JP2007089993A - 座面傾斜機構付き椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】座面11aを有する椅子本体10と、前記椅子本体10の下部後方左右に設けられ、先端に車輪を有する一対の脚であって、前記椅子本体10の左右に延びる第1の回転軸に対して基端側が回動するように固定される脚である後部脚21と、前記椅子本体10の下部前方に固定され、少なくとも前記後部脚21の垂直に立った状態における前記座面11aから下端までの最短の長さよりも、前記座面11aから下端までの最短の長さが短くなるように形成される脚である前部脚31と、前記椅子本体10の側面左右に形成される一対のレバーであって、それぞれが前記椅子本体10の座面11aよりも下方において前記椅子本体10の左右に延びる第2の回転軸に対して所定範囲で回動し、この回動が前記後部脚21の回動と連動するレバー23とを設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、このような問題に鑑みて、既存の椅子を簡易に改造して形成することができ、また、既存の椅子を利用しない場合においてもデザイン的な制約の少ない、簡易な構成を有する座面傾斜機構が設けられた椅子を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、座面を有する椅子を構成する椅子本体と、前記椅子本体の下部後方の左右に設けられる、先端に車輪を有する一対の脚であって、前記椅子本体の左右に延びる第1の回転軸に対して基端側が回動するように固定される脚である後部脚と、前記椅子本体の下部前方に固定される、少なくとも前記後部脚の垂直に立った状態における前記座面から下端までの最短の長さよりも、前記座面から下端までの最短の長さが短くなるように形成される脚である前部脚と、前記椅子本体の側面左右に形成される一対のレバーであって、それぞれが前記椅子本体の座面よりも下方において前記椅子本体の左右に延びる第2の回転軸に対して所定範囲で回動すると共に、この回動が前記後部脚の回動と連動するように形成されるレバーとを有する座面傾斜機構付き椅子。
請求項2に記載の発明は、前記座面傾斜機構付き椅子において、前記レバーの先端には肘掛が固定され、前記レバーが前記椅子本体の最も後方側に位置する状態において前記肘掛は着座者の肘を置くことができる位置に存すると共に、前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さと、前記座面から前記前部脚の下端までの最短の長さとがほぼ一致し、前記レバーが前記椅子の最も前方側に位置する状態において、前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さが、前記座面から前記前部脚の下端までの最短の長さよりも長くなるように形成されるものである。なお、ここで、「前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さと、前記座面から前記前部脚の下端までの最短の長さとがほぼ一致し」とは、通常状態の座面がデザイン上多少後傾している場合における、前部脚から座面までの最短の長さと、後部脚から座面までの最短の長さの差を許容誤差とするものであり、これらの長さ同士をほぼ一致するものと見なす。
請求項3に記載の発明は、前記座面傾斜機構付き椅子において、前記前部脚は先端に車輪を有するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の座面傾斜機構付き椅子において、前記座面傾斜機構付き椅子は、さらに、前記後部脚とは別の後部の脚を構成する車輪である駆動輪を有することにより車椅子を形成し、前記後部脚が傾斜した所定の回動位置において、前記座面から前記後部脚の下端までの長さが、前記座面から前記駆動輪の下端までの最短の長さよりも短くなるとともに、少なくとも前記後部脚の垂直に立った状態における前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さが、前記座面から前記駆動輪の下端までの最短の長さより長くなるように形成されるものである。
請求項2に記載の発明は、レバーの先端に肘掛を設け、レバーを最後方に位置させた状態で肘掛を普通に使用できる状態とするとともに、肘掛を前方に押してレバーを前方に倒すことで、後部脚が立ち上がって座面が前方に傾斜する。このような動作を行うことにより、着座者は肘掛に肘を掛けた状態で立ち上がるために前傾すると、肘掛が自然に前に押されて座面が傾斜するので自然な動作で無理なく座面を傾斜させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記前部脚は先端に車輪を有するので、後部脚の車輪と合わせて椅子本体を4つの車輪で支持することにより、椅子に着座者が座った状態で補助者が椅子を押して楽に移動させることができる。
請求項4に記載の発明は、既存の車椅子を改造して比較的簡易に座面傾斜機構を設けることができるとともに、機構も簡易なものとすることができる。また、車椅子の本体の構成はほとんど変える必要がないので、やはり、既存の車椅子を改造するのではない場合であっても、デザインの自由度を高くすることができる。
(実施形態1)
図1に実施形態1に係る座面傾斜機構付き椅子Xの側面図を示す。座面傾斜機構付き椅子Xは既存の椅子を改造したものであり、座面11aを有するクッション11、背もたれ12、クッショの下方を支持する台座13とから形成される椅子本体10は既存の椅子の構成をそのまま用いている。そして、これに座面傾斜機構20と、前部脚31とが設けられる。座面傾斜機構20は、後部脚21、回動機構22、レバー23、肘掛24とから構成される。後部脚21は、十分な厚さと強度をもつT字状の板体を左右に張り出した先端部分に直角に長方形状の適当な穴を設けた板体を溶接した脚本体21a、溶接された板体部分の穴にボルトとナットにより固定される車輪21b、脚本体21aの車輪21bとは相対する端部に固定される歯車21cとから構成される。回動機構22は、前記後部脚21の歯車21cと、歯車21cに噛みあう歯車23bと、これらの歯車21c、23bとを噛みあった状態でそれぞれを椅子本体10の左右に延びる第1の回動軸および第2の回動軸に回動自在に固定するギアボックス22aとから構成される。レバー23は鋼製の断面形状が長方形状の真直ぐな管体からなるレバー本体23a、レバー本体23aの下端側に固定される前記歯車23bと、レバー本体23aの先端に溶接固定される適所に穴が形成された板体23c、レバー本体23aの下端背面側に一端が固定され前記ギアボックス22aの一部に他端が固定される引張りバネ23dとから構成される。肘掛24は木製であり、緩やかな上に向って湾曲する長尺のブロック体から構成され、レバー本体23aの板体23cの穴を介してネジにより固定される。前部脚31は、垂直な軸に対しても回動可能に固定される車輪であり、椅子本体10の台座13の下面に固定される。なお、座面傾斜機構20および前部脚31は、椅子の左右に対称に設けられる。
そして、レバー23を前方へ傾斜させ、レバー23の前面側の一部がギアボックス22aの一部に当接してそれ以上は傾斜できない位置になると、図3の一部拡大側面図に示すように、後部脚21は車輪がやや前方に向うように緩やかな傾斜を持ってほぼ垂直に立ち上がる。このレバー23の位置において、座面11aに人が座って下方に力がかかっていれば、この状態で安定する。また、この状態から座っている人が立ち上がり、座面11aに力が加わらなくなると、レバー23に設けられる引張りバネ23dにより、レバー23が元の位置に引き戻され後部脚21は元の位置に回動して戻り、図2に示す状態となる。
図5に、実施形態2に係る座面傾斜機構付き椅子Yの側面図を示す。本座面傾斜機構付き椅子Yは車椅子であり、既存の車椅子を改造して形成される。そのため、座面51aを構成する座シート、背もたれからなる椅子本体50、前部脚となる前輪81、他の後部脚となる駆動輪71、フットレスト、肘掛等は既存の車椅子の構成をそのまま用いている。そして、これに、座面傾斜機構60が設けられる。
座面傾斜機構60は、後部脚61、回動機構62、レバー63とから構成される。後部脚61は、十分な厚さと強度をもつT字状の板体を左右に張り出した先端部分に直角に長方形状の適当な穴を設けた板体を溶接した脚本体61a、溶接された板部分の穴にボルトとナットにより固定される車輪61b、脚本体61aの車輪61bとは相対する端部に固定される歯車61cとから構成される。回動機構62は、前記後部脚61の歯車61cと、歯車61cに噛みあう歯車63bと、これらの歯車61c、63bとを噛みあった状態でそれぞれを椅子本体50の左右に延びる第1の回動軸および第2の回動軸に回動自在に固定するギアボックス62aとから構成される。レバー63は鋼製の断面形状が長方形状の途中で前方に屈曲した管体からなるレバー本体63a、レバー本体63aの下端側に固定される前記歯車63bと、レバー本体63aの下端背面側に一端が固定され前記ギアボックス62aの一部に他端が固定される引張りバネ63dとから構成される。座面傾斜機構60は、椅子の左右に対称に設けられる。
そして、レバー63を前方へ傾斜させて、レバー63の前面側の一部が、ギアボックス62aの一部に当接してそれ以上は傾斜できない位置になると、図6の側面図に示すように、後部脚61は車輪がやや前方に向うように緩やかな傾斜を持ってほぼ垂直に立ち上がる。このレバー63の位置において、後部脚61の高さは駆動輪71の高さよりも高くなり、今度は駆動輪71が地面から浮いた状態となる。即ち、この状態の後部脚61の下端から座面51aまでの最短の長さは、駆動輪71の下端から座面51aまでの最短の長さよりも長くなり、椅子本体50の後部が上方に持ち上げられて座面51aは前方に傾斜する。この状態において、座面51aに人が座って下方に力がかかっていれば、この状態で安定し、また、この状態から座っている人が立ち上がり、座面51aに力が加わらなくなると、レバー63に設けられる引張りバネ63dにより、レバー63が元に位置に引き戻され後部脚61は元の位置に回動して戻り、図5に示す状態となる。
10、50 椅子本体
20、60 座面傾斜機構
21、61 後部脚
21b、61b 車輪
22、62 回動機構
23、63 レバー
24 肘掛
31、81 前部脚
71 駆動輪
Claims (4)
- 座面を有する椅子を構成する椅子本体と、
前記椅子本体の下部後方の左右に設けられる、先端に車輪を有する一対の脚であって、前記椅子の左右に延びる第1の回転軸に対して基端側が回動するように固定される後部脚と、
前記椅子本体の下部前方に固定される、少なくとも前記後部脚の垂直に立った状態における前記座面から下端までの最短の長さよりも、前記座面から下端までの最短の長さが短くなるように形成される脚である前部脚と、
前記椅子本体の側面左右に形成される一対のレバーであって、それぞれが前記椅子本体の座面よりも下方において前記椅子本体の左右に延びる第2の回転軸に対して所定範囲で回動すると共に、この回動が前記後部脚の回動と連動するように形成されるレバーと、
を有する座面傾斜機構付き椅子。 - 前記レバーの先端には肘掛が固定され、
前記レバーが前記椅子本体の最も後方側に位置する状態において前記肘掛は着座者の肘を置くことができる位置に存すると共に、前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さと、前記座面から前記前部脚の下端までの最短の長さとがほぼ一致し、前記レバーが前記椅子本体の最も前方側に位置する状態において、前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さが、前記座面から前記前部脚の下端までの最短の長さよりも長くなるように形成される請求項1に記載の座面傾斜機構付き椅子。 - 前記前部脚は先端に車輪を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の座面傾斜機構付き椅子。
- 前記座面傾斜機構付き椅子は、さらに、前記後部脚とは別の後部の脚を構成する車輪である駆動輪を有することにより車椅子を形成し、
前記後部脚が傾斜した所定の回動位置において、前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さが、前記座面から前記駆動輪の下端までの最短の長さよりも短くなるとともに、少なくとも前記後部脚の垂直に立った状態における前記座面から前記後部脚の下端までの最短の長さが、前記座面から前記駆動輪の下端までの最短の長さより長くなるように形成される
請求項4に記載の座面傾斜機構付き椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005286942A JP2007089993A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 座面傾斜機構付き椅子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012143353A (ja) * | 2011-01-11 | 2012-08-02 | Takeshi Matsukawa | 食事用の椅子 |
CN107550085A (zh) * | 2017-10-11 | 2018-01-09 | 广东东品美容医疗科技有限公司 | 腿部旋转装置 |
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- 2005-09-30 JP JP2005286942A patent/JP2007089993A/ja active Pending
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