JP2007086386A - クリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式で採用される、残留トナーを除去するクリーニング装置等に関し、残留トナーのクリーニング性が長期にわたって良好に維持され、さらに放電生成物も画質上問題にならない程度にしっかりと除去することができる小型で低コストなクリーニング装置等を提供する。
【解決手段】像担持体10の表面110から先端を浮かせた状態で像担持体10側に位置する面75aが表面110に接触した板状部材75と、像担持体10の、板状部材75よりも像担持体循環移動方向下流側の表面110に残留している残留トナーを静電的に引きつける所定極性のバイアスが印加される被印加部712を有し、残留トナーをそのバイアスの作用によって被印加部712に静電的に吸着させるクリーニング手段71とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式で採用される、残留トナーを除去するクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式では、中心軸の周りを所定方向に回転する感光体の表面を帯電器によって帯電し帯電後の感光体表面に露光光を照射することにより感光体表面に静電潜像を形成しその静電潜像を現像器によってトナーで現像して感光体表面にトナー像を形成するトナー像形成サイクルによって感光体表面に形成されたトナー像を、所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する。
感光体の、所定の被転写面に転写を終えた表面には、未転写のトナーや外添剤、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留するため、これらを次のトナー像形成サイクルに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
トナー等の残留物を除去するクリーニング方式としては、感光体の中心軸に平行に延びる板状の弾性クリーニングブレード等を用いて残留物を機械的に掻き取る方式や、導電性部材に残留トナーを静電的に引きつける極性(例えばトナーの帯電極性とは逆極性)のバイアスを印加しその導電性部材に残留物を静電的に吸着させる方式等が提案されているが、感光体に弾性クリーニングブレードの先端エッジ部を圧接させて残留物を機械的に掻き取るブレード方式が装置の小型化に適し低コストでもあることから広く用いられる傾向にある。
ところが、このブレード方式では、クリーニングブレードの先端エッジ部を感光体表面に押し付ける方式であるため、クリーニングを長期間行うと、先端エッジ部の摩耗や欠けなどのダメージ劣化や、感光体表面に傷が生じる。特に、高画質化の要求から、小径で真球に近い形状のトナー粒子が用いられるようになってきた昨今においては、トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けやすく、先端エッジ部の、感光体表面への接触圧を今まで以上に高めなくてはならず、先端エッジ部のダメージ劣化や感光体表面が傷つくという問題がより顕著になってきている。さらに、このブレード方式では、感光体表面とクリーニングブレードの先端エッジ部との間を、粒径の小さなトナー粒子やトナー粒子に外添された外添剤粒子がすり抜けることで潤滑剤の代わりとなるが、特に、高速機においてトナーが存在しない非画像部分を含む画像の形成が連続して大量に行われた場合には、先端エッジ部の、非画像部分であった感光体表面を掻き取る部位には、トナー粒子や外添剤粒子が供給されないため、潤滑が阻害され先端エッジ部のダメージ劣化が著しく進み、クリーニング性能の低下を招く。
一方、導電性部材に残留トナーを静電的に吸着させる静電方式では、その導電性部材を感光体表面に接触させる場合であっても、接触圧はブレード方式に比べて弱くてすみ、このためクリーニング性能の経時劣化が少なく、特に高速機においては、静電方式はブレード方式に対して有利である。また、この静電方式は、静電的な力を利用するため、単に機械的な掻き取りを行うブレード方式に比べて、小径で真球に近い形状のトナー粒子のクリーニング性についても有利である。
ところで、感光体の、所定の被転写面に転写を終えた表面は放電履歴を受けており、その表面には両極性の残留トナーが存在している。そこで、感光体回転方向に2つの導電性部材を並べ、一方の導電性部材に正極性のバイアスを印加して負極に帯電した残留トナーを静電的に吸着させ、もう一方の導電性部材に負極性のバイアスを印加して正極に帯電した残留トナーを静電的に吸着させる技術や(例えば、特許文献1等参照)、導電性部材よりも感光体回転方向上流側にクリーニング前帯電器を設け、そのクリーニング前帯電器によって残留トナーの極性を一方の極性に揃える技術(例えば、特許文献2等参照)が提案されている。
特開2004−198628号公報 特開平3−181984号公報
しかしながら、特許文献1に記載された2つの導電性部材を設けると、装置の小型化が妨げられてしまうばかりか、両極性それぞれの電源が必要になることから装置の低コスト化も妨げられてしまう。また、特許文献2に記載されたクリーニング前帯電器を設けると、感光体への放電ストレスが増大し感光体劣化を早めてしまうといった不具合がある。
また、帯電の際に生じた放電生成物は、導電性部材に静電的に吸着せず、静電方式による除去は困難である。感光体表面に残った放電生成物が吸湿すると画像流れ等の画質欠陥が引き起こされてしまうため、放電生成物も画質上問題にならない程度にしっかりと除去しなくてはならない。
本発明は上記事情に鑑み、残留トナーのクリーニング性が長期にわたって良好に維持され、さらに放電生成物も画質上問題にならない程度にしっかりと除去することができる小型で低コストなクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明のクリーニング装置は、トナー像を表面に担持して中心軸の周りを循環移動することで、そのトナー像を被転写面に転写する転写領域までそのトナー像を搬送する像担持体の、その被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング装置において、
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面から垂直に立ち上がる垂線に対してその像担持体循環移動方向上流側若しくは下流側に傾いた姿勢で配備され、その表面から先端を浮かせた状態でその像担持体側に位置する面がその表面に接触した板状部材と、
上記像担持体の、上記板状部材よりもその像担持体循環移動方向下流側の表面に残留している残留トナーを静電的に引きつける所定極性のバイアスが印加される被印加部を有し、その残留トナーをそのバイアスの作用によってその被印加部に静電的に吸着させるクリーニング手段とを備えたことを特徴とする。
ここにいう像担持体とは、一様に帯電された後に露光を受け静電潜像が形成される感光体であってもよいし、その感光体からトナー像が1次転写され1次転写されたトナー像を記録媒体へ2次転写する中間転写体であってもよい。すなわち、本発明のクリーニング装置は、感光体表面のクリーニング装置としても、中間転写体表面のクリーニング装置としても適用することができる。
本発明のクリーニング装置には、残留トナーのクリーニング性を長期にわたって良好に維持することができるいわゆる静電方式が採用されている。また、このクリーニング装置では、上記板状部材は先端が上記像担持体表面から浮いた状態にあるため、長期間使用してもその先端が像担持体表面との摺擦によって磨耗したり欠けたりすることがない。残留トナーは、この板状部材の、上記像担持体表面に接触したニップ部によって堰き止められ、そのニップ部の手前に滞留する。滞留している残留トナーは、攪拌され、やがてそのニップ部をすり抜けて行く。感光体表面に付着した放電生成物は、ニップ部をすり抜けて行く残留トナーによって像担持体表面から掻き取られる。また、残留トナーは、板状部材をすり抜ける際の摩擦によって帯電され、上記クリーニング手段に到達した残留トナーの極性は、トナーの帯電極性に揃えられている。このため、残留トナーは、上記クリーニング手段の被印加部に静電的にとりこぼしなく吸着し、像担持体表面から除去される。したがって、本発明のクリーニング装置によれば、負極性のバイアスが印加されるクリーニング手段やクリーニング前帯電器を配備することなく残留トナーのクリーニング性が長期にわたって良好に維持されるため、装置のコストが抑えられ、装置を小型にすることもできる。
ここで、上記クリーニング手段は、残留トナーを静電的作用によって除去するものであれば得に限定されるものではないが、たとえば、上記被印加部として上記中心軸に平行な回転軸から放射状に延び上記所定極性のバイアスが印加される毛を有し、その回転軸を中心にして回転しながらそのバイアスの作用によってその毛に静電的に上記残留トナーを吸着させるクリーニングブラシであってもよく、さらには、上記毛が、ナイロン、アクリル、ポリオレフィンおよびポリエステルから選ばれた導電性繊維からなるものであってもよい。
また、上記板状部材は、材質的な点から何ら限定されるものではないが、例えば、ウレタンゴムやシリコーンゴム等の弾性ゴムからなるものであってもよい。
さらに、本発明のクリーニング装置において、上記像担持体表面に付着した付着物を、上記板状部材よりもその像担持体の循環移動方向上流側で掻き取る掻き取り部材を備えた態様であることが好ましい。
静電潜像を担持する像担持体(感光体)であれば、静電潜像を形成する際の帯電において生じた放電生成物が像担持体表面に付着しており、1次転写されたトナー像を担持して記録媒体へ2次転写する像担持体(中間転写体)であれば、記録媒体への2次転写の際に剥離放電が生じ、その結果、放電生成物が像担持体表面に付着するが、この態様によれば、上記像担持体表面に付着した放電生成物が像担持体表面からよりしっかりと除去される。
ここで、上記掻き取り部材が、上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接した、太さが10μm以下の複数の繊維を有するものであってもよい。
こうすることで、上記複数の繊維によって残留トナーが上記像担持体表面から捕捉されて繊維と繊維の間に保持され、残留トナーを保持した繊維と像担持体表面との摺擦によって像担持体表面に付着した放電生成物が除去される。しかも、太さが10μm以下の複数の繊維を用いたことにより、上記掻き取り部材の、上記像担持体表面に接した面がポーラス状になり、残留トナーが上記中心軸の延在方向に均一に保持され、像担持体表面から、放電生成物が像担持体の中心軸の延在方向に均一に除去される。加えて、上記掻き取り部材が、上記像担持体表面の循環移動方向に1.5mm以上の幅をもったものであることがより好ましい。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、中心軸の周りを所定方向に回転する感光体の表面を帯電し帯電後の感光体表面に露光光を照射することによりその感光体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーで現像してその感光体表面にトナー像を得、そのトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記感光体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面から垂直に立ち上がる垂線に対してその感光体回転方向上流側若しくは下流側に傾いた姿勢で配備され、その表面から先端を浮かせた状態でその感光体側に位置する面がその表面に接触した板状部材と、
上記感光体の、上記板状部材よりもその感光体回転方向下流側の表面に残留している残留トナーを静電的に引きつける所定極性のバイアスが印加される被印加部を有し、その残留トナーをそのバイアスの作用によってその被印加部に静電的に吸着させるクリーニング手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、本発明のクリーニング装置を備えているため、残留トナーのクリーニング性が長期にわたって良好に維持され、さらに放電生成物も画質上問題にならない程度にしっかりと除去される。また、装置のコストが抑えられ、装置を小型にすることもできる。
また、本発明の画像形成装置において、上記感光体表面に形成された静電潜像を、トナー粒子よりも小粒径のシリカ粒子が混合された帯電極性が負極性のトナー粒子を用いて現像する現像器を備えたものであることが好ましい。
シリカ粒子は、負極性の帯電特性を有するトナー粒子の帯電レベルを引き上げる機能を有するとともに研磨剤としての機能も有する。したがって、このシリカ粒子は、残留トナー粒子が板状部材をすり抜ける際に、感光体表面を研磨するとともに残留トナー粒子の帯電レベルを引き上げる。これらの結果、感光体表面に付着していた放電生成物が感光体表面からしっかりと掻き取られ、残留トナー粒子の極性が負極性に確実に揃えられる。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記現像器が、上記感光体表面に形成された静電潜像を、トナー粒子の帯電極性とは逆極性の帯電極性を有する逆極帯電粒子が混合されたトナー粒子を用いて現像するものであることがより好ましい。
上記感光体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面には、トナー粒子とともに上記逆極帯電粒子も存在し、この逆極帯電粒子は、板状部材の、上記感光体表面に接触したニップ部に入り込んで、そのニップ部に付着する。ニップ部を通過する残留トナーは、このニップ部に付着した逆極帯電粒子によって負極性の帯電レベルがより一段と引き上げられ、残留トナーの極性が負極性により確実に揃えられる。
また、本発明の画像形成装置において、上記感光体として、最表面に電荷輸送性を有する構造単位をもち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有した保護層を有するものを備えたことが好ましく、
より具体的な上記保護層の例としては、メチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂で構成され、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基およびアミノ基から選択された少なくとも1種を有する電荷輸送材料を含有した架橋構造を有するものがあげられる。
上記感光体が上記保護層を有するものであることで、感光体表面が磨耗したり傷ついたりすることが抑えられ、感光体の長寿命化が得られる。
本発明によれば、残留トナーのクリーニング性が長期にわたって良好に維持され、さらに放電生成物も画質上問題にならない程度にしっかりと除去することができる小型で低コストなクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、回転軸10aを中心にして時計回りに回転するドラム状の感光体10を備え、この感光体10の周囲には、帯電器20、露光器30、現像器40、転写ロール50、クリーニング前帯電器61、クリーニング前除電器62、クリーニング装置70、および除電ランプ80も備えられている。
図1に示す感光体10は、円筒上の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層と電荷輸送層を含む感光層、および保護層101を積層してなるものである。保護層101は、この感光体10の最表層になる層であって、この図1では、この保護層101が模式的に示されている。感光体10が回転軸10aを中心にして回転することで、最表層(感光体10の表面110)は、回転軸10aの周りを循環移動する。ここでは感光体10についてのこれ以上の説明は省略し、詳細については後述する。
帯電器20は、非接触帯電方式のコロトロン帯電器である。この帯電器20には、帯電バイアスが印加される。なお、帯電器として、接触帯電方式を採用した、感光体表面110に接触した状態で回転する帯電ロールや、ブレード状の帯電部材等を用いてもよい。露光器30は、感光体表面110に向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。現像器40は、トナー粒子およびトナー粒子よりも小粒径の外添剤粒子を含む現像剤を収容した現像剤収容体41と、現像剤収容体41中のトナー粒子を担持して感光体10の表面に対向した状態で回転する現像ロール42を有する。現像剤収容体41に収容された現像剤中のトナー粒子は負極に帯電する負極帯電型のトナー粒子である。また、現像剤収容体41に収容されたトナー粒子の中には、トナー粒子よりも小粒径の外添剤粒子として、シリカ粒子や、トナー粒子の帯電極性とは逆極性になる正極性の帯電極性を有する逆極帯電粒子等が混合されている。これらの外添剤粒子はトナー粒子の表面に付着している。トナー粒子は、現像器40内で負極性に帯電され、感光体表面110に静電的に移行する。なお、現像剤収容体41についての詳しい説明は後述する。
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、まず、感光体表面110にトナー像を形成するトナー像形成サイクルが実行される。このトナー像形成サイクルでは、感光体10の表面110が、帯電器20による放電現象によって一様に帯電された後、露光器30によって画像情報に基づくレーザー光が照射され、感光体10の表面110に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器40によって現像され、感光体10の表面110にはトナー像が形成され、トナー像形成サイクルが終了する。
図1では、記録用紙Pが図の右から左に向かって搬送されてくる。搬送されてきた記録用紙は、感光体10と転写ロール50の間に送り込まれる。図1に示す画像形成装置1では、感光体10と転写ロール50によって挟み込まれた領域が転写領域になる。転写ロール50には、トナー粒子の帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加されており、トナー像形成サイクルによって感光体表面110に形成されたトナー像は、この転写領域において、感光体10の表面110から記録用紙Pに転写される。本実施形態の画像形成装置1では、記録用紙Pの表面が本発明にいう所定の被転写面に相当する。なお、図1に示す画像形成装置1では、転写ロール50を用いた直接転写方式が採用されているが、転写ロール50に代えて転写コロトロンを用いてもよい。また、記録用紙Pを静電的に吸着して搬送し感光体上のトナー像を転写する転写ベルト方式を採用してもよい。さらに、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式を採用してもよい。
また、図1に示す画像形成装置1は、転写領域よりも用紙搬送方向下流側に定着器90を備えている。この定着器90は、加熱機構を有する定着ロール91と、定着ロール91に対向するように設けられた圧力ロール92とを備えている。互いに対向する定着ロール91と圧力ロール92の間には、転写領域を通過した記録用紙Pが搬送されてくる。記録用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール91の加熱機構により溶融され圧力ロール92からの圧力を受けて記録用紙Pに定着し、定着トナー像からなる画像が形成される。
一方、感光体10の、転写領域を通過した表面110には、転写領域において記録用紙Pへ移行することができなかった残留トナー粒子が残留している。また、外添剤粒子も現像時にトナー粒子とともに感光体表面110へ移行してきており、感光体10の、転写領域を通過した表面110には外添剤粒子も残留している。さらに、帯電器20における放電現象に伴い、感光体表面110にはO3やNOxに代表される放電生成物が付着し、感光体10の、転写領域を通過した表面110には、この放電生成物も残留している。
図1に示すクリーニング装置70は、これらの残留物を除去するための装置であって、転写領域よりも感光体回転方向(感光体表面の循環移動方向)下流側であって帯電器20よりも感光体回転方向上流側の位置に配備されたものである。
図1に示すクリーニング装置70は、本発明のクリーニング装置の一実施形態に相当し、クリーニングブラシ71、回収ロール72、スクレーパ部材73、廃トナー搬送オーガ74、および板状部材75を備えている。
板状部材75は、図1の紙面に対して垂直な方向(感光体10の回転軸10aの延在方向)に長尺な矩形状のものであるが、ここでは、短尺方向の一端を先端751と称することにする。
図2は、図1に示す板状部材を模式的に拡大して示す図である。
この図2に示すように、板状部材75は、感光体10の、転写領域を通過した表面110から垂直に立ち上がる垂線Lに対して感光体回転方向(図2中の矢印参照)上流側に傾いた姿勢で配備されており、その表面110から先端751を浮かせた状態で感光体側に位置する面75aが感光体表面110に接触している。したがって、この板状部材75は、長期間使用しても先端751が感光体表面110との摺擦によって磨耗したり欠けたりすることがない。
また、この図2には、残留トナー粒子tやシリカ粒子sや逆極帯電粒子eが模式的に示されている。図2に示すシリカ粒子sの粒径は、トナー粒子tの粒径よりもはるかに小さな数十nmであり、逆極帯電粒子eの粒径は、トナー粒子tの粒径よりは小さいもののシリカ粒子sの粒径はかなり大きな1〜数百nmである。感光体表面110へ移行する際にはトナー粒子tの表面に付着していた外添剤粒子のうち、粒径が大きなものは、感光体表面110へ移行した後にトナー粒子tから離脱する。図2には、粒径が数十nmのシリカ粒子sはトナー粒子tの表面に付着しており、粒径が1〜数百nmである逆極帯電粒子eはトナー粒子tから離脱した様子が示されている。
シリカ粒子sが表面に付着したままの残留トナー粒子tや残留トナー粒子tから離脱した逆極帯電粒子eは、図2に示すように、板状部材75の、感光体表面110に接触したニップ部752によって堰き止められ、そのニップ部752の手前に滞留する。滞留した残留トナー粒子t等は、攪拌され、残留トナー粒子tはやがてニップ部752をすり抜けて行く。また、逆極帯電粒子eは、ニップ部752に入り込んで、そのニップ部752に付着する。図2には、逆極帯電粒子eが、板状部材75のニップ部752に付着した様子が示されている。
感光体10の、転写領域を通過した表面110には帯電において生じた放電生成物等が付着している。感光体表面に付着した放電生成物等は、板状部材75をすり抜ける残留トナー粒子tによって感光体表面110から掻き取られる。感光体表面110から掻き取られた放電生成物等は、すり抜けて行く残留トナー粒子tの表面に付着する。また、感光体10の、転写領域を通過した表面110は放電履歴を受けており、その表面110には両極性の残留トナー粒子tが存在しているが、残留トナー粒子は、板状部材75をすり抜ける際の摩擦によって帯電極性である負極に帯電され、板状部材75をすり抜けた残留トナー粒子の極性は負極性に揃えられる。
ここで、シリカ粒子sは、負極性の帯電特性を有するトナー粒子tの帯電レベルを引き上げる機能を有するとともに研磨剤としての機能も有する。したがって、板状部材75をすり抜ける残留トナー粒子tの表面に付着したシリカ粒子sは、感光体表面110を研磨するとともにトナー粒子tの帯電レベルを引き上げる。これらの結果、感光体表面110に付着していた放電生成物等が感光体表面110からしっかりと掻き取られ、板状部材75をすり抜けた残留トナー粒子の極性が負極性に確実に揃えられる。なお、シリカ粒子sの形状を真球に近くすればするほどトナー粒子の帯電レベルを引き上げる機能が高まり、シリカ粒子sの形状を不定形(非球形)にすれば研磨剤としての機能が高まる。
また、板状部材75のニップ部752に付着した逆極帯電粒子eと、攪拌されている残留トナー粒子tや板状部材75を通過する残留トナー粒子tとの間には摩擦が生じ、この摩擦によっても残留トナー粒子tの帯電レベルが引き上げられる。この結果、板状部材75をすり抜けた残留トナー粒子の極性が負極性により確実に揃えられる。
板状部材75の材質としてはウレタンゴム、シリコンゴムを用いることができる。その中で耐摩耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
板状部材75の物性としては、JISA硬度が70°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましい。JISA硬度を70°以下にすることで、板状部材75の、感光体表面110に接触したニップ部752での感光体表面110への密着性が向上し、残留トナー粒子の摩擦帯電機能が向上する。ここでのJISA硬度の値は、JIS K6253:97に規定される加流ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さを測定する試験方法に準じた測定方法によって測定された、25℃での測定値である。
図1に示すクリーニングブラシ71は、板状部材75よりも感光体回転方向下流側に配備されたものである。このクリーニングブラシ71は、感光体10の回転軸10aと平行に延びた中心軸711から放射状に延びた毛712を有する。この毛712に用いる繊維としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維が挙げられ、ベルトロン(カネボウ社製)、SA−7(東レ社製)、UUナイロン(ユニチカ社製)等の市販品を使用することができる。これらの毛の太さは、好ましくは30デニール以下、より好ましくは20デニール以下、さらに好ましくは0.5デニール以上10デニール以下である。クリーニングブラシ71は、例えば、中心軸711であるシャフトにこれらの繊維からなるブラシ基布を螺旋状に巻き付けることで作成することができる。また、毛の密度は、好ましくは20,000本/6.45cm2以上、より好ましくは60,000本/6.45cm2以上である。
また、クリーニングブラシ71の毛712は導電性のものである。この毛712に導電性を付与する方法としては、繊維に導電性粉末やイオン導電材を配合する方法、繊維の内部又は外部に導電層を形成する方法等が挙げられる。また、導電性が付与された繊維の抵抗値は、繊維単体で102Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることが好ましい。
クリーニングブラシ71は、毛712の先端が感光体表面110および回収ロール72の外周面の双方に食い込んだ状態で中心軸711を中心にして回転し、その毛712によって感光体表面110を摺擦する。クリーニングブラシ71の、感光体表面110への食い込み量は、好ましくは0.3mm以上2.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.8mm以下である。
また、図1に示すクリーニング装置は、ブラシ用電源76も備えており、クリーニングブラシ71の毛712には、残留トナー粒子の帯電極性とは逆極性になる正極性のクリーニングバイアスが、このブラシ用電源76から印加される。すなわち、クリーニングブラシ71の毛712には、感光体表面110に残留した残留トナー粒子を静電的に引きつけるクリーニングバイアスが印加される。感光体表面110に存在する負極性の残留トナー粒子tは、正極性のクリーニングバイアスの作用によってその毛712に静電的に吸着する。上述のごとく、板状部材75をすり抜けた残留トナー粒子tは負極性に揃えられているため、残留トナー粒子tはクリーニングブラシ71にとりこぼしなく吸着する。したがって、このクリーニングブラシ71は、感光体10の、板状部材75よりも感光体回転方向下流側の表面110に残留した残留トナーをその表面110から除去するものであり、本発明にいうクリーニング手段の一例に相当する。
なお、シリカ粒子sや掻き取られた放電生成物等も、残留トナー粒子tの表面に付着した状態でクリーニングブラシ71へ移行する。クリーニングブラシを利用した静電方式では、クリーニング性能の経時劣化が少なく、残留トナー粒子のクリーニング性が長期にわたって良好に維持される。特に、高速機においては板状のクリーニングブレードを用いるよりも有利である。また、球状トナーのクリーニングに対しても電気的作用を利用せず機械的に掻き取るクリーニングブレードに比べて優位性がある。以上のことから、本実施形態におけるクリーニング装置によれば、負極性のバイアスが印加されるクリーニングブラシやクリーニング前帯電器を配備することなく残留トナー粒子のクリーニング性が長期にわたって良好に維持されるため、装置のコストが抑えられ、装置を小型にすることもできる。
クリーニングブラシ71の毛712に移行した残留トナー粒子はクリーニングバイアスの作用によってその毛712に保持される。
回収ロール72も、感光体10の回転軸10aと平行に延びた中心軸721を中心にして回転するロール体722である。また、図1に示すクリーニング装置は、ロール用電源77も備えており、回収ロール332の外周面には、クリーニングブラシ71の毛712から残留トナー粒子を静電的に引きはがす回収バイアスが、このロール用電源77から印加される。クリーニングブラシ71の毛712に保持された残留トナー粒子は、この回遊バイアスの作用によって回収ロール72の外周面に回収される。回収バイアスの印加にあたっては、クリーニングバイアスよりも絶対値が大きな電圧を印加することが必要であり、クリーニングブラシ71の毛712と回収ロール72の間の電位差が100V以上になるように印加することが好ましく、200V以上になるように印加することがより好ましい。
ロール体722に用いる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもフェノール樹脂は、寸法精度が高く、成型が容易である。加えて、成形体の表面平滑性に優れ、安価である等の利点を有するので好ましい。ロール体722の曲げ弾性率は700kPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が700kPa未満であると、回収ロール72に撓みが生じてクリーニングブラシ71やスクレーパ部材73との当接位置や食い込み量を所定値に保持することが困難となる。また、曲げ弾性率が700kPa未満の材料を用いてロール体722の肉厚を増加させて剛性を保持しようとすると、成形収縮が大きくなって寸法精度が不十分になってしまう。さらには、重量が増加するばかりか、成形時間も増加し、後工程が必要となる等の問題も生じてコストが増大してしまう。なお、ここでいう曲げ弾性率は、JIS K7171:94に準拠して測定される値をいう。また、ロール体722のロックウェル硬さ(Mスケール)は100以上であることが好ましい。ロックウェル硬さが100以上であると、寸法精度の高い成形が可能となり、また、削れに対して非常に強いロール体となる。なお、ここでいうロックウェル硬さとは、JIS K7202:95に準拠して測定される値をいう。
回収ロール72の電気抵抗を調整する方法としては、無機フィラー及び/又は有機フィラーを充填する方法等が挙げられる。無機フィラーや有機フィラーをロール体722に充填すると、回収ロール72の剛性が増加するという利点もある。無機フィラーとしては、錫、鉄、銅、アルミ等の金属粉体や金属繊維、ガラス繊維等が挙げられる。有機フィラーとしては、カーボンブラック、炭素粉、グラファイト、磁性粉、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属硫化物、ストロンチウム、バリウム、希土類等の所謂ハードフェライト、マグネタイト、銅、亜鉛、ニッケル及びマンガン等のフェライト、またはこれらの表面を必要に応じ導電化処理したもの、銅、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、コバルト、バリウム、アルミニウム、錫、リチウム、マグネシウム、シリコン、リン等の異なる金属元素を含んだ酸化物、水酸化物、炭酸塩又は金属化合物等から選ばれ高温中で焼成して得られる金属酸化物の固溶体、所謂複合金属酸化物等やポリアニリンが挙げられる。
回収ロール72に500Vの電圧を印加したときの抵抗値は、好ましくは1×105Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下、より好ましくは1×106Ω・cm以上1×108Ω・cm以下である。抵抗値が1×105Ω未満の場合、回収ロール72への電荷注入が起こり、クリーニングブラシ71で掻き取った残留トナー粒子の極性が反転してしまい、クリーニングブラシ71から残留トナー粒子を静電的に引きはがすことが困難になる場合がある。他方、回収ロール72の抵抗値が1×1010Ω・cmを超えると、回収ロール72に電荷が蓄積される現象(チャージアップ)が起こりやすくなり、この場合もクリーニングブラシ71から残留トナー粒子を静電的に引きはがすことが困難になる場合がある。
スクレーパ部材73は、回収ロール72によって回収された残留トナー粒子を回収ロール72から掻き落とす。このスクレーパ部材73は金属薄板からなるもので、その一端のエッジ部分が回収ロール72の外周面に当接するように配置されている。スクレーパ部材73の具体的材質としては、高耐久性及び低コストの点から、ステンレス又はリン青銅が好ましい。スクレーパ部材73の厚みは、好ましくは0.02mm以上2mm以下、より好ましくは0.05mm以上1mm以下である。なお、スクレーパ部材73には、金属薄板の代わりにゴムブレードを用いてもよい。
スクレーパ部材73によって掻き落とされた残留トナー粒子は、廃トナー搬送オーガ74によってクリーニング装置70の外まで搬送される。
続いて本発明の第2実施形態の画像形成装置について説明する。以下、図1に示す画像形成装置の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図3は、本発明の第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。
図3に示す画像形成装置1と図1に示す画像形成装置を比較すると、クリーニング装置70の構成が異なっている。すなわち、図3に示すクリーニング装置70も、板状部材75を備えているが、その板状部材75は、感光体10の、転写領域を通過した表面110から垂直に立ち上がる垂線Lに対して感光体回転方向(図3中の矢印参照)下流側に傾いた姿勢で配備されている。この板状部材75も、図1及び図2に示す板状部材と同じく、感光体表面110から先端751を浮かせた状態で感光体側に位置する面75aが感光体表面110に接触している。したがって、この板状部材75は、長期間使用しても先端751が感光体表面110との摺擦によって磨耗したり欠けたりすることがない。また、シリカ粒子が表面に付着したままの残留トナー粒子は、図3に示す板状部材75によって一旦堰き止められるものの、やがてこの板状部材75をすり抜けて行き、板状部材75をすり抜ける際の摩擦によって帯電極性である負極に帯電され、板状部材75をすり抜けた残留トナー粒子の極性は負極性に揃えられる。しかも、この板状部材75でも、逆極帯電粒子eが、板状部材75のニップ部752に付着し、すり抜けて行く残留トナー粒子tの帯電レベルを引き上げる。また、板状部材75をすり抜ける残留トナー粒子tの表面に付着したシリカ粒子sによっても、トナー粒子tの帯電レベルが引き上げられる。さらに、感光体表面に付着した放電生成物等は、板状部材75をすり抜けて行く残留トナー粒子tによって感光体表面110から掻き取られる。
また、図3に示すクリーニング装置70は、板状部材75よりも感光体回転方向上流側に、クリーニング補助部材78を備えている。このクリーニング補助部材78は、感光体10の回転軸10aの延在方向に延びたパッド状の保持部材781に多数の微細繊維782が保持されたものである。多数の微細繊維782それぞれは、太さが10μm以下でのものであり、感光体表面110に接している。クリーニング補助部材78の、感光体表面110に接した面は、多数の微細繊維782によってポーラス状になっている。またクリーニング補助部材78の幅(感光体回転方向の長さ)は1.5mm以上あり、微細繊維782は、感光体回転方向に1.5mm以上の当接幅をもって接している。クリーニング補助部材78は、残留トナー粒子を除去するクリーニングブラシ71よりも上流側に配置されているため、感光体10が回転することでこのクリーニング補助部材78に向けて、シリカ粒子が表面に付着した残留トナー粒子が運ばれてくる。運ばれてきた残留トナー粒子は、クリーニング補助部材78の微細繊維782によって捕捉されて保持される。感光体表面110に付着した放電生成物等の付着物や、放電に伴う感光体10の表面劣化層は、微細繊維782に保持された残留トナー粒子によって感光体表面110から掻き取られる。したがって、クリーニング補助部材78は掻き取り部材に相当する。
感光体表面110から掻き取られた放電生成物等は、微細繊維782に捕捉された残留トナー粒子に付着する。従来の一般的なクリーナであるクリーニングブレードでは、感光体表面への接触が線接触であるため残留トナー粒子が接触部(先端エッジ部)より離脱しやすく研磨効果は向上しないが、このクリーニング補助部材78は感光体表面110に対して、感光体回転方向に1.5mm以上にわたって接触し、しかもクリーニング補助部材78の、感光体表面110に接した面が、多数の微細繊維782によってポーラス状になっているため、捕捉された残留トナー粒子は、感光体10の幅方向(回転軸10aの延在方向)に均一に安定して保持され、感光体表面110から、放電生成物等がその回転軸10aの延在方向に均一に除去される。
残留トナー粒子は、クリーニング補助部材78に安定して保持されてはいるものの、新たな残留トナー粒子がクリーニング補助部材78に運ばれてくると、クリーニング補助部材78に保持されている残留トナー粒子と、新たに運ばれてきた感光体表面110上の残留トナー粒子との間で入れ替わりが起こり、クリーニング補助部材78に保持されている残留トナー粒子の一部が感光体表面110へ戻る。感光体表面110へ戻った残留トナー粒子は、感光体10が回転することで下流側の板状部材75へ向かい、上述の如く板状部材75をすり抜けてクリーニングブラシ71へ到達し、そのクリーニングブラシ71によって感光体表面110から除去される。すなわち、クリーニング補助部材78に一旦捕捉され、放電生成物等が付着した残留トナー粒子は、最終的にクリーニングブラシ71によって感光体表面110から除去される。
また、図3では図示省略したが、本実施形態におけるクリーニング装置70は、往復動機構79も備えている。
図4は、第2実施形態におけるクリーニング装置に備えられた往復動機構を示す図である。
この図4には、延在方向を図の左右方向にしてクリーニング補助部材78も示されている。図4に示すクリーニング補助部材78の保持部材781の長手方向(図4の左右方向)の両側それぞれはガイド785に固定されており、これらのガイド785には、ガイドピン786が挿通されている。クリーニング補助部材78は、このガイドピン786に案内されて、クリーニング補助部材78の長手方向、すなわちここでは不図示の感光体10の回転軸10aの延在方向に往復動自在なものである。図4に示すクリーニング補助部材78の長手方向の長さは、感光体表面110の画像形成最大領域の長さ(感光体の回転軸10aの延在方向の長さ)より短いが、クリーニング補助部材78が往復動することで、感光体の回転軸10aの延在方向に関し、その画像形成最大領域全域をカバーする。なお、クリーニング補助部材78の長手方向の長さを、感光体表面110の画像形成最大領域の長さに一致させてもよい。保持部材781の一端側(図4では右端側)には圧縮スプリングバネ787が配備されており、保持部材781は他端側(図4では左端)に向かって付勢されている。保持部材781のその他端側には、突き出しピン788が設けらている。
往復動機構79は図4の左側に示されている。この往復動機構79は、クリーニング補助部材78を往復動するものであり、傾斜カム791と、その傾斜カム791を回転駆動する駆動モータ792を有する。保持部材781に設けられた突き出しピン788の突出端は、傾斜カム791のカム面の、その傾斜カム791の回転中心Lから偏心した位置に圧縮スプリングバネ787の付勢力によって当接している。そのため、駆動モータ792によって傾斜カム791が回転駆動されると、クリーニング補助部材78は図4の左右方向に往復動する。図4には、傾斜カム791のカム面によって最も右側へ移動した状態のクリーニング補助部材78が示されており、この状態から傾斜カム791が回転すると、クリーニング補助部材78は左側に移動し、その後再び図4に示す状態に戻る。このような往復動作によって、クリーニング補助部材78と感光体表面110とが、感光体10の回転軸10aの延在方向に相対的に往復動し、感光体表面110がクリーニング補助部材78によって揺動摺擦される。この揺動摺擦によって、クリーニング補助部材78を感光体表面110に強く押し付けなくともクリーニング補助部材78の掻取能力は高められ、放電生成物等が十分に除去される。また、クリーニング補助部材78による掻取性が感光体10の回転軸10aの延在方向で不均一になることも抑えられる。したがって、この往復動機構79を備えたことで、放電生成物等が、感光体表面110から、感光体10の回転軸10aの延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去される。
以上説明したように、本実施形態においては、板状部材75をすり抜けて行く残留トナー粒子tによって放電生成物等が掻き取られるのに加えて、板状部材75よりも上流に配置されたクリーニング補助部材78に保持された残留トナー粒子によっても、放電生成物等が掻き取られる。この結果、本実施形態によれば、感光体表面110から放電生成物がより確実に除去される。
ここで、往復動機構79によるクリーニング補助部材78の移動距離(往復動の振幅幅)は2mm〜10mmの範囲にあるのが好ましい。移動距離が2mmより少ないと効果が見られず、10mm以上は効果が変わらず、クリーニング装置70の大型化を招く。また往復動機構79によるクリーニング補助部材78の往復動の速度は感光体1周に対し0.5往復〜20往復の範囲にあるのが好ましく、1往復〜10往復の範囲にあることがさらに好ましい。0.5往復よりも小さい場合は十分な効果が見られず、反対に20往復を超えると、微細繊維782に残留トナー粒子を安定保持するクリーニング補助部材78であっても、摺擦運動による振動で残留トナー粒子を保持しきれなくなったり、また微細繊維782の劣化を招く場合が生じる。なお、図4に示す傾斜カム791と駆動モータ792の組合せに代えて直動モータを用いてもよい。また、ここでは、制御容易であることより往復動機構79によってクリーニング補助部材78を往復動させているが、クリーニング補助部材78を所定位置に留めたまま感光体10を回転軸10aの延在方向に往復動させてもよく、あるいはクリーニング補助部材78と感光体10との双方を、上記延在方向にタイミングをずらして往復動させてもよい。
また、クリーニング補助部材78の往復動動作を行うと感光体10に振動が伝わることは免れず、トナー像形成サイクルが実行されている間にも往復動動作を行うと、露光器30によるレーザ光の照射の際に、往復動動作による振動によってレーザ光のスポットの位置がブレて静電潜像に乱れが生じる恐れがある。このため、図4に示す往復動機構79は、この往復動作を、トナー像形成サイクルが実行されていない間に行う。トナー像形成サイクルが実行されていない間とは、画像形成装置電源投入後の立ち上げ動作時、画像形成Jobの前サイクル動作時、作像間のインターイメージ、画像形成Jobの後サイクル動作時、感光体10の回転停止時、あるいは電源をオフしてから所定時間経過後などがあげられるが、これらの中でも画像形成速度の影響の少ない、画像形成装置電源投入後の立ち上げ動作時、画像形成Jobの後サイクル動作時、後サイクル動作後の感光体回転停止時に往復動作を行うことが好ましい。
クリーニング補助部材78の微細繊維782を構成する繊維の太さは2μm以上10μm以下であることが好ましく、4μm以上8μm以下であることがより好ましい。繊維太さが10μmよりも大きくなると、残留トナー粒子の均一保持性が低下するとともに、揺動摺擦動作時に残留トナー粒子の、微細繊維からの離脱や繊維間への埋没が発生しやすくなり、揺動摺擦による感光体のリフレッシュ性能の低下が生じる。反対に、2μmより細い場合は揺動摺擦によるストレスで繊維自体の損傷が生じやすくなる。
またクリーニング補助部材78の、感光体表面110への当接幅があまり大きくなりすぎると、揺動摺擦動作時のメカニカルな刺激によって残留トナー粒子が微細繊維から離脱しやすくなる。このため、当接幅の上限としては特に限定はないが、画像形成装置の大型化の観点より10mm以下とすることが好ましい。
微細繊維782の材質としては、例えばポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、またはこれらの各合成繊維の樹脂を用いた複合繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、などが用いられる。これらの微細繊維をシート状にする加工方法としては、糸を編み二次元的材料を構成する方法と、繊維から直接布を作る方法とがあり、後者は繊維を相互に接着させたり、機械的に絡ませたりしてシート状に加工するものであり、これを不織布と呼んでいる。いずれの方法を用いてもよいが、シートの強度および微細繊維の密度が大きく柔軟性に富み、繊維間にトナーを良好に保持出来るという点で不織布が望ましい。
また、保持部材781は、微細繊維782のバックアップ材として用いることが好ましく、微細繊維782を保持部材781の表面に貼り付けて、その表面が感光体表面110に所定の圧力で押し当てられていることが望ましい。すなわち、クリーニング補助部材78は、複数の微細繊維782からなる布が感光体表面110に弾性を有する保持部材781よって所定の圧力で押し当てられたものであることが望ましい。保持部材781としては、発砲ウレタン、ウレタンゴム、シリコーンゴム、などの弾性体があげられる。保持部材781によって感光体表面110に微細繊維782を押し付ける圧力としては、4.9〜58.8mN/mmの範囲であることが好ましい。更に好ましい範囲は9.8〜39.2mN/mmである。押し付け圧が4.9mN/mmより低いと充分な摺擦機能を発揮することが出来ず、58.8mN/mmより高いと感光体10との摺擦が強すぎて微細繊維782自体および感光体10の劣化を招き、さらには却ってフィルミング等を誘発する。また、保持部材781の形状はパット状に限らず、ロール状、ベルト状などであってもよいが、パッド状及びロール状であることが装置の大型化を招かないことから好ましい。ロール状の保持部材を用いる場合には、発泡ロール体に微細繊維からなる布を被覆すればよい。ロール状の保持部材を用いたクリーニング補助部材は、感光体10との接触部分において同方向になるように、かつ感光体10とは速度差を持たせて回転摺擦させることで、放電生成部等の除去と、残留トナー粒子の、板状部材75への適度な供給が可能になる。
続いて、図1に示す感光体に使用することができる感光体について詳述する。
図1に示す感光体としては、有機感光体や、アモルファスシリコン感光体やセレン系感光体などの無機系の感光体など公知の感光体を用いる事ができるが、コスト、製造性および廃棄性等の点で優れた利点を有する有機感光体が好適に用いられる。更に、感光体には、揺動摺擦による感光体表面の傷などに対する耐性を持たせたるため、高強度表面保護層を設けることが好ましく、保護層を構成する材料として架橋構造を有するものが好ましい。
以下、保護層について説明する。保護層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、感光体の耐久性を高めるため、保護層は架橋構造を有する樹脂を含有したものであることが好ましい。
架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、特にフェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂の他に、必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、保護層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、保護層の形成方法の詳細については後述するが、保護層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む保護層形成用溶液が用いられる。
また、電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を有している(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。この場合、積層構成型の感光体では、保護層が電荷輸送層の一部として機能することもできる。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂としては、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有するものがより好ましい。さらに当該フェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為より好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示し、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体は、感光体中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。したがって、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)を0.2以下することで、電気特性に優れ、高画質化が達成できる。なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1)m1−(R1)m2−Y]m3 (I)
上記一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3)(3−a)Qa]b (III)
上記一般式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dは、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β−2−、−CγH2γ−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (IV)
上記式(IV)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は2〜4の整数を示す。
上記一般式(I)〜(IV)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007086386
上記一般式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記一般式(I)〜(IV)で示される化合物における−[(X1)m1−(R1)m2−Y]、−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3)(3−a)Qa]で示される部位と結合手を有する。
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30)(4−c)Qc (VII−1)
上記一般式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層には、その強度を高めるために、下記一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31)(3−d)Qd)2 (VII−2)
上記式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2007086386
上記一般式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
保護層は、上述した構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。
保護層は、上述した電荷輸送材料を用いて形成されることから、保護層形成用塗布液に触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とすることが好ましい。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまう。そこで、保護層のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。すなわち、保護層のIRスペクトルが上記式(1)で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃が、さらに100〜140℃がより好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、上記一般式(I)で示される化合物において、(−(X1)m1−(R1)m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
Figure 2007086386
上記式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
2座配位子としては、上記一般式(VII−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捕らえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、トナー像形成サイクルにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、赤外吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすように保護層を形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、保護層の25℃における酸素透過係数を下げることは困難であるが、吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすようにすると共に、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たすようにすることで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体が得られる。
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
続いて、図1に示す現像器40の現像剤収容体41について詳述する。この現像剤収容体41は、上述の如く現像剤を保持したものである。現像剤収容体41に収容された現像剤中のトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー粒子は結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカ粒子や帯電制御剤粒子を用いてもよい。トナー粒子の体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナー粒子の平均球状係数(ML2/A)×(100π/4):MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す)が100以上145以下の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。トナー粒子の平均球状係数は、さらに好ましくは125〜140である。平均球状係数が125〜140のトナー粒子を用いることにより、高画質の転写画像を得ることができる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。現像剤収容体41に収容された現像剤中のトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
さらにトナー(負極性)と逆極性(正極性)に帯電する樹脂微粒子や無機微粒子(以下、これらの微粒子を逆極帯電粒子と称する)をトナーに外添混合することで、上述の如く、板状部材75での帯電制御性を向上させることができる。上記樹脂微粒子としてはポリメチルメタクリレート、グアナミン、等公知の樹脂を粉砕したもの、あるいは懸濁重合等で粒子化したもの等を用いることができる。また、上記無機微粒子としてはアルミナあるいはシリカ、チタニア等をγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で表面処理したものを用いることができる。粒子径としては0.01〜5μmのもの、好ましくは0.5〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。
さらに、トナーに添加される無機酸化物としては、前記シリカ粒子に加え、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、以下のような物が例示できる。シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ、炭酸カルシウム素、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
現像剤収容体41に収容された現像剤中のトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤粒子をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、トナーをカラートナーとして用いる場合には、キャリアと混合して使用することが好ましいが、そのキャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は全て「質量部」を意味する。
[感光体Aの作製]
4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3部を添加、混合撹拌して下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのドラム状のアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
電荷発生材料として、塩化ガリウムフタロシアニンを用い、その15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60部とをテトロヒドロフラン235部及びモノクロロベンゼン100部に十分に溶解混合して得られた塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。こうして電荷輸送層まで形成した感光体を感光体Aとする。
[感光体Bの作製]
下記に示す化合物(1)を5部、イソプロピルアルコールを15部、テトラヒドロフランを9部、及び蒸留水を0.9部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、ブチラール樹脂を0.5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)を5部、サノールLS2626を0.2部、及びネイキュア4167を0.5部加え保護層形成用塗布液を調製した。電荷輸送層の膜厚を22μmとした以外は感光体Aと同様に作製した感光体の電荷輸送層上に、この保護層形成用塗布液を浸漬コーティング法で塗布し、140℃で40分乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成した。こうして保護層まで形成した感光体を感光体Bとする。
Figure 2007086386
[現像剤の作製]
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、粒径が150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液(1)の調整)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
(着色剤分散液(2)の調整)
Cyan顔料B15:3 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
(着色剤分散液(3)の調整)
Magenta顔料R122 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
(着色剤分散液(4)の調整)
Yellow顔料Y180 90部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
(離型剤分散液)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
(トナー母粒子Kの調整)
上記樹脂微粒子分散液 234部
上記着色剤分散液(1) 30部
上記離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、3L容量丸型ステンレスフラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒径D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の上記樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子Kを得た。このトナー母粒子Kの体積平均粒径D50は5.9μmであり、平均形状係数SFは132であった。
(トナー母粒子Cの調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Cを得た。トナー母粒子Cの体積平均粒径D50は5.8μmであり、平均形状係数SFは131であった。
(トナー母粒子Mの調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Mを得た。トナー母粒子Mの体積平均粒径D50は5.5μmであり、平均形状係数SFは135であった。
(トナー母粒子Yの調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Yを得た。トナー母粒子Yの体積平均粒径D50は5.9μmであり、平均形状係数SFは130であった。
上記トナー母粒子K,C,M,Yのそれぞれ100部に、疎水性シリカ粒子(粒径40nm、RX50日本エアロシル社製)1.4部、ルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)1部を5Lヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーK、C,M,Yを得た。
(キャリヤの作製)
フェライト粒子(個数平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
(現像剤1の調整)
上記キャリア100部と上記トナーK,C,M,Yそれぞれ7部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤1(K),1(Y),1(M),1(C)を得た。この現像剤1においては、シリカ粒子は混合されているものの、逆極帯電粒子は混合されていない。
(現像剤2の調整)
上記トナー母粒子K,C,M,Yのそれぞれ100部に、疎水性シリカ粒子(粒径40nm、RX50日本エアロシル社製)1.4部、ルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)1部、および逆極帯電粒子であるPMMA粒子(粒径300nm、綜研化学製)0.5部を外添混合する以外は現像剤1と同様にして現像剤2(K),2(Y),2(M),2(C)を得た。この現像剤2においては、シリカ粒子と逆極帯電粒子との双方の粒子が混合されている。
(現像剤3の調整)
上記トナー母粒子K,C,M,Yのそれぞれ100部に、ルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)1部を外添混合する以外は現像剤1と同様にして現像剤3(K),3(Y),3(M),3(C)を得た。この現像剤3においては、シリカ粒子も逆極帯電粒子も混合されていない。
[クリーニング装置の作製]
<クリーニング装置A>
図1に示すクリーニング装置の構成と同じ構成のクリーニング装置を作製し、クリーニング装置Aとした。以下に詳細を示す。
(板状部材)
JISA硬度が40°、厚さが2mm、自由長が10mmの変性ポリウレタンゴムブレードを、感光体表面への食い込み量を2mmにして、図1に示す板状部材のように、感光体表面から垂直に立ち上がる垂線に対して感光体回転方向上流側に傾いた姿勢で配備した。
(クリーニングブラシ)
導電性ナイロン(繊維太さ;2デニール,毛足長さ;4mm,電気抵抗;1×107Ω)が植毛されたものを用いた。この導電繊維の繊維密度は、120000本/6.45cm2であった。このクリーニングブラシを、感光体との干渉量(食い込み量)を1.5mmとして、感光体との接触部において逆回転となるように60mm/sの回転速度で回転させた。クリーニングバイアスは+200Vとした。
(回収ロール)
中心軸を中心にして回転するロール体として、導電性カーボンを分散させたフェノール樹脂からなる、電気抵抗が1×106Ωであるものを用いた。このロール体の曲げ弾性率(JIS K7171:94)は100MPaであり、ロックウェル硬度(JIS K7202:95、Mスケール)は120であった。また、回収ロールの磨耗量(JIS K6902)は2mgであった。この回収ロールを、クリーニングブラシとの干渉量(食い込み量)を1.5mmとして、クリーニングブラシとの接触部において順回転となるように70mm/sの回転速度で回転させた。回収バイアスは+600Vとした。
(スクレーパ部材)
自由長が8.0mmであり、厚さが80μmのSUS304からなるものを用いた。このスクレーパ部材を、回収ロールとの干渉量が1.3mmとなるように配置した。
<クリーニング装置B>
クリーニング装置Aの構成と同じ構成のクリーニング装置に、図3示すようなクリーニング補助部材を追加したものを、クリーニング装置Bとした。
クリーニング補助部材としては、微細繊維布として水流絡合法で作製した繊維径(太さ)6μmの不織布(ポリエステル/ナイロン、日本バイリーン製WP8085)を、保持部材として用意した高さ3mm、幅4mmのパッド状の発泡ウレタンに貼り付け、感光体への食いこみ量を1.5mmに設定するとともに、感光体表面への押付け圧を25℃の測定環境下で19.6mN/mmになるように設定した。
<クリーニング装置C>
板状部材を取り外し、代わりにクリーニングブラシの上流側にコロトロン帯電器を配備した以外は、クリーニング装置Aの構成と同じ構成のクリーニング装置をクリーニング装置Cとした。コロトロン帯電器には、放電電流が200μAになるように電圧を印加した。
<クリーニング装置D>
板状部材を取り外し、代わりに感光体表面を先端エッジ部で掻き取るクリーニングブレードを配備した以外は、クリーニング装置Aの構成と同じ構成のクリーニング装置をクリーニング装置Dとした。
クリーニングブレードとしては、JISA硬度が60°、厚さが2mm、自由長が10mmの変性ポリウレタンゴムブレードを用い、この変性ポリウレタンゴムブレードの先端エッジ部を感光体表面へ圧接させた。すなわち、変性ポリウレタンゴムブレードを、感光体表面への食い込み量が1.3mmになるように、感光体の、先端エッジ部が接した部位から垂直に立ち上がる垂線に対して感光体回転方向下流側に65°傾いた姿勢(いわゆるドクター方向に当接角が25°になる姿勢)で配備した。
[実施例及び比較例]
感光体およびクリーニング装置を下記表1に示す組み合せで組み込みんだ画像形成装置を用い、現像器の現像剤収容体には表1に示す現像剤を収容して、高温高湿(28℃、80%)及び低温低湿(10℃、20%RH)で50万枚の耐久試験を行い、クリーニング性、画像流れ、フィルミング、の評価を行い、さらに総合的な判定も行った。結果を、表1に併せて記す。
Figure 2007086386
(クリーニング性)
低温低湿下(10℃、20%RH)での走行中のプリント画像中のクリーニング不良画像の有無と定期的に未転写のA3サイズの画像密度100%画像をクリーニングすることで評価を行った。判断基準は以下の通りである。
◎→プリント画像中、未転写画像共にクリーニング性問題なし
○→未転写画像でわずかにクリーニング不良発生するがプリント画像中は問題なし。
×→プリント画像中クリーニング不良発生
(画像流れ)
高温高湿環境(28℃、80%)下で電源投入後の初期サンプルにて画像流れの有無を評価した。判断基準は以下の通りである。
◎→ハーフトーン画像にて画像流れ、白抜け未発生
○→ハーフトーン画像にて画像流れ、白抜けがわずかに発生するが、画質上許容できる。
×→ハーフトーン画像にて画像流れ、白抜け発生
(フィルミング)
走行中のプリント画像および感光体表面を観察した。判断基準は以下の通りである。
◎→感光体表面に付着物はなく、ハーフトーン画像にて色筋、白筋も未発生
○→感光体表面にわずかに付着物があるが、ハーフトーン画像には色筋、白筋が未発生
×→感光体表面に付着物があり、ハーフトーン画像にも色筋、白筋が発生
板状部材に代えてクリーニングブレードを配備した画像形成装置を用いた比較例1では、クリーニングブレードの先端エッジ部の磨耗やカケによって、クリーニング性が悪化したと考える。なお、比較例1の画像形成装置にも、下流にクリーニングブラシが配備されているが、このクリーニングブラシでは、正極に帯電したトナー粒子を吸着することができず、結局、クリーニングが十分に行えなかったと考える。これに対して、いずれも板状部材を備えた画像形成装置を用いた各実施例においては、クリーニング性が良好である。また、クリーニング前帯電を行った比較例2も、クリーニング性は良好である。クリーニング性が良好であるということは、残留トナー粒子が、クリーニングブラシの導電性繊維にとりこぼしなく吸着したことによる結果であると考えられ、クリーニング前帯電を行って残留トナー粒子の極性を負極性に揃える能力と同程度の能力が、残留トナー粒子が板状部材をすり抜けることによって生じる摩擦帯電にあることがわかった。また、クリーニング性が良好である各実施例を詳細に分析してみると、クリーニング性については、トナー粒子にシリカ粒子が外添されていた実施例1及び3や、トナー粒子にシリカ粒子および逆極帯電粒子の2種類の粒子が外添されていた実施例2が、シリカ粒子や逆極帯電粒子が外添されていなかった実施例5に比べて優れている。これは、シリカ粒子や逆極帯電粒子の存在によって、残留トナー粒子の、板状部材との摩擦帯電による帯電レベルが引き上げられたことによるものと考える。
また、比較例1においても比較例2においても画像流れが生じており、フィルミングの評価も悪いことから、放電生成物等の付着物が感光体表面から除去されていないことになる。放電生成物等の付着物はクリーニングブラシによっては十分に掻き取ることができず、比較例2では、放電生成物等の付着物の除去は不十分である。また比較例1では、クリーニングブレードが配備された画像形成装置を用いたものの、クリーニングブレードの先端エッジ部による感光体表面への接触は線接触であるため、残留トナーが先端エッジ部から離脱しやすく残留トナーによる掻き取り効果はさほど期待できず、先端エッジ部の磨耗やカケによっても掻き取り能力が低下する。これらに対して、いずれも板状部材を備えた画像形成装置を用いた各実施例においては、画像流れが生じておらず、フィルミングの評価も良好であることから、放電生成物等の付着物が感光体表面から画質上問題にならない程度にしっかりと除去されたことになる。これは、板状部材をすり抜ける残留トナー粒子によって、感光体表面が掻き取られたことによる結果と考える。また、放電生成物等の付着物の除去が良好である各実施例を詳細に分析してみると、クリーニング補助部材が配備された画像形成装置を用いた実施例3が、残りの実施例よりも優れている。これは、クリーニング補助部材に保持された残留トナー粒子によっても、感光体表面が掻き取られたことによる結果と考える。
本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す板部材を模式的に拡大して示す図である。 本発明の第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 第2実施形態におけるクリーニング装置に備えられた往復動機構を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 感光体
101 保護層
110 表面
20 帯電器
30 露光器
40 現像器
50 転写ロール
70 クリーニング装置
71 クリーニングブラシ
72 回収ロール
73 スクレーパ部材
74 廃トナー搬送オーガ
75 板状部材
76 ブラシ用電源
77 ロール用電源
78 クリーニング補助部材
80 除電ランプ
91 定着ロール
92 圧力ロール
P 用紙

Claims (2)

  1. トナー像を表面に担持して中心軸の周りを循環移動することで、該トナー像を被転写面に転写する転写領域まで該トナー像を搬送する像担持体の、該被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング装置において、
    前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面から垂直に立ち上がる垂線に対して該像担持体循環移動方向上流側若しくは下流側に傾いた姿勢で配備され、該表面から先端を浮かせた状態で該像担持体側に位置する面が該表面に接触した板状部材と、
    前記像担持体の、前記板状部材よりも該像担持体循環移動方向下流側の表面に残留している残留トナーを静電的に引きつける所定極性のバイアスが印加される被印加部を有し、該残留トナーを該バイアスの作用によって該被印加部に静電的に吸着させるクリーニング手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 中心軸の周りを所定方向に回転する感光体の表面を帯電し帯電後の感光体表面に露光光を照射することにより該感光体表面に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像して該感光体表面にトナー像を得、該トナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    前記感光体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面から垂直に立ち上がる垂線に対して該感光体循環移動方向上流側若しくは下流側に傾いた姿勢で配備され、該表面から先端を浮かせた状態で該感光体側に位置する面が該表面に接触した板状部材と、
    前記感光体の、前記板状部材よりも該感光体回転方向下流側の表面に残留している残留トナーを静電的に引きつける所定極性のバイアスが印加される被印加部を有し、該残留トナーを該バイアスの作用によって該被印加部に静電的に吸着させるクリーニング手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008304812A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

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