JP2007091705A - ジオキシノン構造を有する化合物並びに該化合物を用いた光学フィルター及び光学記録材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表されるジオキシノン構造を有する化合物。
(式中、Aは炭素環及び複素環から選ばれる構造を表し、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜30のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜30のアリールオキシ基又は置換基を有してもよい炭素原子数6〜30のアリールアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
上記一般式(I)におけるR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 で表される、炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル等が挙げられ、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、イソプロピルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等が挙げられ、炭素原子数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられ、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられ、炭素原子数6〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基及びスルホ基は塩を形成していてもよい。
該アルキル基中のメチレン基が−CO−で置換された基としては、−CO−、1−オキソエチレン、1−オキソプロピレン、2−オキソプロピレン、1−オキソブチレン、2−オキソブチレン、2−メチル−1−オキソプロピレン等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−COO−で置換された基としては、−COO−、メチレンカルボニルオキシ、エチレンカルボニルオキシ等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−OCO−で置換された基としては、−OCO−、メチレンオキシカルボニル、エチレンオキシカルボニル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、−O−、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、イソプロピレンオキシ、メチレンオキシメチレン、メチレンオキシエチレン等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−S−で置換された基としては、−S−、メチレンチオ、エチレンチオ、プロピレンチオ、イソプロピレンチオ、メチレンチオメチレン、メチレンチオエチレン等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−SO2 −で置換された基としては、−SO2 −、メチレンスルホニル、スルホニルエチレン等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−NH−で置換された基としては、−NH−、アミノメチレン、エチレンアミノ等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−CONH−で置換された基としては、−CONH−、メチレンカルボニルアミノ、カルボニルアミノエチレン等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−NHCO−で置換された基としては、−NHCO−、メチレンアミノカルボニル、アミノカルボニルエチレン等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−N=CH−で置換された基としては、−N=CH−、イミノメチレン、エチレンイミノ等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−CH=CH−で置換された基としては、エテニレン、プロペニレン等が挙げられる。該アルキレン基中のメチレン基が上記−CO−、−COO−等の炭素原子を含む基で置き換えられる場合は、−CO−、−COO−等を含めた全体の炭素原子数が最大で8である。
下記一般式(II)で表されるジオキシノン化合物は、上記一般式(I)において、nが1であり、Aが上記(イ)で表される構造であるものである。
下記一般式(III)で表されるジオキシノン化合物は、上記一般式(I)において、nが1であり、Aが上記(ニ)で表される構造であり、且つ、上記(ニ)において、X1 が硫黄原子であり、X2 が=CR5 −であり、R5 が水素原子であるものである。
下記一般式(IV)で表されるジオキシノン化合物は、上記一般式(I)において、nが2であり、Aが上記(イ) で表される構造であるものである。
下記一般式(V)で表されるジオキシノン化合物は、上記一般式(I)において、nが1であり、Aが上記(へ) で表される構造であるものである。
また、本発明のジオキシノン化合物は、光学要素の他に、医薬品、農薬、香料及び染料等の合成中間体、あるいは各種機能性材料等に用いることもできる。
本発明の光学フィルターは、本発明のジオキシノン化合物を含有する。本発明のジオキシノン化合物は、吸収極大波長を340〜390nmに持ち、410nm以下の紫外線及び一部の可視光線を吸収して遮断することができるので、本発明のジオキシノン化合物を含有する本発明の光学フィルターは、表示画像の高品質化に用いられる画像表示装置用の光学フィルターとして特に好適なものである。本発明の光学フィルターは、画像表示装置用の他に、分析装置用、半導体装置製造用、天文観測用、光通信用、眼鏡レンズ用等の各種用途にも用いることができる。
本発明のジオキシノン化合物は、その使用量を、光学フィルターの単位面積当たり、上述の範囲にするには、通常、次のようにして使用される。例えば、粘着剤層に本発明のジオキシノン化合物を含有する光学フィルターを造る場合には、アクリル系粘着剤等の粘着剤100質量部に対し、本発明のジオキシノン化合物を好ましくは0.001〜0.05質量部及びメチルエチルケトン等の溶剤を好ましくは40〜500質量部添加してワニスを作成し、このワニスを、易密着処理をしたPETフィルム等の透明支持体に塗布した後、硬化させて、厚さ0.1〜10ミクロンの粘着剤層(硬化膜)を有する光学フィルターを得る。
本発明のジオキシノン化合物及び任意成分を本発明の光学フィルターに含有させる方法として、上述の(1)〜(4)のいずれの方法を採る場合も、各成分の配合割合は、上述の配合割合に準じればよい。
本発明の光学記録材料は、上記のジオキシノン化合物を含有し、光学記録媒体の光学記録層の形成に用いられるものであり、含有するジオキシノン化合物の光吸収特性に応じて各種の光学記録媒体に適用することができる。本発明の光学記録材料の中でも、波長が380nm〜420nmの短波長レーザ用の光ディスクに特に適合するのは、含有するジオキシノン化合物が、溶液状態での光吸収特性において、最大吸収波長λmaxを320〜420nmの範囲に有するものである。また、吸収強度については、λmaxでのεが1.0×104 より小さいと記録感度が低下するおそれがあるので、1.0×104 以上が好ましい。上記ジオキシノン化合物の溶液状態でのλmax及びεの測定は、常法に従って、試料溶液の濃度、測定に用いる溶媒等を選択して行なうことができる。
窒素置換した反応フラスコに、 [(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)メチル] ジフェニルリン酸エステル0.75g(2.00mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)5mlを仕込み、室温で(1,8−ジアザビシクロ [5.4.0] ウンデス−7−エン(DBU)0.45ml(2.86mmol)を滴下し、室温で20分間撹拌した。ベンズアルデヒド0.15g(1.43mmol)をTHF5mlに溶解したものを室温で滴下し、室温で18時間撹拌した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)により精製を行い、薄黄色透明油状物を得た。得られた薄黄色透明油状物は、E体及びZ体を1:0.7(前者:後者)の割合で含む異性体混合物であった。
得られた異性体混合物0.16g(0.69mmol)及びベンゼン10mlを混合し、ヨウ素46.1mg(182mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液30ml及び酢酸エチル30mlを加えて油層を分離し、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、溶媒留去を行なった後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)により精製を行い、薄黄色固体として、化合物No.1の0.15g(収率93.7%)を得た。得られた薄黄色固体が目的物である化合物No.1であることは、下記の分析結果により確認した。得られた化合物No.1についての分析結果を以下に示す。
1.78(s;6H)、5.44(s;1H)、6.55(d;1H;J=15.9Hz)、7.31(d;1H;J=15.9Hz)、7.34−7.40(m;3H)、7.45−7.55(m;2H)
(2)IR吸収(cm-1)
2999、1718、1634、1591、1382、1374、1279、1197、1017、975、903、815、757、692
(3)UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;345.0nm、ε;1.86×104 (濃度6.68×10-6mol/l)
(4)分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
融点;81.2℃
第一質量減少開始点;143.3℃
第二質量減少開始点;331.2℃
窒素置換した反応フラスコに、 [(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)メチル] ジフェニルリン酸エステル4.19g(11.2mmol)及びTHF56mlを仕込み、室温でDBU2.44ml(16.0mmol)を滴下し、室温で30分間撹拌した。2−チオフェンアルデヒド0.90g(8.00mmol)をTHF57mlに溶解したものを室温で滴下し、室温で22時間撹拌した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)により精製を行い、薄黄色透明油状物を得た。得られた薄黄色透明油状物は、E体及びZ体を1:1.6(前者:後者) の割合で含む異性体混合物であった。
得られた異性体混合物1.33g(5.62mmol)及びベンゼン100mlを混合し、ヨウ素0.5g(1.97mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。更にヨウ素1.6g(6.30mmol)を加えて室温で3日間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml及び酢酸エチル100mlを加えて油層を分離し、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、溶媒留去を行なった後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)により精製を行い、薄黄色透明油状物として、化合物No.2の1.15g(収率86.4%)を得た。得られた薄黄色透明油状物が目的物である化合物No.2であることは、下記の分析結果により確認した。得られた化合物No.2についての分析結果を以下に示す。
1.75(s;6H)、5.39(s;1H)、6.33(d;1H;J=15.6Hz)、7.06(dd;1H;J=5.1、3.7Hz)、7.22(d;1H;J=3.7Hz)、7.38(d;1H;J=5.1)、7.41(d;1H;J=15.6)
(2)IR吸収(cm-1)
2997、1718、1625、1388、1272、1249、1202、1018、959、707
(3)UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;347.5nm、ε;3.00×104 (濃度2.07×10-5mol/l)
(4)分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
第一質量減少開始点;131.7℃
第二質量減少開始点;288.2℃
窒素置換した反応フラスコに、 [(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)メチル] ジフェニルリン酸エステル1.0g(2.67mmol)及びTHF14mlを仕込み、室温でDBU0.6ml(3.96mmol)を滴下し、室温で30分間撹拌した。1,4−ベンゼンジアルデヒド0.13g(0.97mmol)をTHF13mlに溶解したものを室温で滴下し、室温で18時間撹拌した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)により精製を行い、黄色固体を得た。得られた黄色個体は、E体及びZ体を1:1.2(前者:後者)の割合で含む異性体混合物であった。
得られた異性体混合物0.11g(0.24mmol)、ベンゼン20ml及びアセトニトリル30mlを混合し、ヨウ素0.69g(2.71mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液30ml及び酢酸エチル30mlを加えて油層を分離し、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、溶媒留去を行なった後、酢酸エチル10mlを用いて洗浄し、薄黄色固体として、化合物No.4の50mg(収率45.4%)を得た。得られた薄黄色固体が目的物である化合物No.4であることは、下記の分析結果により確認した。得られた化合物No.4についての分析結果を以下に示す。
1.78(s;12H)、5.47(s;2H)、6.59(d;2H;J=15.9Hz)、7.29(d;2H;J=16.1Hz)、7.53(s;4H)
(2)IR吸収(cm-1)
3032、1718、1632、1589、1381、1271、1250、1201、1020、980、901、830
(3)UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;373.0m、ε;6.32×104 (濃度3.18×10-6mol/l)
(4)分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
質量減少開始点;105.5℃
窒素置換した反応フラスコに、 [(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)メチル] ジフェニルリン酸エステル0.76g(2.03mmol)及びTHF10mlを仕込み、室温でDBU0.44g(2.90mmol)を滴下し、室温で30分間撹拌した。フェロセンアルデヒド0.31g(1.45mmol)をTHF10mlに溶解したものを室温で滴下し、室温で22時間撹拌した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)により精製を行い、薄黄色オイルを得た。得られた薄黄色オイルは、E体及びZ体を1:1.96(前者:後者)の割合で含む異性体混合物であった。
得られた異性体混合物0.68g(2.00mmol)にベンゼン10ml及びヨウ素194mg(0.76mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液30ml及び酢酸エチル30mlを加えて油層を分離し、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、溶媒留去を行なった後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)により精製を行い、赤色固体として、化合物No.20の44.2mg(収率9.0%)を得た。得られた赤色固体が目的物である化合物No.20であることは、下記の分析結果により確認した。得られた化合物No.20についての分析結果を以下に示す。
1.76(s;6H)、4.17(s;5H)、4.44(s;2H)、4.49(s;2H)、5.29(s;1H)、6.12(d;1H、J=15.4Hz)、7.15(d;1H、J=15.4Hz)
(2)IR吸収(cm-1)
1708、1626、1381、1275、1252、1205、1022、963
(3)UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;331.0m、ε;2.63×104 (濃度7.48×10-6mol/l)
(4)分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
融点;84.3℃
質量減少開始点;138.6℃
下記の配合にて粘着剤溶液を調製し、易密着処理した188μm厚のPETフィルムに、該粘着剤溶液をバーコーター#9により塗布した後、100℃で10分間乾燥させ、PETフィルム上に厚さ約10μmの粘着剤層を有する光学フィルターを得た。この光学フィルターについて、日本分光(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−570で測定したところ、λmaxが348.5nmであった。
化合物No.2 2.0mg
アクリル系粘着剤(DB5541:ダイヤボンド社製) 20g
メチルエチルケトン 80g
下記の配合にてUVワニスを作成し、易密着処理した188μm厚のPETフィルムに、該UVワニスをバーコーター#9により塗布した後、100℃で10分間乾燥させた。その後、赤外線カットフィルムフィルター付き高圧水銀灯にて紫外線を100mJ照射し、PETフィルム上に硬化膜厚約5μmのフィルム層を有する光学フィルターを得た。この光学フィルターについて、日本分光(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−570で測定したところ、λmaxが369nmであった。
アデカオプトマーKRX−571−65 100g
(旭電化工業社製UV硬化樹脂、樹脂分80質量%)
化合物No.4 2.0mg
メチルエチルケトン 60g
上記実施例2で得た化合物No.2を、化合物No.2の濃度が1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料を得た。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記光学記録材料をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し光学記録媒体を得た。この光学記録媒体について、薄膜の吸収UVスペクトルと入射角5°の反射光のUVスペクトルを測定したところ、吸収λmaxは348.5nm、反射光λmaxは396.5nmであった。
上記実施例2で得た化合物No.2に代えて、上記実施例3で得た化合物No.4を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学記録媒体を得た。この光学記録媒体について、薄膜の吸収UVスペクトルと入射角5°の反射光のUVスペクトルを測定したところ、吸収λmaxは369nm、反射光λmaxは430nmであった。
上記実施例2で得た化合物No.2に代えて、上記実施例4で得た化合物No.20を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学記録媒体を得た。この光学記録媒体について、55000ルクスの光を100時間照射し、照射前のUV吸収スペクトルのλmaxにおける、照射前のUV吸収スペクトルのλmaxでの吸光度に対する照射後の吸光度残率を測定したところ、78%であった。
また、本発明のジオキシノン化合物を含有する本発明の光学記録材料により形成された光学記録層を有する光学記録媒体は、特定の波長(340〜430nm)に反射光の吸収極大を有している(実施例7及び8)。光ディスクに代表される光学記録媒体の再生モードでは、レーザ光を光学記録媒体に反射させた反射光について、レーザ波長の光量の差で記録の有無を検出するので、光学記録媒体は、反射光の吸収スペクトルにおいて、レーザ光の波長に近いところで大きい吸収強度を示すものほど好ましい。従って、本発明のジオキシノン化合物を含有する本発明の光学記録材料は、短波長レーザ用光ディスク等の405nmのレーザ光を用いる光学記録媒体の光学記録層の形成に用いる光学記録材料として好適である。
Claims (8)
- 下記一般式(I)で表されるジオキシノン構造を有する化合物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のジオキシノン構造を有する化合物を含有してなる光学フィルター。
- 画像表示装置用である請求項6に記載の光学フィルター。
- 基体上に光学記録層が形成された光学記録媒体における該光学記録層の形成材料として用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載のジオキシノン構造を有する化合物を含有してなる光学記録材料。
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