JP2007092782A - アキュムレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐久性の高い金属ベローズを備えたアキュムレータを提供する。
【解決手段】 アキュムレータ10Aは、筒状のパイプシェル20と、第1のシェル端部材21と、第2のシェル端部材22と、金属ベローズ55とを有している。第1のシェル端部材21に、作動液が出入りするポート35が形成されている。第2のシェル端部材22にガス供給孔41が形成されている。パイプシェル20の内部が金属ベローズ55によって液室50とガス室51とに仕切られている。金属ベローズ55は、ベローズボディ60とベローズキャップ61とを備えている。ベローズキャップ61は、ベローズボディ60の移動側の端部60aに取付けられている。ベローズボディ60の固定側の端部60bは、第2のシェル端部材22に固定されている。ベローズボディ60の両端部60a,60bの山径D1,D3をベローズ中間部60cの山径D2よりも小さくすることにより、両端部60a,60bに小径部が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作動液等の流体の蓄圧あるいは脈動吸収に使用されるアキュムレータに関する。
例えば自動車部品や産業機械等に使用されるアキュムレータとして、シェルの内部に金属ベローズを収容したものが知られている。(例えば下記特許文献1参照)
この種のアキュムレータは、図8に示すように、シェル100の内部に金属ベローズ101を収容し、この金属ベローズ101によってシェル100の内部が液室102とガス室103とに仕切られている。液室102に作動液が収容され、ガス室103に窒素等の圧縮された不活性なガスが封入される。
金属ベローズ101は、軸線方向に山と谷が交互に形成された伸縮自在なベローズボディ110と、ベローズボディ110の先端に取付けられたベローズキャップ111などからなる。シェル100には液室102に連通するポート115が形成され、このポート115を通じて液室102に作動液が出入りするようになっている。ベローズキャップ111の液室102側の面に、自己シール部材116が取付けられている。
液室102内の作動液の圧力がガス室103のガス圧力よりも低くなると、ベローズボディ110が伸びることにより、図8に2点鎖線Aで示すように、自己シール部材116がシェル100の内面120に密接する。この状態になると、金属ベローズ101の外面とシェル100の内面との間に作動液が閉じ込められる。非圧縮性の作動液によってベローズボディ110がバックアップされることにより、ベローズボディ110の内側と外側の圧力が同等となり、ベローズボディ110の変形が抑制される。
特開平5−312201号公報(図6)
前記したように液室102内の作動液の圧力がガス室103の圧力よりも低く、自己シール部材116がシェル100の内面120に接している状態において、作動液が急激な圧力上昇を伴いながらポート115から液室102に流入したとする。その場合、ベローズキャップ111が急激にシェル100の内面120から離れる方向に変位することにより、金属ベローズ101に高周波の急激な変位が発生する。
従来のベローズボディ110の山の外径(図8に示す山径B)は軸線方向に一定であるため、急激に作動液が流入したときに、ベローズボディ110の全ての山が均一に変形することができない。すなわち、ベローズキャップ111に近い部位の山は、ベローズキャップ111から遠い部位の山よりも大きく変位し、ベローズボディ110の耐久性に影響を与えることがあった。
アキュムレータを単なる蓄圧用として利用する場合、すなわち高周波の応答性が要求されない場合、液室102に連通するポート115の内径を小さくすることにより、作動液が高周波で液室102に入力することを制限することができる。しかし作動液のサージ圧を吸収したり、高周波の脈動を吸収する必要がある場合には、ポート115の内径を小さくすることに限界があるため、前述の問題が発生する。
従って本発明の目的は、金属ベローズの耐久性を高めることができるアキュムレータを提供することにある。
本発明のアキュムレータは、両端を有する筒状のパイプシェルと、作動液が出入りするポートが形成されかつ前記パイプシェルの一端に液密に固定される第1のシェル端部材と、ガス供給孔が形成されかつ前記パイプシェルの他端に液密に固定される第2のシェル端部材と、軸線方向に交互に形成された山と谷を有し前記パイプシェルの内部に収容されて前記パイプシェルの内部を液室とガス室とに仕切る金属ベローズとを有するアキュムレータにおいて、前記金属ベローズは、前記第1または第2のシェル端部材の一方に固定される固定側の端部と前記軸線方向に移動可能な移動側の端部を有するベローズボディと、前記ベローズボディの前記移動側の端部に液密に取付けられたベローズキャップとからなり、前記ベローズボディの前記両端部のうち、少なくとも前記移動側の端部の山の外径を、前記両端部間のベローズ中間部の山の外径よりも小さくしたことを特徴とする。
本発明の一つの形態では、前記ベローズボディの前記移動側の端部の端から2つ以上の山の外径を前記ベローズキャップに向かって次第に小さくしている。前記ベローズボディの前記固定側の端部と移動側の端部の山の外径を、それぞれ、前記ベローズ中間部の山の外径よりも小さくしてもよい。
本発明の一つの形態では、前記ベローズボディの谷の内径は該ベローズボディの軸線方向に一定である。
本発明において、前記ベローズボディの前記移動側の端部に、軸線方向に径が一定の直管部が形成され、該直管部の外周に沿って円環状のフランジ部材が溶接され、該フランジ部材が前記ベローズキャップに溶接されていてもよい。
本発明において、前記パイプシェルの両端のうち少なくとも一方に、該パイプシェルの全周にわたり内側に向けて縮径加工してなるスピニング加工部が形成され、該スピニング加工部の先端が該パイプシェルの全周にわたり前記第1または第2のシェル端部材に溶接されていてもよい。
本発明において、前記第1および第2のシェル端部材の少なくとも一方の外周面に、前記スピニング加工部の中子として機能する成形面が形成され、該成形面に沿って前記スピニング加工部が曲げられていてもよい。
本発明において、前記ベローズキャップに、前記液室の圧力がガス室の圧力よりも低いときに該液室内に作動液を閉じ込める自己シール部材が設けられていてもよい。
本発明によれば、圧力容器内部の液室に連通するポートから作動液が高周波で液室内に入力したとき、ベローズキャップ近傍のベローズボディの山の端部に過剰な応力が生じることを抑制でき、金属ベローズの耐久性を向上させることができる。
以下に本発明の第1の実施形態について、図1と図2を参照して説明する。
図1に示すアキュムレータ10Aは、圧力容器11と、圧力容器11の内部に収容されたベローズユニット12とを備えている。圧力容器11は、筒状のパイプシェル20と、図1においてパイプシェル20の下側に設けられる第1のシェル端部材21と、図1においてパイプシェル20の上側に設けられる第2のシェル端部材22などによって構成されている。
パイプシェル20は、図1において下側に位置する一端20aと、図1において上側に位置する他端20bを有している。パイプシェル20の一端20aに、第1のシェル端部材21が溶接部25を介して液密に接合されている。パイプシェル20の他端20bに、第2のシェル端部材22が溶接部26を介して液密に接合されている。パイプシェル20とシェル端部材21,22は、いずれも鋼などの金属によって構成されている。
パイプシェル20の一方の端部(パイプシェル20の一端20aを含む部位)に、スピニング加工によって第1のスピニング加工部30が形成されている。スピニング加工は、直管形のパイプシェル20を軸回りに回転させつつ、パイプシェル20の端部に治具(へら)を当て、内側に向けて押圧することにより、パイプシェル20の端部を全周にわたり内側に向けて縮径加工する塑性加工である。
第1のシェル端部材21の外周に、スピニング加工時に中子として機能する成形面31が形成されている。この成形面31はスピニング加工部30の内面に沿う形状をなし、スピニング加工時にパイプシェル20の端部を成形面31に沿って曲げることにより、スピニング加工部30が形成されるようになっている。
第1のスピニング加工部30の先端、すなわちパイプシェル20の一端20aが、全周にわたって第1のシェル端部材21に溶接されている。図1中の符号25はその溶接部を示している。
第1のシェル端部材21に、作動液が出入りするポート35と、ねじ部36が形成されている。ポート35に、液圧を発生させるための例えば油圧ポンプ等を備えた液圧回路37が接続される。この液圧回路37によって加圧された作動液が下記の液室50に供給されるようになっている。
パイプシェル20の他方の端部(パイプシェル20の他端20bを含む部位)に、スピニング加工によって第2のスピニング加工部40が形成されている。第2のスピニング加工部40の先端、すなわちパイプシェル20の他端20bが、全周にわたって第2のシェル端部材22に溶接されている。図1中の符号26はその溶接部を示している。
第2のシェル端部材22にガス供給孔41が形成されている。このガス供給孔41を通じて、圧縮された不活性なガス(例えば窒素ガス)が下記のガス室51に供給される。ガス供給孔41は、前記ガスがガス室51に供給されたのち、ボルト等の封止部材42とOリング等のシール部材43によって塞がれる。
図1に示すようにベローズユニット12がパイプシェル20の内部に収容されている。このベローズユニット12によって、パイプシェル20の内部が液室50とガス室51に仕切られている。ベローズユニット12は、金属ベローズ55と、この金属ベローズ55の端部付近に設けられた合成樹脂製のガイド部材56などからなる。
ガイド部材56はリング状をなし、その外周面がパイプシェル20の内面に接することにより、金属ベローズ55がパイプシェル20の軸線方向に円滑に移動できるようにしている。ガイド部材56の周方向の一部にスリット57が形成されている。このスリット57により、ガイド部材56がパイプシェル20の内径に応じて径方向に弾性変形することができる。また、金属ベローズ55が軸線方向に伸縮する際に、液室50内の作動液がこのスリット57を通ることができる。
金属ベローズ55は、パイプシェル20の軸線方向X(図1に示す)に伸縮可能な金属製のベローズボディ60と、ベローズボディ60に取付けられた金属製のベローズキャップ61とによって構成されている。
ベローズボディ60は、図1において下側に位置する移動側の端部60aと、図1において上側に位置する固定側の端部60bとを有している。このベローズボディ60は、軸線方向Xに交互に形成された複数の山65と複数の谷66を有している。ベローズボディ60の移動側の端部60aは前記軸線方向Xに移動可能である。ベローズボディ60の固定側の端部60bは、全周にわたって第2のシェル端部材22に溶接によって固定されている。
図2に示すようにベローズキャップ61は、ベローズボディ60の移動側の端部60aに、溶接によって液密に取付けられている。図2に示す符号W1はその溶接部を示している。溶接部W1はベローズキャップ61の全周にわたって形成されている。
図1に示すように、ベローズボディ60の移動側の端部60aに形成されている複数の山の外径(山径D1)は、ベローズボディ60の軸線方向の中間部分の山の外径、すなわちベローズ中間部60cの山径D2よりも小さい。さらに詳しくは、ベローズボディ60の移動側の端部60aの端から複数の山の径D1が、ベローズキャップ61に向かって次第に小さくなっている。すなわち移動側の端部60aに小径部が形成されている。ベローズボディ60の谷の内径(谷径d)は、ベローズボディ60の軸線方向に一定である。
また、ベローズボディ60の固定側の端部60bに形成されている複数の山の外径(山径D3)も、ベローズ中間部60cの山径D2よりも小さくしている。さらに詳しくは、ベローズボディ60の固定側の端部60bの端から複数の山の径D3が、第2のシェル端部材22に向かって次第に小さくなっている。すなわち固定側の端部60bにも小径部が形成されている。
ベローズキャップ61の液室50側の面に自己シール部材70が取付けられている。この自己シール部材70は、液室50内の作動液の圧力がガス室51の圧力よりも低くなったときに、ベローズボディ60が伸びることにより、圧力容器11の内面71に密接するようになっている。自己シール部材70が圧力容器11の内面71に密接すると、作動液がパイプシェル20の内面とベローズボディ60の外面との間に閉じ込められるため、非圧縮性の作動液によってベローズボディ60がバックアップされる。
このように構成されたアキュムレータ10Aを組立てる工程について以下に説明する。まず、直管状のパイプシェル20の一端20aの内側に第1のシェル端部材21を配置し、スピニング加工によって第1のスピニング加工部30を形成する。スピニング加工されたパイプシェル20の一端20aに第1のシェル端部材21を溶接し、溶接部25を形成する。
一方、ベローズボディ60の移動側の端部60aにベローズキャップ61を溶接する。また、ベローズボディ60の固定側の端部60bに第2のシェル端部材22を溶接する。ベローズボディ60の所定位置にガイド部材56を取付けるなどして、サブアセンブリ品を製作する。このサブアセンブリ品をスピニング加工前のパイプシェル20の他端20bからパイプシェル20の内部に挿入する。そののちスピニング加工によって第2のスピニング加工部40を形成し、さらにパイプシェル20の他端20bに第2のシェル端部材22を溶接し、溶接部26を形成する。
こうして完成したアキュムレータ10Aの液室50に作動液を満たし、ガス供給孔41からガス室51の内部にガスを供給する。ガス室51にガスが供給されると、ガスの圧力によってベローズボディ60が伸びてゆき、最終的に自己シール部材70が圧力容器11の内面71に密接する。自己シール部材70が圧力容器11の内面71に密接すると、作動液の一部がパイプシェル20の内面と金属ベローズ55の外面との間の液室50に閉じ込められ、ベローズボディ60をバックアップするようになるため、ベローズボディ60の内面と外面との間の圧力差が実質的になくなり、ベローズボディ60の変形が防止される。
このアキュムレータ10Aに液圧回路37が接続される。液圧回路37から液室50に供給される作動液の圧力に応じてガス室51が圧縮されると、ガス室51の体積が変化することにより、金属ベローズ55が軸線方向Xに伸縮する。
液圧回路37から液室50に供給される作動液の圧力がガス室51の圧力よりも低く、自己シール部材70が圧力容器11の内面71に接している状態において、作動液が急激な圧力上昇を伴いながらポート35から流入したとする。その場合、ベローズキャップ61が急激に圧力容器11の内面71から離れる方向に変位することにより、ベローズボディ60に高周波の急激な変位が発生する。
ベローズボディ60の山径をD、谷径をdとした場合、ベローズボディ60の1山当たりのばね定数は下記の式(1)で表わされる。また1山当たりの変位xに伴う応力は、下記の式(2)で表される。
Figure 2007092782
ベローズボディ60の端部60aに軸線方向の力が加わった場合の1山当たりの変位xは下記の式(3)で表わされるため、式(1)を式(3)に代入し、さらに式(3)を式(2)に代入すると、応力は下記の式(4)となる。
Figure 2007092782
一例として、ベローズボディ60の谷径d=φ50mm、ベローズ中間部60cの山径D2=φ70mm、ベローズボディ60の端部60aの山径D1=60mmの場合、端部60aに発生する応力は、ベローズ中間部60cの応力の0.54倍と減少する。
前記の式(4)から、谷径dが軸線方向に一定のベローズボディ60において、ベローズボディ60の端部60aの山径D1をベローズ中間部60cの山径D2よりも小さくすることにより、ベローズボディ60の両端部60a,60bに軸線方向の力が加わった場合に、端部60aに発生する応力をベローズ中間部60cに発生する応力よりも小さくすることができる。すなわち、ベローズボディ60の端部60aの発生応力が小さいため、ベローズボディ60が早期に破損することを防止でき、高周波入力となるサージ吸収および脈動吸収用として耐久性の高いアキュムレータを得ることができる。
以上説明したように本実施形態のアキュムレータ10Aによれば、ベローズボディ60の移動側の端部60aの山径をベローズ中間部60cの山径よりも小さくしたことによって、ポート35から急激に作動液が流入したときに応力が高くなるベローズキャップ61の近傍の山と谷の応力を低減でき、金属ベローズ55の耐久性を高めることができる。すなわちこのアキュムレータ10Aは、作動液のサージ圧および高周波の脈動を吸収するためにポート35の内径が大きくても、ベローズボディ60の端部60aの応力が過剰になることを回避でき、金属ベローズ55の耐久性を高めることができる。
また本実施形態のアキュムレータ10Aは、ベローズボディ60の固定側の端部60bをベローズ中間部60cよりも小径としている。このことにより、スピニング加工によって小径化されるスピニング加工部40が、ベローズボディ60の端部60bと干渉することを回避できる。
本実施形態のアキュムレータ10Aでは、パイプシェル20の両端20a,20bの直径をそれぞれスピニング加工によって小さくし、溶接部25,26の径をパイプシェル20の軸線方向中間部の直径よりも小さくしている。このため溶接部25,26の発生応力が低減し、パイプシェル20の材料に従来よりも薄肉のパイプを用いることができる。しかも溶接部25,26の発生応力が低減することにより、圧力容器11の耐久性を高めることができた。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るアキュムレータ10Bを示している。このアキュムレータ10Bは、ベローズボディ60の移動側の端部60aと固定側の端部60bのうち、移動側の端部60aの山径D1のみを、ベローズ中間部60cの山径D2よりも小さくしている。固定側の端部60bの山径はベローズ中間部60cの山径D2と同等である。それ以外の構成と作用については、前記第1の実施形態のアキュムレータ10Aと同じであるため、両者に共通の符号を付して説明は省略する。
図4と図5は、本発明の第3の実施形態に係るアキュムレータ10Cを示している。ベローズボディ60の移動側の端部60aに、第1および第2の実施形態と同様の小径部が形成されている。さらにベローズボディ60の移動側の端部60aに、軸線方向に直径が一定の直管部80が設けられている。この直管部80は、ベローズボディ60を成形する際に、山65と谷66を成形せずに原管のまま残すことによって得られる。
直管部80の外周に沿って、円環状のフランジ部材81が溶接部W2(図5に示す)において溶接されている。フランジ部材81は溶接部W3において、ベローズキャップ61に溶接されている。ベローズボディ60の固定側の端部60bにもフランジ部材82が溶接されている。このフランジ部材82は第2のシェル端部材22に溶接されている。それ以外の構成と作用については、前記第1の実施形態のアキュムレータ10A(図1,2)と同じであるため、両者に共通の符号を付して説明は省略する。
このように構成された第3の実施形態に係るアキュムレータ10Cは、ベローズボディ60の端部60aに直管部80を形成し、この直管部80にフランジ部材81を溶接したことにより、サージ圧力や高周波入力に応答してベローズキャップ61が高速で変位し、ベローズボディ60の内側の圧力が外側の圧力よりも高くなっても、ベローズ溶接部に過剰な引っ張り応力が作用することを回避でき、金属ベローズ55の耐久性をさらに高めることができる。
図6は、本発明の第4の実施形態に係るアキュムレータ10Dを示している。この実施形態のアキュムレータ10Dは、ベローズボディ60の固定側の端部60bが第1のシェル端部材21に溶接されている。そして金属ベローズ55の内側に液室50が形成され、金属ベローズ55の外側にガス室51が形成されている。第1のシェル端部材21には、液室50内に突出する凸部90が形成され、この凸部90に孔91が形成されている。凸部90の内側に形成された液室92は、孔91を介して前記液室50に連通している。
ベローズキャップ61の液室50側の面に、自己シール部材70が設けられている。液室50の圧力がガス室51の圧力よりも低いとき、ベローズボディ60が縮み、自己シール部材70が凸部90のシール面93に密接することにより、ベローズボディ60の内側に作動液を閉じ込める。それ以外の構成と作用については、前記第1の実施形態のアキュムレータ10A(図1,2)と同じであるため、両者に共通の符号を付して説明を省略する。
図7は、本発明の第5の実施形態に係るアキュムレータ10Eを示している。このアキュムレータ10Eのベローズボディ60の移動側の端部60aに直管部80が形成されている。この直管部80の外周に沿って、円環状のフランジ部材81が溶接されている。フランジ部材81は、第3の実施形態(図4,図5)と同様に、ベローズキャップ61に溶接されている。ベローズボディ60の固定側の端部60bにもフランジ部材82が溶接されている。フランジ部材82は第1のシェル端部材21に溶接されている。それ以外の構成と作用は前記第4の実施形態のアキュムレータ10D(図6)と同様であるため、両者に共通の符号を付して説明を省略する。
なお前記各実施形態では、パイプシェル20の両端部をスピニング加工によって小径化したが、パイプシェル20の両端部のうち、ベローズキャップ61が位置する側の端部のみを小径化してもよい。あるいは図8に示した従来例のように、直管状のシェル100の両端部に端部材121,122を溶接する構造の圧力容器を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るアキュムレータの断面図。 図1に示されたアキュムレータの一部を拡大して示す断面図。 本発明の第2の実施形態に係るアキュムレータの断面図。 本発明の第3の実施形態に係るアキュムレータの断面図。 図4に示されたアキュムレータの一部を拡大して示す断面図。 本発明の第4の実施形態に係るアキュムレータの断面図。 本発明の第5の実施形態に係るアキュムレータの断面図。 従来のアキュムレータを示す断面図。
符号の説明
10A,10B,10C,10D,10E…アキュムレータ
20…パイプシェル
21…第1のシェル端部材
22…第2のシェル端部材
35…ポート
41…ガス供給孔
50…液室
51…ガス室
55…金属ベローズ
60…ベローズボディ
60a…移動側の端部
60b…固定側の端部
60c…ベローズ中間部
61…ベローズキャップ
65…山
66…谷

Claims (8)

  1. 両端を有する筒状のパイプシェルと、
    作動液が出入りするポートが形成されかつ前記パイプシェルの一端に液密に固定される第1のシェル端部材と、
    ガス供給孔が形成されかつ前記パイプシェルの他端に液密に固定される第2のシェル端部材と、
    軸線方向に交互に形成された山と谷を有し、前記パイプシェルの内部に収容されて前記パイプシェルの内部を液室とガス室とに仕切る金属ベローズと、
    を有するアキュムレータにおいて、
    前記金属ベローズは、
    前記第1または第2のシェル端部材の一方に固定される固定側の端部と前記軸線方向に移動可能な移動側の端部を有するベローズボディと、
    前記ベローズボディの前記移動側の端部に液密に取付けられたベローズキャップとからなり、
    前記ベローズボディの前記両端部のうち、少なくとも前記移動側の端部の山の外径を、前記両端部間のベローズ中間部の山の外径よりも小さくしたことを特徴とするアキュムレータ。
  2. 前記ベローズボディの前記移動側の端部の端から2つ以上の山の外径を前記ベローズキャップに向かって次第に小さくしたことを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
  3. 前記ベローズボディの前記固定側の端部と移動側の端部の山の外径を、それぞれ、前記ベローズ中間部の山の外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1または2に記載のアキュムレータ。
  4. 前記ベローズボディの谷の内径が該ベローズボディの軸線方向に一定であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアキュムレータ。
  5. 前記ベローズボディの前記移動側の端部に直管部が形成され、該直管部の外周に沿って円環状のフランジ部材が溶接され、該フランジ部材が前記ベローズキャップに溶接されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアキュムレータ。
  6. 前記パイプシェルの両端のうち少なくとも一方に、該パイプシェルの全周にわたり内側に向けて縮径加工してなるスピニング加工部が形成され、該スピニング加工部の先端が該パイプシェルの全周にわたり前記第1または第2のシェル端部材に溶接されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアキュムレータ。
  7. 前記第1および第2のシェル端部材の少なくとも一方の外周面に、前記スピニング加工部の中子として機能する成形面が形成され、該成形面に沿って前記スピニング加工部が曲げられていることを特徴とする請求項6に記載のアキュムレータ。
  8. 前記ベローズキャップに、前記液室の圧力がガス室の圧力よりも低いときに該液室内に作動液を閉じ込める自己シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
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