JP2007092787A - 歯車及び歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一対の歯車の噛み合い時に歯車が発生する振動及び騒音を低減すると共に、回転伝達誤差を低減する。
【解決手段】 複数の歯1を備えその歯1の噛み合いによって回転運動を伝達する歯車G1であって、各歯1の歯先3部分に穴6を形成し、穴6の底面8を歯1の他方の端面10側から歯幅方向に傾斜するように形成して歯1の剛性を歯たけ向に順次低下させるようにしたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、一対の歯車を組み合わせて対向する歯の噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車及び歯車装置に関し、詳しくは、一対の歯車の噛み合い時に歯車が発生する振動及び騒音を低減すると共に、回転伝達誤差を低減しようとする歯車及び歯車装置に係るものである。
従来の歯車装置の歯車は、一般的に、対称歯形を有する標準歯車と呼ばれる歯車を用いている。このような標準歯車同士の組み合わせでは、各々の歯車が歯先の歯幅と歯元の歯幅とが同一寸法であり、全歯たけが歯幅方向に一定であるため、対向する歯が噛み合う場合に、例えば2枚噛み合いと1枚噛み合いとの間で一種のばねとして作用する歯のばね定数の変化量が大きい状態であり、噛み合い騒音が大きくなると共に、振動が増大することがあった。
これに対処して、従来、一対の歯車を、噛み合い率が1.0〜2.0のインボリュート平歯車によって構成し、かつ一対の歯車のうち少なくとも一方の歯車が、標準インボリュート平歯車と比較し、歯における2枚噛み合い領域の剛性を低下させる剛性低下手段を備えることにより、2枚噛み合いと1枚噛み合いとの間における歯のたわみ量の変動(ばね定数の変化量)が抑制されて、噛み合い振動及び騒音を改善すると共に、回転伝達精度を向上することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−312755号公報
しかし、上記特許文献1に記載の従来の歯車装置の歯車においては、歯車材料に剛性が低い材料を使用した場合には、たわみ量が大きくなり回転伝達誤差が増大する虞があった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、一対の歯車の噛み合い時に歯車が発生する振動及び騒音を低減すると共に、回転伝達誤差を低減しようとする歯車及び歯車装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による歯車は、複数の歯を備えその歯の噛み合いによって回転運動を伝達する歯車であって、各歯の歯先部分に、歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段を備えたものである。
このような構成により、各歯の歯先部分に備えた剛性低下手段で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
また、前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に形成された穴であり、該穴の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されたものである。これにより、歯先部分に歯幅方向に形成され、底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成された穴で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
さらに、前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に形成された凹部であり、該凹部の歯幅方向の幅が歯先面側から歯元側に向かって狭くなるように形成されたものである。これにより、歯先部分に歯幅方向に形成され、歯幅方向の幅が歯先面側から歯元側に向かって狭くなるように形成された凹部で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
そして、前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に穿設され、両方の歯面側の部分が側壁として残るように形成された切除部であり、該切除部の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されたものである。これにより、歯先部分に歯幅方向に両方の歯面側の部分が側壁として残るように穿設され、底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成された切除部で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
また、前記剛性低下手段は、少なくとも一方の歯面の歯先部分に歯幅方向又は歯たけ方向に延びて形成された複数の溝であり、該複数の溝を歯幅方向の長さが歯先側から歯元側に向かって漸減するように、又は歯たけ方向の長さが歯幅方向の一方の側から他方の側に向かって漸減するように形成されたものである。これにより、少なくとも一方の歯面の歯先部分に歯幅方向又は歯たけ方向に延びて形成され、歯幅方向の長さが歯先側から歯元側に向かって漸減するように、又は歯たけ方向の長さが歯幅方向の一方の側から他方の側に向かって漸減するように形成された複数の溝で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
さらに、前記剛性低下手段は、少なくとも一方の歯面の歯先部分に形成された多数の窪み又は多数の突起であり、該多数の窪み又は多数の突起の歯幅方向の数が歯先側から歯元側に向かって漸減するように形成されたものである。これにより、少なくとも一方の歯面の歯先部分に形成され、歯幅方向の数が歯先側から歯元側に向かって漸減するように形成された多数の窪み又は多数の突起で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
そして、前記剛性低下手段は、前記各歯の歯先面の歯幅方向の少なくとも一方の端部が外方に張り出した張出部であり、該張出部が歯先側から歯元側に向かって小さくなるように形成されたものである。これにより、各歯の歯先面の歯幅方向の少なくとも一方の端部が外方に張り出し、歯先側から歯元側に向かって小さくなるように形成された張出部で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
また、本発明による歯車装置は、一対の歯車を組み合わせて対向する歯の噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車装置であって、前記一対の歯車のうち少なくとも一方の歯車は、各歯の歯先部分に、歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段を備えたものである。
このような構成により、一対の歯車のうち少なくとも一方の歯車の各歯の歯先部分に備えた剛性低下手段で歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる。
請求項1に係る歯車によれば、歯先部分に備えられた剛性低下手段で歯の噛み合い時の衝撃を吸収し、剛性低下手段を備えた部分以外の部分であり、元の剛性が保持された歯先部分で回転運動を伝達することができる。したがって、歯の噛み合い時に歯車が発生する振動及び騒音を低減することができ、歯車の回転伝達誤差を低減することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、穴を形成した部分がたわみ易くなるので、この部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、穴を形成した部分で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。この場合、穴の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されているので、穴を形成した部分以外の元の剛性が保持されている部分が歯先側で小さくなり、歯の噛み合い時に荷重が作用する歯面の接触線を滑り速度の速い歯先側で小さくすることができる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、凹部を形成した部分がたわみ易くなるので、この部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、凹部を形成した部分で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。この場合、凹部の底面が歯先面側から歯元側に向かって狭くなるように形成されているので、凹部を形成した部分以外の元の剛性が保持されている部分が歯先側で小さくなり、歯の噛み合い時に荷重が作用する歯面の接触線を滑り速度の速い歯先側で小さくすることができる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。
そして、請求項4に係る発明によれば、切除部を形成した部分がたわみ易くなるので、この部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、切除部を形成した部分で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。また、切除部の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されているので、切除部を形成した部分以外の元の剛性が保持されている部分が歯先側で小さくなり、歯の噛み合い時に荷重が作用する歯面の接触線を滑り速度の速い歯先側で小さくすることができる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。
また、請求項5に係る発明によれば、複数の溝を形成した部分がたわみ易くなるので、この部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、複数の溝を形成した部分で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。また、歯幅方向に延びた複数の溝の長さが歯先側から歯元側に向かって漸減するように、又は歯たけ方向に延びた複数の溝の長さが歯幅方向の一方の側から他方の側に向かって漸減するように形成されているので、複数の溝を形成した部分以外の元の剛性が保持されている部分が歯先側で小さくなり、歯の噛み合い時に荷重が作用する歯面の接触線を滑り速度の速い歯先側で小さくすることができる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。
さらに、請求項6に係る発明によれば、多数の窪み又は多数の突起を形成した部分がたわみ易くなるので、多数の窪み又は多数の突起を形成した部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、多数の窪み又は多数の突起を形成した部分で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。また、多数の窪み又は多数の突起の歯幅方向の数が歯先側から歯元側に向かって漸減するように形成されているので、多数の窪み又は多数の突起を形成した部分以外の元の剛性が保持されている部分が歯先側で小さくなり、歯の噛み合い時に荷重が作用する歯面の接触線を滑り速度の速い歯先側で小さくすることができる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。
そして、請求項7に係る発明によれば、歯先面の歯幅方向の端部を外方に張り出して形成した張出部がたわみ易いので、張出部を形成した部分の歯の剛性を低下させることができる。したがって、張出部で歯の噛み合い時の衝撃を吸収することができ、歯車が発生する振動及び騒音を低減することができる。
また、請求項8に係る歯車装置によれば、歯先部分に備えられた剛性低下手段で一対の歯車の噛み合い時に発生する衝撃を吸収し、剛性低下手段を備えた部分以外の部分であり、元の剛性が保持された歯先部分で回転運動を伝達することができる。したがって、一対の歯車の噛み合い時に歯車が発生する振動及び騒音を低減すると共に、歯車の回転伝達誤差を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による歯車装置の実施形態を示す図であり、一対の歯車の噛み合い状態の要部説明図である。この歯車装置は、一対の歯車を組み合わせて対向する歯の噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達するもので、一方の歯車G1と、他方の歯車G2とを組み合わせて成る。一方の歯車G1は、例えば歯数の少ない方の歯車であり、小歯車と呼ばれるものである。また、他方の歯車(以下、「相手歯車」と記載する)G2は、例えば歯数の多い方の歯車であり、大歯車とよばれるものである。
図1において、符号P1は一方の歯車G1のピッチ円を示し、符号P2は相手歯車G2のピッチ円を示している。また、符号Bは、一対の歯車G1,G2を噛み合わせたときの対向する歯1と歯2との歯面間の遊びであるバックラッシを示している。
歯車G1は、複数の歯1,1,…を備えその歯1が相手歯車(G2)の歯(2)と噛み合って回転運動を伝達するもので、一般的には、図2に示すように標準歯車の歯形に形成されている。即ち、各々の歯1がその歯先3の歯幅W1と歯元4の歯幅W2とが同一寸法とされ、全歯たけHが歯幅W1方向に一定とされている。
ここで、本発明において、各歯1の歯先3部分には、剛性低下手段が備えられている。この剛性低下手段は、歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させるものであり、歯先3部分に歯幅W1方向に形成された穴6である。具体的には、穴6は、図3に示すように、歯先面5、両側壁7及び底面8に囲まれて底面8が一方の端面9又は他方の端面10のいずれか一方の端面(図3においては、他方の端面10)側から歯幅W1方向に傾斜するように形成されている。
これにより、穴6を形成した部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図4に示すように、歯1の歯先3部分には、その歯幅W1方向にて穴6の形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。この場合、穴6の底面8は、一方の端部13が一方の端面9の上端部側に位置し、他方の端部14が他方の端面10の全歯たけH方向の中ほどよりも歯先3側の位置となるように、テーパー状に傾斜して形成されているので、剛性の低下した部分11の歯幅W1方向の長さが歯元4側よりも歯先3側で長くなる。逆に言えば、剛性の低下した部分11以外の元の剛性が保たれている部分における歯幅W1方向の長さが歯元4側よりも歯先3側で短くなる。したがって、相手歯車(G2)との噛み合い時には、剛性の低下した部分11がたわむことによっていきなり線接触とならず、歯先3側の元の剛性が保たれている部分で点接触し、その後徐々に線接触に移行する。これにより、相手歯車(G2)の歯2との接触がやわらかくなり、衝撃を吸収することができる。また、相手歯車(G2)との噛み合い時に荷重が作用する各歯1の歯面15における接触線が滑り速度の速い歯先3側で小さくなるので、滑り騒音が小さなり、歯車が発生する噛み合い騒音をより低減することができる。なお、図4において、符号16は、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部を示しており、この歯元側端部16は穴6の底面8における他方の端部14に一致する。
ここで、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、相手歯車(G2)の歯2との噛み合い時の(n+1)枚噛み合いとn枚噛み合い(nは1以上の整数)との分岐点近傍位置となるように形成されている。本実施形態においては、図4に示すように、相手歯車(G2)の歯2との噛み合い率が例えば1以上2以下の場合であり、剛性の低下した部分11の歯元側端部16が2枚噛み合いと1枚噛み合いとの分岐点近傍に位置するように形成されている。より具体的には、図4において、1枚噛み合い領域を中間部E1とし、2枚噛み合い領域を歯先3側及び歯元4側のE2,E2′とすると、歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16が位置するように形成されている。図3においては、歯先3を平面状にして歯先面5を形成した場合を示しているが、歯先3を丸めればよりたわみ易くなる。
なお、図4の例と異なり、相手歯車(G2)の歯2との噛み合い率が例えば2以上3以下の場合は、歯先側の3枚噛み合いと2枚噛み合いとの分岐点近傍と剛性の低下した部分11の歯元側端部16とを合致させて形成すればよい。
また、以上の説明では、一方の歯車G1の歯1の形状について述べたが、他方の歯車(相手歯車)G2の歯2の形状についても、上述と同様に、各歯2,2,…がその歯先部分に歯2の剛性を歯たけ方向に順次低下させるように穴(剛性低下手段)が形成される。
次に、このように構成された歯車装置の動作について説明する。
図1に示すように、歯車G1に相手歯車G2が組み合わされて対向する歯1と歯2との噛み合いにより、歯車G1の回転運動が相手歯車G2に伝達される。この場合、歯車G1と相手歯車G2とが噛み合う際に、先ず、歯車G1の歯1は、相手歯車G2の歯2の歯先に対して図4に示す歯元4側の2枚噛み合い領域E2′に対応する歯面15の部分が当接する。
このとき、図3に示すように、歯車G1の歯1の歯先3部分に歯幅W1方向に穴6を形成し、穴6の底面8が歯1の他方の端面10側から歯幅W1方向に歯先3側に向かって傾斜するように形成しているので、歯1の歯先3部分には、歯幅W1方向にて穴6を形成した部分に歯1の剛性の低下した部分11が生じることとなる。したがって、歯1と歯2との噛み合い時に、この剛性の低下した部分11がたわんで変形することによっていきなり線接触とならず、歯先3側の元の剛性が保たれている部分で点接触し、その後徐々に線接触に移行する。これにより、相手歯車(G2)の歯2との接触がやわらかくなり、歯1と歯2の噛み合い時の衝撃が吸収される。同時に、剛性の低下した部分11以外の元の剛性が保たれている部分で回転運動が伝達される。特に、本実施形態においては、剛性の低下した部分11の歯幅W1方向の長さが歯元4側よりも歯先3側で長くなっているので、相手歯車(G2)との噛み合い時に荷重が作用する各歯1の歯面15における接触線が滑り速度の速い歯先3側で小さくなる。したがって、滑り騒音が小さくなり、歯車が発生する噛み合い騒音がより小さくなる。
実際に、本実施形態の歯車装置を用いて高負荷試験を行なったところ、一対の標準歯形の歯車を組み合わせた歯車装置に比べて騒音低減効果が確認された。
図5は、図3に示す歯車の歯の形状の変形例を示す説明図である。この歯車G1の歯1の形状は、同図(a)に示すように、歯先3部分に歯幅W1方向に二つの穴6a,6bを形成したものとなっている。この二つの穴6a,6bは、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、一方の穴6aは歯先面5、両側壁7a及び底面8aに囲まれて底面8aが中央部から一方の端面9側に向けてテーパー状に傾斜して形成され、他方の穴6bは歯先面5、両側壁7b及び底面8bに囲まれて底面8bが中央部から他方の端面10側に向けてテーパー状に傾斜して形成されている。
歯1の形状をこのように形成したことにより、穴6a,6bの形成された部分がたわみやすくなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図5(b)に示すように、歯1の歯先3部分には、穴6a,6bの形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図6は、本発明に係る歯車の歯の形状の第2の実施形態を示す説明図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について同図(a)に示すように、歯先3部分に歯たけ方向に凹部18を形成したものとなっている。この凹部18は、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、歯幅W1方向の幅が歯先面5側から歯元4側に向かって狭くなるように形成されている。
歯1の形状をこのように形成したことにより、凹部18の形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図6(b)に示すように、歯1の歯先3部分には、凹部18の形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図7は、本発明に係る歯車の歯の形状の第3の実施形態を示す説明図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について同図(a)に示すように、歯先3部分に歯幅W1方向に切除部20を穿設したものとなっている。この切除部20は、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、両方の歯面15側の部分が側壁19として残るようにされ、その底面21が歯1の他方の端面10側から歯幅W1方向に歯先3側に向けてテーパー状に傾斜するように形成されている。
歯1の形状をこのように形成したことにより、切除部20の形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図7(b)に示すように、歯1の歯先3部分には、切除部20の形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図8は、図7に示す歯車の歯の形状の変形例を示す説明図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について同図(a)に示すように、歯先3部分に歯幅W1方向に二つの切除部20a,20bを穿設したものとなっている。この二つの切除部20a,20bは、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、両方の歯面15側の部分が側壁19a,19bとして残るようにされ、一方の切除部20aは底面21aが中央部から一方の端面9側に向けて歯幅W1方向にテーパー状に傾斜するように形成され、他方の切除部20bは底面21bが中央部から他方の端面10側に向けて歯幅W1方向にテーパー状に傾斜するように形成されている。
歯1の形状をこのように形成したことにより、切除部20a、20bの形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図8(b)に示すように、歯1の歯先3部分には、切除部20a、20bの形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図9は、本発明に係る歯車の歯の形状の第4の実施形態を示す斜視図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について、一方の歯面15の歯先3部分に複数の溝24を形成したものとなっている。この複数の溝24は、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、同図(a)に示すように歯幅W1方向に延びて長さが歯先3側から歯元4側に向かって漸減するように形成されている。又は、同図(b)に示すように歯たけ方向に延びて長さが歯幅W1方向の一方の側から他方の側に向かって漸減するように形成されている。なお、図9においては、複数の溝24が歯面15の中央部を中心に左右対称に形成された場合を示しているが、一方の側には歯幅W1方向に延びる溝24を形成し、他方の側には歯たけ方向に延びる溝24を形成してもよい。また、溝24を両側の歯面15の歯先3部分に形成してもよい。
歯1の形状をこのように形成したことにより、複数の溝24の形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図9に示すように、歯1の歯先3部分には、複数の溝24の形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図10は、本発明に係る歯車の歯の形状の第5の実施形態を示す斜視図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について同図に示すように、一方の歯面15の歯先3部分に多数の窪み25を形成したものとなっている。この多数の窪み25は、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、歯幅W1方向の数が歯先3側から歯元4側に向かって漸減するように形成されている。なお、図10においては、多数の窪み25が歯面15の中央部を中心に左右対称に形成された場合を示しているが、歯幅W1方向の数が歯先3側から歯元4側に向かって漸減するように形成したものであればこれに限定されない。また、多数の窪み25を両側の歯面15の歯先3部分に形成してもよい。
歯1の形状をこのように形成したことにより、多数の窪み25の形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、図10に示すように、歯1の歯先3部分には、多数の窪み25の形成された部分に剛性の低下した部分11が生じることとなる。なお、この剛性の低下した部分11の歯元側端部16は、図4に示す歯先3側の2枚噛み合い領域E2と1枚噛み合い領域E1との分岐点近傍に位置するように形成される。
図10に示す歯車の歯の形状の変形として、多数の窪み25に対応する部分の周辺を歯面15から後退させ、窪み25に対応する部分を突出させて多数の突起を形成してもよい。この場合も、多数の突起の形成された部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。
図11は、本発明に係る歯車の歯の形状の第6の実施形態を示す斜視図である。この歯車の歯の形状は、例えば一方の歯車G1について同図に示すように、歯先面5の歯幅W1方向の少なくとも一方の端部(同図においては、両端部27a,27b)が外方に張り出して張出部26を形成したものとなっている。この張出部26は、歯1の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段となるものであり、歯先3側から歯元4側に向かって小さくなるように形成され、さらに、その先端部ほど歯幅W1方向と直交する方向に広がるように形成されている。
歯1の形状をこのように形成したことにより、張出部26を形成した部分がたわみ易くなり、この部分の歯1の剛性が低下する。したがって、歯1の歯先3部分に剛性の低下した部分11が形成されることになる。この場合、張出部26がその先端部ほど歯幅W1方向と直交する方向に広がるように形成されているので、この張出部26で歯1と歯2との噛み合い時の衝撃を吸収する。
なお、本実施形態の歯車装置は、同一の歯形を有する二つの歯車G1,G2を組み合わせたものに限られず、図2に示す標準歯形を含めて図3及び図6〜図11に示す歯形の歯を有する歯車G1,G2のうちから歯形が異なる二つの歯車G1,G2を適宜選択して組み合わせたものであってもよい。
また、本実施形態の歯車装置は、歯1の剛性の低下した部分11の歯元側端部16が相手歯車(G2)の歯2との噛み合い時の(n+1)枚噛み合いとn枚噛み合いとの分岐点近傍位置となるように形成されているが、これに限られず、分岐点よりも歯元側であってもよく、歯先側であってもよい。
さらに、各実施形態の歯車は、歯車材料として金属材料又は樹脂材料のどちらを使用したものにも適用することができる。
本発明による歯車装置の実施形態を示す図であり、一対の歯車の噛み合い状態の要部説明図である。 標準歯車の歯形を示す斜視図である。 本発明に係る一方の歯車の歯の形状を示す斜視図である。 図3に示すように形成された歯の形状の細部を説明する側面図である。 図3に示す歯車の歯の形状の変形例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本発明に係る歯車の歯の形状の第2の実施形態を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本発明に係る歯車の歯の形状の第3の実施形態を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 図7に示す歯車の歯の形状の変形例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本発明に係る歯車の歯の形状の第4の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る歯車の歯の形状の第5の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る歯車の歯の形状の第6の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1…一方の歯車
2…他方の歯車
1…歯先の歯幅
2…歯元の幅
1…1枚噛み合い領域
2,E2′…2枚噛み合い領域
1…一方の歯車の歯
2…他方の歯車の歯
3…歯先
4…歯元
5…歯先面
6,6a,6b…穴(剛性低下手段)
8,8a,8b…底面
9…一方の端面
10…他方の端面
11…剛性の低下した部分
18…凹部(剛性低下手段)
20,20a,20b…切除部(剛性低下手段)
19,19a,19b…切除部の側壁
21,21a,21b…切除部の底面
24…溝(剛性低下手段)
25…窪み(剛性低下手段)
27a,27b…歯先面の端部
26…張出部(剛性低下手段)

Claims (8)

  1. 複数の歯を備えその歯の噛み合いによって回転運動を伝達する歯車であって、
    各歯の歯先部分に、歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段を備えたことを特徴とする歯車。
  2. 前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に形成された穴であり、該穴の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  3. 前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に形成された凹部であり、該凹部の歯幅方向の幅が歯先面側から歯元側に向かって狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  4. 前記剛性低下手段は、歯先部分に歯幅方向に穿設され、両方の歯面側の部分が側壁として残るように形成された切除部であり、該切除部の底面が歯の一方の端面側又は両方の端面側から歯幅方向に傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  5. 前記剛性低下手段は、少なくとも一方の歯面の歯先部分に歯幅方向又は歯たけ方向に延びて形成された複数の溝であり、該複数の溝を歯幅方向の長さが歯先側から歯元側に向かって漸減するように、又は歯たけ方向の長さが歯幅方向の一方の側から他方の側に向かって漸減するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  6. 前記剛性低下手段は、少なくとも一方の歯面の歯先部分に形成された多数の窪み又は多数の突起であり、該多数の窪み又は多数の突起の歯幅方向の数が歯先側から歯元側に向かって漸減するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  7. 前記剛性低下手段は、歯先面の歯幅方向の少なくとも一方の端部が外方に張り出した張出部であり、該張出部が歯先側から歯元側に向かって小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1記載の歯車。
  8. 一対の歯車を組み合わせて対向する歯の噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車装置であって、
    前記一対の歯車のうち少なくとも一方の歯車は、各歯の歯先部分に、歯の剛性を歯たけ方向に順次低下させる剛性低下手段を備えたことを特徴とする歯車装置。
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