JP3126718B2 - マルチチャネル蛍光分光装置 - Google Patents

マルチチャネル蛍光分光装置

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JP3126718B2
JP3126718B2 JP02037074A JP3707490A JP3126718B2 JP 3126718 B2 JP3126718 B2 JP 3126718B2 JP 02037074 A JP02037074 A JP 02037074A JP 3707490 A JP3707490 A JP 3707490A JP 3126718 B2 JP3126718 B2 JP 3126718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蛍光性物質の発光分光測定をする装置、よ
り詳しくは、単色化した励起光源で蛍光性物質の試料を
照射し、試料から発する蛍光を回折格子により分光し、
この分光光をリニアセンサ(フォトダイオードアレイ)
によりマルチチャネル検出するマルチチャネル蛍光分光
装置に関する。
(発明の背景) 蛍光分光分析法の1つに、蛍光励起−発光マトリック
ス分光法(Excitation−Emission Matrix;以下EEMと略
称する)がある。この手法は、蛍光強度を蛍光励起波長
(λex)と蛍光発光波長(λem)の2つのパラメータで
表わされるので、多成分蛍光試料の定性分析に有効であ
る。
例えば、EEM分光法の特徴の一つである、1つの蛍光
性物質には固有のEEMスペクトル領域が存在するという
特徴を生かした例として、Siegelによる文献がある(J.
A.Siegel,Anal.Chem.57,934A(1985))。この文献中に
おいて、EEMは犯罪現場に残されていたガソリンの同定
に利用されていることが示されている。文献によれば、
市販の種々のガソリンはその組成がわずかに異なるだけ
なので、従来のスペクトル表示では、その違いを見い出
だすことができない。これに対して、予め取得しておい
た各種ガソリンのEEMスペクトルのライブラリと、現場
に残されていたガソリンのEEMとの差を取ることによ
り、きわめて類似したスペクトル(組成がごく微小異な
るだけであるから)でも、その違いを見い出だすことが
でき、極めて正確にガソリン種を同定したことが報告さ
れている。
(従来の技術とその問題点) 第1図に従来用いられているEEMスペクトル計測シス
テムの基本構成を示す。
光源(LS)は紫外〜可視域の光を放射するランプであ
る。励起側分光器はモノクロメータ(M)、蛍光側分光
器は、リニアセンサ(PDA)を備え測定波長域が固定さ
れているマルチチャネル分光器(spectrograph;スペク
トログラフ)(SG)である。光源(LS)からの放射光を
励起側分光器(M)を通して励起波長を選択し、試料
(S)に照射する。その結果生ずる蛍光を蛍光側分光器
(SG)で分光し、蛍光発光スペクトルをリニアセンサ
(PDA)でマルチチャネル検出する。次に、励起側分光
器(M)を波長走査し、異なる蛍光励起波長で試料
(S)を照射し、発する蛍光を再び蛍光側分光器(SG)
で分光する。収集された各励起波長に対する蛍光発光ス
ペクトルを、励起波長順に配列することにより、試料の
EEMスペクトルを得る。
従って、従来のEEM計測システムにおいては、次のよ
うな問題点があった。
独立した2台の分光器を必要とするためシステム全体
が大型なものとなっている。
(蛍光励起波長:λex)≧(蛍光発光波長:λem)の
領域(第2図の斜視部)、即ち蛍光測定に不要な領域を
測定している。
(問題点を解決すための手段) そこで、本発明は、上記問題点を解決することを目的
とし、本発明のマルチチャネル蛍光分光装置は、単色化
した励起光源で蛍光性物質の試料を照射し、前記試料か
ら発する蛍光を回折格子により分光し、この分光光をリ
ニアセンサによりマルチチャネル検出するマルチチャネ
ル蛍光分光装置において、前記リニアセンサの短波長側
の端縁に近接する位置に、白色光を入射させるための口
を設け、前記回折格子によりこの口から入射された白色
光を分光するとともに、前記試料から発する蛍光を受け
入れる口を通してこの分光された励起光を前記試料に照
射するように構成し、回折格子の相反性を利用して励起
光を蛍光側分光器内で生成したことを基本的な特徴とし
ている。
(作用) リニアセンサに近接して設けた口から白色光を入射す
ると、上記回折格子はこの白色光を分光し、分光光は、
上記蛍光受け入れ口のところに結像して分布するが、こ
の蛍光受け入れ口からは、白色光入射位置での波長と同
じ波長の光が射出する。この射出された単色光が試料に
照射され、試料から発する蛍光は蛍光受け入れ口に入射
すると、上記回折格子がこの蛍光光を分光する。そして
分光された蛍光発光スペクトルは、上記リニアセンサに
よりマルチチャネル検出される。励起光と同一波長のレ
ーリー散乱光は白色光入射口を通り白色光源に戻る。
また、蛍光励起波長は、上記回折格子を回転させるこ
とにより走査することができる。各励起波長で収集され
た蛍光発光スペクトルを励起波長順に配列すると、第2
図の平行四辺形で示される領域のEEMスペクトルを得る
ことができる。
(実施例) 第3図(A),(B)に平面回折格子を用いた本発明
に係るマルチチャネル蛍光分光装置の第1実施例の基本
構成を示す。第3図(A)には光学系を示し、同図
(B)には励起波長を走査する場合の波長の走査機構を
示す。
第3図(A)において、(5)は平面回折格子であ
り、凹面鏡(4)と凹面鏡(6)を備えたツェルニータ
ーナー型配置を形成している。(9)は蛍光性物質の入
った試料セル、(8)は結像レンズ、(7)は蛍光入射
スリット、(10)は凹面鏡(4)の焦点面上に配置され
た1次元CCD素子でなるリニアセンサである。
リニアセンサ(10)で受光する蛍光光のスペクトルの
短波長側にスリット(3)が設けられている。スリット
(3)はリニアセンサ(10)の受光面と同一の平面上で
かつ受光面の素子列の延長線上に開口している。このス
リット(3)にはキセノンランプ等の白色光源(1)か
ら白色光を入射する。
第4図は蛍光試料を励起する励起光の光線図を示して
いる。白色光源(1)より放射される白色光は、結像レ
ンズ(2)により入射スリット(3)上に結像される。
入射スリット(3)より発散する白色光は、凹面鏡
(4)により平行光となり、平面回折格子(5)に向か
う。白色光は平面回折格子(5)により波長別に回折さ
れ、凹面鏡(6)に向かう。凹面鏡(6)で反射された
白色光は、凹面鏡(6)の焦点面上に結像され、ここに
白色光のスペクトル分布(S1)を作る。凹面鏡(6)の
焦点面上に設けられている蛍光入射スリット(7)に結
像する波長の光のみが、結像レンズ(8)により試料セ
ル(9)中の蛍光試料を照射する。
蛍光試料より発する蛍光は、第5図に示すように、結
像レンズ(8)によりスリット(7)上に結像される。
スリット(7)より発散する蛍光は、凹面鏡(6)によ
り平行光となり、平面回折格子(5)に向かう。蛍光は
平面回折格子(5)により分散され、凹面鏡(4)に向
かう。凹面鏡(4)で反射された蛍光は、凹面鏡(4)
の焦点面上に配設されたリニアセンサ(10)上に、その
スペクトル像(S2)を形成する。この蛍光発光スペクト
ルをリニアセンサ(10)でマルチチャネル検出する。励
起光と同一波長のレーリー散乱光は、白色光入射スリッ
ト(3)を通って光源(1)に戻る。励起光の波長を変
えたい場合には、平面回折格子(5)を回転させ、第4
図のスペクトル(S1)を光軸に直交する方向にシフトさ
せことにより波長選択を行うことができる。EEMスペク
トルを得る場合には、波長を連続的に変える、すなわち
波長走査をする。
本実施例では、第3図(B)に示したように、波長走
査機構にサインバー方式を採用している。図示の波長送
りダイヤル(11)を回転させることにより、これに連動
して、サインバー送りネジ(12)も回転する。サインバ
ー送りネジ(12)の回転により、サインバー(13)が図
中、左右に移動する。サインバーアーム(14)は、サイ
ンバーアーム制御バネ(15)により常にサインバー(1
3)に接触している。サインバー(13)の移動により、
サインバーアーム(14)は、平面回折格子(5)の中心
を中心として回転する。サインバーアーム(14)と平面
回折格子(5)の支持台(16)は連結され、サインバー
アーム(14)の回転とともに、平面回折格子(5)の支
持台(16)も回転し、平面回折格子(5)が回転する。
次に、第2の実施例、凹面回折格子を用いたマルチチ
ャネル蛍光分光装置を説明する。第6図はその基本構成
図である。
第6図において、(20)は凹面回折格子である。この
凹面回折格子(20)の焦点面にリニアセンサ(24)が配
設されている。リニアセンサ(24)によりマルチチャネ
ル検出される波長域の短波長側の端縁にほとんど接する
かまたは近接して白色光を入射させるスリット(19)を
設けている。励起光の波長選択は、凹面回折格子(20)
に取付けたアーム(25)を、ネジ(26)により固定され
た点を中心として回転させることにより行うことができ
る。なおここでは、凹面回折格子(20)はアーム(25)
に、ネジ(27)により固定されている。
第6図,第7図において、蛍光試料を励起するための
白色光源(17)から放射される白色光は、結像レンズ
(18)により入射スリット(19)に結像される。入射ス
リット(19)より発散よる白色光は、凹面回折格子(2
0)に向かう。白色光はこの凹面回折格子(20)により
波長別に回折される。回折された光のうち、蛍光入射ス
リット(21)に結像する波長の光だけが、結像レンズ
(22)により試料セル(23)中の蛍光試料を照射する。
蛍光試料より発する蛍光は、結像レンズ(22)によ
り、スリット(21)上に結像される。スリット(21)よ
り発散する蛍光は、凹面回折接格子(20)に向かう。蛍
光は、この凹面回折格子(20)により分散され、リニア
センサ(24)上にそのスペクトル像を形成する。この蛍
光発光スペクトルをリニアセンサ(24)でマルチチャネ
ル検出する。
凹面回折格子型の分光器は、光学素子が回折格子だけ
であるので、システムの小型化の点で先に示したチェル
ニーターナ型のものより勝れる。また、後述する迷光の
点においても、チェルニーターナ型のものよりも優れて
いると考えられる。更に、大きな観点からすれば、蛍光
測定において試料のおよその発光波長域が分かっている
場合など、必要な波長域だけを簡単に選択することがで
き、リニアセンサをより有効に利用できるという長所が
ある。
実施例の装置において波長走査をして、収集された各
励起波長域での蛍光発光スペクトルを励起波長順に配列
することにより、試料のEEMスペクトルを得ることがで
きる。先に示した第2図には、破線により従来システム
で得られる波長領域を示し、本発明によるシステムで得
られる波長領域は実線の平行四辺形で示されている。こ
れから明らかなように、従来では測定していた蛍光測定
には不要な無意味な領域、λem≧λexの領域を測定する
ことなく、蛍光測定に必要で有用な領域をより広く測定
できるようになった。なお、レーリー散乱光のλex=λ
emの線との一定の幅のギャップGは、リニアセンサがケ
ーシングされていることから、その物理的な障害の距離
に対応するものであり、また破線の矩形の下辺と実線の
平行四辺形の下辺は合致しており、ここでは説明のため
にこれらを離間して示している。
マルチチャネル分光器の射出口の短波長側の端に励起
白色光を入射すると、励起光は回折格子によって分散さ
れ蛍光入射スリットからは励起光入射位置での波長と同
じ波長の光が選択される。これは、回折格子の式、 sinα+sinβ=Nmλ ……(1) 但し、N:回折格子の溝本数,m:回折次数,λ:波長が、
α:入射角、β:回折角の場合、α:回折角、β:入射
角の場合のいずれでも成立すること(本明細書では、こ
れを回折格子の相反性と称している)を利用したことに
基づいている。
また、回折効率の相反性も成立し、これを正弦波回折
格子について示せば、入射角αで光源光が入射した場合
の回折角βの回折光の回折効率ηは、(2)式のよに
なり、 η={(1+cos(α−β))2/4A1 2}× {kaA1−(kaA13/8−(kaA15/192} …(2) 但し、A1=cosα+cosβ、 k=2π/λ、 sinα+sinβ=Nmλ、 N:溝本数,m:回折次数,λ:波長,a:溝の振幅。
また、入射角βで光源光が入射した場合の回折角αの
回折光の回折効率ηは次のようになる。
η={(1+cos(β−α))2/4A2 2}× {kaA2−(kaA23/8−(kaA25/192} …(3) 但し、A2=cosβ−cosα、 k=2π/λ、 sinβ+sinα=Nmλ、 N:溝本数,m:回折次数、λ:波長,a:溝の振幅。
上記の(2)式と(3)式より、η=ηが成立す
る。従って、正弦波回折格子では、回折効率においても
相反性が成立し、溝(ブレーズ)状のものも1に近い、
たとえば0.8とか0.9の値をもち、光量の点で何ら不都合
を生じない。
第9図(A),(B)は、第1の実施例において、迷
光を除去する工夫を施したより好ましい実施例の要部を
示している。同図(A)はその光学系の断面を同図
(B)は側面を示している。
第9図(A)において、白色光源からの白色光(29)
は、凹面鏡(31)により反射され、光線(30)となり、
平面回折格子(32)に向かう。光線(30)は、平面回折
格子(32)によりあらゆる方向に分散される。このう
ち、凹面鏡(31)に向かう回折光(33)が存在する。こ
の回折光(33)は、凹面鏡(31)により反射され、光線
(34)となり、リニアセンサ(28)が配置されている方
向に向かう。白色光源の高さと、リニアセンサ(28)の
高さは、同じでなければならない。従って、白色光源の
高さ方向の中心と、凹面鏡(31)、平面回折格子(32)
の高さ方向の中心が一致していれば、光線(34)はリニ
アセンサ(28)の受光面に達し、迷光としてリニアセン
サ(28)により検知されてしまうおそれがある。
光線(34)をリニアセンサ(28)に受光されないよう
に、第9図(B)に示すような工夫を施している。この
図において、凹面鏡(31)と平面回折格子(32)の高さ
方向の中心線(35)に対して、白色光源の位置及びリニ
アセンサ(28)の位置を、軸外し(off−axis)の関係
に設定した。このとき、白色光(29)は、凹面鏡(31)
により反射され光線(30)となり、平面回折格子(32)
に向かう。平面回折格子(32)は溝が刻まれている方向
においては、平面鏡と等価であり、このため光線(30)
は、平面回折格子(32)により、高さ方向において正反
射を起こし、回折光(33)となる。光線(33)は、凹面
鏡(31)へ向かい、反射され、光線(34)となる。光線
(34)は、高さ方向において、中心軸(35)についてリ
ニアセンサ(28)と反対側に存在する。このため、光線
(34)がリニアセンサ(28)に入射することを回避でき
る。
また、より徹底して迷光を排除するために、第9図
(C)のように、蛍光入射スリット位置(7)での結像
光の反射光(正反射光を含む戻り光)に対し、第9図
(D)に示すように、スリット位置での形状を、スリッ
トを挾む両側を傾いた面(7a),(7b)に形成し、ま
た、傾斜面(7b)から回折格子の方へ反射光,散乱光が
行かないように、遮光板(7c)を設ける。傾斜面(7
a),(7b)で反射した光は、そのほとんどが分光器内
壁に向かい、分光器内部に設置される図示しない光吸収
板等で吸収される。
又、非対称クロス・ツェルニーターナー型の分光器に
おいては、第9図(E),(F)に図解するように、第
9図(A),(B)で説明したのと同様に、白色光の入
射スリット位置すなわちリニアセンサ(64)を軸外しの
関係に配設し、破線で示した0次光(69)を排除する。
なお、(61)は不等間隔刻線配列の平面回折格子、(6
2)は第1の凹面鏡、(63)は第2の凹面鏡、(64)は
リニアセンサ、(65)は白色光入射スリット、(66)は
本来の蛍光入射用スリットで、実線で示される光束(6
7)はスリット(65)から入射された白色光を示し、1
点鎖線で示された光束(68)は平面回折格子(61)で回
折された+1次光を示している。
第10図は、実施例に用いた、リニアセンサからコンピ
ュータまでの電気系のブロック図である。
リニアセンサ(50)には浜松ホトニクス社製の512素
子フォトダイオードアレイ・S2301−512Qを使用し、セ
ンサ駆動回路(51)により駆動し、フォトダイオードア
レイ(50)の各素子からの出力は、サンプルホールド回
路S/H(53)により処理し、12ビットのA/D変換器(53)
によりデイジタル化したあと、パラレルのインターフェ
イス(54)を介してパーソナルコンピュータ(55)のメ
モリに格納している。回路(51),(52),(53),
(54)を統括して制御するために制御回路(56)を設け
ている。なお、露光時間は、リニアセンサ(50)に与え
るクロック信号により決めている。
チェルニーターナ型の実施例を用いて蛍光試料のEEM
スペクトルの測定を行った。用いた平面回折格子はホロ
グラフィックグレーティングで、溝数は1610本/mmのも
の、波長範囲は、200〜900nmのものである。励起用白色
光源は150Wのキセノンランプを、リニアセンサには素子
数512の上記フォトダイオードアレイを用いた。
試料は、エタノール溶媒のローダミン−B、濃度5mg/
を用いた。1つの蛍光発光スペクトルを得るために要
した露光時間は、約5.3秒であった。蛍光励起波長には3
00nm〜555nmの範囲において15nmずつ計18点を選んだ。
これにより得られたローダミン−BのEEMスペクトルを
第11図に示す。得られたデータを16階調の濃淡で表示し
ている。蛍光励起波長の500nm前後、蛍光発光波長600nm
前後の領域に見られるパターンがローダミン−B特有の
パターンである。
小型化された本発明に係るマチチャネル蛍光分光装置
を適用した一例として、落射型顕微システムに組み込ん
だもの、蛍光・励起−発光マトリックス顕微鏡(Excita
tion−Emission Matrix Microscope:EEME)を第12図
に示す。
このEEMEのシステム全体が直線状になることが望まし
いので、分光器は非対称クロスチェルニーターナ型のも
のを採用している。
第12図において、白色光源(36)より放射される白色
光は、結像レンズ(37)により、入射スリット(38)上
に結像される。入射スリット(38)より発散する白色光
は、凹面鏡(39)により反射され、平面回折格子(40)
に向かう。平面回折格子(40)により分散された回折光
は、凹面鏡(41)に向かい、ここで反射される。凹面鏡
(41)により反射された回折光のうち、平面鏡(42)に
向かい、反射されスリット(43)上に結像される回折光
は、結像レンズ(44)及び分光光度計と顕微システムの
F値を合わせるためのリレーレンズ(45)を通して、顕
微鏡の絞り(46)へ導かれる。この回折光は、対物レン
ズ(47)により、ステージ(48)上にある試料を照射す
る。試料より発する蛍光は、対物レンズ(47)、顕微鏡
の絞り(46)、リレーレンズ(45)、結像レンズ(44)
を通して、スリット(43)上に結像される。スリット
(43)を通して分光器へ導かれた蛍光は、平面鏡(4
2)、凹面鏡(41)により、平面回折格子(40)へ向か
う。蛍光は、平面回折格子(40)により分散され、凹面
鏡(39)によりリニアセンサ(49)の受光面上に、その
スペクトル像を形成する。この蛍光発光スペクトルをリ
ニアセンサ(49)でマルチチャネル検出する。励起光の
波長選択は、平面回折格子(40)を回転させることによ
り行う。そしてステージ(48)を2次元(X,Y)走査さ
せることにより、試料について、4つの情報(X,Y,λe
x,λem)を得ることができる。これは、生物試料などの
蛍光分析に極めて有用な手段を与えるものである。
(発明の効果) 以上のように、本発明は、蛍光光を分光する回折格子
の相反性を利用して単色の励起光を得る構成としたの
で、マルチチャネル蛍光分光計測において分光器は1台
だけでよく、全体として小型でシンプルな構成となり、
従来では不可能であった例えば顕微鏡に組み込めるなど
の優れた効果を奏するとともに、第2図から明らかなよ
うに、λex≧λemの領域すなわち蛍光測定において不要
な領域を測定せずに済むうえ、従来のシステムに比べ蛍
光測定において必要,有用な波長領域をより広く測定で
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例の基本システム構成図である。 第2図は従来例と本発明によって得られるEEMスペクト
ルの波長領域を対比して示した説明図である。 第3図(A)はツェルニーターナー型分光器に係る本発
明の第1実施例の基本構成図である。 第3図(B)は第3図(A)の構成の裏面を示すもので
サインバー機構を示す図である。 第4図は第1実施例における励起光の光線図である。 第5図は第1実施例における励起された蛍光光の光線図
である。 第6図は凹面回折格子型分光器に係る本発明の第2実施
例をの基本構成図である。 第7図は第2実施例における励起光及び励起蛍光光の光
線図である。 第8図は第2実施例における波長走査の説明図である。 第9図(A)は第1実施例における迷光回避のための説
明図である。 第9図(B)は第9図(A)を側方から見た迷光回避の
ための光線による説明図である。 第9図(C)と第9図(D)は蛍光入射スリット位置の
周囲に結像する光による戻り光を排除する工夫を示した
説明図である。 第9図(E)と第9図(F)は非対称クロス・ツェルニ
ーターナー型分光器において、0次光を排除するための
工夫を説明的に示した説明図である。 第10図はスペクトルデータを得るための電気的基本構成
を示すブロック図である。 第11図は実施例によって得られた結果の一例を示すグラ
フである。 第12図は本発明を適用した顕微鏡システムの基本構成図
である。 1,17……白色光源、3,19……白色入射スリット、5……
平面回折格子、20……凹面回折格子、7,21……蛍光入射
スリット、9,23……試料セル、10,24……フォトダイオ
ードアレイ,リニアセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−49077(JP,A) 特開 平1−18929(JP,A) 特開 平4−24523(JP,A) 特開 昭60−142220(JP,A) 特開 昭56−43520(JP,A) 実開 昭53−9851(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単色化した励起光源で蛍光性物質の試料を
    照射し、前記試料から発する蛍光を回折格子により分光
    し、この分光光をリニアセンサによりマルチチャネル検
    出するマルチチャネル蛍光分光装置において、 前記リニアセンサの短波長側の端縁に近接する位置に、
    白色光を入射させるための口を設け、前記回折格子によ
    りこの口から入射された白色光を分光するとともに、前
    記試料から発する蛍光を受け入れる口を通してこの分光
    された励起光を前記試料に照射するように構成したこと
    を特徴とするマルチチャネル蛍光分光装置。
  2. 【請求項2】前記回折格子は、回動可能な平面回折格子
    からなり、この平面回折格子をサインバー機構により回
    動させることにより前記励起光の波長を選択するように
    構成した特許請求の範囲第(1)項記載のマルチチャネ
    ル蛍光分光装置。
  3. 【請求項3】前記回折格子は、凹面回折格子である特許
    請求の範囲第(1)項記載のマルチチャネル蛍光分光装
    置。
  4. 【請求項4】前記白色光を入射させる口は、その光軸
    が、装置内の光反射集光の働きをなす凹面鏡の光軸に対
    し軸外しの位置に設定され、これにより前記リニアセン
    サへ迷光が入るのを回避した、特許請求の範囲第(1)
    項ないし第(3)項のいずれかに記載のマルチチャネル
    蛍光分光装置。
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