JP2007095995A - レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ装置の出力安定性を高く保ち、また、励起パワーが変化してもエネルギー効率を高く維持できるようにする。
【解決手段】レーザ媒質14と、このレーザ媒質14を励起する励起光10を発する励起源11と、少なくとも2個の共振器ミラー14a、15aから構成されたレーザ共振器とを備えてなるレーザ装置において、光検出器21が検出した励起光10の出力および光検出器24が検出したレーザ出力から共振器内光路長の伸び量を算出し、この伸び量を解消するように共振器内光路長を制御する光路長制御手段(例えば共振器内に配された電気光学素子16と、この電気光学素子16を駆動する駆動ドライバ26と、該ドライバ26を制御する光路長演算回路25から構成される)を設ける。
【選択図】図4

Description

本発明はレーザ装置に関し、特に詳細には、出力を一定化する機能を備えたレーザ装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1および2に示されているように、固体レーザ媒質と、このレーザ媒質を励起する励起源と、少なくとも2個の共振器ミラーから構成されたレーザ共振器とを備えてなる固体レーザ装置が知られている。また、この種の固体レーザ装置においては、共振器内にエタロンを挿入して発振モードを単一縦モード化することも広く行われている。
ところで、上述のエタロンによって縦モードを単一化するようにしたレーザ装置は、一般に図1に示すような温度特性を有する。すなわち、同図(a)に温度−出力特性を示すように一定の温度周期で出力の強弱が現れ、また同図(b)に温度−波長特性を示すように、発振波長も温度変化に応じて変化する。これは、温度変化によって共振器自身が伸縮するとともに共振器内部の光学部品の屈折率が変化することで、共振器内光路長が伸縮することに起因する。つまり、この光路長変化に伴って共振波長が変化するので、エタロンの透過波長特性に従って出力が変化するのである。
一方、レーザ媒質に対する励起パワーを上げていくと、図2(a)、(b)に実線で示すように、破線で示す励起パワーがより低い場合と比べて、温度特性の位相が低温側にシフトする。また周期特性の形状に着目すると、温度−出力特性は非対称性を示し、温度−波長特性は非線形性を示すようになる。これらの現象は、以下のように説明できる。
励起パワーのうち、レーザ発振に寄与しない光の吸収分はレーザ媒質内部で熱に変換され、その熱による共振器長の拡大および共振器内光学部品の屈折率変化によって光路長が伸びる。この結果、励起パワーを上げることによって温度特性の全体的な位相は低温方向へシフトすることになる。また、上記周期特性の1周期内について考えると、励起パワーを上げることによって出力ピークが増大するのに対し、ピークから外れた温度では出力が低下する。出力低下分はレーザ媒質内で熱に変換されるため、共振器内光路長が増大する。このように、出力の大小によって光路長が変化するため、温度−出力特性は非対称形状となり、温度−波長特性は下に凸の曲線形状となるのである。そして励起パワーがさらに高くなって温度−出力特性の非対称性が進展すると、周期性の山はのこぎり歯状となるので、共振器温度が出力ピークを得る所定温度から少しでもずれると出力が急激に低下し、ピーク付近の出力安定性が極めて劣ることになる。
なお、レーザ共振器は多くの場合、一定温度となるよう自然冷却もしくは強制冷却によって温度調節されて、出力一定化が計られているが、出力制御のために励起光強度を変化させると、周期性の山の位相がシフトして温度と出力との関係がずれてしまう。そのため、高い励起パワーのときに出力ピークとなるよう温度を調整すると、低い励起パワーではピーク位置がずれてしまい、出力効率が悪くなる。逆に低い励起パワーのときに出力ピークとなるよう温度を調整すると、高い励起パワーではピーク位置がずれてしまう。特に出力のレンジが広く、特性のシフト量が該特性の1周期分を超えてしまうような場合には、電流−出力特性にモードホップによるキンクが生じてしまう。
上述のような問題点を解決するため従来、特許文献1および2に示されるように、出力またはビーム径が最大となるように共振器長をアクティブに変化させる方法や、特許文献3に示されるように、レーザ光の一部を共振器支持部分に照射させて共振器長をパッシブに変化させる方法等が提案されている。
特開平5−82868号公報 特開平6−152018号公報 特開平6−112575号公報
しかし、引用文献1および2に示される従来技術では、初期状態を最大出力に合わせることは可能であるが、出力を安定して一定値に保つことは不可能である。つまり、例えば出力がピークとなるように共振器長を設定した場合には、出力が低下したときに共振器長を伸ばす方向に制御すべきか、あるいは縮める方向に制御すべきかを判断することができない。なお実際には、前述の周期特性のピークが高温側にシフトした場合は共振器長を伸ばす方向に、低温側にシフトした場合は共振器長を縮める方向に制御する必要がある。
一方引用文献3に示される従来技術は、レーザ出力に比例して共振器長を変化させるものであるが、レーザ出力と共振器長は広い範囲に亘って比例している訳ではないので、ある一定の出力において調整された共振器長変化量/出力に対してのみ、温度−出力特性の非対称性を改善できるにとどまっている。
さらにこの従来技術では、高出力の時に共振器長を長く伸ばし、低出力時には共振器長の伸びを短くするようにしているので、周期の位相シフト量が増大する方向に制御がなされてしまう。すなわち、図3の(a)、(b)にそれぞれこの従来技術による制御がなされたときの温度−出力特性、温度−波長特性を示すが、(a)に矢印Aで示すような位相シフトが発生する。この結果、励起光強度を変化させたときのエネルギー効率(=出力/励起パワー)を一定に保つことができず、全体の効率が悪化してしまう。
本発明は上述した問題点に鑑み、出力安定性が高く、励起パワーが変化してもエネルギー効率を高く維持できるレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明によるレーザ装置は、前述したように
レーザ媒質と、
このレーザ媒質を励起する励起光を発する励起源と、
少なくとも2個の共振器ミラーから構成されたレーザ共振器とを備えてなるレーザ装置において、
励起光の出力およびレーザ出力から共振器内光路長の伸び量を算出し、この伸び量を解消するように共振器内光路長を制御する光路長制御手段が設けられたことを特徴とするものである。
なお上記の光路長制御手段は、より好ましくは、レーザ装置が温度−出力特性の周期的変化において出力ピークとなる温度、出力ボトムとなる温度で駆動された場合に互いに略等しい値を取り、かつ、共振器内光路長と略線形の関係となるパラメータに基づいて共振器内光路長を制御するものとして構成される。
そのようなパラメータに基づいて光路長制御を行う光路長制御手段としてより具体的には、励起光の出力をPin、レーザ出力をPoutとしたとき、P=α・Pin−β・Pout(α、βは定数)なるパラメータPに比例する変化量で光路長を制御する手段を適用することができる。
また、上記光路長制御手段において共振器内光路長を変化させる機構としては、少なくとも1つの共振器ミラーを、例えば静電気力によって光軸方向に移動させる機構を好適に用いることができる。
あるいは、上記光路長制御手段において共振器内光路長を変化させる機構として、少なくとも1つのくさび状プリズムを光軸と略垂直な方向に移動させる機構を用いることも可能である。
さらに、上記光路長制御手段において共振器内光路長を変化させる機構として、共振器内部に配置された電気光学材料と、この電気光学材料に大きさ可変の電圧を印加する手段とからなるものを用いることも可能である。
他方、本発明のレーザ装置においては、共振器内に、縦モードを単一化するためのエタロンが配設されていることが望ましい。
本発明者は、共振器長の変化が、レーザ出力だけでなく、励起光の出力にも依存することを見出した。本発明のレーザ装置は、この新しい知見に鑑みて、励起光の出力およびレーザ出力に応じて共振器内光路長を制御するように構成されたものであり、それにより本装置によれば、出力安定性を高く保ち、また励起パワーが変化してもエネルギー効率を高く維持することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による半導体レーザ励起固体レーザを示すものである。この半導体レーザ励起固体レーザは、励起光としてのレーザビーム10を発する半導体レーザ11と、発散光である上記レーザビーム10を集光する例えば集光レンズ13と、ネオジウム(Nd)がドープされた固体レーザ媒質であって、集光レンズ13によるレーザビーム10の集光位置に配置されたYVO4結晶(以下、Nd:YVO4結晶と称する)14と、このNd:YVO4結晶14の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラー15とを有している。またNd:YVO4結晶14と共振器ミラー15との間には、電気光学素子16、光波長変換素子17およびエタロン18が配設されている。
以上述べた要素14〜18は、例えば銅からなる共通のマウント(図示せず)に取り付けられ、このマウントは温度調節手段を構成するペルチェ素子(図示せず)の上に固定されている。また半導体レーザ11と集光レンズ13もそれぞれ銅等からなるマウントに取り付けられ、これらのマウントも上記ペルチェ素子の上に固定されている。そして、図示しない温度調節回路によりペルチェ素子の駆動が制御されて、半導体レーザ11および固体レーザ共振器(後述のようにNd:YVO4結晶14および共振器ミラー15によって構成される)内の要素が全て共通の所定温度に制御される。
光波長変換素子17は、非線形光学材料である、MgOがドープされたLiNbO3 結晶に、周期ドメイン反転構造が設けられてなるものである。またエタロン18は、発振波長を単一化させる波長選択素子として作用する。なお、このようなエタロン18に代えて、任意のバンドパスフィルターを用いてもよい。
半導体レーザ11としては、波長 808nmのレーザビーム10を発するものが用いられている。Nd:YVO4結晶14は、上記レーザビーム10によってネオジウムイオンが励起されることにより、波長 946nmの光を発する。そしてNd:YVO4結晶14の後方端面14aと共振器ミラー15のミラー面15aとで構成される共振器によりレーザ発振が引き起こされて、波長 1064nmの固体レーザビーム30が得られる。このレーザビーム30は光波長変換素子17に入射して、波長が1/2すなわち 532nmの第2高調波31に変換される。
共振器ミラー15のミラー面15aには、励起光であるレーザビーム10および固体レーザビーム30は高反射率で反射し、第2高調波31は一部透過させるコートが施されており、したがってこの共振器ミラー15からはほぼ第2高調波31のみが出射する。
次に、出力安定化について説明する。集光レンズ13とNd:YVO4結晶14との間には、集光レンズ13を通過したレーザビーム10の一部を分岐させるビームスプリッタ20が配され、また、ここで分岐されたレーザビーム10の光出力を検出する光検出器21が設けられている。さらに共振器ミラー15の前方には、ほぼ第2高調波31のみを通過させるフィルター22が設けられ、また、このフィルター22を通過した第2高調波31の光出力を検出する光検出器24が設けられている。上記光検出器21、24の出力信号は、光路長演算回路25に入力される。電気光学素子16は電圧の印加状態に応じて屈折率を変える電気光学結晶からなるものであり、該電気光学素子16には駆動ドライバ26から、後述のようにして決定される値の電圧が印加されるようになっている。この駆動ドライバ26の駆動は、光路長演算回路25によって制御される。
光路長演算回路25は、電気光学素子16および駆動ドライバ26とともに光路長制御手段を構成するものであり、光検出器21が検出したレーザビーム10の光出力と光検出器24が検出した第2高調波31の光出力とに基づいて駆動ドライバ26の駆動を制御し、共振器内光路長を制御する。なお図4においては、共振器ミラー間距離をLで示してあるが、共振器内光路長は、この距離L内に有る媒質の距離×屈折率の総和である。
以下、共振器内光路長の制御について詳しく説明する。レーザ出力変化に対する共振器長の変化は、図5に一例を示すように非線形となっている。ここで、同図における「ピーク位置」、「ボトム位置」とはそれぞれ、レーザ出力が図1、2に示したようなピーク位置、ボトム位置となる温度での共振器内光路長の変化量を表している。ここに示される通り、ピーク位置、ボトム位置となる温度で互いに光路長変化量に差があり、このことが、レーザ出力を安定化する上で問題となる。
本発明者は、光路長変化量がレーザ出力だけではなく、励起光出力によっても変化することを見出した。この知見に鑑み、P=Pin−P0−P1なるパラメータPを考える。ここで、
in:励起光強度(レーザビーム10の光出力)
0:自然放出光および励起パワーに依存したロスに相当し、以下の式で定義する。
0=A×Pin(Aは定数)
1:誘導放出光に相当し、以下の式で定義する。
1=(Pin−η×Pin−P0)×B×Pout/Ppeak
=(1−η−A)・Pin/Ppeak×B×Pout
ただし、
η:量子欠損(=1−λ1/λ2=0.24)(λ1=808nm、λ2=1064nm)
B:モードマッチング係数
out:レーザ出力(第2高調波31の光出力)
peak:励起光強度がPinのときのピーク位置でのレーザ出力
とする。
ここで上記式を簡略化し、以下の式で表すこととする。
P=α・Pin−β・Pout
ただし、α=1−A、β=(1−η−A)・B である。
である。
ここで、例えばA=0.1、B=0.4(つまりα=0.9、β=0.264)とすると、本パラメータPは図6に示す通りとなる。つまりこのパラメータPは、光路長変化量ΔLと線形の関係(ΔL=0.0016・P−0.1047)にあり、そしてこの関係は、レーザ出力が図1、2に示したようなピーク位置、ボトム位置となるどちらの温度の下でも基本的に違いが無いことが分かる。そこでこの関係を基に、共振器の光路長が変化している分を補正する機構を設けることとする。具体的には、レーザビーム10の光出力Pinおよび第2高調波31の光出力Poutに応じて、パラメータPをP=α・Pin−β・Poutとして計算し、この結果から共振器長変化量ΔLをΔL=0.0016・P−0.1047として求める。
そして、−ΔLに相当する電圧を電気光学素子16の印加電圧に加えることで、共振器内の光路長変化分を補正することができる。また、このような制御を行なうと第2高調波31の光出力Poutが変化するが、同時に共振器内の光路長増加分も変化するので、これに合わせて補正するようフィードバックをかければよい。
以上により最終的には、共振器内の光路長が、変化量0のところに収束するので、波長の変化が少なく、安定した出力の第2高調波31を得ることが可能となる。すなわち、このレーザ装置の温度−出力特性は概略図7(a)に示すように対称形状が保たれて位相シフトも発生せず、また温度−波長特性は概略同図(b)に示すように線形性が保たれるようになる。上述のように温度−出力特性に位相シフトが発生しなければ、励起光強度を変化させたときのエネルギー効率(=出力/励起パワー)が低下することを防止できる。
なお、Pinに対するPpeakの値は、実際に測定して近似曲線やテーブルによって与えても良いし、Ppeak=A・Pin 2 等として数式を与えても良い。また、PinとPpeakの関係が比例関係にあるときは、P=Pin−α×Pin−(1−η−α)・Pin/Ppeak×β×Poutは、P=α’・Pin+β’・Poutの形になるので、α’、β’を実験的に求めて適用しても良い。こうして得られたパラメータPは、共振器内光路長の伸びを表すと同時に熱レンズのレンズパワーの代表値ともなっている。このため、生成した熱レンズに対して最適な光路長を計算で求め、制御することによって常に安定にレーザ発振させることができる。
ここで、より具体的に電気光学素子16としてLN(LiNbO3)結晶を用いた場合について、それへの電圧印加による光路長制御範囲について説明する。LNの屈折率変化量Δnは、ポッケルス定数をr33、LN屈折率をne、電界強度をEe zとすると、
Δn=(1/2)・r33・ne 3・Ee z
であるので、r33=30.8×10−12(m/V)、ne=2.2、LN結晶長さd=4mm、結晶厚さを0.5mmとすると、光路長変化量Δn・dは、
Δn・d=(1/2)・30.8×10−12・2.23・(800/0.5)・4=1.04μm
となる。すなわち、長さ4mmで厚さ0.5mmのLN結晶からなる電気光学素子16に、厚さ方向に800Vの電圧を印加すると、1.04μmの光路長変化量Δn・dを得ることが可能となる。
上述した通り本実施形態では、レーザ結晶における発生熱量に着目し、設計に依存する項目(量子欠損、モードマッチングロス、自然放出光)と入力光量および出力効率から共振器内光路長を算出するようにしたものであり、従来の出力を元に制御する方法とは原理的に異なる。
なお、上記実施形態では、固体レーザビーム30を光波長変換素子17によって第2高調波31に変換するようにしているが、本発明はこのような波長変換を行うレーザ装置に限らず、光路長が変化することによって出力が変化する全てのレーザ共振器に適用可能である。例えば、予め熱レンズが出来ることを想定した共振器構造にした場合、熱レンズの大きさが最適値から外れることによって出力が変化する。このような場合には、本発明を適用することにより、同じ励起パワーにおいては常に一定の熱レンズが得られるように制御可能である。また、励起パワーに対して最適な共振器内光路長に制御することができる。特にレーザ結晶として、Nd:YVO4等のように熱伝導率が小さくかつ吸収係数が高い材料を適用する場合には、熱レンズが生じ易いので、本発明による効果がより大きくなる。
また、励起光の出力の代わりに、それと対応する励起光源の駆動電流に基づいて上記制御を行っても同様の効果が得られる。そのように構成した本発明の第2実施形態による半導体レーザ励起固体レーザを図8に示す。なおこの図8において、図4中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
図示の通りこの実施形態においては、半導体レーザ11の駆動電流が光路長演算回路25に入力され、光路長演算回路25はこの駆動電流に基づいて光路長を演算するように構成されている。この構成によれば、ビームスプリッタや光検出器を省略することができるので、より低コストでレーザ装置を形成可能となる。なお本実施形態では、レーザビーム10を集光するために、ロッド形の集光レンズ33が用いられている。
次に、図9を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、共振器ミラー15が共振器軸方向に移動可能なステージ40に搭載され、このステージ40が例えばピエゾ素子41によって上記方向に移動されて、共振器内光路長が変えられるようになっている。このピエゾ素子41は駆動ドライバ26′によって駆動される。そしてこの駆動ドライバ26′は光路長演算回路25により、半導体レーザ11の出力に対応する駆動電流と、光検出器24が検出した第2高調波31の光出力とに基づいて制御される。
次に、図10を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態においては、共振器内光路に1対のウエッジプリズム51、52からなるプリズムペア50が挿入され、一方のウエッジプリズム52が例えばピエゾ素子53により光路と直角な方向に移動されて、共振器内光路長が変えられるようになっている。このピエゾ素子53は駆動ドライバ26′によって駆動される。そしてこの駆動ドライバ26′は光路長演算回路25により、半導体レーザ11の出力に対応する駆動電流と、光検出器24が検出した第2高調波31の光出力とに基づいて制御される。
この構成において、例えばウエッジプリズム52が屈折率1.45の石英からなり、そのくさび形の傾斜角が1°であるとすると、光路長を1μm変化させるのに要するプリズム移動量は約40μmとなるので、光路長を高精度に制御可能となる。
また光路長制御手段は、共振器内に配された熱光学効果を有する光学部品にヒータを付けて構成することもできる。そのような光学部品が例えば長さd=2mmのLN結晶からなるものである場合、温度1℃当たりの光路長変化量は0.146μm/℃となる。
さらに光路長制御手段としては、共振器長を静電気力によって変化させる機構を採用することもできる。図11および図12は、そのような構成を有する本発明の第5の実施形態によるレーザ装置の側面形状、平面形状を示すものである。本実施形態のレーザ装置は一例として、外部共振器を備えた面発光レーザであって、半導体レーザチップ60と、この半導体レーザチップ60を固定したマウント61と、後述するように半導体レーザチップ60の半導体層積層方向と直角な方向(図11の上下方向)に発せられるレーザビーム70を通過させる開口62aを有する保持部材62と、この保持部材62をマウント61に連結固定する連結部材63と、保持部材62の上面に固定された光波長変換素子17と、同じく保持部材62の上面に固定されたスペーサ64と、このスペーサ64の上面の周辺部に固定された1対の微小スペーサ65と、この微小スペーサ65を介してスペーサ64に取り付けられた透明なガラス基板66とを有している。
上記半導体レーザチップ60には半導体層と平行に形成されたミラー面60aが形成され、ガラス基板66の下面には、多層膜ミラー67が形成されている。この多層膜ミラー67およびミラー面60aは、半導体レーザチップ60が発する光を反射させるものであり、それらにより面発光レーザの共振器が構成されている。この共振器により発振したレーザビーム70は光波長変換素子17に入射して、波長が1/2の第2高調波71に変換される。上記多層膜ミラー67は、レーザビーム70は反射させる一方、第2高調波71は透過させるものとされているので、ガラス基板66から上方には、ほぼ第2高調波71のみが出射する。
またスペーサ64の上面には電極68が形成されるとともに、ガラス基板66の下面には、この電極68に対面させて電極69が形成されている。これらの電極68および電極69間に、図示しない駆動ドライバから電圧を印加すると、両者の間に発生する静電気力により、ガラス基板66を上下方向、つまり共振器軸方向に移動させることができる。そして印加電圧を変えれば、ガラス基板66の移動距離を変えて、共振器内光路長を制御することが可能になる。なお光路長の制御については、後述した手法のいずれかを用いればよいので、ここでの説明は省略する。
上記の構成において、電極68と電極69との間のギャップは、例えば2〜3μm程度とされる。なお、微小スペーサ65として高分子材料やバネ等の弾性体を適用すれば、駆動電圧を低下させることができる。また、これらの電極68および69の面積を大きくしたり、ガラス基板66の代わりに高分子膜を用いる等によっても、駆動電圧を低下させることが可能である。
また、スペーサ64および微小スペーサ65に代えて、積層ピエゾ素子を用いることにより、電極68および69は用いないで、ガラス基板66を上記と同様に移動させることも可能である。
レーザ装置の温度−出力特性(a)と、温度−波長特性(b)の概略を示すグラフ レーザ装置の励起パワーが変化したときの温度−出力特性の変化(a)と、温度−波長特性の変化(b)の概略を示すグラフ 従来技術によりレーザ装置の共振器長を制御したときの温度−出力特性の変化(a)と、温度−波長特性の変化(b)の概略を示すグラフ 本発明の第1の実施形態によるレーザ装置を示す概略側面図 レーザ出力変化に対する共振器内光路長変化特性の一例を示すグラフ 図4の装置における制御パラメータPと共振器内光路長変化量の関係を示すグラフ 図4のレーザ装置において共振器内光路長を制御したときの温度−出力特性の変化(a)と、温度−波長特性の変化(b)の概略を示すグラフ 本発明の第2の実施形態によるレーザ装置を示す概略側面図 本発明の第3の実施形態によるレーザ装置を示す概略側面図 本発明の第4の実施形態によるレーザ装置を示す概略側面図 本発明の第5の実施形態によるレーザ装置の一部を示す側面図 図11のレーザ装置の平面図
符号の説明
10 レーザビーム(励起光)
11 半導体レーザ
14 Nd:YVO4結晶
15 共振器ミラー
20、23 ビームスプリッタ
21、24 光検出器
25 光路長演算回路
26、26′ 駆動ドライバ
30 固体レーザビーム
31 第2高調波
40 ステージ
41、53 ピエゾ素子
51、52 ウエッジプリズム
60 半導体レーザチップ
66 ガラス基板
68、69 電極

Claims (8)

  1. レーザ媒質と、
    このレーザ媒質を励起する励起光を発する励起源と、
    少なくとも2個の共振器ミラーから構成されたレーザ共振器とを備えてなるレーザ装置において、
    前記励起光の出力およびレーザ出力から共振器内光路長の伸び量を算出し、この伸び量を解消するように共振器内光路長を制御する光路長制御手段が設けられたことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記光路長制御手段が、レーザ装置が温度−出力特性の周期的変化において出力ピークとなる温度、出力ボトムとなる温度で駆動された場合に互いに略等しい値を取り、かつ、共振器内光路長と略線形の関係となるパラメータに基づいて共振器内光路長を制御するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 前記光路長制御手段が、励起光の出力をPin、レーザ出力をPoutとしたとき、P=α・Pin−β・Pout(α、βは定数)なるパラメータPに比例する変化量で光路長を制御するものであることを特徴とする請求項2記載のレーザ装置。
  4. 前記光路長制御手段が、少なくとも1つの共振器ミラーを光軸方向に移動させることによって共振器内光路長を変化させるものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のレーザ装置。
  5. 前記光路長制御手段が、静電気力を用いて共振器ミラーを移動させることによって共振器内光路長を変化させるものであることを特徴とする請求項4記載のレーザ装置。
  6. 前記光路長制御手段が、少なくとも1つのくさび状プリズムを光軸と略垂直な方向に移動させることによって共振器内光路長を変化させるものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のレーザ装置。
  7. 前記光路長制御手段が、共振器内部に配置された電気光学材料と、この電気光学材料に大きさ可変の電圧を印加する手段とによって共振器内光路長を変化させるものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のレーザ装置。
  8. 前記共振器内に、縦モードを単一化するためのエタロンが配設されていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のレーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009117566A (ja) * 2007-11-06 2009-05-28 Mitsutoyo Corp 周波数安定化レーザ装置及びレーザ周波数安定化方法
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