発する蛍光の波長が近い場合でも蛍光の種類によって蛍光緩和時定数が異なることを利用して蛍光緩和時定数の違いから、蛍光の種類を特定することができる装置である。
装置10は、レーザ光を測定対象物Sに照射し測定対象物Sが発する蛍光を受光することにより出力される受光信号から位相情報を含んだ信号を出力する本体部12と、本体部12から出力された信号を用いて測定対象物Sが発する蛍光の蛍光緩和時定数を算出するコンピュータ14と、を有する。
コンピュータ14は、本体部12から出力される信号を用いてデータ処理を行う他、本体部12の各ユニットの駆動や駆動のタイミングを制御する制御部分でもある。
本体部12は、レーザ光出射ユニット20と、受光ユニット30と、信号処理回路ユニット40と、制御処理回路ユニット50と、発振回路60と、を有する。制御処理回路ユニット50は、コンピュータ14と接続されている。
図2(a)は、レーザ光出射ユニット20のブロック構成図である。
レーザ光出射ユニット20は、図2(a)に示すように、レーザ光を出射する部分であり、レーザダイオード22と、レーザダイオード22を駆動するレーザドライバ24と、レーザダイオード22に対応して設けられた光学レンズ28とを有する。
レーザドライバ24は、周波数50MHz〜10GHzの変調信号(以降、RF変調信号という)の供給を受ける。このRF変調信号は、レーザダイオード24から出射されるレーザ光の光強度を時間変調するために用いられる。
ここで周波数は、一定の初期周波数f0の初期変調信号に、後述する周波数f0+(m−1)・Δf(mは自然数)を含むシフト信号を加えた変調信号が順次レーザドライバ24に供給される。例えば、初期周波数f0=600MHzに対してΔf=1kHzである。
図2(b)は、受光ユニット30のブロック構成図である。
受光ユニット30は、図2(b)に示すように、測定対象物Sから到来した蛍光を受光する部分で、レーザ光の光路の上流側から順に、バンドパスフィルタ31、光学レンズ32及び光電変換器38が配置されている。
バンドパスフィルタ31は、レーザ光の波長帯域の光を遮断し、蛍光を通過させる狭帯域フィルタで、測定対象物Sからの蛍光のSN比を向上させる。
光学レンズ32は、バンドパスフィルタ31を透過した透過光を光電変換器38に集光するために用いられる。
光電変換器38は、受光した蛍光を受光信号(受光信号)に変換する部分であり、光電子倍増管やアバランシェフォトダイオード等のデバイスが設けられている部分である。このデバイスから受光信号が出力される。
なお、上記デバイスは用いるレーザ光によって適するデバイスが異なり、例えば近赤外(800〜1200μm)のレーザ光にはアバランシェフォトダイオードが、可視帯域(400μm〜800μm)のレーザ光にはアバランシェフォトダイオード又は光電子倍増管が好適に用いられる。
信号処理回路ユニット40は、発振回路60からの初期周波数fの初期変調信号と、受光ユニット30から供給され、後述するSSB変換器45にて位相情報を保持したまま周波数をΔfシフトさせたシフト信号とを加えてレーザ光出射ユニット20に再度供給する処理を行う回路である。さらに、光電変換器38から出力され増幅された受光信号を、レーザ光照射ユニット20に供給された初期周波数fの初期変調信号と同一の信号を参照信号として用いてミキシングし、変調信号により変調されたレーザ光の信号成分を中間周波数信号(IF信号)として取り出す部分である。
具体的には、信号処理回路ユニット40は、方向性結合器41、可変増幅器42、増幅器43、方向性結合器44、SSB変調器45、バンドパスフィルタ46及びIQミキサ47を有する。
方向性結合器41は、受光ユニット30で得られた受光信号を、増幅器43、方向性結合器44、SSB変調器45及びバンドパスフィルタ46で処理されて得られたシフト信号と、発振回路60から供給された初期周波数f0の初期変調信号とを加えて、可変増幅器42に供給する高周波素子である。
可変増幅器42は、初期周波数fの初期変調信号とシフト信号とを加えた合成信号を所定の増幅率で増幅し、レーザ光出射ユニット20に供給する。増幅された合成信号は、レーザ光出射ユニット20にてレーザ光の強度を時間変調する変調信号として用いられる。なお、可変増幅器42を用いるのは、後述するようにバンドパスフィルタ46で規定される信号の通過可能な周波数範囲で、受光信号及びシフト信号が減衰することのないように、増幅率を調整するためである。
増幅器43は、受光ユニット30から供給された受光信号を増幅して方向性結合器44に供給する。
方向性結合器44は、受光信号を分離してIQミキサ47に供給するとともに、SSB変調器45に供給する高周波素子である。
SSB変調器(Single Side Band modulator)45は、方向性結合器44から供給された受光信号の位相情報(位相差)を保持したまま、その受光信号の周波数を所定の周波数Δfシフトさせたシフト信号を生成する高周波素子である。所定の周波数Δfは、発振回路60の第2発振器63から供給される信号の周波数である。
図3は、SSB変調器45のブロック構成図である。
SSB変調器45は、90度ハイブリッド45a、ミキサ45b,45c、90度位相器45d、180度ハイブリッド45eを有して構成される。
90度ハイブリッド45aは、受光信号の位相を0度及び90度に分離するハイブリッドリングを備える高周波素子であり、0度及び90度に分離された受光信号をミキサ45b,45cに供給する。一方、90度位相器45dは、第2発振器63から供給された周波数Δfの信号を位相0度及び90度に変えてミキサ45b,45cに供給する。
180度ハイブリッド45eは、受光信号の位相を0度及び180度に分離するハイブリッドリングを備える高周波素子であり、端子の一方からは、受光信号の位相情報を保持したまま、周波数Δf高周波側にシフトさせたUSB信号を出力し、他方の端子からは、受光信号の位相情報を保持したまま、周波数Δf低周波側にシフトさせたLSB信号を出力する。
SSB変調器45では、USB信号を出力してバンドパスフィルタ46に供給する。
バンドパスフィルタ46は、所定の周波数範囲の信号成分のみを通過させ、残りは除去するシャープな特性を有するフィルタであり、SSB変調器45にて周波数を高周波側にシフトさせるときの有効な周波数範囲を規定するために用いられる。バンドパスフィルタ46は所定の周波数範囲のシフト信号のみを通過させて方向性結合器41に供給する。
信号処理回路ユニット40は、後述するように、レーザ光の測定対象物が発する蛍光が有する位相情報を保持したまま、周波数をΔfシフトさせたシフト信号を含む信号をレーザ光の変調信号として用いる一方、バンドパスフィルタ46は所定の周波数範囲のシフト信号のみを通過させる。このため、バンドパスフィルタ46から出力され、方向性結合器41に供給されるシフト信号の周波数成分は、バンドパスフィルタ46が規定する所定の周波数範囲の成分である。可変増幅器42は、信号処理回路ユニット40及びレーザ光の照射、蛍光及び受光の系における信号成分のエネルギの散逸に対して減衰せず、また増幅率を過大に設定して信号が発散することのないように適切に調整されて用いられる。このため、初期周波数f0の初期変調信号をレーザ光出射ユニット20に供給した時点から時間が経過して、バンドパスフィルタ46の規定する所定の周波数範囲内の周波数成分で満たされた安定したときの受光信号は、図4に示すように初期周波数f0〜fn-1(=f0+(n−1)・Δf)の周波数範囲内で振幅を有する信号となる。
このように信号処理回路ユニット40は、初期変調信号でレーザ光を照射して、測定対象物Sが発する蛍光を受光し、このときの位相情報を保持したまま、周波数をf0からf0+Δfとし、このシフト信号と初期変調信号を加えた合成信号をレーザ光の変調信号として用いる。さらに、このレーザ光による照射、蛍光の受光を繰り返して、位相情報を保持したまま、周波数f0+Δfからf0+2・Δfとし、このシフト信号と初期変調信号とを加えた合成信号をレーザ光の変調信号として用いる。このように受光信号の出力から、周波数のシフト、変調信号の生成、変調されたレーザ光の照射、受光信号の出力までの一連のループになった処理工程は、受光信号の周波数成分がバンドパスフィルタ46で規定する周波数範囲の成分で満たされ安定した信号になるまで、繰り返される。
IQミキサ47は、方向性結合器44から取り出された受光信号と、発振回路60から供給された初期周波数f0の初期変調信号とをミキシングし、中間周波数信号と高次成分を含んだ信号を生成する素子である。
発振回路60は、第1発振器61と、パワースプリッタ62と、第2発振器63とを有して構成される。
第1発振器61は、初期周波数f0の信号を発振し、パワースプリッタ62にて信号を分離して方向性結合器41及びIQミキサ47に供給する。
第2発振器63は、受光ユニット30から供給された蛍光の受光信号の周波数をΔfシフトさせるために、周波数Δfの信号を生成し、SSB変調器45に供給する。
制御処理回路ユニット50は、レーザ光出射ユニット20、受光ユニット30及び信号処理回路ユニット40の駆動を制御する各種制御信号を生成し、所定のユニットに供給するとともに、信号処理回路ユニット40から出力される信号を処理する部分である。
制御処理回路ユニット50は、システム制御器51、ローパスフィルタ52、増幅器53及びA/D変換器54を有する。
システム制御器51は、コンピュータ14からの指示に基づいて各種制御信号を生成する部分である。
ローパスフィルタ52は、信号処理回路ユニット40から出力された中間周波数信号(IF信号)と高次成分を含んだ信号をフィルタ処理して高次成分を除去し、蛍光の位相情報を含んだ中間周波数信号とする部分である。中間周波数信号は、増幅器53で増幅された後、A/D変換器54で中間周波数デジタル信号とされ、コンピュータ14に供給される。A/D変換器54は、第2発信器63の発振する周波数Δfと同期したその整数倍のクロック周波数を用いてAD変換を行い、中間周波数デジタル信号を生成する部分である。
コンピュータ14は、CPU、メモリ及びROMを有し、コンピュータソフトウェアを実行させることによりデータ処理を実行するように構成される。コンピュータ14は図示されないディスプレイに接続されている。
コンピュータ14のCPUは、本体部12の各ユニットを駆動、制御する各種信号を制御処理回路ユニット50に作成するように指示し、またソフトウェアを実行することにより後述するデータ処理の演算を行う部分である。
以下、具体的にデータ処理を説明する。
コンピュータ114は、中間周波数デジタル信号に含まれている周波数別の位相情報を得、この周波数別の位相情報から、測定対象物Sの発する蛍光の蛍光緩和時定数を求める。
具体的には、測定対象物Sは、下記式(2)に示されるような、レーザ光の照射に対する蛍光強度の伝達関数に従って蛍光を発する。式(2)において、τは蛍光緩和時定数である。このとき、信号処理回路ユニット40にて、初期周波数f0、初期周波数f0からΔfシフトした周波数f0+Δf、周波数f0+ΔfからΔfシフトした周波数f0+2・Δf、・・・・、周波数f0+(n−2)・ΔfからΔfシフトした周波数f0+(n−1)・Δfの各周波数で変調されたレーザ光で励起される蛍光の位相ずれは、下記式(3)のように表される。
Figure 2007101397
Figure 2007101397
したがって、レーザ光の照射、蛍光の受光、周波数のシフト、変調信号の生成、レーザ光の照射を繰り返し、受光信号がバンドパスフィルタ146で設定される周波数成分を含む安定した受光信号となったとき、この受光信号は、下記式(1)(m=1〜n)で表される。
Figure 2007101397
コンピュータ14では、デジタル信号とされた中間周波数デジタル信号の位相情報が上記式(1)に示すように表されていることから、この中間周波数信号の位相情報が、周波数別に、Δf単位で取り出され、上記式(1)の位相情報に合致するように、蛍光緩和時定数τを算出する。具体的には、最低周波数における位相情報(m=1における位相情報)から最高周波数における位相情報(m=nにおける位相情報)まで順次位相情報を用いて蛍光緩和時定数τを求めるが、m=nの位相情報から算出される蛍光緩和時定数τを正式な蛍光緩和時定数τとする。m=nにおける位相情報は、周波数f0〜f0+(n−1)・Δfの各周波数における位相ずれが畳重された位相情報なので、この位相情報から求められる蛍光緩和時定数の分解能は高い。m=1からm=nまで順番に位相情報を用いて蛍光緩和時定数を算出するのは、位相が2πラジアンの周期で変動することによる位相の不確定分が生じないようにするためである。
こうして求められた蛍光緩和時定数τは、コンピュータ14のメモリに記録される。
このように、測定対象物Sの蛍光緩和時定数τを知ることができるので、この値から、通過した測定対象物Sの蛍光の種類を特定することができる。
このように、蛍光計測装置10によるレーザ光の照射に対する測定対象物Sが発する蛍光は、1次遅れ系の緩和応答であるとしたときの蛍光緩和時定数に従った時間遅れを生じる。したがって、変調されたレーザ光に対して発する蛍光は一定の位相ずれを生じることから、この位相ずれを知ることにより、蛍光緩和時定数を知ることができる。特に、本発明では、受光信号の位相情報を保持したまま、周波数をシフトしたシフト信号を、レーザ光の変調信号の一部として含ませ再帰させる構成をとる。すなわち、測定対象物Sから発する蛍光の受光信号に対して、位相情報を保持しながら、予め設定された周波数範囲内で受光信号の周波数を一定量一方向にシフトしたシフト信号を生成し、このシフト信号と発振器で生成された変調信号とを加えた合成信号を、レーザ光の変調信号としてレーザ光出射ユニットに再帰させて供給する。このため、コンピュータ14にて得られる中間周波数デジタル信号には、周波数が一定量ずつ一方向シフトしたときの各周波数における位相ずれが畳重して含まれる。この位相ずれの畳重した位相情報を表した上記式(1)から蛍光緩和時定数τを正確に求めることができる。特に、n=100以上とすることで、100個以上の周波数別の位相ずれが畳重された位相情報が得られるので、従来に比べて分解能の高い蛍光緩和時定数の値を算出することができる。
なお、位相ずれが2π/1000ラジアン以下の場合、A/D変換器や増幅器等の機器における熱雑音によって信頼性のある位相ずれを得ることが難しいが、本発明のように僅かな位相ずれを100個以上畳重することにより熱雑音に影響されない大きな値の位相情報とすることができる。したがって、この位相情報に基づいて蛍光緩和時定数を算出することで、精度の高い蛍光緩和時定数を得ることができる。
特に、バイオ分野で標識ラベルとして用いる蛍光色素の発する蛍光のうち実用上好適に用いられる488nmのレーザ光は、固体励起レーザを用いられるが、このレーザに対して、音響光学変調素子や非線形光学素子等の効率が低く高価な外部変調器を用いることなく、装置10のような簡易な構成とすることができる。
以上、本発明の蛍光測定装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の蛍光測定装置の一実施形態である装置の構成を示したブロック図である。 図1に示すレーザ光出射ユニット及び受光ユニットの構成を示すブロック図である。 図1に示すSSB変調器の構成を示すブロック図である。 図1に示す信号処理回路ユニットにて得られる受光信号の例を示す図である。
符号の説明
10 装置
12 本体部
14 コンピュータ
20 レーザ光出射ユニット
22 レーザダイオード
24 レーザドライバ
28,32 光学レンズ
30,130 受光ユニット
31 バンドパスフィルタ
38 光電変換器
40 信号処理回路ユニット
41,44 方向性結合器
42 可変増幅器
43,53 増幅器
45 SSB変調器
46 バンドパスフィルタ
47 IQミキサ
50 制御処理回路ユニット
51 システム制御器
52 ローパスフィルタ
54 A/D変換器
61 第1発振器
62 パワースプリッタ
63 第2発振器

Claims (4)

  1. レーザ光を測定対象物に照射し測定対象物が発する蛍光を受光することにより蛍光の蛍光緩和時定数を取得する蛍光測定装置であって、
    レーザ光の光強度を所定の変調周波数で時間変調するための変調信号を生成する発振器と、
    レーザ光を、変調信号に従って時間変調して測定対象物に照射するレーザ光出射手段と、
    レーザ光の照射により測定対象物から発した蛍光を受光して蛍光の受光信号に変換する受光手段と、
    前記受光手段で得られた受光信号の位相情報を保持しながら、前記受光信号の周波数を一定量シフトしたシフト信号を生成し、このシフト信号と前記発振器で生成される前記所定の周波数の変調信号とを加えた合成信号を、レーザ光の変調信号として前記レーザ光出射手段に供給する信号処理手段と、
    前記受光手段で得られた受光信号を、前記変調信号を用いて検波することにより、前記受光信号に含まれている周波数別の位相情報を得、この周波数別の位相情報から、測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数を求める計測手段と、を有し、
    前記計測手段は、前記レーザ光出射手段によるレーザ光の出射、前記受光手段による蛍光の受光、前記信号処理手段によるシフト信号の生成及び合成信号の前記レーザ光出射手段への供給の工程を複数回繰り返した後に得られる受光信号を用いて測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数を求めることを特徴とする蛍光測定装置。
  2. 前記信号処理手段は、前記シフト信号が所定の周波数範囲内に収まるように前記周波数範囲外の信号成分を除去し、前記周波数範囲内の信号成分を透過させるバンドパスフィルタを有する請求項1に記載の蛍光測定装置。
  3. 前記信号処理手段は、前記受光信号の周波数が一定量シフトするSSB変調器を有する請求項1又は2に記載の蛍光測定装置。
  4. 前記発振器の生成する変調信号の変調周波数をf0(Hz)とし、前記受光信号の周波数を一定量シフトするシフト量をΔf(Hz)とし、測定対象物の発する蛍光の蛍光緩和時定数をτとしたとき、前記計測手段で用いられる受光信号の、周波数{f0+(m−1)・Δf}(mは1以上の整数)における位相情報αmは下記式(1)で表され、
    前記計測手段は、この位相情報αmを用いて蛍光緩和時定数τを算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光測定装置。
    Figure 2007101397
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