JP2007088213A - 半導体薄膜素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 層の厚みが薄く、貫通転位密度が十分小さく、かつ、Si(001)基板の面内の格子定数に対してバッファ最上層の面内の格子定数が大きく、かつ、ドーパント濃度の高いSi(001)基板にも対応できるSi1−yGey層を含む半導体薄膜素子を提供する
【解決手段】 Si基板上に、歪緩和層を有するSi1-yGey層を含む複数の層を積層する半導体薄膜素子において、前記Si1-yGey層が、Ge組成が0.21以下であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層と、前記第1の層の上部に積層され、Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、Si基板上にSi1−yGey層を含む歪緩和した層からなる半導体歪緩和層に関する。
Si層は、成長面方向に引張り歪をもっていると、歪をもっていない場合と比較して、成長面方向に走る電子の速度が速くなる。そこで、成長面方向に引張り歪をもったSi層が高速素子の材料として用いられている。ゲート酸化膜の下の電子の走行層であるSi層が走行層方向に引張り歪をもったMOS(Metal Oxide Semiconductor、金属酸化物半導体)は、歪MOSと呼ばれ、高速素子の1つとして開発が進められている。
SiとGeから成りGeを100y%混ぜた混晶半導体Si1−yGeyの格子定数(原子間隔に対応)は、yが増えるほど格子定数が大きくなる。但し、ここで、yは0および1を含む0から1の間の値で、yが0のときはSi単体を、yが1のときはGe単体を指している。自由空間にあるSi1−yGey半導体は、横方向も縦方向も格子定数が同じである。これを立方晶構造と言う。Siの格子定数をa(Si)とすると、Si1−yGeyの格子定数a(Si1−yGey)は、
(1+0.0417y)a(Si)
の式に従って増加する。
また、Si1−yGey半導体の横方向を広げる(この伸びを引張り歪と言う)と縦方向は縮む(この縮みを圧縮歪と言う)。逆に、横方向を縮めると縦方向は伸びる。このように、縦方向と横方向の原子間隔、つまり格子定数が外力で変化した場合の構造を正方晶構造と言う。
(1+0.0417y)a(Si)
の式に従って増加する。
また、Si1−yGey半導体の横方向を広げる(この伸びを引張り歪と言う)と縦方向は縮む(この縮みを圧縮歪と言う)。逆に、横方向を縮めると縦方向は伸びる。このように、縦方向と横方向の原子間隔、つまり格子定数が外力で変化した場合の構造を正方晶構造と言う。
格子定数の大きな厚い立方晶のSi1−yGey層の上に薄いSi層を積層すると、厚い立方晶のSi1−yGey層の格子定数は変化せずに、薄いSi層の格子定数が変化するように積層できる。すなわち、薄いSi層は成長面(面内)方向で伸び、成長面に垂直な方向で縮む。すなわち成長面方向で引張り歪を生じ、Si層は正方晶構造と成る。このようなSi層は、電子の走行層方向に引張り歪をもったSi層として用いられる。
格子定数の大きなSi1−yGey層は、通常表面に(001)面をもつSi(001)基板上に形成する。Si(001)基板は立方晶で格子定数は変化しない。通常、Si1−yGey層が薄い場合は、Si1−yGey層の面内の格子定数(原子間隔)はSi(001)基板の面内の格子定数(原子間隔)と一致するため、薄いSi1−yGey層は広がらず面内方向に縮んだ正方晶構造となる。
しかし、Si1−yGey層を厚くして行くと、Si(001)基板と、広がろうとするSi1−yGey層の界面の応力が大きくなり、界面の結合が切断して、Si(001)基板上に、格子定数の大きな、理想的には歪のない立方晶のSi1−yGey層が形成される。これは歪を緩和したと言う意味で歪緩和層と呼ぶ。Si1−yGey層が立方晶となれば、歪が全くないことに対応するので、完全歪緩和層と呼ばれる。完全歪緩和層の歪緩和率は100%となる。
しかし、Si1−yGey層を厚くして行くと、Si(001)基板と、広がろうとするSi1−yGey層の界面の応力が大きくなり、界面の結合が切断して、Si(001)基板上に、格子定数の大きな、理想的には歪のない立方晶のSi1−yGey層が形成される。これは歪を緩和したと言う意味で歪緩和層と呼ぶ。Si1−yGey層が立方晶となれば、歪が全くないことに対応するので、完全歪緩和層と呼ばれる。完全歪緩和層の歪緩和率は100%となる。
Si1−yGey層の面内の格子定数(原子間隔)がSi(001)基板の面内の格子定数(原子間隔)と一致しているときは、歪緩和率は0%である。すなわち歪緩和はない。歪が若干でも解放(緩和)されれば(歪緩和率が100%未満)、Si1−yGey層の面内の格子定数(原子間隔)はSi(001)基板の面内の格子定数(原子間隔)より大きくなることになる。Si1−yGey層の面内の格子定数がSi(001)基板の面内の格子定数より大きい場合、このSi1−yGey層の上に薄いSi層をさらに形成すると、このSi層が薄いため、薄いSi層の面内の格子定数(原子間隔)がSi1−yGey層の面内の格子定数(原子間隔)と一致する。そして薄いSi層は、面内方向で引張り歪(伸び)を生じるので、電子走行層として用いられる。
しかし、Si(001)基板上に厚くSi1−yGey層を形成し、基板とSi1−yGey層界面の結合を切断して基板上に歪緩和したSi1−yGey層を形成すると、切断によって生じる結晶欠陥(不整合転位)が上層に伝播し、歪緩和層表面に結晶欠陥として表出する(貫通転位)ため、歪緩和層の上部に形成する層の結晶性を悪化し、電子走行特性を悪化する。
Si(001)基板上に単一のSi1−yGey層で歪緩和を行おうとすると、貫通転位が表面に1012/cm2の密度で発生する。この歪緩和層を歪緩和バッファまたはバッファと呼ぶ。バッファ上層に形成する電子走行層の走行特性を悪化させないためには、バッファ表面の貫通転位密度を105/cm2程度以下にする必要がある。
そこで組成傾斜型バッファが提案された。Si(001)基板上に積層するSi1−yGey層において、Geの組成yを1ミクロンメートル当たり0.1変化させる。例えば、y=0.3にするためには、yを徐々に変化させながら3ミクロンメートル積層する。この組成傾斜型バッファでは、不整合転位が次第に成長層の断面方向に曲がって伝播していくため、バッファ表面に表出する貫通転位密度が106/cm2程度に減少する。しかし、この貫通転位密度をさらに下げる必要がある。また、ミクロン単位でSi1−yGey層を成長すると、成膜時間が長く、成膜のための全体のエネルギー供給量が大きくなるという問題が生じる。
そこで、バッファの厚みが薄く、貫通転位密度をさらに減少した2層構成の歪緩和バッファ(2層バッファ)を提案しているものもある(非特許文献1)。この歪緩和バッファは、Si(001)基板上の120nmのSi0.82Ge0.18層とその上の50nmのSi0.75Ge0.25層から構成される。この場合、Si0.82Ge0.18層は200nm程度まで正方晶で歪をもって成長し、歪は全く緩和されない。従って、この段階でSi(001)基板とSi0.82Ge0.18層界面に不整合転位が発生せずSi0.82Ge0.18表面に貫通転位が発生しない。しかし、その上部に50nmの、Ge組成がより高いSi0.75Ge0.25層を形成すると、Si(001)基板とSi0.82Ge0.18層との界面の応力が大きくなり、この界面に不整合転位が生じて歪がある割合解放される。しかし、この不整合転位の伝播が多くの場合Si0.75Ge0.25層の前で止まる。よって、Si0.75Ge0.25層表面、すなわちこの2層バッファ表面の貫通転位の表出が5×105/cm2程度と少なくなる。
2層バッファの場合、バッファ表面の面内方向の格子定数を大きくしようとすると、2層目のGeの組成を大きくする必要がある。しかし、Si基板と1層目の不整合転位を減らして、結果的に貫通転位密度を下げようとすると、1層目のGeの組成を下げる必要がある。このため、1層目と2層目の本来の立方晶の格子定数の差が大きくなり、2層目を成膜した際に1層目と2層目の間に不整合転位が発生して、その転位が2層目を貫通して、逆に、バッファ表面に表出する貫通転位の密度が増加してしまう。
そこで、Ge組成が比較的高く極薄である5nm〜8nm厚のSi0.75Ge0.25層と5nmの極薄のSi層を、前記2層バッファの下に挿入したSi挿入4層バッファを提案したものもある(非特許文献1)。この構成は、Si0.75Ge0.25層が極薄のため歪緩和しない。しかし、Si(001)基板のすぐ上層に、前記2層バッファにおけるSi0.88Ge0.12層に代えて、より格子定数が大きいSi0.75Ge0.25層を挿入している。そのため、最上層のSi0.75Ge0.25層を形成したとき、前記2層バッファより、不整合転位が発生し易くなり、歪緩和率が増大する。表出した貫通転位の密度は、3×105/cm2程度であった。
H.Maekawa, M.Shoji, Y.Suda,"Material Science in Semiconductor Processing", 2005, 8巻、p.417−421
バッファ上層の結晶性を向上し、十分な電気的特性を得るためには、2層、Si挿入4層バッファとも貫通転位密度の低減がさらに必要である。一方、電子走行特性を向上するためには、歪緩和バッファの表面の歪緩和率が大きくバッファの表面の面内の格子定数がSi基板面内の格子定数より大きいほど、バッファ上層の薄いSi層の面内の引張り歪も大きくなり好ましい。しかし、不整合転位が発生するため、歪緩和率の向上と貫通転位密度の低減との両立が課題となっている。
また、2層バッファ、Si挿入4層バッファにおいても、Si(001)基板に高い濃度のP(リン)などのドーパント原子が含まれ、ポテンシャル的に見たSi基板の一様性が減少すると、Si基板とバッファとの界面との不整合転位が増加し、貫通転位密度が増加する傾向にあった。
そこで、本発明は、層の厚みが薄く、貫通転位密度が十分小さく、かつ、Si(001)基板の面内の格子定数に対してバッファ最上層の面内の格子定数が大きく、かつ、ドーパント濃度の高いSi(001)基板にも対応できるSi1−yGey層を含む半導体薄膜素子を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、請求項1記載の半導体薄膜素子は、Si基板上に、歪緩和層を有するSi1-yGey層を含む複数の層を積層する半導体薄膜素子において、前記Si1-yGey層が、Ge組成が0.22未満であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層と、前記第1の層の上部に積層され、Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体薄膜素子において、前記Si1-yGey層がアニールされることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の半導体薄膜素子において、前記Si1-yGey層の上部にSi層を積層し、アニールされることを特徴とする。
請求項4記載の半導体薄膜素子製造方法は、Si基板上に、歪緩和層を有するSi1-yGey層を含む複数の層を積層する半導体薄膜素子製造方法において、前記Si1-yGey層が、Ge組成が0.22未満であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層を積層するステップと、Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも1層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層を前記第1の層の上部に積層するステップとを有することを特徴とする。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、歪緩和層を有するSi1-yGey層が、Ge組成が0.22未満であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層と、前記第1の層の上部に積層され、Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層とを有する。よって、Si基板と第1の層との間、第1の層と第2の層との間というように応力を複数の界面に分散して形成することができる。
上部の第2の層は下部の第1の層で発生した応力を高めて、下部界面を切断して不整合を発生し歪緩和を起こす駆動力を与えている。また、応力を下部の複数の界面に分散して、不整合転位の発生を複数の界面に分散することもでき、その場合分散した歪緩和効果を合計して、バッファの表面の面内方向の格子定数を大きくできる。したがって、ドーパント濃度の高いSi基板など、ポテンシャルのゆらぎ(不均一性)が大きくて、不整合転位が発生しやすい場合でも、バッファ表面の面内方向の格子定数を大きくしながらバッファ表面の貫通転位密度を低減できる。
また、第1の層のGeの組成比が0.22未満であれば、不整合転位が生じにくく、貫通転位の表出を抑えることができる。
上部の第2の層は下部の第1の層で発生した応力を高めて、下部界面を切断して不整合を発生し歪緩和を起こす駆動力を与えている。また、応力を下部の複数の界面に分散して、不整合転位の発生を複数の界面に分散することもでき、その場合分散した歪緩和効果を合計して、バッファの表面の面内方向の格子定数を大きくできる。したがって、ドーパント濃度の高いSi基板など、ポテンシャルのゆらぎ(不均一性)が大きくて、不整合転位が発生しやすい場合でも、バッファ表面の面内方向の格子定数を大きくしながらバッファ表面の貫通転位密度を低減できる。
また、第1の層のGeの組成比が0.22未満であれば、不整合転位が生じにくく、貫通転位の表出を抑えることができる。
また、請求項2記載の本発明によれば、Si1-yGey層全体をアニールすることで、下部Si1-yGey層の歪緩和をさらに進行できる。
また、請求項3記載の本発明によれば、アニールによって下部Si1-yGey層の歪緩和が進行した際に、Si1-yGey層表面に伝播する貫通転位が新たに発生した場合でもSi直下でその転位の伝播を停止して、表面の貫通転位密度の増加を抑えることができる。
Si1−yGey層を含む歪緩和層が上部と下部の2部構造で構成される。下部はGe組成が0.22未満であってかつGe組成の異なる2層以上のSiとGeの混晶層で構成する。例えば、Si(001)基板上に下部構造として第1層目にSi0.88Ge0.12、第2層目にSi0.82Ge0.18を形成する。下部の厚みは2層構成の場合250nm以下程度である。下部構造の層のGeの組成比が0.22以上になると、下部構造形成時に不整合転位が生じやすくなり、上部を形成する前に、貫通転位が表面に現れる。貫通転位が表面に存在している場合は、その上部に層を形成しても、転位が次々に伝播に抑制にならない。上部の層を構成して後に下部に不整合転位が活性するようにすれば、転位の伝播が上部層直下で停止する。
上部はGe組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、または0.22以上であってかつGe組成の異なる2層以上のSiとGeの混晶層で構成される。例えば、3層目(上部1層目)としてSi0.75Ge0.25を、4層目(上部2層目)としてSi0.70Ge0.30を用いる。通常、上部層が成長する過程で、下部が歪緩和する。下部の歪緩和によって、上部の層の面内の格子定数が広がる。3層目形成時に歪緩和するが、転位の伝播を3層目直下で止めるため3層目表面の貫通転位は少ない。したがって、結晶性の高い表面に4層目が積層されるので、4層目にも貫通転位は表出しない。このようにして、上部は下部に不整合転位を発生させるが、上部に貫通転位を導入させないように働く。
また、アニールを施せば、前記の状態でアニールされるので、下部の不整合転位の発生は増加するが、上部の貫通転位は増加しない。バッファの最上層にSiを形成すれば、アニール時に転位が新たに伝播してもSi直下で止めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1に示す3層バッファ部を持つ半導体薄膜素子100での貫通転位密度を測定した。Si(001)基板11上に下部構造として厚さ100nmのSi0.88Ge0.12層12および30nmのSi0.82Ge0.18層13、上部構造として厚さ80nmのSi0.75Ge0.25層14を積層して構成した(バッファD)。最上層の格子のSi基板に対する伸び率は0.49%であった。貫通転位密度は1×105/cm2以下を達成した。これを、従来の単1層バッファ(バッファA)、2層バッファ(バッファB)、Si挿入4層バッファ(バッファC)の特性と比較した(表1)。バッファAの格子の伸び率は0.24%、貫通転位密度は3×108/cm2。バッファBの格子の伸び率は0.35%、貫通転位密度は5×105/cm2、バッファCの格子の伸び率は0.45%、貫通転位密度は3×105/cm2であった。本発明によるバッファDは、従来のバッファより、最上層の面内の格子の伸び率が大きく、貫通転位密度が低減した。
まず、図1に示す3層バッファ部を持つ半導体薄膜素子100での貫通転位密度を測定した。Si(001)基板11上に下部構造として厚さ100nmのSi0.88Ge0.12層12および30nmのSi0.82Ge0.18層13、上部構造として厚さ80nmのSi0.75Ge0.25層14を積層して構成した(バッファD)。最上層の格子のSi基板に対する伸び率は0.49%であった。貫通転位密度は1×105/cm2以下を達成した。これを、従来の単1層バッファ(バッファA)、2層バッファ(バッファB)、Si挿入4層バッファ(バッファC)の特性と比較した(表1)。バッファAの格子の伸び率は0.24%、貫通転位密度は3×108/cm2。バッファBの格子の伸び率は0.35%、貫通転位密度は5×105/cm2、バッファCの格子の伸び率は0.45%、貫通転位密度は3×105/cm2であった。本発明によるバッファDは、従来のバッファより、最上層の面内の格子の伸び率が大きく、貫通転位密度が低減した。
また、Pが高い濃度で混入しているSi(001)基板上に形成した場合、従来のバッファA、バッファB、バッファCでは貫通転位密度が増加したが、本発明によるバッファDでは変化しなかった。
次に、図2に示す4層バッファ部を持つ半導体薄膜素子200で貫通転位密度を測定した。Si(001)基板21上に下部構造として厚さ100nmのSi0.88Ge0.12層22および30nmのSi0.82Ge0.18層23、上部構造として厚さ80nmのSi0.75Ge0.25層24および30nmのSi0.70Ge0.30層25を積層して構成した(バッファE)。最上層の格子のSi基板に対する伸び率は0.63%であった。貫通転位密度は1×105/cm2以下を達成した。表1より、格子の伸び率はバッファA,B,C,Dのいづれよりも高く、上部駆動層を2層にした効果が現れている。しかし、貫通転位密度は低いままであった。
また、Pが高い濃度で混入しているSi(001)基板上に形成した場合、本発明によるバッファEでは貫通転位密度は変化しなかった。
また、Pが高い濃度で混入しているSi(001)基板上に形成した場合、本発明によるバッファEでは貫通転位密度は変化しなかった。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、本発明による歪緩和バッファは、上記実施形態に限定されることなく、下部2層上部1層、下部3層上部1層、下部2層上部2層など様々な構成をとることができる。
100、200 半導体薄膜素子
11、21 Si(001)基板
12、22 厚さ100nmのSi0.88Ge0.12層
13、23 厚さ30nmのSi0.82Ge0.18層
14、24 厚さ80nmのSi0.75Ge0.25層
25 厚さ30nmのSi0.70Ge0.30層
11、21 Si(001)基板
12、22 厚さ100nmのSi0.88Ge0.12層
13、23 厚さ30nmのSi0.82Ge0.18層
14、24 厚さ80nmのSi0.75Ge0.25層
25 厚さ30nmのSi0.70Ge0.30層
Claims (4)
- Si基板上に、歪緩和層を有するSi1-yGey層を含む複数の層を積層する半導体薄膜素子において、
前記Si1-yGey層が、
Ge組成が0.22未満であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層と、
前記第1の層の上部に積層され、Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層とを有する
ことを特徴とする半導体薄膜素子。 - 前記Si1-yGey層がアニールされることを特徴とする請求項1記載の半導体薄膜素子。
- 前記Si1-yGey層の上部にSi層を積層し、アニールされることを特徴とする請求項1または2記載の半導体薄膜素子。
- Si基板上に、歪緩和層を有するSi1-yGey層を含む複数の層を積層する半導体薄膜素子製造方法において、
前記Si1-yGey層が、
Ge組成が0.22未満であり、かつGe組成の異なる少なくとも2層以上のSiとGeの混晶層で構成される第1の層を積層するステップと、
Ge組成が0.22以上である1層のSiとGeの混晶層、またはGe組成が0.22以上であり、かつGe組成の異なる少なくとも1層以上のSiとGeの混晶層で構成される第2の層を前記第1の層の上部に積層するステップと
を有することを特徴とする半導体薄膜素子製造方法。
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