JP2007099656A - 保湿用の液状化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為に有用な化粧料を提供する。
【解決手段】 次に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料を提供する。(抱水性の液状油性成分)ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)またはPCAラウリルまたはPCAジメチコン
前記抱水性の液状油性成分として、ダイマー酸とダイマージオールとのエステルとPCAオレイン酸グリセリルとをともに含むことが好ましく、前記抱水性の液状油性成分の含有量が、化粧料全量に対して、総量で0.005〜1質量%であることを特徴とする。環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為の化粧料であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、保湿用の液状化粧料に関する。
現代は過剰なストレスの時代と言われており、景気の低迷などの社会状況の影響もあり、過剰に負荷されたストレスから自殺する人の数は、既に交通事故で死亡する人の数を上回っている。この様な過負荷ストレスは、肌の状態にも影響を及ぼすことが知られており、かかる皮膚機能の損失を、ストレスを緩和することにより改善するための種々の有効成分が開発されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照)しかしながら、この様な成分のみでは、実際に損なわれた機能が回復するまでは、皮膚の状態は損傷されたままの状態であり、刺激による炎症反応を起こしやすく、これが改悪原因ともなるので、その効果を奏するまでにかなりの時間が必要であった。その意味、前記の対処では十分とは言い難い面が存した。
一方、ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)またはPCAラウリルまたはPCAジメチコンは何れも化粧料の原料であり、このものを化粧料に配合する技術は既に知られている。(例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照)しかしながら、これらを含有するマイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料は全く知られていないし、その様な液状化粧料が環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為に有用であることも全く知られていない。
特開2004−339113号公報 特開2004−238297号公報 特開2004−75619号公報 特開2004−51637号公報 特開2003−81868号公報 特開2004−174494号公報 特開2001−279129号公報 特開平7−69827号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為に有用な化粧料を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為に有用な化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル乃至は(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)を含有する、マイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)またはPCAラウリルまたはPCAジメチコン
(2)前記抱水性の液状油性成分として、ダイマー酸とダイマージオールとのエステルとPCAオレイン酸グリセリルとをともに含むことを特徴とする、(1)に記載の液状化粧料。
(3)前記抱水性の液状油性成分の含有量が、化粧料全量に対して、総量で0.005〜1質量%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の液状化粧料。
(4)環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為の化粧料であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の液状化粧料。
(5)前記環境ストレスが、過度の心理的ストレス、過度の寝不足、労働におけるジェンダーストレス、過度のエアコンディショニングによるものであることを特徴とする、(4)に記載の液状化粧料。
(6)環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する作用を有する旨の表示を有することを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料。
本発明によれば、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為に有用な化粧料を提供することができる。
本発明の化粧料は、下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料であることを特徴とする。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)またはPCAラウリルまたはPCAジメチコン
ここで、ダイマー酸とダイマージオールのエステルを構成する、ダイマー酸は不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、かかるダイマー酸には、例えばユニケマ社製のPRIPOL1006、同1009、同1015、同1025等の様に市販されているものも存する。本発明の化粧料の必須成分である、ダイマー酸とダイマージオールとのエステルを構成する、この様なダイマー酸ユニットの内で特に好ましいものは、リノール酸をダイマー化したダイマージリノール酸である。
ダイマー酸とダイマージオールとのエステルを構成する、もう一方のダイマージオールは、ダイマー酸に、接触還元触媒の存在下、水素添加を行い、カルボキシル基を水酸基に変換した化合物であり、このようなダイマージオールとしては、ユニケマ社のPRIPOL2033等の様な市販品も存する。特に好ましいダイマー酸としては前記ダイマージリノール酸を還元して得られるダイマージリノレイルアルコールである。
前記ダイマー酸と前記ダイマージオールとを常法に従いエステル化することにより、本発明の化粧料の必須成分である、ダイマー酸とダイマージオールのエステルは製造することが出来る。この様なダイマー酸とダイマージオールのエステルの中で特に好ましいものは、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルであり、この様な構造のものには既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することも出来る。ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルの市販品としては、日本精化株式会社製の「ラスプランDD−DA7」が好ましく例示できる。
N−アシルグルタミン酸のジエステルとしては、アシル基が炭素数10〜18のものであって、ジエステルを構成するアルキル基又はアルケニル基は、炭素数6〜30のものが好ましく、具体的には、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチル/コレステリル)が特に好ましく例示できる。
(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリルとしては、前記脂肪酸が炭素数12〜24のものが好ましく、具体的にはラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、オレイン酸残基、イソステアリン酸残基のものが好ましい。特に好ましいものはオレイン酸残基である。この様な(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリルには市販品も存し、かかる市販品を購入して利用することが出来る。好ましい市販品としては、太陽化学株式会社製のアミグリP30V((ピロリドンカルボン酸/オレイン酸)グリセリル)が好ましく例示できる。
本発明の液状化粧料に於いて、かかる抱水性の液状油性成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかる成分は肌内部に「うるおいを抱える膜」を形成させる効果を有する。この様な効果を奏するためには、かかる成分の量は、化粧料全量に対して、総量で0.005〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%である。更に、肌内部に到達する必要性もあることから、製剤設計としては、肌内部に浸透しやすい剤形とすることが好ましく、具体的には、粘度1000〜4000mPsのマイクロエマルション製剤とすることが好ましい。ここで、マイクロエマルション製剤としては、ミセルの平均粒子径が1μm以下の半透明を呈する形態のミセルの存在形態を意味する。この様なマイクロエマルションは、予め、油相と水相の一部をマイクロフルイダイザーや、エクストルーダー、高圧ホモジナイザーなどの高負荷混合装置で混合することにより製造することが出来る。高率から勘案すれば、マイクロフルイダイザーを用いてマイクロエマルションを製造することが特に好ましい。
本発明の化粧料に於いては、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、米胚芽油、月見草油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの成分の内、特に好ましい形態は、化粧料がホホバ油、米胚芽油及び月見草油を含有する形態である。これはこの三種の油性成分の組合せが、三種の化粧料の必須構成要素と相溶性が高く、かかる成分を含有することにより、三層のエモリエント膜構造が上下強固に連結されるためである。この様な形態になるためには、ホホバ油、米胚芽油及び月見草油は等量乃至はこの三種の内で最も少ない成分の倍量をそれぞれ0.05〜5質量%含有することが好ましい。含有においてはマイクロエマルションの形態で含有することが好ましい。
斯くして得られた、本発明の液状化粧料は、皮膚に油性成分の保湿バリア層を築き、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する作用を有する。この様な目的で実施する場合には、その使用態様を明確にするために、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する作用を有する旨の表示を製品形態に掲げることが好ましい。
以下に、本発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもないことである。
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料を製造した。
即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの1質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハの99質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、攪拌冷却して粘度1250mPsの液状化粧料1を得た。このものの乳化粒子の大きさは平均粒径が0.8μmであった。
(イ)
水 16.4質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
(ロ)
ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリル 1 質量%
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル 1 質量%
ホホバ油 1 質量%
米胚芽油 1 質量%
月見草油 1 質量%
スクワラン 60 質量%
ベヘン酸 5 質量%
ステアリン酸 5 質量%
(ハ)
水 84.5質量部
エタノール 8 質量部
グリセリン 2.5質量部
1,3−ブタンジオール 3 質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量部
(アクリル酸/アクリル酸アルキル)コポリマー 0.1質量部
(「カーボポール1382」グッドリッチ社製)
フェノキシエタノール 0.5質量部
本発明の化粧料である液状化粧料1の効果を、ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリルとダイマージリノール酸ダイマージリノレイルをスクワランに置換した比較例1(粘度1100mPs;平均乳化粒子径0.7μm)と、液状化粧料1の製造過程に於いてマイクロフルイダイザーを用いずに通常の反転乳化法で乳化して製造した比較例2(粘度1950mPs;平均乳化粒子径13μm)ラウリル硫酸ナトリウム5%水溶液で損傷した皮膚のTEWLの変化を測定して調べた。損傷はラウリル硫酸ナトリウムを3時間貼付し行った。貼付後部位を温水を含浸した脱脂綿で拭い、ラウリル硫酸ナトリウムを除去し、10分静置した後にTEWLをTewameter(Courage-Khazaaka electronic GmbH, Cologne, Germany製)で測定した。化粧料で順次処理し、再びTEWLを計測した。計測後クレンジング料、洗顔料で化粧料を除去し、TEWLの値が元に戻っているのを確認し、同様に他の化粧料の評価を行った。結果を表1に示す。これより、本発明の液状化粧料は、優れた保湿効果を有し、以てTEWL(経皮的水分散逸)が低いことが判る。
Figure 2007099656
上記の液状化粧料1、比較例1、比較例2を用いて、肌状態が悪くて、且つ、ストレスを感じている人をパネラーにして2週間の試用テストを行った。社内の公募で集まった、肌状態が悪くて、且つ、ストレスを感じている人は12人で、この12人を3群に分けた。1群は液状化粧料1を、1群は比較例1を、1群は比較例2を2週間連日朝晩2回投与してもらった。2週間後にアンケートで肌状態に改善があったか無いかと、ストレスによる心理的圧迫感の変化があったか無いかを答えてもらった。結果を表2に示す。本発明の化粧料は、肌状態を改善するとともに、ストレスによる心理的圧迫感を軽減していることが判る。
Figure 2007099656
実施例1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である液状化粧料2(粘度1450mPs;平均粒径0.8μm)を作成した。このものを実施例1のTEWLへの変化と同様の手技で評価した。結果はコントロールが52だったものが、処置後32に減った。これより、同様の効果が存するものと思われるが、ホホバ油、米胚芽油及び月見草油を含有する形態の方が好ましいことが推察される。
(イ)
水 16.4質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
(ロ)
ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリル 1 質量%
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル 1 質量%
米胚芽油 1.5質量%
月見草油 1.5質量%
スクワラン 60 質量%
ベヘン酸 5 質量%
ステアリン酸 5 質量%
(ハ)
水 84.5質量部
エタノール 8 質量部
グリセリン 2.5質量部
1,3−ブタンジオール 3 質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量部
(アクリル酸/アクリル酸アルキル)コポリマー 0.1質量部
(「カーボポール1382」グッドリッチ社製)
フェノキシエタノール 0.5質量部
実施例1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である液状化粧料3(粘度1200mPs;平均粒径0.7μm)を作成した。このものを実施例1のTEWLへの変化と同様の手技で評価した。結果はコントロールが53だったものが、処置後29に減った。これより、この化粧料も実施例1の液状化粧料1と同様の効果を有することが推察される。
(イ)
水 16.4質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
(ロ)
ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリル 1 質量%
N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチル/コレステリル)1 質量%
ホホバ油 1 質量%
米胚芽油 1 質量%
月見草油 1 質量%
スクワラン 60 質量%
ベヘン酸 5 質量%
ステアリン酸 5 質量%
(ハ)
水 84.5質量部
エタノール 8 質量部
グリセリン 2.5質量部
1,3−ブタンジオール 3 質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量部
(アクリル酸/アクリル酸アルキル)コポリマー 0.1質量部
(「カーボポール1382」グッドリッチ社製)
フェノキシエタノール 0.5質量部
本発明は保湿用の化粧料に応用できる。

Claims (6)

  1. 下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度100〜4000mPsの液状化粧料。
    (抱水性の液状油性成分)
    ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル(PCAオレイン酸グリセリル)またはPCAラウリルまたはPCAジメチコン
  2. 前記抱水性の液状油性成分として、ダイマー酸とダイマージオールとのエステルとPCAオレイン酸グリセリルまたはPCAラウリルまたはPCAジメチコンとをともに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液状化粧料。
  3. 前記抱水性の液状油性成分の含有量が、化粧料全量に対して、総量で0.005〜1質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状化粧料。
  4. 環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する為の化粧料であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の液状化粧料。
  5. 前記環境ストレスが、過度の心理的ストレス、過度の寝不足、労働におけるジェンダーストレス、過度のエアコンディショニングによるものであることを特徴とする、請求項4に記載の液状化粧料。
  6. 環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完する作用を有する旨の表示を有することを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
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