JP2007084634A - 筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インキ中の気体を化学的に除去する化合物を用いることによって、良好な筆記性能を得ることができる筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供する。
【解決手段】 システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物と、着色剤と、有機溶剤とを含んでなる。前記システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物をインキ組成物中0.1〜15重量%含んでなる。前記筆記具用油性インキ組成物をインキ収容容器に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具。
【選択図】 なし

Description

本発明は筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。
従来より、油性インキを内蔵する筆記具としては、インキ収容容器内にインキを充填し、前記インキ収容容器先端部にボールペンチップを嵌合させた簡易な構造のボールペンを挙げることができる。
また、前記油性インキ中に種々の剪断減粘性付与剤を添加することにより、静置状態におけるみかけ粘度を高くし、インキ収容管後端からのインキ漏出を防止したり、紙面上の筆跡の滲みの発生を抑える試みもなされている。
前記油性インキを直接充填した筆記具は簡易な構造であり、水性インキを直接充填した筆記具のように流量調節部材(ペン芯)を用いて密閉構造にする必要もない。よって、内部圧力の変化が少ないためインキのボタ落ちを生じない利点を有する反面、インキの調製及び充填に際し、特別な配慮が必要である。それは、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞れがあるからである。
特に、インキ後端面には前記インキ中の溶剤が蒸発することを防止したり、或いは筆記先端部が上向き状態(正立状態)においてインキの逆流を防止するインキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体(液栓)を充填した筆記具は、インキは外部の空気と遮断された気密空間に存在するため、気泡の発生による悪影響を受け易い。
前記した問題を解決するために、インキ中の気泡発生を抑制するヒドロキシルアミン又はその塩、ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩を添加する試みがなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−265844号公報
本発明は、インキ中の気体を化学的に除去する化合物について更に検討し、前述したインキを直接的に充填するタイプの筆記具に適した、良好な筆記性能を得ることができる筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供することにある。
本発明は、システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物と、着色剤と、有機溶剤とを含んでなる筆記具用油性インキ組成物を要件とする。
更には、前記システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物をインキ組成物中0.1〜15重量%含んでなること、剪断減粘性付与剤を含んでなることを要件とする。
更には、前記筆記具用油性インキ組成物をインキ収容容器に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具、前記筆記具がボールペンであることを要件とする。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種を配合することによりインキ中の気泡を除去できる。従って、前記インキを用いた筆記具は、経時により気泡が発生せず、筆記先端部へのインキ導出が円滑に行われ、安定した筆記性能を持続させることができるので継続して良好な筆跡が得られる。
本発明者は、前記したインキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、各種添加剤に対する影響が少なく、しかも、少量の添加で十分な気体の除去機能を示すと共に前記機能を永続的に発現させる化合物について鋭意検討した結果、システアミン、システアミン塩、チオグリセロールが良好な筆記性能を維持しつつ、長期的に顕著な気体除去機能を示すことを見出した。
前記システアミンは、2−メルカプトエチルアミンとも呼ばれ、分子中にアミノ基とチオール基を有する構造式で与えられる抗酸化性化合物であり、特に、塩としてより高い抗酸化性能を発現するものである。
前記システアミンの塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等を用いることができるが、特に利便性のよい塩酸塩が好適に用いられる。
前記システアミンやその塩は還元性を示すので、インキ組成物中に添加することで良好な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察される。
また、チオグリセロールは、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとも呼ばれる抗酸化性化合物であり、インキ中で還元性を示し、良好な酸素吸収能を有するものである。
従って、インキ組成物中に添加することにより、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制するものとなる。
前記システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物は、インキ組成中0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%添加することができる。
0.1重量%未満では所期の気泡発生抑止効果を得ることは困難であり、15重量%以下で所望の効果は十分に得られるので、それ以上の添加は必要としない。
前記有機溶剤としては、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル等を例示できる。
前記有機溶剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよく、インキ組成中40〜80重量%の範囲で用いられる。
前記着色剤としては従来より汎用の染料や顔料を使用できる。前記染料としては、例えば、カラーインデックスにおいてソルベント染料として分類される有機溶剤可溶性染料が挙げられる。
前記ソルベント染料の具体例としては、バリファストブラック3806(C.I.ソルベントブラック29)、同3807(C.I.ソルベントブラック29の染料のトリメチルベンジルアンモニウム塩)、スピリットブラックSB(C.I.ソルベントブラック5)、スピロンブラックGMH(C.I.ソルベントブラック43)、バリファストレッド1308(C.I.ベーシックレッド1の染料とC.I.アシッドイエロー23の染料の造塩体)、バリファストイエローAUM(C.I.ベーシックイエロー2の染料とC.I.アシッドイエロー42の染料の造塩体)、スピロンイエローC2GH(C.I.ベーシックイエロー2の染料の有機酸塩)、スピロンバイオレットCRH(C.I.ソルベントバイオレット8−1)、バリファストバイオレット1701(C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー42の染料の造塩体)、スピロンレッドCGH(C.I.ベーシックレッド1の染料の有機酸塩)、スピロンピンクBH(C.I.ソルベントレッド82)、ニグロシンベースEX(C.I.ソルベントブラック7)、オイルブルー613(C.I.ソルベントブルー5)、ネオザポンブルー808(C.I.ソルベントブルー70)等が挙げられる。
顔料としては、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料、アルミニウム粉やアルミニウム粉表面を着色樹脂で処理した金属顔料、透明又は着色透明フィルムにアルミニウム等の金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、フィルム等の基材に形成したアルミニウム等の金属蒸着膜を剥離して得られる厚みが0.01〜0.1μmの金属顔料、金、銀、白金、銅から選ばれる平均粒子径が5〜30nmのコロイド粒子、蛍光顔料、蓄光性顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料等が挙げられる。
前記着色剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよく、インキ組成中3〜40重量%の範囲で用いられる。
更に、筆跡の滲み抑制、定着性向上、堅牢性付与等の目的で以下の樹脂を用いることもできる。
具体的には、ケトン樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルピロリドン、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂等を例示できる。
また、所望によりカルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、みつろう、オゾケライト、セレシン、モンタンワックス、モンタン酸ワックス、モンタンエステルワックス等のワックス類を添加することもできる。
本発明の油性インキ組成物をボールペンに適用する際には、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル等の潤滑剤を必要により添加することもできるが、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等を用いるとボール受け座の摩耗防止効果に優れる。
更に、剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することによって、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
尚、剪断減粘性付与剤を添加する場合は、20℃でのE型粘度計による3.84S−1の剪断速度におけるインキ粘度が10mPa・s(20℃)以上、好適には10〜10000mPa・sであり、且つ、剪断減粘指数を0.3〜0.99の範囲に調整することが好ましく、前記した粘度範囲及び剪断減粘指数を示すことによって、更にインキ漏れだし、インキの逆流を防止することができる。
また、着色剤として顔料を用いた場合には、前記顔料の凝集・沈降を抑制することができる。
インキ粘度が10mPa・s未満では剪断減粘性による効果が適正ではなく、インキ吐出性及び筆跡性能に支障を来すこともある。
尚、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kj(Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
前記剪断減粘性付与剤を以下に例示する。
架橋型アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂のエマルションタイプ、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体の水溶液、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、デキストリン脂肪酸エステル、N−アシルアミノ酸系化合物、スメクタイト系無機化合物、モンモリロナイト系無機化合物、ベントナイト系無機化合物、ヘクトライト系無機化合物、シリカ、下記一般式(1)と下記一般式(2)とのアクリル共重合体、
Figure 2007084634
Figure 2007084634
〔式中、Rは炭素数1乃至12のアルキル基を示し、Rは炭素数1乃至24のアルキル基を示し、m、nは数千乃至数十万の重合度を示す。〕
アクリル酸又はメタクリル酸と、下記一般式(3)又は(4)で示されるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの共重合体
Figure 2007084634
(式中、Rは炭素数1乃至12のアルキル基を示す。)
Figure 2007084634
(式中、Rは炭素数1乃至12のアルキル基を示す。)
前記剪断減粘性付与剤を添加することによって筆跡の滲みを抑制することができるため、紙面は勿論、浸透性の高い布帛等の繊維材料に筆記しても筆跡は滲むことなく、良好な筆跡を形成できる。
前記インキ組成物は、チップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填して実用に供される。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.2〜3mm径程度のものが適用できる。
なお、本発明のインキを充填する筆記具は、ボールと同様の転動作用により筆跡を形成させる、ローラー等の転動機構を筆記先端部に備えたものを含む。
インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
更に、インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、有機溶剤中に、染料又は顔料(顔料分散体)、システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる化合物、必要により剪断減粘性付与剤や各種添加剤を投入し、必要により加温して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、ボールペン、サインペン、フェルトペン、筆ペン等の形態の筆記具に充填して使用される。
以下の表に実施例及び比較例を示す。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、表中の数値は重量部を表わす。
Figure 2007084634
Figure 2007084634
表1、2中の原料(1)〜(10)について以下に説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:バリファストブラック3810
(2)オリエント化学工業(株)製、商品名:バリファストレッド1308
(3)積水化学工業(株)製、商品名:エスレックBL−1
(4)ドイツ国ヒュルス社製、商品名:シンセチックレジンSK
(5)荒川化学工業(株)製、商品名:マルキードNo.33
(6)ドイツ国BASF社製、商品名:ルビテックK−90
(7)和光純薬(株)製、商品名:ハイビスワコー105
(8)新中村化学工業(株)製、商品名:900W
(9)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA207H
(10)ライオンアクゾ(株)製、商品名:エソミンC25
インキの調製
前期配合量で各原料を混合し、ディスパーにて1時間撹拌することで筆記具用油性インキを得た。
ボールペンの作製
前記実施例及び比較例のインキを、直径0.5mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、更に、前記インキ後端面に密着させてインキ逆流防止体を充填した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、ボールペンを得た。
前記ボールペンを25℃で30日間放置した後、インキ収容管内の気泡の有無、及び、筆記試験により筆跡の状態を目視により観察した。
これとは別に、前記ボールペンを50℃で30日間放置した後、インキ収容管内の気泡の有無、及び、筆記試験により筆跡の状態を目視により観察した。
その結果を以下に示す。
Figure 2007084634
尚、前記表中の評価基準は以下の通りである。
気泡の発生
○:インキ中に気泡が発生しない。
×:インキ中に気泡が発生する。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られる。
△:書き出しにかすれが生じる。
×:筆跡がかすれる、又は、筆跡を形成できない。

Claims (5)

  1. システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物と、着色剤と、有機溶剤とを含んでなる筆記具用油性インキ組成物。
  2. 前記システアミン、システアミン塩、チオグリセロールから選ばれる少なくとも一種以上の化合物をインキ組成物中0.1〜15重量%含んでなる請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。
  3. 剪断減粘性付与剤を含んでなる請求項1又は2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具用油性インキ組成物をインキ収容容器に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具。
  5. 前記筆記具がボールペンである請求項4の筆記具。
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