JP2007100412A - 張り出し歩道の構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】張り出し歩道の構築を、少ない工数で、しかも短い工期で施工できるようにする。
【解決手段】地盤に接地する基礎部4に床版受け部5を一体状に張り出し状に設けた土台部材1と、この土台受け部材の床版受け部に固着され、土台受け部材とは別体構成にした床版2とからなり、地盤に接地状態の隣接する基礎部相互を連結装置3にて連結するようにした。
【選択図】図10

Description

本発明は、道路の側方に張り出し状に歩道を形成するための張り出し歩道の構造体に関するものである。
山間部、内海沿岸、湖水際等の道幅の狭い道路の側部に歩道部分を張り出し状に設けるようにした張り出し歩道が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の張り出し歩道は、地盤側に支持される土台部本体と、この土台部本体に一体連接されて横方向に張り出す張り出し土台とを含む単位土台を複数併設して組土台部を形成し、この組土台部の複数の張り出し土台ごとの上面側に1枚の歩道板を載置固定し、さらに隣接する各単位土台間に排水用空隙を形成するようにし、少なくとも張り出し土台には縦支持部が設けられた構造になっている。そして上記組土台部を構成する単位土台の相互は連結鉄筋で連係すると共に、この各単位土台の間にコンクリート等を充填して単位土台の相互を固定するようになっている。
特開2005−97999号公報
上記した従来の張り出し歩道は、1枚の歩道板が複数の土台部材で支持される構成であるため、1枚の歩道板に対して多くの土台部材を地盤上に設置しなければならず、しかもこの各土台部材の設置には、これの1個1個の間隔や姿勢をある程度正確に並べなければならないため、これのそれぞれに大きな重量を有することに相俟って大変な工数を必要としていた。
また上記多数の土台部材相互の結合は、これらの相互を鉄筋等で係合してから、これらの間に目地材としてコンクリート等を充填して行わなければならず、これの施工工数が多くかかると共に、上記コンクリート等の養生にも時間がかかることにより工事期間が長くなってしまうという問題もあった。
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、土台部材と歩道板とを別体にした張り出し歩道の構造体において、1枚の歩道板に対して1個の土台部材を用い、しかも土台部材の相互をコンクリート等を用いることなく結合できるようにして張り出し歩道の構築を少ない工数で、しかも短い工期で施工できるようにした張り出し歩道の構造体を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る張り出し歩道の構造体は、地盤に接地する基礎部に床版受け部を一体状に張り出し状に設けた土台部材と、この土台受け部材の床版受け部に固着され、土台受け部材とは別体構成にした床版とからなり、地盤に接地状態の隣接する基礎部相互を連結装置にて連結するようにした構成になっている。
そしてこのような構成において、床版受け部に対する床版の固着位置を、床版受け部の上面に沿って可変にし、また床版受け部をフォーク状にした。
本発明によれば、1枚の床版に対して1個の土台部材を用い、しかも地盤に並べて設置したこの各土台部材の相互をコンクリート等を用いることなしに連結装置にて連結できることにより、張り出し歩道の構築を少ない工数で、しかも短い工期で施工することができる。
そして本発明によれば、床版受け部に対する床版の固着位置を可変にしたことにより、張り出し歩道の構造体の設置において、各構造体の床版部分の微妙な位置合わせを、重量が小さいこの床版の位置合わせにより行うことができ、従来の基礎部と床版が一体状になっている重量が大きな構造体に比較して張り出し歩道の施工が容易になる。
また、上記床版を固着する部分である床版受け部をフォーク状にしたことにより、構造体全体の重量の低減を図ることができる。
本発明に係る張り出し歩道の構造体は、コンクリートにて形成された土台部材1と、これと別体構成の歩道用の床版2と、隣接する土台部材1の相互を連結する連結装置3とからなっている。
図1から図4は土台部材1を示すもので、この土台部材1は、基礎部4と、この基礎部4の長さ方向一方側に一体状に張り出し状に設けられる床版受け部5とからなり、この床版受け部5の上面は、基礎部4の上面に対し段状に高くなっていると共に、これの先端側はフォーク状になっている。そしてこの床版受け部5の上面の複数位置に床版2を取り付けるためのナット部材6がインサートされている。
基礎部4の幅方向中央には、一端が上記床版受け部5の段部に突き当たり形成された補強リブ7が長手方向に設けてある。またこの基礎部4の幅方向両側に上記連結装置3が設けられる複数の切欠き凹部8が設けてあり、それぞれにナット部材9がインサートされている。
土台部材1の床版受け部5の基部における幅方向両側に柱状突起10が上下方向に設けてある。そして土台部材1の基礎部4及び床版受け部5のそれぞれの両面は図2に示すように、突起10を有する部分からそれぞれの先端側に向けて幅が狭くなるようにテーパ状に傾斜されていて、イメージ的にはそれぞれの先端側が狭くなるようにした扇状になっている。基礎部4の下面は、床版受け部の基部の下面にわたって平面状になっている。そして床版受け部5の下面側基部は、これの立ち上がり部の壁厚が薄くなる方向にえぐられており、この部分に補強リブ11が上下方向に設けてある。
図5は床版2を示すもので、この床版2は上記土台部材1の床版受け部5の幅と略同一の幅を有して、平面形状が床版受け部5の上面に乗るよう長方形になっている。そしてこれの下面は平面状になっており、また上面も平面になっているが、先端部の幅方向に縁石部12が突設していて、この部分に柵用のポールを立設するポール用穴13が設けてある。また上面の平面部には、上記土台部材1の床版受け部5のナット部材6に対応する位置に凹部14が設けてあり、この各凹部14の底部に、図6に示すように上記床版受け部5のナット部材6に螺合するボルト15が貫通するボルト孔16が設けてある。このボルト貫通孔16はボルト径より十分大きくなっていて、このボルト孔16の座面に座金15aが介装される。
床版2の幅方向両側辺の一方には、下面側を切欠いた切欠き17が、また他方にはこの切欠き17に係合する形状にした凸部18がそれぞれ全長にわたって設けてある。またこの床版2の幅方向両側部の上面には、側辺側に開放された座部19が、それぞれ長手方向に離隔して複数、例えば2つずつ設けてある。
図7から図9は隣接する土台部材1,1を連結する連結装置3の構成を示すものであり、この連結装置3は土台部材1の基礎部4に設けた凹部8にインサートしたナット部材9に締め付けられるボルト20と、このボルト20が貫通する長孔状の空間を有する連結具21と、この連結具21の上下両側に介装する座金部材22,23とからなっている。
連結具21は図に示すように、棒材をリング状に連結したもののほかに、長方形の板材を長孔状に打ち抜いた構成にしたものを用いてもよい。
上記構成の張り出し歩道の施工手順を図10以下を参照して以下に説明する。
まず道路の整地した路肩部24に沿って多数個の土台部材1を、これの基礎部4を置いて設置する。このとき道路が直線状である場合には、これの両側に突設した柱状突起10の相互を当接させてそれぞれ平行に並べる。
ついでこの図10では図示してないが、隣接する土台部材1の基礎部4の相互を図8、図9に示すように連結装置3にて連結する。このときの連結装置3は、各基礎部4の切欠き凹部8にインサートしたナット部材9に螺合するボルト20が、連結具21の上下に座金部材22,23を介装してこれの長孔状の空間の各端部に貫挿し、この部分を座金部材22,23を介して押さえることにより取り付けられる。このとき、連結具21の長孔部の長さを、両ボルト20間に間隔に応じて長くしておくことにより、基礎部4の設置間隔の変化に対応することができる。また、この連結具21は長さの異なるものを数種類用意しておいてもよい。
次に、図10に示したようにして路肩部24に設置した各土台部材1の床版受け部5に床版2を載置し、これに設けた凹部14のボルト孔16に座金15aを用いてボルト15を挿通して、これを床版受け部5に設けたナット部材6に螺合することにより、この床版2を床版受け部5に固定する。
このときにおいて、床版2に設けたボルト孔16が、これに貫通するボルト15の径より十分大きくしてあることにより、床版受け部5に対する床版2の固定位置はその余裕分だけ自由度を有し、横方向に位置移動可能になっている。
このとき、隣接する床版2の相互の対向辺は切欠き17と凸部18とにて係合される。
その後、各土台部材1の基礎部4相互を連結する連結装置3の部分及び床版2を固定するボルト15の部分の凹部14にモルタルを充填する。また、床版2の相互間に切欠き17と凸部18との係合において、床版2の相互の端面が密に当接しないで、この部分に隙間が生じている場合には、この隙間にもモルタルを充填する。このとき、この部分の下部では切欠き17と凸部18が係合していることにより、このモルタルが下方へ抜け落ちることがない。
上記した施工は直線状の道路の場合であるが、土台部材1の基礎部4の平面形状が先端側が狭い扇状になっているので、この基礎部4を互いに近づけることにより、図11に示すような外側が凸となるカーブ状に施工することができる。なお、この実施状態を示す図11及び外側が凹となるカーブ状の状態を示す図13では、各土台部材1の基礎部4を連結する連結装置3の図示を省略した。
このとき、各土台部材1の床版受け部5に固定される床版2の相互間には図11にて示すように互いに離隔してくさび状の隙間が生じてしまう。このため、この床版2の間の隙間に充填するモルタルは下方へ抜け落ちてしまう。これを防止するために、図11、図12に示すように、この床版2間の隙間の下側に下支え板25を沿わせて固定手段26にて固定し、この下支え板25の上にモルタルを充填する。
この下支え板25を固定する固定手段26は、隣接する床版2,2の座部19,19に両端を乗せて座部間に支え部材27を渡し、この支え部材27に貫通したボルト28の先端にて上記下支え板25を支持して、この下支え板25が支え部材27とボルト28にて吊り下げ支持されるようになっている。上記支え部材27は、隣接する床版2相互の間隔の大小により長さが異なるものを用いる。
図13は外側が凹となるカーブ状に施工する場合で、この場合には土台部材1の基礎部4が扇状に離隔され、各床版2間の隙間は上記外側が凸となるカーブ状とは逆向きのくさび状の隙間ができる。この場合も上記の場合と同様に、この隙間の下側に固定手段26にて下支え板25を固定する。
なお、この場合は上記したように土台部材1の基礎部4の相互の間隔は広くなるため、これの相互を連結する連結装置3の連結具21はこれに応じて長いものを用いる。
上記のようにして床版受け部5に床版2を固定した状態の土台部材1が道路の路肩部24に設置した後に、基礎部4の上面に砕石や土砂を載せて展圧する。この部分の重量が床版2に作用する歩道荷重に対応される。
土台部材を示す斜視図である。 土台部材を示す平面図である。 土台部材を示す側面図である。 土台部材を示す背面図である。 床版を示す斜視図である。 床版の取付け構成を示す断面図である。 連結装置を示す分解斜視図である。 連結装置を示す平面図である。 図8のA−A断面図である。 張り出し歩道の構造体の施工状態を示す分解斜視図である。 外側が凸となるカーブ状に施工する場合を示す平面図である。 図11のB−B拡大断面図である。 外側が凹となるカーブ状に施工する場合を示す平面図である。
符号の説明
1…土台部材、2…床版、3…連結装置、4…基礎部、5…床版受け部、6,9…ナット部材、7,11…補強リブ、8…切り欠き凹部、10…柱状突起、12…縁石部、13…ポール用穴、14…凹部、15,20,28…ボルト、15a…座金、16…ボルト孔、17…切り欠き、18…凸部、19…座部、21…連結具、22,23…座金部材、24…路肩部、25…下支え板、26…固定手段、27…支え部材。

Claims (3)

  1. 地盤に接地する基礎部に床版受け部を一体状に張り出し状に設けた土台部材と、この土台受け部材の床版受け部に固着され、土台受け部材とは別体構成にした床版とからなり、地盤に接地状態の隣接する基礎部相互を連結装置にて連結するようにしたことを特徴とする張り出し歩道の構造体。
  2. 床版受け部に対する床版の固着位置を、床版受け部の上面に沿って可変にしたことを特徴とする請求項1記載の張り出し歩道の構造体。
  3. 床版受け部をフォーク状にしたことを特徴とする請求項1または2記載の張り出し歩道の構造体。

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