JP2007088858A - 水晶振動子用パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

水晶振動子用パッケージおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気密端子と円筒状金属キャップを接合封止した水晶振動子用パッケージにおいて、水晶振動子のレーザトリミングを可能にするパッケージを提供する。
【解決手段】水晶振動子用パッケージは気密端子10と円筒状金属キャップ20からなり、気密端子10上に水晶片30を搭載配置して構成され、気密端子10は金属枠体12とリード導体14を透明ガラス16で封着したGTMS構造であり、円筒状金属キャップ20は金属板をプレス成型加工して所定の深さに形成し、Pbフリー接合手法により金属シェル12と金属キャップ20を重ね合わせて接合封止される。

【選択図】 図1

Description

本発明はガラス対金属封着構造(以下GTMSと呼ぶ)をベースに用いたパッケージ、特に、水晶振動子などの素子をパッケージの気密空間内に収容してパッケージ外部から監視やレーザトリミングを可能にする水晶振動子用パッケージおよびその製造方法に関する。
一般に水晶振動子を気密封着したパッケージ内に実装する水晶振動子用パッケージはセラミックベースとその上に接合されるキャップとを具備して構成される。このような構造において、ATカット水晶振動子の周波数調整は、ベースに水晶振動子を組み込んだ後、水晶振動子の周波数を測定しながらその励振電極を部分的に除去して周波数の粗調整を行い、さらにベースにキャップを接合した後、同じように周波数を測定しながら貫通孔を介して励振電極をイオンビームエッチングで微調整してパッケージを気密封着する(特許文献1参照)。このような周波数微調整に対して、パッケージのベース材を透過率の高いガラスで製造し、水晶振動子を銀ペーストで接着し片持ち支持状態で装着してキャップで密閉した水晶振動子用パッケージが提案され、パッケージ外部からのレーザビーム照射でパッケージ内部の水晶振動子の周波数調整を容易にすることが知られている(特許文献2参照)。一方、水晶振動子用パッケージとしては、上述するセラミックベースと金属キャップやガラスベースとセラミックキャップのほかに、一般のGTMS構造である気密端子と円筒型金属キャップが知られている(特許文献3参照)。
特開2002−76815号公報 特開2002−124845号公報 特開2003−152129号公報
ところで、特許文献1および2に示されるセラミックベースやガラスベースを用いたパッケージは端部からのガラス割れを回避することができないこと、ガラスと金属材料とを封止するのに低融点ガラスを使用しなければならずPbレス化が難しいことが課題として残されていた。また、通常の気密端子を使用した特許文献3タイプのパッケージは、水晶振動子の周波数調整を外部からのレーザトリミングで実施することができなかった。
したがって、本発明の目的は、上記欠点を解消するために提案されたものであり、Pbレス化のパッケージ構成部材の利用と共に、レーザ光が透過する透明ガラスを使用したガラス対金属封着構造の気密端子を利用した、新規かつ改良された水晶振動子用パッケージの提供にある。本発明の目的を達成するために、パッケージは透明ガラスの円筒型気密端子と円筒状金属キャップとからなり、両者間の接合封止にはAuSn等のPbフリー接合物質を介在するか、電子ビーム装置やシーム溶接装置を利用して接合する金属間の金属融解による接合封止をしてPbレス化を実現する。
本発明によれば、金属枠体とリード導体を透明ガラスにより封着した気密端子と、リード導体と接続して気密端子上に実装した水晶振動子と、金属枠体と金属融解または接合材の介在により接合封止した円筒状金属キャップとを具備した水晶振動子の収容気密空間を形成するパッケージであって、前記透明ガラスを透光し、前記金属キャップの内面で反射するレーザ光により前記水晶振動子の振動数を微調整可能にした水晶振動子用パッケージが提供される。ここで、上述する気密端子の金属枠体と金属キャップの接合封止は、金属枠体の外周側面と金属キャップの開口側内面を重ね合わせて圧入封止される。また、接合にはAuSn合金などのPbフリー接合材の使用、あるいは電子ビーム装置やシーム溶接装置を利用する金属融解の接合によるPbレス化の加工処理によることを開示する。したがって、本発明の水晶振動子用パッケージは、GTMSの強固な構造を活かした気密端子と、Pbレス化で加工処理が容易な円筒状金属キャップとを用い、気密端子の透明ガラスは透光性にして内部実装素子の監視やレーザトリミングをパッケージ外部から可能にする。
本発明の別の観点によれば、透明ガラスと金属枠体およびリード導体を封着した気密端子に、金属キャップを金属融解または接合材の介在により接合封止したパッケージが提供され、このパッケージの気密空間内で気密端子上に実装した素子部品を収容した水晶振動子用パッケージの製造方法が提案される。すなわち、金属シェル、リード導体およびガラス素材が選択された金属またはガラス材料からそれぞれの形状に加工成形する工程、加熱用治具を用いて金属シェル、リード導体およびガラス素材を所定位置に組立配置する工程、ガラス素材を溶融状態に加熱して金属シェルとリード導体とを一体に封着する工程、封着後のガラス素材をエッチングまたは研磨したり脱泡したりして透過率を高める加熱処理する工程、板金加工により円筒状金属キャップを用意し、その内面反射率を高める鏡面仕上げする工程、およびこの内面を鏡面仕上げした円筒状金属キャップと、加熱処理によりガラス素材を透明化した気密端子の金属シェルを接合封止する工程を含み、封止工程は直接金属融解する電子ビームかシーム溶接、あるいは接合材の介在による接合封止とした水晶振動子用パッケージの製造方法が開示される。これに加えて、パッケージの空間内で気密端子上に実装した水晶片振動子の振動数を微調整するために、パッケージ外部からレーザ光を照射し、気密端子の透明ガラスを透過させ、かつ円筒状金属キャップの内面で反射させて水晶振動子の所定部分をトリミングする工程を含む水晶振動子用パッケージの製造方法が提案される。
本発明の水晶振動子用パッケージは、円形状気密端子と円筒状金属キャップの組合せ構成で高い気密性と信頼性を有し、気密端子に透明ガラスを用いてパッケージ内部の外部からの観察監視や、レーザ光を利用する水晶振動子のトリミング調整を可能にする。一方、リード導体を有する透明ガラスが金属枠体と封着されるので透明ガラスは金属枠体で補強されて機械的強度が高く、ガラス材のクラックや損傷破損事故が減少し、実用上の不具合を伴わない。また、水晶振動子用パッケージの製造方法において、GTMS構造の気密端子を利用するので機械的強度の強化に加え、組立後の再調整を可能にして不良率を大幅に低減でき、かつ動作精度の向上が図れ、量産化と低コスト化に寄与する。それゆえ、本発明の水晶振動子用パッケージは、従来のパッケージに比べて、ガラス端部からのガラス割れが回避され、Pbレス化が可能となり、パッケージ内部に対して外部からの観察監視やレーザトリミングを可能にする。
本発明による実施の形態は、軟化・溶融状態にしたガラス素材にリード導体と金属シェルとを封着してガラス素材を透明化処理したパッケージが作製される。すなわち、金属枠体とリード導体を透明ガラスで封着した気密端子と、円筒状金属キャップとをPbレス化手法で接合封止したパッケージであって、このパッケージ空間内に素子部品の水晶片を実装する水晶振動子用パッケージである。Pbレス化手法の接合封止にはPbフリーの接合材を介して封止する場合と、電子ビーム装置やシーム溶接装置を利用する金属融解により接合封止する場合とがある。ここで、前述の透明ガラスはレーザ光を透過するようにアニール加熱やエッチングや研磨処理が利用されるほか、気密端子と金属キャップの封止構造は、気密端子の金属枠体の外周側面に円筒状金属キャップの内面を重ね合わせて圧入封止する。具体的にPbフリー接合材の介在で接合封止するには、AuSn合金などのPbフリー接合材が使用され、また、電子ビーム装置やシーム溶接装置を利用する金属融解接合によるPbレス化の接合封止法が適用される。
以下、本発明に係る実施例について図面を参照しつつ詳述する。本発明の水晶振動子用パッケージは、図1(a)ないし(c)の各断面図に示すように、気密端子10と金属キャップ20からなり、気密端子10上に素子部品の水晶振動子30を搭載配置して構成される。気密端子10は、円形状金属シェルの金属枠体12に一対のリード導体14を有する透明ガラス16を封着したガラス対金属封着構造である。気密端子10は周知の方法で予め加熱用組立治具に金属シェルとリード導体と共にガラスタブレットのガラス素材を組み込んで準備される。組立治具は加熱炉を通炉することにより加熱され、軟化・溶融したガラス素材が金属シェルやリード導体と共に封着される。封着後、ガラス素材はエッチングや研磨、またはアニールによる加熱処理で脱泡され、波長500〜1200nm領域の電磁波に対して透過率70%以上の透明ガラス16に加工処理される。その結果、円形状金属枠体12により取り囲まれる内部に貫通する一対のリード導体14を有する透明ガラス16で封着した気密端子10が形成される。一対のリード導体14はAgエポキシの導電性接着剤18を介して水晶振動子30が電気的接続状態で搭載される。パッケージを構成するために、円筒状金属キャップ20が金属板のプレス加工で所定深さの筒体状に形成され、その開口下端側内面部分が気密端子10の金属枠12と対接する接合部分22として設けられる。パッケージは、水晶振動子30を搭載した気密端子10の金属枠体12の外周側面に、あらかじめ内面を反射率70%以上に鏡面仕上げした円筒状金属キャップ20が、その接合部分22をPbフリー接合材(図示せず)により気密的に接合封止される。すなわち、気密端子10の金属枠体12と円筒状金属キャップ20の接合部分22との間にPbフリーはんだ合金であるAuSn接合材を介在して重ね合わされ加熱により接合封止する。この接合封止は、電子ビーム装置やシーム溶接装置を利用する金属融解によるろう付け方法でも可能であり、いずれの場合でもPbレス化の加工処理となる。完成したパッケージは透明ガラス16がレーザ光を透過させ、かつ円筒状金属キャップ20の内面でレーザ光を反射させるので、パッケージ内部に実装した水晶振動子30はパッケージ外部からの監視とレーザトリミングを可能にする。
図2は水晶振動子用パッケージにレーザ光を照射して水晶振動子30をトリミングにより振動数の微調整をする状態を示す概略図である。図2において、レーザ光Rはレーザ光源から直進して気密端子10の透明ガラス10を透過して円筒状金属キャップ20の鏡面化した内面で反射し、その反射光が水晶振動子30の所定位置に到達する。レーザ光Rの照射方向は発光源を制御することで変えられ、それにより所望するレーザトリミングが行われて水晶振動子の振動数が調整される。
本発明の実施例を示す水晶振動子用パッケージの要部概略を示し、(a)は中央横断面図、(b)は正面側の縦断面図、および(c)側面側の縦断面図である。 図1の水晶振動子用パッケージに対するレーザトリミングを適用する場合の要部概要図である。
符号の説明
10…気密端子、 12…金属枠体(金属シェル)、
14…リード導体(リード)、 16…透明ガラス、 18…導電性接着剤(Agエポキシ)、
20…円筒状金属キャップ、 22…接合部分、 30…水晶振動子、 R…レーザ光

Claims (4)

  1. 金属枠体とリード導体を透明ガラスにより封着した気密端子と、前記リード導体と接続して前記気密端子上に実装した水晶振動子と、前記金属枠体と金属融解または接合材の介在により接合封止して前記水晶振動子の収容気密空間を形成する円筒状金属キャップとを具備したパッケージであって、前記透明ガラスを透光し、前記金属キャップの内面で反射するレーザ光により前記水晶振動子の振動数を微調整可能にした水晶振動子用パッケージ。
  2. 前記金属枠体と前記金属キャップの接合封止は、前記金属枠体の外周側面と前記金属キャップの開口側内面を重ね合わせて圧入封止したことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子用パッケージ。
  3. 前記金属枠体と前記金属キャップの接合封止は、金属めっき層を介在して、ろう付け封止したことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子用パッケージ。
  4. 予め選定された金属材とガラス材を使用して金属シェル、リードおよびガラス素材を所定形状に加工成形する工程、加熱用組立治具に成形した金属シェル、リードおよびガラス素材を所定位置に組立配置する工程、前記ガラス素材を軟化・溶融状態に加熱して前記金属シェルと前記リードとを一体封着する工程、封着後のガラス素材に所定の透過率を付与するために加熱処理する工程、前記金属シェルに接合する金属キャップを用意してその内面を鏡面仕上げする工程、および前記気密端子と前記金属キャップとを金属融解または接合材を介在して接合封止する工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子用パッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009182932A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Nec Schott Components Corp 電子素子用円筒型パッケージおよびその製造方法

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