JP2007095777A - 有機半導体薄膜の製造方法及び有機半導体薄膜並びに電界効果トランジスタ - Google Patents

有機半導体薄膜の製造方法及び有機半導体薄膜並びに電界効果トランジスタ Download PDF

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Sukeyuki Fujii
祐行 藤井
Kenji Sano
健志 佐野
Kenichiro Wakizaka
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Abstract

【課題】電荷移動度などの特性が膜面方向において均一な有機半導体薄膜を製造する。
【解決手段】有機半導体材料を含有した溶液を基板上に展開して有機半導体薄膜を製造する方法であり、基板3に対する展開が、第2の溶液8に比べて容易な第1の溶液7を基板3の上に展開する工程と、基板3上に展開した第1の溶液の膜7が溶液状態である時間内に、有機半導体材料を含有した第2の溶液8を第1の溶液の膜7の上に展開する工程と、第1の溶液7及び第2の溶液8からなる膜を乾燥させて有機半導体薄膜を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体薄膜の製造方法及び有機半導体薄膜並びにそれを用いた電界効果トランジスタに関するものである。
近年、情報技術の高度な発展に伴い、超薄型で携帯が容易な情報処理装置及び表示装置への要望が高まっている。超薄型の情報処理装置を提供する技術として、有機半導体薄膜を用いた電界効果トランジスタなどの電子素子が注目されている。このような電子素子においては、分子配向や結晶性の違いにより大きな特性の違いが生じるため、分子配向や結晶性が制御された有機半導体薄膜が求められている。
有機半導体薄膜は、スピンコート法やインクジェット印刷法などにより一般的に形成されており、特許文献1においては、インクジェット印刷法により形成した有機半導体薄膜を用いて、有機トランジスタや有機EL表示装置を製造する方法が開示されている。
しかしながら、スピンコート法やインクジェット印刷法などによる有機半導体薄膜の形成においては、電荷移動度などの特性が不均一になるという問題があった。
このような問題を解消するため、特許文献2においては、沸点の異なる2種以上の溶媒を含む有機半導体溶液を用いて有機半導体薄膜を形成することが開示されている。
しかしながら、このような方法によっても、電荷移動度などの特性が膜面方向において均一な有機半導体薄膜を得ることができなかった。
特開2004−297011号公報 特表2004−535653号公報
本発明は、電荷移動度などの特性が膜面方向において均一な有機半導体薄膜を製造することができる方法並びに該方法により得られた有機半導体薄膜及びそれを用いた電界効果トランジスタを提供することにある。
本発明は、有機半導体材料を含有した溶液または分散液を基板上に展開して有機半導体薄膜を製造する方法であり、基板に対する展開が、第2の溶液または分散液(以下、単に「第2の溶液」という)に比べて容易な第1の溶液または分散液(以下、単に「第1の溶液」という)を基板上に展開する工程と、基板上に展開した第1の溶液の膜が溶液または分散液の状態である時間内に、有機半導体材料を含有した第2の溶液を第1の溶液の膜の上に展開する工程と、第1の溶液及び第2の溶液からなる膜を乾燥させて有機半導体薄膜を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明においては、基板に対する展開が、第2の溶液に比べて容易な第1の溶液を基板上に展開した後、基板上の第1の溶液の膜が溶液または分散液の状態である時間内に、有機半導体材料を含有した第2の溶液を第1の溶液の膜の上に展開している。第1の溶液は、基板に対する展開が、第2の溶液に比べて容易であるので、第2の溶液を基板上に展開する場合に比べ、基板上の展開する所定の領域に、第1の溶液の膜をより速い速度でかつ均一に展開することができる。このようにして形成された溶液状態の第1の溶液の膜の上に、第2の溶液を展開すると、第1の溶液の膜に対し、第2の溶液は親和性を有するものであるので、第2の溶液をより速い速度でかつ均一に展開すべき領域に展開することができる。また、第1の溶液の膜に対する第2の溶液の親和性が低い場合であっても、第2の溶液を基板の固定表面上に単独で展開する場合に比べて、第1の溶液の膜上を展開する方が液−液界面での展開となるため、第2の溶液をより速い速度でかつ均一に展開することができる。このため、本発明の製造方法により得られる有機半導体薄膜は、電荷移動度などの特性が膜面方向において均一な薄膜とすることができる。
本発明において、基板に対する展開が、第2の溶液に比べて容易であるか否かの判断は、例えば、基板に対する展開を第1の溶液と第2の溶液とで比較することにより判断することができる。すなわち、第2の溶液を基板に展開したときの展開の速度及び均一性と、第1の溶液を基板に展開したときの展開の速度及び均一性を比較し、第1の溶液を展開したときにより速い速度とより良好な均一性が得られれば、第1の溶液の基板に対する展開が第2の溶液に比べて容易であると判断することができる。
本発明においては、基板上に展開した第1の溶液の膜が、溶液または分散液の状態である時間内に、有機半導体材料を含有した第2の溶液を第1の溶液の膜の上に展開する。第1の溶液が溶液または分散液の状態であるとは、第1の溶液の膜が溶媒または分散媒を含有している状態である。このような状態のときに、第2の溶液を第1の溶液の膜の上に展開することにより、第2の溶液を素早くかつ均一に展開することができる。
本発明において、第1の溶液は、有機半導体材料を含有しない、溶媒または分散媒のみからなる溶液または分散液であってもよい。
また、本発明においては、第1の溶液の溶媒または分散媒と、第2の溶液の溶媒または分散媒とが異なっていてもよい。また、第1の溶液に含有させる有機半導体材料と、第2の溶液に含有させる有機半導体材料の種類が異なっていてもよい。
本発明において、第1の溶液を、基板に対する展開が第2の溶液に比べて容易にする具体的な手法として、以下のようなものが挙げられる。
(1)第1の溶液における有機半導体材料の含有濃度を、第2の溶液における有機半導体材料の含有濃度よりも低くする。
(2)第1の溶液の粘性を、第2の溶液の粘性よりも低くする。
(3)第1の溶液を溶媒または分散媒の沸点を、第2の溶液の溶媒または分散媒の沸点よりも高くする。なお、この場合の溶媒または分散媒の沸点は、大気圧(105Pa)における沸点である。
(4)第1の溶液の展開時の温度での溶媒または分散媒の飽和蒸気圧を、第2の溶液の展開時の温度での溶媒または分散媒の飽和蒸気圧より低くする。
(5)第1の溶媒の平均モル質量を、第2の溶液の平均モル質量より小さくする。なお、平均モル質量は、溶液または分散液における溶媒または分散媒と溶質を含む平均モル質量である。
(6)第1の溶液の溶媒または分散媒の屈折率を、第2の溶液の溶媒または分散媒の屈折率よりも高くする。
(7)第1の溶液の表面張力を、第2の溶液の表面張力よりも低くする。
本発明の有機半導体薄膜は、上記本発明の有機半導体薄膜の製造方法により製造されたことを特徴としている。
本発明の有機半導体薄膜は、電荷移動度などの特性が膜面方向において均一な有機半導体薄膜である。従って、電界効果トランジスタなどの有機トランジスタに本発明の有機半導体薄膜を用いることにより、しきい値の電圧特性などにおいて良好なトランジスタとすることができる。
本発明の有機半導体薄膜は、第1の溶液を展開した後、その上に第2の溶液を展開をして形成するものであるので、薄膜の基板側において密度が低く、表面側において密度が高い有機半導体薄膜であってもよい。
本発明の電界効果トランジスタは、上記本発明の有機半導体薄膜を用いたことを特徴としている。
本発明の電界効果トランジスタは、上記本発明の有機半導体薄膜を用いているのでしきい値の電圧特性などにおいて優れており、良好なトランジスタ特性を示す。
また、上記本発明の有機半導体薄膜は、有機エレクトロルミネッセント素子(有機EL素子)などにおける有機半導体薄膜にも用いることができるものである。
本発明において用いる有機半導体材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS) 等との混合物からなる高分子材料や、チオフェンモノマーと他のモノマーが連結された共重合体及びオリゴマーなどの物質、フラーレンやデンドリマーなどの分子性有機物質等の各種の有機半導体物質を用いることができる。
また、本発明における分散液としては、特に限定されるものではなく、例えばゾルやエマルジョン等が挙げられる。本発明における分散液は、分散媒が蒸発することにより、膜を形成することができるものであればよい。
本発明において、溶液または分散液を展開する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、凸版式印刷、スクリーン印刷などの各種印刷方法を用いることができる。また、プロッタ装置を用いた印刷方法であってもよい。
また、溶液または分散液を展開する領域は、特に限定されるものではないが、例えば、凹部より形成された領域や、堤(バンク)で囲まれた領域であってもよい。また、表面の親和力の差で規定された領域であってもよい。
本発明における基板は、溶液または分散液が展開される下地であればよく、その材質は特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、金属、セラミック、有機または無機のフィルムなどが挙げられる。また、これらの上に有機物質または無機物質からなる下地層が形成されたものであってもよい。
本発明によれば、電荷移動度、導電率、誘電率等の特性が膜面方向において均一な有機半導体薄膜を製造することができる。
また、本発明の電界効果トランジスタは、上記本発明の有機半導体薄膜を用いたものであるので、素子特性に優れたトランジスタとすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に従う有機半導体薄膜の製造工程を説明するための概略断面図であり、図2は平面図である。この第1の実施形態においては、有機トランジスタ(電界効果トランジスタ)において、チャネル層として用いられる有機半導体薄膜の製造工程を示している。
図1に示すように、基板1の上には、ゲート電極となる第1の電極2が形成されている。第1の電極2の上には、ゲート絶縁膜となるポリイミド樹脂からなる誘電体層3が形成されている。誘電体層3の上には、第2の電極4及び第3の電極5が、所定の距離L離れて形成されている。第2の電極4及び第3の電極5のいずれか一方をソース電極として用い、他方をドレイン電極として用いることができる。
図1及び図2に示すように、第2の電極4及び第3の電極5の上にポリイミドからなるバンク6が形成されている。バンク6は、図2に示すように、第2の電極4と第3の電極5の間の領域においては、誘電体層3の上に形成されている。バンク6は、誘電体層3の上に滴下された溶液が展開する領域を規定するためのものである。
本発明に従い、誘電体層3の上に、誘電体層3に対する展開が相対的に容易な第1の溶液が展開され、第1の溶液の膜7が形成される。次に、第1の溶液の膜7が、溶液状態である時間内に、第1の溶液の膜7の上に、第2の溶液が展開され、第2の溶液の膜8が形成される。図1においては、第1の溶液の膜7と第2の溶液の膜8とが明確に確立されているが、第2の溶液は、第1の溶液の膜が溶液状態である時に展開されるものであるので、膜の間に、図1に示すような明確な境界が形成されるものではない。第1の溶液と第2の溶液から形成される膜は、全体としてほぼ均一な膜であってもよいし、膜の基板側と表面側において、組成及び/または密度などが異なるものであってもよい。例えば、基板側において密度が低く、表面側において密度が高いような密度の濃度勾配が存在する膜であってもよい。
本発明に従えば、第1の溶液は、基板に対する展開が、第2の溶液に比べて容易であるため、基板上に素早く均一に展開される。第2の溶液は、第1の溶液の膜の上に展開されるため、基板の上に直接展開させる場合に比べ素早くかつ均一に展開させることができる。このため、有機半導体薄膜全体としての膜厚及び物性等を均一化させることができる。特に、電荷移動度、導電率、誘電率等の膜面方向における均一性を高めることができる。
(実施例1)
図1に示す第1の実施形態においては、誘電体層3の上に、第2の電極4及び第3の電極5を形成しているが、ここでは、ガラス基板の上に、金を真空蒸着して、第2の電極4及び第3の電極5をガラス基板の上に直接形成した。第2の電極4と第3の電極5の間の間隔Lを0.4mmとし、第2の電極4及び第3の電極5の幅Wを1mmとした。
次に、バンク6をポリイミドで形成した。バンク6の軸cd方向の長さを0.8mmとし、軸abの方向の長さを0.5mmとした。
有機半導体材料としては、立体規則性構造を有するポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)(平均モル質量87000g/mol、アルドリッチ社製)を用いた。ガラス基板の表面を洗浄した後、乾燥させ、バンク6で区画された領域の中心Xに、第1の溶液として、蒸気圧の低いテトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;モル質量132.20g/mol;沸点207.2℃;融点−35℃;粘度約2mPa・s;20℃における蒸気圧0.18mmHg;20℃におけるナトリウムのD線に対する光屈折率1.541)を室温で滴下し展開した。
従って、第1の溶液としては、溶媒であるテトラリンのみを用いて展開した。
テトラリンが溶液状態である時間内に、すなわちテトラリンが全て蒸発してしまう前に、P3HTのオルト−キシレン溶液(濃度1質量%、粘度約8mPa・s、平均モル質量975.1g/mol)を第2の溶液として、バンク6で区画された領域の中心Xの位置に、室温で滴下し展開した。室温で5分間放置した後、真空オーブンで減圧下、80℃で1時間ベークして、有機半導体薄膜を形成した。
形成した有機半導体薄膜の膜厚のばらつきを評価したところ、平均膜厚を200nmとした場合、光学的に測定した膜厚のばらつきは、±8%であった。
次に、軸ab上の測定点XY間及びYZ間の導電性をプローバーを用いて測定し、電荷移動度を測定した。XY間及びYZ間の距離はいずれも0.1mmである。測定点XY間の電荷移動度は2.3×10-3cm2/Vsであり、YZ間の電荷移動度は2.2×10-3cm2/Vsであった。
なお、オルト−キシレンのモル質量は106.17g/molである。従って、平均モル質量87000g/molのP3HTを濃度1質量%含有するP3HTのオルト−キシレン溶液の平均モル質量は975.1g/molである。
また、オルト−キシレンの融点は−24℃であり、沸点は144℃であり、20℃におけるナトリウムD線に対する光屈折率は1.502〜1.507であり、37.7℃における蒸気圧は16mmHgである。P3HTのオルト−キシレン溶液(濃度1質量%)の沸点は149℃程度である。
(実施例2)
第1の溶液として、P3HTのアニソール溶液(濃度0.3質量%)を用い、第2の溶液として、P3HTのオルト−キシレン溶液(濃度1質量%)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして有機半導体薄膜を形成した。膜厚のばらつきを測定したところ、平均膜厚を200nmとした場合、光学的に測定した膜厚のばらつきは±11%であった。
また、軸ab上の測定点XY及びYZ間の電荷移動度を、プローバーを用いて測定した。XY間及びYZ間の距離は0.1mmとした。測定点XY間の電荷移動度は2.4×10-3cm2/Vsであり、YZ間の電荷移動度は2.0×10-3cm2/Vsであり、電荷移動度の膜面方向の均一性は良好であった。
なお、第1の溶液に用いたアニソールのモル質量は108.14g/molであり、融点は−37℃、沸点は155.5℃であり、42.2℃における蒸気圧は10mmHgである。P3HTのアニソール溶液(濃度0.3質量%)の沸点は、約156℃である。
また、20℃におけるナトリウムのD線に対する光屈折率は1.516〜1.518である。平均モル質量87000g/molのP3HTを濃度0.3質量%含有するP3HTのアニソール溶液の平均モル質量は368.8g/molとなる。
上記のP3HTのオルト−キシレン溶液の平均モル質量は975.1g/molであるので、第1の溶液の平均モル質量368.8g/molの方が、第2の溶液の平均モル質量も小さくなっている。
また、上記のようにして形成した有機半導体薄膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、第1の溶液から形成した薄い層と、第2の溶液から形成した厚い層が観察された。別途、種々の条件で、P3HTを硬化した膜の観察データと比較した結果、第1の溶液から形成した薄い層においては、低密度の有機薄膜に特有のモルフォロジーを示し、第2の溶液から形成した厚い層では、高密度の有機薄膜に特有のモルフォロジーを示した。
(比較例1)
第1の溶液を用いずに、直接第2の溶液をガラス基板上に塗布する以外は、上記実施例1と同様にして有機半導体薄膜を形成した。
膜厚のばらつきを評価したところ、平均膜厚を200nmとした場合、光学的に測定した膜厚のばらつきは±18%であった。
また、上記と同様にしてXY間及びYZ間の電荷移動度を測定したところ、測定点XY間の電荷移動度は0.8×10-3cm2/Vsであり、YZ間の電荷移動度0.3×10-3cm2/Vsであった。
以上の結果から、実施例1及び実施例2によれば、比較例1よりも膜厚のばらつきを低減することができることがわかる。具体的には、実施例1においては、比較例1に比べ1/2以下に改善することができた。また、実施例2においては、比較例1に比べ膜厚のばらつきを2/3以下に改善することができた。
また、電荷移動度の膜面方向のばらつきも、実施例1及び実施例2によれば、比較例1よりも大幅に低減できることがわかる。
(実施例3)
図1に示すように、ガラス基板1の上に、金を真空蒸着して、第1の電極2を形成した後、ポリイミド樹脂を用いて誘電体層3を形成した。誘電体層3の上に、上記実施例1と同様にして第2の電極4及び第3の電極5を形成し、その上にポリイミドからなるバンク6を形成した。
次に、上記実施例1と同様の第1の溶液及び第2の溶液を用い、上記実施例1と同様にして有機半導体薄膜を形成した。有機半導体薄膜を形成した後、トランジスタ特性を評価した。
第1の電極2を電流制御用のゲート電極として用い、第2の電極4をソース電極、第3の電極5をドレイン電極として動作させると、第1の電極2の印加電圧に応じて、第2の電極4と第3の電極5との間のコンダクタンスが変化し、トランジスタ動作が確認された。ドレイン電極のオン/オフ比は215であり、電荷移動度は2.5×10-3cm2/Vsであった。
(比較例2)
比較例1と同様に、第1の溶液を用いずに、第2の溶液を誘電体層3の上に直接展開する以外は、上記実施例3と同様にして有機トランジスタを作製した。
作製した有機トランジスタについてトランジスタ特性を評価したところ、第1の電極2に40Vの高電圧を印加すると、0V時に比較して、第2の電極4と第3の電極5との間のコンダクタンスが変化し、トランジスタ動作が確認された。ドレイン電極のオン/オフ比は2であり、電荷移動度は、0.6×10-3cm2/Vsであった。
従って、本発明に従い形成した有機半導体薄膜を用いた実施例3の有機トランジスタは、比較例2において作製した有機トランジスタに比べ、オン/オフ比及び電荷移動度が高く、トランジスタ特性に優れていることがわかる。
図3は、本発明に従う第2の実施形態の有機トランジスタを示す概略断面図である。ここでは、第1の電極2の上に、誘電体層3を形成し、誘電体層3の上に、本発明に従い、第1の溶液の膜7及び第2の溶液の膜8を形成して、有機半導体薄膜とし、この上に、第2の電極4及び第3の電極5を所定距離を離して形成している。
図4は、本発明の第3の実施形態に従う有機トランジスタを示す概略断面図である。ここでは、基板1の上に第2の電極4及び第3の電極5を所定距離を離して形成し、第2の電極4及び第3の電極5の上に、電極表面が一部露出するように第1の実施形態と同様にしてバンク6を形成した後、第1の溶液の膜7及び第2の溶液の膜8を形成して、有機半導体薄膜を形成し、この上に誘電体層3を形成し、誘電体層3の上にゲート電極となる第1の電極2を形成している。
本発明の有機半導体薄膜の製造方法は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能なものである。
また、本発明に従う有機トランジスタは、上記実施例の構成に限定されるものではなく、種々の構造の有機トランジスタに適用することができる。
また、本発明の有機半導体薄膜は、上記有機トランジスタのみならず、キャパシタ、ダイオードなどの種々の電子素子や、情報処理装置、並びに有機EL表示装置等の表示装置における有機半導体薄膜に用いることができるものである。
本発明の第1の実施形態に従う有機トランジスタにおける有機半導体薄膜の形成工程を説明するための概略断面図。 本発明の第1の実施形態に従う有機トランジスタにおける有機半導体薄膜の形成工程を説明するための概略平面図。 本発明の第2の実施形態に従う有機トランジスタにおける有機半導体薄膜の形成工程を説明するための概略断面図。 本発明の第3の実施形態に従う有機トランジスタにおける有機半導体薄膜の形成工程を説明するための概略断面図。 本発明の第3の実施形態に従う有機トランジスタを示す概略断面図。
符号の説明
1…基板
2…第1の電極
3…誘電体層
4…第2の電極
5…第3の電極
6…バンク
7…第1の溶液の膜
8…第2の溶液の膜

Claims (11)

  1. 有機半導体材料を含有した溶液または分散液を基板上に展開して有機半導体薄膜を製造する方法であって、
    前記基板に対する展開が、第2の溶液または分散液(以下、単に「第2の溶液」という)に比べて容易な第1の溶液または分散液(以下、単に「第1の溶液」という)を前記基板上に展開する工程と、
    前記基板上に展開した前記第1の溶液の膜が溶液または分散液の状態である時間内に、前記有機半導体材料を含有した第2の溶液を第1の溶液の膜の上に展開する工程と、
    前記第1の溶液及び前記第2の溶液からなる膜を乾燥させて有機半導体薄膜を形成する工程とを備えることを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  2. 前記第1の溶液が、前記有機半導体材料を含有しない、溶媒または分散媒のみからなる溶液であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  3. 前記第1の溶液における前記有機半導体材料の含有濃度が、前記第2の溶液における前記有機半導体材料の含有濃度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  4. 前記第1の溶液の溶媒または分散媒と前記第2の溶液の溶媒または分散媒とが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  5. 前記第1の溶液の粘性が、前記第2の溶液の粘性より低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  6. 前記第1の溶液の溶媒または分散媒の沸点が、前記第2の溶液の溶媒または分散媒の沸点より高いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  7. 前記第1の溶液の展開時の温度での溶媒または分散媒の飽和蒸気圧が、前記第2の溶液の展開時の温度での溶媒または分散媒の飽和蒸気圧より低いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  8. 前記第1の溶液の平均モル質量が、前記第2の溶液の平均モル質量より小さいことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法で製造された有機半導体薄膜。
  10. 基板側において密度が低く、表面側において密度が高いことを特徴とする請求項9に記載の有機半導体薄膜。
  11. 請求項9または10に記載の有機半導体薄膜を用いたことを特徴とする電界効果トランジスタ。
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