JP2007096918A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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岳彦 北城
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Abstract

【課題】故障したフリップフロップに代えて冗長フリップフロップを用いることで装置が不良となることを防止する。
【解決手段】入出力経路中には、フリップフロップ(FF)F11,F12の他に冗長FF FR11も配置される。MUXM21〜M23は、入力端子I0,I1の入力データをFF F11,F12,FR11のいずれに供給するかを選択し、MUXM5,M6はFF F11,F12,FR11のいずれの出力を出力端子O0,O1に供給するかを選択する。これにより、故障FFに代えて冗長FF FR11を用いることができる。MUXM11〜M13はテストモード時にスキャン経路を構成する。MUXM24,M25は、スキャン経路中に配置されて、前段のFF F11,F12,FR11の出力をスキップさせるか否かを決定する。これにより、任意のFF F11,F12,FR11を経由するスキャン経路を構成でき、FF毎の故障診断が可能である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、フリップフロップの救済回路として好適な半導体集積回路装置に関する。
従来、大規模集積回路(LSI)には多数のフリップフロップ回路が構成されている。例えば、ランダムロジック内においてフリップフロップの占める割合は、ゲート規模としては数%から10%程度を占める。セル単体の面積・素子数・ネット数としてはプリミティブセルの中でも特に大きく、ランダムロジック部の不良のうちフリップフロップに起因するものは10%〜30%を占めるものと推測される。
なお、特許文献1においては、フリップフロップのデータラッチタイミングをクロック半周期分遅らせることによって、LSIの誤動作を防止し、論理LSIを救済する技術が開示されている。即ち、特許文献1では、フリップフロップ回路セル内に、インバータと、救済データを記憶するラッチ回路と、ラッチ回路の出力を選択するためのセレクタを備える。セレクタが選択した救済データをフリップフロップのクロックパルスとすることで、論理回路の誤動作を防止するのである。
しかしながら、特許文献1の装置においても、フリップフロップそのもののが故障した場合には、論理回路の誤動作は避けられない。
特開平10−242841号公報
本発明は、故障したフリップフロップを冗長フリップフロップに置き換えることができる半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の半導体集積回路装置は、複数のフリップフロップと、1つ以上の冗長フリップフロップと、複数の入力端子と前記複数のフリップフロップ及び前記1つ以上の冗長フリップフロップの入力端との間の経路を選択する複数の第1の選択手段と、複数の出力端子と前記複数のフリップフロップ及び前記1つ以上の冗長フリップフロップの出力端との間の経路を選択する複数の第2の選択手段と、前記第1及び第2の選択手段の経路の選択を制御する選択制御手段と、を具備したことを特徴とする。
また、本発明の一態様の半導体集積回路装置は、フリップフロップと経路切換素子とによって構成される複数段のスキャンフリップフロップと、フリップフロップと経路切換素子とによって構成される1段以上の冗長スキャンフリップフロップと、複数の入力端子と前記複数段のスキャンフリップフロップ及び前記1段以上の冗長スキャンフリップフロップの経路切換素子の入力端との間の経路を選択する複数の第1の選択手段と、複数の出力端子と前記複数段のスキャンフリップフロップ及び前記1段以上の冗長スキャンフリップフロップの出力端との間の経路を選択する複数の第2の選択手段と、前記スキャンフリップフロップ及び冗長スキャンフリップフロップの出力端と次段のスキャンフリップフロップ又は冗長スキャンフリップフロップの経路切換素子の入力端とを接続するための経路を含むスキャン経路と、前記スキャン経路途中に設けられ、前段のスキャンフリップフロップ又は冗長スキャンフロップ中のフリップフロップの出力と経路切換素子の出力との一方を選択して前記第1の選択手段に与える複数の第3の選択手段と、前記第1乃至第3の選択手段の経路の選択を制御する選択制御手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、故障したフリップフロップを冗長フリップフロップに置き換えることができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本実施の形態において採用する基本回路を示す回路図であり、図2はその動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図3は第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置を示す回路図であり、図1の基本回路を用いた応用回路を示している。
図1はフリップフロップ救済回路の基本回路を示している。図1の回路は例えば半導体集積回路装置内に組み込まれるものであり、順序回路を構成するフリップフロップに代えて用いるものである。
図1において、入力端子10と出力端子14との間に、フリップフロップ11が設けられる。フリップフロップ11は、データ端Dに入力端子10からのデータDが入力され、クロック端に入力されるクロックCLKのタイミングで出力端QからデータDを出力する。
図2はデータDとしてクロックCLKの1周期で論理値が“0”又は“1”に切り替わる信号が入力された場合の例を示している。図2(a)に示すように、フリップフロップ11はクロックCLKの立ち上がりタイミングで、データDを出力端Qから出力する。
図1のフリップフロップ救済回路においては、フリップフロップ11の出力をマルチプレクサ(MUX)13を介して出力端子14に出力するようになっている。MUX13は、制御端に入力される切換情報に基づいて、複数の入力の1つを選択して出力する。MUX13には、フリップフロップ11の外に冗長フリップフロップ12の出力も入力される。
図1のフリップフロップ救済回路においては、フリップフロップ11の故障に備えて、冗長フリップフロップ12が設けられている。冗長フリップフロップ12は、フリップフロップ11と同一構成である。即ち、冗長フリップフロップ12は、データ端Dに入力端子10からのデータDが入力され、クロックCLKに同期してデータDを出力端Qから出力する。
MUX13は、フリップフロップ11に故障が生じていない場合には、フリップフロップ11の出力を選択して出力端子14に供給する。また、MUX13は、フリップフロップ11に故障が生じた場合には、切換情報に基づいて、冗長フリップフロップ12の出力を選択して出力端子14に供給する。なお、図1のMUX13中の矢印は、MUX13が冗長フリップフロップ12の出力を選択した様子を示している。
不揮発性素子15はフリップフロップ11に故障が生じているか否かの情報を記憶している。不揮発性素子15は、フリップフロップ11が故障していない場合には、MUX13にフリップフロップ11を選択させるための切換情報を出力し、フリップフロップ11が故障している場合には、MUX13に冗長フリップフロップ12を選択させるための切換情報を出力する。
なお、不揮発性素子15は、Fuse,EFuse、EEPROM等の不揮発性の記憶素子によって構成することができる。
このような構成において、フリップフロップ11に故障が生じるものとする。この場合には、フリップフロップ11の出力端のQ出力は、図2(b)に示すものとなる。フリップフロップ11では、入力データDを出力端14に伝送することはできない。この場合には、不揮発性素子15において、フリップフロップ11が故障したことを示す情報を記憶させると共に、不揮発性素子15から冗長フリップフロップ12の出力を用いるための切換情報を出力させる。
これにより、MUX13は冗長フリップフロップ12の出力を選択する。そうすると、入力端10からのデータは、クロックCLKに同期して、冗長フリップフロップ12から出力される。冗長フリップフロップ12のQ出力は、MUX13を介して出力端14から出力される。
このように、図1のフリップフロップ救済回路を用いることで、フリップフロップ11に故障が生じた場合には、入出力経路を冗長フリップフロップ12側に切換えることができ、入力端Dを介して入力されたデータDを、クロックCLKに同期して、出力端子14から確実に出力させることが可能である。
図3は第1の実施の形態に係り、フリップフロップ救済回路に適用した例を示している。図1の例では1つのフリップフロップに対して1つの冗長フリップフロップを設けた例を示した。これに対し、図3の実施の形態は、複数のフリップフロップに対して1つの冗長フリップフロップを設ける例を示している。
図3では3入力3出力の例を示している。入力端子I0〜I2には夫々データD0〜D2が入力される。これらのデータD0〜D2は出力端子O0〜O2から出力される。データD0〜D2を入力端子I0〜I2から出力端子O0〜O2に転送するために、3つのフリップフロップF0〜F2と1つの冗長フリップフロップFR1とを採用している。
フリップフロップF0〜F2及び冗長フリップフロップFR1の入力端Dは、夫々MUXM1〜M4の出力端に接続される。MUXM1〜M4は、夫々切換情報S0〜S3が与えられ、各切換情報S0〜S3に基づいて、夫々各入力端a,bの一方を選択してその入力データを出力端から出力する。
MUXM1の入力端bとMUXM2の入力端aは、入力端子I0に接続される。MUXM2の入力端bとMUXM3の入力端aは、入力端子I1に接続される。また、MUXM3の入力端bとMUXM4の入力端aは、入力端子I2に接続される。MUXM1の入力端a及びMUXM4の入力端bには、論理値“0”が供給される。
出力端子O0〜O2は、夫々MUXM5〜MUXM7の出力端が接続される。MUXM5〜M7は、夫々切換情報/S0〜/S2が与えられ、各切換情報/S0〜/S2に基づいて、夫々各入力端a,bの一方を選択して出力端から出力する。なお、切換情報/S0〜/S2は、夫々切換情報切換情報S0〜S2の反転信号である。
MUXM5の入力端aは、フリップフロップF0の出力端Qに接続される。MUXM5の入力端bとMUXM6の入力端aは、フリップフロップF1の出力端Qに接続される。MUXM6の入力端bとMUXM7の入力端aは、フリップフロップF2の出力端Qに接続される。MUXM7の入力端bは、冗長フリップフロップFR1の出力端Qに接続される。
なお、MUXM1〜M7は、図1の不揮発性素子15と同様の不揮発性素子(図示省略)からの切換情報によって切換制御される。
次に、このように構成された実施の形態の動作について表1を参照して説明する。下記表1はMUXM1〜M7の切換え動作を示しており、表中のa,bは、各MUXM1〜M7が選択する入力端を示している。
表1
┌────┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┐
│ │ S0 │ /S0 │ S1 │ /S1 │ S2 │ /S2 │ S3 │
│ │ (M1) │ (M5) │ (M2)│ (M6) │ (M3)│ (M7) │ (M4)│
├────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│不良無し│ a │ a │ b │ a │ b │ a │ b │
├────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F0 不良 │ a │ b │ a │ b │ a │ b │ a │
├────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F1 不良 │ b │ a │ a │ b │ a │ b │ a │
├────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F2 不良 │ b │ a │ b │ a │ a │ b │ a │
└────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
上記表1に示すように、フリップフロップF0〜F2に不良が生じていない場合には、切換情報S0〜S3,/S0〜/S2によって、MUXM1〜M4は入力端bを選択し、MUXM5〜M7は入力端aを選択する。
これにより、入力端子I0〜I2を介して入力されたデータD0〜D2は、夫々MUXM1〜M3を介してフリップフロップF0〜F2のデータ端Dに入力される。これらのデータ(Q0〜Q2)は、クロックCLKに同期して、夫々フリップフロップF0〜F2の出力端QからMUXM5〜M7を介して出力端子O0〜O2に出力される。
ここで、フリップフロップF0に不良が生じているものとする。この場合には、表1に示すように、切換情報S0〜S3,/S0〜/S2によって、MUXM1〜M4は入力端aを選択し、MUXM5〜M7は入力端bを選択する。図3のMUXM1〜M7中の矢印はこの状態を示している。この場合には、入力端子I0〜I2を介して入力されたデータD0〜D2は、夫々MUXM2〜M4を介してフリップフロップF1,F2及び冗長フリップフロップFR1のデータ端Dに入力される。これらのデータは、クロックCLKに同期して、夫々フリップフロップF1,F2及び冗長フリップフロップFR1の出力端QからMUXM5〜M7を介して出力端子O0〜O2に出力される。
こうして、例えフリップフロップF0に故障が生じたとしても、入力端子I0〜I2に入力されたデータを確実に出力端子O0〜O2に出力することができる。
また、フリップフロップF1に不良が生じた場合には、表1に示すように、切換情報S0〜S3によって、MUXM1は入力端bを選択し、MUXM2〜M4は入力端aを選択する。これにより、入力データD0〜D2は夫々フリップフロップF0,F2及び冗長フリップフロップFR1に与えられる。また、切換情報/S0〜/S2によって、MUXM5は入力端aを選択し、MUXM6,M7は入力端bを選択する。これにより、フリップフロップF0,F2及び冗長フリップフロップFR1の出力は、夫々MUXM5〜M7を介して出力端子O0〜O2に出力される。
こうして、例えフリップフロップF1に故障が生じたとしても、入力端子I0〜I2に入力されたデータを確実に出力端子O0〜O2に出力することができる。
また、同様に、フリップフロップF2に不良が生じた場合には、表1に示すように、切換情報S0〜S3によって、MUXM1,M2は入力端bを選択し、MUXM3,M4は入力端aを選択する。これにより、入力データD0〜D2は夫々フリップフロップF0,F1及び冗長フリップフロップFR1に与えられる。また、切換情報/S0〜/S2によって、MUXM5,M6は入力端aを選択し、MUXMM7は入力端bを選択する。これにより、フリップフロップF0,F1及び冗長フリップフロップFR1の出力は、夫々MUXM5〜M7を介して出力端子O0〜O2に出力される。
こうして、例えフリップフロップF2に故障が生じたとしても、入力端子I0〜I2に入力されたデータを確実に出力端子O0〜O2に出力することができる。
このように、本実施の形態では、3つのフリップフロップのいずれか1つに故障が生じた場合でも、入出力経路を冗長フリップフロップ側に切換えることで、3入力を確実に出力端子から出力させることができる。
なお、本実施の形態において、フリップフロップの故障数が増えた場合でも、冗長フリップフロップの数を増やすことで、データの救済が可能であることは明らかである。
ところで、集積回路内のフリップフロップの故障及びフリップフロップを含む論理回路の故障を診断するために、スキャンフリップフロップを用いる方法がある。スキャンフリップフロップは、マルチプレクサ(MUX)とフリップフロップとによって構成されており、スキャンフリップフロップ同士はテストモード用のスキャンパスを介して縦続接続されている。通常の動作時には、MUXが入力端子からのデータを選択し、フリップフロップの出力を出力端子に出力する。これに対し、テストモード(診断)時には、MUXは前段のスキャンフリップフロップの出力を選択して、フリップフロップの出力を次段のスキャンフリップフロップに出力する。スキャンパスにテストパターンを入力し、その出力を観察することで、スキャンフリップフロップや論理回路の故障を診断することができる。
しかしながら、フリップフロップと論理回路の両方を診断するテストパターンを用いた場合には、フリップフロップ単体の故障を検出することは極めて困難である。また、フリップフロップの故障診断を行うテストパターンを用いた場合でも、全フリップフロップ中のいずれのフリップフロップが故障したかを判定することは、極めて困難である。
そこで、本発明の第2の実施の形態においては、故障しているフリップフロップを特定すると共に、故障したフリップフロップに代えて冗長フリップフロップを利用することで、回路の不良の発生を防止する。
図4は本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置を示す回路図であり、故障の検出及び救済を可能にしたフリップフロップ救済回路に適用した例を示すものである。また、図5は図4のフリップフロップ救済回路を含む論理回路部を有するLSIの構成を示すブロック図である。
図5において、LSI25には論理回路部26が設けられている。論理回路部26は、図4のフリップフロップ救済回路を含み、所定の論理演算を行う。制御部27は論理回路部26に後述するテスト信号SCAN IN、切換情報SCAN及び他の切換情報を与えると共に、テスト結果である出力SCAN OUTを取り込んで、故障したフリップフロップを特定する。更に、制御部27は、故障の診断結果に基づく情報を不揮発性素子15に書き込む。不揮発性素子15の記憶内容は、通常モード時において、切換情報として論理回路部26に供給されるようになっている。
なお、図5の例では、制御部27をLSI25に内蔵させたが、制御部27と同様の機能をLSI25の外部のテスタ等によって実現することができ、制御部27を内蔵しない構成を採用してもよい。
図4は2入力2出力の例を示している。入力端子I0,I1には夫々データD0,D1が入力される。これらのデータD0,D1は出力端子O0,O1から出力される。データD0,D1を入力端子I0,I1から出力端子O0,O1に転送するために、2つのフリップフロップF11〜F12と1つの冗長フリップフロップFR11とを採用している。
また、フリップフロップF11〜F12及び冗長フリップフロップFR11は、夫々マルチプレクサ(MUX)M11〜M13と組み合わせて、スキャンフリップフロップ21を構成する。各スキャンフリップフロップ21は、相互に同一構成であり、入力段のMUXが入力端a,bの一方の入力を選択して、フリップフロップのデータ端Dに与え、フリップフロップの出力端QからQ出力を出力するようになっている。なお、MUXM11〜M13は、制御部27からの切換情報SCANによって選択動作が制御される。
フリップフロップF11,F12及び冗長フリップフロップFR11に夫々接続されたMUXM11〜M13は、テストモード時には入力端aを選択し、通常モード時には入力端bを選択する。
MUX11〜M13の入力端bにはMUXM21〜M23の出力が与えられる。MUXM21〜M23は、図3のMUXM1〜M3と同様の構成であり、夫々切換情報S0〜S2が与えられ、各切換情報S0〜S2に基づいて、夫々各入力端a,bの一方を選択してその入力データを出力端から出力する。
MUXM21の入力端bとMUXM22の入力端aは、入力端子I0に接続される。MUXM22の入力端bとMUXM23の入力端aは、入力端子I1に接続される。MUXM21の入力端a及びMUXM23の入力端bには、論理値“0”が供給される。
出力端子O0,O1は、夫々MUXM5,MUXM6の出力端が接続される。MUXM5,M6は、図3の例と同様に、夫々切換情報/S0,/S1が与えられ、各切換情報/S0,/S1に基づいて、夫々各入力端a,bの一方を選択して出力端から出力する。なお、切換情報/S0,/S1は、夫々切換情報切換情報S0,S1の反転信号である。
MUXM5の入力端aは、フリップフロップF11の出力端Qに接続される。MUXM5の入力端bとMUXM6の入力端aは、フリップフロップF12の出力端Qに接続される。MUXM6の入力端bは、冗長フリップフロップFR11の出力端Qに接続される。
即ち、通常モード時には、MUXM11〜M13が入力端bを選択することで、図3と同様の構成が得られる。
MUXM11〜M13の入力端aには、夫々スキャン入力端子Is、MUXM24,M25の出力端が接続される。MUXM24は入力端aに前段のフリップフロップF11の出力Qが与えられ、入力端bにスキャン入力端子Isからのスキャン信号SCAN INが与えられる。MUXM25は入力端aに前段のフリップフロップF12の出力Qが与えられ、入力端bにMUX24の出力が与えられる。MUX24,M25は切換情報A1,A2によって切換制御される。
また、冗長フリップフロップFR11の出力Qは、MUX26の入力端aに与えられる。MUX26の入力端bにはMUXM25の出力が与えられ、MUX26は、切換情報S2に基づく入力を選択して、出力端からスキャン出力端子Osに出力する。
切換情報SCAN、テスト信号SCAN IN及びテストモード時の他の切換情報は、制御部27から供給され、スキャン出力端子Osからのテスト結果SCAN OUTは制御部27に与えられる。制御部27はテスト結果に基づいて不揮発性素子28への書き込みを行う。不揮発性素子28からの切換情報S0〜S2,/S0,/S1,A1,A2は、通常モード時に各MUXに与えられるようになっている。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図6乃至図11及び表2を参照して説明する。図6は太線によって通常モード時の入出力経路を示し、図7乃至図9は太線によってテストモード時の入出力経路を示している。また、図10及び図11は太線によって夫々フリップフロップF11,F12が故障した場合の入出力経路を示している。表2はMUXM21〜M26,M5,M6の切換え動作を示しており、表中のa,bは、各MUXが選択する入力端を示している。
表2
┌─────┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┐
│ │ S0 │ S1 │ S2 │ /S0 │ /S1 │ A1 │ A2 │
│ │ (M21)│ (M22)│(M23, │ (M5) │ (M6) │ (M24)│ (M25)│
│ │ │ │ M26) │ │ │ │ │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│通常モード│ b │ b │ b │ a │ a │ a │ a │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F11 検査 │ − │ − │ b │ − │ − │ a │ b │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F12 検査 │ − │ − │ b │ − │ − │ b │ a │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│FR11 検査│ − │ − │ a │ − │ − │ b │ b │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F11 不良 │ a │ a │ a │ b │ b │ b │ a │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F12 不良 │ b │ a │ a │ a │ b │ a │ b │
└─────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
先ず、フリップフロップF11,F12に故障が生じていない場合の通常モードの動作について説明する。通常モード時においては、切換情報SCANによって各スキャンフリップフロップのMUXM11〜M13は、入力端bを選択する。また、不揮発性素子28からの切換情報S0〜S2,/S0,/S1によって、MUXM21〜M23は入力端bを選択し、MUXM5,M6は入力端aを選択する。
これにより、入出力経路は、図6の太線に示すものとなる。即ち、入力端子I0,I1を介して入力されたデータD0,D1は、夫々MUXM21,M22及びMUXM11,M12を介してフリップフロップF11,F12のデータ端Dに入力される。これらのデータは、クロックCLKに同期して、夫々フリップフロップF11,F12の出力端QからMUXM5,M6を介して出力端子O0,O1に出力される。
本実施の形態においては、フリップフロップF11,F12に故障が生じているか否かを事前に検査する。テストモード時には、切換情報SCANによって各スキャンフリップフロップのMUXM11〜M13は、入力端aを選択する。
制御部27は、検査するフリップフロップに応じて切換情報を設定する。いま、フリップフロップF11の検査を行うものとする。図7はこの場合のスキャン経路を太線にて示している。この場合には、表2に示すように、MUXM24は入力端aを選択する。これにより、MUXM24は、フリップフロップF11の出力を選択する。
一方、スキャン入力端子Isを介して入力されたテスト信号SCAN INは、MUXM11を介してフリップフロップF11のデータ端Dに入力される。フリップフロップF11はクロックCLKに同期して、入力されたデータを出力端Qから出力する。フリップフロップF11の出力は、MUXM24に選択されて出力される。また、表2に示すように、MUXM25は入力端bを選択する。従って、この場合には、MUXM25は前段のフリップフロップF12の出力を取り込むことなく、MUXM24の出力を取り込んで出力する。
また、表2に示すように、MUXM26は入力端bを選択する。従って、この場合には、MUXM26は冗長フリップフロップFR11の出力を取り込むことなく、MUXM25の出力を取り込んで出力する。
即ち、MUXM24,M25,M26は、前段のスキャンフリップフロップをスキャン経路に含めるかスキップさせるかを切換える機能を有する。
こうして、この場合には、スキャン出力端子Osからは、図7に示すように、フリップフロップF11を通過したテスト信号がSCAN OUTとして出力される。
この状態で、制御部27は、テスト信号SCAN INとして論理値“0”及び“1”を順次与える。フリップフロップF11に故障が生じていない場合には、入力データと同一の論理値の信号がSCAN OUTとしてスキャン出力端子Osから得られる。フリップフロップF11に故障が生じている場合には、スキャン出力端子Osには、テスト信号の論理値に拘わらず、“0”又は“1”の出力が得られる。従って、制御部27は、スキャン出力端子Osの出力データの論理値を観察することで、フリップフロップF11の故障の有無を判断することができる。
次に、制御部27はフリップフロップF12の検査を行う。図8はこの場合のスキャン経路を太線にて示している。表2に示すように、MUXM24,M25,M26は、夫々、入力端b,a,bを選択する。従って、この場合には、図8に示すように、スキャン入力端子Isを介して入力されたテスト信号は、MUXM24,M12を介してフリップフロップF12のデータ端Dに与えられる。フリップフロップF12のQ出力は、MUXM25,M26を介してスキャン出力端子Osから出力される。
この状態で、制御部27が、テスト信号SCAN INとして論理値“0”及び“1”を順次与えることで、フリップフロップF12の検査を行うことができる。
次に、制御部27は冗長フリップフロップFR11の検査を行う。図9はこの場合のスキャン経路を太線にて示している。表2に示すように、MUXM24,M25,M26は、夫々、入力端b,b,aを選択する。従って、この場合には、図9に示すように、スキャン入力端子Isを介して入力されたテスト信号は、MUXM24,M25,M13を介して冗長フリップフロップFR11のデータ端Dに与えられる。フリップフロップFR11のQ出力は、MUXM26を介してスキャン出力端子Osから出力される。
この状態で、制御部27が、テスト信号SCAN INとして論理値“0”及び“1”を順次与えることで、冗長フリップフロップFR11の検査を行うことができる。
制御部27は、テスト結果に基づいて、フリップフロップF11,F12及び冗長フリップフロップFR11の故障の有無を判定し、判定結果に基づいて不揮発性素子28に切換情報を記憶させる。
以後、実使用時には、不揮発性素子28からの切換情報が各MUXに与えられる。例えば、フリップフロップF11に故障が生じているものとする。この場合には、表2に示すように、切換情報S0〜S2,/S0,/S1によって、MUXM21〜M23は入力端aを選択し、MUXM5,M6は入力端bを選択する。なお、MUXM11〜M13は、上述したように、通常モード時には入力端bを選択する。図10はこの場合の入出力経路を太線にて示している。
この場合には、入力端子I0を介して入力されたデータD0は、MUXM22,M12を介してフリップフロップF12のデータ端Dに入力されると共に、入力端子I1を介して入力されたデータD1は、MUXM23,M13を介して冗長フリップフロップFR11のデータ端Dに入力される。これらのデータは、クロックCLKに同期して、夫々フリップフロップF12及び冗長フリップフロップFR11の出力端QからMUXM5,M6を介して出力端子O0,O1に出力される。
こうして、例えフリップフロップF11に故障が生じたとしても、入力端子I0,I1に入力されたデータを確実に出力端子O0,O1に出力することができる。
また、フリップフロップF12に不良が生じた場合には、表2に示すように、切換情報S0〜S2によって、MUXM21は入力端bを選択し、MUXM22,M23は入力端aを選択する。図11はこの場合の入出力経路を太線にて示している。
この場合には、入力データD0はMUXM21,M11を介してフリップフロップF11のデータ端Dに与えられ、入力データD1はMUXM23,M13を介して冗長フリップフロップFR11のデータ端Dに与えられる。
また、切換情報/S0,/S1によって、MUXM5は入力端aを選択し、MUXM6は入力端bを選択する。これにより、フリップフロップF11及び冗長フリップフロップFR11の出力は、夫々MUXM5,M6を介して出力端子O0,O1に出力される。
こうして、例えフリップフロップF12に故障が生じたとしても、入力端子I0,I1に入力されたデータを確実に出力端子O0,O1に出力することができる。
このように本実施の形態においては、スキャンフリップフロップのスキャン経路を切換えることで、各フリップフロップの故障の有無を判定し、判定結果に基づく情報を不揮発性素子に記憶させる。そして、不揮発性素子からの切換情報を用いることで、故障したフリップフロップに代えて冗長フリップフロップを利用することを可能にしている。即ち、集積回路内のフリップフロップの故障及びその位置を自動検出し、故障フリップフロップから冗長フリップフロップへの置き換えを自動的に行っている。
フリップフロップに故障がある場合、従来は不良品となったが、故障したフリップフロップを冗長フリップフロップに置き換えることが可能となり、チップの良品数を増やすことができる。ランダムロジック部の不良のうちフリップフロップに起因するものは10%〜30%を占めるものと推測され、フリップフロップを救済することによる歩留まり改善効果は極めて大きい。
なお、図4では2入力2出力で、2段のフリップフロップ(スキャンフリップフロップ)と1段の冗長フリップフロップの例を示したが、n(nは1以上の整数)入力n出力で、n段のフリップフロップ(スキャンフリップフロップ)と、1〜n段の冗長フリップフロップによって構成することができることは明らかである。
冗長フリップフロップの段数だけ、故障したフリップフロップを置き換えることができる。なお、この場合には、例えば3入力1出力のMUXを採用する等の配線変更を行う必要がある。
図12は本発明の第3の実施の形態を示すフローチャートである。本実施の形態のハードウェア構成は第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態はフリップフロップの故障を検出するテストモード時の動作が第2の実施の形態と異なるのみである。本実施の形態においては、制御部27(図5参照)は、テストモード時においては、先ず、全フリップフロップ及び冗長フリップフロップに対する一括書込みを行う(一括書込みモード)。次に、スキャンフリップフロップの機能を利用して、フリップフロップの出力を順次転送してスキャン出力端子OsからSCAN OUTを取り出すようになっている(転送モード)。
テストモードにおける動作について図13及び図14並びに表3及び表4を参照して説明する。図13は太線によって一括書込みモード時のスキャン経路を示し、図14は太線によって転送モード時のスキャン経路を示している。表3はMUXM21〜M26,M5,M6の切換え動作を示しており、表中のa,bは、各MUXが選択する入力端を示している。表4はスキャン出力端子Osに現れるスキャン結果SCAN OUTの一例を示している。なお、本実施の形態においては通常モード時の動作は第2の実施の形態と同様である。
表3
┌─────┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┐
│ │ S0 │ S1 │ S2 │ /S0 │ /S1 │ A1 │ A2 │
│ │ (M21)│ (M22)│(M23, │ (M5) │ (M6) │ (M24)│ (M25)│
│ │ │ │ M26) │ │ │ │ │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│一括書込み│ − │ − │ a │ − │ − │ b │ b │
│モード │ │ │ │ │ │ │ │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│転送モード│ − │ − │ b │ − │ − │ a │ a │
└─────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
テストモード時には、制御部27は、先ず一括書込みモードを設定する(ステップST1)。なお、テストモード時において、各スキャンフリップフロップのMUXM11〜M13が、切換情報SCANによって入力端aを選択する点は第2の実施の形態と同様である。
一括書込みモードにおいては、制御部27は、表3に示すように、切換情報A1,A2によって、MUXM24,M25に入力端bを選択させる。これにより、MUXM24は、スキャン入力端子Isからのデータを選択し、MUXM25は、MUXM24の出力を選択する。図13はこの場合のスキャン経路を太線にて示している。
次に、制御部27は、この状態で、テスト信号として、論理値“0”のSCAN INをスキャン入力端子Isに与える。図13に示すように、論理値が“0”のテスト信号は、MUX11を介してフリップフロップF11のデータ端Dに供給される。また、このテスト信号は、MUXM24,M12を介してフリップフロップF12のデータ端Dにも供給される。更に、MUXM24からのテスト信号は、MUXM25,MUXM13を介して冗長フリップフロップFR11のデータ端Dにも供給される。即ち、ステップST2において、全フリップフロップ及び全冗長フリップフロップに対して“0”が書き込まれる。
次に、制御部27は、ステップST3において転送モードを設定する。即ち、制御部27は、切換情報A1,A2,S2によって、MUXM24,M25,M26に入力端aを選択させる。図14は転送モード時におけるスキャン経路を太線にて示している。
図14に示すように、スキャン入力端子IsはMUXM11を介して初段のフリップフロップF11のデータ端Dに接続される。また、フリップフロップF11のQ出力端は、MUXM24,M12を介して次段のフリップフロップF12のデータ端Dに接続され、フリップフロップF12のQ出力端は、MUXM25,M13を介して次段の冗長フリップフロップFR11のデータ端Dに接続される。また、冗長フリップフロップFR11のQ出力端は、MUXM26を介してスキャン出力端子Osに接続される。
次に、クロックCLKに同期して、フリップフロップF11,F12及び冗長フリップフロップFR11はデータ端Dのデータを出力端Qから出力する。即ち、初段のフリップフロップF11にはスキャン入力端子Isからのテスト信号(この場合には“0”)が入力され、次段のフリップフロップF12には初段のフリップフロップF11のQ出力が入力される。各フリップフロップのQ出力は次段のフリップフロップに順次転送され、最終段のフリップフロップ(図4の例では冗長フリップフロップFR11)のQ出力は、MUX26からスキャン出力端子Osに出力される。なお、転送モード中においては、スキャン入力端子Isには論理値“0”のテスト信号を供給し続ける。
下記表4は、1段以上の冗長フリップフロップを含む7段のフリップフロップで図4と同様のフリップフロップ救済回路を構成した場合において、転送モードにおけるクロックCLK毎の各フリップフロップFF0〜FF7のQ出力を示している。なお、7段目のフリップフロップFF7の出力がスキャン出力端子Osにテスト結果SCAN OUTとして得られる。
表4
┌─────┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┐
│ │ FF1 │ FF2 │ FF3 │ FF4 │ FF5 │ FF6 │ FF7 │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│1回目 │ 0 │ 0 │ 0 │ 1 │ 0 │ 0 │ 0 │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│2回目 │ 0 │ 0 │ 0 │ 1 │ 1 │ 0 │ 0 │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│3回目 │ 0 │ 0 │ 0 │ 1 │ 1 │ 1 │ 0 │
├─────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│4回目 │ 0 │ 0 │ 0 │ 1 │ 1 │ 1 │ 1 │
└─────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
上記表4は、7段のフリップフロップのうち4段目のフリップフロップFF4に故障が生じており、フリップフロップFF4はデータ端Dに入力されるデータの論理値に拘わらず、“1”を出力する場合の例を示している。
転送モード直後に、クロックCLKに同期して、各フリップフロップFF1〜FF7からQ出力が出力される。上記表4の「1回目」はこの場合における各フリップフロップFF1〜FF7のQ出力を示している。ステップST1,ST2の一括書込みモードにおいては、各フリップフロップFF1〜FF7のデータ端Dには論理値が“0”のデータを与えており、各フリップフロップFF1〜FF7が正常であれば、クロックCLKに同期して各フリップフロップFF1〜FF7はQ出力として“0”を出力する。
表4の例では、少なくともフリップフロップFF4に不良が生じていることが分かる。転送モード直後の2つ目のクロックCLKによって、各フリップフロップFF1〜FF7はQ出力を次段のフリップフロップに転送する。フリップフロップFF5には1回目の転送において、フリップフロップFF4から論理値が“1”のQ出力がデータ端Dに与えられており、2回目のクロックCLKによって、フリップフロップFF5は“1”を出力する。更に、3回目、4回目のクロックCLKによって、フリップフロップFF4のQ出力は順次次段のフリップフロップに転送され、4回目のクロックCLKに同期して、最終段のフリップフロップFF7から出力される。
スキャン出力端子Osには最終段のフリップフロップFF7の出力が現れる。スキャン出力端子Osには、転送モード直後の1回目の転送においてフリップフロップFF7の出力が与えられる。そして、転送モード直後の2回目の転送時には、転送モード直後の1回目のフリップフロップFF6の出力が、フリップフロップFF7を介して転送されてスキャン出力端子Osに現れる。同様に、転送モード直後の3回目の転送時には、転送モード直後の1回目のフリップフロップFF5の出力が、フリップフロップFF6,FF7を介してスキャン出力端子Osに転送される。即ち、1回目〜7回目の転送におけるスキャン出力端子Osの出力を観察することで、各フリップフロップFF7〜FF1が、“0”入力に対していずれの論理値を出力したかを判断することができる。
表4の例では、転送モード開始から4回目の転送によって“1”がスキャン出力端子Osに現れたので、フリップフロップFF4が“0”入力に対して、“1”を出力したことが分かる。制御部27はステップST4において、“0”入力に対して“1”を出力したフリップフロップを特定する。
ところで、フリップフロップは故障が生じると、入力に拘わらず、出力が“0”又は“1”に固定される。従って、“0”入力に対して“0”を出力したことだけで故障判定を行うことはできない。そこで、ステップST5〜ST8において、テスト信号を論理値“1”に設定して、一括書込み及び転送モードを実行する。
制御部27は、ステップST8において、ステップST7の1回目〜7回目の転送におけるスキャン出力端子Osの出力を観察する。これにより、各フリップフロップFF7〜FF1が、“1”入力に対していずれの論理値を出力したかを判断することができる。そして、制御部27はステップST4,ST8の判定結果によって、故障位置を特定する(ステップST9)。
例えば、ステップST7の1回目〜7回目の転送におけるスキャン出力端子Osの出力が全て“1”である場合には、制御部27は、フリップフロップFF4のみに故障が生じているものと判断する。また、例えば、ステップST7の3回目の転送におけるスキャン出力端子Osの出力が“1”である場合には、制御部27は、フリップフロップFF4,FF5に故障が生じているものと判断する。制御部27は、判定結果に基づいて不揮発性素子28への書込みを行う。
このように、本実施の形態においては、全フリップフロップへの一括書込みを可能にしており、論理値“0”又は“1”の2回の書込みと、フリップフロップの個数に応じた数のクロックによる転送によって、故障の有無及び故障位置を検出することができる。これにより、フリップフロップの良不良のテスト時間を第2の実施の形態に比べて著しく短縮することが可能である。
また、上記実施の形態においては、MUXM24,M25,M26は、前段のフリップフロップF11,F12の出力を選択するか、或いは、前段のスキャンフリップフロップをスキップさせて、それよりも前の段の出力を選択するかを決定する。即ち、これらのMUXM24,M25,M26は、テストモードにおけるスキャン経路の切換えに用いられる。従って、例えば、m段のフリップフロップを有する装置において、最終段からm−5段までにおいて前段のスキャンフリップフロップの出力をスキップさせた場合には、初段からm−7段目までのフリップフロップの検査が可能である。
即ち、上記実施の形態においては、検査をスキップするスキャンフリップフロップを適宜設定可能である。従って、上記実施の形態においては、必ずしも全部のフリップフロップ及び冗長フリップフロップの検査を行う必要はなく、任意の段のフリップフロップの検査が可能である。例えば、故障フリップフロップを検出した場合には、故障フリップフロップを冗長フリップフロップに置き換えた後、故障フリップフロップの前段のフリップフロップから初段のフリップフロップまでのフリップフロップの検査を行えばよい。即ち、故障フリップフロップの置き換えを行った後には、再度全フリップフロップの検査を行う必要はなく、検査時間を一層短縮することができる。
本発明の第1の実施の形態において採用する基本回路を示す回路図。 図1の動作を説明するためのタイミングチャート。 第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置を示す回路図。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置を示す回路図。 図4のフリップフロップ救済回路を含む論理回路部を有するLSIの構成を示すブロック図。 第2の実施の形態における入出力経路を説明するための説明図。 第2の実施の形態におけるスキャン経路を説明するための説明図。 第2の実施の形態におけるスキャン経路を説明するための説明図。 第2の実施の形態におけるスキャン経路を説明するための説明図。 第2の実施の形態における入出力経路を説明するための説明図。 第2の実施の形態における入出力経路を説明するための説明図。 本発明の第3の実施の形態を示すフローチャート。 第3の実施の形態におけるスキャン経路を説明するための説明図。 第3の実施の形態におけるスキャン経路を説明するための説明図。
符号の説明
M5,M6,M11〜M13,M21〜M26…マルチプレクサ、F11,F12…フリップフロップ、FR11…冗長フリップフロップ。

Claims (5)

  1. 複数のフリップフロップと、
    1つ以上の冗長フリップフロップと、
    複数の入力端子と前記複数のフリップフロップ及び前記1つ以上の冗長フリップフロップの入力端との間の経路を選択する複数の第1の選択手段と、
    複数の出力端子と前記複数のフリップフロップ及び前記1つ以上の冗長フリップフロップの出力端との間の経路を選択する複数の第2の選択手段と、
    前記第1及び第2の選択手段の経路の選択を制御する選択制御手段と、
    を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. フリップフロップと経路切換素子とによって構成される複数段のスキャンフリップフロップと、
    フリップフロップと経路切換素子とによって構成される1段以上の冗長スキャンフリップフロップと、
    複数の入力端子と前記複数段のスキャンフリップフロップ及び前記1段以上の冗長スキャンフリップフロップの経路切換素子の入力端との間の経路を選択する複数の第1の選択手段と、
    複数の出力端子と前記複数段のスキャンフリップフロップ及び前記1段以上の冗長スキャンフリップフロップの出力端との間の経路を選択する複数の第2の選択手段と、
    前記スキャンフリップフロップ及び冗長スキャンフリップフロップの出力端と次段のスキャンフリップフロップ又は冗長スキャンフリップフロップの経路切換素子の入力端とを接続するための経路を含むスキャン経路と、
    前記スキャン経路途中に設けられ、前段のスキャンフリップフロップ又は冗長スキャンフロップ中のフリップフロップの出力と経路切換素子の出力との一方を選択して前記第1の選択手段に与える複数の第3の選択手段と、
    前記第1乃至第3の選択手段の経路の選択を制御する選択制御手段と、
    を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 前記選択制御手段は、不揮発性素子によって構成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の半導体集積回路装置。
  4. 前記選択制御手段は、不揮発性素子によって構成され、
    テストモード時に、前記第2及び第3の選択手段の経路の選択を制御して所定のスキャン経路を構成し、前記スキャン経路のスキャン入力端子に所定の論理値を与えて前記スキャン経路のスキャン出力端子の出力に基づいて、前記複数段のスキャンフリップフロップ及び1段以上の冗長スキャンフリップフロップのいずれに故障が生じているかを検出し、検出結果に基づいて前記不揮発性素子に情報を書き込む制御手段を更に具備したことを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。
  5. 前記制御手段は、テストモード時に、
    前記第2及び第3の選択手段の経路の選択を制御して、前記スキャンフリップフロップ及び冗長スキャンフリップフロップの全てに所定の論理値を一括して供給する手段と、
    前記第2及び第3の選択手段の経路の選択を制御して、前記スキャンフリップフロップ及び冗長スキャンフリップフロップの出力を次段の前記スキャンフリップフロップ又は冗長スキャンフリップフロップを経由させてスキャン出力端子から出力させる手段と、を具備したことを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置。
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