JP2007093414A - 分光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による装置は、ツェルニー・ターナー形分光装置で、少なくとも入射スリットを形成するスリット板1,コリメータ鏡2,グレーティング3,複数のカメラ鏡4,5,入射スリット共役面に配置される検出器8がこの順で配置されており、離間した波長域に同時に現れる第1および第2のスペクトルを同時に測定するための分光装置である。第1スペクトル用の第1カメラ鏡4と検出器8との間に設けられた第1の光路調整手段6と、第2スペクトル用の第2カメラ鏡5と検出器8との間に設けられ、前記第2のスペクトルを検出器8上に結像した前記第1のスペクトルに近接して結像させる第2の光路調整手段7を備えている。
【選択図】図1
Description
入口スリットSを有するスリット板(1)から入射した発散光は凹面反射鏡であるコリメータ鏡MC(2)で平行光となって反射され、平面グレーティングG(3)に入射し、波長毎に同一角度の平行光として回折される。凹面反射鏡であるカメラ鏡MK(20)はこの回折光を受けて、焦点面FP(21)上に入射スリット像を波長順にスペクトルとして結像する。なお、特許文献1は、クロス・ツェルニー・ターナー形の分光装置である。
この種の分光装置はラマン分光の測定(特許文献2)に利用されている。
あるマルチチャンネル光検出器(MCD)を前述した焦点面FP(21)に配置して分光測定を行う場合、同時測定の可能な波長範囲は、分光器の焦点距離と分光器内に設置されたグレーティングの刻線密度により定まる。
例えば、可視域における測定の場合、通常刻線密度1200gr(溝:以下同様)/mm程度のグレーティングが用いられるが、このとき焦点距離25cmクラスの分光器において、25μm幅の受光部を1000チャンネル持つ25mm幅のMCDを受光素子として測定をする場合、同時測定ができる波長範囲は約800Åになる。
そのため従来は以下に記すような(A)から(C)のいずれかの方法によることを余儀なくされていた。
グレーティングの刻線密度を1200gr/mmから500gr/mmとすれば波長範囲は800Åから1920Åへと拡大し、このスペクトルの同時測定はほぼ可能となる。しかし分光系の分解能に関して、スペクトル線分散は4割程度に下がるので、MCDの1チャンネル当りの受光波長範囲は0.8Åから2Åへと2.5倍拡大し、スペクトル測定の分解能が劣化する。また、MCDは中央部の大部分が利用されずに無駄になる。
本発明の目的は、1つの光源から発した光のスペクトルを複数箇所の離間した波長域で、スペクトル分解能を損なわずに同時測定する分光装置を提供することにある。
ツェルニー・ターナー形分光装置であって、少なくとも入射スリット,コリメータ鏡,グレーティング,カメラ鏡,入射スリットの共役面に配置される検出器がこの順で配置されており、不連続に離間した第1の波長域と第2の波長域に現れるスペクトルを同時に測定するための分光装置であって、
前記第1の波長域に現れるスペクトル(以下、第1のスペクトルまたは第1スペクトルと称する)および前記第2の波長域に現れるスペクトル(以下、第2のスペクトルまたは第2スペクトルと称する)に対応するようにそれぞれ分離されて設けられている第1スペクトル用の第1カメラ鏡および第2スペクトル用の第2カメラ鏡と、
前記第1カメラ鏡と前記検出器との間に設けられた第1の光路調整手段と、
前記第2カメラ鏡と前記検出器との間に設けられ、前記第2のスペクトルを前記検出器上の前記第1のスペクトルに近接して結像する第2の光路調整手段と、
から構成されている。
本発明による請求項3記載の分光装置は、請求項1記載の分光装置において、前記検出器はMCDであって、前記第1および第2の光路調整手段は前記第1および第2のスペクトルを直列的または並列的に配置するように設けられている。
前記MCDは一次元MCDであって、前記第1および第2のスペクトルを直列的に配置するものであるか、
前記MCDは二次元MCDであって、前記第1および第2のスペクトルを並列的に配置するものである。
本発明による請求項5記載の分光装置は、請求項1記載の分光装置において、
前記第1および第2のスペクトルは、半導体表面をレーザ光で励起したときに発生するレーリー光とラマン光である。
本発明による請求項2記載の分光装置によれば、前記第1および第2の光路調整手段は反射鏡とすることができる。
本発明による請求項3記載の分光装置によれば、前記検出器はMCDであって、第1および第2の光路調整手段は前記第1および第2のスペクトルを直列的または並列的に配置することができる。
本発明による請求項5記載の分光装置によれば、前記第1および第2のスペクトルは、半導体表面をレーザ光で励起したときに発生するレーリー光とラマン光とすることができる。
図1は、本発明による分光装置の第1の実施例を示す斜視図であり、図2は前記実施例の平面光路図である。
この実施例装置はツェルニー・ターナー形分光装置で、少なくとも入射スリットを形成するスリット板1,コリメータ鏡2,グレーティング3,第1カメラ鏡4,第2カメラ鏡5,入射スリットの共役面に配置される検出器(MCD)8がこの順で配置されている。
前記スリットには、隔たった波数域に同時に現れる第1および第2のスペクトルを含む光が入射する。
第1および第2の光路調整手段は、前記第1および第2のスペクトルを直列的に配置するように設けられている。
同一図面上に続けて描かれているが、400cm-1以上の領域と0cm-1近辺の領域とは互いに独立である。ちなみにシリコンの場合、520cm-1近辺以下の波数域にラマン線が現れることはない。
この実施例の構成の多くはさきに説明した第1の実施例と共通するが、第1および第2の光路調整手段16,17と検出器(MCD)18との関係が異なっている。
図3,4に示した光学配置は、第1のスペクトル用の第1カメラ鏡4と第1の光路調整手段16により検出器18上に形成される第1のスペクトルの、分散方向に直角な方向に僅かにずらした至近位置に、第2のスペクトルを形成する。
第2のスペクトルは、第2のスペクトル用の第2カメラ鏡5と第2の光路調整手段17により検出器18上に形成される
第2の光路調整手段17は、第2カメラ鏡5に対して仰角または俯角と僅かな捩れを持たせることにより、検出器18の受光面上に両スペクトル分散像が平行に結像するように設定できる。
また、前記第2の実施例において、前記MCDは二次元MCDとし、前記第1および第2のスペクトルを並列的に配置することもできる。
なお、通常のツェルニー・ターナー形の分光器を例にして説明したが、クロス・ツェルニー・ターナー形の分光器にも同様に適用できる。
2 コリメータ鏡(凹面反射鏡)
3 グレーティング(回折格子)
4 第1スペクトル用の第1カメラ鏡
5 第2スペクトル用の第2カメラ鏡
6 第1の光路調整手段
7 第2の光路調整手段
8 検出器(MCD)(一次元)
16 第1の光路調整手段
17 第2の光路調整手段
18 検出器(MCD)(二次元)
20 カメラ鏡(MK)
21 焦点面(FP)
Claims (5)
- ツェルニー・ターナー形分光装置で、少なくとも入射スリット,コリメータ鏡,グレーティング,カメラ鏡,入射スリットの共役面に配置される検出器がこの順で配置されており、不連続に離間した2箇所の波長域に現れる第1および第2のスペクトルを同時に測定するための分光装置であって、
前記第1および第2のスペクトルに対応するようにそれぞれ分離されて設けられている第1スペクトル用の第1カメラ鏡および第2スペクトル用の第2カメラ鏡と、
前記第1カメラ鏡と前記検出器との間に設けられた第1の光路調整手段と、
前記第2カメラ鏡と前記検出器との間に設けられ前記第2のスペクトルを前記検出器上に結像した前記第1のスペクトルに近接して結像させるための第2の光路調整手段と、
から構成した分光装置。 - 前記第1および第2の光路調整手段は反射鏡である請求項1記載の分光装置。
- 前記検出器はMCDであって、前記第1および第2の光路調整手段は前記第1および第2のスペクトルを直列的または並列的に配置するように設けられている請求項1記載の分光装置。
- 前記MCDは一次元MCDであって、前記第1および第2のスペクトルを直列的に配置するものであるか、
前記MCDは二次元MCDであって、前記第1および第2のスペクトルを並列的に配置するものである請求項3記載の分光装置。 - 前記第1および第2のスペクトルは、半導体表面をレーザ光で励起したときに発生するレーリー光とラマン光である請求項1記載の分光装置。
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