JP2007090172A - シフト触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貴金属である白金を含むシフト触媒において、その触媒活性をより一層向上させうる手段を提供する。
【解決手段】白金を含む触媒成分が無機担体に担持されてなるシフト触媒において、前記白金の少なくとも一部を、他の金属との複合酸化物の形態で触媒成分に含ませる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シフト触媒に関する。詳細には、本発明は、シフト触媒の触媒活性をより一層向上させるための改良に関する。
近年、種々の水素−酸素燃料電池が開発されており、中でも、低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、自動車用低公害動力源としての実用化が検討されている。
固体高分子型燃料電池は、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギ効率の観点からは好ましいが、安全性やインフラの普及等を考慮すると、アルコール、ガソリン、軽油等の液体を燃料源として用い、これらを改質装置において水素リッチな改質ガスに転換する方法も有望な候補である。
炭化水素系液体燃料を燃料源として用いた場合、改質ガス中にはある程度の量のCOが残存しうる。ところが、このCOは、燃料電池の電極に用いられている白金系触媒に対し、触媒毒として作用する。このため、このCOを例えばCOに転化するなどして除去し、白金系電極触媒に対する被毒を防止する必要がある。具体的には、まずシフト反応(CO+HO→CO+H)を利用し、改質ガス中に含まれるCO濃度を1体積%程度にまで低減する。そして、貴金属が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒を用い、COを酸化除去(COに転化)する方法が提案されている。
前記シフト反応を促進するシフト触媒としては、従来、Cu/Zn系触媒、Cu/Zn/Al系触媒、Cu/Cr系触媒等のCu系触媒が知られていた。しかしながら、これらのCu系触媒は、高空間速度条件下における触媒活性が充分ではない。このため、高空間速度条件下における触媒活性を向上させるには、触媒体積を増加させる必要があった。その結果、シフト反応器が大型化してしまい、特に車載時に要求される省スペース化が困難であるという問題があった。
また、Cu系触媒では、触媒作動時にはCuが還元状態に維持されるものの、燃料電池システムの運転停止時には空気との接触により一部が酸化されて酸化銅が生じてしまい、再起動時の再還元に伴う発熱により触媒が熱劣化するという問題もあった。
Cu系触媒の有する上記のような問題を解決する目的で、近年、Pt/アルミナ等の貴金属系触媒が提案されている。この貴金属系触媒は、高空間速度条件下における触媒活性の低下が比較的少なく、耐熱性にも優れることから、新たなシフト触媒の候補として注目を集めている。
かような貴金属触媒の製造方法として、白金および白金族金属を含むコロイド溶液を用いる手法が開示されている(特許文献1を参照)。具体的には、前記コロイド溶液を用いて担体である酸化物多孔体に白金および白金族金属を担持させ、乾燥および焼成する手法である。また、その後に必要に応じて添加金属を担持させ、乾燥および焼成してもよい旨が開示されている。
特開2004−97946号公報
前記文献1には、同文献に記載の方法により製造されたシフト触媒において、白金および白金族金属は、コロイド粒子を用いた担持によって、両者が混在する金属触媒粒子(すなわち、貴金属合金粒子)を形成することが記載されている。そしてかようなシフト触媒は、広い温度範囲で高い触媒活性を示すことも記載されている。
しかしながら、前記文献1に記載のシフト触媒の活性は未だ充分なものとはいえず、さらなる高活性を発揮しうるシフト触媒の開発が望まれているのが現状である。
そこで本発明は、貴金属である白金を含むシフト触媒において、その触媒活性をより一層向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行い、シフト触媒の活性を向上させうる構成を探索した。その結果、白金が複合酸化物の形態で無機担体に担持されてなる構成とすることで、上記の課題が解決されうることを見出した。また、白金を複合酸化物の形態で無機担体に担持させるには、シフト触媒の製造時に、白金以外の金属を水和物または酸化物ゾルの形態で用いて無機単体に担持させることが有効であることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1は、白金を含む触媒成分が無機担体に担持されてなるシフト触媒であって、前記白金の少なくとも一部が、複合酸化物の形態で前記触媒成分に含まれることを特徴とする、シフト触媒である。
また、本発明の第2は、無機担体を準備する工程と、白金を含む白金溶液を前記無機担体に含浸させることにより、白金を前記無機担体に担持させる白金担持工程と、他の金属を含有する水和物を含む溶液、または前記金属を含有する酸化物ゾルからなる助触媒溶液を前記無機担体に含浸させることにより、前記他の金属を前記無機担体に担持させる助触媒金属担持工程と、前記白金および前記他の金属が担持された前記無機担体を焼成する工程と、を有する、シフト触媒の製造方法である。
本発明によれば、白金を含むシフト触媒において、触媒活性のより一層の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1は、白金を含む触媒成分が無機担体に担持されてなるシフト触媒であって、前記白金の少なくとも一部が、他の金属との複合酸化物の形態で前記触媒成分に含まれることを特徴とする、シフト触媒である。なお、本願において「シフト触媒」とは、少なくともCOおよびHOを含有するガスに接触して、前記ガス中のCOがCOへと転化されるシフト反応を選択的に促進させる触媒をいう。
[構成]
以下、本発明のシフト触媒の好ましい構成について、無機担体、触媒成分の順に、詳細に説明する。
[無機担体]
触媒成分が担持される無機担体の種類は、特に制限されず、触媒用の無機担体として従来公知の化合物が用いられうる。例えば、セリア、アルミナ(αアルミナ、θアルミナ、γアルミナ、δアルミナ、βアルミナなど)、チタニア、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、およびゼオライト、並びにこれらの複合酸化物などが例示される。なかでも、触媒活性に優れるという観点から、無機担体はセリウムを含むことが好ましい。この際、セリアが単独で無機担体として用いられてもよいが、より好ましくは、他の金属原子をも含む。かような形態においてセリウムに加えて含まれうる他の金属としては、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどが例示される。これらの原子は1種または2種以上が用いられうる。
無機担体の比表面積は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは60m/g以上、さらに好ましくは80m/g以上である。無機担体の比表面積がかような範囲内の値であると、無機担体の表面に触媒成分が高分散に担持され、触媒活性に優れる。かような観点からも、セリアは無機担体として有用である。なお、本明細書に記載の「比表面積」は、例えば、窒素吸着によるBET比表面積を測定することにより算出されうる。
無機担体の平均粒子径についても、特に制限はない。
[触媒成分]
上述したように、本発明のシフト触媒は、白金を含む触媒成分が無機担体に担持されてなる構成を有する。そして本発明のシフト触媒は、触媒成分中の白金の少なくとも一部が、他の金属との複合酸化物の形態で触媒成分に含まれる点に特徴を有する。
「複合酸化物」とは、2種以上の金属酸化物が化合物をつくった形態の酸化物をいう。本発明のシフト触媒において、触媒成分である白金が複合酸化物の形態で含まれる形態としては、例えば、金属酸化物である無機担体に含まれる他の金属との間で複合酸化物を形成する形態が例示される。また、触媒成分として他の金属が含まれる場合には、触媒成分としての他の金属との間で複合酸化物を形成してもよい。ここで、「白金が複合酸化物の形態で触媒成分に含まれているか否か」については、蛍光X線分光法により白金に由来するピークのシフトが存在するか否かを確認するという手法により判断するものとする。
なお、白金を複合酸化物の形態で触媒成分に含ませることによりシフト触媒活性が向上するメカニズムは未だ完全には明らかとはなっていない。ただし、以下のメカニズムが推定されている。すなわち、白金が複合酸化物を形成することによって、白金原子の結合エネルギは酸化物側にシフトする。この酸化物側の結合エネルギは原子単独状態の結合エネルギよりも高エネルギ側に位置するため、シフト触媒活性が向上するものと推測される。なお、これはあくまでも推測であり、前記のメカニズム以外のメカニズムにより触媒活性が向上していたとしても、そのことにより本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
触媒成分中の白金は、その全てが複合酸化物の形態で含まれている必要はなく、少なくとも一部が複合酸化物の形態で含まれていればよい。具体的には、本発明の作用効果を充分に得るという観点から、複合酸化物の形態で触媒成分に含まれる白金の割合は、触媒成分に含まれる白金の全量に対して、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20%モル以上、さらに好ましくは50モル%以上である。この際、複合酸化物の形態で含まれない白金の形態は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、白金単独の結晶や白金酸化物の形態でとして無機担体に担持されていてもよい。また、後述するように他の金属が触媒成分に含まれる場合には、当該金属との合金の形態で無機担体に担持されていてもよい。
触媒成分としての白金の含有量の絶対値は特に制限されず、所望の触媒性能や製造コストなどを考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げると、白金の含有量は、シフト触媒の全量に対して、好ましくは0.01〜20.0質量%であり、より好ましくは1.0〜20.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%である。白金の含有量が0.01質量%以上であると、触媒活性に優れる。一方、白金の含有量が20.0質量%以下であれば、比較的低コストで触媒の製造が可能である。
触媒成分は、白金以外の他の金属をも含みうる。当該他の金属としては、例えば、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、バナジウム、モリブデン、タングステン、タンタル、クロム、マンガン、レニウム、鉄、およびコバルトからなる群から選択される1種または2種以上の金属が挙げられ、触媒活性向上の観点からは、セリウム、チタン、ジルコニウム、およびニオブからなる群から選択される1種または2種以上の金属が好ましく用いられうる。
上述したような他の金属が白金に加えて触媒成分に含まれる場合のより好ましい形態においては、下記数式1で定義される助触媒濃度指数I:
Figure 2007090172
式中、M(xは前記他の金属)は、触媒成分中の白金の担持モル量に対するx金属の担持モル量の比の値を表し、E(xは前記他の金属)は、x金属の有する電気陰性度の値を表す、
が、0.1≦I≦50を満足する。前記助触媒濃度指数Iは、より好ましくは2≦I≦15を満足し、さらに好ましくは5≦I≦10を満足する。前記助触媒濃度指数が上記の関係を満足する形態のみに本発明の技術的範囲が制限されるわけではないが、かような関係を満足することにより、得られるシフト触媒の触媒活性が向上しうる。そのメカニズムは明らかではないが、かような関係を満足することにより、シフト触媒表面における、反応物質であるCOおよびHOの吸着や、生成物質であるCOおよびHの脱離が、より適切な状態に制御されることによるものと推測される。
上記の数式1で表される助触媒濃度指数の算出に用いられる、触媒成分中の白金の担持モル量に対する他の金属の担持モル量の比の値は、シフト触媒を製造する際の各金属の供給源となる原料化合物の添加量を調節することにより、制御されうる。また、この比の値を算出するには、無機担体に担持された触媒成分である白金および他の金属担持モル量を測定すればよい。
なお、本発明のシフト触媒において、触媒成分としての他の金属(例えば、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブなど)が無機担体中に含まれる場合があるが、かような場合、助触媒濃度指数の算出にあたっては、無機担体中に含まれる金属は考慮されず、無機担体に担持された触媒成分としての金属のみが考慮される。
本発明において、助触媒濃度指数Iの算出に用いられる「電気陰性度」とは、原子が電子を引きつける能力を数値で表したものであり、電気陰性度の値が大きいほど、原子が電子を引きつける能力は大きい。本発明において、助触媒濃度指数Iを算出するにあたっては、「電気陰性度」としてポーリング(Pauling)の電気陰性度の値を採用する。このポーリングの電気陰性度の値は、例えば、化学便覧改訂3版、基礎編(日本化学会編、丸善株式会社出版)などに記載されている。この文献によれば、例えばセリウムの電気陰性度は、1.1であり、ジルコニウムの電気陰性度は、1.4であり、チタンの電気陰性度は1.5である。
[製造方法]
本発明の第2は、シフト触媒の製造方法に関する。具体的には、本発明の第2は、無機担体を準備する工程(無機担体準備工程)と、白金を含む白金溶液を前記無機担体に含浸させることにより、白金を前記無機担体に担持させる白金担持工程と、他の金属を含有する水和物を含む溶液、または前記金属を含有する酸化物ゾルからなる助触媒溶液を前記無機担体に含浸させることにより、前記他の金属を前記無機担体に担持させる助触媒金属担持工程と、前記白金および前記他の金属が担持された前記無機担体を焼成する工程(焼成工程)と、を有する、シフト触媒の製造方法である。本発明の第1のシフト触媒は、この製造方法によって製造可能である。ただし、本発明の第1のシフト触媒の技術的範囲は本発明の第2の製造方法によって製造された形態のみに制限されず、その他の製法により得られた形態もまた、包含しうる。
以下、本発明の第2の製造方法を工程順に説明する。
[無機担体準備工程]
本工程においては、触媒成分を担持するための無機担体を準備する。本工程において準備される無機担体の好ましい形態については、既に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。無機担体を準備する際には、市販の無機担体を購入してもよく、市販の原料を購入して自ら合成してもよい。
無機担体を市販の原料から自ら合成する場合には、所望の金属の水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、無機酸化物ゾル、有機金属塩などを原料として用い、これらの原料を焼成して、必要に応じて粉砕および分級すればよい。焼成時の具体的な手法や焼成条件は特に制限されず、所望の粒子径や比表面積を考慮した上で、触媒調製分野において従来公知の知見を適宜参照することにより、調節されうる。無機担体の比表面積について一例を挙げると、一般的に、焼成温度を低く設定して焼成することにより、比較的大きい比表面積を有する無機担体が得られ、焼成温度を高く設定して焼成することにより、比較的小さい比表面積を有する無機担体が得られる。一般的な焼成条件としては、焼成温度は300〜600℃程度であり、焼成時間は0.5〜8時間程度である。
本発明の第1において説明したように、無機担体中にセリウムや他の金属を含有させることにより、得られるシフト触媒の触媒活性を向上させうる。すなわち、本工程において準備される無機担体は、好ましくはセリウムを含有し、より好ましくはチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの金属をさらに含有する。かような形態の無機担体を得るには、そのものが市販されている場合にはその無機担体を購入すればよいが、自ら合成することにより得てもよい。所望の金属を含有する無機担体を自ら合成する場合には、上記で説明したような手法により無機担体を調製する際に、無機担体中に含有させたい金属の供給源となる化合物を、上述した無機担体の原料化合物と混合させ、その後に焼成すればよい。なお、無機担体中に含有させたい金属の供給源となる化合物としては、上述した無機担体の原料化合物と同様に、前記金属の水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、無機酸化物ゾル、有機金属塩等が例示される。
[白金担持工程]
本工程においては、上記で準備した無機担体に、必須の触媒成分である白金を担持させる。
具体的には、まず、白金イオンが溶解した溶液(以下、単に「白金溶液」とも称する)を調製する。この白金溶液は、白金を無機担体に担持させる目的で用いられる。
白金溶液を調製する際には、まず、白金の供給源である白金化合物を準備する。さらに、この白金化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に白金原料である白金化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、白金溶液を調製する。
白金の供給源である白金化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、ジニトロジアンミン白金、塩化白金酸などが挙げられる。これらの化合物は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、無機担体へ担持する際の取扱いも簡便である。
白金溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
白金溶液中の白金濃度は特に制限されず、上記で準備した無機担体の量や得られる触媒粉末における所望の白金含有量、担持方法などを考慮して、適宜調節されうる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば、含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法が採用されうる。処理条件は、採用される手法に応じて適宜選択されうるが、通常は、20〜50℃にて0.5〜8時間程度、無機担体と白金溶液とを接触させればよい。
[助触媒金属担持工程]
本工程においては、上記で準備した無機担体に、白金以外の触媒成分である他の金属(以下、「助触媒金属」とも称する)を担持させる。
具体的には、まず、助触媒金属を含む溶液(本明細書中、「助触媒溶液」とも称する)を調製する。この助触媒溶液は、助触媒金属を無機担体に担持させる目的で用いられる。そして本発明の製造方法は、この助触媒溶液が、助触媒金属を含有する水和物を含む溶液、または助触媒金属を含有する酸化物ゾルからなる点に特徴を有する。なお、助触媒溶液についても、商品が市販されている場合には当該商品を購入して用いてもよいし、自ら調製したものを用いてもよい。
かような形態の助触媒溶液を用いて助触媒金属を無機担体に担持させることにより、上述の白金担持工程において担持された白金の少なくとも一部が、後述する焼成工程において助触媒金属と複合酸化物を形成する。上述したような特徴的な助触媒溶液を用いることにより白金との複合酸化物が形成されるメカニズムは未だ明らかとはなっていないが、以下のメカニズムが推定されている。すなわち、白金と助触媒金属とが含浸される工程において、白金―助触媒金属複合錯体が形成され、当該錯体が乾燥焼成工程において複合酸化物となるというメカニズムにより、白金と助触媒金属との複合酸化物が形成されるものと推定される。なお、これはあくまでも推測であり、前記のメカニズム以外のメカニズムにより複合酸化物が形成されていたとしても、そのことにより本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
以下、助触媒溶液の具体的な形態について詳細に説明する。
まず、助触媒溶液が「助触媒金属を含有する水和物を含む溶液」からなる形態について説明する。「助触媒金属を含有する水和物」とは、助触媒金属を含有する化合物が水分子と一緒になって形成する別種の固体分子化合物を意味する。また、かような形態において助触媒溶液を構成する溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
上述した形態において、助触媒溶液中の助触媒金属濃度は特に制限されず、上記で準備した無機担体の量や得られる触媒粉末における所望の助触媒金属含有量、担持方法などを考慮して、適宜調節されうる。
一方、助触媒溶液が「助触媒金属を含有する酸化物ゾル」からなる形態について説明する。「助触媒金属を含有する酸化物ゾル」とは、助触媒金属を含有する酸化物の粒子が溶媒中にコロイド状に分散している液体を意味する。かような酸化物ゾルの例としては、例えば、酸化セリウムゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタンゾル、酸化ニオブゾルなどが挙げられる。これらは1種のみが単独で用いられてもよいが、2種以上が併用されてもよい。
上述した形態において、酸化物ゾル中の酸化物粒子の平均粒子径は特に制限されないが、白金と助触媒金属との複合酸化物を効率的に形成させるという観点から、酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは2〜20nmであり、より好ましくは5〜15nmである。ただし、酸化物粒子の平均粒子径がこれらの範囲を外れる酸化物ゾルが用いられても、勿論よい。なお、本明細書に記載の「平均粒子径」は、例えば、レーザー回折法といった手法により測定されうる。
本工程は、上述した白金担持工程とは別々に(すなわち、いずれかが先に、他方がその後に)行われてもよいし、上述した白金担持工程と同時に行われてもよい。ただし、白金と助触媒金属との複合酸化物を効率的に形成させるという観点から、本工程は上述した白金担持工程と同時に行われることが好ましい。より好ましい形態としては、白金担持工程と助触媒金属担持工程とを同時含浸法により行う形態が例示される。また、助触媒溶液が酸化物ゾルである場合、同時含浸法を実施する際の白金溶液と酸化物ゾルとの混合性を考慮すると、酸化物ゾルは水溶性酸化物ゾルであることが好ましい。
また、上述した助触媒金属担持工程に加えて、助触媒金属を無機担体に担持させるために用いられていた手法によりさらに助触媒金属を担持させる工程を行ってもよい。具体的な形態について特に制限はなく、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうるが、助触媒金属を含有する水和物や助触媒金属を含有する酸化物ゾルに代えて、従来用いられている金属塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩、塩化物など)を水などの溶媒に溶解させた溶液を用いて、含浸法その他の従来公知の手法により、本発明の助触媒金属担持工程とは別に助触媒金属をさらに担持させることが可能である。
なお、上述した白金担持工程および助触媒金属担持工程の後に、必要に応じて金属が担持されてなる無機担体を乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固のほか、ロータリーエバポレータや送風乾燥機等を用いた乾燥などが採用されうる。
乾燥条件は特に制限されず、採用される手法に応じて適宜設定されうるが、一例を挙げると、50〜200℃にて1〜24時間程度、乾燥させればよい。
場合によっては、この乾燥工程を省略し、後述する焼成工程において乾燥させることとしてもよい。また、白金担持工程と助触媒金属担持工程とを別々に行う場合には、各担持工程後にそれぞれ乾燥工程を行ってもよい。
[焼成工程]
本工程においては、白金および助触媒金属が担持された無機担体を焼成する。これにより、白金の少なくとも一部と助触媒金属との間で複合酸化物が形成され、シフト触媒粉末が得られる。
焼成の具体的な手法や焼成条件については特に制限はなく、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件について一例を挙げると、焼成温度は、好ましくは300〜800℃、より好ましくは300〜500℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは0.5〜24時間である。場合によっては、異なる温度で2回以上焼成を行ってもよい。焼成雰囲気についても特に制限はなく、例えば、空気雰囲気や窒素雰囲気の下で焼成が行われうる。
必要であれば、焼成後に、得られた触媒粉末を粉砕し、篩分けすることで、所望の粒子径を有する粉末のみを選別してもよい。
[シフト反応装置]
本発明のシフト触媒は、例えば、シフト反応装置に配置される。本発明のシフト触媒が配置されたシフト反応装置は、例えば、固体高分子型燃料電池に供給される水素リッチガス中のCOを選択的に酸化除去するために用いられうる。よって、本願では、上記で説明した本発明のシフト触媒が配置されてなる、固体高分子型燃料電池用シフト反応装置が提供される。なお、本発明のシフト触媒がシフト反応装置に配置される際の形態は特に制限されず、従来公知の技術やその改良技術が適宜採用されうる。例えば、本発明のシフト触媒を含むスラリーを調製し、このスラリーを例えばハニカム担体に塗布して得られる形態が例示される。ハニカム担体の具体的な形態は特に制限されず、従来公知の形態が採用されうる。一例を挙げると、セラミックハニカム、メタルハニカム、セラミックフォーム、メタルフォームなどが採用されうる。また、例えばシフト反応装置が熱交換器と一体化しているような場合には、当該熱交換器のフィンに本発明のシフト触媒を塗布してもよい。
以下、本発明のシフト反応装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のシフト触媒が配置されたシフト反応装置が用いられている燃料電池システム100の概略図である。
まず、燃料改質触媒が配置された燃料改質装置110に炭化水素などの燃料を供給する。燃料改質装置110においては、通常は水蒸気を用いた水蒸気改質によって、燃料は水素リッチな改質ガスへと改質される。また、水蒸気に加えて、酸素を含むガスを同時に供給し、部分酸化反応を併発させたオートサーマル改質によっても、水素リッチな改質ガスが得られる。
次いで、燃料改質装置110において得られた改質ガスを、本発明のシフト触媒10が配置されたシフト反応装置120に送り、改質ガス中のCO濃度を1体積%程度にまで低減させる。CO濃度が1体積%程度にまで低減された改質ガスは、CO選択酸化触媒が配置されたCO選択酸化反応装置130に送られ、CO濃度がppmオーダーにまで低減される。
CO選択酸化反応装置130においてCO濃度がppmオーダーにまで低減された改質ガスと、酸化剤(通常は空気)とを用いて、固体高分子型燃料電池140において発電反応が進行する。固体高分子型燃料電池140からは使用済み燃料および酸化剤が排出される。燃焼装置150を設けてこの使用済み燃料および酸化剤を燃焼させ、蒸発装置160においてその燃焼熱を利用して水を蒸発させ、燃料改質装置110において用いられる水蒸気を発生させることによって、系全体のエネルギ効率を向上させうる。燃焼装置150および蒸発装置160には、必要に応じて炭化水素などを供給してもよい。
上述したように、本発明のシフト触媒は、低温領域においても優れたCO除去性能を示し、さらに耐久性にも優れる。このような触媒を用いて改質ガス中の微量のCOを酸化除去することによって、燃料電池に供給される燃料ガス中のCO濃度が効率的に低減されうる。その結果、燃料電池に用いられる白金電極の寿命を延ばすことが可能となり、燃料電池自動車の実用化に大きく寄与しうる。
以上、本発明のシフト触媒の好ましい用途として、固体高分子型燃料電池用シフト反応装置に配置されて燃料電池システムに用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明のシフト触媒の用途はこれに制限されず、シフト反応を促進することにより微量のCOを酸化除去するためのあらゆる用途に適用されうる。
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例のみには制限されない。
<実施例1−1>
白金の供給源として、8.451質量%の白金を含有するジニトロジアミン白金錯塩を準備した。これを溶媒である水に所定量添加し、白金溶液を調製した。また、セリウムの供給源として、酸化物ゾルである酸化セリウムゾルを準備した。
一方、無機担体として、セリウムジルコニウム複合酸化物(Ce:Zr=68:32(モル比)、BET比表面積:70m/g)を準備した。
上記で調製した白金溶液および上記で準備した酸化セリウムゾルを、同じく上記で準備したセリウムジルコニウム複合酸化物に同時に含浸させて、前記無機担体に白金および酸化セリウムを担持させた。この際、白金、および酸化セリウムの担持量は、得られるシフト触媒粉末の全量に対して、白金が0.5質量%、酸化セリウムがセリウム原子換算で2.0質量%となるように調節した。触媒成分が担持された無機担体を、150℃にて一昼夜乾燥後、電気炉中で400℃にて1時間焼成し、シフト触媒粉末を得た。なお、得られたシフト触媒粉末について、蛍光X線分光法における白金の結合エネルギが酸化物側(すなわち、高エネルギー側)に安定的にシフトしていることから、当該触媒粉末において白金原子が複合酸化物の形態で存在していることを確認した。
得られた触媒粉末(200g)に、塗布助剤であるアルミナゾル(アルミナ換算で4g)、および水(200mL)を添加し、ボールミル中で1時間分散させて、触媒粉末スラリーを調製した。
120mLのコージェライト製ハニカムモノリス担体(400セル/インチ)に、上記で調製した触媒粉末スラリーをコーティングし、150℃にて2時間乾燥後、空気中で400℃にて1時間焼成することにより、モノリス担持シフト触媒を完成させた。なお、前記モノリス担体への触媒粉末スラリーのコーティング量は、触媒粉末換算で24g(200g/L)であった。
<実施例1−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例1−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例1−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例2−1>
酸化セリウムゾルに代えて同じく酸化物ゾルである酸化ジルコニウムゾルを用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例2−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例2−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例2−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例2−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例2−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例2−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例3−1>
酸化セリウムゾルに代えて同じく酸化物ゾルである酸化チタンゾルを用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例3−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例3−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例3−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例4−1>
酸化セリウムゾルに代えて同じく酸化物ゾルである酸化ニオブゾルを用いたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例4−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例4−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例4−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例5−1>
酸化セリウムゾルに代えて、同じく酸化物ゾルである酸化チタンゾルおよび酸化ニオブゾルを用い、この際、酸化チタンおよび酸化ニオブの担持量は、得られるシフト触媒粉末の全量に対して、酸化チタンがチタン原子換算で1.0質量%、酸化ニオブがニオブ原子換算で1.0質量%となるように調節したこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例5−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例5−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<実施例5−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の実施例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例1−1>
酸化セリウムを担持させず、白金のみを無機担体に担持させたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例1−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例1−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例1−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例2−1>
酸化セリウムゾルに代えて硝酸セリウム水溶液を用いて、セリウムを無機担体に担持させたこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例2−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例2−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例2−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例2−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例3−1>
酸化ジルコニウムゾルに代えて硝酸ジルコニウム水溶液を用いて、ジルコニウムを無機担体に担持させたこと以外は、上記の実施例2−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例3−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例3−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例3−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例4−1>
酸化チタンゾルに代えてシュウ酸チタニルアンモニウム水溶液を用いて、チタンを無機担体に担持させたこと以外は、上記の実施例3−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例4−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例4−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例4−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例5−1>
酸化ニオブゾルに代えてシュウ酸水素ニオブ水溶液を用いて、ニオブを無機担体に担持させたこと以外は、上記の実施例4−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例5−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例5−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例5−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例5−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例6−1>
酸化チタンゾルおよび酸化ニオブゾルに代えて、それぞれシュウ酸チタニルアンモニウムおよびシュウ酸水素ニオブを用い、この際、チタンおよびニオブの担持量を、得られるシフト触媒粉末の全量に対して、チタンおよびニオブともに1.0質量%となるように調節したこと以外は、上記の実施例1−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例6−2>
無機担体として、酸化セリウム(BET比表面積:130m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例6−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例6−3>
無機担体として、酸化アルミニウム(BET比表面積:180m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例6−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<比較例6−4>
無機担体として、セリウムニオブ複合酸化物(Ce:Nb=80:20(モル比)、BET比表面積:100m/g)を用いたこと以外は、上記の比較例6−1と同様の手法により、シフト触媒粉末を得て、モノリス担持シフト触媒を完成させた。
<触媒性能評価試験>
上記の各実施例および各比較例で得られたモノリス担持シフト触媒を用いて、以下の手法により、シフト反応に対する触媒性能を評価した。
反応前処理として、各シフト触媒(36mL)に対し、50000h−1のガス空間速度(GHSV)で2%水素含有窒素雰囲気を流通させ、400℃にて1時間活性化処理を施した。
次いで、各シフト触媒を窒素雰囲気下で200℃まで冷却し、昇温しながらガスクロマトグラフィにより出口ガスを分析した。なお、全ての評価試験において、投入ガス組成は、CO/HO/H/CO/N=2.5/24/35/15/23.5体積%であり、反応ガスの流速は30L/minであった。よって、本試験における触媒サンプルに対するガス空間速度(GHSV)は、50000h−1であった。
試験中には、出口ガスを分析することにより、下記数式1によりCO転化率を算出した。すなわち、CO転化率が高いほど、触媒活性に優れるシフト触媒であるといえる。
Figure 2007090172
本試験においては、各シフト触媒が示す最大のCO転化率を測定した。得られた結果を下記の表1に示す。
Figure 2007090172
表1に示す結果から、本発明によれば、白金原子を無機担体に担持させる際に、助触媒原子を酸化物ゾルの形態で同時に含浸させることにより、触媒活性(CO転化率)を向上させうることが示される。これは、かような製造方法によれば、白金原子が複合酸化物の形態で無機担体に担持されることによるものと考えられる。
よって本発明のシフト触媒は、自動車などに搭載される燃料電池システムなどにおけるCOシフト反応装置として好ましく用いられうる。その結果、本発明は最終的には、燃料電池システムの実用化に大きく貢献しうることが期待される。
本発明のシフト触媒が配置されたシフト反応装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。
符号の説明
10 シフト触媒、
100 燃料電池システム、
110 燃料改質装置、
120 シフト反応装置、
130 CO選択酸化反応装置、
140 固体高分子型燃料電池、
150 燃焼装置、
160 蒸発装置。

Claims (11)

  1. 白金を含む触媒成分が無機担体に担持されてなるシフト触媒であって、
    前記白金の少なくとも一部が、他の金属との複合酸化物の形態で前記触媒成分に含まれることを特徴とする、シフト触媒。
  2. 複合酸化物の形態で触媒成分に含まれる白金の割合が、触媒成分に含まれる白金の全量に対して10モル%以上である、請求項1に記載のシフト触媒。
  3. 前記他の金属が、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、バナジウム、モリブデン、タングステン、タンタル、クロム、マンガン、レニウム、鉄、およびコバルトからなる群から選択される1種または2種以上の金属である、請求項1または2に記載のシフト触媒。
  4. 前記他の金属が、セリウム、チタン、ジルコニウム、およびニオブからなる群から選択される1種または2種以上の金属である、請求項3に記載のシフト触媒。
  5. 下記数式1で定義される助触媒濃度指数I:
    Figure 2007090172
    式中、M(xは前記他の金属)は、触媒成分中の白金の担持モル量に対するx金属の担持モル量の比の値を表し、E(xは前記他の金属)は、x金属の有する電気陰性度の値を表す、
    が、0.1≦I≦50を満足する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシフト触媒。
  6. 前記無機担体がセリウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシフト触媒。
  7. 前記無機担体が、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、およびタンタルからなる群から選択される1種または2種以上の金属をさらに含む、請求項6に記載のシフト触媒。
  8. 無機担体を準備する工程と、
    白金を含む白金溶液を前記無機担体に含浸させることにより、白金を前記無機担体に担持させる白金担持工程と、
    他の金属を含有する水和物を含む溶液、または前記金属を含有する酸化物ゾルからなる助触媒溶液を前記無機担体に含浸させることにより、前記他の金属を前記無機担体に担持させる助触媒金属担持工程と、
    前記白金および前記他の金属が担持された前記無機担体を焼成する工程と、
    を有する、シフト触媒の製造方法。
  9. 前記酸化物ゾルが水溶性酸化物ゾルである、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記酸化物ゾル中の酸化物粒子の平均粒子径が2〜20nmである、請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 前記白金担持工程および前記助触媒担持工程を同時に行う、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114950424A (zh) * 2022-06-15 2022-08-30 万华化学(宁波)有限公司 一种循环气两段式脱硫催化剂、制备方法及其应用

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