JP2007089569A - 金属箔被覆粒状食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明は、グラニュー糖粒、食塩粒、米粒、ごま粒またはあられからなる粒状食品の略全表面に満遍なく金属箔を被覆した金属箔被覆粒状食品を提供することを目的とする。
【解決手段】グラニュー糖粒または食塩粒については、その集合体を攪拌しながら所定量のアルコールまたは水を添加し予め所定の大きさに細断した金属箔を投入して攪拌混合する構成とし、米粒またはごま粒については、その集合体に粉末プルランの水溶液を噴霧し予め所定の大きさに細断した金属箔を投入して混合する構成とし、あられについては、その集合体にシェラックを注ぎながら回転させた後、該シェラックを乾燥させ、その後シェラックを再注入して予め所定の大きさに細断した金属箔を投入して混合する構成とした。
【選択図】図1

Description

本願発明は、グラニュー糖粒、食塩粒、米粒、ごま粒または「あられ」からなる粒状食品の表面に金箔または銀箔などの金属箔を被覆した金属箔被覆粒状食品に関する。
デコレーションケーキなどのような味覚とともに視覚を重要視する食べ物には、金粉や銀粉を使用して豪華な印象を与えるように飾り立てることがおこなわれる。このようなことに使用される材料として、たとえば、砂糖粒や米粒の表面に金箔を被覆させたものがある。
砂糖粒の表面に金箔を被覆させたものとしては、実開平3−16900号公報に開示のものがある。当該実開平3−16900号公報に開示のものは、その明細書の記載によれば、概ね次のようなものである。すなわち、内面をテフロン(登録商標)加工した直径10cmの小鉢型容器1に、109×109mmの金箔(厚み1〜2μm)数十枚を入れ、これに水分含量を0.1〜2%に調整した双目糖を、金箔1枚当たり3〜4g加えて、60回/分で回転させながら、振幅10cm、60回/分で上下動させ、運転開始後1分で、金箔は細かく細断され双目糖の表面にコートされたというものであり、また、上記に加えて120×120mmの金箔(厚み1〜2μm)に金箔1枚当たり4〜5gの水分含量を0.1〜2%に調整したグラニュー糖を加えて、同様にコートの操作を行ったところ、同様に金箔でコートされたグラニュー糖が得られたというものである。
また、米粒の表面に金箔を被覆させたものとしては、特開平6−141793号公報に開示のものがある。当該特開平6−141793号公報に開示のものは、その明細書の記載によれば、「可食性糊を米の表面に塗布し、金箔を前記米に圧力下で付着させ、前記米を低温除湿乾燥させ、・・・・・冷却」して製造されるもので、「金箔が米の表面に堅固に付着・・・、炊飯時まで金箔が米の表面から剥がれ落ちてしまうようなことが少ない・・、商品価値の高い純金表面処理米を提供する」ことができるというものである。
実開平3−16900号公報 特開平6−141793号公報
しかしながら、実開平3−16900号公報に記載のものは、「金箔でコートされた双目糖あるいはグラニュー糖」としているものの、実際には、金箔がそのまま塊の状態で混入していたり、また、個々の双目糖粒あるいはグラニュー糖粒に対し金箔は全表面に対して均一に満遍なく被覆されているとは言い難く、集合体として金箔被覆された部分とされない部分とがあり、金色がまだらとなったりして、完全なものではなかった。
そして、特開平6−141793号公報に記載のものは、単に「微粒子化した金箔を前記米に圧力下で付着させる」ものであり、「微粒子化した金箔の前記米への付着強度を上げるためには、所定の圧力3〜6Kg/cm2 下で付着させるのが好ましい」とされるもので、単に圧力をかけたのみで、個々の米粒のそれぞれの表面に均等に金箔が被覆されることはなく、粒状物全体の集合体として見た場合にも、金箔被覆された部分とされない部分とがあり、まだらとなったりして、完全なものではなかった。
そこで、本願発明は、グラニュー糖粒、食塩粒、米粒、ごま粒または「あられ」からなる粒状食品の略全表面に満遍なく金箔または銀箔などの金属箔を被覆した金属箔被覆粒状食品を提供することを目的とする。
本願請求項1に係る金属箔被覆粒状食品は、所定の大きさのグラニュー糖粒または食塩粒の粒状食品の集合体を攪拌しながら所定量のアルコールまたは水を添加する第1の工程と、前記所定量のアルコールまたは水が添加された前記グラニュー糖粒または前記食塩粒の粒状食品の集合体を攪拌しながら予め所定の大きさに細断した金属箔を投入して混合する第2の工程と、により製造されることを特徴とする。
本願請求項2に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項1に係る金属箔被覆粒状食品において、前記第1の工程において、所定量の食用着色剤を混入したアルコールまたは水を添加することを特徴とする。
本願請求項3に係る金属箔皮膚粒状食品は、前記請求項1または請求項2に係る金属箔被覆粒状食品において、前記所定量のアルコールまたは水の添加はアルコールまたは水を噴霧状態で添加することを特徴とする。
本願請求項4に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項2に係る金属箔被覆粒状食品において、前記食用着色剤は赤色3号であることを特徴とする。
本願請求項5に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項1に係る金属箔被覆粒状食品において、前記第1の工程におけるアルコールまたは水は、前記グラニュー糖粒集合体10Kgに対し200ccのアルコール若しくは水であり、または100gの前記食塩粒集合体に対し1.0ccの水であることを特徴とする。
本願請求項6に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項1に係る金属箔被覆粒状食品において、前記第2の工程における金属箔は、厚さ0.1μmの金箔または厚さ0.4μmの銀箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた切り廻しであり、10Kgの前記グラニュー糖粒集合体に対し、前記金箔または銀箔を400g、100gの前記食塩粒集合体に対し、5gの切り廻し箔であることを特徴とする。
本願請求項7に係る金属箔被覆粒状食品は、米粒またはごま粒の集合体に粉末プルランの水溶液を噴霧する第3の工程と、噴霧された前記米粒または前記ごま粒の集合体を攪拌しながら予め所定の大きさに細断した金属箔切り回しを投入して混合する前記第4の工程と、により製造されることを特徴とする。
本願請求項8に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項7に係る金属箔被覆粒状食品において、前記第3の工程における粉末プルランの水溶液は水500ccに対して粉末プルランを5g溶かして得られるものであることを特徴とする。
本願請求項9に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項8に係る金属箔被覆粒状食品において、前記粉末プルランの水溶液に黄色4号の食用着色剤1gを加えたことを特徴とする。
本願請求項10に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項7に記載の金属箔被覆粒状食品において、前記第4の工程における金属箔切り回しは厚さ0.1μmの金箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた切り廻しであり、100gの前記米粒または前記ごま粒の集合体に対し、0.9gの切り廻し金属箔であることを特徴とする。
本願請求項11に係る金属箔被覆粒状食品は、所定大の「あられ」の集合体に食用のシェラックを注ぎながら回転させ、該シェラックを前記「あられ」に浸透させる第5の工程と、前記「あられ」に浸透した前記シェラックが乾くまで前記「あられ」の集合体にさらに回転を続ける第6の工程と、前記シェラックが乾いた前記「あられ」にさらにシェラックを注ぐ第7の工程と、前記第7の工程の後に前記「あられ」に回転を加えながら予め所定の大きさに裁断した金属箔切り回しを投入する第8の工程と、により製造されることを特徴とする。
本願請求項12に係る金属箔被覆粒状食品は、前記請求項11に係る金属箔被覆粒状食品において、前記所定大の「あられ」は略3mm径であり、該「あられ」1kgに対し、前記第5の工程におけるシェラックは35cc、前記第7の工程におけるシェラックは15ccであり、前記第8の工程における金属箔切り回しは厚さ0.1μmの金箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた金箔切り廻しまたは厚さ0.4μmの銀箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を通過させた銀箔切り回しであることを特徴とする。
本願発明に係る金属箔被覆グラニュー糖粒または食塩粒(以下、「グラニュー糖粒等」という。)は、一粒のグラニュー糖粒としてもその略全表面に金属箔が被覆されている。このため、当該グラニュー糖粒集合体としても均一な金属箔被覆グラニュー糖粒集合体とすることができ、したがって、その外観は、金属粒状を呈することとなり、金属箔を金箔または銀箔とした場合には、見る者にとって、それぞれ砂金または砂銀のような感じを与えることになる。金属箔は食用とした場合にも無害であり、グラニュー糖粒のように装飾用に使用した場合あるいは食塩のように調味料に使用した場合には、金箔で被覆されたグラニュー糖粒等では、砂金を振りかけたように豪華な印象を与え、銀箔で被覆されたグラニュー糖粒等では優雅で重厚な印象を与えることになる。
また、食用着色剤を用いて、任意の色に着色することができる。すなわち、銀箔で被覆されたグラニュー糖粒等は、着色した色がほぼそのまま現れ、赤色の着色剤の場合には銀を基調としたピンク色(銀桃色)となって、色のバリエーションが増え、金箔または銀箔のみで被覆されたグラニュー糖粒等と合わせて装飾のバリエーションが増えることとなる。
そして、双目糖には、白双糖、中双糖、およびグラニュー糖があるが、双目糖は0.2mm〜3mm程度の比較的大きな結晶であることから、金属箔を被覆した場合に見栄えがする一方で、双目糖の一種であるグラニュー糖は、双目糖のなかでは比較的結晶は小さいものの、結晶の大きさは概ね揃っていて、色も純白であるため、被覆した貴金属箔をより強く引き立たせることになる。
本願発明に係る金属箔被覆グラニュー糖粒等は、第1の工程、第2の工程および第3の工程とも極めて簡単な装置で実施することができる。このため、製品に掛かる原価は略材料費のみであり、経済的に製造することができることに加え、従来品に比し、極めて少量な金属箔で足り、その面からも経済性、省資源性に富むものである。
本願発明に係る金属箔被覆米粒またはごま粒、あられは、一粒の米粒または一粒のごま粒、一粒のあられとしてもその略全表面に金属箔が被覆されている。このため、当該金属箔被覆米粒等集合体としても均一な金属箔被覆米粒、金属箔被覆ごま粒、金属箔被覆あられ粒の集合体とすることができ、したがって、金属箔を金箔とした場合には、その外観は、見る者にとって、金の粒のような感じを与えることになる。
本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例1ないし実施例8について図を参照しながら説明する。実施例1は、金箔被覆グラニュー糖粒であり、実施例2は、銀箔被覆グラニュー糖粒であり、実施例3は、ピンク色銀箔被覆グラニュー糖粒であり、実施例4は、金箔被覆食塩粒の例であり、実施例5は、金箔被覆米粒であり、実施例6は、金箔被覆ごま粒であり、実施例7は、金箔被覆「あられ」であり、実施例8は、銀箔被覆「あられ」である。
また、図1は、実施例1ないし実施例3に係る金箔または銀箔被覆グラニュー糖粒の作り方を示す工程図であり、図5は、実施例4に係る金箔被覆食塩粒の作り方を示す工程図であり、図7は、実施例5に係る金箔被覆米粒および実施例6に係る金箔被覆ごま粒の作り方を示す工程図であり、図10は、実施例7に係る金箔被覆「あられ」および実施例8に係る銀箔被覆「あられ」の製造工程の概略を示す図である。
実施例1は、金箔被覆グラニュー糖の例である。
(1)材料および前工程(図1の[S1]で示される)
製造ロットを10kgとして、以下の割合の各材料を用意する。
ア.グラニュー糖(大日本明治製糖株式会社製:粒径約200μm)―10kg
イ.金箔四号(厚さ約0.1μm)の切り廻し――400g
ウ.エタノール(95度1級 日本アルコール販売株式会社製)―200cc
本実施例における金箔四号の切り廻しとは、金箔四号(厚さ約0.1μm)を粉砕機(相互産業株式会社製)で粉砕し、その後3mm網で篩いにかけたものである。この切り廻しを100gずつ計量して和紙製の袋に小分けし、それぞれ4袋用意しておく。
なお、本実施例におけるグラニュー糖に対する金箔の量およびエタノールの量は、グラニュー糖10Kgに対して、金箔400g、エタノール200cc、すなわち、グラニュー糖1に対して金箔は0.04、エタノールは0.02となる。
(2)製造工程
ア.第1の工程(図1の[S2]で示される)
第1の工程は、以下の3つの工程から構成される。
ア−1 攪拌機(株式会社内田工業所製 Powerful Auto Mixer 最大容量45L)の混合槽にグラニュー糖10kgを投入し、攪拌翼を攪拌速度60回転/分で回転させながら攪拌し、簡易噴霧器(FURUPLA社製 DIA SPRAY)でエタノール(200cc)をグラニュー糖に噴霧する。
ア−2 その後、攪拌翼の攪拌速度を80回転/分に上げてエタノールをグラニュー糖粒全体に浸透させる。この時、混合槽内壁にグラニュー糖が付着するため、適宜槽内壁を数回ヘラ等で付着したグラニュー糖をかき落とす。
ア−3 混合槽の内壁にグラニュー糖が付着しなくなってきたら以下の次行程に移る。
イ.第2の工程(図1の[S3]で示される)
第2の工程は、以下の3つの工程から構成される。
イ−1 ア−3の後、小分けした切り廻しを前記の攪拌機に1袋(100g)投入する。
イ−2 混合槽の蓋を閉め攪拌翼を攪拌速度80回転/分で回転させる。
イ−3 さらに、イ−1およびイ−2を3回繰り返して、4つに小分けした切り廻しを投入して、切り廻しがグラニュー糖粒の表面に付着したことを確認し、攪拌を終了する。
以上、第1の工程および第2の工程を経て、金箔で被覆されたグラニュー糖粒が製造されるが、製品とするためには、さらに、以下に述べる後工程が必要になる。
ウ−1 金箔で被覆されたグラニュー糖粒を排出口より2kgずつ取り出し、トレー上に分散させる。
ウ−2 24時間自然乾燥してエタノール中のアルコール分を飛散させる。
以上が、図1に示す[S5]である。
ウ−3 専用ふるい機(20メッシュ)で乾燥後の金箔で被覆されたグラニュー糖粒をふるいにかけ、粗いものを取り除く。
ウ−4 粗いものを取り除いた金箔で被覆されたグラニュー糖粒を10gずつ電子秤で計量し、自動分割分包機(YUYAMA社製 CPX-21)でポリエチレン製の袋に分包する。
ウ−5 10gずつ分包された金箔で被覆されたグラニュー糖粒を乾燥剤(シリカゲル)と共にポリプロピレン製の袋に入れ製品とする。
以上が、図1に示す[S6]である。
以上の工程を経て、金箔で被覆されたグラニュー糖粒は製品となる。
図2(a)は、本実施例1の金箔被覆グラニュー糖粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)であり、同図2(b)はその粒状態を示す拡大図であり、別途提出の金箔被覆グラニュー糖粒の拡大写真(50倍)を図面化したものである。この拡大写真は、石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)において、平成17年6月20日に撮影したものである。図2(b)において、ハッチング(符号12)に示す部分がグラニュー糖粒であり、ハッチング(符号20)で示す部分がその表面に被覆された金箔、さらには、白地(符号30)で示す部分が背景を示す部分である。
図2(a)から明らかなように、集合するグラニュー糖もその表面に均一に金箔が被覆され、集合体にムラがなく、また図2(b)から明らかなように、一粒のグラニュー糖粒12であっても、全表面に金箔20が被覆されている様子が窺われる。
実施例2は、銀箔被覆グラニュー糖の例である。
(1)材料および前工程(図1の[S1]で示される)
製造ロットを10kgとして、
ア.グラニュー糖(大日本明治製糖株式会社製:粒径約200μm)―10kg
イ.銀箔(厚さ約0.4μm)切り廻し――400g
ウ.エタノール(95度1級 日本アルコール販売株式会社製)―200cc
本実施例で用いる銀箔切り廻しとは、銀箔(厚さ約0.4μm)を同粉砕機で粉砕し、その後2mm網で篩いにかけたものである。このそれぞれの切り廻しを100gずつ計量して和紙製の袋に小分けし、それぞれ4袋用意しておく。
材料として金箔に代え、銀箔を用意する外は、上記実施例1と同じであるので、その説明は省略する。
図3は、本願発明の実施例2に係る銀箔被覆グラニュー糖集合(全体図)を撮影した写真である(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)。
実施例3は、ピンク色(銀桃色)を呈する銀箔で被覆されたグラニュー糖粒の例である。
この実施例3に係る金属箔被覆グラニュー糖は、前記実施例2の製造で示した銀箔被覆グラニュー糖粒の製造とほとんど同じであるが、実施例2の銀箔被覆グラニュー糖粒の製造において使用するエタノールの外にエタノール200ccに食用着色剤である赤色3号1gを添加したエタノールを別途用意し、前記銀箔被覆グラニュー糖に噴霧して着色させるものである。「製造工程」については、実施例1における「(2)製造工程」のイ−3までは全く同一であるので、イ−3以降の工程についてのみ説明する。
(1)材料および前準備
製造ロットを10kgとした場合に、前期実施例1および実施例2で説明した材料の外に、赤色3号(キリヤ化学株式会社製)1gをエタノール200ccに混合させた混合液を用意する。
(2)第2′の工程(図1に[S4]として示す)
ア−1ないしイ−3の工程の後、
イ−4 攪拌機中で攪拌をつづけながら、簡易噴霧器で前記混合液(200cc)を全体に噴霧しつつ攪拌を続ける。色合いは前記混合液の噴霧量で調整する。すなわち、色合いを濃くするには、前記混合液を全量噴霧するが、薄い色合いの場合には、混合液の全量を噴霧投入しなくても良いこともちろんである。
着色後の製品とする後工程についても、実施例1および実施例2と同様であるので、その説明を省略する。
図4は、赤色で着色した銀箔を被覆したグラニュー糖粒集合を示す写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)であり、図4から綺麗なピンク色(銀桃色)の着色によるグラニュー糖であることが明らかである。なお、明細書添付のものはモノクロにて公表されるので、色区別ができないので、参考のため、別途、カラー写真を提出する。
本願発明者らは、グラニュー糖で、それぞれ金箔、銀箔、ピンク色銀箔の被覆糖を作成したが、同様の方法を用いれば、グラニュー糖に限らず、食塩、バスソルト(入浴用塩化ナトリウム)、ごま、米等々の粒状物全般にも可能であることを見いだした。実施例4は、これまでの実施例1ないし3と異なり、機械を用いることなく実験的に行った実施例であり、その工程を図5に示す。
まず、実施例4として、金箔で被覆された食塩粒を作成した。その作り方は以下による。
(1)材料および前準備(図5に[S1]として示す)
ア.食塩((財)塩事業センター製 粒径0.2mm)――100g
イ.厚さ0.1μmの金箔の切り廻し――5.0g
ウ.水――1.0cc
ここに、「厚さ0.1μmの金箔の切り廻し」とは、金箔四号(厚さ訳0.1μm)を粉砕機(相互産業株式会社製)で粉砕し、その後、3mm網で篩いにかけたものをいう。なお、本実施例4における食塩に対するそれぞれの比率は、食塩100gに対して金箔切り廻し5.0g、水1.0cc、すなわち、金箔の質量、および水の質量は、食塩1に対して金箔は0.05、水は0.01となる。
(2)製造工程
ア.第1の工程(図5に[S′2]として示す)
幅145mm×長さ145mm×高さ100mmの角筒状の紙容器に食塩100gを投入し、紙容器を揺動させながら水1.0ccを霧吹きで噴霧しつつ紙容器を揺動させて攪拌する。
イ.第2の工程(図5に[S′3]として示す)
第2の工程は、以下の3つの工程から構成される。
イ−1 紙容器に金箔の切り廻しを2.5g投入して、略30秒上下運動加えながら回転させて攪拌を続ける。
イ−2 イ−1の工程を繰り返して、都合、金箔の切り廻しを5.0g投入する。
イ−3 常温で24時間乾燥させる。
図6(a)は、本実施例4に係る金箔を食塩に被覆させた金箔被覆食塩(集合)を示す写真であり(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)、図6(b)は、同拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)模式化した図である。これらの元となるカラー写真は参考のため別途提出する。
なお、実施例4においても、実施例2のように、銀箔被覆とすることもでき、また、実施例3のように、第2′の工程を加えて、銀箔被覆表面を着色することができることはもちろんである。
なお、上記の各実施例における変形例として、第1の工程のアルコールまたは水の添加は、所定量を1回以上に分けて投入してもよく、また、噴霧しながら添加してもよく、この方が過不足なく双目糖粒等の表面に浸潤させることができる。
また、第1の工程における双目糖粒の集合体の量に対するアルコールまたは水の量は、集合体である全部の双目糖粒等の表面を過不足なく覆うことができる量であればよい。
また、第2の工程において、双目糖粒等の集合体の量に対する貴金属箔の量は、双目糖粒等の表面を被覆するに足りる必要にして十分な量であればよい。また、それぞれ金箔四号(厚さ約0.1μm)を粉砕機(相互産業株式会社製)で粉砕し、その後3mm網で篩いにかけた金箔四号の切り廻しや同銀箔(厚さ約0.4μm)を同粉砕機で粉砕し、その後2mm網で篩いにかけた銀箔切り廻しを使用したが、これは、被覆されるグラニュー糖や食塩等の被被覆物の粒径に対して、それぞれ被覆に必要にして十分な箔厚と、被覆に必要にして十分な大きさに予め粉砕したものを用いることができることはいうまでもなく、上記各実施例において使用される箔厚や切り廻し大きさに限定されるものではない。
なお、第1の工程および第2の工程における「攪拌」とは、攪拌棒等で双目糖粒または食塩粒の集合体自体を攪拌することをいい、容器内の双目糖粒または食塩粒の集合体を容器内で流動させることをいう。しかしながら、双目糖粒または食塩粒集合体が充分にかき廻されてアルコール等と混ざり合うことができれば、「攪拌」の用語にとらわれるものではないこともちろんである。
そして、第2′の工程における食用着色剤の添加は、第1の工程におけるアルコールまたは水の添加と同様に、所定量を1回以上に分けて投入してもよいが、噴霧しながら数回に分けて添加しても良い。
(比較検討)
つぎに、前述するように、実開平3−16900号公報に記載の「金箔をコートした砂糖」は、砂糖表面に金箔が被覆されているものとして記載されてはいるが、本願発明に係る金箔で被覆されたグラニュー糖または中双糖粒と、実開平3−16900号公報に開示のものを実際に作成してみて、その比較検証してみた。
実開平3−16900号公報には、実施例1および実施例2として、「金箔をコートした砂糖」の製造方法が開示されているので、その公報記載の方法により実際に「金箔をコートした砂糖」を製造する一方、本願発明に係る金属箔被覆グラニュー糖粒または食塩粒集合体を材料等を同じにするが、本願発明の方法による金箔切り廻しをあらかじめ作成し、本願発明の最良比率で作成し、その結果をもって比較検証することとした。なお、実開平3−16900号公報に開示の実施例1によるものを「比較例1」とし、実開平3-16900号公報に開示の実施例2によるものを「比較例2」とし、さらに、本願に準じた方法で作成したものを「実験例1」および「実験例2」とする。
(比較例1)
比較例1は、実開平3−16900号公報に開示されているように「小鉢型の内面をテフロン(登録商標)加工した直径10cmの容器に、109mm×109mmの金箔(厚み1〜2μm)数十枚を入れ、これに水分含量を0.1〜2%に調整した双目糖を、金箔1枚当り3〜4g加えて、60回/分で回転させながら、振幅10cm、60回/分で上下動させた。運転開始後1分で、金箔は細かく細断され双目糖の表面にコートされた。」と記載されているので、この記載例に基づいて、以下の材料を用意し、以下の工程により金箔で被覆された中双糖粒を得た。
(1)材料
ア.中双糖(新三井製糖株式会社製)――40g
イ.109mm×109mm、厚さ1μmの金箔10枚――1.3g
ウ.水――0.8cc
(2)製造工程
ア.内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器(実開平3−16900号公報に開示された実施例1では直径10cmの小鉢状の容器としている。)に109mm×109mmの金箔を10枚投入し、さらに、水分を含ませた中双糖40gを投入して蓋をし、小鉢状の容器を上下運動させながら1分間回転させた。
イ.常温で24時間乾燥させた。
(実験例1)
次に、実験例1として、前記と同じ器具等を用い、金箔切り廻しを準備し、以下の方法で金箔被覆中双糖粒を作成した。その作成を示すと以下のとおりである。
(1)材料および前準備
ア.中双糖(新三井製糖株式会社製)――40g
イ.厚さ0.1μmの金箔の切り廻し(図5に示す[S1]参照)――0.1g
ウ.水――0.8cc
ここで、「厚さ0.1μmの金箔の切り廻し」とは、厚さ0.1μmの金箔を粉砕機で小さく粉砕し、その後、3mm網の篩いにかけた手順で作られたものをいう。
(2)製造工程
ア.内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器に中双糖40gを投入し、小鉢状の容器を回転させることにより中双糖を揺動させながら水0.8ccを霧吹きで噴霧して、全体をよく馴染ませ、さらに、小鉢状の容器の回転させて攪拌し続ける。
イ.本願各請求項に記載の第2の工程と同様、以下の3つの工程で作成した。
イ−1 小鉢状の容器に金箔の切り廻しを0.05g投入して、容器に蓋をし、上下運動させながら30秒間回転させることにより攪拌混合させる。
イ−2 イ−1の工程を繰り返して、合計、金箔の切り廻しを0.1g投入する。
イ−3 常温で24時間乾燥させる。
比較例1と実験例1との作成方法の違いを纏めると次のとおりである。
材料については、両者とも双目糖として中双糖を使い、表面の処理に水を使い、また、両者とも内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器を使っていて、この小鉢状の容器を上下運動させながら回転させて、金箔被覆中双糖を得ていることで、相違する点は実験例1が金箔の切り廻しを使い、比較例1が厚さ1μmの109mm×109mmの金箔を容器に投入して被覆させている点である。
図12(a)、図12(b)は、上記比較例1で得られた金箔で被覆された中双糖粒および実験例1の金箔で被覆された中双糖粒の拡大カラー写真(それぞれ25倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)を模式化した図である。
図12(a)において、ハッチング(符号12)は中双糖粒であり、ハッチング(符号20)は表面に被覆された金箔、白地(符号30)は背景であるが、図12(a)に示されるように、一つの中双糖粒14であっても、部分的にしか金箔20が被覆されずに、中双糖粒が露出していることが知りうる。これに対し、図12(b)によれば、一つ一つの中双糖粒であっても、全表面が金箔20で被覆されていることが知りうる。なお、拡大カラー写真は明細書ではモノクロ化され、不明瞭となるので、模式化して図面としたものであり、参考ため、そのもととなる拡大カラー写真を別途提出する。
このことから、比較例1では、略20%ないし30%程度しか被覆されず見栄えが良くないのに対し、実験例1では、粒状態においても略全表面を均一に被覆することができ、したがって、集合としての見栄えも良好であった。また、比較例1では、金箔の使用量が1.3gであるのに対し、実験例1では、0.1gの使用量で済み、製造コストについていえば、実験例1は比較例1の1/10程度に抑えることができる。
(比較例2)
実開平3−16900号公報には、「120mm×120mmの金箔(厚み1〜2μm)に金箔1枚当り4〜5gの水分含量を0.1〜2%に調整したグラニュー糖を加えて、同様にコートの操作を行ったところ、同様に金箔でコートされたグラニュー糖が得られた。」と記載されているので、この記載に基づいて作成されるものを比較例2とし、以下の材料を用意し、以下の工程により金箔で被覆されたグラニュー糖粒を得た。
(1)材料
ア.グラニュー糖(大日本明治製糖株式会社製)――40g
イ.109mm×109mm、厚さ1μmの金箔10枚――1.3g
ウ.水――0.8cc
(2)製造工程
ア.内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器(比較例2では直径10cmの小鉢状の容器としている。)に109mm×109mmの金箔を10枚投入した。
イ.さらに、水分を含ませたグラニュー糖40gを投入して蓋をし、小鉢状の容器を上下運動させながら1分間回転させた。
ウ.常温で24時間乾燥させた。
(実験例2)
次に、実験例2として、前記と同じ器具等を用い、金箔切り廻しを準備し、以下の方法で金箔被覆中双糖粒を作成した。その作成を示すと以下のとおりである。
(1)材料および前準備
まず、以下の材料を用意した。
ア.グラニュー糖(大日本明治製糖株式会社製 粒径約200μm)――40g
イ.金箔四号(厚さ約0.1μm)または銀箔の切り廻し(図5に示す[S1]参照)――0.3g
ウ.エタノール(95度1級 日本アルコール販売株式会社製)――1.0cc
なお、本実施例におけるグラニュー糖に対する金箔または銀箔の質量、およびエタノールの質量は、グラニュー糖1に対して金箔または銀箔は0.0075、エタノールは0.025となる。
(2)製造工程
ア.内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器にグラニュー糖40gを投入し、小鉢状の容器を回転させることにより容器内のグラニュー糖を揺動させ、揺動させながらエタノール1.0ccを霧吹きで噴霧して、全体をよく馴染ませ、さらに、しばらく小鉢状の容器の回転を続けた。しばらく回転を続けることにより、グラニュー糖粒の表面に作用した後のエタノールを飛散させた。
イ.本願各請求項に記載の第2の工程と同様、以下の3つの工程で作成した。
イ−1 小鉢状の容器に金箔四号または銀箔の切り廻しを0.15g投入して、容器に蓋をし、上下運動させながら1分間回転させることにより攪拌混合させる。
イ−2 イ−1の工程を繰り返して、都合、金箔四号または銀箔の切り廻しを0.3g投入する。
イ−3 常温で24時間乾燥させる。
比較例2と実験例2との異同は次の通りである。
製造装置として両者とも内面をテフロン(登録商標)加工した直径20cmの小鉢状の容器を使い、この小鉢状の容器を上下運動させながら回転させる点では同じである。材料については、両者とも同じグラニュー糖を使っているものの、実験例2では、0.1μmの金箔の切り廻しとエタノールを使用し、比較例2では、109mm×109mmの金箔(厚さ:1μm)と水を使っている点で異なる。
図13(a)は、比較例1の金箔で被覆されたグラニュー糖粒の拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)に基づいて図面化したものであり、同図13(b)は、同実験例2の金箔被覆グラニュー糖粒の拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)に基づいて図面化したものである。拡大カラー写真等は明細書ではモノクロ化され、不明瞭となるので、図面化したものであり、参考ため、そのもととなる拡大カラー写真を別途提出する。
図13(a)、(b)において、ハッチング(符号12)はグラニュー糖粒であり、ハッチング(符号20)は表面に被覆された金箔、ハッチング(符号30)は背景を示すものであるが、図13(b)から明らかなように、本願発明に係るものの方が、実開平3−16900号公報に開示のものに比し、一つ一つのグラニュー糖粒であっても、その全表面に金箔が被覆されており、また、集合としてのグラニュー糖であっても、均一に金箔被覆されたグラニュー糖が得られていることが分かる。
すなわち、比較例2では、金箔が塊となってグラニュー糖表面に付着することなく存在するところがあったり、グラニュー糖粒においても、被覆される部分とされない部分が存在したり、さらには、グラニュー糖が被覆されずにそのまま残っているのに対し、実験例2の製造方法では、グラニュー糖粒の略全表面を被覆することができ、また、被覆されるグラニュー糖の割合も全体的に均一になった。さらには、比較例2では、表面の処理に水を使用したため、乾燥後にグラニュー糖は塊となったのに対し、実験例2の製造方法では、表面の処理にエタノールを使用したため、乾燥後もグラニュー糖は塊とならなかった。
殊に、比較例2では、金箔の使用量が1.3gであるのに対し、実験例2の製造方法では、0.3gの使用量で済み、製造コストについていえば、実験例2は比較例2の1/4程度に抑えることができる。
本願出願人は、鋭意研究を重ねるうちに、所定の接着性のある物質を介在させることにより、前記グラニュー糖粒や食塩粒よりも粒径の大きい食品についても、その表面に金箔等の被覆が可能となることを知り得た。
実施例5は、金箔被覆米粒の例である。その製造工程の概略を示す図7に基づいて、製造の仕方を説明する。
(1)材料および前工程(図7の[S11、S12]で示される)
(i)以下の割合の各材料を用意する。
ア.米粒――100g(無洗米)
イ.金箔四号(厚さ約0.1μm)の切り廻し――0.9g
ウ.粉末プルラン――5g(林原商事製)
エ.食紅(黄色4号)――1g(キリヤ化学製)
オ.水――500cc
上記材料は、米粒100gに対するものである。なお、粉末プルランを水に溶かしたプルランは、接着材として使用される。プルランは、デンプンを原料とし、黒酵母の一種であるAureobasidium pullulansを培養して得られる天然多糖類であり、マルトトリオース(グルコース3分子がα−1,4結合)が規則正しく、α−1,6結合した無味無臭の白色粉末であり、プルラン水溶液は他の多糖類に比べ、比較的低粘性でゲル化することなく粘着性の強い中性の安定した溶液である。この水溶液は、接着力が極めて強く、スプレーや塗布して換装することにより、食品を安定に接着することができる性質を有する。また、体内酵素による消化試験あるいはラットにおける成長試験結果からセルロースやペクチンなどと同様、難消化性の多糖類であるが、食用上安全なものである。また、食紅(黄)の着色剤の使用は、前記プルランの使用と相まって、食紅(黄)を使用しないで直接に金箔等を被覆させるより、被覆後の米粒等の表面を金粉の黄金色にきわめて近い色を出すことができる。
(ii)金箔切り廻しの準備
本実施例における切り廻しは、実施例1および実施例4で使用する金箔切り廻し(厚さ約0.1μm)と同じものであり、粉砕機(相互産業株式会社製)で粉砕し、その後3mm網で篩いにかけたものである。この切り廻し(以下、「金粉」とも称する)を和紙製の袋に小分けしておく。
(iii)接着液の調合
水500ccに対して5gの粉末プルランを溶かし、完全に解けたことを確認した後、食紅(黄色4号)1gを混ぜ合わせて接着液を予め作っておく。
(2)製造工程
ア.「のりつけ工程(第3の工程(図7の[S13]で示される))」
上記の接着液を噴霧器に移し、容器に移した米粒に均等に噴霧する。多く噴霧すると湿りすぎて作業が遅れるため、噴霧する量は米粒の集合体全体に前記着色剤による色が付く程度にする。そして噴霧しながら米粒の集合体全体に行き渡るようにかき混ぜる。
イ.「金粉貼り付け工程(第4の工程(図7の[S14]で示される))」
金粉が張り付きにくい直径30センチメートル大のサラダボール状の底が半球状の木製の容器に切り廻しした金粉0.9gを入れて、第3の工程で着色した米粒100gを投入する。そして、容器全体を振って金粉と米粒を絡ますように手早く混ぜ合わせる。ここに「容器全体を振って」とは、「保持した容器を手前から外側に向かって、内部の収納物がかき回されるように振る」ことを意味し、このように「容器を振る」ことによって、容器内の金粉と米粒が攪拌されるような動作をいい、その結果、前記金粉と米粒とが混ざり合い、接着剤が塗布された米粒の表面に前記金粉が被覆されることとなる。
以上、第3の工程および第4の工程を経て、金箔で被覆された米粒が製造される。
ウ.後工程
なお、製品とするためには、さらに、以下に述べる後工程が必要になる(図7の[S14、S15]で示される)。
ウ−1 第5の工程後の金箔で被覆された米粒を取り出して広げ、一晩常温で乾燥させる。
ウ−2 乾燥した金箔で被覆された米粒を所定量に分けてポリエチレン製の袋に分包する。
以上の工程を経て、金箔で被覆された米粒は製品となる。なお、金箔の代わりに銀箔切り回し等他の金属箔を用いることもできる。
図8は、本実施例5の金箔被覆米粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)であり、図8から明らかなように、集合する米粒も前述の実施例1のグラニュー糖被覆と同じようにその表面に金箔が被覆され、集合体にムラがなく表面に金箔が被覆されている様子が窺われる。
実施例6は、金箔被覆ごま粒の例である。その製造工程の概略を図7に示すが、製造の仕方については、前述した金箔被覆米粒と同様であり、段落番号(0055)ないし(0057)の記述において、米粒に代えてごま粒と読み替えることにより製造することができるので、その説明を省略する。なお、本実施例においては、ごま粒として白ごま粒を用いている。また、金箔の代わりに銀箔切り回し等他の金属箔を用いることもできることは、実施例5と同様である。
なお、図9は、ゴマ粒に金箔を被覆した金箔被覆ゴマ粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)であり、図9から明らかなように、前述の実施例5の米粒被覆と同じようにその表面に金箔が被覆され、集合体にムラがなく表面に金箔が被覆されている様子が窺われる。
次いで、実施例7として、径3mm状の「あられ」に対し、その表面に金箔被覆をする金箔被覆「あられ」を検証した。上述すると同様、その製造工程の概略を示す図10に基づいて、作り方を説明する。
(1)材料および前工程(図10の[S21]で示される)
(i)材料の準備
以下は、金箔被覆「あられ」を1kgを製造する際の各材料割合である。
ア.あられ――1kg(粒径3mmのあられを用意した)
イ.金箔四号(厚さ約0.1μm)の切り廻し――40g
ウ.シェラック(A−25)――50cc(岐阜セラック製)
上記材料は、直径3mmの粒径をもつあられ1kgに対する割合である。
なお、シェラック(「Shellac」:JIS K 59)は、天然のラックカイガラムシが豆科・桑科の樹木に寄生して、樹液を吸って体外に分泌した樹脂状物質からなるものである。ラックカイガラムシが群集して樹脂層に一塊りとなったものを粉砕し、ふるい分けをして水洗し、虫殻や木質、水溶性色素などを除去し、精製したのが、シェラックであり、天然のポリエステル樹脂である。シェラックは、天然樹脂としては唯一の熱硬化性樹脂で、常温でアルコールにゆっくりではあるがよく溶け、そして、熱に容易に溶融するが一度熱硬化したあとは、熱や溶剤にも侵されなくなる性質を有する。シェラックは、強靭な耐油性、 電気的不導体、すぐれた耐摩耗性を有し、ワニスで塗布されたシェラックの薄い皮膜は、光沢にすぐれ、耐摩耗性、密着性、耐久性に富んだ円滑な表面を形成する。水に不溶であり、アルコール以外の有機溶剤にもほとんど不溶または膨潤するだけである等の性質を有し、食用上安全なものである。
(ii)金箔切り廻しの準備
本実施例における切り廻しは、実施例1および実施例4で使用する金箔切り廻し(厚さ約0.1μm)と同じものであり、粉砕機(相互産業株式会社製)で粉砕し、その後3mm網で篩いにかけたものである。この切り廻し(以下、「金粉」とも称する)を和紙製の袋に小分けしておく。(箔を粉砕機で粉砕して3mm穴の篩で篩ったもの)
(2)製造工程
ア.「シェラック注入工程(第5の工程(図10の[S22]で示される))」
直径30cmのステンレスボウルにあられを投入する。ステンレスボウル内のあられを回転させながら、前記シェラック35cc注ぎ、あられをなお回転させながらシェラックを全体に浸透させる。ここに「ステンレスボウル内のあられを回転させる」とは、「ステンレスボウルを縁を順次持ち上げ、他方を下げてステンレスボウルに回転する傾斜を与えること」を意味し、このようにステンレスボウルに回転する傾斜を与えることによって、「内部のあられがステンレスボウル内壁に添って移動するような動作状態」をいい、その結果、ステンレスボウルの内部のあられ自体も回転して、前記シェラックが一カ所に固まることなく、また、個々のあられ粒に対しても、前記シェラックが偏在して浸透されることになる状態となる。
イ.「シェラック乾燥工程(第6の工程(図10の[S23]で示される))」
シェラックがあられに浸透したら、シェラックが乾くまでステンレスボウル内のあられを回転させる。
ウ.「シェラック再注入工程(第7の工程(図10の[S24]で示される))」
次いで、ステンレスボウル内のあられに浸透したシェラックが乾いたら、再び、シェラック15ccを注ぎ、ステンレスボウル内のあられを回転させ続ける。
エ.「金箔切り回し投入工程(第8の工程(図10の[S25]で示される))」
エ−1 シェラックが全体に浸透したら、前記切り回しを投入し、前記の回転を続ける。そうすると、ステンレスボウル内の個々のあられ粒も回転して、前記切り回しと混じり合ってその表面に被覆される。
エ−2 前記切り回しがあられの表面に満遍なく均一に付着したことを確認したら、回転を止める。
(3)後工程
ア.「金箔被覆あられ取り出し工程(図10の[S26]で示される)」
あられの表面に金箔の切り回しが付着したら、ステンレストレーに移し、個々のあられが重ならないように、分散して並べ、24時間自然乾燥させる。
イ.「金箔被覆あられ分包・袋詰工程(図10の[S27]で示される)」
自然乾燥された金箔被覆あられを所定量ずつに分けてポリエチレン製の袋に分包する。
以上の工程を経て、金箔で被覆されたあられは製品となる。
図11(a)は、本実施例7の金箔被覆あられ集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)であり、図11(a)から明らかなように、個々のあられも前述の金箔被覆グラニュー糖(実施例1)や金箔被覆米粒(実施例5)と同じようにあられの表面に金箔が被覆され、集合体としても全体にムラがなく表面に金箔が被覆されている様子が窺われる。
実施例8は、銀箔被覆あられの例である。その製造工程の概略を図10に示すが、製造の仕方については、前述した金箔被覆あられと同様であり、金箔に代えて銀箔を使用して製造すればよいので、その説明を省略する。図11(b)は、同銀箔被覆あられ集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)であり、図11(b)から明らかなように、個々のあられも前述の金箔被覆グラニュー糖(実施例1)や金箔被覆米粒(実施例5)と同じようにあられの表面に銀箔が被覆され、集合体としても全体にムラがなく表面に銀箔が被覆されている様子が窺われる
このように各種の金属箔が表面に被覆された粒状食品は、食品飾りとして使用される。
図1は、図1は、実施例1ないし実施例3に係る金箔または銀箔被覆グラニュー糖粒の作り方を示す工程図である。 図2(a)は、本実施例1の金箔被覆グラニュー糖粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)であり、同図2(b)はその粒状態を示す拡大図であり、別途提出の金箔被覆グラニュー糖粒の拡大写真(50倍)を図面化したものである。この拡大写真は、石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)において、平成17年6月20日に撮影したものである。 図3は、図3は、本願発明の実施例2に係る銀箔被覆グラニュー糖集合(全体図)を撮影した写真である 図4は、図4は、赤色で着色した銀箔を被覆したグラニュー糖粒集合を示す写真である。 図5は、図5は、実施例4に係る金箔被覆食塩粒の作り方を示す工程図である。 図6は、図6(a)は、本実施例4に係る金箔を食塩に被覆させた金箔被覆食塩(集合)を示す写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成17年7月11日)であり、図6(b)は、同拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)を図面化したものである。 図7は、実施例5に係る金箔被覆米粒および実施例6に係る金箔被覆ごま粒の作り方を示す工程図である。 図8は、本実施例5の金箔被覆米粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)である。 図9は、本実施例6のゴマ粒に金箔を被覆した金箔被覆ゴマ粒集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)である。 図10は、実施例7に係る金箔被覆「あられ」および実施例8に係る銀箔被覆「あられ」の製造工程の概略を示す図である。 図11(a)は、本実施例7の金箔被覆あられ集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)であり、同図11(b)は、本実施例8の銀箔被覆あられ集合(全体図)の写真(撮影者:弁理士大滝均、撮影日:平成18年8月3日)である。 図12(a)、図12(b)は、比較例1で得られた金箔で被覆された中双糖粒および実験例1で得られた金箔で被覆された中双糖粒の拡大カラー写真(それぞれ25倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)を図面化したものである。 図13(a)は、比較例1の金箔で被覆されたグラニュー糖粒の拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)に基づいて図面化したものであり、同図13(b)は、同実験例2の金箔被覆グラニュー糖粒の拡大カラー写真(50倍)(撮影:石川県工業試験場(金沢市鞍月2丁目1番地:有田良児場長)、撮影日:平成17年6月20日)に基づいて図面化したものである。
符号の説明
12 被覆粒
20 被覆箔(金箔、銀箔)
30 下地

Claims (12)

  1. 所定の大きさのグラニュー糖粒または食塩粒の粒状食品の集合体を攪拌しながら所定量のアルコールまたは水を添加する第1の工程と、
    前記所定量のアルコールまたは水が添加された前記グラニュー糖粒または前記食塩粒の粒状食品の集合体を攪拌しながら予め所定の大きさに細断した金属箔を投入して混合する第2の工程と、により製造されることを特徴とする金属箔被覆粒状食品。
  2. 前記第1の工程において、所定量の食用着色剤を混入したアルコールまたは水を添加することを特徴とする請求項1に記載の金属箔被覆粒状食品。
  3. 前記所定量のアルコールまたは水の添加はアルコールまたは水を噴霧状態で添加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属箔被覆粒状食品。
  4. 前記食用着色剤は赤色3号であることを特徴とする請求項2に記載の金属箔被覆粒状食品。
  5. 前記第1の工程におけるアルコールまたは水は、前記グラニュー糖粒集合体10Kgに対し200ccのアルコール若しくは水であり、または100gの前記食塩粒集合体に対し1.0ccの水であることを特徴とする請求項1に記載の金属箔被覆粒状食品。
  6. 前記第2の工程における金属箔は、厚さ0.1μmの金箔または厚さ0.4μmの銀箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた切り廻しであり、10Kgの前記グラニュー糖粒集合体に対し、前記金箔または銀箔を400g、100gの前記食塩粒集合体に対し、5gの切り廻し箔であることを特徴とする請求項1に記載の金属箔被覆粒状食品。
  7. 米粒またはごま粒の集合体に粉末プルランの水溶液を噴霧する第3の工程と、
    噴霧された前記米粒または前記ごま粒の集合体を攪拌しながら予め所定の大きさに細断した金属箔切り回しを投入して混合する前記第4の工程と、により製造されることを特徴とする金属箔被覆粒状食品。
  8. 前記第3の工程における粉末プルランの水溶液は水500ccに対して粉末プルランを5g溶かして得られるものであることを特徴とする請求項7に記載の金属箔被覆粒状食品。
  9. 前記粉末プルランの水溶液に黄色4号の食用着色剤1gを加えたことを特徴とする請求項8に記載の金属箔被覆粒状食品。
  10. 前記第4の工程における金属箔切り回しは厚さ0.1μmの金箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた切り廻しであり、100gの前記米粒または前記ごま粒の集合体に対し、0.9gの切り廻し金属箔であることを特徴とする請求項7に記載の金属箔被覆粒状食品。
  11. 所定大の「あられ」の集合体に食用のシェラックを注ぎながら回転させ、該シェラックを前記「あられ」に浸透させる第5の工程と、
    前記「あられ」に浸透した前記シェラックが乾くまで前記「あられ」の集合体にさらに回転を続ける第6の工程と、
    前記シェラックが乾いた前記「あられ」にさらにシェラックを注ぐ第7の工程と、
    前記第7の工程の後に前記「あられ」に回転を加えながら予め所定の大きさに裁断した金属箔切り回しを投入する第8の工程と、により製造されることを特徴とする金属箔被覆粒状食品。
  12. 前記所定大の「あられ」は略3mm径であり、該「あられ」1kgに対し、前記第5の工程におけるシェラックは35cc、前記第7の工程におけるシェラックは15ccであり、前記第8の工程における金属箔切り回しは厚さ0.1μmの金箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を透過させた金箔切り廻しまたは厚さ0.4μmの銀箔を予め粉砕し3mm網または2mm網を通過させた銀箔切り回しであることを特徴とする請求項11に記載の金属箔被覆粒状食品。
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