JP2007086121A - 反射フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を向上し低コストと高反射率を両立させた反射フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の反射フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2、銀を主体とする層3、保護樹脂層4が基材1側からこの順に設けられ、光の入射面が保護樹脂層4の面である反射フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、銀等の金属層をプラスチックフィルム基材上に積層して構成する光反射シートである。さらに詳しくは、プラスチックフィルム基材上に少なくともアルミニウムを主体とする層、銀を主体とする層、保護樹脂層を設けた構成からなる、低コストで高反射率を実現した光反射フィルムである。各種照明器具の反射材や、液晶パネルのバックライト反射材や、光学的ミラーなどに用いることができる。
従来の反射材は、アルミニウム板やステンレス板を磨いたものや、プラスチックフィルムに、直接アルミニウム、銀などの金属薄膜を蒸着したものが使用されている。しかしながら、従来の反射材であるアルミニウム板やステンレス板を磨いたものや、プラスチックフィルムに直接アルミニウムを蒸着したものでは、反射率が低く不十分であった。
一方、銀を蒸着したものは、上記のものより反射率は高いが、経時でプラスチックフィルムと銀蒸着層間の密着力の低下、銀蒸着層の腐食、光による色相変化などの耐久性に問題があった。また、銀はアルミニウムと比較して高価であるため、反射フィルム全体の価格が高くなってしまう欠点もあった。従って、特性・耐久性・コストのバランスのとれた反射フィルムが望まれている。
そこで、特許文献1には、プラスチックフィルムの少なくとも一面に銀を主成分とした銀薄膜層を形成してなる反射体において、該銀薄膜層がAu、Cu、Ptからなる群から選ばれた少なくとも一種を含み、かつ、耐紫外線劣化に優れていることを特徴とする反射体が開示されている。
また、特許文献2には、プラスチックフイルムからなる基材(A)の片面に、アンカー層(B)、銀蒸着層(G)、樹脂からなる腐食防止層(C)を形成し、さらにプラスチックフイルムからなる基材(A)の反対面に、少なくとも紫外線安定性基を重合体分子鎖内に結合して含有する樹脂層(D)を設けた耐久性反射フイルムが記載されている。そして、該耐久性反射フイルムは樹脂層(D)側が光の反射面となっており、樹脂層(D)と、光を反射する銀蒸着層(G)の間にあるプラスチックフイルムからなる基材(A)の厚さは、6〜300μm、好ましくは12〜40μmである(実施例の基材の厚さは25μmである)。また、紫外線安定性基として、具体的には立体障害ピペリジン骨格を有する基である旨や、耐久性向上のためには、紫外線安定性基保有樹脂中にさらに紫外線吸収性基(実施例にはベンゾフェノン骨格が例示されている)が重合体に結合した樹脂層(D)が好ましい旨が記載されている。
また、特許文献3には、プラスチックフィルムに銀薄膜層を設けた第1の基材と、プラスチックフィルムの一方の面にアルミニウム薄膜層を、他方の面に白色層を設けた第2の基材とを、前記銀薄膜層と前記アルミニウム薄膜層とが対面するように積層して成るランプリフレクタが開示されている。
特許第2895080号公報 特開2002−122717号公報 実開平5−83729号公報
しかし、特許文献1〜3に開示されている反射フィルムには次のような欠点がある。
特許文献1においては、銀に金・銅・白金からなる群から選ばれた一種以上の元素を含む膜を形成する必要があるため、実質的に真空蒸着、イオンプレーティング等の加熱蒸発を利用した薄膜形成法での作製は困難である。銀と、添加元素である金・銅・白金は融点が異なるため、同一の蒸着源からの蒸着では添加元素の添加率を制御することは困難である。従って、スパッタリング法を用いることとなるし、文献1においても実施例ではスパッタリング法を用いている。しかしながら、スパッタリング法は真空蒸着法に比べて薄膜形成速度が遅いため、ロール・ツー・ロールでの加工におけるフィルム搬送速度を速くすることができず、コストを低減することができない。
特許文献2においては、光の反射面が、可撓性の基材あるいは樹脂層(D)側であるので、反射面を反対面側、すなわち高反射層側あるいは腐食防止層(C)側にした場合と比較して、反射率が低いという欠点があった。
特許文献3においては、上記文献2の欠点に加えて、銀を蒸着したフィルムとアルミニウムを蒸着したフィルムとを積層するため、1枚の反射フィルムを作製するために2回の蒸着工程を経なければならないという欠点があった。
本発明は上記課題を解決するために、生産性を向上し低コストと高反射率を両立させた反射フィルムを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の反射フィルムは以下の構成とするものである。すなわち本発明の反射フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2、銀を主体とする層3、保護樹脂層4を基材1側からこの順に設けられ、光の入射面が保護樹脂層4の面である反射フィルムである。
また、本発明の反射フィルムの製造方法は、プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2を設け、その上に銀を主体とする層3を設け、さらにその上に保護樹脂層4をこの順に設ける反射フィルムの製造方法であって、アルミニウムを主体とする層2と銀を主体とする層3を真空薄膜形成法で作製する際に、同一の真空装置内で作製し、アルミニウムを主体とする層2を成膜した後、銀を主体とする層3を成膜するまでの間に真空度を下げる工程を含まない反射フィルムの製造方法である。
本発明によれば、生産性を向上し低コストと高反射率を両立させた反射フィルムを提供することが可能のとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2、銀を主体とする層3、保護樹脂層4が基材1側からこの順に設けられ、光の入射面が保護樹脂層4の面である反射フィルムである。
本発明の反射フィルムは、プラスチックからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2と銀を主体とする層3が、基材1側からこの順に設けられていることが必要である。
本発明の反射フィルムの反射層は、銀を主体とする層3であるが、この層が薄ければ薄いほどコストが安くなる。なぜならば材料費が節約できるだけでなく、ロール・ツー・ロール法にて長尺フィルムを加工する際の巻き取り速度を速くすることができるからである。しかしながら、薄くしすぎると、銀を主体とする層3を透過する光の割合が高くなり、本来必要な反射率を確保することができなくなる。従って、従来の反射フィルムにおいては銀を主体とする層の厚みは透過率がゼロに近くなるように設定されていた。
一方、本発明においては、反射率を低下することなく、銀よりもコストの低いアルミニウムを主体とする層2を、基材1と銀を主体とする層3の間に積層することで、反射率を確保しつつコスト低減を図ったものである。
本発明におけるプラスチックフィルムからなる基材1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類の他、ポリカーボネート類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルロース誘導体類、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、などの各種プラスチックからなるフィルムがあげられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、ある程度の常用耐熱温度が高いものであれば使用可能である。また、光の経路が基材1を通らないので、透明性にも制限はない。なお、正反射成分が高い方が好ましいことから、基材1の銀蒸着を行う側の表面は平滑であることが好ましい。
基材1のフィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、通常は4〜250μm、好ましくは、10〜150μmである。より薄い方が1ロールあたりの製品長さを長くできることから、製造コストを下げることができるため、製造中のシワなどが入らない範囲でなるべく薄い方が好ましく、10〜50μmが最も好ましい。
本発明の反射フィルムにおいて、反射層は、前記基材1の片面に設けるアルミニウムを主体とする層2および銀を主体とする層3である。ここで、「アルミニウムを主体とする層」とは、該層中のアルミニウム元素の含有量が90質量%以上である層をいい、「銀を主体とする層」とは、該層中の銀元素の含有量が90質量%以上である層をいう。
アルミニウムを主体とする層は、アルミニウム単体であることが好ましいが、アルミニウムを主体とする合金でも差し支えない。いずれにしても、層中のアルミニウム元素の含有量が90質量%以上であればよい。合金である場合に含有する他元素としては、金、銀、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ネオジム、アンチモン、錫、亜鉛、ニオブ、ハフニウムなどがあげられる。含有する他元素の割合は、0.01〜10質量%未満が好ましい。
また、銀を主体とする層についても銀単体であることが好ましいが、銀を主体とする合金でも差し支えない。いずれにしても、層中の銀元素の含有量が90質量%以上であればよい。合金である場合に含有する他元素としては、金、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ネオジム、アンチモン、錫、亜鉛、ニオブ、ハフニウムなどがあげられる。含有する他元素の割合は、0.01%〜10%未満が好ましい。
アルミニウムを主体とする層2の厚みは10〜100nmが好ましい。より好ましくは50〜100nmである。厚みが10nm未満であると入射した光が透過しやすくなり、反射フィルムとしての重要な特性である反射率が低くなることがある。また、厚みが100nmを超えると反射率の向上はほとんど見込めないにもかかわらず、アルミニウム形成量を増やすために例えば成膜源に多くの電力を投入したり、基材1の搬送速度を低下させるなど、生産性を低下させるすなわちコストを上昇させてしまう原因となるからである。
銀を主体とする層3の厚みは、10〜100nmが好ましい。より好ましくは30〜80nmである。厚みが10nm未満だと入射した光が透過しやすくなり、反射フィルムとしての重要な特性である反射率が低くなることがある。また、厚みが100nmを超えると反射率の向上はほとんど見込めないにもかかわらず、銀形成量を増やすために例えば成膜源に多くの電力を投入したり、基材1の搬送速度を低下させるなど、生産性を低下させるすなわちコストを上昇させてしまう原因となるからである。 プラスチックフィルムからなる基材1とアルミニウムを主体とする層2の間には、特に別の層を設けないことがコストの点から好ましいが、基材1とアルミニウム層2との間の密着力をより重視する場合には、アンカーコート層を設けても良い。
アンカーコート層としては、基材1とアルミニウム層2との間の密着力が向上すればあれば特に制限はないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのいずれからなる塗料、例えば、アミノ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート、ニトロセルロース、セルロースアセテート、アルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独、又はこれらの混合物からなる樹脂が用いられる。又、上記樹脂は、有機重合体、共重合体を主成分とし可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含むものであってもよい。
前記アンカーコート層は、前記アンカー樹脂を溶剤にて希釈した塗料を前記基材の片面にグラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの通常のコーティング法により塗布、乾燥(硬化性樹脂の場合には硬化)して形成される。アンカーコート層の厚さは、特に制限はないが通常0.01〜3μm程度の範囲から適宜選択される。厚さが0.01μm未満では前記基材の表面を均一に被覆することができず、又、耐久性及び密着力向上を付与するといった効果が充分に発揮できず、アンカーコート層を形成した価値がなく、一方3μmを超えてもアンカーコート層の乾燥速度が遅くなり非能率的で経済的にも好ましくない。
本発明の反射フィルムにおける保護樹脂層4としては、高透明で耐久性があり反射率を少なくとも低下させない樹脂であれば特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのいずれからなる塗料も用いられる。例えばポリエステル系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、アミノ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート、ニトルセルロース、セルロースアセテート、アルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独、又はこれらの混合物からなる樹脂塗料が用いられる。
前記保護樹脂層4は、前記保護樹脂層用樹脂を溶剤にて希釈した塗料を前記の銀層3を形成した基材の銀層3側の全面にグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの通常のコーティング法により塗布、乾燥(硬化性樹脂の場合に硬化)して形成される。保護樹脂層4の厚さは、特に制限はないが通常0.5〜5μm程度の範囲から適宜選択される。厚さが0.5μm未満では前記基材及び金属層(銀層)の表面を均一に被覆することが難しくなりやすく、保護樹脂層4を形成した効果が充分に発揮できないことがある。一方、厚さが5μmを超えても保護樹脂層4の効果には大きな差はなく、保護樹脂層4の乾燥速度が遅くなり非能率的であるだけでなく、透明性を損なう恐れがあるので好ましくない。
また、保護樹脂層4としてプラスチックフィルムを貼り合わせることで構成することは好ましくない。この場合、保護樹脂層4と銀を主体とする層3の間に接着剤等が必要となり、光の経路上に保護樹脂層(プラスチックフィルム)と接着剤等が挿入されることにより透過率が減少することが懸念される。
本発明の反射フィルムは、プラスチックフィルム基材1,アルミニウム層2,銀層3,保護樹脂層4だけでも機能するが、前記基材1のアルミニウム層を設けていない反対面に接着層5を介してプラスチックフィルム6が貼り合わされていることが好ましい。これは、前記基材1は前述したようになるべく薄い方がアルミニウム及び銀層を形成するにあたって1回の成膜面積を大きくできることから好ましいが、薄くした結果ハンドリングに難が生じることから、全体を厚くすることで取り扱いやすくするために行う。
この場合のプラスチックフィルム6については、特に限定はなく、基材1と同様のプラスチックフィルムが使用できる。プラスチックフィルム6の厚さについては、取り扱いを簡便にするためにある程度の厚みがあることが好ましく、好ましくは100〜300μm、より好ましくは150〜300μmである。100μm未満だと反射フィルム全体の厚みが不足し、取り扱いの簡便さがあまり向上しない。300nmを超える厚いものでは、製造中の巻き取り工程などで生じた巻癖が製品として使用する際にカールとなって現れ、反射フィルムの平面性を阻害することになり好ましくない。
また、基材1とプラスチックフィルム6を貼り合わせる接着層5を形成する接着剤についても、ある程度の接着力があればよいので限定は無いが、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。接着剤層の厚さは通常1〜50μm程度の範囲から選ばれる。厚さが1μm未満では充分な接着効果が得られず、一方50μmを超えると接着剤層が厚すぎて乾燥速度が遅くなり、非能率的である。しかも本来の接着力が得られず、溶剤が残留するなどの弊害が生じるので好ましくない。
次に、本発明の反射フィルムの製造方法について図3をもとに述べる。
プラスチックフィルムからなる基材1を真空成膜装置10の繰り出し部11にセットし、排気装置20で真空に排気する。所定の真空度まで排気した後、繰り出し部から巻き取り部13に向けて基材を搬送させる。その際、支持ロール12の上でアルミニウムの成膜源15からアルミニウム層を形成する。成膜源の方式は、加熱による蒸着でも、スパッタによる成膜でもよいが、同一膜厚を形成する場合でも搬送速度が速くできる(すなわち成膜速度を速くできる)ことから、蒸着が好ましい。この場合、蒸着のための加熱方式として、誘導加熱、抵抗加熱、電子ビーム加熱などが使用できる。また、スパッタ法の場合、直流スパッタ、高周波スパッタ、マグネトロンスパッタなどの方法が使用できる。
さらに、この後に銀を主体とする層3を形成する。形成方法としてはアルミニウム層を形成したときと同様に、種々の方法を用いることができるが、アルミニウム層を形成した後、一旦巻き取った後に、再度同じ真空成膜装置の成膜源をアルミニウムから銀に変更して成膜しても良いし、アルミニウム専用の真空成膜装置と銀専用の真空成膜装置を2台用意してそれぞれの層をそれぞれの装置で成膜しても良いが、好ましくは図3に示すように1つの真空成膜装置10内に成膜源を少なくとも2つ、すなわちアルミニウム成膜源15と銀成膜源16を同時に備え、1度の搬送でアルミニウムの成膜と銀の成膜を連続して行うことが好ましい。これは、真空成膜装置の使用時間を減らし、製品の製造に関わる時間を減らすことができるメリットがあるばかりでなく、アルミニウムを成膜した後に一旦大気にさらすことによるアルミニウム表面の酸化や汚れ付着といった悪影響の発生を防ぐことができる。
なお、基材1とアルミニウム層表面の密着力を高めるためや、基材1の表面クリーニングのため、前処理を前処理装置14で行っても良い。前処理は、プラズマ処理、イオンビーム処理、コロナ処理等、既知の前処理を行うことができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。先ず各実施例・比較例の評価方法について説明する。
(1)反射率の測定
反射率の測定は、(株)島津製作所製のUV−VIS−NIR 分光光度計 UV−3150を用いて行った。測定波長範囲300〜800nm、1nm刻みで各波長の反射率を測定した。入射角は垂直から8度である。
(実施例1)
12μm厚のPETフィルムを真空蒸着装置にセットし、アルミニウムを蒸着源として厚さ80nmのアルミニウム層、次に銀を蒸着源として厚さ60nmの銀層を、連続的に形成した。次に真空蒸着装置から取り出し、グラビアコーターで蒸着層上の全面にポリエステル系樹脂塗料を塗布乾燥して厚さ1.5μmの保護樹脂層を形成して本発明の反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムの保護樹脂層側から分光光度計にて反射率を測定したところ、波長550nmで96%以上、425nmで93%以上の反射率が得られた。
(実施例2)
実施例1で得られた反射フィルムのPETフィルム基材の保護樹脂層とは反対側の全面にポリエステル系ドライラミネート剤を塗布乾燥し、厚さ188μmのPETフィルムを貼り合わせて本発明の反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムの保護樹脂層側から分光光度計にて反射率を測定したところ、実施例1と同様に波長550nmで96%以上、425nmで93%以上の反射率が得られた。
(実施例3)
12μm厚のPETフィルムを真空蒸着装置にセットし、アルミニウムを蒸着源として厚さ80nmのアルミニウム層を形成した。この真空蒸着装置からアルミニウム層を形成したPETフィルムを取り出した後、次に蒸着源を銀に変更して再度真空蒸着装置にセットして、厚さ60nmの銀層を形成した。さらに真空蒸着装置から取り出し、グラビアコーターで蒸着層上の全面にポリエステル系樹脂塗料を塗布乾燥して厚さ1.5μmの保護樹脂層を形成して本発明の反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムの保護樹脂層側から分光光度計にて反射率を測定したところ、実施例1と同様に波長550nmで96%以上、425nmで93%以上の反射率が得られた。
(比較例1)
12μm厚のPETフィルムを真空蒸着装置にセットし、銀を蒸着源として真空蒸着装置にセットして、厚さ60nmの銀層を形成した。さらに真空蒸着装置から取り出し、グラビアコーターで蒸着層上の全面にメラミン−エポキシ樹脂塗料を塗布乾燥して厚さ1.5μmの保護樹脂層を形成して本発明の反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムの保護樹脂層側から分光光度計にて反射率を測定したところ、実施例1と同様に波長550nmで95%以上であったが、425nmでは91%の反射率しか得られなかった。
本発明は優れた反射特性と低い製造コストを必要とする薄膜製品全般、特に光学製品に好適に利用され得る。
本発明の反射フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の反射フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の反射フィルムの製造方法に用いる製造装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 プラスチックフィルムからなる基材
2 アルミニウムを主体とする層
3 銀を主体とする層
4 保護樹脂層
5 接着層
6 プラスチックフィルム
10 真空成膜装置
11 繰り出し部
12 支持ロール
13 巻き取り部
14 前処理装置
15 アルミニウム成膜源
16 銀成膜源
20 排気装置

Claims (6)

  1. プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2、銀を主体とする層3、保護樹脂層4が基材1側からこの順に設けられ、光の入射面が保護樹脂層4の面である反射フィルム。
  2. 前記基材1のアルミニウム層を設けていない反対面に接着層5を介してプラスチックフィルム6が貼り合わせられている請求項1記載の反射フィルム。
  3. 前記プラスチックフィルム6の厚みが100〜300nmである請求項2記載の反射フィルム。
  4. 前記アルミニウムを主体とする層2の厚みが10〜100nmである請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
  5. 前記銀を主体とする層3の厚みが10〜100nmである請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
  6. プラスチックフィルムからなる基材1の片面に、アルミニウムを主体とする層2を設け、その上に銀を主体とする層3を設け、さらにその上に保護樹脂層4をこの順に設ける反射フィルムの製造方法であって、アルミニウムを主体とする層2と銀を主体とする層3を真空薄膜形成法で作製する際に、同一の真空装置内で作製し、アルミニウムを主体とする層2を成膜した後、銀を主体とする層3を成膜するまでの間に真空装置内を大気圧にする工程を含まない反射フィルムの製造方法。
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