JP2007085240A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料タンク内の燃料を燃料供給管を介して吸引し、吸引した燃料を内燃機関の吸気管内に噴射する燃料噴射ポンプを備えた燃料供給装置において、内燃機関が停止している間に燃料供給管内の燃料が気化してベーパが発生していても、燃料噴射ポンプから所望量の燃料を噴射する。
【解決手段】 この燃料供給装置は、内燃機関の温度を検出する第1温度検出手段と、吸気管内の温度を検出する第2温度検出手段と、燃料噴射ポンプを駆動制御する制御装置と、を有する。この制御装置は、第1温度検出手段と第2温度検出手段によって検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて、内燃機関の始動期間内における燃料噴射量制御を通常時モードと高温時モードに切り替える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関(例えば、自動二輪車のエンジン等)に燃料を供給する燃料供給装置に関する。詳しくは、内燃機関の始動時における燃料供給量制御に関する。
燃料噴射ポンプを備えた燃料供給装置が知られている(例えば、特許文献1等)。この燃料供給装置では、燃料噴射ポンプがエンジンの吸気管に取付けられ、燃料タンクはエンジンより高い位置に設置される。燃料タンクと燃料噴射ポンプは燃料供給管によって接続される。燃料タンクがエンジン(すなわち、燃料噴射ポンプ)より高い位置に設置されるため、重力により燃料供給管内は燃料で満たされる。燃料噴射ポンプは、燃料供給管内の燃料を吸引し、吸引した燃料を昇圧し、エンジンの吸気管内に噴射する。
特開2004−278527号公報
上述した燃料供給装置では、夏場等の高温時に燃料供給管内の燃料が気化し、燃料供給管内にベーパが発生する場合がある。特に、内燃機関が停止している間は燃料供給管内の燃料の流れも停止するため、燃料供給管内の燃料が気化してベーパとなり易い。このため、夏場等の高温時において内燃機関を始動する際には、燃料供給管内にベーパが発生した状態となっていることがある。燃料供給管内にベーパが発生した状態で内燃機関を始動すると、ベーパを含んだ燃料が燃料噴射ポンプから噴射される。このため、燃料噴射ポンプから噴射される燃料量が所望の燃料量より少なくなり(いわゆる、燃料のリーン化が生じ)、内燃機関の始動性が低下するという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関が停止している間に燃料供給管内の燃料が気化してベーパが発生しても、燃料噴射ポンプから所望量の燃料を噴射することができ、これによって内燃機関の始動性を向上することができる燃料供給装置を提供することにある。
本発明の第1の燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料を燃料供給管を介して吸引し、吸引した燃料を内燃機関の吸気管内に噴射する燃料噴射ポンプを備える。この燃料供給装置は、内燃機関の温度を検出する第1温度検出手段と、吸気管内の温度を検出する第2温度検出手段と、燃料噴射ポンプを駆動する制御装置と、を有する。そして、その制御装置は、第1温度検出手段と第2温度検出手段によって検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて、内燃機関の始動期間内における燃料噴射量制御を通常時モードと高温時モードに切り替えることを特徴とする。
この燃料供給装置では、第1温度検出手段と第2温度検出手段で検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて、燃料噴射量制御を通常時モードと高温時モードに切換える。このため、燃料供給管内にベーパが発生している場合には高温時モードで燃料噴射量が制御され、燃料供給管内にベーパが発生していない場合には通常時モードで燃料噴射量が制御される。これによって、適正な量の燃料が内燃機関に供給され、内燃機関の始動性を向上することができる。また、内燃機関の温度と吸気管内の温度の少なくとも2つの温度を検出することで、燃料供給管内にベーパが発生しているか否かを精度よく判断することができ、これによって、燃料噴射量制御の高温時モードと通常時モードの切替えを適切に行うことができる。
上記燃料供給装置においては、前記内燃機関は、燃料を燃焼することで回転駆動されるクランク軸と、そのクランク軸の回転角を検出するクランク角検出センサを有する。この場合、前記制御装置は、クランク角検出センサの検出結果に応じて決定される燃料噴射タイミングで燃料噴射ポンプから燃料を噴射させることができる。そして、高温時モードでは、(1)始動期間内に決定される複数の燃料噴射タイミングのうち一部の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を高温時の燃料噴射量とする一方、(2)それ以外の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時の燃料噴射量とすることを特徴とすることが好ましい。
このような構成によると、クランク軸の回転に応じて内燃機関に燃料が供給されるため、適切なタイミングで内燃機関に燃料を供給することができる。また、高温時モードにおいては、一部の燃料噴射タイミングにおいてのみ高温時燃料噴射量(すなわち、通常時燃料噴射量より多い燃料噴射量)で燃料を噴射する。このため、内燃機関への燃料の過剰供給が防止される。
高温時モードにおいて一部の燃料噴射タイミングでのみ高温時燃料噴射量とする構成を採用する場合、例えば、制御装置は、燃料噴射ポンプから噴射される燃料噴射量を交互に通常時燃料噴射量と高温時燃料噴射量とに切換えることができる。
このような構成によると、通常時燃料噴射量と高温時燃料噴射量とに交互に切換えられるため、バランスよく内燃機関へ燃料を供給することができる。
高温時燃料噴射量は、例えば、通常時燃料噴射量を高温時補正係数で補正して算出することができる。その場合、高温時補正係数は、第1温度検出手段と第2温度検出手段によって検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて決定されていることが好ましい。
このような構成によると、通常時燃料噴射量を補正係数で補正することで、簡易に高温時燃料噴射量を決定することができる。また、補正係数が、第1及び第2温度検出手段で検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて決定されるため、ベーパの発生量に応じて補正係数が決定され、内燃機関に適切な量の燃料を供給することができる。
上記燃料供給装置の一態様では、前記制御装置が、第1温度検出手段で検出された温度が第1設定値以上で、かつ、第2温度検出手段で検出された温度が第2設定値以上となっているときに、燃料噴射量制御を高温時モードに切り替えることができる。
また、第1設定値と第2設定値は、例えば、高い気温の中で内燃機関を高負荷で所定時間以上運転して停止したときにおける停止後の内燃機関の温度変化と吸気管内の温度変化に基づいてそれぞれ決定することができる。
本発明の第2の燃料供給装置は、供給された燃料を燃焼することでクランク軸を回転させる内燃機関に燃料を供給する。この燃料供給装置は、クランク軸の回転角を検出するクランク角検出センサと、内燃機関の吸気管内に燃料を噴射する燃料噴射ポンプと、クランク角検出センサの検出結果に応じて決定される燃料噴射タイミングで燃料噴射ポンプを駆動する制御装置と、を有する。そして、制御装置は、(1)内燃機関の始動期間内における複数の燃料噴射タイミングのうち一部の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時燃料噴射量を補正した燃料噴射量とする一方、(2)それ以外の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時燃料噴射量とする補正手段を有することを特徴とする。
この燃料供給装置では、始動期間内の一部の燃料噴射タイミングで通常時燃料噴射量を補正した燃料噴射量で噴射し、その他の残りの燃料噴射タイミングでは通常時燃料噴射量で噴射することができる。これによって、燃料噴射量が過剰に補正されることが防止される。
前記補正手段は、例えば、内燃機関の温度及び/又は吸気管内の温度が高温であるときに実行されることができる。このような構成によると、燃料供給管内にベーパが発生し易い状況のときに燃料噴射量が補正され、適正な量の燃料が内燃機関に供給される。
また、本発明の第3の燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料を燃料供給管を介して内燃機関に供給する。この燃料供給装置は、燃料供給管内にベーパが発生しているか否かを判断するための温度検出手段を少なくとも2つ備え、これら温度検出手段の検出結果に応じて内燃機関の始動期間内の燃料供給量制御を通常時モードと高温時モードに切り替えることを特徴とする。
この燃料供給装置では、複数の温度検出手段の検出結果に基づいて燃料供給管内にベーパが発生しているか否かが判断され、その判断結果に応じて燃料供給量制御が通常時モードと高温時モードとに切換えられる。このため、燃料供給管内にベーパが発生しているか否かが精度良く判断され、これによって、内燃機関に適正な量の燃料を供給することができる。
以下、本発明を具現化した一実施形態に係る燃料供給装置について図面を参照して説明する。本実施形態に係る燃料供給装置は、自動二輪車のエンジンに燃料を供給するために用いられる。まず、本実施形態に係る燃料供給装置の全体構成について説明する。
図1は燃料供給装置の全体構成を模式的に示している。図1に示すように燃料供給装置は、燃料タンク12と、エンジン11に燃料を噴射する燃料噴射ポンプ13と、エンジン11と燃料噴射ポンプ13との間に配されるサブタンク10等を備えている。
燃料タンク12は、エンジン11と略同等の高さ又はエンジン11より下方に配置される。燃料タンク12の底面近傍には燃料供給配管16の一端が取付けられ、燃料供給配管16の他端は燃料ポンプ14の燃料吸入口に取付けられている。燃料ポンプ14の燃料吐出口には燃料供給配管17の一端が取付けられ、燃料供給配管17の他端はサブタンク10に取付けられている。このため、燃料ポンプ14が作動すると、燃料タンク12内の燃料がサブタンク10に送られる。燃料ポンプ14からサブタンク10に送られる単位時間当りの燃料量は、燃料噴射ポンプ13から噴射される単位時間当りの最大燃料量以上に設定されている。したがって、サブタンク10には、常に十分な量の燃料が貯留されるようになっている。
なお、燃料ポンプ14には種々のポンプを用いることができ、例えば往復式のポンプを用いることができる。燃料ポンプ14に往復式のポンプを用いることで、燃料供給装置を安価に製造することができる。
サブタンク10は、燃料ポンプ14によって送られる燃料を一時的に貯留する。サブタンク10の容量は、燃料タンク12の容量と比較して充分に小さくされている。このため、燃料タンク12内に貯留される燃料量が極端に少なくならない限り、サブタンク10内に貯留される燃料を略一定の量に維持することができる。
また、サブタンク10には、内部で発生するベーパや余剰燃料を排出するベーパ抜き配管20が取付けられている。ベーパ抜き配管20の他端は燃料タンク12に接続されている。このため、サブタンク10内で発生したベーパやサブタンク10内の余剰燃料は、ベーパ抜き配管20を通って燃料タンク12に戻される。さらに、サブタンク10には燃料供給配管18の一端が取付けられ、燃料供給配管18の他端にはベーパセパレータ15が取付けられている。
ベーパセパレータ15は、燃料中に含まれる異物を除去するフィルタ(図示省略)を備えている。ベーパセパレータ15には燃料供給配管19の一端が接続され、燃料供給配管19の他端は燃料噴射ポンプ13に接続されている。したがって、サブタンク10からの燃料は、ベーパセパレータ15によって異物が除去され、異物が除去された燃料が燃料噴射ポンプ13に供給される。
また、ベーパセパレータ15には、その内部で発生したベーパを排出する排出口が形成され、その排出口には連通管23が取付けられている。連通管23は、コネクタ24を介してベーパ抜き配管21に接続されている。ベーパ抜き配管21の一端はサブタンク10に取付けられている。このため、ベーパセパレータ15内で発生したベーパは、連通管23及びベーパ抜き配管21を通ってサブタンク10に戻される。
燃料噴射ポンプ13は、エンジン11の吸気管27に取付けられている。燃料噴射ポンプ13は、燃料供給配管19を介してサブタンク10内の燃料を吸引して昇圧し、昇圧した燃料を吸気管27内に噴射する。燃料噴射ポンプ13の構造については後で詳述する。
燃料噴射ポンプ14は、その内部で発生したベーパや余剰燃料を排出する排出口(図2の112)を備えており、この排出口にはベーパ抜き配管22が取付けられている。ベーパ抜き配管22は、コネクタ24及びベーパ抜き配管21を介してサブタンク10に接続されている。このため、燃料噴射ポンプ13内で発生したベーパや余剰燃料は、ベーパ抜き配管22,21を介してサブタンク10に戻されるようになっている。また、燃料供給配管19とベーパ抜き配管22は、連通管35によって燃料噴射ポンプ13の近傍で接続されている。燃料供給配管19内で発生したベーパは、連通管35を通ってベーパ抜き配管22に流れるようになっている。
燃料噴射ポンプ13は、電子制御ユニット(以下、ECUという)28によって制御される。ECU28には、イグニッションスイッチ26を介してバッテリ25が接続されている。イグニッションスイッチ26がONされると、バッテリ25からECU28に電力が供給されるようになっている。ECU28には、エンジン11に供給される空気の温度及び圧力を検出するセンサ群(吸気圧センサ30、吸気温センサ32)と、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ31と、エンジン11の状態を検出するセンサ群(クランク軸11aの角度を検出するクランク角センサ33、エンジン11の周囲の温度を検出するエンジン温度センサ34)が接続されている。ECU28は、これらセンサ群30〜34で検出された検出結果に基づいて、燃料噴射ポンプ13を駆動して所定量の燃料を吸気管27内に噴射し、また、イグニッションコイル29を駆動して噴射された燃料に点火する。これによって、エンジン11に供給される空気に適切な量の燃料が混合され、適切なタイミングで点火される。
次に、燃料噴射ポンプ13の構造について説明する。図2は燃料噴射ポンプ13の断面図である。図2に示すように、燃料噴射ポンプ13は、ハウジング116,118と、ハウジング116,118内に収容されたコイルケーシング100及びシリンダ60等によって構成されている。
シリンダ60は、その内部を軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔の一部がシリンダ室65とされている。シリンダ室65内にはプランジャピストン90が配されている。プランジャピストン90はシリンダ室65内を上下方向に移動可能となっている。プランジャピストン90の外径はシリンダ室65の内壁面66の径よりわずかに小さく、両者の間にはクリアランスが設けられている。
プランジャピストン90の上端にはフランジ部材92が取り付けられている。フランジ部材92はスリーブ88内に収容され、プランジャピストン90の上下動に併せてスリーブ88内を上下動する。フランジ部材92には、上下方向に伸びるスリット92aが形成されている。
スリーブ88は、シリンダ60の上端に形成された凹部68に固定されている。スリーブ88の上端にはフィルタ取付部材96が取り付けられている。フィルタ取付部材96には開口97が形成され、開口97にはフィルタ98が取り付けられている。フィルタ98のメッシュサイズは、シリンダ室65の内壁面66とプランジャピストン90の外周面との間のクリアランスより小さくされている。
シリンダ60の上端に形成された凹部68とフランジ部材92の間には、圧縮された状態のプランジャスプリング94が配されている。したがって、プランジャスプリング94は、フランジ部材92(すなわち、プランジャピストン90)を上方に付勢する。このため、ソレノイドコイル102(後で詳述する)が作動していない時は、フランジ部材92の上端がフィルタ取付部材96に当接し、プランジャピストン90の上方への移動が規制されている。フランジ部材92とフィルタ取付部材92が当接する状態では、後述するようにシリンダ室65内に燃料が流入し、シリンダ室65内が燃料で満たされている。以下、フランジ部材92とフィルタ取付部材96とが当接する時のプランジャピストン90の位置を燃料吸入位置という。
なお、ソレノイドコイル102が作動すると、プランジャピストン90は下方に移動する。ここで、プランジャピストン90の下方への移動位置(すなわち、燃料噴射ポンプ13から吸気管27内に噴射される燃料噴射量)は、エンジン11の運転状態によりECU28で計算され、その計算された移動位置にプランジャピストン90が移動するようにソレノイドコイル102の通電時間が制御される。プランジャピストン90が下方に移動すると、シリンダ室65内の燃料が圧縮され、シリンダ室65から送り出される。以下、ソレノイドコイル102の通電時間により決定されるプランジャピストン90の下端面の位置を燃料噴射位置という。
シリンダ室65の側面には燃料流入口72と燃料流出口70が形成されている。燃料流入口72の径は燃料流出口70の径より大きく、燃料流入口72は燃料流出口70より下方に配置されている。したがって、プランジャピストン90が燃料吸入位置から燃料噴射位置に移動する際は、まず、プランジャピストン90によって燃料流出口70が閉じられ、シリンダ室65からの燃料の流出が規制されることとなる。プランジャピストン90が燃料流出口70を越えて下方へ移動すると、シリンダ室65内の燃料が圧縮され、その燃料圧力が高まることとなる。なお、シリンダ室65内の燃料が圧縮されている間は、後述するように燃料流入口72が閉じられ、シリンダ室65から燃料流入口72を通って燃料が流出しないようになっている。
燃料流入口72にはチェックバルブ(バルブシート76,ボール弁74)が配されている。バルブシート76はシリンダ60の外周面に固定されている。バルブシート76の開口はボール弁74によって開閉される。ボール弁74とシリンダ60の外周面の間にはスプリング80が介装され、ボール弁74はスプリング80によってバルブシート76の開口を閉じる方向に付勢されている。
プランジャピストン90が上方に移動している時は、バルブシート76の外側の燃料圧力よりバルブシート76の内側の燃料圧力(すなわち、シリンダ室65内の燃料圧力)が所定値以上小さくなり、ボール弁74はバルブシート76より離れ、バルブシート76の外側の燃料が燃料流入口72よりシリンダ室65内に流入する。一方、プランジャピストン90が下方に移動している時は、シリンダ室65内の燃料圧力がバルブシート76の外側の燃料圧力より大きくなり、ボール弁74はバルブシート76に当接し、燃料流入口72を閉じる。
バルブシート76の外側にはフィルタ78が配されている。フィルタ78のメッシュサイズは、シリンダ室65の内周面とプランジャピストン90の外周面との間のクリアランスより小さくされている。
燃料流出口70には与圧バルブ(バルブシート86,弁82)が配されている。バルブシート86はシリンダ50の外周面に固定されている。バルブシート86の開口は弁82によって開閉される。弁82とバルブシート86の間にはスプリング84が介装され、弁82はスプリング84によってバルブシート86の開口を閉じる方向に付勢されている。シリンダ室65内の燃料圧力がバルブシート86内の燃料圧力より所定値以上大きいと、弁82はバルブシート86より離れ、シリンダ室65内の燃料がバルブシート86内に流入する。バルブシート86内に流れた燃料は、燃料噴射ポンプ13の排出口112に向かって流れるようになっている。
シリンダ室65の下端にはバルブシート58が固定され、バルブシート58によってシリンダ室65の下端が閉じられている。バルブシート58の中央には燃料流路59が形成されている。
燃料流路59の下方にはチェックバルブ(バルブシート58及びボール弁57)が配されている。ボール弁57は、スプリング56によって上方(バルブシート58と当接する方向)に付勢されている。したがって、シリンダ室65内の燃料の圧力が所定値以下のときは、スプリング56からボール弁57に作用する上向きの力が燃料からボール弁57に作用する下向きの力より大きく、ボール弁57はバルブシート58に当接し燃料流路59を閉じる。一方、シリンダ室65内の燃料の圧力が所定値を越えると、スプリング56からボール弁57に作用する上向きの力より燃料からボール弁57に作用する下向きの力が大きくなり、ボール弁57はバルブシート58から離れ、燃料流路59を開放する。
バルブシート58の下方にはバルブボディ40が配置されている。バルブボディ40は、シリンダ60の下端に形成された凹部62に固定されている。バルブボディ40とシリンダ60の間にはOリング55が配され、両者の間がシールされている。
バルブボディ40には燃料流路46が形成されている。燃料流路46の上端は燃料流路59を介してシリンダ室65に連通している。燃料流路46の下端には燃料噴射孔42が形成されている。燃料噴射孔42は、バルブボディ40内に配された燃料噴射弁48によって開閉される。
燃料噴射弁48の上端50にはフランジ部材52が取り付けられている。フランジ部材52とバルブボディ40の端面44との間には、スプリング54が圧縮された状態で配されている。スプリング54は、フランジ部材52を介して燃料噴射弁48を上方に付勢している(すなわち、燃料噴射孔42を閉じる方向に燃料噴射弁48を付勢している)。
したがって、シリンダ室65から燃料流路46内に高圧の燃料が流入すると、スプリング54から燃料噴射弁48に作用する上向きの力より燃料噴射弁48に作用する下向きの力が大きくなり、燃料噴射弁48は下方に移動する。これによって、燃料噴射弁48は燃料噴射孔42を開放し、燃料噴射孔42より燃料が噴射される。
上述したシリンダ60の外側には、シリンダ60と同心状にコイルケーシング100が配されている。コイルケーシング100は円筒状部材であり、ソレノイドコイル102を収容している。ソレノイドコイル102に電力が供給されると、それによってプランジャピストン90が下方に移動する。ソレノイドコイル102のON/OFFは、ECU28によって制御される。
コイルケーシング100は導入口106を有している。導入口106には燃料供給配管19が接続されている。したがって、燃料供給配管19からの燃料は、導入口106を通ってコイルケーシング100内に流入するようになっている。また、コイルケーシング100にはコネクタ107が設けられている。コネクタ107は、ソレノイドコイル102の端子(図示していない)を有している。
コイルケーシング100の下端開口にはシリンダ60の下端部が取り付けられている。コイルケーシング100とシリンダ60の下端部との間にはOリング75が配され、両者の間がシールされている。一方、シリンダ60の下端部以外の部分では、コイルケーシング100の内径はシリンダ60の外径より大きく、両者の間に燃料流路104が形成されている。燃料通路104は燃料導入口106に連通している。
コイルケーシング100の上端開口には上端フランジ108が取り付けられている。上端フランジ108とコイルケーシング100の間にはOリング109が配され、両者の間がシールされている。上端ケーシング100には排出口112が形成されている。排出口112にはベーパ抜き配管22が接続される。導入口106から燃料噴射ポンプ13内に流入した燃料のうち余剰燃料は、燃料通路104が通って排出口112からベーパ抜き配管22に排出されることとなる。
上述した燃料供給装置の作用について説明する。イグニッションスイッチ26をONすると燃料ポンプ14が作動し、燃料タンク12内の燃料がサブタンク10に向かって送りだされる。燃料ポンプ14の作動開始と同時に、ECU28は燃料噴射ポンプ13の制御を開始し、エンジン11をスタートさせる。なお、ECU28による燃料噴射量制御については後で詳述する。
燃料ポンプ14から送り出された燃料はサブタンク10に流入し貯留される。サブタンク10で発生するベーパと余剰燃料は、ベーパ抜き配管20を通って燃料タンク12に戻される。サブタンク10内に貯留された燃料は、ベーパセパレータ15で異物とベーパが分離され、燃料噴射ポンプ13に供給される。ベーパセパレータ15によって分離されたベーパは、連通管23及びベーパ抜き配管21を介してサブタンク10に戻される。
燃料噴射ポンプ13は、プランジャピストン90が燃料吸入位置より燃料噴射位置に移動することによって燃料を噴射する。すなわち、ソレノイドコイル102がONすると、プランジャピストン90が下方に移動する。プランジャピストン102が下方に移動すると、シリンダ室65内の燃料の一部(場合によっては、ベーパを含んだ燃料)が燃料排出口70より流出する。なお、シリンダ室65から燃料排出口70を通って流出した燃料は、燃料流路104を通って排出口112に向かって流れる。
プランジャピストン90が燃料排出口70を越えてさらに下方に移動すると、シリンダ室65内の燃料が圧縮され、燃料の圧力が上昇する。このため、チェックバルブ(ボール弁57)が下方に移動し、シリンダ室65内の燃料が燃料流路59よりバルブボディ40内に送り出される。バルブボディ40内に送り出された燃料は、燃料噴射孔42より燃料が噴射される。
なお、プランジャピストン90が下方に移動する際には、シリンダ60の凹部68(プランジャスプリング94が収容されている空間)内の燃料はスリット92aを通って上方に流れることができる。これによって、プランジャピストン90の下方へのスムーズな移動が担保されている。
ソレノイドコイル102がOFFすると、プランジャスプリング94の付勢力によってプランジャピストン90が上方に移動する。プランジャピストン90が上方に移動すると、導入口106から流入する燃料がフィルタ78及び燃料流入口72を通ってシリンダ室65内に吸引される。これによって、シリンダ室65内が燃料で充填される。
なお、燃料供給配管19から燃料噴射ポンプ13内に流入する燃料の余剰燃料は、燃料流路104を通って排出口112よりベーパ抜き配管22に排出される。燃料噴射ポンプ13からベーパ抜き配管22に排出された燃料はサブタンク10に戻される。
ここで、燃料流入口72を通ってシリンダ室65内に流入する燃料は、フィルタ78によって異物が取り除かれる。また、シリンダ60の凹部68には、シリンダ60(正確にはスリーブ88)の上端に取り付けたフィルタ取付部材96の開口97から燃料が流入する。開口97にはフィルタ98が取り付けられているため、シリンダ60の凹部68に流入する燃料からは異物が除去される。
したがって、プランジャピストン90が上下に往復動し、プランジャピストン90の外周面とシリンダ室65の内壁面66とが摺動しても、シリンダ60(シリンダ室65,凹部68)内の燃料からは異物が取り除かれているため、プランジャピストン90の外周面の磨耗及びシリンダ室65の内壁面66の磨耗が抑制される。これによって、燃料噴射ポンプ13の燃料噴射能力を長期間に亘って高く維持することができる。
次に、ECU28による燃料噴射量制御について説明する。本実施形態の燃料供給装置では、(1)高温始動時噴射量制御(高温始動時モード)、(2)通常始動時噴射量制御(通常始動時モード)、(3)始動後噴射量制御(始動後モード)の3つの制御プログラムのいずれかをECU28が実行して、燃料噴射ポンプ13から燃料を噴射する。
図3はイグニッションスイッチ26がONされたときのECU28の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すように、イグニッションスイッチ26がONされると、まず、ECU28はエンジン温度センサ34によって検出される温度が第1設定温度以上となるか否かを判断する(S14)。エンジン温度センサ34で検出される温度が第1設定温度未満のときは(ステップS14でNO)、ECU28は通常始動時噴射量制御(通常始動時モード)を実行する(S20)。エンジン温度センサ34で検出される温度が第1設定温度以上のときは(ステップS14でYES)、さらに、ECU28は吸気温センサ32で検出される温度が第2設定温度以上となるか否かを判断する(S16)。
吸気温センサ32で検出される温度が第2設定温度未満のときは(ステップS16でNO)、ECU28は通常始動時噴射量制御(通常始動時モード)を実行する(S20)。吸気温センサ32で検出される温度が第2設定温度以上のときは(ステップS16でYES)、ECU28は高温始動時噴射量制御(高温始動時モード)を実行する(S20)。したがって、エンジン温度センサ34で検出される温度が第1設定温度以上となり、かつ、吸気温センサ32で検出される温度が第2設定温度以上となるときに、ECU28は燃料供給管19内にベーパが発生していると判断し、高温始動時噴射量制御によって燃料噴射ポンプ13から燃料が噴射されることとなる。なお、エンジン温度が第1設定温度以上で、かつ、吸気温度が第2設定温度以上となるときに、燃料供給管19内にベーパが発生していると判断できることについては、後で詳述する。
ステップS20の通常始動時噴射量制御が予め設定された時間(すなわち、始動期間)だけ実行され、あるいは、ステップS18の高温始動時噴射量制御が予め設定された始動期間だけ実行されると、ECU28は始動後噴射量制御に移行する(S22)。始動後噴射量制御は、エンジン11が停止するまで実行される。
図4は高温始動時噴射量制御が実行されるときのECU28の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すようにECU28は、まず、クランク角センサ33がクランク軸11aを検出したか否か(すなわち、クランク軸11aが所定のクランク角となったか否か)を判断する(S24)。クランク角センサ33がクランク軸11aを検出していない場合(ステップS24でNO)は、クランク角センサ33がクランク軸11aを検出するまで待機する。
クランク角センサ33がクランク軸11aを検出した場合(ステップS24でYES)は、まず、クランク角センサ33による検出回数をカウントし(S26)、次いで、エンジン始動時において外気温が常温のときに燃料噴射ポンプ13から噴射する燃料量(すなわち、通常時燃料噴射量)を算出する(S28)。通常時燃料噴射量が算出されると、次いで、当該燃料噴射が奇数回目の燃料噴射か否かを判断する(S30)。すなわち、ステップS26のカウント数が奇数か否かを判断する。当該燃料噴射が偶数回目の燃料噴射である場合(ステップS30でNO)は、ステップS28で算出された通常時燃料噴射量を燃料噴射ポンプ13から噴射させる(S32)。
当該燃料噴射が奇数回目の燃料噴射である場合(ステップS30でYES)は、ステップS28で算出された通常時燃料噴射量を高温補正係数で補正した燃料噴射量を、燃料噴射ポンプ13から噴射させる(S32)。すなわち、通常時燃料噴射量に高温補正係数(>1.0)を乗じて算出した燃料噴射量を燃料噴射ポンプ13から噴射する。したがって、奇数回目の燃料噴射では通常時燃料噴射量より増量された燃料が噴射され、偶数回目の燃料噴射では通常時燃料噴射量のままの燃料が噴射されることとなる。
ここで、ステップS32で用いられる高温補正係数は、エンジン温度と吸気温度に基づいて決定することができる。例えば、図5に示すように、エンジン温度によって決まるエンジン温度補正係数(>1.0)と、吸気温度によって決まる吸気温度補正係数(>1.0)を乗じて高温補正係数を決定することができる。あるいは、エンジン温度と吸気温度を変数として高温補正係数を決定するマップを作成し、そのマップに基づいて高温補正係数を決定することもできる。このようにエンジン温度と吸気温度に基づいて高温補正係数を決定することで、燃料吸気管19内で発生するベーパ量に応じて燃料噴射量を補正することができる。
なお、通常始動時噴射量制御では、上述した高温始動時噴射量制御と異なり、燃料噴射量の高温補正が行われない。すなわち、全ての燃料噴射タイミングで通常時燃料噴射量(図4のステップS28で算出される噴射量)が燃料噴射ポンプ13から噴射される。また、始動後噴射量制御は、従来行われていた始動後噴射量制御と同様に行われる。
図6は上述した高温始動時噴射量制御が行われるときの燃料供給装置の動作を示すタイムチャートであり、図7は通常始動時噴射量制御が行われるときの燃料供給装置の動作を示すタイムチャートである。
図6,7に示すように、イグニッションスイッチ26がONされてから所定の時間が経過するまでは始動時噴射量制御が実行され、その後に始動後噴射量制御が実行される。始動時噴射量制御が実行されている期間は、エンジン11の回転数が低く抑えられ、また、クランク角センサ33でクランク軸11aが検出される毎に燃料噴射ポンプ13のソレノイドコイル102に通電される。これによって、燃料噴射ポンプ13からソレノイドコイル102の通電時間に応じた量の燃料が吸気管27内に噴射される。
図6に示す高温始動時噴射量制御では、クランク角センサ33でクランク軸11aが検出される回数が奇数のときは、通常時燃料噴射量に高温補正係数を乗じた燃料を燃料噴射ポンプ13から噴射する。このため、ソレノイドコイル102への通電時間T2が長くなっている。一方、クランク角センサ33でクランク軸11aが検出される回数が偶数のときは、燃料噴射ポンプ13から通常時燃料噴射量をそのまま噴射する。このため、ソレノイドコイル102への通電時間T1は短くなっている。一方、図7に示す通常始動時噴射量制御では、燃料噴射ポンプ13から噴射する燃料噴射量を補正しないため、全ての燃料噴射タイミングで同一の通電時間T1となっている。
上述した説明から明らかなように、本実施形態の燃料供給装置では、エンジン始動時において、高温始動時噴射量制御(高温始動時モード)と通常始動時噴射量制御(通常始動時モード)のいずれかを選択する。すなわち、エンジン温度が第1設定温度以上となり、かつ、吸気温度が第2設定温度以上となったときは、燃料供給管19内にベーパが発生していると判断し、ECU28は高温始動時噴射量制御を実行する。また、これ以外のときは、燃料供給管19内にベーパが発生していないと判断し、ECU28は通常始動時噴射量制御を実行する。これによって、燃料供給管19内のベーパの有無に応じた適切な量の燃料がエンジン11に供給され、エンジン11の再始動性を向上することができる。
また、高温始動時噴射量制御では、通常時燃料噴射量と、通常時燃料噴射量を高温補正係数によって補正した燃料噴射量とが交互にエンジン11に供給される。このため、エンジン11に過剰な量の燃料が噴射されることを抑制することができる。
最後に、エンジン温度が第1設定温度以上となり、吸気温度が第2設定温度以上となるときに、燃料供給管19内にベーパが発生していると判断できることを説明する。まず、エンジン温度・吸気温度の特性について図8及び図9を参照して説明し、次いで、エンジン温度・吸気温度の特性に基づいて設定された第1設定温度及び第2設定温度と検出されたエンジン温度及び吸気温度をそれぞれ比較することで、ベーパの発生の有無が判断できることを説明する。
図8,9は、本実施形態の燃料供給装置を搭載した自動二輪車をある程度の距離走行させた後に停止し、所定の時間が経過した後に再始動してアイドリング状態で放置したときの(1)エンジン回転数の経時変化(上段)と、(2)エンジン温度(エンジン温度センサ34の検出温度)及び吸気温度(吸気温センサ32の検出温度)の経時変化(下段)を示す図である。図8では、高温状態(外気温が高い状態)で運転したときのエンジン温度と吸気温度を実線で示し、常温状態(外気温が通常の状態)で運転したときのエンジン温度と吸気温度を点線で示している。また、図9では、高負荷(エンジン回転数が高い状態)で運転したときのエンジン温度と吸気温度を実線で示し、低負荷(エンジン回転数が低い状態)で運転したときのエンジン温度と吸気温度を一点鎖線で示している。
図8、9に示すように、エンジン温度は、エンジン11の運転時間に応じて上昇し、エンジン11が停止すると一時的に温度が上昇し、その後は時間の経過に応じて単調に温度が低下する。一方、吸気温度は、エンジン11の運転時間に応じて上昇し、エンジン11の停止後もエンジン11の余熱によって緩やかに上昇し、エンジン11が停止してからある程度の時間が経過した後に緩やかに低下する。また、エンジン温度及び吸気温度は、いずれの時点でも常温状態(通常状態)より高温状態の方が高くなり(図8参照)、また、いずれの時点でも低負荷状態より高負荷状態の方が高くなる(図9参照)。
ここで、燃料供給管19内にベーパが発生するのは、夏場等の外気温が高い状態でエンジン11(すなわち、自動二輪車)を運転して停止したときに、エンジン11の余熱によって燃料供給管19内の燃料が過剰に温められることによる。このため、夏場等のように外気温が高い状態であってもエンジン11の余熱が小さいとき(例えば、エンジン11が低負荷で運転されて停止したとき等)は、燃料供給管19内にベーパは発生しない。また、夏場等の外気温が高い状態で、かつ、エンジン11の余熱が大きいとき(例えば、エンジン11が高負荷で運転されて停止したとき)であっても、エンジン11が停止した直後は燃料供給管19内にベーパは発生しておらず、エンジン11が停止してからある程度の時間が経過したときにベーパが発生する。また、ベーパが発生しても、ある程度の時間が経過すると発生したベーパが凝縮して消滅する。したがって、燃料供給管19内にベーパが発生する条件は、(1)外気温が高温であること、(2)エンジン11が高負荷である程度の時間運転されたこと、(3)エンジン11が停止してからの経過時間が所定の範囲内〔t1<t(経過時間)<t2;図9のAで示す範囲〕となること、の3条件となる。
そこで、図9に示すように第1設定温度(図中ではエンジン温度閾値)設定し、エンジン温度センサ34で検出された温度と第1設定温度を比較することで、上記(1),(2)の条件が判定でき、さらに、エンジン11が停止してからの経過時間tがt2以下となるか否かを判断することができる。また、図9に示すように第2設定温度(図中では吸気温度閾値)を設定し、吸気温センサ32で検出された温度と第2設定温度を比較することで、上記(1),(2)の条件が判定でき、さらに、エンジン11が停止してからの経過時間tがt1以上となったか否かを判断することができる。
すなわち、図9から明らかなように、エンジン温度が第1設定温度以上となるときは、高温状態において高負荷でエンジンが運転されたときであり、エンジン11が停止してからの時間tはt2以下となっている。また、吸気温度が第2設定温度以上となるときは、高温状態において高負荷でエンジンが運転されたときで、かつ、エンジン11が停止してからの時間tがT1以上となっている。したがって、エンジン温度が第1設定温度以上となり、吸気温度が第2設定温度以上となると、上記(1)〜(3)の条件が成立することとなり、燃料供給管19内にベーパが発生していると判断することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施形態では、エンジン温度と吸気温度に基づいて燃料供給管内にベーパが発生しているか否かを判断したが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、外気温を検出するセンサと、エンジンを冷却する冷却水の温度を検出するセンサと、エンジンオイルの温度を検出するセンサを配設し、これらのセンサの検出結果に基づいて燃料供給管内にベーパが発生しているか否かを判断するようにしてもよい。かかる構成を採用する場合、例えば、外気温が設定温度(例えば、30℃)以上で、冷却水が設定温度(例えば、100℃)以上で、エンジンオイルが設定温度(例えば、120℃)以上となるときに、燃料供給管内にベーパが発生していると判断して高温始動時噴射量制御を実行することができる。このようにエンジン周辺等に複数のセンサを配置して、これらセンサで検出される検出結果に基づいてベーパの発生の有無を判断することで、ベーパの発生の有無を精度よく判断することができる。これによって、高温始動時噴射量制御と通常始動時噴射量制御を適切に切換えることができ、エンジンの再始動性を向上することができる。
また、上述した実施形態では、高温時補正を行った燃料噴射量と、通常時燃料噴射量を交互に燃料噴射ポンプ13から噴射したが、本発明はこのような形態に限られず、高温時補正を行った燃料噴射量を所定の周期で噴射するようにしてもよい。例えば、クランク角センサでクランク軸が3回検出される毎に1回だけ高温時補正を行った燃料噴射量を噴射するようにしてもよい。
また、上述した燃料供給装置では、エンジン温度と吸気温度の両者に基づいてベーパの発生の有無を判断したが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、エンジン停止からの経過時間を計測するタイマを設け、イグニッションスイッチをONしたときのエンジン温度又は吸気温度と、タイマにより計時した経過時間とに基づいて、ベーパの発生の有無を判断することもできる。例えば、タイマにより計時した経過時間が所定の範囲内で、かつ、エンジン温度又は吸気温度が設定温度以上となるときに、燃料吸気管内にベーパが発生していると判断することができる。
なお、タイマによる経時は、エンジン停止から一定の時間だけ行うようにし、それ以降は計時しないようにしてもよい。エンジン停止から一定の時間が経過すると、エンジンが充分に冷却され、仮に燃料供給管内にベーパが発生していたとしても、そのベーパが凝縮して消失すると考えられるためである。また、タイマによる計時を一定の時間に限ることにより、バッテリの電力消費を抑えることが可能となる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本発明の一実施形態に係る燃料供給装置の全体構成を示す図である。 燃料噴射ポンプの断面図である。 燃料噴射量制御の処理手順を示すフローチャートである。 高温始動時噴射量制御の処理手順を示すフローチャートである。 高温補正係数を算出する方法を説明するための図である。 高温始動時噴射量制御を行うときの燃料供給装置のタイムチャートである。 通常始動時噴射量制御を行うときの燃料供給装置のタイムチャートである。 エンジン回転数の経時変化と、エンジン温度と吸気温度の経時変化とを併せて示す図である。 エンジン回転数の経時変化と、エンジン温度と吸気温度の経時変化とを併せて示す他の図である。
符号の説明
10・・サブタンク
11・・エンジン
12・・燃料タンク
13・・燃料噴射ポンプ
14・・燃料ポンプ
15・・ベーパセパレータ
60・・シリンダ
90・・プランジャピストン

Claims (9)

  1. 燃料タンク内の燃料を燃料供給管を介して吸引し、吸引した燃料を内燃機関の吸気管内に噴射する燃料噴射ポンプを備えた燃料供給装置であり、
    内燃機関の温度を検出する第1温度検出手段と、
    吸気管内の温度を検出する第2温度検出手段と、
    燃料噴射ポンプを駆動する制御装置と、を有し、
    その制御装置は、第1温度検出手段と第2温度検出手段によって検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて、内燃機関の始動期間内における燃料噴射量制御を通常時モードと高温時モードに切り替えることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記内燃機関は、燃料を燃焼することで回転駆動されるクランク軸と、そのクランク軸の回転角を検出するクランク角検出センサをさらに有しており、
    前記制御装置は、クランク角検出センサの検出結果に応じて決定される燃料噴射タイミングで燃料噴射ポンプから燃料を噴射させ、かつ、
    高温時モードでは、(1)始動期間内に決定される複数の燃料噴射タイミングのうち一部の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を高温時の燃料噴射量とする一方、(2)それ以外の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時の燃料噴射量とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記制御装置は、高温時モードでは、燃料噴射ポンプから噴射される燃料噴射量を交互に通常時燃料噴射量と高温時燃料噴射量とに切換えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記高温時燃料噴射量は、前記通常時燃料噴射量を高温時補正係数で補正して算出され、前記高温時補正係数は、第1温度検出手段と第2温度検出手段によって検出された少なくとも2つの検出温度に基づいて決定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料供給装置。
  5. 前記制御装置は、第1温度検出手段で検出された温度が第1設定値以上で、かつ、第2温度検出手段で検出された温度が第2設定値以上となっているときに、燃料噴射量制御を高温時モードに切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料供給装置。
  6. 前記第1設定値と第2設定値は、高い気温の中で内燃機関を高負荷で所定時間以上運転して停止したときにおける停止後の内燃機関の温度変化と吸気管内の温度変化に基づいてそれぞれ決定されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料供給装置。
  7. 供給された燃料を燃焼することでクランク軸を回転させる内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置であり、
    クランク軸の回転角を検出するクランク角検出センサと、
    内燃機関の吸気管内に燃料を噴射する燃料噴射ポンプと、
    クランク角検出センサの検出結果に応じて決定される燃料噴射タイミングで燃料噴射ポンプを駆動する制御装置と、を有し、
    その制御装置は、(1)内燃機関の始動期間内における複数の燃料噴射タイミングのうち一部の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時燃料噴射量を補正した燃料噴射量とする一方、(2)それ以外の燃料噴射タイミングにおいては、燃料噴射ポンプから噴射する燃料噴射量を通常時燃料噴射量とする補正手段を有することを特徴とする燃料供給装置。
  8. 前記補正手段は、内燃機関の温度及び/又は吸気管内の温度が高温であるときに実行されることを特徴とする請求項7に記載の燃料供給装置。
  9. 燃料タンク内の燃料を燃料供給管を介して内燃機関に供給する燃料供給装置であり、
    燃料供給管内にベーパが発生しているか否かを判断するための温度検出手段を少なくとも2つ備え、これら温度検出手段の検出結果に応じて内燃機関の始動期間内の燃料供給量制御を通常時モードと高温時モードに切り替えることを特徴とする燃料供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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