JP2007091718A - オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法ならびに製造されたイリジウム錯体からなる発光材料 - Google Patents

オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法ならびに製造されたイリジウム錯体からなる発光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン化イリジウムまたは架橋ダイマーと、有機配位子とを反応させて、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、脱ハロゲン化剤および塩基化合物を添加することなく、また、有機配位子をイリジウム原料に対して大過剰に用いることなく、高収率かつ高純度に製造でき、更には、フェイシャル体を選択的に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化イリジウムと2−フェニルピリジン誘導体などの有機配位子とを反応させ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、有機配位子の物質量が、ハロゲン化イリジウムに対して3当量以上30当量未満とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子用材料、エレクトロケミルミネッセンス素子材料、発光センサー、光増感剤、ディスプレイ、蛍光増白剤、写真用材料、レーザー色素、カラーフィルター用染料、光通信、色変換フィルター、バックライト、照明、光増感色素、各種光源などに有用なオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。
有機電界発光素子は次世代の携帯情報端末などのディスプレイ素子として注目されており、近年になって発光素子に用いられる各種有機材料の開発が活発に進められている。ここで、発光材料に関して言えば、励起一重項からの発光を利用する蛍光材料と、励起三重項からの発光を利用する燐光材料に大きく分類できる。励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率の限界は5%とされている。一方で、これに励起三重項をも利用できると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となることから注目されている。特に、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体に代表される、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体(以下、オルトメタル化イリジウム錯体とも記載する)は有望視されている燐光材料である。
このような有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造するにあたっては、イリジウム原料として安価であるハロゲン化イリジウムと有機配位子とを直接反応させることが、製造コスト低減のために望ましい。しかしながら、この反応は、実際のところは極めて困難であった。以下、その理由を具体的に説明する。
これまで、オルトメタル化イリジウム錯体の製造法として、3塩化イリジウムと2−フェニルピリジンを2−エトキシエタノールと水の混合溶媒中で加熱還流下、24時間反応させる方法が知られている(非特許文献1)。この製造法は、下記の反応式(1)のように推定される多段階反応を一気に進めようとするものであるが、中間生成物である、塩素で架橋されたイリジウムダイマー(以下、架橋ダイマーとも記載する)の生成した段階で反応がほとんど進行しなくなるため、架橋ダイマー(D−1)が多量に生成し、目的物であるオルトメタル化イリジウム錯体(A−1)の収率が極めて低く、全く実用的ではなかった。
Figure 2007091718
この架橋ダイマーの生成を抑制するために、脱ハロゲン化剤であるトリフロオロメタンカルボン酸銀の存在下で、反応させる方法も報告されている(非特許文献2)。しかし、この方法では吸湿性の銀塩を使用するために操作性が悪く、さらに生成した塩化銀とイリジウム錯体を分離・精製する工程が新たに必要になるなどの問題があった。
また、オルトメタル化イリジウム錯体の生成を促進させるため、ハロゲン化イリジウムまたは反応中間体とされる架橋ダイマー(D−1)と、有機配位子との反応を、トリエタノールアミンなどの塩基の存在下で行う方法も開示されている(特許文献1および2)。しかし、反応条件によっては、分解物を生じるため収率が低下するなど、必ずしも万能な方法ではないことがわかった。
特許文献3には、ハロゲン化イリジウムと2−フェニルピリジンとの反応において、2−フェニルピリジンを30当量以上とすることで、オルトメタル化イリジウム錯体(A−1)が主生成物として得られることが開示されている。当該文献には、2−フェニルピリジンの添加量をハロゲン化イリジウムに対し30当量未満にすると、架橋ダイマー(D−1)が主生成物になり、5〜10当量では、オルトメタル化イリジウム錯体(A−1)は全く得られないことが記載されている。
この理由について、2−フェニルピリジンがイリジウムに配位するオルトメタル化反応は、2−フェニルピリジンからの脱プロトン過程が関与しており、反応の進行に伴いプロトンが反応系中に蓄積されるので、このことが(D−1)から(A−1)への反応を阻害しているものと考えられている。しかし、2−フェニルピリジンを30当量以上添加すると、2−フェニルピリジンが反応系中のプロトンをトラップする塩基としても機能するために、(D−1)から(A−1)への反応が効率よく進行するものと考察されている。
特許文献4には、反応中間体とされる架橋ダイマー(D−1)を別途合成し、これを用いて、オルトメタル化イリジウム錯体を主生成物として合成する場合には、2−フェニルピリジンを架橋ダイマーに対して、10当量以上とすることが開示されている。
しかしながら、特許文献3および4の方法では、反応系中に有機配位子をイリジウム原料に対して、大過剰に用いることになるため、有機配位子を取り除く操作が複雑になるなどの問題があり、また製造コスト低減の観点からも、有機配位子の使用量をできる限り抑制することが強く望まれている。
また、オルトメタル化イリジウム錯体には、フェイシャル体とメリジオナル体の2種類の幾何異性体が存在するが、これまでに、これら2つの幾何異性体の物性は、大きく異なることが明らかになっている(非特許文献3)。このうち、メリジオナル体の発光量子収率は低く、また光や熱によってフェイシャル体へ異性化するなど安定性に問題があるため、燐光材料としてはフェイシャル体構造の方が望ましいとされている。したがって、フェイシャル体を選択的に合成する方法が強く望まれているが、燐光材料によっては、フェイシャル体のみを合成することが極めて困難な場合があることも明らかになってきた。例えば、図1のような有機配位子を用いた場合、従来法ではメリジオナル体が主生成物として得られることが開示されている(特許文献5)。
Figure 2007091718
特開2004−168758号公報 特開2004−238379号公報 特開2004−168755号公報 特開2004−168756号公報 国際公開第05/049762号パンフレット J. Am. Chem. Soc., 107巻, 1431頁, 1985年 Chem. Commun., 1494頁, 2001年 J. Am. Chem. Soc., 125巻, 7377頁, 2003年
本発明は、ハロゲン化イリジウムまたは架橋ダイマーと、有機配位子とを反応させて、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、脱ハロゲン化剤および塩基化合物を添加することなく、また、有機配位子をイリジウム原料に対して大過剰に用いることなく、高収率かつ高純度に製造でき、更には、フェイシャル体を選択的に製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前述したオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法が、依然として上記問題点を含有している現状に鑑み、鋭意研究を重ねてきた。その結果、ハロゲン化イリジウムと有機配位子とを反応させ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を1段階で合成する反応においては、その収率は、意外にも有機配位子の構造や置換基に強く依存するという重要な実験事実を発見した。本発明者は、数多くの有機配位子を検討した結果、一般式(1)または(2)のいずれかで表される特定構造の有機配位子を用いると、該反応に用いる有機配位子の物質量がハロゲン化イリジウムに対し、3当量以上30当量未満である場合でも、該反応が、従来の常識に反して効率よく進行し、架橋ダイマーの生成が抑制されオルトメタル化イリジウム錯体が主生成物として収率良く得られることを見出した。
また、反応中間体とされる架橋ダイマー(一般式(3))を別途合成し、これと有機配位子とを反応させて、オルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法においても、一般式(1)または(2)のいずれかで表される特定構造の有機配位子を用いることで、有機配位子の物質量を架橋ダイマーに対し、2当量以上10当量未満とした場合でも、該反応が、従来の常識に反して効率よく進行し、オルトメタル化イリジウム錯体が主生成物として収率良く得られることを見出した。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)ハロゲン化イリジウムと下記一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子とを反応させ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、該反応に用いる有機配位子の物質量が、ハロゲン化イリジウムに対して3当量以上30当量未満であることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
Figure 2007091718
(一般式(1)中、NとCは、それぞれ窒素および炭素原子である。環Aは置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。環Bは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。環Aと環Bは縮合環を形成しても良い。Xは電子吸引性置換基であり、環B に少なくとも1つ結合している。)
Figure 2007091718
(一般式(2)中、NとCは、それぞれ窒素および炭素原子である。環Cは置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。環Dは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。Zは環Cと環Dとを連結する基であり縮合環を形成しても良い。)
(2)反応生成物がフェイシャル体構造であることを特徴とする前記1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(3)ハロゲン化イリジウムが3ハロゲン化イリジウムまたは6ハロゲン化イリジウムであることを特徴とする前記1または2のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(4)該反応が160℃〜280℃で行われることを特徴とする前記1乃至3のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(5)該反応がジオール溶媒中で行われることを特徴とする前記1乃至4のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(6)該反応がマイクロ波照射下で行われることを特徴とする前記1乃至5のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(7)下記一般式(3)で表されるハロゲン架橋イリジウムダイマーと前記一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子とを反応させて、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、該反応に用いる有機配位子の物質量が、ハロゲン架橋イリジウムダイマーに対し2当量以上10当量未満であることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
Figure 2007091718
(一般式(3)中、Dはハロゲン原子を表す。Lは一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子である。)
(8)反応生成物がフェイシャル体構造であることを特徴とする前記7に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(9)該反応が160℃〜280℃で行われることを特徴とする前記7または8に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(10)該反応がジオール溶媒中で行われることを特徴とする前記7乃至9のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(11)該反応がマイクロ波照射下で行われることを特徴とする前記7乃至10のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(12)メリジオナル体の含有率が、3モル%未満である前記1乃至11のいずれかに記載の方法によって得られたイリジウム錯体からなる発光材料。
(13)前記12に記載の発光材料を用いた発光素子。
本発明方法によれば、有機電界発光素子用材料などとして用いられるオルトメタル化イリジウム錯体を、脱ハロゲン化剤や塩基を添加することなく、また有機配位子をイリジウム原料に対して大過剰に用いることなく、高収率かつ高純度に製造することができる。また、燐光材料として特に有用なフェイシャル体を高純度で選択的に合成することができる。
ハロゲン化イリジウムまたは架橋ダイマーと、有機配位子が反応して有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体が生成するオルトメタル化反応において、その反応効率が有機配位子の構造や置換基に大きく依存することは、従来全く知られていない事柄である。すなわち、一般式(1)または(2)のいずれかで表される特定構造の有機配位子を用いたときに、脱ハロゲン化剤や塩基を添加することなく、また有機配位子をイリジウム原料に対して大過剰に用いることなく、オルトメタル化反応が効率よく進行するという実験事実は、本発明者らの、数多くの緻密な実験の積み重ねによって初めて見いだされた新規な知見である。
すなわち、本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、ハロゲン化イリジウム化合物と一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子とを反応させて、オルトメタル化イリジウム錯体を製造するに当たり、当該有機配位子の使用量をハロゲン化イリジウムに対して3当量以上30当量未満とすることを特徴とする。さらに、一般式(3)で表される架橋ダイマーと一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子を反応させてオルトメタル化イリジウム錯体を製造するに当たり、当該有機配位子の使用量をハロゲン化イリジウムに対して2当量以上10当量未満とすることを特徴とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(1)中の記号について説明する。
環Aについては、炭素数3〜50の芳香族複素環基が好ましく、炭素数3〜30の芳香族複素環基がより好ましく、炭素数3〜15の芳香族複素環基が特に好ましい。このような芳香族複素環基としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナントロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、フェナントリジンなどが挙げられる。
環Bについては、炭素数3〜50の芳香族複素環基または芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数3〜30の芳香族複素環基または芳香族炭化水素基がより好ましく、炭素数3〜15の芳香族複素環基または芳香族炭化水素基が特に好ましい。このような芳香族複素環基または芳香族炭化水素基としては、例えば、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、またはカルバゾリル基が挙げられる。
一般式(1)で表される有機配位子の置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜24、特に好ましくは炭素数0〜20であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノなどが挙げられ、特に好ましくはジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ基である。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェノキシ、1−ナフトキシ、2−ナフトキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数3〜16、特に好ましくは炭素数4〜12であり、例えばピリジノオキシ、ピリミジノオキシ、ピリダジノオキシ、ベンズイミダゾリルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜20であり、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェノキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には連結して環を形成してもよい。好ましくは、脂肪族炭化水素基、アリール基およびヘテロ環基であり、より好ましくはアリール基、芳香族ヘテロ環基であり、更に好ましくはアリール基、5または6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくはアリール基、N、S、O原子の少なくとも一つを含む5または6員の芳香族ヘテロ環基であり、最も好ましくはアリール基である。
Xは電子吸引性基を表し、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、含フッ素炭化水素基、含フッ素芳香族炭化水素基が好ましく、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチル基がより好ましい。特に、ハメットの置換基定数(σ)が0.2以上である置換基が好ましい。ハメットの置換基定数(σ)とは、例えば、有機電子論解説第4版、井本稔著(東京化学同人)の288頁に記載されている値である。
一般式(2)中の記号について説明する。
環Cについては、一般式(1)中の環Aと同義であり、望ましい範囲も同じである。環Dについては、一般式(1)中の環Bと同義であり、望ましい範囲も同じである。Zについては、環Cと環Dとを連結する基であり縮合環を形成しても良い。例えば、ハロゲン原子、酸素原子、炭素数2〜30の炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、または芳香族複素環が好ましく、炭素数2〜20の炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、または芳香族複素環がより好ましく、炭素数2〜10の炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、または芳香族複素環が特に好ましい。これらの基はフッ素で置換されても良い。
一般式(3)中の記号について説明する。
Dについてはハロゲン原子を表し、塩素原子または臭素原子が好ましい。Lについては、一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子を表す。
一般式(1)または(2)で表される有機配位子としては、例えば、特開2002-117978、特開2003-68467、特開2003-171659、特開2003-146996、特開2003-113161、特開2003-113163、特開2003-113164、特開2003-113190、特開2004-107441、特開2004-59433、特開2004-131463、特開2004-131464、特開2004-78996、特開2005-29782、特開2005-29783、特開2005-29784、特開2005-23070、特開2005-23071、特開2005-23072、特開2005-29785、特開2005-183344、特開2005-220136、特開2005-213348、特開2005-154396、特許公表2005-521210、WO2002-15645、WO2002-02714、WO2002-064700、WO2002-45466、WO2002-44189、特許公表2004-531485、特許公表2004-533430、特許公表2005-506361、特許公表2005-508437、特許公表2005-516040、WO2002-068435、WO2002-081488、WO2003-084972、WO2004-016711、WO2004-026886、WO2004-037836、WO2004-044089、WO2004-085450、WO2005-049762、Adv. Mater., 2003年, 15巻, 224頁.などに記載されているものが好ましい。
一般式(1)で表される有機配位子の具体例を表1に示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2007091718
一般式(2)で表される有機配位子の具体例を表2に示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2007091718
該反応に用いられるハロゲン化イリジウムとしては、3ハロゲン化イリジウム、4ハロゲン化イリジウム、6ハロゲン化イリジウムが好ましく、3ハロゲン化イリジウム、4ハロゲン化イリジウムがより好ましい。イリジウムの価数は、3価と4価が好ましく、3価がより好ましい。このような化合物としては、例えば、(NHIrCl、(NHIrCl、NaIrCl、NaIrCl、KIrCl、KIrCl、(NHIrBr、(NHIrBr、NaIrBr、NaIrBr、(NHIrI、(NHIrI、NaIrI、NaIrI、IrCl、IrBr、IrI、IrCl、IrBr、IrI、HIrCl、HIrCl、などが挙げられる。これらのハロゲン化イリジウム化合物には結晶水もしくは結晶溶媒がついていても良い。溶媒に対する溶解性の観点から、3ハロゲン化イリジウムの水和物、または、6ハロゲン化イリジウムの水和物が特に好ましく用いられる。
本発明においては、該反応を更に円滑に進めるために、反応溶媒として、極性溶媒を用いることが好ましい。用いられる溶媒の沸点としては、160℃〜280℃が好ましく、170℃〜250℃がより好ましく、180℃〜230℃が特に好ましい。さらに、このような溶媒としてはジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールなどが好ましい。それらを含む混合溶媒を用いることも好ましい。
本発明の反応温度および反応圧力は、使用する原料、マイクロ波の波長、溶媒などによって異なるが、反応温度は160℃〜280℃、好ましくは170℃〜240℃、より好ましくは180℃〜230℃である。反応圧力は1〜30atm、好ましくは1〜5atmである。
ハロゲン化イリジウムと有機配位子の反応における、有機配位子の使用量は、ハロゲン化イリジウムに対し3当量以上30当量未満であれば良いが、有機配位子の使用量を削減するという観点から、好ましくは3当量以上20当量未満であり、より好ましくは3当量以上10当量以下である。
架橋ダイマーと有機配位子の反応における、有機配位子の使用量は、架橋ダイマーに対し2当量以上10当量未満であれば良いが、有機配位子の使用量を削減するという観点から、好ましくは2当量以上8当量未満であり、より好ましくは2当量以上5当量以下である。
なお、特許文献3には、有機配位子の使用量がハロゲン化イリジウムに対して30当量未満であると、所望とするオルトメタル化イリジウム錯体の収率が低下し、架橋ダイマーが多量に生成し、架橋ダイマーが主生成物となることが開示されているが、本発明のように一般式(1)または(2)のいずれかで表される特定構造の有機配位子を用いた場合、有機配位子の使用量をハロゲン化イリジウムに対して30当量未満とした場合でも、架橋ダイマーの生成量が効果的に抑制され、オルトメタル化イリジウム錯体が主生成物になることは、従来全く知られていない事柄であり、本発明者らの、数多くの緻密な実験の積み重ねによって初めて見いだされた新規な知見である。
一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子を用いた場合に、有機配位子をイリジウム原料に対して30当量未満とした場合においても、架橋ダイマーの生成量が効果的に抑制され、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体が高収率かつ高純度で得られる理由は、現時点では定かではないが、本発明者は以下のように推察している。
イリジウムに有機配位子が配位するオルトメタル化反応には有機配位子からの脱プロトン過程が存在し、反応の進行に伴いプロトンが蓄積することになる。反応系中に蓄積されたプロトンは、架橋ダイマーからオルトメタル化イリジウム錯体への反応(脱プロトン過程)を阻害することになると考えられる。したがって、該反応が効率よく進行するためには、有機配位子が単に配位子として機能するだけでなく、プロトンをトラップする能力(塩基としての役割)や、有機配位子からのプロトンの放出のされやすさ(酸としての性質)などの性質が重要であり、これらの性質がうまく調整されたときに、該反応が効率よく進行するものと考えている。
一般式(1)で表される有機配位子については、イリジウム−炭素結合を形成する環Bに、電子吸引性置換基が結合することによって、環B上の電子密度が低下し、有機配位子の酸としての性質が強まった結果、オルトメタル化反応において重要な脱プロトン過程が促進されているのではないかと考えられる。実際に、環B上が無置換の有機配位子や電子供与性置換基の場合、オルトメタル化反応は著しく抑制されることがわかった。
また、一般式(2)で表される特定構造の有機配位子については、環Cと環DがZで連結することにより、環Cおよび環Dの自由回転が不可能になり、有機配位子上の窒素原子および炭素原子がイリジウムと反応する確率が向上し、オルトメタル化反応が極めて早く進行するためと考えられる。具体的に、環が自由回転する有機配位子(例えば、2−フェニルピリジン)と比較して、環が自由回転しない配位子(例えば、前記(2−5))の場合、オルトメタル化反応は非常に効率よく進行することが、数多くの実験の結果、明らかになった。
Figure 2007091718
また、本発明においては、加熱手段は特に制約されないが、反応を円滑するために、マイクロ波を照射することも好ましく用いられる。マイクロ波の照射時間は、マイクロ波反応装置の出力や有機配位子や用いる溶媒等に依存するが、1分〜24時間が好ましく、1分〜5時間がより好ましく、1分〜2時間が特に好ましい。マイクロ波の波長に特に制限はないが、900MHz〜30GHzが好ましく、2000〜3000MHzがより好ましい。マイクロ波発振装置としては、市販されている従来公知の発振装置が全て適用できる。また、Chem. Lett., 1994年、2443頁に記載のようにマイクロ波発振装置を加工して用いても良い。
また、加熱手段として、オイルバス、マントルヒーター等を用いても良い。その場合の反応時間は、1〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましく、1〜24時間が特に好ましい。窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下で反応を行うのも好ましい。
本発明によって得られたオルトメタル化イリジウム錯体については、通常の後処理に従って処理した後、必要があれば精製してあるいは精製せずに高純度品とすることができる。後処理の方法としては、例えば、抽出、冷却、水または有機溶媒を添加することによる晶析、反応混合物からの溶媒を留去する操作等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。精製の方法としては再結晶、蒸留、昇華あるいはカラムクロマトグラフィー等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。
有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体については、フェイシャル体とメリジオナル体の2種類の幾何異性体が存在するが、より好ましいのは、フェイシャル体である。本発明ではメリジオナル体の生成を抑制し、フェイシャル体を高純度かつ高効率に製造することができる。フェイシャル体およびメリジオナル体の純度は、液体クロマトグラフィーやプロトンNMRなどで分析することができる。本発明の方法により製造されたオルトメタル化イリジウム錯体の中に含有されるメリジオナル体については、より低いほど好ましい。具体的には、メリジオナル体の含有率は、3モル%未満が好ましく、1モル%未満がより好ましく、0.5モル%未満が特に好ましく、0.1モル%未満が最も好ましい。
ここで、フェイシャル体およびメリジオナル体とは幾何異性体であり、詳しくは、錯体化学改訂版(山崎一雄ら共著、裳華房)に記述があり、また、構造式については非特許文献3に記載されている。
本発明により製造されたオルトメタル化イリジウム錯体については、架橋ダイマーおよびメリジオナル体の含有率が極めて低く、該イリジウム錯体を発光素子の発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層に含有されることで、従来よりも発光効率や耐久性で優れた発光素子を得ることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。下記の実施例は本発明の方法を単に例証するためのものであって、本発明がこれらの実施例によって限定されることはない。
(ハロゲン化イリジウムからの合成)
<実施例1> (T−1)の合成 (有機配位子を10当量用いた場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)、(1−1)で表される有機配位子(0.85 mmol)、エチレングリコール(10 mL)をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(Chem. Lett., 1994年, 2443頁 を参照)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を60分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきたレモン色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られたレモン色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)であり、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。オルトメタル化イリジウム錯体(T−1)の単離収率は81%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
H−NMRデータ(CDCl中)δ:7.87 (d, 3H), 7.66−7.70 (m, 6H), 7.52 (d, 3H), 6.94 (dd, 3H), 6.62 (dd, 3H), 6.38 (d, 3H).
Figure 2007091718
<実施例2> (T−2)の合成 (有機配位子を10当量用いた場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)、(1−4)で表される有機配位子(0.85 mmol)、エチレングリコール(10 mL)をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(Chem. Lett., 1994年, 2443頁 を参照)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を60分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきたレモン色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られたレモン色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−2)であり、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。オルトメタル化イリジウム錯体(T−2)の単離収率は65%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
H−NMRデータ(CDCl中)δ:8.31 (d, 3H), 7.73 (dd, 3H), 7.51 (d, 3H), 6.98 (dd, 3H), 6.42 (dd, 3H), 6.24 (d, 3H).
Figure 2007091718
<実施例3> (T−3)の合成 (有機配位子を10当量用いた場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)、(2−5)で表される有機配位子(0.85 mmol)、エチレングリコール(10 mL)をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(Chem. Lett., 1994年, 2443頁 を参照)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を60分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきた黄色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果(図1)、得られた黄色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−3)であり、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。オルトメタル化イリジウム錯体(T−3)の単離収率は78%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
H−NMRデータ(DMSO−d中)δ:9.13 (d, 3H)、8.83(d, 3H)、8.75 (d, 3H)、8.10 (d, 3H)、7.91 (d, 3H)、7.70−7.78 (m, 6H)、7.48−7.51 (m, 3H)、7.09 (t, 3H)、6.85 (d, 3H).
Figure 2007091718
<実施例4> (T−1)の合成 (有機配位子を10当量用いた場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)の代わりに、(NH4)3IrCl6・H2O(0.085 mmol)を用いる以外は、実施例1と同様に反応させた。フェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)が得られ、その単離収率は79%であった。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<実施例5> (T−1)の合成 (有機配位子を10当量用いた場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)の代わりに、IrBr3・H2O(0.085 mmol) を用いる以外は、実施例1と同様に反応させた。フェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)が得られ、その単離収率は69%であった。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<実施例6> (T−1)の合成 (有機配位子を10当量用いて、オイルバスを用いて加熱した場合)
IrCl3・3H2O(0.085 mmol)、(1−1)で表される有機配位子(0.85 mmol)、エチレングリコール(10 mL)を二口フラスコに入れ、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、オイルバスを用いて15時間加熱還流した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきたレモン色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られたレモン色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)であり、代表的な副生成物であるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーやメリジオナル体は全く検出されなかった。オルトメタル化イリジウム錯体(T−1)の単離収率は80%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<比較例1>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(A)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例2>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(B)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例3>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(C)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例4>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(D)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例5>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(E)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例6>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(F)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例7>
有機配位子(1−1)の代わりに、下式(G)で表される有機配位子を用いて、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体はほとんど得られなかった。
Figure 2007091718
<比較例8>
溶媒としてエチレングリコールの代わりにDMFを用いる以外、実施例1と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)はほとんど得られなかった。
<比較例9>
溶媒としてエチレングリコールの代わりにDMFを用いる以外、実施例2と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体(T−2)はほとんど得られなかった。
<比較例10>
溶媒としてエチレングリコールの代わりにDMFを用いる以外、実施例3と同様に反応させたところ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体(T−3)はほとんど得られなかった。
(架橋ダイマーからの合成)
<実施例7> (T−1)の合成 (有機配位子を3当量用いた場合)
架橋ダイマー(D−2)を(0.0396 mmol)、(1−1)で表される有機配位子(0.119 mmol)、エチレングリコール(10 mL)をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(Chem. Lett., 1994年, 2443頁 を参照)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を60分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきたレモン色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られたレモン色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)であり、架橋ダイマーやメリジオナル体は検出されなかった。(T−1)の単離収率は63%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<実施例8> (T−1)の合成 (有機配位子を5当量用いた場合)
架橋ダイマー(D−2)を(0.0396 mmol)、(1−1)で表される有機配位子を0.72g(0.198 mmol)、エチレングリコール(10 mL)をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置((Chem. Lett., 1994年, 2443頁 を参照))に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を60分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきたレモン色結晶をろ別し、水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られたレモン色結晶は所望のフェイシャル体構造のオルトメタル化イリジウム錯体(T−1)であり、架橋ダイマーやメリジオナル体は検出されなかった。(T−1)の単離収率は72%であった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<比較例11>
架橋ダイマー(D−2)の代わりに式(D−4)で示される架橋ダイマーを用いて、さらに、有機配位子(1−1)の代わりに式(C)で表される有機配位子を用いて、実施例10と同様に反応を行ったところ、反応はほとんど進行しなかった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
<比較例12>
架橋ダイマー(D−2)の代わりに式(D−5)で示される架橋ダイマーを用いて、さらに、有機配位子(1−1)の代わりに式(G)で表される有機配位子を用いて、実施例10と同様に反応を行ったところ、反応はほとんど進行しなかった。本合成の合成スキームを下記に示す。
Figure 2007091718
(合成したオルトメタル化イリジウム錯体の発光特性)
<実施例9> (T−3)の発光特性
実施例3で合成した(T−3)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、298Kでの発光スペクトルを測定したところ、強い黄色発光(発光極大波長:541nm)を示した。その発光スペクトルを図2に示す。一方、従来合成法では、国際公開 WO2005/049762に記載があるようにメリジオナル体が主生成物であること、さらに、その発光極大波長は595nmであると記載されている。このように、本発明手法を用いることで、オルトメタル化イリジウム錯体はフェイシャル体に非常に高純度化され、発光スペクトルに大きな違いが見られることが明らかになった。また、前述のように、フェイシャル体の方がメリジオナル体よりも発光量子収率・安定性が高いことがこれまでに明らかにされていることから、本発明手法によって製造されたイリジウム錯体からなる発光材料を用いることで、これまでより高効率で耐久性のある発光素子を作製することができる。
以上の結果を表4にまとめた。
Figure 2007091718
a)イリジウム原料に対する有機配位子の物質量.
b)オルトメタル化イリジウム錯体の単離収率.
以上の実施例から明らかなように、一般式(1)または(2)のいずれかで表される特定構造の有機配位子を用いると、脱ハロゲン化剤や塩基を添加することなく、また有機配位子をイリジウム原料に対して大過剰に用いることなく、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を高収率かつ高純度に製造することができる。さらに本発明の手法で得られたオルトメタル化イリジウム錯体は、フェイシャル体純度が高く、従来知られていない発光特性を示し、高効率で安定な発光素子を作製することができる。
実施例3で得たイリジウム錯体(T−3)のDMSO−d中のプロトンNMRスペクトル。 実施例3で得たイリジウム錯体(T−3)のTHF中(298K)の発光スペクトル。

Claims (13)

  1. ハロゲン化イリジウムと下記一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子とを反応させ、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、該反応に用いる有機配位子の物質量が、ハロゲン化イリジウムに対して3当量以上30当量未満であることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure 2007091718
    (一般式(1)中、NとCは、それぞれ窒素および炭素原子である。環Aは置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。環Bは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。環Aと環Bは縮合環を形成しても良い。Xは電子吸引性置換基であり、環B に少なくとも1つ結合している。)
    Figure 2007091718
    (一般式(2)中、NとCは、それぞれ窒素および炭素原子である。環Cは置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。環Dは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。Zは環Cと環Dとを連結する基であり縮合環を形成しても良い。)
  2. 反応生成物がフェイシャル体構造であることを特徴とする請求項1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  3. ハロゲン化イリジウムが3ハロゲン化イリジウムまたは6ハロゲン化イリジウムであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  4. 該反応が160℃〜280℃で行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  5. 該反応がジオール溶媒中で行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  6. 該反応がマイクロ波照射下で行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  7. 下記一般式(3)で表されるハロゲン架橋イリジウムダイマーと前記一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子とを反応させて、有機配位子が3つ配位したオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、該反応に用いる有機配位子の物質量が、ハロゲン架橋イリジウムダイマーに対し2当量以上10当量未満であることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure 2007091718
    (一般式(3)中、Dはハロゲン原子を表す。Lは一般式(1)または(2)のいずれかで表される有機配位子である。)
  8. 反応生成物がフェイシャル体構造であることを特徴とする請求項7に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  9. 該反応が160℃〜280℃で行われることを特徴とする請求項7または8に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  10. 該反応がジオール溶媒中で行われることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  11. 該反応がマイクロ波照射下で行われることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  12. メリジオナル体の含有率が、3モル%未満である請求項1乃至11のいずれかに記載の方法によって得られたイリジウム錯体からなる発光材料。
  13. 請求項12に記載の発光材料を用いた発光素子。
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