以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る印刷装置の開閉カバーを閉じた状態の全体の斜視図、図2はその印刷装置の開閉カバーを開いた状態の全体の斜視図、図3はその印刷装置に印刷対象物である記録媒体を装填し、かつ開閉カバーを開いた状態の斜視図である。また、図4はその印刷装置の装填部の構成を示す平面図である。
この印刷装置1は、印刷対象物であるCD−RやDVD−Rなどのデータ記録可能なディスク状の記録媒体(光ディスク)のレーベル面(印刷面)に直に印刷することができるとともに、テープ状印刷媒体(印刷用テープ)にも印刷することができるようになっている。
この印刷装置1は、幅寸法及び奥行寸法に比べて高さ寸法が小さい扁平な箱型形状の装置本体2を備えており、この装置本体2の上面にキー入力部3及び表示部4が設けられている。キー入力部3は、印刷する文字列のデータを入力する文字キー、印刷開始を指示する印刷キー、表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、及び入力された文字列の編集処理、各種設定処理、印刷処理等に必要な種々の制御キーを備えている。表示部4は液晶表示装置であり、入力されたデータや処理内容などの必要な情報を表示する。
装置本体2は、カセット及び光ディスクDを収容するための装填部6を有し、この装填部6の上面のカセットを交換するための開口部6aが開閉カバー5により開閉される。装填部6には、印刷に使用される消耗品として、図5(A)、(B)に示すテープカセット70と、図6(A)、(B)に示すリボンカセット85とが選択的に収容される。テープカセット70は、カセットケース73内に印刷用テープ71及びインクリボン72を保持し、リボンカセット85はカセットケース88内にインクリボン87を保持してなる。
印刷用テープ71に印刷を行なう場合には、図7に示すように装填部6にテープカセット70を収容し、光ディスクDのレーベル面に印刷を行なう場合には、図8に示すように装填部6にリボンカセット85と光ディスクDを収容する。テープカセット70とリボンカセット85はその外径形状がほぼ同一となっている。装填部6に光ディスクDを収容するときには、図1及び図3に示すように光ディスクDを起立させ、その起立状態で装置本体2内に挿入する。なお、図3においては、開閉カバー5が開いているが、光ディスクDを装置本体2内に挿入する際には、開閉カバー5は閉じておく。
装填部6には、図4に示すようにプラテンローラ7と印刷ヘッドとしてのサーマルヘッド8とが対向して設けられると共に、リボン巻取軸9が設けられている。プラテンローラ7は、装填部6にテープカセット70が収容されたときに、回転軸7aの軸回り方向に回転して、そのテープカセット70の印刷用テープ71及びインクリボン72を重ねてサーマルヘッド8との間に挟んで装置本体2の右側の下流側に搬送し、また装填部6にリボンカセット85及び光ディスクDが収容されたときに、インクリボン87及び光ディスクDを重ねてサーマルヘッド8との間に挟んで装置本体2の右側の下流側に搬送する搬送機構として機能する。サーマルヘッド8は、ヘッドカバー8a内に回動可能に設けられ、装填部6にテープカセット70が収容されたときに、インクリボン72を介して印刷用テープ71に印刷を行ない、また装填部6にリボンカセット85が収容されたときに、そのインクリボン87を介して光ディスクDに印刷を行なうもので、このサーマルヘッド8と前記搬送機構とで印刷機構が構成されている。
図9には装填部6の正面から見た構成を示してあり、この装填部6に設けられたサーマルヘッド8は、印刷用テープ71及びインクリボン72、87の幅方向に沿って一列に並ぶ複数個の発熱素子を有し、印刷データに基づいてその複数個の発熱素子が選択的に発熱駆動される。
リボン巻取軸9は、印刷に使用されたテープカセット70のインクリボン72及びリボンカセット85のインクリボン87をそれぞれのカセットケース73、88内に巻き取って回収する。装填部6には、テープカセット70及びリボンカセット85に係合してそれを所定位置に支持するための複数の支持台10a、10b、10cや係合部10eが設けられている。また、装填部6には、テープカセット70の収容の有無、及びその収容されたテープカセット70のテープサイズについての種別を判別するための複数のテープカセット検出スイッチ11a、11b、リボンカセット85の収容の有無を検出するためのリボンカセット検出スイッチ12、光ディスクDが装置本体2内の所定のセット位置に収容されたことを検出するディスク検出センサ13が設けられている。
装填部6の奥側端部の内底部分には、この装填部6に起立状態で収容され、プラテンローラ7とサーマルヘッド8との間に挟まれて搬送される光ディスクDを案内する搬送路15が設けられている。この搬送路15は、凹溝状をなし、装置本体2の内部から外部に通じるように装置本体2の左右方向に沿って直線状に形成されている。この搬送路15の底面はガイド面15aとなっており、プラテンローラ7とサーマルヘッド8とで挟まれて搬送される光ディスクDは、その下端部が前記ガイド面15aに当接する状態で搬送路15に沿って案内される。
搬送路15は、装置本体2の内部側が搬送の上流側で、装置本体2の外部側が下流側である。そして、この搬送路15の長さ方向の所定の位置において、搬送路15を間に挟んで互いに対向するように前記プラテンローラ7とサーマルヘッド8とが配置され、この位置が印刷位置になっている。この搬送路15の一部、すなわち光ディスクDの搬送路15の前記印刷位置の近傍からその下流側の区間は印刷用テープ71の搬送路ともなっている。
搬送路15の下流側の端部は、装置本体2の側部に形成された挿脱部16を介して外部に通じ、装置本体2の内部で印刷された印刷用テープ71や光ディスクDはこの挿脱部16に向けて搬送される。
装置本体2には、図4に示すように、挿脱部16の近傍において、印刷された印刷用テープ71の先端側の印刷済部分を切断するための切断機構17が設けられている。この切断機構17は、固定刃17aと可動刃17bを備え、これら固定刃17aと可動刃17bは印刷用テープ71の搬送路を隔てて互いに対向するように設けられている。固定刃17aは装置本体2に固定され、可動刃17bは固定刃17aに対して接離する方向に移動可能に設けられている。そして、装填部6にテープカセット70が収容され、このテープカセット70から印刷用テープ71が挿脱部16を通して外部に排出された際に、可動刃17bがカッタ用モータにより駆動されて固定刃17aに接近する方向に移動し、この移動で固定刃17aと可動刃17bとで印刷用テープ71が挟まれて切断される。切断後には可動刃17bが固定刃17aから離れる方向に移動して待機位置で停止する。
装置本体2に設けられた搬送路15の上流側端部は、挿脱部16から挿入されて装置本体2の内部に収容される光ディスクDの挿入側の外周端部を受け止めて光ディスクDを所定のセット位置に位置決する位置決め部15bとなっている。また、搬送路15の下流側端部は、挿脱部16と隣接して印刷後の光ディスクDが排出される位置である排出部15cとなっている。光ディスクDが所定のセット位置に収容されたことを検出する前記ディスク検出センサ13は、発光部と受光部とを有する透過型の光学センサであり、起立状態の光ディスクDの最下端部を搬送路15内の所定の位置で検出して光ディスクDが装填部6内の所定のセット位置にセットされたことを検出するようにしている。
装置本体2の上に設けられた前記開閉カバー5は、装置本体2の一側部に設けられたヒンジ25によって装置本体2の上面に回動自在に結合され、装置本体2の表示部4及び装填部6に対応する位置には透明な窓20、21が設けられている。また、この開閉カバー5には、光ディスクDの厚さに対応する所定の幅を有するスリット状の挿通口23が形成されている。この挿通口23は、開閉カバー5の一端部(ヒンジ結合側)寄りの位置から他端部側(解放端側)に向って直線状に延び、その他側部側の端部が開閉カバー5の端部外方に開放されている。そしてこの挿通口23は、開閉カバー5の閉合状態において、前記搬送路15の垂直方向の上方に位置してその搬送路15と対向するように配置されている。前記開閉カバー5は前記ヒンジ25の回動軸25aを中心に回動するが、その回動軸25aが前記挿通口23の長さ方向及び前記搬送路15の方向と直交する方向に向いている。
開閉カバー5の閉合状態において、前記挿脱部16から光ディスクDを起立状態で挿入したときには、その光ディスクDは前記搬送路15及び挿通口23に沿って移動して装填部6のセット位置に達する。この際、光ディスクDはそのほぼ上半部が挿通口23から装置本体2の上方に突出する。そして、印刷時には、光ディスクDは挿通口23内に挿通された状態でこの挿通口23およびそれに沿って設けられた搬送路15内を上流側から下流側に搬送され、その搬送中に光ディスクDに対して印刷が行なわれる。そして光ディスクDが搬送路15の下流側端部の排出部15cの位置まで搬送されて印刷動作が終了する。ユーザは起立状態で排出部15c上に載置されて搬送方向の下流側の一部が装置本体2の外部に突き出た状態で停止している印刷済の光ディスクDを上方に引き上げて装置本体2から取り出す。
図9(B)に符号Pで示す領域は、印刷動作によって光ディスクDの下半部に印刷される印刷領域を示している。この印刷領域Pは、幅(高さ)がWで長さがLの寸法を有し、幅Wはサーマルヘッド8の発熱素子の配列長さの寸法に対応し、長さLは印刷時のサーマルヘッド8の光ディスクDに対する相対的な移動距離に対応する。
開閉カバー5の上には、挿通口23の長さ方向に沿う細長板状の挿通口カバー24が設けられている。この挿通口カバー24は、挿通口23の長さ方向に沿うキー入力部3側の一側縁が軸22を介して開閉カバー5に上下方向に回動可能に取り付けられ、通常時には自重で倒伏して挿通口23を覆っている。
光ディスクDを挿脱部16から起立状態で搬送路15に沿うように挿入したときには、その光ディスクDの挿入側端部が挿通口カバー24の端縁に突き当り、この突き当りに応じて挿通口カバー24が光ディスクDに押されて軸22を中心に上方に回動して起立するようになっている。
挿通口カバー24は通常時には倒伏して挿通口23を覆っており、したがって装置本体2の上方から垂直方向に挿通口23を通して装置本体2内へ光ディスクDを挿入することができない状態にある。装置本体2内の装填部6にテープカセット70やリボンカセット85が収容されたときには、そのテープカセット70やリボンカセット85のインクリボン72,87はその長さ方向が水平方向を向くことになるが、光ディスクDを装置本体2の上方から挿通口23を通して装置本体2内へ挿入することになると、その挿入方向と前記インクリボン72,87の長さ方向とが直交する関係となり、この結果、光ディスクDの挿入に伴い前記インクリボン72,87が捩れたり傷付いたりする恐れが生じる。
このため本実施形態の印刷装置1においては、装置本体2内への光ディスクDの挿入を前記インクリボン72,87の長さ方向に沿う水平方向からのみ許容し、インクリボン72,87と直交する方向からの挿入を前記挿通口カバー24で阻止するようにしている。
この挿通口カバー24は透明材で形成され、光ディスクDをそのレーベル面を手前側に向けて挿脱部16から起立状態で装置本体2内に挿入したときに、挿通口カバー24を通してその光ディスクDのレーベル面を透視することができるようになっている。
そして、光ディスクDを装置本体2内に挿入して所定のセット位置にセットしたときに、その光ディスクDを回動操作し、その光ディスクDのレーベル面に予め印刷されている商品名などのプレ印刷部分が前記挿通口カバー24の水平方向に向く縁部と平行となるように調整することで、この印刷装置1により印刷しようとする文字列の方向をプレ印刷部分と平行に揃えることができるようになっている。
次に、装填部6に装填される前記テープカセット70及びリボンカセット85について図5及び図6を参照して更に説明する。テープカセット70は、図5(A)、(B)に示すようにカセットケース73を備え、このカセットケース73の内部に、印刷用テープ71を巻回したテープコア74、未使用のインクリボン72を巻回したリボン供給コア75、印刷に使用された使用済部分のインクリボン72を巻き取るリボン巻取コア76がそれぞれ収納されている。また、カセットケース73には、その外壁の一部を凹状に成形してなるサーマルヘッド8が挿入されるヘッド挿入部77が設けられ、このヘッド挿入部77内にカセットケース73の内部から印刷用テープ71及びインクリボン72が繰出され、印刷に使用されたインクリボン72が巻取コア76に巻き取られてカセットケース73内に還流するように構成されている。
カセットケース73のコーナー部分には、前記装填部6の支持台10a、10b、10cに対応する被支持部78、79、80が設けられている。被支持部78には、テープカセット検出スイッチ11a、11bに対応して、これらスイッチをオン・オフするべく、カセットの種別に応じて図5(A)に示す破線で示す切欠き81、82が設けられている。ここでは、切欠き81、82のいずれか一方が設けられるもの、全く設けられないものの3種類がある。また、被支持部80には、リボンカセット検出スイッチ12に対応して切欠き83が設けられている。
リボンカセット85は、図6(A)、(B)に示すようにカセットケース88を備え、このカセットケース88の内部に、未使用のインクリボン87を巻回したリボン供給コア90、印刷に使用された使用済部分のインクリボン87を巻き取るリボン巻取コア91がそれぞれ収納されている。また、カセットケース88には、その外壁の一部を凹状に成形してなるサーマルヘッド8が挿入されるヘッド挿入部92が設けられ、このヘッド挿入部92内にカセットケース88の内部からインクリボン87が繰出され、印刷に使用されたインクリボン87が巻取コア91に巻き取られてカセットケース88内に還流するように構成されている。
カセットケース88のコーナー部分には、前記支持台10a、10b、10cに対応する被支持部93、94、95が設けられている。被支持部93には、テープカセット検出スイッチ11a、11bに対応して、これらスイッチをオフするべく、切欠き96が設けられている。また、リボンカセット検出スイッチ12に対応する被支持部95には切欠きが設けられず、これによりスイッチオンする。
このような構成において、テープカセット70が印刷装置1の装填部6内に装填されると、サーマルヘッド8がカセットケース73のヘッド挿入部77内に配置されるとともにリボン巻取軸9がリボン巻取コア76に嵌入する。また、リボンカセット85が印刷装置1の装填部6内に装填されると、サーマルヘッド8がカセットケース88のヘッド挿入部92内に配置されるとともにリボン巻取軸9がリボン巻取コア91に嵌入する。
次に、光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときの作業手順について説明する。まず、図1の状態から開閉カバー5に手先を掛け、この開閉カバー5をヒンジ25を支点に上方に回動して開き、図2に示すように装置本体2の装填部6の開口部6aを開放する。そして、装置本体2の上面の装填部6内にリボンカセット85を装填し、この装填後に開閉カバー5を再び装置本体2の上面に閉合する。
次に、図1に鎖線で示すように、光ディスクDをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、更に搬送路15に沿って移動させて装填部6内に収容する。この際、光ディスクDは、その下端部が搬送路15内に、また上下方向の略中間部が開閉カバー5の挿通口23に挿入される状態でその搬送路15及び挿通口23にガイドされながら移動する。更に光ディスクDが挿通口23に挿入される際には、その光ディスクDに押されて挿通口カバー24が上方に回動して起立する。
光ディスクDが装填部6内に挿入されると、図9(A)に示すようにその移動先方側の側縁が搬送路15の位置決め部15bに当接し、下端部がガイド面15aに当接する所定のセット位置にセットされ、この光ディスクDがディスク検出センサ13により検出される。
光ディスクDが装填部6の所定のセット位置にセットされているときには、その光ディスクDの略上半部が開閉カバー5の上方側に突出しているから、次に光ディスクDを手先で回して、光ディスクDのレーベル面に予め印刷されているプレ印刷の並びの方向と挿通口カバー24の長さ方向とが平行に揃うように調整する。
この後、キー入力部3の所定のキーを操作して印刷情報を入力し、更に所定のキーを操作して印刷の開始を指示する。この操作に応じてサーマルヘッド8が回動し、光ディスクDがそのサーマルヘッド8とプラテンローラ7とで挟み込まれて拘束される。そしてプラテンローラ7の回転により光ディスクDが搬送路15に沿って移動するように排出部15cに向けて搬送され、この搬送の途中に光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの所定の情報がサーマルヘッド8を介して印刷される。印刷の終了時には、光ディスクDが排出部15cにまで搬送され、サーマルヘッド8が回動してサーマルヘッド8とプラテンローラ7とによる光ディスクDの挟み込みが解除され、光ディスクDの拘束が解かれる。この状態で光ディスクDを上方に引き上げて取出す。
ところで、光ディスクDを装置本体2の搬送路15および開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットして印刷を開始しようとするときに、リボンカセット85が未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセット85に交換したいような場合には、光ディスクDをセットしたまま開閉カバー5を開いてリボンカセット85の装着や交換を行ない、再度開閉カバー5を閉じることになる。
この際、開閉カバー5はヒンジ25を支点にしてその回動軸25aの軸回り方向に回動されるが、そのヒンジ25の回動軸25aが開閉カバー5の挿通口23の長さ方向と直交する方向に向いており、このため開閉カバー5が回動するときに、挿通口23の縁部が光ディスクDのレーベル面に沿って移動し、挿通口23の縁部がレーベル面に突き当るようなことがない。したがってレーベル面を傷付けるような虞がなく、光ディスクDに干渉することなくリボンカセット85を容易に交換することができる。また、開閉カバー5を装置本体2に結合するヒンジ25を搬送路15の排出部15c側に設けると装置の構造が複雑化するが、それを反対側に設けることにより装置の構造を簡単にできる。また、開閉カバー5は搬送路15の排出部15cとは反対側の上流側に回動して開くため、この開閉カバー5の開放により排出口15cに至る搬送路15を大きく開放して開閉カバー5に邪魔されずにリボンカセット85の交換作業を行うことができる。
なお、本実施形態における印刷装置1は、装填部6内に図5に示すテープカセット70を収容し、そのテープカセット70の印刷用テープ71にインクリボン72を介して所定の情報を印刷することもできる。
また、図10に変形例として示すように、開閉カバー5の内面に光ディスクDを保持するための支持部26を設けることも可能である。支持部26はコ字状をなし、開閉カバー5の内面で、かつ挿通口23の奥行側の端部の位置に設けられている。そして開閉カバー5を閉じ、光ディスクDを起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、搬送路15及び挿通口23に沿って移動させて装填部6内の所定のセット位置にセットした際に、その光ディスクDの挿入側先端部が前記支持部26内に進入するようになっている。支持部26の内面にはゴムやスポンジなどの弾性部材27が貼り付けられており、支持部26内に進入する光ディスクDの挿入側先端部がその弾性部材27により軽く挟まれるようになっている。
このような構成においては、光ディスクDを起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、搬送路15及び挿通口23に沿って移動させて装填部6内の所定のセット位置にセットした際に、その光ディスクDの挿入側先端部が前記支持部26内に進入し、弾性部材27によりその光ディスクDが支持部26に保持される。したがって、光ディスクDのセット後に、開閉カバー5を開くと、光ディスクDがその開閉カバー5と一体的に装置本体2の上方側に移動する。このため挿通口23の縁部が光ディスクDのレーベル面に突き当るようなことがなく、レーベル面を傷付けるような虞がない。また、開閉カバー5を開くと、光ディスクDがその開閉カバー5と一体的に装置本体2の上方側に移動して装填部6から光ディスクDが離脱するため、装填部6に対するリボンカセットの装着や交換の作業がし易くなる。
開閉カバー5を閉じたときには、光ディスクDが開閉カバー5と一体的に移動して装填部6に挿入され、所定のセット位置にセットされる。そして印刷の開始に応じて光ディスクDが支持部26から離脱して搬送路15に沿って移動するように排出部15cに向けて搬送される。
図11には本発明の第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、開閉カバー5と装置本体2とに形成された切欠部30,31により挿通口23が構成されている。切欠部30,31は、開閉カバー5の閉合状態のもとでその開閉カバー5と装置本体2とに跨る位置において、開閉カバー5の一側縁と、装置本体2の前記一側縁が対向する部分とに装置本体2の幅方向(左右方向)に沿って延びるように形成されている。切欠部30,31は開閉カバー5の閉合時に互いに対向し、この対向により光ディスクを挿通させる挿通口23が構成される。
開閉カバー5は、装置本体2の一側部に設けられたヒンジ25を介して装置本体2に回動可能に結合されているが、そのヒンジ25の回動軸25aが開閉カバー5に形成された前記切欠部30の長さ方向と直交する方向に向いている。
光ディスクのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときには、装置本体2の上面の装填部6内にリボンカセットを装填し、この装填後に開閉カバー5を装置本体2の上面に閉合する。次に、光ディスクをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、挿通口23及び搬送路15に沿って移動させて装填部6内に収容し、この状態で印刷を開始させ、光ディスクのレーベル面の所定の領域に所定の情報を印刷する。
一方、光ディスクを開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットした後に、装填部6に対してリボンカセットが未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセットに交換したいような場合には、光ディスクをセットしたまま開閉カバー5を開いてリボンカセットの装着や交換を行なう。
この際、開閉カバー5はヒンジ25を支点にしてその回動軸25aの軸回り方向に回動されるが、そのヒンジ25の回動軸25aが開閉カバー5に形成された挿通口構成用の切欠部30の長さ方向と直交する方向に向いており、このため開閉カバー5が回動するときに、切欠部30が光ディスクのレーベル面に沿って移動し、切欠部30がレーベル面に突き当るようなことがなく、したがってレーベル面を傷付けるような虞がない。また、光ディスクをセットした後に、開閉カバー5が不完全な閉合状態のまま印刷動作が開始されたような場合においても、開閉カバー5の回動方向が光ディスクDのレーベル面に沿う方向となるから、レーベル面を傷付けるような虞がない。
図12には本発明の第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、装置本体2に切欠部33が形成され、この切欠部33とこの切欠部33と対向する閉合状態における開閉カバー5の装置本体2との境界部分により挿通口23が構成されている。切欠部33は、開閉カバー5の閉合状態のもとでその開閉カバー5と境界となる位置において、その開閉カバー5の長さ方向に沿って延びるように形成されている。
開閉カバー5は、装置本体2の一側部に設けられたヒンジ25を介して装置本体2に回動可能に結合されているが、そのヒンジ25の回動軸25aが開閉カバー5の長さ方向と直交する方向に向いている。
光ディスクのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときには、装置本体2の上面の装填部6内にリボンカセットを装填し、この装填後に開閉カバー5を装置本体2の上面に閉合する。次に、光ディスクをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、挿通口23及び搬送路15に沿って移動させて装填部6内に収容し、この状態で印刷を開始させ、光ディスクのレーベル面の所定の領域に所定の情報を印刷する。
一方、光ディスクを開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットした後に、装填部6に対してリボンカセットが未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセットに交換したいような場合には、光ディスクをセットしたまま開閉カバー5を開いてリボンカセットの装着や交換を行なう。
この際、開閉カバー5はヒンジ25を支点にしてその回動軸25aの軸回り方向に回動されるが、そのヒンジ25の回動軸25aが開閉カバー5の長さ方向と直交する方向に向いており、このため開閉カバー5が回動するときに、開閉カバー5の縁部が光ディスクのレーベル面に沿って移動し、開閉カバー5の縁部がレーベル面に突き当るようなことがない。したがってレーベル面を傷付けるような虞がなく、光ディスクDに干渉することなくリボンカセット85を容易に交換することができる。
上記第3の実施形態では、装置本体2に切欠部33を形成し、その切欠部33とその切欠部33と対向する閉合状態における開閉カバー5の装置本体2との境界部分により挿通口23を構成するものであったが、切欠部を開閉カバー5側に設け、その開閉カバー5側に設けた切欠部と、その切欠部と開閉カバー5の閉合状態において対向する装置本体2の開閉カバー5との境界部分とによって挿通口を構成するようにしてもよい。なお、開閉カバー5に形成する切欠部は、挿脱部16からの光ディスクの挿脱が可能なように、図11に示す第2の実施形態の切欠部30と同様にして開閉カバー5の開放側端部まで形成する。このように、光ディスクを挿通するために開閉カバー5側だけに切欠部を形成した場合にも、装置本体2側だけに切欠部33を形成する上記第3の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
図13には本発明の第4の実施形態を示してあり、この実施形態においては、装置本体2の上面に開閉カバー5がスライド可能に設けられている。なお、この第4の実施形態の装置本体2の印刷機構や搬送機構などの要部の構造は図7ないし図9で説明したものと同一である。後述の第5及び第6の実施形態でも同様である。この実施形態の印刷装置では、開閉カバー5は装置本体2の左右方向に沿って装置本体2の上面と平行にスライド移動し、そのスライド動作で装置本体2の上面における装填部6の開口部6aを開閉するようになっている。そしてこの開閉カバー5にスリット状の挿通口23が開閉カバー5の移動方向に沿って延びるように形成されている。この挿通口23は、開閉カバー5の一端部寄りの位置から他端部側に向って直線状に延び、その他側部側の端部が開閉カバー5の端部外方に開放されている。
この実施形態の場合は、光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときに、開閉カバー5を図13における左方向(排出部15c及び挿脱部16とは反対側方向)にスライドして装置本体2の上面の装填部6を開き、この装填部6内にリボンカセット85を装填し、この装填後に開閉カバー5を右方向にスライドして装填部6を閉じる。次に、光ディスクDをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、挿通口23に沿って移動させて装填部6内に収容し、この状態で印刷を開始させ、光ディスクDのレーベル面の所定の領域に所定の情報を印刷する。
一方、光ディスクDを開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットした後に、装填部6に対してリボンカセット85が未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセット85に交換したいような場合には、光ディスクDをセットしたまま開閉カバー5を左方向にスライドして装填部6を開き、リボンカセット85の装着や交換を行なう。
この際、開閉カバー5に形成されている挿通口23は開閉カバー5の移動方向に沿う方向に延びており、このため開閉カバー5がスライド移動するときに、挿通口23の縁部が光ディスクDのレーベル面に沿って移動し、挿通口23の縁部がレーベル面に突き当るようなことがない。したがってレーベル面を傷付けるような虞がなく、光ディスクDに干渉することなくリボンカセット85を容易に交換することができる。そして、開閉カバー5を排出部15cとは反対側の搬送路15の上流側に移動させて開放するため、この開閉カバー5の開放により排出口15cに至る搬送路15を大きく開放して開閉カバー5に邪魔されずにリボンカセット85の交換作業を行うことができる。
図14には本発明の第5の実施形態を示してあり、装置本体2の上面に第3の実施形態の場合と同様に開閉カバー5がスライド可能に設けられている。開閉カバー5は装置本体2の左右方向に沿って装置本体2の上面と平行にスライド移動し、そのスライド動作で装置本体2の上面における装填部6の開口部6aを開閉するようになっている。そしてこの第5の実施形態においては、開閉カバー5と装置本体2とに切欠部35,36が形成され、これら切欠部35,36が互い対向することにより挿通口23が構成され構造となっている。切欠部35,36は、開閉カバー5の閉合状態のもとでその開閉カバー5と装置本体2とに跨る位置において、開閉カバー5の一側縁と、装置本体2の前記一側縁が対向する部分とに開閉カバー5の移動方向に沿うように形成されている。
光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときには、開閉カバー5を図14における左方向にスライドして装置本体2の上面の装填部6を開き、この装填部6内にリボンカセット85を装填し、この装填後に開閉カバー5を右方向にスライドして装填部6を閉じる。次に、光ディスクDをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、挿通口23に沿って移動させて装填部6内に収容し、この状態で印刷を開始させ、光ディスクDのレーベル面の所定の領域に所定の情報を印刷する。
一方、光ディスクDを開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットした後に、装填部6に対してリボンカセット85が未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセット85に交換したいような場合には、光ディスクDをセットしたまま開閉カバー5を左方向(排出部15c及び挿脱部16とは反対側方向)にスライドして装填部6を開き、リボンカセット85の装着や交換を行なう。
この際、開閉カバー5に形成されている挿通口構成用の切欠部35は開閉カバー5の移動方向に沿う方向に延びており、このため開閉カバー5がスライド移動するときに、切欠部35の縁部が光ディスクDのレーベル面に沿って移動し、切欠部35の縁部がレーベル面に突き当るようなことがない。したがってレーベル面を傷付けるような虞がなく、光ディスクDに干渉することなくリボンカセット85を容易に交換することができる。
図15には本発明の第6の実施形態を示してあり、装置本体2の上面に第4の実施形態の場合と同様に開閉カバー5がスライド可能に設けられている。開閉カバー5は装置本体2の左右方向に沿って装置本体2の上面と平行にスライド移動し、そのスライド動作で装置本体2の上面における装填部6の開口部6aを開閉するようになっている。そしてこの第6の実施形態においては、装置本体2に切欠部38が形成され、この切欠部38とこの切欠部38と対向する閉合状態における開閉カバー5の装置本体2との境界部分により挿通口23が構成されている。切欠部38は、開閉カバー5の閉合状態のもとでその開閉カバー5と装置本体2との境界の位置において、その開閉カバー5の移動方向に沿って延びるように形成されている。
光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときには、開閉カバー5を図15における左方向にスライドして装置本体2の上面の装填部6を開き、この装填部6内にリボンカセット85を装填し、この装填後に開閉カバー5を右方向にスライドして装填部6を閉じる。次に、光ディスクDをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、挿通口23に沿って移動させて装填部6内に収容し、この状態で印刷を開始させ、光ディスクDのレーベル面の所定の領域に所定の情報を印刷する。
一方、光ディスクDを開閉カバー5の挿通口23に挿入して所定のセット位置にセットした後に、装填部6に対してリボンカセット85が未装着であったり、あるいは色違いのインクリボンのリボンカセット85に交換したいような場合には、光ディスクDをセットしたまま開閉カバー5を左方向(排出部15c及び挿脱部16とは反対側方向)にスライドして装填部6を開き、リボンカセット85の装着や交換を行なう。
この際、挿通口23が開閉カバー5の移動方向に沿う方向に延びており、このため開閉カバー5がスライド移動するときに、挿通口23の縁部が光ディスクDのレーベル面に沿って移動し、挿通口23の縁部がレーベル面に突き当るようなことがない。したがってレーベル面を傷付けるような虞がなく、光ディスクDに干渉することなくリボンカセット85を容易に交換することができる。
上記第6の実施形態では、装置本体2に切欠部38を形成し、その切欠部38とその切欠部38と対向する閉合状態における開閉カバー5の装置本体2との境界部分により挿通口23を構成するものであったが、切欠部を開閉カバー5側に設け、その開閉カバー5側に設けた切欠部と、その切欠部と開閉カバー5の閉合状態において対向する装置本体2の開閉カバー5との境界部分とによって挿通口を構成するようにしてもよい。なお、開閉カバー5に形成する切欠部は、挿脱部16からの光ディスクの挿脱が可能なように、図14に示す第5の実施形態の切欠部35と同様にして開閉カバー5の挿脱部16側の端部まで形成する。このように、光ディスクを挿通するために開閉カバー5側だけに切欠部を形成した場合にも、装置本体2側だけに切欠部33を形成する上記第6の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
ところで、上述の各実施形態における挿通口23の内縁部には、光ディスクDより硬度に小さい例えばゴムやスポンジのような部材を設けることが可能である。このような構成の場合には、挿通口23に挿通される光ディスクDに傷が付く虞をなくすことができる。
また、上述の各実施形態ではテープ状印刷媒体にも印刷可能な印刷装置を例に説明したが、そのような印刷装置に限定されるものではなく、光ディスクDなどの記録媒体だけの印刷機能を有する印刷装置であっても本発明を採用することができる。さらに、熱転写方式の印刷機構を有する印刷装置について説明したが、インクジェット方式の印刷機構を備えた印刷装置にも採用することができる。