JP2007101349A - 多層膜反射鏡、その再生方法および露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜した際の表面粗さが小さい材料からなる剥離層を基板との間に有し、剥離層がない場合と比較して反射率が低下しない多層膜反射鏡を提供する。
【解決手段】本発明による多層膜反射鏡は、屈折率の異なる2層から成る層対(4)を基板(1)上に積み重ねた多層膜からなる。基板と層対との間に、モリブデンを含む材料からなる単層膜(3)を、単層膜の一部が層対で覆われないように成膜している。本発明の一実施形態によれば、単層膜と基板との間に、二酸化ケイ素からなる膜(2)を成膜している。
【選択図】図3
【解決手段】本発明による多層膜反射鏡は、屈折率の異なる2層から成る層対(4)を基板(1)上に積み重ねた多層膜からなる。基板と層対との間に、モリブデンを含む材料からなる単層膜(3)を、単層膜の一部が層対で覆われないように成膜している。本発明の一実施形態によれば、単層膜と基板との間に、二酸化ケイ素からなる膜(2)を成膜している。
【選択図】図3
Description
本発明は、多層膜反射鏡、その再生方法及び露光装置に関する。特には、基板の表面に物理的なダメージを与えることなく、基板表面に形成されている多層膜を剥離することのできる多層膜反射鏡等に関する。
半導体集積回路素子の微細化の一層の進展に伴い、紫外線に代わって、波長11乃至14nm程度の軟X線を使用する投影リソグラフィの開発が進められている。この技術は、最近ではEUVリソグラフィ(極端紫外線(Extreme Ultraviolet)縮小投影露光)とも呼ばれている。このEUVリソグラフィは、従来の光リソグラフィ(波長190nm程度以上)では実現不可能な、50nm以下の解像力を有するリソグラフィ技術として期待されている。
この軟X線の波長帯では、透明な物質が存在せず、物質の屈折率が1に非常に近いので、屈折を利用した従来の光学素子は使用できない。それに代わって、全反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光の位相を合わせることによりその反射光を多数重畳させて全体としては高い反射率を得る多層膜反射鏡などが使用される。
このような多層膜反射鏡においては、入射光の波長帯により、高い反射率を得るのに適した材質が異なる。例えば、13.5nm付近の波長帯では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を基板上に交互に積層したMo/Si多層膜を用いると、直入射で67.5%の反射率を得ることができる。また、11.3nm付近の波長帯では、Mo層とベリリウム(Be)層を基板上に交互に積層したMo/Be多層膜を用いると、直入射で70.2%の反射率を得ることができる。
露光装置の投影光学系に使用される多層膜反射鏡において、露光時には、多層膜表面にEUV光が照射されるため、多層膜反射鏡付近に漂っている有機残留物(例えば、排気系のオイル等)がEUV光によって分解され、多層膜表面にカーボンコンタミ(炭素汚れ)となって付着したり、多層膜表面の酸化が進んだりすることにより、多層膜表面が汚染され、反射率を低下させるという問題が生じる。
したがって、EUVリソグラフィに用いられる多層膜反射鏡は、一定期間使用した後、新しい反射鏡と交換する必要がある。このとき、傷んだ多層膜を基板表面に影響を与えることなく除去することができれば、もとの基板を再利用することができるので、多層膜を再成膜するだけで、新たな多層膜反射鏡を作製することができる。しかしながら、石英等の基板上にMo/Si多層膜を直接成膜した従来の多層膜反射鏡では、同多層膜は酸等によって除去することができない。このため、アルゴンのDCプラズマ等を利用したドライエッチングにより多層膜を除去する必要がある。この場合、基板である石英もダメージを受けてしまうので、基板表面に影響を与えることなく多層膜を除去することは困難であった。このように、従来の多層膜反射鏡では、基板を再利用することができなかった。このため、新たな多層膜反射鏡を得るには、新しい基板の作製からはじめる必要があった。基板表面は高精度で加工する必要があるため、新しい基板の作製には、多大な時間と労力を要した。
様々な理由で反射率が低下したMo/Si多層膜を基板にダメージを与えることなく剥離し、再度基板に多層膜を成膜することを可能にする技術として、多層膜と基板の間に銀の薄膜を成膜する多層膜反射鏡が提案されている(たとえば、特許文献1)。この技術では、何らかの理由により多層膜の反射率が低下し、それが回復不能と判断した場合には基板をフッ酸を含まない酸溶液に浸漬し、基板とMo/Si多層膜の間に存在する銀の膜を溶かすことによって多層膜を剥離する。基板が石英基板であれば、剥離時に基板はダメージを受けず、再度多層膜を成膜することによって高反射率の多層膜反射鏡が得られる。したがって、多層膜反射鏡用基板を最初から製造する必要はなく、剥離と多層膜の成膜を行うだけで良い。
したがって、EUVリソグラフィに用いられる多層膜反射鏡は、一定期間使用した後、新しい反射鏡と交換する必要がある。このとき、傷んだ多層膜を基板表面に影響を与えることなく除去することができれば、もとの基板を再利用することができるので、多層膜を再成膜するだけで、新たな多層膜反射鏡を作製することができる。しかしながら、石英等の基板上にMo/Si多層膜を直接成膜した従来の多層膜反射鏡では、同多層膜は酸等によって除去することができない。このため、アルゴンのDCプラズマ等を利用したドライエッチングにより多層膜を除去する必要がある。この場合、基板である石英もダメージを受けてしまうので、基板表面に影響を与えることなく多層膜を除去することは困難であった。このように、従来の多層膜反射鏡では、基板を再利用することができなかった。このため、新たな多層膜反射鏡を得るには、新しい基板の作製からはじめる必要があった。基板表面は高精度で加工する必要があるため、新しい基板の作製には、多大な時間と労力を要した。
様々な理由で反射率が低下したMo/Si多層膜を基板にダメージを与えることなく剥離し、再度基板に多層膜を成膜することを可能にする技術として、多層膜と基板の間に銀の薄膜を成膜する多層膜反射鏡が提案されている(たとえば、特許文献1)。この技術では、何らかの理由により多層膜の反射率が低下し、それが回復不能と判断した場合には基板をフッ酸を含まない酸溶液に浸漬し、基板とMo/Si多層膜の間に存在する銀の膜を溶かすことによって多層膜を剥離する。基板が石英基板であれば、剥離時に基板はダメージを受けず、再度多層膜を成膜することによって高反射率の多層膜反射鏡が得られる。したがって、多層膜反射鏡用基板を最初から製造する必要はなく、剥離と多層膜の成膜を行うだけで良い。
しかし、多層膜剥離のために成膜した銀の膜の表面は粗さが大きくなる傾向がある。銀を成膜した場合、膜は島状成長をするため、厚さ40nm程度の薄い膜でも1nmrms以上の粗さとなる。このように粗さの大きな表面にMo/Si多層膜を成膜した場合、EUV領域での反射率は、たとえば、表面粗さが0.2nmrmsである通常のEUV光学系用研磨基板に成膜した場合に比べて低下してしまう。このような問題があるため、多層膜の剥離のために基板と多層膜の間に成膜する膜(剥離層)の材料としては、成膜した際に表面粗さが小さい材料が望ましい。
したがって、成膜した際の表面粗さが小さい材料からなる剥離層を基板との間に有し、剥離層がない場合と比較して反射率が低下しない多層膜反射鏡が求められていた。
したがって、成膜した際の表面粗さが小さい材料からなる剥離層を基板との間に有し、剥離層がない場合と比較して反射率が低下しない多層膜反射鏡が求められていた。
本発明による多層膜反射鏡は、屈折率の異なる2層から成る層対を基板上に積み重ねた多層膜からなる。基板と層対との間に、モリブデンを含む材料からなる単層膜を、単層膜の一部が層対で覆われないように成膜している。
本発明による多層膜反射鏡においては、露出しているモリブデンを含む材料からなる単層膜を混合酸溶液によって溶解させることによって、屈折率の異なる2層から成る層対を基板から剥離することができる。したがって、基板を作製し直すことなく多層膜反射鏡を再生することができる。また、モリブデンを含む材料からなる単層膜は、表面粗さが小さいので、当該単層膜上に層対を成膜して作製した多層膜反射鏡の反射率は、低下しない。
本発明によれば、基板を作製し直すことなく再生することができる多層膜反射鏡が得られる。しかも、表面粗さが小さいモリブデンを含む材料からなる単層膜上に層対を成膜して多層膜反射鏡を作製するので、多層膜反射鏡の反射率が低下することはない。
図1は、本発明の一実施形態による多層膜反射鏡の構成を示す。
基板1は、EUVリソグラフィの投影光学系に用いるために低熱膨張ガラスを高精度に研磨したものである。この基板1の反射面には、厚さ2nmの二酸化ケイ素(SiO2)膜2と厚さ5nmのモリブデン単層膜3と周期長(1層対の厚さ)6.9nmの複数のモリブデン/シリコン(Mo/Si)層対4が成膜されている。モリブデン単層膜3が成膜された領域は、Mo/Si層対4が成膜されている領域よりも一回り大きく、層対成膜領域の周囲には約2mmの幅でモリブデン単層膜3が露出している。また、SiO2膜2が成膜された領域は、モリブデン単層膜3が成膜されている領域よりも一回り大きく、モリブデン単層膜成膜領域の周囲にはSiO2膜2が露出している。
基板1は、EUVリソグラフィの投影光学系に用いるために低熱膨張ガラスを高精度に研磨したものである。この基板1の反射面には、厚さ2nmの二酸化ケイ素(SiO2)膜2と厚さ5nmのモリブデン単層膜3と周期長(1層対の厚さ)6.9nmの複数のモリブデン/シリコン(Mo/Si)層対4が成膜されている。モリブデン単層膜3が成膜された領域は、Mo/Si層対4が成膜されている領域よりも一回り大きく、層対成膜領域の周囲には約2mmの幅でモリブデン単層膜3が露出している。また、SiO2膜2が成膜された領域は、モリブデン単層膜3が成膜されている領域よりも一回り大きく、モリブデン単層膜成膜領域の周囲にはSiO2膜2が露出している。
モリブデン単層膜3は、5nmの厚さであっても基板1の表面を確実に覆う。モリブデン単層膜3の厚さを厚くしすぎると表面粗さが大きくなる。
ここで、5nmの厚さのモリブデン単層膜3の表面粗さは、一例として、0.2nmrsである。
図2は、上記の多層膜の断面の模式図を示す。複数のMo/Si層対4は、単一の層対41が複数個重ねられたものである。
図2は、上記の多層膜の断面の模式図を示す。複数のMo/Si層対4は、単一の層対41が複数個重ねられたものである。
図3は、上記の多層膜の基板周縁部の断面の模式図を示す。SiO2膜2は、基板1の反射面全域を覆うようにしてもよい。
上記のような多層膜は、たとえば、以下の手順によって成膜する。まず、基板1の表面にSiO2膜2を成膜する。つぎに、SiO2膜2の外側の縁を治具で覆い、モリブデン単層膜3を成膜する。この結果、治具で覆われたSiO2膜2の外側の縁には、モリブデン単層膜3は成膜されない。つぎに、SiO2膜2およびモリブデン単層膜3の外側の縁を治具で覆い、複数のMo/Si層対4を成膜する。この結果、治具で覆われたSiO2膜2およびモリブデン単層膜3の外側の縁には、複数のMo/Si層対4は成膜されない。
多層膜反射鏡は、図7に示したようなEUV露光装置の投影光学系37の反射鏡M1乃至M6として、半導体回路パターンの露光に用いられる。露光装置については後で説明する。微量の残留水分子が存在する真空チェンバ内で大きな光子エネルギー(〜100eV)を有するEUV光が照射されるため、反射鏡M1乃至M6の表面は徐々に酸化される。表面の酸化により反射鏡M1乃至M6の反射率は徐々に低下し、露光装置としての処理能力も低下する。多層膜表面の酸化による反射率の低下を回復することは困難であるため、処理能力が許容範囲を超えて低下した場合、この反射鏡M1乃至M6の一部または全部を露光装置から取り出し、多層膜反射鏡の再生をおこなう。
多層膜反射鏡は、図7に示したようなEUV露光装置の投影光学系37の反射鏡M1乃至M6として、半導体回路パターンの露光に用いられる。露光装置については後で説明する。微量の残留水分子が存在する真空チェンバ内で大きな光子エネルギー(〜100eV)を有するEUV光が照射されるため、反射鏡M1乃至M6の表面は徐々に酸化される。表面の酸化により反射鏡M1乃至M6の反射率は徐々に低下し、露光装置としての処理能力も低下する。多層膜表面の酸化による反射率の低下を回復することは困難であるため、処理能力が許容範囲を超えて低下した場合、この反射鏡M1乃至M6の一部または全部を露光装置から取り出し、多層膜反射鏡の再生をおこなう。
図4は、多層膜反射鏡の再生方法を示す流れ図である。ステップS010において、単層膜3を溶解して、層対4を基板1から剥離する。ステップS020において、基板上に新しい単層膜を成膜する。ステップS030において、新しい単層膜上に、新しい層対を新しい単層膜の一部が新しい層対で覆われないように成膜する。
次に、上記のステップS010について、さらに詳細に説明する。
図5は、液留め用治具を取り付けた基板の断面を示す図である。層対4を剥離する場合には、図5に示すように液溜め用の治具11を固定具(不図示)によって基板1に取り付けて成膜領域付近のみをモリブデン単層膜溶解用の混合酸溶液21に浸す。基板において多層膜成膜がなされていない領域(側面および裏面など)には、露光装置内に変形なく多層膜反射鏡を設置するための保持機構や各種モニタ機構(不図示)が取り付けられている。液溜め用治具11は、これらの部分に酸溶液が接しないように取り付けられている。
図5は、液留め用治具を取り付けた基板の断面を示す図である。層対4を剥離する場合には、図5に示すように液溜め用の治具11を固定具(不図示)によって基板1に取り付けて成膜領域付近のみをモリブデン単層膜溶解用の混合酸溶液21に浸す。基板において多層膜成膜がなされていない領域(側面および裏面など)には、露光装置内に変形なく多層膜反射鏡を設置するための保持機構や各種モニタ機構(不図示)が取り付けられている。液溜め用治具11は、これらの部分に酸溶液が接しないように取り付けられている。
図6は、液留め用治具11を取り付けた、多層膜反射鏡の基板周縁部の断面の模式図である。液留め用治具11は、SiO2膜2が露出している基板1の周縁部に取り付けてもよい。SiO2膜2、モリブデン単層膜3および複数のMo/Si層対4が、混合酸溶液21に浸される。SiO2膜2は、混合酸溶液21から基板1を保護する。モリブデン単層膜3は、混合酸溶液21に溶解して、複数のMo/Si層対4を基板から剥離させる。
モリブデン単層膜3がMo/Si層対4の周囲に露出している部分からエッチングが進み、モリブデン単層膜3が溶解する。
混合酸溶液21は、たとえば、リン酸70乃至80%、硝酸1乃至10%および酢酸2乃至12%を混合したものである。このような組成の混合酸溶液は、モリブデン単層膜(剥離層)を溶解する。
剥離時には、反応速度を速めるために混合酸溶液21の液温が35℃(常温に対し10度高い温度)になるように制御する。混合酸溶液21の温度が高すぎると基板1の不加逆的な変形が生じるので、目標温度は35℃とする。
混合酸溶液21は、たとえば、リン酸70乃至80%、硝酸1乃至10%および酢酸2乃至12%を混合したものである。このような組成の混合酸溶液は、モリブデン単層膜(剥離層)を溶解する。
剥離時には、反応速度を速めるために混合酸溶液21の液温が35℃(常温に対し10度高い温度)になるように制御する。混合酸溶液21の温度が高すぎると基板1の不加逆的な変形が生じるので、目標温度は35℃とする。
混合酸溶液21の液温を制御するには、混合酸溶液21の中にヒータと温度検出器を入れてフィードバック制御を行ってもよい。また、外部に溶液の温度を一定に制御する装置を設け、混合酸溶液21がこの装置を通過して循環するようにしてもよい。
剥離層(モリブデン単層膜)3が溶解し、層対4が基板1から離れた状態になった後、液溜め用治具11内の混合酸溶液21を純水で十分に置換する。純水を流し去った後に基板1の表面をアルコールで拭き上げる。このようにして、層対を除去することができる。
また、低熱膨張ガラス基板1は石英基板の場合と違い、酸によってわずかながらダメージを受ける可能性があるが、酸によって変化しないSiO2膜2が基板1の表面に2nmの厚さで成膜されているため、基板1はダメージを受けない。
このように、Mo/Si層対を剥離した基板1に再度、モリブデン単層膜およびMo/Si層対を成膜することにより、高い反射率を有する多層膜反射鏡を、短時間で得ることができる。
なお、本実施例ではモリブデン単層膜を剥離層として用いたが、単層膜をモリブデン合金により構成しても良い。合金化することにより、モリブデンの微結晶粒の成長は抑えられ、膜表面の粗さは低減する。例えば、ルテニウムを10%程度含む合金では、膜表面の粗さが低減すると同時に、ルテニウムの含有割合が低いために混合酸による溶解も可能である。
本実施例においては、モリブデン層の厚さは5nmとしたが、厚さはこれに限るものではなく、表面粗さが増大せず、かつ、成膜したMo/Si多層膜の剥離がおこなえる厚さであればよい。
剥離層(モリブデン単層膜)3が溶解し、層対4が基板1から離れた状態になった後、液溜め用治具11内の混合酸溶液21を純水で十分に置換する。純水を流し去った後に基板1の表面をアルコールで拭き上げる。このようにして、層対を除去することができる。
また、低熱膨張ガラス基板1は石英基板の場合と違い、酸によってわずかながらダメージを受ける可能性があるが、酸によって変化しないSiO2膜2が基板1の表面に2nmの厚さで成膜されているため、基板1はダメージを受けない。
このように、Mo/Si層対を剥離した基板1に再度、モリブデン単層膜およびMo/Si層対を成膜することにより、高い反射率を有する多層膜反射鏡を、短時間で得ることができる。
なお、本実施例ではモリブデン単層膜を剥離層として用いたが、単層膜をモリブデン合金により構成しても良い。合金化することにより、モリブデンの微結晶粒の成長は抑えられ、膜表面の粗さは低減する。例えば、ルテニウムを10%程度含む合金では、膜表面の粗さが低減すると同時に、ルテニウムの含有割合が低いために混合酸による溶解も可能である。
本実施例においては、モリブデン層の厚さは5nmとしたが、厚さはこれに限るものではなく、表面粗さが増大せず、かつ、成膜したMo/Si多層膜の剥離がおこなえる厚さであればよい。
図7は、本発明による多層膜反射鏡を使用した露光装置の構成を示す図である。
光源31から放出されたEUV光は、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなるオプティカルインテグレータ35に入射する。
こうして、フライアイミラー35bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は平面反射鏡36により偏向された後、マスクM上に細長い円弧状の照明領域を形成する。ここで、円弧状の照明領域を形成するための開口板は、図示していない。マスクMの表面で反射された光は、その後、投影光学系37の多層膜反射鏡M1、M2、M3、M4、M5、M6で順に反射されて、露光光101として、マスクMの表面に形成されたパターンの像を、ウエハ102上に塗布されたレジスト103上に形成する。
光源31から放出されたEUV光は、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなるオプティカルインテグレータ35に入射する。
こうして、フライアイミラー35bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は平面反射鏡36により偏向された後、マスクM上に細長い円弧状の照明領域を形成する。ここで、円弧状の照明領域を形成するための開口板は、図示していない。マスクMの表面で反射された光は、その後、投影光学系37の多層膜反射鏡M1、M2、M3、M4、M5、M6で順に反射されて、露光光101として、マスクMの表面に形成されたパターンの像を、ウエハ102上に塗布されたレジスト103上に形成する。
1…基板、2…二酸化ケイ素膜、3…モリブデン単層膜、4…層対
Claims (8)
- 屈折率の異なる2層から成る層対を基板上に積み重ねた多層膜からなる多層膜反射鏡であって、基板と層対との間に、モリブデンを含む材料からなる単層膜を、単層膜の一部が層対で覆われないように成膜した多層膜反射鏡。
- 屈折率の異なる2層がモリブデンを含む層とシリコンを含む層である請求項1に記載の多層膜反射鏡。
- モリブデンを含む材料がモリブデンである請求項1または2に記載の多層膜反射鏡。
- モリブデンを含む材料がモリブデン合金である請求項1または2に記載の多層膜反射鏡。
- モリブデンを含む材料がモリブデン・ルテニウム合金である請求項1または2に記載の多層膜反射鏡。
- 前記単層膜と前記基板との間に、二酸化ケイ素からなる膜を成膜した請求項1から5のいずれかに記載の多層膜反射鏡。
- 請求項1から6のいずれかに記載の多層膜反射鏡を再生する方法であって、
2種以上の酸の混合物を使用して前記単層膜を溶解して、前記層対を前記基板から剥離させるステップと、
前記基板上にモリブデンを含む材料からなる新しい単層膜を成膜するステップと、
新しい単層膜上に、屈折率の異なる2層から成る新しい層対を新しい単層膜の一部が新しい層対で覆われないように成膜するステップとを含む方法。 - 請求項1から6のいずれかに記載の多層膜反射鏡を使用した縮小投影露光装置。
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