JP2007093074A - グリルの汁受装置およびグリル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリルにおいて被調理物から滴下した油脂、肉汁を焦がしたり発煙させることなく保持して水と混合するのを防止して洗浄を容易とし、また水の蒸発を抑えて乾燥状態で焼き上げる汁受装置およびグリル装置を提供する。
【解決手段】グリルの汁受皿5の水面上に載置される浅皿状の汁受装置10であって、上面にアルミ箔、下面に紙を積層した可撓性のシート材11から構成されている。下面が通気性および透水性の紙であるので、その底面部12が水面に密着し、その上に油脂等を受けるのでこれらが加熱せず、また水と混合するのを防止し、後始末を容易にする。水面を覆っているので水が蒸発せず、乾燥状態で焼き上げられる。
【選択図】 図1
【解決手段】グリルの汁受皿5の水面上に載置される浅皿状の汁受装置10であって、上面にアルミ箔、下面に紙を積層した可撓性のシート材11から構成されている。下面が通気性および透水性の紙であるので、その底面部12が水面に密着し、その上に油脂等を受けるのでこれらが加熱せず、また水と混合するのを防止し、後始末を容易にする。水面を覆っているので水が蒸発せず、乾燥状態で焼き上げられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、グリルの汁受皿の上に載置され、被調理物からの油脂や肉汁を受け、これらが汁受皿の水と混入するのを防止して洗浄を容易とし、また汁受皿の水が蒸発するのを防止する汁受装置およびこの汁受装置を用いたグリル装置に関する。
一般に、家庭用ガステーブルのグリル、または業務用のグリルにおいては、上方あるいは側方の熱源からの熱により焼き網上の被調理物を加熱し、またこの焼き網の下方には浅い皿状態の受皿が設けられ、被調理物から滴下した油脂や肉汁をこの受皿によって受けるように構成されている。このようなグリルの受皿は、ガステーブルのバーナの受皿が一般的に汁受皿と称されているので、これと区別するため焼汁受皿、水受皿、受皿等、各種の名称で呼ばれているが、本明細書および特許請求の範囲などではこのグリルの受皿を汁受皿と称する。
ところで、家庭用のグリル等では、この汁受皿に水を張り、滴下した油脂等が過熱されて発煙、発火するのを防止するようになっている。しかし、この汁受皿に水を張ると、調理中にこの水が蒸発してグリル内が水蒸気で満たされ、被調理物を乾燥状態で焼き上げることができない等の不具合があった。また、調理後の汁受皿内の水には、被調理物から滴下した油脂や肉汁等が混入するため、これを洗浄する際に、流しや洗浄具等に油脂等が付着し、洗浄が面倒でかつ不衛生であった。
また、家庭用のガステーブルでは、グリルの上方および側方下方にそれぞれ赤外線バーナ等の熱源を配置し、被調理物の上面と下面とを同時に焼き上げるいわゆる両面焼グリルと称されるグリルを備えたものがあるが、前述のように汁受皿に水を張ると熱線が水に吸収されるため、被調理物の下面の焼き上げが不十分となる場合があった。
また、汁受皿に水を張る必要のないいわゆる水無しグリルが開発されているが、汁受皿の加熱防止のための構造が複雑でコスト高となり、また汁受皿に滴下した油脂や肉汁を調理後に洗浄しなければならない点では同じである。
以上のような問題を解決するために、汁受皿そのものが過熱しないようにした汁受皿またはグリル装置が各種開発されている。たとえば特許文献1には汁受皿の底面に蓄熱体を取り付けるかまたは接触させ、汁受皿が受ける熱をこの蓄熱体に逃がして汁受皿の過熱を防止する調理器が開示されている。しかし、このものは、上述の水無しグリルと同様に、油脂や肉汁の発火、発煙は防止できるが、それらのこびりつきは防止できず、洗浄が面倒であるとともに、グリルの熱源の熱出力を大きくできないと思われる。
また、特許文献2には、汁受皿を二重にしてウォータージャケットを形成し、この内部に冷水を流通させて汁受皿の過熱を防止するロースタが開示されている。このものは、汁受皿の冷却は確実と思われるが、構造が複雑であり、また製造コストも高くなると思われる。
また、特許文献3には、汁受皿に張る水をゲル化するような汚れ防止剤が開示されている。このようなものは、汁受皿に張った水がゲル化して流動が阻止されるので、滴下した油脂や肉汁が拡散せず、かつ汁受皿の過熱も防止できる。しかし、このものはゲル化しているとはいえ、汁受皿に張った水が蒸発するので、乾燥した状態で被調理物を焼き上げるには不十分であり、また調理後に油脂や肉汁の混入したゲルを除去、廃棄するのが面倒であると思われる。
このような問題を解決するために、本発明者等は特許文献4に示すようなグリルの汁受反射装置を開発した。このものは、グリルの汁受皿内に収容されこの汁受皿の形状に対応した形状をなし、底面部とこの底面部の周縁から上方に立ち上がった周縁部とを有するベース部材と、このベース部材の上に重ねられた熱線反射性の薄板材料で形成された受反射部材を備え、この受反射部材は上記のベース部材の底面部の上面に密着した底面部およこのベース部材の周縁部の内周面に密着した周縁部とを有しており、また上記のベース部材と受反射部材との間の隙間に注水するための注水口を備えたものである。
この汁受反射装置をグリルの汁受皿の上に載置し、前述の注水口から水を注ぐと、前記のベース部材の底面部と受反射部材の底面部との間に隙間に水の層が形成される。そして、調理中には、熱源からの熱線を受けるが、受反射部材の下面は水に接しているので熱が効果的に逃がされ、温度上昇が防止される。よって、この上に滴下した油脂や肉汁は、焦げることなく保持され、発煙したり発火したりすることはない。
また、この受反射部材は、両面焼きのグリルにおいては、熱源からの熱線を効率的に被調理物の下面に向けて反射するので、短時間で効率的に調理することができ、また被調理物を反転させることなく焼き上げることができる。
また、水はベース部材と受反射部材との間に封じ込められているので蒸発せず、被調理物を乾燥状態で焼き上げることができる。また、油脂や肉汁は受反射部材の上に保持されており、水に混入していないので、調理後はこの受反射部材ごと油脂等を廃棄でき、調理後の洗浄等が容易で周囲を汚すこともない等の特徴がある。
しかし、このものは構造が複雑で製造コストが高く、また使用に際して注水口から水を注する必要があり、使用に手間が掛かるという問題点があった。
特開2001−327411号公報
実開平3−41632号公報
特開2001−336759号公報
特開2004−333114号公報
本発明は以上の事情に基づいてなされたもので、被調理物からの油脂や肉汁を受け、かつこれらを過熱させることなく保持して発煙や発火を防止し、また、水の蒸発を抑制して乾燥状態で被調理物を焼き上げることができ、さらに調理の後には滴下した油脂や肉汁等を一緒に廃棄でき、洗浄等の際に油脂等で周囲を汚すことがないグリルの汁受装置、およびこれを用いたグリル装置を提供するものである。
請求項1に記載の本発明は、グリルの汁受皿の上に載置され油脂や肉汁等を受ける装置であって、上面に非透油性および非透水性を有する非透過層を有し下面には通気性および透水性を有する透過層を有するとともに上記の下面の透過層に対する水の表面張力により上記汁受皿に張られた水の水面に密着可能な可撓性を有するシート材で形成され、上記の汁受皿内に収容可能な浅皿状の形状をなし、底面部とこの底面部の周縁から上方に立ち上がった周縁部とを有するものである。
また、請求項2に記載の本発明は、前記のシート材は、非透過層としてアルミ箔、透過層として紙が使用され、これらアルミ箔と紙とが接着積層されているものである。
また、請求項3に記載の本発明は、前記の周縁部は、底面部の縁部が上方に立ち上がるように折り曲げられた立上り縁部であることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の本発明は、前記の立上り縁部のうち少なくとも前縁部および後縁部の中央部分にはこの立上り縁部の上端から突設されるとともに下方に向けて折り曲げられた屈曲脚部が形成されており、これらの屈曲脚部の幅は、使用されるグリルの焼き網の前後にそれぞれ一対ずつ設けられた焼き網の脚部の間隔より狭く設定されているものである。
また、請求項5に記載の本発明は、前記の周縁部は、前記の底面部の縁部を上方に膨出成型したものである。
また、請求項6に記載の本発明は、グリル庫内に熱源、焼き網および汁受皿を備えたグリル装置において、上記の焼き網の下方でかつ汁受皿内に油脂や肉汁等を受ける汁受装置が収容可能であり、この汁受皿には水が収容可能であり、上記の汁受装置は、上面に非透油性および非透水性を有する非透過層を有し下面には通気性および透水性を有する透過層を有するとともに上記の下面の透過層に対する水の表面張力により上記汁受皿に張られた水の水面に密着可能な可撓性を有するシート材で形成され、上記の汁受皿内に収容可能な形状をなし、底面部とこの底面部の周縁から上方に立ち上がった周縁部とを有したグリル装置である。
請求項1に記載の汁受装置は、グリルの汁受皿に張られた水の上に載置すると、下面の透過層が水に濡れるとともに水面との間の空気がこの透過層を通して逃がされるので、この汁受け装置の底面部が水の表面張力により水面に密着する。
このため、調理中には、底面部の下面は水に接しているので熱が効果的に逃がされ、温度上昇が防止される。よって、この上に滴下した油脂や肉汁は、焦げることなく保持され、発煙したり発火したりすることはない。また、水面が覆われているので水が蒸発せず、被調理物を乾燥状態で焼き上げることができる。また、水面は平面でかつ水平であり、この上にこの汁受装置の底面部が密着するので、この底面部も平面かつ水平となり、かつ周辺には周縁部が立設されているので、滴下した油脂や肉汁は流れることなく確実にこの汁受装置の上に保持され、水と混合しない。よって調理後にこれら油脂等をこの汁受装置ごと丸めて廃棄することができ、調理後の洗浄等が容易で周囲を汚すこともない。また、構造が簡単であり、製造コストも低くなる。
また、請求項2のものは、前記のシート材は非透過層としてアルミ箔、透過層として紙が接着積層されているので、使用前、すなわち汁受皿の水面上に載置するまでは紙が乾燥状態であるので、その紙の弾性すなわち「腰」の強さにより、このシート材が不所望に永久変形するのを防止し、取り扱いが容易である。また、水面上に載置した後は、紙は吸水して柔軟となり、水面との密着性を良好とし、また調理後にはこの汁受装置を丸め易くなり、滴下した油脂や肉汁と一緒に廃棄するのに便利である。
また、アルミ箔は塑性変形によりその形状を保持するので、この汁受装置をプレス成型で成型するのが容易となり、また水面に載置して紙が柔軟になった後も形状を保持する作用をなし、周縁部が倒れたり平坦となるのを防止する。また、アルミ箔は非透過性に優れ、滴下した油脂や肉汁を確実に保持する。またアルミ箔は熱線の反射率が高いので、熱の吸収が少なく、調理中のこの汁受装置の温度上昇をより確実に防止するとともに、両面焼きのグリルでは側方のバーナからの熱を被調理物の下面に向けて反射し、より効率的に調理を行うことができる。
また、請求項3に記載の本発明は、前記の周縁部は、底面部の縁部が上方に立ち上がるように折り曲げられた立上り縁部である。したがって、構造が簡単で製造コストも低くなり、またこの立上り部は変形しやすいので、調理後にこの汁受装置をその上の油脂等とともに丸めて廃棄する際に邪魔にならず、後始末が容易である。
また、請求項4に記載の本発明は、前記の立上り縁部のうち少なくとも前縁部および後縁部の中央部分にはこの立上り縁部の上端から突設されるとともに下方に向けて折り曲げられた屈曲脚部が形成されており、これらの屈曲脚部の幅は、使用されるグリルの焼き網の前後にそれぞれ一対ずつ設けられた脚部の間隔より狭く設定されている。
家庭用の片面焼きグリルでは、汁受皿の前後の縁部内に接して焼き網の脚部が配置されているので、この脚部が載置された汁受装置の上に乗るのを防止するために、この汁受装置の前後方向の寸法を汁受皿の前後方向の内寸より小さくしておき、前後の立上り縁部と汁受皿との間に隙間を形成する必要がある。しかし、この汁受装置は水面上に浮遊しているため、前後の立上り縁部のいずれかが汁受皿の縁部内面に密着してしまうことがあり、この汁受装置の上に焼き網の脚部が乗ってしまうことがある。また前後の立上り縁部と汁受皿の縁部内面に隙間があると、たとえばシート材の紙が吸水して柔軟となると水の表面張力により、この立上り縁部が水面の位置まで倒れ、底面部の上に水が流れ込み、滴下した油脂や肉汁と混合して後始末が面倒となる。これを防止するには、アルミ箔の厚さを厚くして剛性を大きくすれば良いが、このようにすると、調理後にこの汁受装置を丸める際に抵抗となり、丸め難くなることがある。
この請求項4のものは、前後の立上り縁部の中央部の上端から下方に屈曲した屈曲脚部が形成されている。したがって、この汁受装置を汁受皿の上に載置すると、この屈曲脚部が汁受皿の前後の縁部の内面に接触し、これらの両側において汁受皿の縁部内面との間に隙間が形成されるので、これらの隙間内に焼き網の脚部を挿入することにより、脚部がこの汁受装置の上に乗ることを防止できる。また、紙が吸水して柔軟になっても、これらの屈曲脚部の先端が水面または汁受皿の底面に当たり、前後の立上り縁部の倒れを防止することができる。よって、アルミ箔を厚くする必要はなく、調理後にこの汁受装置を丸めるのが容易となる。
また、請求項5に記載の本発明は、前記の周縁部は、前記の底面部の縁部を上方に膨出成型したので、成型が容易であるとともに、この膨出縁部は紙が吸水して柔軟となっても倒れたり扁平になることがない。
また、請求項6に記載の本発明は、グリル庫内に熱源、焼網および汁受皿を備えたグリル装置において、上記の焼き網の下方でかつ汁受皿内に油脂や肉汁等を受ける汁受装置が収容可能であるので、調理後に汁受皿内の水に油脂や肉汁が混入せず、後始末が容易であり、また汁受皿の水が蒸発しないので、乾燥状態で被調理物を焼き上げることができる。
また、この汁受装置の非透過膜がアルミ箔の場合には、熱線を反射するので、このグリル装置全体の熱効率が向上する。特に、両面焼きのグリルの場合には、側方のバーナからの熱がこのアルミ箔により被調理物の下面に向けて反射されるので、この反射熱分を計算して被調理物の両面を同時に焼き上げるように設計することが可能である。
また、この汁受装置の非透過膜がアルミ箔の場合には、熱線を反射するので、このグリル装置全体の熱効率が向上する。特に、両面焼きのグリルの場合には、側方のバーナからの熱がこのアルミ箔により被調理物の下面に向けて反射されるので、この反射熱分を計算して被調理物の両面を同時に焼き上げるように設計することが可能である。
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。図1ないし図7には本発明の汁受装置の第1の実施形態を示し、この実施形態のものは、家庭用のガステーブルのグリルの汁受装置であるが、本発明はこれには限定されず、業務用、そのほか同様の構造のグリル一般に適用できる。
図中の1はガステーブルであって、その中央部にはグリル2が設けられており、このグリル2にはトレー3が水平方向に着脱自在に設けられている。このトレー3は、グリル2の開口前面を覆うカバー4と、下面部分に設けられた浅皿状の汁受皿5と、この汁受皿5の上に載置される焼き網6とから構成されている。
上記の汁受皿5には、その前後の縁部5aと、左右の縁部5bが設けられ、全体として浅皿状をなし、調理の際には内部に水を注入して水を張る。また、上記の焼き網6の前後端部には、それぞれ左右一対の脚部6aが突設されており、これらの脚部6aが汁受皿5の前後の縁部5aの内面に沿って配置され、この焼き網6が所定の位置に保持される。なお、両面焼きのグリルでは、焼き網6の脚部は汁受皿5の前後の縁部5a上に載置される構造のものが多い。
そして、上記のトレー3の汁受皿5の上には、本発明の第1の実施形態の汁受装置10が載置される。この汁受装置10は、上記の汁受皿5の形状に対応した形状の浅皿状をなし、シート材11をプレス成型して製造される。このシート材11は、この実施形態の場合、上面の非透過層として12μの厚さのアルミ箔11a、下面の透過層として薄手の機械漉きの和紙等の紙11bが使用され、これらを接着積層したものである。
そして、この汁受装置10は、底面部12と、この底面部の周囲から上方に立ち上がって折り曲げ成型された周縁部すなわち立上り縁部13a、13bが形成され、前後の立上り縁部13aと、左右の立上り縁部13bとを備えており、これらは一体にプレス成型され、全体として浅皿状をなしている。よって、後述するように汁受皿5内の水面上に載置した場合に、外部から底面部12上に水が浸入したり、また底面部12の上に滴下した油脂や肉汁が外部に流出しないように構成されている。
また、この汁受装置10の前後の立上り縁部13aの中央部の上端からは一体に屈曲脚部14が突設され、これら屈曲脚部14は図3に示すように下方に屈曲されており、その先端は底面部12の下方、またはそれより下方に達している。
次に、この第の実施形態の使用方法および作用を図5ないし図7を参照して説明する。まず、前記のグリル2のトレー3を引き出し、その汁受皿5の内に所定の水を注入して水Wを張る。そして、この水の水面上に汁受装置10を載置する。この場合に、この汁受装置10を形成しているシート材11は、アルミ箔11aと紙11bとを積層したものであり、紙11bは乾燥状態では比較的大きな弾性すなわち復元力があり、載置する際の取り扱いによって、この汁受装置10が不所望に変形することはない。
この汁受装置10を形成しているシート材11の下面は紙11bの透過層である。したがって、水面上に載置した場合に、この底面部12の下面の紙11bにはただちに水Wが浸透し、この水の表面張力に基づく毛細管力により、この底面部12は水面上に密着する。このシート11は可撓性を有しており、この毛細管力により、この底面部12は水面に密着して張り付く。なお、このシート材11の下面は紙11bであるため、通気性があり、水面に張り付く際に水面との間で逃げ残った空気は、この紙11bを通って逃がされ、この底面部12と水面との間には空気は残らない。また、水Wが浸透した紙11bは柔軟になるため、この底面部12は水面上に隙間なく密着する。
次に、この汁受皿5の上に前記の焼き網6を載置する。この場合に、上記の汁受装置10の前後の立上り縁部5aの中央部には屈曲脚部14が突設されているので、これらの先端が汁受皿5の前後の縁部5aの内面に接触し、これらの両側には、汁受装置10と縁部5a内面との間に隙間が形成される。したがって、この隙間に焼き網6の脚部6aが進入するので、これら脚部6aがこの汁受装置10の上に不所望に乗ってしまうことが防止される。なお、上記の屈曲脚部14の幅は、焼き網6の脚部6aの間の間隔より小さく形成されているので、これら脚部6aと屈曲脚部14とが干渉することはない。
なお、この汁受装置10の立上り縁部13a、13bの下面の紙11bにも水が浸透して柔軟となるので、水の表面張力により、これら立上り縁部が水面の位置まで引き下げられて倒れるような力が作用する。この場合、前後の立上り縁部13aの中央部からは屈曲脚部14が突設されているので、これらの先端部が水面または汁受皿5の底面に当たり、立上り縁部13aがこれ以上倒れることはない。なお、この実施形態では左右の立上り縁部13bには屈曲縁部が形成されていない。多くの機種のグリル装置では、汁受皿5の前後の寸法はメーカー等によって多少異なるが、左右の寸法はほとんど同じである。よって、この汁受装置の左右の寸法は、汁受皿5の左右の寸法に合致させておけば、紙11bが吸水して左右の立上り縁部13bが倒れても、汁受皿5の左右の縁部5bの内面に支えられるので、この左右の立上り縁部13bには屈曲脚部を形成する必要はない。もちろん、左右の立上り縁部13bにも屈曲脚部を形成し、左右の寸法を多くの機種の汁受皿より余裕を持って小さくしておけば、大きな汎用性が得られる。
次に、焼き網6の上に被調理物を載置し、トレー3をグリル2内に挿入して被調理物を加熱する。被調理物からこの汁受装置10の底面部12の上に滴下した油脂や肉汁はこの汁受装置10の上に保持される。汁受皿5内の水Wの水面は、完全な平面でかつ水平であり、汁受装置10の底面部12はこの水面に密着しているので、この底面部12も完全な平面でかつ水平となる。よって、滴下した油脂や肉汁は流れることなく、この底面部12の上に保持される。また、周囲には立上がり縁部が形成されているので、周囲から水が流入したり、油脂等が流れ出ることはなく、油脂等と水Wとが混合することはない。
また、この汁受装置10の上面はアルミ箔であり、熱を反射するので吸収する熱量が小さく、また下面は水Wに接しているので、熱が効率的に逃がされ、温度が低温に保たれる。よって、被調理物からこの汁受装置10の底面部12の上に滴下した油脂や肉汁は過熱されるこがなく、焦げたり、発煙したりすることはない。
なお、被調理物Aの両面を同時に加熱するいわゆる両面焼きのグリルでは、図12に示すように、上方のバーナ30および側方のバーナ31を備えているが、側方のバーナ31からの熱線はこの汁受装置の上面のアルミ箔に反射して被調理物の下面に達するので、この下面が効率的に加熱され、上下両面を同時に焼き上げるようにすることも可能であり、また効率も向上する。
また、片面焼きおよび両面焼きのグリルにおいても、汁受皿5内の水Wの水面が汁受装置10により覆われているので、調理中に水が蒸発せず、乾燥状態で調理をすることができる。
そして、調理が終了しグリルが冷却したら、トレー3を引き出し、焼き網6を取り外す。そして、この汁受装置10をその上に滴下した油脂や肉汁とともに丸めて廃棄する。汁受皿5の内部の水には、油脂や肉汁が混入しておらず、したがってこの汁受皿5を洗浄するのが容易であり、後始末が簡単である。この場合に、上記のように立上がり縁部13aには屈曲脚部14が形成され、水の表面張力による縁部の倒れを防止しているので。この立上がり縁部13aを起立状態に維持するのにアルミ箔11aの剛性をあまり必要としない。よって、薄いアルミ箔11aを使用でき、柔軟であるのでこの汁受装置を丸めるのがより容易となる。
次に、図8および図9を参照して第2の実施形態を説明する。この汁受装置は10は、前記の屈曲脚部14を省略したもので、前後の立上がり縁部13aに前述の屈曲脚部14は形成されていない。なお、上記以外はこの実施形態は前述の第1の実施形態と同様な構成であり、図中で第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
この実施形態のものは、両面焼きのグリル専用のものに適したもので、構造が簡単であり、低いコストで製造できる。前述のように、両面焼きのグリルでは、焼き網6の脚部6aが汁受皿5の前後の縁部の上に載置されるものが多い。したがって、焼き網の脚部が汁受皿の内部に挿入されないので、汁受皿の前後左右の方向の内寸にあわせてこの汁受装置10を形成すれば、立上がり縁部13a、13bはすべて汁受皿5の縁部内面で支えられるので、倒れが防止される。
また、このものは、シート材11のアルミ箔11aにたとえば20μの厚さの剛性の高いものを使用すれば、このアルミ箔の剛性のみで立上がり縁部13a、13bを起立状態に維持できる。したがって、この汁受装置10の寸法を各種のグリルの汁受皿の寸法より余裕をもって小さくしておけば、多くの特別な寸法の汁受皿にも適用可能であり、その汎用性が大きくなる。
また、図10および図11には、本発明の第3の実施形態を示す。このものは、汁受装置10の底面部12の周辺部に断面が上方にたとえば半円型に膨出したビード状の週縁部23aに形成したものである。なお、この実施形態は、この周縁部23aの内側にもう一つの同様な周縁部23bを形成したもので、二重のビード状の周縁部を有している。これらの周縁部23a、23bにより、滴下した油脂の流出や外部からの水の流入を防止することができる。これらの周縁部23a、23bは、プレス成型により形成する。
この実施形態のものは、シート材11の紙11bに水が浸透して柔軟になっても、これらビード状の周縁部23a、23bが倒れたり、扁平になることがない。したがって、アルミ箔11aを薄いものとすることができ、調理後にこの汁受装置10を丸めるのに都合がよい。また、この実施形態のものは、形状が単純で周縁部23a、23bが自立できるので、前記の第2の実施形態と同様に汎用性が大きい。
なお、本発明の汁受装置は、上記の実施形態には限定されない。たとえば、シート材は上記のようにアルミ箔と紙とを張り合わせ積層したものには限定されない。たとえば、紙または多孔質のシートの上面にシリコーン被覆を施し、このシリコーン被覆を非透過層、残りの部分を透過層として形成してもよい。
また、周縁部の構成は上記のものには限定されず、底面部の周辺部が上方に立上がるような各種の構造が採用可能である。
次に、上述のような汁受装置を使用したグリル装置の実施形態を図13および図14を参照して説明する。この実施形態のものは、家庭用のグリル付きガステーブルであり、そのグリルは被調理物の上面と下面とを同時に焼き上げることができるいわゆる両面焼きグリルと称されるグリルを備えたものである。
図中の40はこのガステーブルの本体であり、その上面には左右2個のバーナ41が設けられている。そして、このガステーブルの本体40の中央部にはグリル42が設けられ、43はそのグリル庫である。このグリル庫43内には、前面扉と一体となったトレー44が前方に引き出し自在に取り付けられている。そして、このトレー44の上には、汁受皿45が着脱自在に載置されており、この汁受皿45の上には前述したような汁受装置10が載置されるように構成されている。また、この汁受皿45の上には、焼き網46が着脱自在に装着されるようになっている。なお、上記の汁受皿45からこの焼き網46までの高さは、ある程度の高さに設定されている。
そして、このグリル庫43内には、上熱源48と側熱源49とが設けられている。これらの熱源48、49は、ガスを燃焼させ、主として熱線を放射するいわゆる赤外線バーナが用いられている。そして、上記の上熱源48はグリル庫43の上部に配置され、上記の焼網46の上に載置された被調理物Aの上面に向けて下方に熱線を放射するように構成されている。また、上記の側熱源49は、グリル庫43内の両側下部に左右2個配置され、上記の汁受皿45の上に載置された汁受装置10の上面に向けて熱線を放射し、この上面で反射されて被調理物Aの下面に達するような角度で熱線を放射するように配置されている。
従来のいわゆる両面焼と称されるグリルでは、汁受皿に水を張るので、熱線が水に吸収されてしまう。このため、従来の両面焼と称されるグリルでは、この汁受皿での熱線の反射を考慮せず、側熱源からの熱風および被調理物に直接到達する熱線を考慮して設計されていたが、本発明の実施形態のグリル42では、上述のように汁受装置10の上面での熱線の反射を考慮して設計される。なお、好ましくは、上記の上熱源48から被調理物Aの上面に照射される熱線量と、側熱源49から汁受装置10により反射されて被調理物Aの下面に達する熱線量を略等しく設定し、被調理物Aの上下両面が等しく焼き上げられるようにする。
また、前述と同様に、被調理物Aから滴下した油脂、肉汁等は汁受装置10上に保持されも水と混合しないので後始末が簡単である。また水の水面はこの汁受装置10でおおわれているので、水が蒸発せず、乾燥状態で焼き上げることができる。
なお、このグリル装置は上記の実施形態には限定されない。たとえば、熱源としては熱線を放射するガスバーナには限らず、シーズ線ヒータ等、電気ヒータを用いてもよい。また、このグリル装置は上記のような両面焼きのグリルに限らず、側熱源を備えていない片面焼きのグリルにも適用可能である。また、このグリル装置は、上記のような家庭用のガステーブルに限らず、業務用のグリル装置にも適用することができる。
2 グリル
3 トレー
5 汁受皿
10 汁受装置
11 シート材
11a アルミ箔(非透過層)
11b 紙(透過層)
12 底面部
13a、13b 立上がり縁部(周縁部)
14 屈曲脚部
23a、23b 周縁部
30 上熱源
31 側熱源
40 ガステーブル
41 バーナ
42 グリル
43 グリル庫
44 トレー
45 汁受皿
46 焼網
48 上熱源
49 下熱源
3 トレー
5 汁受皿
10 汁受装置
11 シート材
11a アルミ箔(非透過層)
11b 紙(透過層)
12 底面部
13a、13b 立上がり縁部(周縁部)
14 屈曲脚部
23a、23b 周縁部
30 上熱源
31 側熱源
40 ガステーブル
41 バーナ
42 グリル
43 グリル庫
44 トレー
45 汁受皿
46 焼網
48 上熱源
49 下熱源
Claims (6)
- グリルの汁受皿の上に載置され油脂や肉汁等を受ける装置であって、上面に非透油性および非透水性を有する非透過層を有し下面には通気性および透水性を有する透過層を有するとともに上記の下面の透過層に対する水の表面張力により上記汁受皿に張られた水の水面に密着可能な可撓性を有するシート材で形成され、上記の汁受皿内に収容可能な形状をなし、底面部とこの底面部の周縁から上方に立ち上がった周縁部とを有することを特徴とするグリルの汁受装置。
- 前記のシート材は、非透過層としてアルミ箔、透過層として紙が使用され、これらアルミ箔と紙とが接着積層されているものであることを特徴とする請求項1のグリルの汁受装置。
- 前記の周縁部は、底面部の縁部が上方に立ち上がるように折り曲げられた立上り縁部であることを特徴とする請求項1のグリルの汁受装置。
- 前記の立上り縁部のうち少なくとも前縁部および後縁部の中央部分にはこの立上り縁部の上端から突設されるとともに下方に向けて折り曲げられた屈曲脚部が形成されており、これらの屈曲脚部の幅は、使用されるグリルの焼き網の前後にそれぞれ一対ずつ設けられた焼き網の脚部の間隔より狭く設定されていることを特徴とする請求項3のグリルの汁受装置。
- 前記の周縁部は、前記の底面部の縁部を上方に膨出成型したものであることを特徴とする請求項1のグリルの汁受装置。
- グリル庫内に熱源、焼き網および汁受皿を備えたグリル装置において、上記の焼き網の下方でかつ汁受皿内に油脂や肉汁等を受ける汁受装置が収容可能であり、この汁受皿には水が収容可能であり、上記の汁受装置は、上面に非透油性および非透水性を有する非透過層を有し下面には通気性および透水性を有する透過層を有するとともに上記の下面の透過層に対する水の表面張力により上記汁受皿に張られた水の水面に密着可能な可撓性を有するシート材で形成され、上記の汁受皿内に収容可能な形状をなし、底面部とこの底面部の周縁から上方に立ち上がった周縁部とを有したものであることを特徴とするグリル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005281635A JP2007093074A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | グリルの汁受装置およびグリル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005281635A JP2007093074A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | グリルの汁受装置およびグリル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007093074A true JP2007093074A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37979006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005281635A Pending JP2007093074A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | グリルの汁受装置およびグリル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007093074A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008284105A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Zojirushi Corp | 加熱調理器 |
KR101405137B1 (ko) | 2013-05-31 | 2014-06-27 | 린나이코리아 주식회사 | 전기그릴 |
JP2014202431A (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-27 | 株式会社パロマ | グリル |
KR20210075581A (ko) * | 2019-12-13 | 2021-06-23 | 양상철 | 이중 층 구조의 조리 판 |
-
2005
- 2005-09-28 JP JP2005281635A patent/JP2007093074A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008284105A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Zojirushi Corp | 加熱調理器 |
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KR102269874B1 (ko) | 2019-12-13 | 2021-06-25 | 양상철 | 이중 층 구조의 조리 판 |
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